JP2007215775A - 薬剤収納容器および薬剤収納容器の製造方法 - Google Patents

薬剤収納容器および薬剤収納容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、内部に収納された薬剤に液体を混合する際に、これらを容易かつ短時間で均質化(均一化)することができる薬剤収納容器、およびかかる薬剤収納容器を簡便に製造し得る薬剤収納容器の製造方法を提供すること。
【解決手段】薬剤収納容器1は、液体を注入および/または吸引して使用するものであり、先端に先端側開口21と基端に基端側開口22とを備える筒状の容器本体2と、先端に開口311を備え、開口311が容器本体2の先端側開口21と対面するように、容器本体2内に液密に設けられた薬剤収納部3と、薬剤収納部3に収納された薬剤5とを有し、容器本体2と薬剤収納部3とで画成される空間20の容積が変化するよう構成されている。具体的には、薬剤収納部3は、容器本体2に対して摺動可能に設けられ、薬剤収納部3が容器本体2の軸方向に沿って移動することにより、空間20の容積が変化するよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、薬剤収納容器および薬剤収納容器の製造方法に関するものである。
通常、多くの薬剤は、ゴム栓で封止されたバイアル容器(薬剤収納容器)内に収納されている。
このようなバイアル容器から、例えば粉末状の薬剤を取り出す場合、溶解用液を取り分けたシリンジの先端に注射針を取り付け、注射針でバイアル容器のゴム栓を刺通して溶解用液を注入する。
その後、注射針をゴム栓に刺通した状態で、ポンピング操作を行ったり、注射針を取り外して容器を振盪したり等することにより、溶解用液に薬剤を均一に溶解する。そして、薬剤が溶解された溶解用液(以下、「液剤」と言う。)をシリンジ内に吸引して取り出す。
しかし、この一連の操作は非常に煩雑である。また、薬剤の形状、性質、溶解後の濃度等によっては、溶解が必ずしも容易ではなく、薬剤が溶解用液に完全に溶解するまでに、時間や手間がかかってしまう場合もある。
そこで、このような課題を解決するものとして、薬剤を収納する空間を減圧状態に保持した器具(薬剤収納容器)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に記載の器具では、減圧力を利用することにより、溶解用液を前記空間内に吸引して薬剤を溶解用液により溶解する。
この器具によれば、溶解用液が急速に容器内に流入するため撹拌効果が高く、薬剤を溶解用液に容易に溶解することができ、また、操作も簡易であるという利点がある。
しかし、この器具では、運搬や保管状況によっては、振動や熱膨張等によって器具が変形し、前記空間内に空気が流入してしまうことがある。このような状況が生じると、器具内の真空度が低下するため、器具内に目的とする量の液体を注入することができず、液剤中の薬剤の濃度を適正なものとすることができなくなる。
さらに、この器具では、導液初期においては、器具内の減圧度が高いため、溶解用液に薬剤を容易に溶解できるが、導液量が多くなるにつれて、器具内の減圧度が低下する。このため、溶解度の小さい薬剤や粘度が高い薬剤については、溶解液を均一にするために、別途、振盪やポンピング操作を行うことが必要となる。
特表2001−505072号公報
本発明の目的は、例えば、内部に収納された薬剤に液体を混合する際に、これらを容易かつ短時間で均質化(均一化)することができる薬剤収納容器、およびかかる薬剤収納容器を簡便に製造し得る薬剤収納容器の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) 液体を注入および/または吸引して使用する薬剤収納容器であって、
先端に先端側開口と基端に基端側開口とを備える筒状の容器本体と、
先端に開口を備え、該開口が前記容器本体の先端側開口と対面するように、前記容器本体内に液密に設けられた薬剤収納部と、
該薬剤収納部に収納された薬剤とを有し、
前記容器本体と前記薬剤収納部とで画成される空間の容積が変化するよう構成されていることを特徴とする薬剤収納容器。
(2) 前記薬剤収納部は、前記容器本体に対して摺動可能に設けられ、
前記薬剤収納部が前記容器本体の軸方向に沿って移動することにより、前記空間の容積が変化するよう構成されている上記(1)に記載の薬剤収納容器。
(3) 前記薬剤収納部は、有底筒状の収納部本体と、該収納部本体の外周部に設けられ、前記容器本体の内周面に密着する環状のガスケットとを備える上記(2)に記載の薬剤収納容器。
(4) 前記ガスケットは、前記収納部本体の先端部に設けられている上記(3)に記載の薬剤収納容器。
(5) 前記薬剤収納部が前記容器本体の基端側開口から離脱するのを防止する離脱防止手段を有する上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の薬剤収納容器。
(6) 前記薬剤収納部は、伸縮自在な部分を備え、前記容器本体に固定されており、
前記薬剤収納部が伸縮することにより、前記空間の容積が変化するよう構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の薬剤収納容器。
(7) 前記空間の容積が最小の状態において、前記薬剤収納部は、そのほぼ全体が前記容器本体内に収納されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の薬剤収納容器。
