JP3634339B2 - 油性菓子の艶付用組成物、艶付方法及び艶付油性菓子 - Google Patents

油性菓子の艶付用組成物、艶付方法及び艶付油性菓子 Download PDF

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本発明は、チョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリーム等を配合・使用した油性菓子の艶付に用いられる艶付用組成物、油性菓子の艶付方法、該方法により艶付けされた油性菓子に関する。
通常チョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリーム菓等を配合・使用した油性菓子の表面に光沢を付与するための従来技術による艶付方法としては、セラック・エタノール溶液を使用するのが一般的である。しかし、該従来技術による艶付方法はセラック・エタノール溶液を直接チョコレート製品に被覆した場合には、チョコレートや、コーティング物に影響を与え、好ましい光沢が得られない。この問題点を解決するために砂糖、水飴等を配合した糖液にアラビアガム、デキストリン、澱粉糖のコロイド物質を配合した下掛液を掛けて光沢を出した後に、セラックアルコール溶液を掛け持続性のある光沢を得る艶付方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
本従来技術においては、下掛液を掛けて光沢を出した後に、セラックアルコール溶液を掛ける理由は、下掛液掛のみでは艶の耐久性がなく、艶を保持するために、セラックアルコール溶液を掛けているのが実情である。
また、セラックに代わって、とうもろし蛋白ツェインをエタノールおよび/またはイソプロパノールに溶解した溶液に液状脂肪酸および/またはポリグリセリン脂肪酸エステルを配合し、該混合溶液を使用して食品に艶出しする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
Industrial Chocolate Manufacture And Use-Third :297頁〜298頁 特開平10−108630号公報
前記非特許文献1及び特許文献1に開示の従来方法による艶付方法ではいずれも、エタノール、イソプロパノール等の揮発性有機溶媒を使用しているために、製造作業場の火災防止対策を厳重にしなければならず、防災設備や溶媒除去設備等を付設すると製造設備が大型化、高コスト化する問題があると共に、艶付工程で発生するアルコール等の有機溶媒蒸気の蒸散は製造作業環境、大気・空気汚染の面からも好ましいものではない。
一方、該揮発性有機溶媒を使用しない艶付剤として、大豆由来のヘミセルロース、ホエー蛋白、乳蛋白を使用した艶付方法が提案されているが、現行セラックによる艶付方法によって得た光沢と同等以上の光沢を得、且つ、持続性のある艶付方法が開発されていないのが現状である。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、有機溶媒を使用せずに球状チョコレート等の油性菓子の表面を綺麗な艶を付与し得る艶付用組成物、油性菓子の艶付方法、該方法により艶付けされた油性菓子の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、セラックと塩基性アミノ酸および/または塩基性リン酸塩との混合物から成る水性セラック皮膜剤を水に溶かしたセラック水溶液(A)と、増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなしている油性菓子の艶付用組成物の提供を目的としている。
本発明の艶付組成物において、セラック水溶液(A)に配合する塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、オルニチンからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
またセラック水溶液(A)に配合する塩基性リン酸塩がリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウムからなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
またセラック水溶液(A)に配合する塩基性アミノ酸の添加量がセラック100質量部に対して5〜40質量部であることが好ましい。
またセラック水溶液(A)に配合する塩基性リン酸塩の添加量がセラック100質量部に対して4〜60質量部であることが好ましい。
またセラック水溶液(A)中の水性セラック皮膜剤が1〜40質量%であることが好ましい。
また増粘剤(B)がプルラン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ペクチン、カラギナン、トラガントガムからなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
また糖(C)が単糖、二糖、オリゴ糖、酸糖化水飴、酵素糖化水飴、澱粉分解物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
また糖濃度が10〜80質量%の範囲であることが好ましい。
