JP3638744B2 - 液体充填容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、スポーツドリンクやオレンジジュースのような液体飲料を充填する液体充填容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
スポーツドリンクやオレンジジュースのような液体飲料を充填する液体充填容器として、フレキシブルフィルムを素材としたガゼット部を有する袋状容器と、フランジ部および導管部を有しフランジ部を袋状容器本体の開口端に固着した取出装置とから構成したものは、たとえば、実開昭62−134826号公報に記載されている。
【0003】
この種の液体充填容器は、缶やビンに比較して軽量で開封性がよいので、液体飲料だけでなくうどんのめんつゆや焼き肉のたれの収納容器としてガラス瓶やプラスチック容器に代えて用いることもできる。
【0004】
上記液体充填容器は、内側に折り込まれたガゼット部と両面部分を有する袋状容器本体と、フランジ部および導管部を有する取出具とから構成され、内側に折り込まれたガゼット部を両面部分の側端にガゼット部の内端の間に取出具のフランジ部を配置できる空間を置くように配置し、取出具をフランジ部が袋状容器本体の開口端のガゼット部の内端の間に配置し、通常のヒートシール手段によりヒートシール加工して袋状容器本体と取出具を一体的に結合している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記形式の液体充填容器は、フランジ部が成形品で剛性であり、フランジ部の表面が平面であるため、取出具のフランジ部と袋状容器本体をヒートシール加工する際、フランジ部と袋状容器本体のヒートシール強度が袋状容器本体のヒートシール強度より低くなり、破袋したり内容物が漏れてしまい、袋状容器本体の開口端の安定したシール部を確保しにくいという難点がある。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、取出具と袋状容器本体の間の安定したシール部を確保する液体充填容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、内側に折り込まれる一対のガゼット部と両面部分を有する袋状容器本体と、フランジ部および導管部を有する取出具とを備え、取出具のフランジ部の両面に複数本の横方向に延びるリブと複数本の縦方向に延びるリブを互いに交差するように設け、フランジ部の一面に各ガゼット部の内端部分と一面部分を配置し、フランジ部の他面に他面部分を配置し、フランジ部のリブを加圧溶着してフランジ部を袋状容器本体の開口端に固着した液体充填容器である。
本願の請求項2に係る発明は、内側に折り込まれる一対のガゼット部と両面部分を有する袋状容器本体と、フランジ部および導管部を有する取出具とを備え、取出具のフランジ部の両面に複数本の一方向に傾斜して延びるリブと複数本の他方向に傾斜して延びるリブを互いに交差するように設け、フランジ部の一面に各ガゼット部の内端部分と一面部分を配置し、フランジ部の他面に他面部分を配置し、フランジ部のリブを加圧溶着してフランジ部を袋状容器本体の開口端に固着した液体充填容器である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1および図2において符号10は、本発明による液体充填容器を示し、この液体充填容器10は、内側に折り込まれるガゼット部11,11と両面部分12a,12bを有する袋状容器本体13と、フランジ部14および導管部15を有し、フランジ部14を袋状容器本体13の開口端に固着された取出具16とから構成されている。
【0009】
上記ガゼット部11は、図2ないし図4に示すように、2つ折りしたガゼット部11,11を一面部分12aの上に側縁が一致するように配置した際に、ガゼット部11の内側に折り込まれる折り込み端11a.11aの間に取出具16の導管部15が通る空間17(図4)を形成する長さである。
【0010】
上記取出具16のフランジ部14には、図3に示すように、横方向に延びる2条のリブ17,17と縦方向に延びる2条のリブ18,18が形成されている。横方向に延びる2条のリブ17,17と縦方向に延びる2条のリブ18,18は、互いに交差する方向に延び、リブ18,18により形成される仕切部が液漏れに対する堰部として作用している。各リブ17,18は0.2〜0.5mm程度の幅で高さが0.1mm程度であり、リブ間隔は3.0mm程度に設定されている。フランジ部14に設けられたリブ17,18は、ヒートシール加工すなわち加熱加圧することで溶融する特性を有する。リブ17、18の数は3本以上であってもよい。また、フランジ部14に設けられるリブは、互いに交差する方向に延びる斜め方向の複数本のリブであってもよい。
