JP3637269B2 - 自己潤滑式軸受装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自己潤滑式軸受装置に係り、特に、横軸回転機械の回転主軸を支持するスラスト軸受とジャーナル軸受とが併用されている自己潤滑式軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
横軸回転機の回転主軸を支持するスラスト軸受及びジャーナル軸受を潤滑油で潤滑し且つその潤滑油を自己潤滑させる自己潤滑式軸受装置が種々使用されている。又、潤滑油を自己潤滑させるために、サーキュレータによるポンプ効果を応用するものが、例えば、特開昭第62-72995号公報に開示されている。
このサーキュレータは、回転主軸に設けられたオイルディスクの周囲に配置されるものであり、オイルディスクを回転させるとサーキュレータの内面に設けられている溝内の潤滑油がその粘性のためオイルディスクに引きずられてサーキュレータの溝内を回転主軸の回転方向に流動することを利用して、ポンプ効果を生じさせるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自己潤滑式軸受装置において、潤滑油の供給をサーキュレータによるポンプ効果に頼る場合、ジャーナル軸受及びスラスト軸受に供給される潤滑油の量が十分でない場合があった。例えば、回転主軸の起動時又は正逆転切換え時、回転主軸は低速で回転するので、サーキュレータのポンプ効果が完全に発揮されず、サーキュレータによる潤滑油の吸い上げ量は回転主軸の高速回転時よりもかなり少ない。その結果、ジャーナル軸受及びスラスト軸受に供給される潤滑油の量が少なくなり、摩耗、焼付きを引起こす要因或いは安定した回転を阻害する要因が存在した。又、潤滑油を効率的に供給できれば、回転主軸の低速時における供給性能も向上し、更に好ましい。
【0004】
従って、本発明の目的は、回転主軸の全回転速度にわたってスラスト軸受及びジャーナル軸受へ潤滑油を効率的に供給できる自己潤滑式軸受装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、横軸回転機械の回転主軸を支持する自己潤滑式軸受装置であって、回転主軸に形成された大径部分をスラスト方向に支持するように配置されたスラスト軸受と、このスラスト軸受と軸線方向に離間して回転主軸の外周部に配置されたジャーナル軸受と、大径部分及びスラスト軸受の一部分がその内部に入れられた潤滑油に浸かるようにスラスト軸受の下方に配置されたスラスト軸受用油槽と、ジャーナル軸受の下方に配置され且つスラスト軸受用油槽と連通するジャーナル軸受用油槽と、大径部分の周囲に配置されスラスト軸受に潤滑油を供給するサーキュレータと、このサーキュレータによって吸い込んだ潤滑油をジャーナル軸受に下方から供給する供給管と、ジャーナル軸受の一部に設けられジャーナル軸受に潤滑油を供給するオイルリングと、を有することを特徴としている。
【0006】
このように構成された本発明において、ジャーナル軸受は、回転主軸の高速回転時には、サーキュレータのポンプ効果による潤滑油の供給を主に受け、低速回転時には、オイルリングからの潤滑油の供給を主に受けるので、全回転速度にわたって十分な量の給油を受けることができる。
【0007】
更に、上記目的を達成するために、本発明は、横軸回転機械の回転主軸を支持する自己潤滑式軸受装置であって、回転主軸に形成された大径部分をスラスト方向に支持するように配置されたスラスト軸受と、このスラスト軸受と軸線方向に離間して回転主軸の外周部に配置されたジャーナル軸受と、大径部分及びスラスト軸受の一部分がその内部に入れられた潤滑油に浸かるようにスラスト軸受の下方に配置されたスラスト軸受用油槽と、ジャーナル軸受の下方に配置され且つスラスト軸受用油槽と連通するジャーナル軸受用油槽と、大径部分の周囲に配置されスラスト軸受に潤滑油を供給するサーキュレータと、を有し、ジャーナル軸受の上部に回転主軸の一部を露出させた開口部が設けられ、サーキュレータ上部にはスプレー孔が設けられ、このスプレー孔から開口部に向って潤滑油を噴霧させるようにしたことを特徴としている。
【0008】
この場合には、回転主軸の低速回転時、サーキュレータによって吸込まれた潤滑油は、従来技術のように潤滑油が供給管を通ってジャーナル軸受に到達する場合と比較して、より速くスプレー孔に到達するので、低速回転時における潤滑油の供給を改善することができる。又、潤滑油をジャーナル軸受の上方からスプレーの形態で供給するので、潤滑油をジャーナル軸受にまんべんなく行き渡らせることができる。