また有機溶媒を実質的に含んでいないことが好ましい。
また本発明は、前記艶付用組成物を、艶付けする油性菓子に塗布して艶付けすることを特徴とする油性菓子の艶付方法を特徴とする。
本発明の油性菓子の艶付方法において、艶付用組成物を油性菓子に塗布し、ポリッシングする工程を含むことが好ましい。
また本発明の方法において、油性菓子を回転釜内で転動させながら艶付用組成物を添加、塗布し、その後通風乾燥させることが好ましい。
また本発明の方法において、油性菓子がチョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む油性菓子であることが好ましい。
また本発明の方法において、有機溶媒を実質的に使用しないことが好ましい。
また本発明は、前記油性菓子の艶付方法によって艶付け処理されている艶付油性菓子を提供とする。
また本発明の艶付油性菓子はチョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む粒状油性菓子であることが好ましい。
本発明によれば、有機溶媒を使用せずに、油性菓子の表面に綺麗な艶を付与することができる。
また、有機溶媒を使用せずに油性菓子の表面に綺麗な艶を付与できるので、製造時の安全性が高められ、環境への悪影響をなくすことができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明に係る油性菓子の艶付用組成物は、セラックと塩基性アミノ酸および/または塩基性リン酸塩との混合物から成る水性セラック皮膜剤を水に溶かしたセラック水溶液(A)と、増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなしていることを特徴としている。
本発明で使用されるセラックとしては、従来公知である各種セラックの中から適宜選択することができ、例えば精製セラック、脱色セラック、白色セラックなどとして市販されているものの中から選択して使用することができる。これらのセラックの中でも、脱色セラックおよび白色セラックの微粉末が好ましい。
本発明において、セラック水溶液(A)は、セラック100質量部に対し、塩基性アミノ酸および/または塩基性リン酸塩及び適量の水を加えて調製するが、この場合セラックを完全に水に溶解させる必要はなく、未溶解のセラック粒子が残存していても、それが微粒子である限り、油性菓子の艶付けにおいて余り問題とならない。本発明の好ましい実施形態において、セラック水溶液(A)は、セラック100質量部に対して塩基性アミノ酸を5〜40質量部、又は塩基性リン酸塩を4〜60質量部配合する。
ここで使用する塩基性アミノ酸としては、アルギニン、リシン、オルニチンからなる群から選択される1種又は2種以上を添加・配合することができるが、油性菓子類にあっては嗜好の面から塩基性アミノ酸としてアルギニンの単用が好ましい。L-アルギニンを用いる場合には、例えばセラック100質量に対しL-アルギニン10〜25質量部、好ましくは15〜18質量部を混合した後、該混合物100質量部に50〜70℃の温水10〜95質量部、好ましくは23〜90質量部を加えて溶解し、セラック水溶液(A)とするのが好ましい。セラック100質量部に対するL-アルギニンの配合量が10質量部未満では、セラックを温水に溶解することが困難であり、25質量部を超えた量でも溶解可能であるが、L-アルギニンの味が濃厚となり好ましくない。
塩基性リン酸塩としては、食品製造上または製薬上許容される塩基性リン酸塩を用いることができ、好ましくはリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウムからなる群から選択される1種または2種以上を併用して使用できる。塩基性リン酸塩は、セラック100質量部に対して、4〜60質量部、好ましくは10〜25質量部、より好ましくは15〜25質量部配合し、温水を加水して溶解・調整することが好ましい。油性菓子に使用する場合にあっては、味の嗜好性の点から、セラック100質量部に対してリン酸水素三ナトリウム15〜25質量部、好ましくは18〜22質量部を単用し、温水を加水して溶解・調整してセラック水溶液(A)を得ることが好ましい。リン酸水素三ナトリウム量が15質量部未満ではセラックを溶解することがやや困難であり、25質量部を超える場合にはアルカリ味が強まり、嗜好的に好ましくない。
セラックに塩基性アミノ酸および/または塩基性リン酸塩を混合した水性セラック皮膜剤に加える水(好ましくは温水)の量は、セラック水溶液(A)中の水性セラック皮膜剤が1〜40質量%の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは10〜30質量%の範囲とする。水性セラック皮膜剤が1質量%未満では、このセラック水溶液(A)と増粘剤(B)および/または糖(C)を加えて調製される本発明の艶付用組成物中のセラック量が少なく、油性菓子表面の艶付の保持力が低下して好ましくない。一方、水性セラック皮膜剤が40質量%を超えると、このセラック水溶液(A)と増粘剤(B)および/または糖(C)を加えて調製される本発明の艶付用組成物の粘度が高すぎ、該艶付用組成物を油性菓子表面に塗布することが困難となり好ましくない。またセラックに塩基性アミノ酸および/または塩基性リン酸塩を混合した混合物を溶解するための温水温度は50〜70℃程度とするのが好ましい。温水の温度が50℃未満の場合には該混合物を容易に溶解することが困難となり、好ましくない。一方、該温水の温度が70℃を超える場合にはセラックが変質し、皮膜形成能が低下し好ましくない。
