JP3636408B2 - シートスライドロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用シートのスライドロック装置に関する。特に、後部座席のスライドロック/ロック解除用の操作レバーを、該後部座席のサイド位置にて操作するのに好適なシートスライドロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の自動車用シートのスライドロック装置の一例を示す。図示の装置は、自動車用シートの前方下方位置の操作レバーを操作してシャフト90を回動させることにより、ロックプレートLPの下端のロック突片LP2 を不図示の水平ロアレール板のロック孔から離脱させ、これにより、アッパーレールとロアレールとのロックを解除するものである。即ち、シャフト90が回動すると、該シャフト90と一体のピン91が回動して、該ピン91が係合しているリンク板92が垂直面内で回動する。これにより、リンク板92の回動軸を挟む反対側の端部に設けられた孔に係合しているピン93が上方向に移動する。このピン93は、ロックプレートLPと一体であるため、ピン93の上方向への移動に伴ってロックプレートLPも上方向へ移動する。その結果、前述のように、ロックプレートLPの下端から下方へ突出しているロック突片LP2 が、不図示のロック孔から離脱するのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシートスライドロック装置は、構造がロックプレートLPを上方へスライドさせるための機構が複雑であり、操作力の伝達ロスが大きいという問題を有する。例えば、図5の装置の場合であれば、少なくともシャフト90、ピン91、リンク板92、ピン93を介して、ロックプレートLPに操作力が伝達されている。
また、従来のシートスライドロック装置は、機構が複雑であるため、部品点数が多くなり、軽量化の要請や、低コスト化の要請に反するばかりでなく、操作時のガタつきが大きく、操作性が悪いという問題がある。
本発明は、部品点数や操作力の伝達ロス、或いは操作時のガタつきが低減された、操作性の良好なシートスライドロック装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自動車の床に固定されるロアレールと、該ロアレールに摺動可能に取り付けられ自動車用シートを保持するアッパーレールと、該アッパーレールを前記ロアレールに対してロックするロック機構と、を有するシートスライドロック装置に於いて、前記アッパーレールは、前記ロアレールの水平ロアレール板の上面と対向するように摺動部材を介して該水平ロアレール板に支持される水平アッパーレール板と、該水平アッパーレール板から上方へ垂設されレール方向に延びる垂直アッパー板と、該垂直アッパー板の上端から外側へ水平に延設されたレバー支持水平板とを有し、前記垂直アッパー板には下端部にロック突片を有するロックプレートが上下方向に摺動可能に取り付けられ、前記ロックプレートには外側へ水平に突出するピンが一体に設けられ、操作レバーが水平面内で回動可能なように該操作レバーの根元部が前記レバー支持水平板により軸支され、前記ロックプレートを下方向に付勢するための付勢手段が設けられ、前記操作レバーの根元端側の縁部は部分曲線形状に形成されるとともに該縁部から垂直下方へ前記部分曲線を横断面とする部分筒形状の曲面板が下垂され、該曲面板には前記垂直アッパー板への投影像が鉛直線に対して傾斜されているピン受け長孔が形成され、前記水平ロアレール板には前記ロック突片を受け入れて該ロック突片のレール方向の移動を規制するロック孔がレール方向に沿って複数個形成され、前記操作レバーの水平面内での回動により前記曲面板を回動させ、前記ピン受け長孔内の前記ピンを該長孔の規制力で鉛直方向上方に変位させ、前記ロック突片を前記ロック孔から離脱させてロックを解除する装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の具体的な実施の形態を説明する。
図4は、本シートスライドロック装置の搭載位置の例を示す。図示の場合、本シートスライドロック装置は、2ボックスカーのセカンドシート2Sを支持するアッパーレールURと、該アッパーレールURを摺動可能に支持するロアレールLRとをロック/ロック解除する装置として用いられる。ロックは、アッパーレールUR側に設けられたロックプレートLPを、ロアレールLR側のレール本体に形成されているロック孔50a(図1参照)に進入させることで行われる。なお、図示の場合、ロアレールLRは、自動車床面B に埋め込むように設けられている。
【0007】
