JP3634339B2 - 油性菓子の艶付用組成物、艶付方法及び艶付油性菓子 - Google Patents
油性菓子の艶付用組成物、艶付方法及び艶付油性菓子 Download PDFInfo
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Description
本従来技術においては、下掛液を掛けて光沢を出した後に、セラックアルコール溶液を掛ける理由は、下掛液掛のみでは艶の耐久性がなく、艶を保持するために、セラックアルコール溶液を掛けているのが実情である。
Industrial Chocolate Manufacture And Use-Third :297頁〜298頁
本発明の艶付組成物において、セラック水溶液(A)に配合する塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、オルニチンからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
またセラック水溶液(A)に配合する塩基性リン酸塩がリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウムからなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
またセラック水溶液(A)に配合する塩基性アミノ酸の添加量がセラック100質量部に対して5〜40質量部であることが好ましい。
またセラック水溶液(A)に配合する塩基性リン酸塩の添加量がセラック100質量部に対して4〜60質量部であることが好ましい。
またセラック水溶液(A)中の水性セラック皮膜剤が1〜40質量%であることが好ましい。
また増粘剤(B)がプルラン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ペクチン、カラギナン、トラガントガムからなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
また糖(C)が単糖、二糖、オリゴ糖、酸糖化水飴、酵素糖化水飴、澱粉分解物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
また糖濃度が10〜80質量%の範囲であることが好ましい。
また有機溶媒を実質的に含んでいないことが好ましい。
本発明の油性菓子の艶付方法において、艶付用組成物を油性菓子に塗布し、ポリッシングする工程を含むことが好ましい。
また本発明の方法において、油性菓子を回転釜内で転動させながら艶付用組成物を添加、塗布し、その後通風乾燥させることが好ましい。
また本発明の方法において、油性菓子がチョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む油性菓子であることが好ましい。
また本発明の方法において、有機溶媒を実質的に使用しないことが好ましい。
また本発明の艶付油性菓子はチョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む粒状油性菓子であることが好ましい。
また、有機溶媒を使用せずに油性菓子の表面に綺麗な艶を付与できるので、製造時の安全性が高められ、環境への悪影響をなくすことができる。
本発明に係る油性菓子の艶付用組成物は、セラックと塩基性アミノ酸および/または塩基性リン酸塩との混合物から成る水性セラック皮膜剤を水に溶かしたセラック水溶液(A)と、増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなしていることを特徴としている。
本発明者らは鋭意研究の結果、セラック水溶液(A)に増粘剤(B)および/または糖(C)を配合することによって、油性菓子表面に艶を付与できることを知見した。
本発明の艶付方法は、前述したセラック水溶液(A)と増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなす艶付用組成物を、艶付けする油性菓子に塗布し、必要に応じてポリッシングしながら乾燥して実施することができる。
精製セラック粉末(岐阜セラック社製、精製セラック)100質量部にL-アルギニン(協和発酵社製:LアルギニンRS)16.5質量部を混合した後、該混合物30質量部に70℃の温水70質量部を加えて溶解し、100質量部のセラック水溶液(A)を得た。
実施例1において用いたセラック水溶液(A)20質量部に代えて、ショ糖30質量%水溶液20質量部を使用した以外は、実施例1と同様に処理し、艶付けしたアーモンドチョコボールを得た。なお、比較例1で用いたセラックを含まない艶付用組成物の糖濃度は70.4%であった。
◎ 元の状態と比較して変化なし。
○ やや艶は落ちるが商品価値あり。
△ わずかに艶はあるが商品価値低下。
× 艶なく、商品価値なし。
◎ べたつき殆どなく元の状態と大差なし。
○ 僅かにべたつきはあるが商品価値あり。
△ べたつきがあり商品価値低下。
× べたつきつよく、商品価値なし。
実施例1において調製したセラック水溶液(A)40質量部、サンデック(三和澱粉工業社製:サンデック#30)10質量部、ショ糖20質量部、60℃の温水30質量部を混合、溶解し、糖濃度29質量%、水性セラック皮膜剤12質量%の艶付用組成物を得た。
実施例1において調製したセラック水溶液(A)50質量部、プルラン(林原社製:プルランPF20)16質量部、60℃の温水34質量部を混合、溶解し、糖濃度8質量%、水性セラック皮膜剤15質量%の艶付用組成物を調製した。
精製セラック粉末(岐阜セラック社製、精製セラック)100質量部にL-アルギニン(協和発酵社製:LアルギニンRS)16.5質量部を混合した後、該混合物10質量部に70℃の温水90質量部を加えて溶解し、100質量部のセラック水溶液(A)を得た。
Claims (17)
- セラックと塩基性アミノ酸および/または塩基性リン酸塩との混合物から成る水性セラック皮膜剤を水に溶かしたセラック水溶液(A)と、増粘剤(B)および/または糖(C)とを含み、液状をなしている油性菓子の艶付用組成物。
- セラック水溶液(A)に配合する塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、オルニチンからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1記載の油性菓子の艶付用組成物。
- セラック水溶液(A)に配合する塩基性リン酸塩がリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウムからなる群から選択される1種または2種以上である請求項1または2記載の油性菓子の艶付用組成物。
- セラック水溶液(A)に配合する塩基性アミノ酸の添加量がセラック100質量部に対して5〜40質量部である請求項1または2記載の油性菓子の艶付用組成物。
- セラック水溶液(A)に配合する塩基性リン酸塩の添加量がセラック100質量部に対して4〜60質量部である請求項1または3記載の油性菓子の艶付用組成物。
- セラック水溶液(A)中の水性セラック皮膜剤が1〜40質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
- 増粘剤(B)がプルラン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ペクチン、カラギナン、トラガントガムからなる群から選択される1種または2種以上の混合物である請求項1〜6のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
- 糖(C)が単糖、二糖、オリゴ糖、酸糖化水飴、酵素糖化水飴、澱粉分解物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物である請求項1〜7のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
- 糖濃度が8〜80質量%の範囲である請求項1〜8のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
- 有機溶媒を実質的に含んでいない請求項1〜9のいずれかに記載の油性菓子の艶付用組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の艶付用組成物を、艶付けする油性菓子に塗布して艶付けすることを特徴とする油性菓子の艶付方法。
- 艶付用組成物を油性菓子に塗布し、ポリッシングする工程を含む請求項11に記載の油性菓子の艶付方法。
- 油性菓子を回転釜内で転動させながら艶付用組成物を添加、塗布し、その後通風乾燥させる請求項11又は12に記載の油性菓子の艶付方法。
- 油性菓子がチョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む粒状油性菓子である請求項11〜13のいずれかに記載の油性菓子の艶付方法。
- 有機溶媒を実質的に使用しない請求項11〜14のいずれかに記載の油性菓子の艶付方法。
- 請求項11〜15のいずれかに記載の油性菓子の艶付方法によって艶付け処理されている艶付油性菓子。
- 油性菓子がチョコレート、ホワイトチョコレート、ナッツクリームからなる群から選択される1種又は2種以上を含む粒状油性菓子である請求項16に記載の艶付油性菓子。
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