【0009】
本発明において、サーキュレータは、このサーキュレータが前記大径部分の周りを回転しないように固定配置され且つその内周面に少なくとも2列の環状溝を有し、これらの環状溝はそれぞれこの環状溝と連通した吸込み孔及び排出孔を前記サーキュレータの下部に有し、両環状溝の排出孔は共に前記サーキュレータのほぼ鉛直軸線上に配置され、両環状溝の吸込み孔は互いに前記鉛直軸線をはさんで反対側に配置されているのが好ましい。
【0010】
このように構成された本発明においては、回転主軸の起動時又は正逆転切換え時、上記実施形態の場合と異なり、サーキュレータの回転移動なしにポンプ効果を生じさせることができるので、潤滑油の供給のタイムラグ及び途切れをなくすことができる。更に、従来技術において問題であったサーキュレータの回転に関する固着は発生しないので、信頼性のある潤滑油の供給を確保することができる。
【0011】
本発明において、大径部分の外周に回転主軸が回転するに伴って潤滑油をかき上げるように形成された複数のポケットが設けられているのが好ましい。
【0012】
この場合には、スラスト軸受は、回転主軸の高速回転時には、サーキュレータのポンプ効果により潤滑油の供給を主に受け、低速回転時には、大径部分に設けられたポケットからの潤滑油の供給を主に受けるので、全回転速度にわたって十分な量の給油を受けることができる。
【0013】
本発明において、大径部分のスラスト軸受の外径よりも大きく形成された外径部を有し、サーキュレータは大径部分の外周部及び両側部に延びているのが好ましい。
【0014】
この場合には、潤滑油の粘性を利用して大径部分の側部の潤滑油も移動させるので、従来技術の自己潤滑式軸受装置を作動させた場合と比較して、同じ回転速度でより多くの量の潤滑油を移動させることができ、その結果、低速回転時における潤滑油の供給量が増大する。従って、低速回転時における潤滑油の供給が向上する。
【0015】
又、本発明において、大径部分の外径はスラスト軸受の外径よりも大きく形成された外径部を有し、サーキュレータは大径部分の外周部及び両側部に延び、大径部分は複数の環状凹部を有し、この環状凹部の各々の中に延びる複数の環状突出部がサーキュレータに設けられ、環状凹部と環状突出部の間に形成された隙間と連通している吸込み孔及び排出孔が前記サーキュレータの下部に設けられているのが好ましい。
【0016】
この場合には、環状突出部と潤滑油との接触面積を増大させているので、潤滑油の粘性効果を更に効率的に利用することができ、同じ回転速度で作動させた従来技術の自己潤滑式軸受装置と比較して、より多くの量の潤滑油を吸込むことができ、その結果、低速回転時における潤滑油の供給量が増大する。従って、低速回転時における潤滑油の供給が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の自己潤滑式軸受装置の第1の実施形態の全体図である。図1に示すように、自己潤滑式軸受装置100の回転主軸112は、スラストカラーとして機能する大径部分114を有し、スラスト軸受120がこの大径部分114をスラスト方向に支持するように配置されている。大径部分114及びスラスト軸受120の下方にスラスト軸受用油槽130が設けられ、この油槽30の中には、潤滑油が、大径部分114及びスラスト軸受120の下部が浸かるように入れられている。又、回転主軸112のジャーナル軸受140がスラスト軸受120と軸線方向に離間して配置されている。ジャーナル軸受140の下方には、ジャーナル軸受用油槽150が設けられ、ジャーナル軸受用油槽150は戻り管155を介してスラスト軸受用油槽130と連通している。
【0018】
サーキュレータ160が大径部分114の周囲に設けられる。図2に示すように、サーキュレータ160の内径は大径部分114の外径よりも大きく、サーキュレータ160の内径と大径部分114の外径との間の隙間は下方に向って大きくなっている。サーキュレータ160は上端及び下端にそれぞれ突出部162、164を有する。サーキュレータ上端の突出部162は、軸受装置100のハウジング116の上部に設けられた凹部117内に配置され、サーキュレータ160は、突出部162が凹部117内を移動できる範囲内で大径部分114の周りを回転できる。サーキュレータ160の内面には環状溝166が設けられており(図1参照)、この環状溝166は、サーキュレータ下端の突出部164に円周方向に間隔をおいて設けられた2つの孔167、168と連通している。