(8) 前記空間の容積の増大に伴って、前記薬剤収納部が前記容器本体の基端側開口から突出するよう構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の薬剤収納容器。
(9) 当該薬剤収納容器に前記液体を導く導液具を接続可能な接続部を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の薬剤収納容器。
(10) 前記接続部は、前記容器本体の先端側開口を塞ぐように設けられ、先端に鋭利な針先を備える穿刺針を備える上記(9)に記載の薬剤収納容器。
(11) 前記接続部は、前記容器本体の先端側開口を塞ぐように設けられ、必要時に開く開閉口を有する弾性材料で構成された弁体を備える上記(9)に記載の薬剤収納容器。
(12) 前記薬剤は、乾燥状態のものである上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の薬剤収納容器。
(13) 先端に先端側開口と基端に基端側開口とを備える筒状の容器本体と、
先端に開口を備え、該開口が前記容器本体の先端側開口と対面するように、前記容器本体内に液密に設けられた薬剤収納部と、
該薬剤収納部に収納された乾燥状態の薬剤とを有し、
前記容器本体と前記薬剤収納部とで画成される空間の容積が変化するよう構成された薬剤収納容器を製造する方法であって、
前記薬剤収納部内に、前記薬剤を含む液状組成物を収納する第1の工程と、
前記液状組成物を乾燥する第2の工程と、
前記容器本体内に、乾燥状態の前記薬剤を収納した前記薬剤収納部を配置する第3の工程とを有することを特徴とする薬剤収納容器の製造方法。
(14) 前記第2の工程において、前記液状組成物の乾燥は、凍結乾燥により行われる上記(13)に記載の薬剤収納容器の製造方法。
本発明によれば、薬剤を収納する空間の容積が変化するように構成したので、液体の注入や吸引を円滑に行なうことができるようになる。これにより、例えば、薬剤と液体とを容易かつ短時間で均質(均一)に混合することができる。
また、薬剤収納部を容器本体から分離可能(取り外し可能)にしたので、薬剤収納部への薬剤の供給が容易となり、薬剤収納容器を簡便に製造することができるようになる。
以下、本発明の薬剤収納容器および薬剤収納容器の製造方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の薬剤収納容器の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の薬剤収納容器の第1実施形態を示す縦断面図(使用前の状態を示す)、図2は、図1に示す薬剤収納容器から汚染防止手段を取り外した状態を示す(使用時の状態を示す)縦断面図、図3〜図5は、それぞれ、図1および図2に示す薬剤収納容器の使用方法を説明するための図(縦断面図)、図6〜図8は、それぞれ、図1および図2に示す薬剤収納容器の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
なお、以下では、便宜上、図1、図2および図6〜図8中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。また、図3〜図5では、図1、図2および図6〜図8中において、先端に対応する側を「先端」、基端に対応する側を「基端」として説明する。
図1および図2に示す薬剤収納容器1は、容器本体2と、容器本体2内に設けられた薬剤収納部3と、容器本体2の先端部に設けられた接続部4と、薬剤収納部3内に収納された薬剤5とを有している。
この薬剤収納容器1では、例えば溶解用液、希釈用液や薬液等の液体を、内部に注入して、薬剤5と液体とを混合する操作等が行われる。
また、図1に示すように、薬剤収納容器1は、使用前(保管時)の状態で、汚染防止手段7により容器本体2内の無菌・滅菌状態および清浄度が保持されている。
以下、各部の構成について順次説明する。
容器本体2は、円筒状をなし、その先端側に先端側開口21および基端側に基端側開口22がそれぞれ形成されている。
この容器本体2は、その先端部に、胴部より縮径した縮径部23を有している。この縮径部23の先端において先端側開口21が開口している。
また、縮径部23は、その内径が先端に向かって漸減する形状(テーパ状)をなしている。これにより、後述するように、薬剤収納容器1内から液体を吸引する際には、その吸引操作をより円滑に行うことができる。
容器本体2の基端には、その外周に沿って円環状(リング状)の凸部24が突出して形成されている。この凸部24は、後述するキャップ状部材6の溝61に係合し、キャップ状部材6が容器本体2に固定される。
容器本体2および後述する収納部本体31は、それぞれ、実質的に透明(無色透明、着色透明、半透明)であるのが好ましい。これにより、薬剤収納容器1内に収納された薬剤5の状態を外部から目視で確認することができる。
容器本体2内には、薬剤収納部3が液密(気密的)に設けられている。この薬剤収納部3内に、例えば、粉末状、液体状等の薬剤5が収納される。
図1に示すように、薬剤収納部3は、先端に開口(収納部側開口)311を備えて(形成されて)おり、この開口311が容器本体2の先端側開口21と対面するように設けられている。これにより、先端側開口21から注入された液体は、開口311を介して薬剤収納部3内に流入し、一方、薬剤収納部3内の液体は、開口311を介して先端側開口21から吸引される。
本実施形態では、薬剤収納部3は、前記開口311を備える有底円筒状の収納部本体31と、収納部本体31の外周部に設けられ、容器本体2の内周面に液密に密着する環状のガスケット32とで構成され、収納部本体31の軸と容器本体2の軸とがほぼ一致するように配置されている。
