JP4708314B2 - 酸味料を含む糖衣掛け製品の製造方法及び該方法により製造された糖衣掛け製品 - Google Patents

酸味料を含む糖衣掛け製品の製造方法及び該方法により製造された糖衣掛け製品 Download PDF

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本発明は、酸味料を含む糖衣掛け製品を製造するための方法及び該方法により製造された糖衣掛け製品に関する。より詳細には、本発明はソフトコーティング法による糖衣掛け製品の製造方法に関し、可食性センターに、(1)糖アルコールの溶液を掛けること、次に(2)25〜98重量%の糖アルコール粉末と2〜75重量%の10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末とを含む混合粉末を掛けることを含む方法に関する。さらに、本発明は懸濁液法による糖衣掛け製品の製造方法に関し、可食性センターに、25〜98重量%の糖アルコール粉末と2〜75重量%の10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末とを含む粉末を糖アルコールの溶液に懸濁させた懸濁液を掛けることを含む方法に関する。
食品或いは医薬品(可食性センターともいう)へ糖衣する方法は、ハードコーティング法、ソフトコーティング法、及び懸濁液法に大別される。ハードコーティング法とは、可食性センターを回転釜内で転動させながら、これにコーティング用糖質液(以下、単に糖質液という場合がある)を添加してセンター表面に糖質皮膜を形成させた後、乾燥し、この添加と乾燥を繰り返して所望の厚さの糖衣層を形成して糖衣掛け製品を製造する糖衣方法をいう。ソフトコーティング法とは、ハードコーティング法と同様に可食性センターに糖質液を添加してセンター表面に糖質皮膜を形成させた後、糖質を含むコーティング用粉末(以下、単に糖質粉末という場合がある)を散布して、乾燥し、この添加と散布を繰り返して所望の厚さの糖衣層を形成して糖衣掛け製品を製造する糖衣方法をいう。懸濁液法とは、糖質粉末を糖質液に添加して懸濁状態にし、可食性センターに該懸濁液を添加してセンター表面に糖質皮膜を形成させた後、乾燥し、この添加と乾燥を繰り返して所望の厚さの糖衣層を形成して糖衣掛け製品を製造する糖衣方法をいう。ハードコーティング法ではパリパリ感のある糖衣を得られることが特徴であり、一方ソフトコーティング法及び懸濁液法ではソフトな食感の糖衣を得られることが特徴である。また、ソフトコーティング法及び懸濁液法では水分が少ないため、ハードコーティング法に比べて乾燥時間が短いという特徴があるが、それでもなお長時間かかることから乾燥時間の短縮が望まれている。
ところで、食品に酸味をつけるために、各種酸味料が用いられている。しかし、糖衣掛け製品において、可食性センターに酸味料を添加しても酸味の発現が遅いため、糖衣層に酸味料を添加する方法が用いられている。しかし、通常、糖衣層に酸味料を添加すると乾燥時間が長くなり、吸湿しやすくなることが常識である。
下記特許文献1は、糖アルコールに酸味料を添加した糖質液をセンターとなる可食性の材料の表面に施し得られる硬質コーティング(すなわち、ハードコーティング法である)を記載する。そして、該糖質液を可食性の材料の表面に施し、水分を蒸発乾燥させる行程で、酸味料としてクエン酸の粉末或いはクエン酸を水で溶解した溶液を添加し、硬質コーティングを形成することを記載する。従って、特許文献1は、ハードコーティング法と本質的に異なるソフトコーティング法及び懸濁液法について記載していない。下記特許文献2は、アスコルビン酸粉末を、各種液状糖類もしくは固形の糖を水溶化したものに混合し、溶解乃至分散させ、被覆液とし、アスコルビン酸含有糖衣物を製造することを記載する。特許文献2の糖衣方法は、各種液状糖類もしくは固形の糖を水溶化していることから、ハードコーティング法である。従って、特許文献2は、ハードコーティング法と本質的に異なるソフトコーティング法及び懸濁液法について記載していない。
特許文献3は、増粘剤を溶解した掛け液を対象とする食品に掛けた後、リンゴ酸粉末と難溶性粉末を当該食品表面に接着後、乾燥することを特徴とする酸味料のコーティング方法を記載する。しかし、特許文献3は増粘剤を利用することで糖質粉末を必要としないことから、ソフトコーティング法及び懸濁液法と異なる。
特開平9−313109号公報 特開平8−70792号公報 特開2006−141256号公報