このセラック水溶液(A)を直接油性菓子の表面に塗布した場合には、セラック水溶液(A)が油性菓子中に浸透し、油性菓子の表面に艶のある皮膜を形成することができず、光沢のある綺麗な艶を得ることができない。
本発明者らは鋭意研究の結果、セラック水溶液(A)に増粘剤(B)および/または糖(C)を配合することによって、油性菓子表面に艶を付与できることを知見した。
セラック水溶液(A)に添加される増粘剤(B)としては、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ペクチン、カラギナン、トラガントガムからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が挙げられ、好ましくはプルラン、キサンタンガムまたはグアーガムである。これらの増粘剤(B)は、セラック水溶液(A)に溶解してもよいし、増粘剤(B)のみ、或いは増粘剤(B)と糖(C)とを温水に溶解させた水溶液をセラック水溶液(A)と混合してもよい。この増粘剤(B)の添加量は、本発明の艶付用組成物中に1〜10質量%、好ましくは4〜9質量%となるように添加することが好ましい。増粘剤(B)の添加量が前記範囲未満であると、光沢のある綺麗な艶を得ることが困難となる。一方、増粘剤(B)の添加量が前記範囲を超えると、艶付用組成物の粘度が高くなりすぎて、艶付け処理の作業が困難になる。
またセラック水溶液(A)に添加される糖(C)としては、単糖、二糖、オリゴ糖、酸糖化水飴、酵素糖化水飴、澱粉分解物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物が挙げられる。これらの中でもショ糖、果糖-ブドウ糖混合液糖、デキストリン当量45以下の澱粉分解物、酸糖化水飴、酵素糖化水飴が好ましい。糖(C)を配合する場合、艶付用組成物中の糖濃度は8〜80質量%の範囲とすることが好ましい。糖濃度が8質量%未満では、技術的理由は明確ではないが、艶付用組成物を塗布して得た油性菓子表面の艶の耐久性がなく好ましくない。一方、糖濃度が80質量%を超える場合には、艶付用組成物の粘度が高くなりすぎて油性菓子表面に塗布できず、艶を付与することができず好ましくない。
本発明の艶付用組成物は、セラック水溶液(A)と増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなすようにセラック水溶液(A)配合量、水性セラック皮膜剤、増粘剤(B)又は糖(C)の配合量、加水量等を適宜調整して作製される。セラック水溶液(A)配合量は、得られる艶付用組成物中の水性セラック皮膜剤が0.1〜30質量%、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは5〜15質量%の範囲となるように設定することが望ましい。艶付用組成物中の水性セラック皮膜剤が前記範囲未満であると、油性菓子表面の艶付け効果が不十分となる。一方、水性セラック皮膜剤が前記範囲を超えると、該艶付用組成物の粘度が高くなりすぎて油性菓子表面に塗布できず、艶を付与することができず好ましくない。
本発明の艶付用組成物の好ましい実施形態において、艶付用組成物は前述した通り、セラック水溶液(A)と増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなしており、有機溶媒を実質的に含んでいない。本発明の艶付用組成物は、有機溶媒を使用せずに油性菓子の表面に綺麗な艶を付与できるので、製造時の安全性が高められ、環境への悪影響をなくすことができる。
次に、本発明に係る油性菓子の艶付方法を説明する。
本発明の艶付方法は、前述したセラック水溶液(A)と増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなす艶付用組成物を、艶付けする油性菓子に塗布し、必要に応じてポリッシングしながら乾燥して実施することができる。
本発明の艶付方法において、艶付けする油性菓子としては、チョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む粒状油性菓子(Drageeなどとも称される。)が挙げられる。この粒状油性菓子の具体例としては、粒状のチョコレート、ナッツ(アーモンド、マカデミアナッツ、ピーナッツ等)やクリーム類などの他の菓子材料をチョコレートで被覆して粒状に成形した粒状チョコレートなどが挙げられる。
艶付けする油性菓子に対する艶付用組成物の添加量は、油性菓子100質量部に対し0.05〜5質量部、好ましくは0.2〜1質量部の範囲とされる。艶付用組成物が前記範囲より少ないと、油性菓子の艶付けが不十分となり、好ましくない。艶付用組成物が前記範囲を超えると、艶付け処理に要する時間、特に乾燥時間が長くなり、作業性が悪くなるので、好ましくない。
本発明の艶付方法は、油性菓子を回転釜内で転動させながら艶付用組成物を添加、塗布し、その後通風乾燥させることによって簡単且つ短時間で実施し得る。ここで用いる回転釜としては、食品製造(特に粒状菓子製造)分野や製薬(特に丸薬や糖衣錠製造)分野で従来より周知の回転釜や通気ドラム型回転釜を用いて行うことができ、艶付用組成物は回転釜内に滴下又はスプレー塗布により供給することが好ましい。