このような構成により、薬剤収納部3は、容器本体2に対して液密に摺動可能となっている。そして、薬剤収納部3が容器本体2の軸方向に沿って移動することにより、容器本体2と薬剤収納部3とで画成される空間20の容積が変化するよう構成されている。
収納部本体31の先端部には、その外周部に、一対の環状の凸部312が軸方向に所定間隔おいて形成されている。一方、ガスケット32の内周部には、凸部312に対応する溝321が形成されている。凸部312が溝321に挿入され、これにより、収納部本体31の先端部にガスケット32が嵌合により固定されている。
収納部本体31の先端部にガスケット32を設ける構成とすることにより、薬剤収納部3が容器本体2に対して最も先端側に位置した状態(空間20の容積が最小となった状態)で、先端側開口21と開口311とを近接させることができる。これにより、液体を薬剤収納部3内に円滑に導入することができる。また、薬剤収納部3が容器本体2に対して最も基端側に位置した状態(空間20の容積が最大となった状態)で、空間20の容積を十分確保することができる。
また、ガスケット32の外周部には、複数(図1では、2個)のリング状の凸部322が軸方向に所定間隔おいて形成されている。この凸部322が容器本体2の内周面に対し密着しつつ摺動することで、液密性をより確実に保持するとともに、摺動性の向上を図ることができる。
本実施形態のガスケット32は、その全体が弾性材料で構成され、容器本体2内を摺動する際の液密(気密)性が確保されている。
このような弾性材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム等の各種ゴムや、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、ガスケット32は、少なくとも容器本体2の内周面と接触(密着)する部分が弾性材料で構成されていればよく、本実施形態のように全体が弾性材料で構成されたものの他、例えば、硬質の芯部と、この芯部の表面を被覆し、弾性材料で構成される被覆層とを有する構成とすることもできる。
このように、薬剤収納部3を容器本体2内において、液密に摺動可能に設けることにより、従来のバイアル容器で必要な、液体の注入や吸引の際に、内部圧力を調整するためのエアー抜きやエアー入れの操作を不要とすることができる。これにより、液体の注入や吸引の際の操作がより容易となる。
容器本体2内(空間20内)に、例えば溶解用液等の液体を注入すると、薬剤収納部3は、基端方向に向かって移動する。一方、薬剤5が溶解した後の溶解用液(液剤)を空間20内から吸引するとき、薬剤収納部3が先端方向に向かって移動する。これにより、空間20の内部圧力が外気圧と等しくなるように維持される。
このガスケット32と容器本体2との間の摺動抵抗は、液密(気密)性が維持される範囲で小さいほどよく、特に限定されないが、400gf以下であることが好ましく、50〜200gf程度であるのがより好ましい。摺動抵抗が大き過ぎると、例えばシリンジ等の導液具を用いて空間20内へ液体を注入する際や、内部の液体を吸引する際に、薬剤収納部3が円滑に追従して移動せず、使い勝手が低下するおそれがある。
なお、ガスケット32と容器本体2との間の摺動抵抗は、例えばシリコーンオイル等の潤滑剤をガスケット32の表面に付与(塗布)することにより低下させるようにしてもよい。
また、薬剤収納部3は、空間20の容積が最小の状態、すなわち、薬剤収納容器1の使用前の状態(図1および図2に示す状態)や、空間20内から液体を吸引した後の状態において、そのほぼ全体が容器本体2内に収納されるよう構成されている。これにより、保管時に薬剤収納部3が容器本体2から突出せず、保管がし易くなる。
一方、空間20の容積の増大(薬剤収納部3の基端方向への移動)に伴って、薬剤収納部20が容器本体2の基端側開口22から突出するよう構成されている。これにより、薬剤収納容器1の全体のサイズが大きくなるのを防止しつつ、薬剤収納部3が容器本体2の最も基端側に位置した際の空間20の容積を十分に確保することができる。
容器本体2の先端部には、接続部4が設けられている。この接続部4の内側には、液体を薬剤収納容器1の内部に液体を注入および/または吸引する際に、液体を導く導液具(例えば、先端に封止栓を有するシリンジ等)の口部(先端部)が挿入・固定される。これにより、薬剤収納容器1の先端部に導液具が接続される。
接続部4は、容器本体2の先端部に設けられた固定部41と、固定部41の外周側に固定された連結部材42と、これらの内側に設けられた穿刺針43とで構成されている。
固定部41は、円筒状をなし、前述した縮径部23と同心的に、かつ容器本体2と一体的に形成されている。
固定部41は、連結部材42の基端側に挿入・嵌合され、これにより、連結部材42が容器本体2に固定されている。
連結部材42は、円筒状をなし、その先端側の部分には、導液具の口部が挿入・嵌合される。なお、連結部材42の内周面には、微小な凹凸を形成するようにしてもよい。これにより、導液具の口部に対する嵌合力(固定力)を増大することができる。
また、固定部41および連結部材42の内側には穿刺針43が設けられている。この穿刺針43は、連結部材42の内側に、導液具の口部を挿入した際に、口部の先端開口を液密に封止する封止栓(または封止膜)を刺通する。
穿刺針43は、先端に鋭利な針先を備える針体431と、針体431の基端部に固定されたハブ432と、ハブ432の先端に固定され、使用前の状態で針体431を被包する被包部材433とで構成されている。