【0019】
軸受装置100は、更に、サーキュレータ160によって吸込んだ潤滑油をジャーナル軸受140に下方から供給するための供給管170を有する。また、ジャーナル軸受140は、回転主軸112の回転軸線119方向中央部に回転主軸112を露出させたオイルリング用開口部146を有する。このオイルリング用開口部146に、下部がジャーナル軸受用油槽150内の潤滑油内に浸かったオイルリング142が配置されている。
【0020】
次に上述した本実施形態の自己潤滑式軸受装置100の作動を説明する。図2に示すように、回転主軸112即ち大径部分114が回転軸線119を中心に反時計方向に回転すると、サーキュレータ下部の環状溝166の中にある潤滑油が、潤滑油の粘性のため大径部分114に引きずられて移動し、ポンプ効果を発生させる。このポンプ効果は、大径部分114の外面とサーキュレータ160の内面の隙間が大径部分14の回転方向に沿って狭くなる部分、即ち図2におけるサーキュレータ160の右半部で生じる。一方、大径部分114が回転すると、サーキュレータ60は、潤滑油の粘性のため大径部分114の周りを大径部分114と同じ反時計方向に回転し、サーキュレータ上端の突出部162がハウジング116の凹部117の一方の側面に当接して、止まる。このとき、サーキュレータ下部の一方の孔168が鉛直軸線118上に、他方の孔167が、鉛直軸線118よりも図2における右方に位置するようになっている。その結果、サーキュレータ160は孔167から潤滑油を吸い上げ、吸い上げられた潤滑油は環状溝166の中を移動する。大径部分114が高速回転になればなるほど、ポンプ効果は増大し、吸い上げられた潤滑油のうち溝166の中を移動できる量を超えた分は、サーキュレータ160と大径部分114との間の隙間から回転軸線119方向に流出して、スラスト軸受120を潤滑し、スラスト軸受用油槽130に戻る。サーキュレータ160の環状溝66内を移動した潤滑油は孔168からスラスト軸受用油槽130に戻る。図3に示すように、大径部分114が時計方向に回転するとき、サーキュレータ160は図2の場合と逆方向に回転し、潤滑油は図2と同様の作用によって孔168から吸い上げられ孔167から流出する。即ち、回転主軸112の回転方向を切換えると、サーキュレータ160が回転し、潤滑油を吸込む孔と排出する孔とが切換わる。
【0021】
回転主軸112が回転すると、それに伴ってオイルリング142が回転し、油槽150内の潤滑油を掻き上げ、ジャーナル軸受140を潤滑する。このオイルリング142はジャーナル軸受140の潤滑を回転主軸112の低速回転時から可能にするが、高速回転時には、リングが滑り、充分な給油量が得られない。そこで、回転主軸の高速回転時には、サーキュレータ160のポンプ効果による潤滑油の流れを利用して、供給管170に潤滑油を引き込み、潤滑油をジャーナル軸受140の内面と回転主軸112の外面との間に流出させて、ジャーナル軸受140を潤滑する。ジャーナル軸受140を潤滑した潤滑油は、ジャーナル軸受用油槽150に入り、戻り管155を経て、スラスト軸受用油槽130に戻る。かくして、低速回転時においても高速回転時においても、十分な量の潤滑油をジャーナル軸受に供給することができる。
【0022】
図5は本発明の自己潤滑式軸受装置の第2の実施形態の全体図である。図5に示すように、自己潤滑式軸受装置200においては、供給管170が設けられておらず、ジャーナル軸受240及びサーキュレータ260が異なること以外、第1の実施形態と同様である。
【0023】
図5に示すように、ジャーナル軸受240は、その上部に回転主軸212を露出させた開口部246を有する。サーキュレータ上端の突出部262のジャーナル軸受側の面に、サーキュレータ260の環状溝266と連通したスプレー孔272が設けられる。スプレー孔272は、ジャーナル軸受240の開口部246に向けられており、スプレー孔272は所定の圧力でスプレーを形成するような孔径を有する。回転主軸212即ち大径部分214が回転すると、サーキュレータ260のポンプ効果により、スラスト軸受用油槽230内の潤滑油がサーキュレータ下端の突出部264の孔267又は268から環状溝266内に吸い上げられ、吸い上げられた潤滑油は、環状溝266の中をサーキュレータ上部まで移動する。サーキュレータ上部まで移動した潤滑油のうちの一部は、遠心力及びポンプ効果により上昇した環状溝266内の圧力によって、スプレー孔272からスプレーとなってジャーナル軸受240の上部に噴霧される。ジャーナル軸受240の開口部246に入った潤滑油は、ジャーナル軸受240をまんべんなく潤滑し、ジャーナル軸受用油槽250に回収される。このスプレーは、ジャーナル軸受140の潤滑を回転主軸112の比較的低速回転時から可能にする。かくして、低速回転時においても高速回転時においても、十分な量の潤滑油をジャーナル軸受に効率的に供給することができる。