図1は本シートスライドロック装置のアッパーレールURの正面図であり、図2は上面図である。なお、図2の(b)は(a)と不図示のプレートやリンク等を介して駆動連結された反対サイドのアッパーレールを示す。図3の(a)〜(c)は各々図1中の示す矢視a−a線,b−b線,c−c線の断面図であり、(d)は曲面板69と該曲面板69に形成されたピン受け長孔69a を示す模式的斜視図である。
【0008】
本シートスライドロック装置は、図4に示すように、自動車の床面B に埋設されるロアレールLRと、該ロアレールLRに摺動可能に取り付けられて自動車用シート2Sを保持するアッパーレールURと、該アッパーレールURをロアレールLRに対してロックするロック機構とを有する。
【0009】
アッパーレールURは、レール本体である水平アッパーレール板20と、該水平アッパーレール板20の幅方向略中央位置から上方へ垂設されたレール方向に延びる垂直アッパー板23と、該垂直アッパー板23の上端から外側(操作レバー62が有る側・サイドドア側)へ水平に延設されたレバー支持水平板25とを有する。上記水平アッパーレール板20は、ロアレールLRのレール本体である水平ロアレール板50の上面と対向するようにして、摺動部材(ローラ)60,60 を介して、水平ロアレール板50によって支持されている。なお、27,27 は、水平アッパーレール板20の両サイドから上方へ各々折り曲げ形成された垂設板部26と、ロアレールLRの対応部位との金属接触を妨げるように介挿されたスペーサである。
【0010】
垂直アッパー板23には、ロックプレートLPが上下方向に摺動可能に取り付けられている。即ち、ロックプレートLPに相当する空隙を有するロックプレートガイドLPG が垂直アッパー板23の外側(操作レバー62が有る側・サイドドア側)面に貼り合わせるように設けられており、該ロックプレートガイドLPG の空隙内にロックプレートLPが収納されて上下方向に摺動可能とされている。このロックプレートLPの下端部両端にはロック突片LP2 が突出形成されている。
【0011】
また、ロックプレートLPには外側(操作レバー62が有る側・サイドドア側)へ水平に突出するピン72が一体に設けられている。ピン72は、後述の曲面板69のピン受け長孔69a に係合されるものであり、ピン72がピン受け長孔69a から加わる力に規制されて上下方向に移動することで、ロックプレートLPが上下方向に移動して、ロック/ロック解除が行われる。
【0012】
レバー支持水平板25には、操作レバー62の根元部64が、ピン75を介して回動可能に軸支されている。操作レバー62とレバー支持水平板25との間には、コイルスプリング70が介挿されており、操作レバー62を図2での反時計方向へ付勢している。この付勢方向は、後述するように、ロックプレートLPを下方へ付勢することと同等である。したがって、コイルスプリング70に代えて、直接的にロックプレートLPを下方へ付勢する部材を設けてもよい。
【0013】
図3の(d)に示すように、操作レバー62の根元端側の縁部66は部分円形状に形成されており、該部分円形状の縁部66から、鉛直下方へ部分円筒69が下垂されている。なお、図3の(d)では部分円筒69は上方へ垂設されるように描かれているが、これは、図を見易くするためである。部分円筒69には、前記ピン72が係合される斜め方向のピン受け長孔69a が形成されている。ピン受け長孔69a の傾斜角度は、図1に示すように、垂直アッパー板23へのピン受け長孔69a の投影像が、鉛直線に対して45°の角度を成す角度である。このようにピン受け長孔69a を垂直アッパー板 23 への投影像が傾斜するように形成し、且つ、曲面板69を部分円筒(横断面が真円の一部である部分円を成す筒)として形成することにより、曲面板69の回動に伴ってピン受け長孔69a 内のピン72を上下方向に移動させる機能が実現される。なお、本装置では、曲面板69を部分円筒に形成しているため、回動時の遊びが不要であり、垂直アッパー板23に最も近い部位に取り付けることが可能となっている。
【0014】
このように構成されているため、操作レバー62を水平面内で図2での時計方向に回動させると、曲面板69が同方向に回動し、これにより、図2の横方向では不動のピン72が係合されるべきピン受け長孔69a の部位が上方の部位となる。このため、ピン72はピン受け長孔69a の内壁に押されて上方へ変位し、これに伴ってピン72と一体のロックプレートLPも上方へ変位する。つまり、ロック突片LP2 が水平ロアレール板50のロック孔50a から離脱してロックが解除される。
操作レバーを手放すと、コイルスプリング70の付勢力で操作レバー62が上記と反対方向へ回動し、その結果、上記と逆の動作によりロック突片LP2 がロック孔50a に進入して、ロックが行われる。