【0011】
上記袋状容器本体13は、図4および図5に示すように、一面部分12aの上に2つ折りしたガゼット部11を側縁が一致するように配置し,一面部分12aとガゼット部11の一辺部分をシールバー19により仮止めし、その上に他面部分12bを配置し、ヒートシール加工することで形成される。
上記シールバー19は、図4に示すように、取出具16のフランジ部14と導管部15の外形状に合うように、矩形部分の下端中央部に両側を直線20,20とした切欠き21を形成して構成されている。
袋状容器本体13に固着される取出具16は、袋状容器本体13のガゼット部11の折り込み端11a.11aの間の空間22に導管部15が位置するように配置される。
【0012】
上記袋状容器本体13の素材となるラミネートフィルム23は、図6に示すように、厚さ12μのポリエステルフィルム24と厚さ9μのアルミホイル25と厚さ15μのポリエステルフィルム26と厚さ60μ〜120μのポリエチレンフィルム27をラミネートすることで形成される。このように形成される袋状容器本体13は、ラミネートフィルム23が不透明でフレキシブルであるので、全体として不透明でフレキシブル性を有する構造となる。
【0013】
袋状容器本体13を透明でフレキシブル性を有する構造にするには、上記ラミネートフィルム23のうちの厚さ9μのアルミホイル25を厚さ9μのエチレンビールアルコールに置換することで行なうことができる。
【0014】
つぎに、液体充填容器10の製造方法を説明する。
まず、素材となるラミネートフィルム23を所定寸法に沿って裁断し、袋状容器本体13の両面部分片12a,12bと、袋状容器本体13のガゼット部片11を形成する。
【0015】
つぎに、ガゼット部片11を長手方向に2つ折りし、2つ折りしたガゼット部片11を、図5に示すように、一面部分片12aの両側部の上に、ガゼット部片11の側縁が一面部分片12aの側縁に一致するように配置する。この際、ガゼット部片11,11の折り込み端11a.11aの間に取出具16の導管部15の外径に対応する幅の空間22が形成される。
【0016】
つぎに、シールバー19を、図4に示すように、一面部分片12aのガゼット部片11の上でかつ一面部分片12aの上端に近い部位に両側に設けた直線20,20が一面部分片12aとガゼット部片11を横切るように配置し、シールバー19により一面部分片12aとガゼット部片11をヒート加工(250℃で1秒間)して、一対のガゼット部片11,11を一面部分片12a上に仮止めする。この場合、一面部分片12aとガゼット部片11,11の仮止め部を連続した直線とすることで、一面部分片12aとガゼット部片11,11の連結部分に応力が集中することを防ぐことができる。
【0017】
つぎに、取出具16をフランジ部14が面部分片12aに仮止めされたガゼット部片11,11の上に位置し、導管部15が空間22位置するように配置し、この取出具16の上に袋状容器本体の他面部分片12bを上記一面部分片12a上に重なるように配置する。
【0018】
つぎに、袋状容器本体13の両面部分12a,12bとガゼット部11,11と取出具16をシールバーとシリコンゴムクッション材を用いた通常のヒートシール手段により一体的に結合する。この場合、取出具16のフランジ部14にリブ17,18が設けられているので、これらリブ17,18がフランジ部14の平面に先だって、加熱されたシールバーにより加圧溶融され、リブ17,18が熱溶着され、続いてフランジ部14の平面が熱溶着されるので、シールバーが樹脂成形品である取出具16のフランジ部14の全体に平均して当たり、フランジ部14が両面部分12a,12bとガゼット部11,11に確実にシールされる。このフランジ部14に設けたリブは、堰として作用し、この部分からの漏れを防ぐ。
【0019】