【0024】
図7及び8は本発明の自己潤滑式軸受装置の第3の実施形態に使用するサーキュレータ360である。図8に示すように、サーキュレータ360の内面に、回転軸線319方向に間隔をおいた2つ環状溝366A及び366Bが設けられる。サーキュレータ下端の突出部364の一方の面365Aには、吸込み孔367Aと排出孔368Aとが設けられ、他方の面365Bには、吸込み孔367Bと排出孔368Bとが設けられる。吸込み孔367A及び排出孔368Aは環状溝366Aと連通し、吸込み孔367B及び排出孔368Bは環状溝366Bと連通している。図7に示すように、面365Aに関して、吸込み孔367Aは鉛直軸線318よりも図7における右方に配置され、排出孔368Aは鉛直軸線318上に配置されている。又、面365Bに関して、吸込み孔367Bは鉛直軸線318よりも図7における左方に配置され、排出孔368Bは鉛直軸線318上に配置されている。サーキュレータ上端の突出部362と軸受装置300のハウジング316とはピン374等によって連結されているので、大径部分314が回転しても、サーキュレータ360は回転しない。
【0025】
図7に示すように、回転主軸312即ち大径部分314が反時計方向に回転するとき、サーキュレータ360の内径と大径部分314の外径との間の隙間は下方に向って大きくなっているので、サーキュレータ360の図7における右半部にポンプ効果が生じる。従って、スラスト軸受用油槽330内の潤滑油は吸込み孔367Aから吸い上げられ、環状溝366Aの中を移動し、排出孔368Aから排出される。その際、吸い上げられた潤滑油のうち溝366Aの中を移動できる量を超えた分は、サーキュレータ360と大径部分314との間の隙間から回転軸線319方向に流出して、スラスト軸受320が潤滑される。又、回転主軸312即ち大径部分314が、図7とは逆に時計方向に回転するとき、サーキュレータ360の図7における左半部にポンプ効果が生じ、スラスト軸受用油槽330内の潤滑油は吸込み孔367Bから吸い上げられ、環状溝366Bの中を移動し、排出孔368Bから排出される。その際、反時計方向に回転するときと同様に、スラスト軸受320が潤滑される。従って、例えば回転主軸312の起動時又は正逆転切換え時、サーキュレータ360の回転移動なしにポンプ効果を生じさせることができるので、潤滑油の供給のタイムラグ及び途切れをなくすことができる。
【0026】
図9及び10は本発明の自己潤滑式軸受装置の第4の実施形態に使用される大径部分414を示す。図9に示すように、複数のポケット476が大径部分414の外周に間隔をおいて設けられる。大径部分414が時計方向に回転する場合、ポケット476は大径部分414の外周からほぼ円周方向に且つ回転方向と逆方向即ち反時計方向に延びている。図9には4つのポケット476を示したが、それより多くても良い。
【0027】
回転主軸412即ち大径部分414が低速回転しているとき、ポケット476が最下点を通過して最上点に向うとき、スラスト軸受用油槽430内の潤滑油をすくいあげ、潤滑油をポケット476内に収容する。引続いて、ポケット476が最上点を通過して最下点に向うとき、ポケット476内に収容されていた潤滑油がこぼれ出す。潤滑油がこぼれ出す箇所では、サーキュレータ460と大径部分414との間の隙間は狭いので、潤滑油は大径部分414を回転軸線419方向に移動し、かくして、スラスト軸受420を潤滑し、回転主軸412の低速回転時、潤滑油の供給量を増大させることができる。
【0028】
回転主軸412を正逆回転させるときに第3の実施形態と同様の効果を得るために、複数のポケット476を回転軸線419方向に間隔をおいて少なくとも2列に配置し、一方の列のポケットと他方の列のポケットが互いに逆方向に延びるようにしても良い(図示せず)。
【0029】