本発明は、ソフトコーティング法或いは懸濁液法により、酸味料を含む糖衣掛け製品を製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、糖衣の乾燥時間を短くし、さらに製造工程及び流通過程において吸湿しにくい、酸味料を含む糖衣掛け製品を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究の結果、ソフトコーティング法或いは懸濁液法による糖衣掛け製品の製造方法において、コーティング用粉末として、25〜98重量%の糖アルコール粉末と2〜75重量%の10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末とを含む粉末を用いることで、上記課題を解決するに至った。すなわち、本発明は、ソフトコーティング法による糖衣掛け製品の製造方法において、可食性センターに、(1)糖アルコールの溶液を掛けること、次に(2)25〜98重量%の糖アルコール粉末と2〜75重量%の10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末とを含む混合粉末を掛けることを含む方法を提供する。さらに、本発明は、懸濁液法による糖衣掛け製品の製造方法において、可食性センターに、25〜98重量%の糖アルコール粉末と2〜75重量%の10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末とを含む粉末を糖アルコールの溶液に懸濁させた懸濁液を掛けることを含む方法を提供する。
本発明の糖衣方法に従うと、糖衣の乾燥時間が予期した以上に大幅に短縮することができることから、作業性の改善、コスト低減を図ることが出来、さらに流通過程での吸湿の防止を図ることが可能である。
本発明では、糖衣方法としてソフトコーティング法或いは懸濁液法を用いる。ソフトコーティング法及び懸濁液法では、コーティング用糖質液とコーティング用粉末とを用いる。ソフトコーティング法では、可食性センターにコーティング用糖質液を掛けた後、コーティング用粉末を掛けて糖衣する。懸濁液法では、コーティング用糖質液にコーティング用粉末を懸濁させ、可食センターに該懸濁液を掛けて糖衣する。
コーティング用粉末として、糖アルコール粉末と10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末とを含むコーティング用粉末を使用する。
コーティング用糖質液として、糖アルコールを含むコーティング用糖質液を使用する。
本発明において、コーティング用粉末は、10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末を含む。該有機酸粉末として、食品添加物として使用可能なフマル酸(溶解度 0.63g/100ml水)、アジピン酸(1.78g/100ml水)及びコハク酸(7.69g/100ml水)を挙げることができるがこれに限定されず、溶解度が10g/100ml水未満の有機酸であれば任意に使用でき、これら有機酸を単独で或いは組み合わせて使用することができる。
特許文献1は、酸味料としてクエン酸、リンゴ酸、酒石酸を記載し、特許文献2は、アスコルビン酸を記載する。しかし、これらの有機酸はいずれも水への溶解度が高い有機酸である。すなわち、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸及びアスコルビン酸の溶解度は夫々、59.2g/100ml水、126g/100ml水、139.4g/100ml及び35g/100ml水である。これら水への溶解度が高い有機酸を用いると、乾燥時間が長くなるという問題が発生する。さらに、糖衣を乾燥してもべとつきやすく、糖衣掛けした製品同士がくっついたり、釜内へ付着したりする問題もある。また、水への溶解度が高い有機酸を用いて製造された糖衣掛け製品は吸湿性が高いので、流通中に経時的に吸湿するという問題もある。従って、水への溶解度が高い有機酸をソフトコーティングにおいて単独で使用することは好ましくない。しかし、本発明で使用する10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末と組み合わせて、水への溶解度が高い有機酸をコーティング用粉末として使用することで、吸湿しにくい糖衣を製造することが可能である。水への溶解度が高い有機酸は、コーティング粉末あたり、40重量%以下、好ましくは30重量%以下であることが好ましい。10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末100重量部に対して、水への溶解度が高い有機酸は、好ましくは800重量部以下、より好ましくは600重量部以下、さらに好ましくは400重量部以下である。
糖衣中の酸味料は、可食性センターの重量あたり0.5重量%以上の酸味料を掛ければ酸味を十分に感じうる(実施例1)。