針体431は、例えば、ステンレス鋼のような金属材料、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレートのような各種硬質の樹脂材料で構成することができる。なお、針体431を樹脂材料で構成する場合には、針体431とハブ432とを一体で形成することもできる。また、被包部材433は、例えば、前述したような弾性材料で構成することができる。
この穿刺針43は、ハブ432が縮径部23に融着により固定され、容器本体2の先端側開口21を塞ぐように設けられている。
一方、容器本体2の基端には、キャップ状部材6が装着(固定)されている。
このキャップ状部材6の内周面には、円環状の溝61が形成されており、この溝61に容器本体2の基端に形成された凸部24が係合(嵌合)し、これにより、キャップ状部材6が容器本体2の基端に固定されている。
このキャップ状部材6の中央部には、収納部本体31の外径より若干大きく、かつガスケット32の外径より十分に小さい開口部62が形成されている。
このような構成により、薬剤収納部3が基端方向に移動するとき、収納部本体31が開口部62を通過する。また、薬剤収納部3が最も基端側に移動すると、ガスケット32とキャップ状部材6とが当接し、薬剤収納部3が容器本体2から離脱するのを防止することができる。すなわち、このキャップ状部材6が、薬剤収納部3が容器本体2の基端開口22からの離脱を防止する離脱防止手段を構成する。
このような薬剤収納容器1は、使用前まで、汚染防止手段(無菌性保持手段)7により、容器本体2内の無菌・滅菌および清浄度が保持されている。
図1に示すように、本実施形態の汚染防止手段7は、容器本体2の先端側(接続部4)に着脱自在に設けられ、接続部4の先端を気密的に封止する第1のシート材71と、キャップ状部材6の基端に着脱自在に設けられ、開口部62を気密的に封止する第2のシート材72とで構成されている。
第1のシート材71および第2のシート材72は、いずれも平板状の部材で構成され、それぞれ、接続部4およびキャップ状部材6に対して、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着)、接着剤による接着等により固定されている。
このような第1のシート材71、第2のシート材72、前述の容器本体2、収納部本体31、連結部材42、穿刺針43のハブ432、被包部材433等は、それぞれ、ガスバリア性を有するのが好ましく、その構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレート等のポリエステル、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂や、その他の熱可塑性樹脂のような樹脂材料、アルミニウムのような金属材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第1のシート材71および第2のシート材72としては、それぞれ、前記材料(金属材料は除く)やエラストマーで構成された単層フィルムの他、例えば、単層フィルムにアルミニウム、シリカ等を蒸着したもの、アルミニウムフィルム、アルミニウムラミネートフィルム等の金属箔または金属箔を含むフィルムを使用することができる。さらには、これら各フィルムを2層以上積層したものを用いることもできる。
なお、第1のシート材71と第2のシート材72とは、連結部(連結シート材)で連結された1枚のシート材で構成されていてもよい。
次に、薬剤収納容器1の使用方法について、図2〜図5を参照しつつ、薬剤5を溶解用液104を用いて溶解または分散(懸濁)する場合を一例に説明する。
[1] まず、薬剤収納容器1から第1のシート材71および第2のシート材72を取り外す(除去する)。これにより、図2に示すように、接続部4に、例えば次に説明するシリンジ10の口部100が接続可能な状態になる。
[2] 次に、溶解用液104を収納したシリンジ(導液具)10を用意する(図3参照。)。
このシリンジ10は、先端部に口部100を有するシリンジ外筒101と、シリンジ外筒101内に摺動可能に設けられたガスケット102と、ガスケット102を移動操作する押し子103とを有し、シリンジ外筒101とガスケット102とで画成される空間内に、溶解用液104が収納されている。
また、口部100の先端には、開口部110が形成されており、この開口部110が封止栓(または封止膜)120で液密に封止されている。
[3] 次に、図3に示すように、このシリンジ10の口部100を、接続部4の内側に挿入して、奥まで押し込む。これにより、図3に示すように、穿刺針43の被包部材433を突き破って針体431が突出するとともに、この針体431が封止栓120を刺通する。これにより、シリンジ外筒101内と薬剤収納容器1内の空間20内とが連通する。
また、このとき、口部100が連結部材42に嵌合し、シリンジ10と薬剤収納容器1とが接続される。
[4] 次に、前記[3]の状態で、シリンジ10の押し子103を、口部100側に移動させる。これにより、図4に示すように、シリンジ10の口部100から溶解用液104が排出され、針体431の内腔部および先端側開口21を介して空間20内に注入される。
空間20内に溶解用液104を注入するのに伴って、空間20の圧力が増大すると、薬剤収納部3は、基端方向に向かって徐々に移動する。これにより、空間20の内部圧力が外気圧と等しくなるように維持され、溶解用液104を空間20内に、大きな抵抗力を感じることなく注入することができる。
また、このとき、空間20の容積が増大するのに伴って、薬剤収納部3は、容器本体2の基端側開口22から突出する。