図11は本発明の自己潤滑式軸受装置の第5の実施形態に使用されるサーキュレータ560を示す。図11に示すように、大径部分514の外径はスラスト軸受520の外径よりも大きく形成されている。サーキュレータ560の回転軸線519方向長さは、大径部分の回転軸線519方向長さよりも長く、サーキュレータ560の両端部はスラスト軸受520に向って延びている。かくして、サーキュレータ560は大径部分514の外周部及び両側部に延びている。これに応じて、サーキュレータ560の内面の環状溝566も大径部分514の外周部及び両側部に延びている。
【0030】
回転主軸512即ち大径部分514が回転するとき、環状溝566内の潤滑油に注目すれば、大径部分514の外周部の潤滑油がサーキュレータ560のポンプ効果によって移動すると、大径部分514の両側部の潤滑油がその粘性のため、大径部分514の外周部の潤滑油に引きずられて移動する。このとき、潤滑油の粘性効果及び潤滑油に働く遠心力のため、潤滑油のサーキュレータ下部における大径部分の側面からの潤滑油の漏れはない。従って、サーキュレータ560が大径部分514の両側部に延びていない場合と比較して、同じ回転速度で、より多くの量の潤滑油を効率的に移動させることができる。
【0031】
図12は本発明の自己潤滑式軸受装置の第6の実施形態に使用されるサーキュレータ660及び大径部分614を示す。図12に示すように、大径部分614の外径は、第5の実施形態の場合と同様、スラスト軸受620の外径よりも大きく、サーキュレータ660は大径部分614の外周部及び両側部に延びている。これに応じて、サーキュレータ660の内面の環状溝666も大径部分614の外周部及び両側部に延びている。又、大径部分614は複数の環状凹部682を有し、この環状凹部682の各々の中に延びる複数の環状突出部684がサーキュレータ660に設けられている。環状凹部682と環状突出部684との間には隙間686がある。サーキュレータ下端の突出部664に設けられている吸込み孔667及び排出孔668はこの隙間686と連通している。
【0032】
回転主軸612即ち大径部分614が回転すると、大径部分614の環状凹部682とサーキュレータ660の環状突出部684との間の隙間686にポンプ効果が生じ、サーキュレータ660はスラスト軸受用油槽630内の潤滑油を吸込む。このとき、環状突出部684と潤滑油との接触面積が、大きいので、潤滑油の粘性が大きく作用して、潤滑油の吸込み能力を増大させる。その結果、環状凹部682及び環状突出部684を設けていない場合と比べて、同じ回転速度で、より多くの量の潤滑油を移動させることができる。
【0033】
本発明は、上述した実施形態に限ることなく、以下のような他の実施形態を採用することもできる。
先ず、上述した実施形態を任意に組合せて使用しても良い。例えば、第1実施形態と第3実施形態とを組合せれば、低速回転時におけるジャーナル軸受への潤滑油の供給を確保でき、起動時又は正逆回転時の給油のタイムラグ及び途切れをなくすことができる。更に、第4実施形態を組合せれば、低速回転時におけるスラスト軸受への給油を確保することができる。更に、第5実施形態を組合せて、低速回転時におけるスラスト軸受への給油を向上させても良い。
又、第2実施形態を、第1実施形態と同様に組合せても良いし、第1実施形態、第4実施形態及び第5実施形態、又は、第2実施形態、第4実施形態及び第5実施形態を任意に組合せても良い。
又、第1の実施形態又は第2の実施形態と第6の実施形態とを組合せて、低速回転時におけるスラスト軸受への給油を向上させても良い。
【0034】
【発明の効果】
上述した本発明による自己潤滑式軸受装置によれば、回転主軸の全回転速度にわたってスラスト軸受及びジャーナル軸受へ潤滑油を効率的に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自己潤滑式軸受装置の第1の実施形態を示す概略側面図である。
【図2】本発明の自己潤滑式軸受装置の第1の実施形態に使用されるサーキュレータの断面図である。
【図3】本発明の自己潤滑式軸受装置の第1の実施形態に使用されるサーキュレータの断面図である。
【図4】本発明の自己潤滑式軸受装置の第1の実施形態のオイルリングを示す断面図である。
【図5】本発明の自己潤滑式軸受装置の第2の実施形態を示す概略側面図である。
【図6】本発明の自己潤滑式軸受装置の第2の実施形態のサーキュレータを示す断面図である。
【図7】本発明の自己潤滑式軸受装置の第3の実施形態のサーキュレータを示す断面図である。
【図8】本発明の自己潤滑式軸受装置の第3の実施形態のサーキュレータを示す側面断面図である。