本発明では、コーティング用粉末が10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末を含むことから、糖衣中の酸味料はセンターの重量あたり2重量%以上という高濃度で含みうる(下記実施例2〜5を参照)。従来、特許文献1及び2に記載のような水への溶解度が高い有機酸を用いた場合、その有機酸の量はせいぜい2%未満であったのに対して、溶解度が10g/100ml水未満の有機酸をコーティング用粉末として使用することによって、本発明に従う糖衣方法では、糖衣中の有機酸をセンターの重量あたり2重量%以上も添加することが可能となった。このため、本発明に従う糖衣方法により非常に酸味の強い糖衣掛け製品を製造すること可能である。
本発明において、コーティング用糖質液或いはコーティング用粉末で使用する糖アルコールとして、還元パラチノース、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、エリスリトール、マンニトールを使用することができるがこれらに限定されない。好ましくは、還元パラチノース、マルチトール、ソルビトール及びキシリトールであり、さらに好ましくは、還元パラチノース及びマルチトールである。これら糖アルコールを単独で、又は組み合わせて使用してもよい。ここで、還元パラチノースとは、6-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール(以下、1,6-GPSという)、1-O-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール(以下、1,1-GPMという)との混合物であり、本発明で使用する還元パラチノースは1,6-GPSと1,1-GPMとの等量混合物であるパラチニット(商標)PM(商品名、三井製糖株式会社製)、1,6-GPSリッチのパラチニット(商標)GS(商品名、三井製糖株式会社製)のいずれでもよい。
本発明において、コーティング用粉末は、好ましくは、25〜98重量%が糖アルコール粉末であり、及び2〜80重量%が10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末である。より好ましくは50〜97重量%が糖アルコール粉末であり、及び3〜50重量%が10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末である。さらに好ましくは70〜96重量%が糖アルコール粉末であり、及び4〜30重量%が10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末である。糖アルコールの量が20重量%以下であると、糖衣に要する量が少なくなるため、結果としてコーティング用糖質液の量が多くなることから糖衣時間が長くなるとともに、乾燥時間も長くなるためである。
本発明において、コーティング用粉末には、糖アルコール粉末及び10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末の他に、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、カオリン、二酸化チタン、二酸化珪素、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、無水ケイ酸、結晶セルロース、卵殻カルシウム、貝殻カルシウム、骨粉、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの粉末を添加してもよい。
本発明において、糖アルコールは、コーティング用糖質液のうち40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%、さらに好ましくは60〜70重量%である。コーティング用糖質液は結合剤を含むことができ、アラビアガム、ゼラチン、還元澱粉糖化物(還元水飴)、プルラン、デキストリン又は水飴が好ましい。結合剤は、コーティング用糖質液のうち1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜5重量%である。結合剤は、コーティング用糖質液をセンター表面に均一にコーティングさせることで表面を滑らかにする目的のために添加する。
本発明において、コーティング用粉末とコーティング用糖質液との重量比は2:1〜1:2が好ましい。送風の温度は10〜40℃が好ましく、さらには、25〜30℃が好ましい。コーティング回数を繰り返し行うことで酸味料の添加量を増やすことができる。
可食性センターとして、チューインガム、キャンディー、タブレット、グミキャンディー、チョコレート及び焼き菓子等の食品、並びに錠剤、丸剤及びカプセル剤等の医薬品を使用することができる。