[5] 次に、シリンジ10の押し子103を往復移動させることにより、ポンピング操作を行う。これにより、溶解用液104と薬剤5とが均一に溶解または分散される。
なお、このポンピング操作に際しても、薬剤収納部3が先端方向または基端方向に向かって往復移動し、空間20の内部圧力が外気圧と等しくなるように維持されるので、ポンピング操作を容易かつ確実に行うことができる。
[6] 次に、図5に示すように、シリンジ10の押し子103を、口部100と反対側に向かって移動させる。これにより、液剤105(薬剤5が溶解または分散された溶解用液104)を、シリンジ外筒101内に吸引した後、シリンジ10の口部100を接続部4から離間(離脱)させる。
ここで、空間20内から液剤105を吸引すると、薬剤収納部3が、先端方向に向かって移動する。これにより、空間20の内部圧力が外気圧と等しくなるように維持されるので、液剤105を空間20内から、大きな抵抗力を感じることなく取り出す(吸引する)ことができる。
以上のように、この薬剤収納容器1では、液体の注入または吸引に伴って薬剤収納部3が基端側または先端側に向かって移動することにより、空間20の内部圧力が外気圧と等しくなるように維持される。
したがって、従来のバイアル容器で必要な、液体の注入や吸引の際に、内部圧力を調整するためのエアー抜きやエアー入れの操作を不要とすることができる。これにより、液体の注入や吸引の際の操作がより容易となる。
このようなことから、薬剤収納容器1は、例えば、抗がん剤、免疫抑制剤等、医療従事者が誤って触れると危険な薬剤や、抗生剤、止血剤等の使用にあたって溶解が必要な薬剤、小児用の薬剤等の希釈が必要な薬剤等の薬剤5を収納する容器への適用が好適である。
また、容器本体2の先端側開口21を、前述したような穿刺針43で塞いでおくので、液体の注入や吸引に際して、注射針等の導液針や導液用の専用デバイスを別途用意する必要がなく、空間20内への液体の注入や吸引の操作を確実に行うことができる。
また、別途、注射針等の導液針を用意する必要がないため、針刺し事故の危険性を回避することができる。
このような薬剤収納容器1は、例えば、次のようにして製造することができる。
以下では、乾燥状態の薬剤5が収納された薬剤収納容器1を製造する場合(本発明の薬剤収納容器の製造方法)について説明する。
なお、以下の各工程は、例えば、アイソレータ内等の無菌環境下で行われる。
[A] まず、図6(a)に示すように、薬剤収納部3の収納部本体31内に、薬剤5を含む液状組成物50を無菌的に供給する(第1の工程)。
[B] 次に、図6(b)に示すように、液状組成物を乾燥させる(第2の工程)。
この乾燥には、例えば、凍結乾燥、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、乾燥には、特に、凍結乾燥を用いるのが好ましい。凍結乾燥を用いることにより、薬剤5の種類によらず確実に乾燥することができ、また、薬剤5が例えば活性を有するタンパク質である場合、活性を維持した状態での乾燥が可能となる。
ここで、凍結乾燥では、乾燥に供する液状組成物を収納した容器を、ステージ(棚板)上に載置した状態で、ステージを冷却することが行われる。したがって、液状組成物を効率よく凍結乾燥させるためには、液状組成物ができるだけ、ステージに接近していることが好ましい。本発明の薬剤収納容器1では、容器本体2と薬剤収納部3とが分離可能(取り外し可能)であり、図6(b)に示すように、乾燥に供する液状組成物50を収納した薬剤収納部3を直接ステージ900上に配置可能であるため、液状組成物50の確実かつ効率のよい乾燥が可能となる。その結果、薬剤収納容器1を簡便に製造することができるようになる。
このようなことから、本発明は、特に、乾燥状態の薬剤5を収納する薬剤収納容器1へ好適に適用される。
[C] 次に、図7(c)に示すように、薬剤収納部3を先端側から容器本体2内に挿入して配置する(第3の工程)。
[D] 次に、図7(d)に示すように、容器本体2の縮径部23に、ハブ432を融着する。これにより、穿刺針43を容器本体2に固定する。
また、容器本体2の基端部に、キャップ状部材6を嵌合により固定する。
[E] 次に、図8(e)に示すように、容器本体2の固定部41の外側に、連結部材42を嵌合により固定する。これにより、接続部4が得られる。
[F] 次に、図8(f)に示すように、接続部4の先端およびキャップ状部材6の開口部62を、それぞれ塞ぐように第1のシート材71および第2のシート材72を装着する。
以上の工程を経て、薬剤収納容器1が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の薬剤収納容器の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の薬剤収納容器の第2実施形態の縦断面図である。
なお、以下では、便宜上、図9中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。
以下、第2実施形態の薬剤収納容器について、前記第1実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の薬剤収納容器1は、接続部4の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様である。
すなわち、第2実施形態の接続部4は、穿刺針43のハブ432が省略され、針体431が、容器本体2と同一の材料(例えば硬質プラスチック材料)で構成され、容器本体2と一体的に形成されている。