【0015】
【発明の効果】
本発明では、操作レバーを水平面内で回動させる操作により、該操作レバーと一体の曲面板を水平面内で回動させて、該曲面板に斜め方向に形成されているピン受け長孔に係合されているピンを上方向に移動させ、これにより、該ピンと一体のロックプレートをロアレールのロック孔から離脱させて、アッパーレールとロアレールのロックを解除している。このように、部品点数を少なく構成できたため、操作力の伝達ロスや操作時のガタつきが低減された操作性の良好なシートスライドロック装置を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートスライドロック装置のアッパーレールURを示す正面図(a)と、ロアレールLRを模式的に示す正面図(b)。
【図2】シートスライドロック装置のアッパーレールURを示す上面図(a)と、反対側サイドのシートスライドロック装置のアッパーレールURを示す上面図(b)。
【図3】図1のアッパーレールURを示し、(a)はa−a線断面図、(b)はb−b線断面図、(c)はc−c線断面図。(d)は操作レバー62の根元部64及び曲面板69を示す斜視図。
【図4】シートスライドロック装置の自動車内の搭載位置を示す説明図(a)と、シートスライドロック装置の全体構成を示す説明図(b)。
【図5】従来のシートスライドロック装置の上面図(a)と、正面図(b)。
【符号の説明】
62 操作レバー
64 操作レバー根元部
66 操作レバー根元端側の縁部
69 部分円筒(曲面板)
69a ピン受け長孔
LP ロックプレート
LP2 ロック突片
72 ピン
70 コイルスプリング
B 自動車床面
LR ロアレール
UR アッパーレール
Claims (1)
- 自動車の床に固定されるロアレールと、該ロアレールに摺動可能に取り付けられ自動車用シートを保持するアッパーレールと、該アッパーレールを前記ロアレールに対してロックするロック機構と、を有するシートスライドロック装置に於いて、
前記アッパーレールは、前記ロアレールの水平ロアレール板の上面と対向するように摺動部材を介して該水平ロアレール板に支持される水平アッパーレール板と、該水平アッパーレール板から上方へ垂設されレール方向に延びる垂直アッパー板と、該垂直アッパー板の上端から外側へ水平に延設されたレバー支持水平板と、を有し、
前記垂直アッパー板には、下端部にロック突片を有するロックプレートが上下方向に摺動可能に取り付けられ、
前記ロックプレートには外側へ水平に突出するピンが一体に設けられ、
操作レバーが水平面内で回動可能なように該操作レバーの根元部が前記レバー支持水平板により軸支され、
前記ロックプレートを下方向に付勢するための付勢手段が設けられ、
前記操作レバーの根元端側の縁部は部分曲線形状に形成されるとともに該縁部から垂直下方へ前記部分曲線を横断面とする部分筒形状の曲面板が下垂され、該曲面板には前記垂直アッパー板への投影像が鉛直線に対して傾斜されているピン受け長孔が形成され、
前記水平ロアレール板には前記ロック突片を受け入れて該ロック突片のレール方向の移動を規制するロック孔がレール方向に沿って複数個形成され、
前記操作レバーの水平面内での回動により前記曲面板を回動させ、前記ピン受け長孔内の前記ピンを該長孔の規制力で鉛直方向上方に変位させ、前記ロック突片を前記ロック孔から離脱させてロックを解除する、
シートスライドロック装置。
Priority Applications (1)
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JP28025396A JP3636408B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | シートスライドロック装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28025396A JP3636408B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | シートスライドロック装置 |
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JPH10100751A JPH10100751A (ja) | 1998-04-21 |
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1996
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