【図9】本発明の自己潤滑式軸受装置の第4の実施形態の大径部分を示す断面図である。
【図10】本発明の自己潤滑式軸受装置の第4の実施形態の大径部分を示す側面図である。
【図11】本発明の自己潤滑式軸受装置の第5の実施形態のサーキュレータを示す断面断面図である。
【図12】本発明の自己潤滑式軸受装置の第6の実施形態のサーキュレータ及び大径部分を示す側面断面図である。
【符号の説明】
112、212 回転主軸
114、214、314、414、514、614 大径部分
118、218、318 鉛直軸線
120、220、520、620 スラスト軸受
130、230 スラスト軸受用油槽
140、240 ジャーナル軸受
142 オイルリング
146 オイルリング用開口部
150、250 ジャーナル軸受用油槽
155、255 戻り管
160、260、360、460、560、660 サーキュレータ
166、266、366、566 環状溝
167、267、367、667 吸込み孔
168、268、368、668 排出孔
170 供給管
272 スプレー孔
476 ポケット
682 環状凹部
684 環状突出部
686 隙間

Claims (6)

  1. 横軸回転機械の回転主軸を支持する自己潤滑式軸受装置であって、
    回転主軸に形成された大径部分をスラスト方向に支持するように配置されたスラスト軸受と、このスラスト軸受と軸線方向に離間して前記回転主軸の外周部に配置されたジャーナル軸受と、前記大径部分及び前記スラスト軸受の一部分がその内部に入れられた潤滑油に浸かるように前記スラスト軸受の下方に配置されたスラスト軸受用油槽と、前記ジャーナル軸受の下方に配置され且つ前記スラスト軸受用油槽と連通するジャーナル軸受用油槽と、前記大径部分の周囲に配置され前記スラスト軸受に潤滑油を供給するサーキュレータと、このサーキュレータによって吸い込んだ潤滑油をジャーナル軸受に下方から供給する供給管と、前記ジャーナル軸受の一部に設けられジャーナル軸受に潤滑油を供給するオイルリングと、を有することを特徴とする自己潤滑式軸受装置。
  2. 横軸回転機械の回転主軸を支持する自己潤滑式軸受装置であって、
    回転主軸に形成された大径部分をスラスト方向に支持するように配置されたスラスト軸受と、このスラスト軸受と軸線方向に離間して前記回転主軸の外周部に配置されたジャーナル軸受と、前記大径部分及び前記スラスト軸受の一部分がその内部に入れられた潤滑油に浸かるように前記スラスト軸受の下方に配置されたスラスト軸受用油槽と、前記ジャーナル軸受の下方に配置され且つ前記スラスト軸受用油槽と連通するジャーナル軸受用油槽と、前記大径部分の周囲に配置され前記スラスト軸受に潤滑油を供給するサーキュレータと、を有し、前記ジャーナル軸受の上部に前記回転主軸の一部を露出させた開口部が設けられ、前記サーキュレータ上部にはスプレー孔が設けられ、このスプレー孔から前記開口部に向って潤滑油を噴霧させるようにしたことを特徴とする自己潤滑式軸受装置。
  3. 前記サーキュレータは、このサーキュレータが前記大径部分の周りを回転しないように固定配置され且つその内周面に少なくとも2列の環状溝を有し、これらの環状溝はそれぞれこの環状溝と連通した吸込み孔及び排出孔を前記サーキュレータの下部に有し、両環状溝の排出孔は共に前記サーキュレータのほぼ鉛直軸線上に配置され、両環状溝の吸込み孔は互いに前記鉛直軸線をはさんで反対側に配置されている請求項1又は2に記載の自己潤滑式軸受装置。
  4. 前記大径部分の外周に前記回転主軸が回転するに伴って潤滑油をすくい上げるように形成された複数のポケットが設けられている請求項1乃至3の何れか1項に記載の自己潤滑式軸受装置。
  5. 前記大径部分の前記スラスト軸受の外径よりも大きく形成された外径部を有し、前記サーキュレータは前記大径部分の外周部及び両側部に延びている請求項1乃至4の何れか1項に記載の自己潤滑式軸受装置。
  6. 前記大径部分の外径は前記スラスト軸受の外径よりも大きく形成された外径部を有し、前記サーキュレータは前記大径部分の外周部及び両側部に延び、前記大径部分は複数の環状凹部を有し、この環状凹部の各々の中に延びる複数の環状突出部が前記サーキュレータに設けられ、前記環状凹部と前記環状突出部の間に形成された隙間と連通している吸込み孔及び排出孔が前記サーキュレータの下部に設けられている請求項1又は2に記載の自己潤滑式軸受装置。
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