本実施形態の薬剤収納容器1は、前記第1実施形態と同様にして、薬剤5を収納した薬剤収納部3を、先端側から容器本体2内に挿入し、配置した後、容器本体2と一体的に形成された針体431を覆うように被包部材433を装着し、容器本体2内を気密的に封止することにより製造することができる。
このような第3実施形態の薬剤収納容器1によっても、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様の作用・効果が得られる。
特に、第2実施形態の薬剤収納容器1によれば、容器本体2と針体431とを一体的に形成するので、容器本体2とハブ432とを融着する工程が不要となり、製造工程を大幅に簡略化することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の薬剤収納容器の第3実施形態について説明する。
図10は、本発明の薬剤収納容器の第3実施形態の縦断面図である。
なお、以下では、便宜上、図10中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。
以下、第3実施形態の薬剤収納容器について、前記第1実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の薬剤収納容器1は、接続部4の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様である。
すなわち、第3実施形態の接続部4は、穿刺針43に代えて、容器本体2の先端側開口21を塞ぐように設けられた弁体44を備えている。
この弁体44は、円盤状の頭部441と、頭部441の基端側に、この頭部441と一体的に形成された胴部442とを有し、その全体が弾性材料により構成されている。
頭部441には、必要時に開く開閉口440が形成されている。この開閉口440は、頭部441の中央部に、頭部441を貫通して形成された一文字状のスリット(切込み)で構成されている。
開閉口440は、弁体44が自然状態(例えばシリンジ10の口部100等により押圧されていない状態)にあるときは、弁体44自体の弾性により閉塞されており、一方、例えばシリンジ10の口部100等により軸方向に押圧されたとき、頭部441およびその近傍が変形することにより開くようになっている。
なお、開閉口440は、図示の構成に限られるものではなく、例えば、一方の面にのみ到達するスリットと、他方の面にのみ到達するスリットとが形成され、かつ、これらが内部において部分的に交差している構成のものであってもよい。
弁体44の胴部(筒状部)442の外周面には、軸方向に沿って複数のリング状の凹部443が形成されており、この凹部443において弁体44の胴部442は薄肉となっている。これにより、弁体44は、その全体が変形し易くなっており、開閉口440をより確実に開かせることができる。
また、弁体44の頂面は平滑な面とされている。これにより、消毒剤を浸した綿球等によって、頂面に付着した汚れを容易に拭き取ることができ、薬剤収納容器1を衛生的に維持、管理することが可能となる。
弁体44の構成材料としては、前記ガスケット32で挙げた材料と同様の弾性材料を用いることができる。
この弁体44は、その基端部を縮径部23と固定部41との間に形成された間隙に挿入した状態で、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着)、接着剤による接着等により、容器本体2に対して固定されている。
また、連結部材42の先端側の外周面には、ロック付シリンジのロック部が螺合し得るネジ溝(またはネジ山)421が形成されている。これにより、シリンジを確実に接続部4に接続することができ、空間20内への液体の注入や吸引の操作を確実に行うことができる。
なお、この第3実施形態の薬剤収納容器1に、導液具の口部を接続する際には、導液具の口部から封止栓(または封止膜)を取り除いた状態で、その接続操作が行われる。
このような第3実施形態の薬剤収納容器1によっても、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様の作用・効果が得られる。
なお、本実施形態の薬剤収納容器1には、ロック付(先端形状がロック形状の)シリンジに限らず、先端形状がスリップ形状のシリンジも接続可能とすることができる。
また、第3実施形態の薬剤収納容器1も、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様にして製造することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の薬剤収納容器の第4実施形態について説明する。
図11は、本発明の薬剤収納容器の第3実施形態の縦断面図である。
なお、以下では、便宜上、図11中の上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。
以下、第4実施形態の薬剤収納容器について、前記第1実施形態の薬剤収納容器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の薬剤収納容器1は、薬剤収納部3の構成が異なり、また、キャップ状部材6が省略され、それ以外は、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様である。
すなわち、図11に示すように、薬剤収納部3は、伸縮自在な部分を備える有底円筒状の部材で構成されている。具体的には、薬剤収納部3は、側壁部(円筒状部)が蛇腹状をなす有底円筒状の部材で構成され、伸縮自在となっている。