袋状容器本体13の下端部は、図7に示すように、一定幅のシールバー30を未シール部31を残した袋状容器本体の長手方向と直交する方向に延びるよう配置されたシールバー30と、このシールバー30に対して斜め上方に延びるように配置されたシールバー31,32により面部分フィルムとガゼット部フィルムをヒート加工(250℃で1秒間)することで形成される。袋状容器本体13の下端部は、袋状容器本体の長手方向と直交する方向に延びるシール部とこのシール部から斜め上方に延びる傾斜シール部で形成されるので、フィルムの抵抗が低下し、袋状容器本体のスタンデイング特性が向上する。
【0020】
このようにして作られた液体充填容器は、取出具16のフランジ部14が両面部分12a,12bとガゼット部11,11に確実にシールされ、かつ、フランジ部14とガゼット部11の内端との間の部位に応力が集中することがないので、フランジ部14とガゼット部11のヒートシール接合部に破れや漏れが発生しない。
【0021】
また、液体充填容器は、全体形状がほぼ正方体で、下端部が長手方向と直交する方向に延びるシール部とこのシール部から斜め上方に延びる傾斜シール部で形成されるので、フィルムの抵抗が低下しスタンデイング特性が向上し、陳列棚に陳列した際の自立安定性も確保される。
【0022】
【発明の効果】
本願の請求項1に係る発明は、フランジ部の両面に複数本の横方向に延びるリブと複数本の縦方向に延びるリブを互いに交差するように設け、フランジ部に堰部を形成することにより、フランジ部は、リブを加熱溶着することで、両面部分とガゼット部に確実にシールされ、フランジ部からの漏れを防ぐことができる。
本願の請求項2に係る発明は、取出具のフランジ部の両面に複数本の一方向に傾斜して延びるリブと複数本の他方向に傾斜して延びるリブを互いに交差するように設け、フランジ部に堰部を形成することにより、フランジ部は、リブを加熱溶着することで、両面部分とガゼット部に確実にシールされ、フランジ部からの漏れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体充填容器の一部を破いて示す斜視図。
【図2】本発明による液体充填容器の開口端部分の断面図。
【図3】本発明による液体充填容器の取出具のフランジ部を示す図。
【図4】液体充填容器素材の面部分フィルムとガゼット部フィルムの仮止め部分を示す図。
【図5】液体充填容器素材の仮止め部分の断面図。
【図6】液体充填容器素材となるラミネートフィルムを示す図。
【図7】液体充填容器素材の下端部分の裁断前を示す図。
【符号の説明】
10 液体充填容器
11 ガゼット部
12 両面部分
13 液体充填容器本体
14 フランジ部
16 取出具
17 リブ
Claims (2)
- 内側に折り込まれる一対のガゼット部と両面部分を有する袋状容器本体と、フランジ部および導管部を有する取出具とを備えた液体充填容器において、上記取出具のフランジ部の両面に複数本の横方向に延びるリブと複数本の縦方向に延びるリブを互いに交差するように設け、フランジ部の一面に各ガゼット部の内端部分と一面部分を配置し、フランジ部の他面に他面部分を配置し、フランジ部のリブを加圧溶着してフランジ部を袋状容器本体の開口端に固着したことを特徴とする液体充填容器。
- 内側に折り込まれる一対のガゼット部と両面部分を有する袋状容器本体と、フランジ部および導管部を有する取出具とを備えた液体充填容器において、上記取出具のフランジ部の両面に複数本の一方向に傾斜して延びるリブと複数本の他方向に傾斜して延びるリブを互いに交差するように設け、フランジ部の一面に各ガゼット部の内端部分と一面部分を配置し、フランジ部の他面に他面部分を配置し、フランジ部のリブを加圧溶着してフランジ部を袋状容器本体の開口端に固着したことを特徴とする液体充填容器。
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JP01121097A Expired - Lifetime JP3638744B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | 液体充填容器 |
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Cited By (1)
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1997
- 1997-01-24 JP JP01121097A patent/JP3638744B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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