油性菓子を回転釜内で転動させながら艶付用組成物を添加、塗布することで、油性菓子の表面に艶付用組成物が薄く、均一に付着し、油性菓子表面にはセラックを含む薄い皮膜が形成される。艶付用組成物を塗布し、油性菓子を回転釜内で転動させることで、油性菓子の表面同士がこすれ合ってポリッシングされた状態となり、別のポリッシング処理をしなくても光沢のある綺麗な艶が付与される。
艶付用組成物の添加と同時に、または添加後に一定時間転動させた後、回転釜内の油性菓子を通風乾燥する。通風乾燥は、油性菓子が溶解せず、艶付用組成物が十分に乾燥可能な条件で実施され、例えばこの通風乾燥は、10〜20℃、相対湿度25〜65%の乾燥空気を回転釜内に、塗布した艶付用水性セラック皮膜剤液による湿り気が無くなるまで送風して行うことができる。乾燥後、艶付けされた油性菓子は、充填・包装工程に搬送され、適用な容器に充填・包装されて製品とされる。
本発明の艶付方法は、前述した通り、実質的に有機溶媒を含んでいない艶付用組成物を用い、艶付け処理時にも有機溶媒を実質的に使用しないことが好ましい。本発明の艶付方法では、有機溶媒を使用せずに油性菓子の表面に綺麗な艶を付与できるので、製造時の安全性が高められ、環境への悪影響をなくすことができる。
本発明の艶付油性菓子は、前述した艶付方法によって油性菓子の表面が艶付け処理されたものなので、有機溶媒を使用せずに、油性菓子の表面に綺麗な艶を付与することができる。
以下、実施例を挙げて本発明の具体例をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
精製セラック粉末(岐阜セラック社製、精製セラック)100質量部にL-アルギニン(協和発酵社製:LアルギニンRS)16.5質量部を混合した後、該混合物30質量部に70℃の温水70質量部を加えて溶解し、100質量部のセラック水溶液(A)を得た。
このセラック水溶液(A)20質量部に対して、糖(C)として酸糖化水飴(参松工業社製:38水飴)20質量部、ショ糖30質量部を混合、溶解し、糖濃度64.4質量%、セラック皮膜剤8.6質量%の液状の艶付用組成物を得た。
アーモンド粒表面に均一にチョコレート生地をコーティングした4g/粒のアーモンドチョコボール1500gを回転釜(フロイント産業社製:300径)に入れ、35回/分で回転した状態で、前記の方法で調製した本発明の艶付用組成物3gをアーモンドチョコボール表面に塗布した。
次いで、20℃、湿度50%の空気を該回転釜内で回転転動しているアーモンドチョコボール表面に送風し、艶付用組成物による湿りを除去し乾燥した。
前記操作を3度繰り返し、表面に十分に艶のあるアーモンドチョコボール製品を得た。
この艶付けしたアーモンドチョコボールを23℃、湿度60%の状態で3日間保存した後、耐久試験として恒温槽25℃、湿度70%の状態で24時間保管試験した後、艶の状態を確認した結果、後述するセラックを含まない組成物で処理した比較例1に比較して耐久性があり、艶の消失、べたつきもなく良好であった。
また、本発明に係る実施例1では、エタノール、イソプロパノール等の有機溶媒を使用することなく、揮発性有機物による大気汚染の心配がなく、耐久性のある艶を油性菓子類に付与することが可能となった。
[比較例1]
実施例1において用いたセラック水溶液(A)20質量部に代えて、ショ糖30質量%水溶液20質量部を使用した以外は、実施例1と同様に処理し、艶付けしたアーモンドチョコボールを得た。なお、比較例1で用いたセラックを含まない艶付用組成物の糖濃度は70.4%であった。
この比較例1のアーモンドチョコボールを実施例1と同じ条件下で保管後、耐久試験を実施した結果、実施例1と比較して、艶の消失、べたつきがあり、好ましいものではなく、商品価値を消失したものであった。
実施例1と比較例1でそれぞれ得られた製品をシャーレに入れ、25℃、湿度70%の恒温器内に静置し、この状態で1時間毎に外観状態を観察した結果を表1に示す。
Figure 0003634339
表1中、「艶評価」とは、それぞれのアーモンドチョコレート製品について表面の艶の有無と変色の状態を、下記の基準により評価した。
◎ 元の状態と比較して変化なし。
○ やや艶は落ちるが商品価値あり。
△ わずかに艶はあるが商品価値低下。
× 艶なく、商品価値なし。
また「べたつき評価」とは、それぞれの艶付アーモンドチョコレート製品について表面のべたつきの状態を示し、下記の基準により評価した。評価採点は指による製品表面接触によって評価した。
◎ べたつき殆どなく元の状態と大差なし。
○ 僅かにべたつきはあるが商品価値あり。
△ べたつきがあり商品価値低下。
× べたつきつよく、商品価値なし。
表1の結果より、本発明に係る艶付用組成物を用いて艶付けした実施例1の製品は、艶か長時間持続し、べたつきも少ないことが判る。
[実施例2]
実施例1において調製したセラック水溶液(A)40質量部、サンデック(三和澱粉工業社製:サンデック#30)10質量部、ショ糖20質量部、60℃の温水30質量部を混合、溶解し、糖濃度29質量%、水性セラック皮膜剤12質量%の艶付用組成物を得た。