そして、この薬剤収納部3の先端部が、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着)、接着剤による接着等により、容器本体2の内周面に液密に固定されている。
本実施形態では、この薬剤収納部3が容器本体2の軸方向に沿って伸縮することにより、容器本体2と薬剤収納部3とで画成される空間20の容積が変化するよう構成されている。
本実施形態においても、薬剤収納部3は、空間20の容積が最小の状態において、そのほぼ全体が容器本体2内に収納されるよう構成され、一方、空間20の容積の増大(薬剤収納部3の伸張)に伴って、薬剤収納部20が容器本体2の基端側開口22から突出するよう構成されている。
第4実施形態の薬剤収納容器1も、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様にして製造することができる。
このような第4実施形態の薬剤収納容器1によっても、前記第1実施形態の薬剤収納容器1と同様の作用・効果が得られる。
特に、第4実施形態の薬剤収納容器1によれば、より簡単(単純)な構成で、前記第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができるという利点がある。
以上、本発明の薬剤収納容器および薬剤収納容器の製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
例えば、本発明では、前記第1〜第4実施形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせることもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
まず、図1に示す薬剤収納部(内容量:25mL)を用意した。
この薬剤収納部内に、10wt%のマンニトール溶液を15mL収納した。
次に、棚板面積75cmの凍結乾燥機に設置し、棚板温度を−40℃に保持して凍結乾燥を行った。このとき、凍結乾燥開始後、それぞれ1、3、5時間経過したときの薬剤収納容器内に収納したマンニトール溶液の温度を測定した。
次に、凍結乾燥終了後、薬剤収納部を容器本体(内容量:50mL)内に配置し、接続部、キャップ状部材、第1のシート材および第2のシート材を装着して、図1に示す薬剤収納容器を得た。
次に、第1のシート材および第2のシート材をそれぞれ取り外し、生理食塩液(溶解用液)40mLを収納したシリンジ(容量:50mL)の口部を、接続部に接続した。
次に、シリンジの押し子を口部側に移動させて、生理食塩液を薬剤収納容器内に注入した。
このとき、生理食塩液の注入に連動して、空間の内部圧力が外気圧と等しくなるように薬剤収納部が基端方向に向かって移動した。
次に、シリンジの押し子を3往復移動させてポンピング操作を行った。この場合にも、この押し子の往復移動に追従して、薬剤収納部が先端方向および基端方向に向かって往復移動した。
次に、シリンジの押し子を口部と反対側に移動させて、薬剤収納容器内に収納された液剤(マンニトールが溶解した生理食塩液)を吸引し、シリンジの口部を接続部から離間させた。
このシリンジ内に吸引された液剤を目視にて観察したところ、マンニトールが生理食塩液に均一に溶解していることが確認された。
(実施例2)
まず、図11に示す薬剤収納部(収縮時の内容量:25mL)を用意した。
この薬剤収納部内に、10wt%のマンニトール溶液を15mL収納した。
次に、棚板面積75cmの凍結乾燥機に設置し、棚板温度を−40℃に保持して凍結乾燥を行った。このとき、凍結乾燥開始後、それぞれ1、3、5時間経過したときの薬剤収納容器内に収納したマンニトール溶液の温度を測定した。
次に、凍結乾燥終了後、薬剤収納部を容器本体(内容量:50mL)内に配置し、接続部、キャップ状部材、第1のシート材および第2のシート材を装着して、図11に示す薬剤収納容器を得た。
次に、第1のシート材および第2のシート材をそれぞれ取り外し、生理食塩液(溶解用液)40mLを収納したシリンジ(容量:50mL)の口部を、接続部に接続した。
次に、シリンジの押し子を口部側に移動させて、生理食塩液を薬剤収納容器内に注入した。
このとき、生理食塩液の注入に連動して、空間の内部圧力が外気圧と等しくなるように薬剤収納部が伸張した。
次に、シリンジの押し子を3往復移動させてポンピング操作を行った。この場合にも、この押し子の往復移動に追従して、薬剤収納部が伸張および収縮した。
次に、シリンジの押し子を口部と反対側に移動させて、薬剤収納容器内に収納された液剤(マンニトールが溶解した生理食塩液)を吸引し、シリンジの口部を接続部から離間させた。
このシリンジ内に吸引された液剤を目視にて観察したところ、マンニトールが生理食塩液に均一に溶解していることが確認された。
(比較例)
容器本体(内容量:50mL)内に、薬剤収納部に代えて、図12に示すようなガスケットを配置した。
ガスケットの位置が、容器本体とガスケットで画成される空間の内容量が25mLとなるように配置(図12に示す状態)し、容器本体とガスケットで画成される空間内に、10wt%のマンニトール溶液を15mL収納した。
次に、棚板面積75cmの凍結乾燥機に設置し、棚板温度を−40℃に保持して凍結乾燥を行った。このとき、凍結乾燥開始後、それぞれ1、3、5時間経過したときの前記空間内に収納したマンニトール溶液の温度を測定した。
ここで、表1に、各実施例および比較例において、凍結乾燥開始後、それぞれ1、3、5時間経過したとき測定されたマンニトール溶液の温度を示す。
Figure 2007215775
