JP3639033B2

JP3639033B2 - 浴槽用着脱自在手摺り

Info

Publication number: JP3639033B2
Application number: JP06666696A
Authority: JP
Inventors: 潤河原; 健一戸塚
Original assignee: Combi Corp
Current assignee: Combi Corp
Priority date: 1996-03-22
Filing date: 1996-03-22
Publication date: 2005-04-13
Anticipated expiration: 2016-03-22
Also published as: JPH09252985A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭内の浴室で、足の不自由な人や、高齢化による足腰の弱くなった人が入浴時に使用する着脱自在手摺りに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、家庭内において、足の不自由な人や高齢化による足腰の弱くなった人が入浴するとき浴槽への出入りの際ころばないようにするために、浴槽の縁壁に着脱自在に取り付ける手摺りが市販され、使用されている。しかし、これらのものは手摺りの形状が様々ではあるが（たとえば、縁壁に対して平行な形状のものや垂直な形状のもの等）、取り付け方はほとんどが浴槽の洗い場側の縁壁にネジを使用したり、パイプの弾力性を利用しはさみ込んで固定しているものであった。
【０００３】
また、浴槽の周囲の浴室壁に手摺りをネジ等で施工して用いる固定式の手摺りもあった。これは、浴槽内につかっている時にこの固定式の手摺りにつかまって身体を保持するためのもので、これにより入浴中に浮力で身体が浮きやすくなるのを防止し、したがって頭部が足側にずれて水没しておぼれることが防げる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このように浴槽の縁壁に着脱自在に設置できるタイプの従来の手摺りは、縁壁にネジやパイプの弾力性を利用してはさみ込み固定するものであり、これだと浴槽の縁壁の材質・形状が様々であることから、形状的に確実に固定することは難しく、ぐらついてしまうことがしばしば起こった。
また、確実に固定されたとしても浴槽の材質・厚さによっては、強度的に弱いものがあり、手摺りとして使用した場合、ぐらついたり、浴槽の縁壁を破損してしまうという問題があった。
【０００５】
さらに、浴槽への出入り、浴槽につかっている時の身体の保持のための手摺りとして施工タイプの手摺りしかなく、それも後から施工しようとすると浴室壁の材質・厚さ等の問題で強度が不足し、取り付けできない例も多く見受けられた。これが取り付けできないと、入浴時に身体を支える手摺りがないために湯の浮力で身体が浮きやすく、足の不自由な人だと身体を支えきれずに身体全体が足側に移動し、頭まで水没しておぼれてしまう危険性があった。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記欠点を解決するもので、浴槽用着脱自在手摺りを、浴槽縁壁の上部へはめ込み保持されるＵ字状手摺り保持具と、Ｕ字状手摺り保持具が浴槽縁壁の上部へはめ込み保持された状態で浴槽側面から直立するようにＵ字状手摺り保持具に固定される出入り用手摺りと、Ｕ字状手摺り保持具が浴槽縁壁の上部へはめ込み保持された状態で浴槽縁壁の上部から反対側の浴槽縁壁へ水平方向に延びるようにＵ字状手摺り保持具に固定される入浴用手摺りと、入浴用手摺りの他端を保持する反対側の浴槽縁壁に設けられる入浴用手摺り保持具と、から構成するようにしている。
【０００７】