この艶付用組成物を使用して実施例1と同様にアーモンドチョコレートに艶付け処理し、さらに実施例1と同様の耐久試験を実施した。その結果、実施例2で得られた製品は、表面の艶に耐久性があり、艶の消失、べたつきもなく良好であった。
[実施例3]
実施例1において調製したセラック水溶液(A)50質量部、プルラン(林原社製:プルランPF20)16質量部、60℃の温水34質量部を混合、溶解し、糖濃度8質量%、水性セラック皮膜剤15質量%の艶付用組成物を調製した。
この艶付用組成物を使用して実施例1と同様にアーモンドチョコレートに艶付け処理し、さらに実施例1と同様の耐久試験を実施した。その結果、実施例3で得られた製品は、表面の艶に耐久性があり、艶の消失、べたつきもなく良好であった。
[実施例4]
精製セラック粉末(岐阜セラック社製、精製セラック)100質量部にL-アルギニン(協和発酵社製:LアルギニンRS)16.5質量部を混合した後、該混合物10質量部に70℃の温水90質量部を加えて溶解し、100質量部のセラック水溶液(A)を得た。
このセラック水溶液(A)50質量部、澱粉分解物パインフロー(松谷化学工業社製:パインフロー)13質量部、60℃の温水37質量部を混合、溶解し、糖濃度13質量%、水性セラック皮膜剤5質量%の艶付用水性セラック皮膜剤液を得た。
この艶付用組成物を使用して実施例1と同様にアーモンドチョコレートに艶付け処理し、さらに実施例1と同様の耐久試験を実施した。その結果、実施例4で得られた製品は、表面の艶に耐久性があり、艶の消失、べたつきもなく良好であった。

Claims (17)

  1. セラックと塩基性アミノ酸および/または塩基性リン酸塩との混合物から成る水性セラック皮膜剤を水に溶かしたセラック水溶液(A)と、増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなしている油性菓子の艶付用組成物。
  2. セラック水溶液(A)に配合する塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、オルニチンからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1記載の油性菓子の艶付用組成物。
  3. セラック水溶液(A)に配合する塩基性リン酸塩がリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウムからなる群から選択される1種または2種以上である請求項1または2記載の油性菓子の艶付用組成物。
  4. セラック水溶液(A)に配合する塩基性アミノ酸の添加量がセラック100質量部に対して5〜40質量部である請求項1または2記載の油性菓子の艶付用組成物。
  5. セラック水溶液(A)に配合する塩基性リン酸塩の添加量がセラック100質量部に対して4〜60質量部である請求項1または3記載の油性菓子の艶付用組成物。
  6. セラック水溶液(A)中の水性セラック皮膜剤が1〜40質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
  7. 増粘剤(B)がプルラン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ペクチン、カラギナン、トラガントガムからなる群から選択される1種または2種以上の混合物である請求項1〜6のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
  8. 糖(C)が単糖、二糖、オリゴ糖、酸糖化水飴、酵素糖化水飴、澱粉分解物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物である請求項1〜7のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
  9. 糖濃度が8〜80質量%の範囲である請求項1〜8のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
  10. 有機溶媒を実質的に含んでいない請求項1〜9のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の艶付用組成物を、艶付けする油性菓子に塗布して艶付けすることを特徴とする油性菓子の艶付方法。
  12. 艶付用組成物を油性菓子に塗布し、ポリッシングする工程を含む請求項11に記載の油性菓子の艶付方法。
  13. 油性菓子を回転釜内で転動させながら艶付用組成物を添加、塗布し、その後通風乾燥させる請求項11又は12に記載の油性菓子の艶付方法。
  14. 油性菓子がチョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む粒状油性菓子である請求項11〜13のいずれかに記載の油性菓子の艶付方法。
  15. 有機溶媒を実質的に使用しない請求項11〜14のいずれかに記載の油性菓子の艶付方法。
  16. 請求項11〜15のいずれかに記載の油性菓子の艶付方法によって艶付け処理されている艶付油性菓子。
  17. 油性菓子がチョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む粒状油性菓子である請求項16に記載の艶付油性菓子。
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