表1に示すように、棚板にマンニトール溶液が近接する各実施例では、いずれも十分に冷却することが可能であった。
これに対して、棚板からマンニトール溶液が離間する比較例では、5時間経過後も十分に冷却することが困難であり、マンニトール溶液を凍結乾燥することができなかった。
本発明の薬剤収納容器の第1実施形態を示す縦断面図(使用前の状態を示す)である。 図1に示す薬剤収納容器から汚染防止手段を取り外した状態を示す(使用時の状態を示す)縦断面図である。 図1および図2に示す薬剤収納容器の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。 図1および図2に示す薬剤収納容器の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。 図1および図2に示す薬剤収納容器の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。 図1および図2に示す薬剤収納容器の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。 図1および図2に示す薬剤収納容器の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。 図1および図2に示す薬剤収納容器の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。 本発明の薬剤収納容器の第2実施形態の縦断面図である。 本発明の薬剤収納容器の第3実施形態の縦断面図である。 本発明の薬剤収納容器の第4実施形態の縦断面図である。 比較例の薬剤収納容器の構成を示す縦断面図である。
符号の説明
1 薬剤収納容器
2 容器本体
20 空間
21 先端側開口
22 基端側開口
23 縮径部
24 凸部
3 薬剤収納部
31 収納部本体
311 開口
312 凸部
32 ガスケット
321 溝
322 凸部
4 接続部
41 固定部
42 連結部材
421 ネジ溝(またはネジ山)
43 穿刺針
431 針体
432 ハブ
433 被包部材
44 弁体
440 開閉口
441 頭部
442 胴部
443 凹部
5 薬剤
50 液状組成物
6 キャップ状部材
61 溝
62 開口部
7 汚染防止手段
71 第1のシート材
72 第2のシート材
10 シリンジ
100 口部
110 開口部
120 封止栓
101 シリンジ外筒
102 ガスケット
103 押し子
104 溶解用液
105 液剤
900 ステージ

Claims (10)

  1. 液体を注入および/または吸引して使用する薬剤収納容器であって、
    先端に先端側開口と基端に基端側開口とを備える筒状の容器本体と、
    先端に開口を備え、該開口が前記容器本体の先端側開口と対面するように、前記容器本体内に液密に設けられた薬剤収納部と、
    該薬剤収納部に収納された薬剤とを有し、
    前記容器本体と前記薬剤収納部とで画成される空間の容積が変化するよう構成されていることを特徴とする薬剤収納容器。
  2. 前記薬剤収納部は、前記容器本体に対して摺動可能に設けられ、
    前記薬剤収納部が前記容器本体の軸方向に沿って移動することにより、前記空間の容積が変化するよう構成されている請求項1に記載の薬剤収納容器。
  3. 前記薬剤収納部は、有底筒状の収納部本体と、該収納部本体の外周部に設けられ、前記容器本体の内周面に密着する環状のガスケットとを備える請求項2に記載の薬剤収納容器。
  4. 前記薬剤収納部は、伸縮自在な部分を備え、前記容器本体に固定されており、
    前記薬剤収納部が伸縮することにより、前記空間の容積が変化するよう構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の薬剤収納容器。
  5. 前記空間の容積が最小の状態において、前記薬剤収納部は、そのほぼ全体が前記容器本体内に収納されている請求項1ないし4のいずれかに記載の薬剤収納容器。
  6. 前記空間の容積の増大に伴って、前記薬剤収納部が前記容器本体の基端側開口から突出するよう構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の薬剤収納容器。
  7. 当該薬剤収納容器に前記液体を導く導液具を接続可能な接続部を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の薬剤収納容器。
  8. 前記薬剤は、乾燥状態のものである請求項1ないし7のいずれかに記載の薬剤収納容器。
  9. 先端に先端側開口と基端に基端側開口とを備える筒状の容器本体と、
    先端に開口を備え、該開口が前記容器本体の先端側開口と対面するように、前記容器本体内に液密に設けられた薬剤収納部と、
    該薬剤収納部に収納された乾燥状態の薬剤とを有し、
    前記容器本体と前記薬剤収納部とで画成される空間の容積が変化するよう構成された薬剤収納容器を製造する方法であって、
    前記薬剤収納部内に、前記薬剤を含む液状組成物を収納する第1の工程と、
    前記液状組成物を乾燥する第2の工程と、
    前記容器本体内に、乾燥状態の前記薬剤を収納した前記薬剤収納部を配置する第3の工程とを有することを特徴とする薬剤収納容器の製造方法。
  10. 前記第2の工程において、前記液状組成物の乾燥は、凍結乾燥により行われる請求項9に記載の薬剤収納容器の製造方法。
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