また、入浴用手摺りを手摺り保持具に対し伸縮調節自在な構造とするようにして、使用する浴槽の大きさに関係なく使用できるようにしている。出入り用手摺り及び入浴用手摺りの少なくともどちらかを軟質合成樹脂で１ｍｍ以上の厚さでコーティングして、滑りにくくしている。さらに、入浴用手摺り保持具を吸盤式として、簡単に入浴用手摺り保持具を浴槽縁壁に設けられるようにしている。
【０００８】
【作用】
上記のようにすることにより、浴槽に対し、洗い場側浴槽縁壁と、反対側浴槽縁壁の２ヶ所で手摺りを固定することになり、全体のぐらつきは従来装置と比べてかなり防止できるようになる。
また、浴槽への出入り時には出入り用手摺りを握り、身体を支えて出入りするがこの時ぐらつきがなく、かつ浴槽の縁壁の固定部の力も２ヶ所に分散されるため、縁壁を破損するようなこじる力が発生しなくなる。かつ入浴時においては湯舟に身体をつかり、浴槽の上部を水平に横ぎっている入浴保持用手摺りを簡単につかむことができ、安心して身体を保持できることによって、浮力に関係なく身体を保持できるものである。
さらに、着脱自在に固定部が構成されているために足の不自由な人以外の健常者が入浴しようとした場合、簡単に取り外すことができるのでじゃまにならないものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図１〜図３に基づいて説明する
図において、１は浴槽であり、ここではとくに家庭用のような手前に流し場があり、向こう側は浴室壁になっているようなものを想定しているが、これに限られるものではない。出入り用手摺り２は図のように逆Ｕ字状をしたほぼ直線部分から水平部分さらに直下部分へと湾曲した形状に加工されている。出入り用手摺り２はこのように逆Ｕ字状の他に、逆Ｌ字状、Ｐ字状、Ｔ字状をしたものでもよい。出入り用手摺り２はその下部２２を除いたほぼ全面にわたってすべり止め用の軟質樹脂２１が装着されている。Ｕ字状手摺り保持具４が浴槽縁壁の上部へはめ込み保持され、このＵ字状手摺り保持具４の側部Ｂにて、出入り用手摺り２が図のように浴槽側面から直立するように熔接等の周知の堅固な固定方法により固定されている。さらにＵ字状手摺り保持具４の内面には浴槽の縁壁を傷付けないように当接面（三面）にゴム板４１をすべり止めを兼ねて設置してあり、浴槽側には固定ノブ４２を手で回転することでネジから伝達されて取り付け板４３が移動し浴槽の洗い場側の縁壁１１に固定できるようになっている。取り付け板４３には浴槽内の傾斜面にも対応できるように上下左右回動自在の構成にしておくとよい。
【００１０】
また、このＵ字状手摺り保持具４の上部Ａには、入浴用手摺り３の一部である入浴用手摺りガイド３２が、浴槽縁壁の上部から反対側の浴槽縁壁へ浴槽の上部を水平に横ぎって延びるように、熔接等の周知の堅固な固定方法により固定されている。この例においては各部材を熔接して、塗装してＵ字状手摺り保持具４を表面処理しているが、軟質合成樹脂の母材加熱ディッピング成形を活用すれば全表面を厚くコーディングできることになり、防錆面、手摺りのすべりにくい面、及び浴槽への取り付け用のゴム板の替わりとして形成できることになり、低価格で提供できる方法もある。この入浴用手摺り３にもすべり止めの軟質樹脂３１が装着されている。また、入浴用手摺り３は入れ子状にするなどＵ字状手摺り保持具４に対し伸縮調節自在な構造となっている。この伸縮調節は種々浴槽の内幅に対応できるようになっているものである。
【００１１】
入浴用手摺り３の入浴用手摺りガイド３２の反対側３３には入浴用手摺り保持具５が設けられている。入浴用手摺り保持具５として本実施例においては、入浴用手摺り３に一体的に浴槽縁壁１２の上面に設置する支持具５５が設けられており、さらにその下方には吸盤支持板５１が一体的に具備されており、この吸盤支持板５１には浴槽内の傾斜面にも対応できるように上下左右回動自在に吸盤固定具５３と、吸盤取り付けレバー５２が一体となった吸盤５４が形成されている。この吸盤取り付けレバー５２を図３のＤ方向に倒すと，てこの応用により吸盤５４の中央部６が引っ張られ、さらに吸盤固定具５３が吸盤５４の周囲を押さえているために吸盤面が負圧となり浴槽の内壁１３に固着されるものである。この吸盤側は吸盤形状にしてあるが．浴槽が単独の場合、浴槽全周に縁壁１１があることになり、この場合においては吸盤５４にしなくとも出入口側と同じくＵ字状手摺り保持具４を用いてはさみ込む構造にしてもかまわないものである。
【００１２】
取り付け方の順序として１例を示すと、次のようになる。
（１）まず、浴槽の出入口側の縁壁にＵ字状手摺り保持具４を設置したときに、入浴用手摺り３が反対側の縁壁１２まで届く長さに入浴用手摺りガイド３２をスライドさせて調節する。
（２）次に、浴槽の出入口側の縁壁にＵ字状手摺り保持具４をまたぐように設置し固定ノブ４２を回転して縁壁１１にはさみ込み固定する。
（３）そして、反対側の縁壁１２に支持具５５が縁壁１２の上面に垂れるようにセットする。
（４）その状態で吸盤取り付けレバー５２を倒し、吸盤５４に負圧を発生させて浴槽内壁に固定することにより、取り付けは完了する。
また、取り外しは、上記順序の逆を行えばよい。すなわち、
（１）吸盤取り付けレバー５２を起こす。
（２）固定ノブ４２を逆方向に回転して縁壁１１へのはさみ込み固定を緩める。
（３）浴槽の出入口側の縁壁にまたぐように設置されたＵ字状手摺り保持具４を
持ち上げれば、簡単に取り外せる。
【００１３】
【発明の効果】
以上の発明により、種々の大きさや形状の異なった浴槽に対して施工工事の必要がなく容易に着脱可能なため、必要な時だけ取り付けることができ、かつ、ぐらつきがなく出入り用及び入浴時用の両面の身体保持を可能にした手摺りを提供できるものである。
これにより、足が不自由な人が家庭で入浴する際、浴槽への出入り時に安心して身体の保持ができる手摺りが提供でき、かつ入浴時にも正面につかまれる手摺りがあるため、浮力に対して身体全体が前方に移動してしまうというようなことがなく、身体を安定させ、さらに浴槽内で立ち上がる時にも両方の手摺りを利用すれば安全に立ち上がれるものであり、安心して入浴することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明一実施例である浴槽用手摺りの概要図。
【図２】図１の浴槽用手摺りの斜視図。
【図３】図１の浴槽用手摺りの吸盤固定時の吸盤断面拡大図。
【符号の説明】
１浴槽
１１縁壁
１２反対側の浴槽縁壁
１３反対側の浴槽内壁
２出入り用手摺り
２１すべり止め用の軟質樹脂
２２出入り用手摺り下部
３入浴用手摺り
３１すべり止め用の軟質樹脂
３２入浴用手摺りガイド
３３入浴用手摺りガイドの反対側
４Ｕ字状手摺り保持具
４１ゴム板
４２固定ノブ
４３取り付け板
５入浴用手摺り保持具
５１吸盤支持板
５２吸盤取り付けレバー
５３吸盤固定具
５４吸盤
５５支持具
６中央部（負圧（真空）部）
Ａ入浴用手摺り固定部
Ｂ出入り用手摺り固定部
Ｃ吸着解除位置
Ｄ吸着位置

Claims

浴槽縁壁の上部へはめ込み保持されるＵ字状手摺り保持具と、
該Ｕ字状手摺り保持具が前記浴槽縁壁の上部へはめ込み保持された状態で浴槽側面から直立するように該Ｕ字状手摺り保持具に固定される出入り用手摺りと、該Ｕ字状手摺り保持具が前記浴槽縁壁の上部へはめ込み保持された状態で浴槽縁壁の上部から反対側の浴槽縁壁へ浴槽の上部を水平に横ぎって延びるように該Ｕ字状手摺り保持具に固定される入浴用手摺りと、
該入浴用手摺りの他端を保持する前記反対側の浴槽縁壁に設けられる入浴用手摺り保持具と、
から構成することを特徴とした浴槽用着脱自在手摺り。
前記入浴用手摺りを前記手摺り保持具に対し伸縮調節自在な構造とすることを特徴とする請求項１記載の浴槽用着脱自在手摺り。
前記入浴用手摺り保持具を吸盤式としたことを特徴とする請求項１記載の浴槽用着脱自在手摺り。