ソフトコーティング法及び懸濁液法は、当業者にとって周知であるので、ここで詳しくは述べないが、センターと糖衣層間の水分移行或いは糖質の違いによる影響を防ぐため、ベースコーティングを施すことが好ましい。ソフトコーティングでは、粉末をより多く添加できる点で懸濁液法に比べて優れている。
ソフトコーティング法或いは懸濁液法による糖衣の後に、更にハードコーティングにより糖衣することが可能である。また、本発明に従うコーティング後に、更に適宜香料或いは着色料をコーティングすることができる。また、仕上げにカルナウバワックス等で艶出しを行うことができる。最終製品中、糖衣層の割合は20重量%以上が好ましい。
[実施例]
下記に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでない。なお、表中の配合量は全て重量%である。
表1に示す組成のセンターガム1kg(1個当たり約1g)を糖衣機(HU−C型、株式会社畑鉄工所製)に入れ、釜を回転させながら、下記表2に示す配合の糖質液8g、そして下記表2に示す粉末10gを順に添加した後、25〜30℃の送風を行って乾燥させ、ベースコーティング(ソフトコーティング法)を行った。
Figure 0004708314
Figure 0004708314
次に、還元パラチノース66重量%、還元澱粉糖化物4重量%及び水30重量%を含む糖質液15g(約60℃、以下同じ)、そして還元パラチノース95重量%及びフマル酸5重量%を含む粉末10gを順に添加した後(ソフトコーティング法)、25〜30℃の送風を行って乾燥させた。引き続き、同条件で糖質液、粉末の添加、そして乾燥することを9回繰り返して、糖衣層を形成した。
実施例1の粉末の代わりに、還元パラチノース80重量%及びフマル酸20重量%を含む粉末10gを用いた以外は、実施例1と同様にして、糖衣層を形成した。
実施例1の粉末の代わりに、還元パラチノース70重量%及びフマル酸30重量%を含む粉末10gを用いた以外は、実施例1と同様にして、糖衣層を形成した。
実施例1の粉末の代わりに、還元パラチノース80重量%及びアジピン酸20重量%を含む粉末10gを用いた以外は、実施例1と同様にして、糖衣層を形成した。
実施例1の粉末の代わりに、還元パラチノース80重量%及びコハク酸20重量%を含む粉末10gを用いた以外は、実施例1と同様にして、糖衣層を形成した。
[比較例1]
実施例1の粉末の代わりに、還元パラチノース100重量%を含む粉末10gを用いた以外は、実施例1と同様にして、糖衣層を形成した。
[結果]
実施例1〜5及び比較例1の糖衣方法における乾燥時間及び糖衣のべたつきを、下記表3に示す。
Figure 0004708314
表3から、フマル酸の添加量が多いほど乾燥時間が短くなった。また、アジピン酸、及びコハク酸を添加した場合も同様に乾燥時間が短くなった。さらに、比較例1の糖衣掛け製品では乾燥が不十分で、糖衣のべたつきがややあったのに対して、実施例1〜5の糖衣掛け製品ではべとつきのない良好な糖衣であった。
[参考例]
実施例1の粉末の代わりに、還元パラチノース95重量%及び炭酸カルシウム5重量%を含む粉末10gを用いた以外は、実施例1と同様にして糖衣層を形成した。その結果、乾燥時間は99分であり、べた付きはなかった。よって、炭酸カルシウムを添加した場合も乾燥時間が短くなった。
実施例1のベースコーティングを行ったセンターガム1kg(1個当たり約1g)を糖衣機(HU-C型、株式会社畑鉄工所製)に入れ、釜を回転させながら、下記表4に示す配合の糖質液15g、そして下記表4に示す配合の粉末10gを順に添加した後(ソフトコーティング法)、25〜30℃の送風を行って乾燥させた。引き続き、同条件で糖質液、粉末の添加、そして乾燥することを9回繰り返して、糖衣層を形成した。
[比較例2]
実施例6の粉末の代わりに、還元パラチノース80重量%及びアスコルビン酸20重量%を含む粉末10gを用いた以外は、実施例6と同様にして、糖衣層を形成した。
[結果]
実施例6並びに比較例1及び2の糖衣方法における乾燥時間及び糖衣掛け製品のべたつきを、下記表4に示す。
Figure 0004708314
表4の結果から、アスコルビン酸を添加した比較例2の糖衣方法では、非常に時間がかかる上に乾燥状態が悪く、さらに糖衣掛け製品のべとつきがひどいことから、商品として適さない性状であった。フマル酸にアスコルビン酸を併用すると、比較例2だけでなく、比較例1と比較しても、乾燥時間が短くなり、さらにべとつきのない良好な糖衣であった。
実施例1の表1に示す組成のセンターガム1kg(1個当たり約1g)を糖衣機(HU−C型、株式会社畑鉄工所製)に入れ、釜を回転させながら、下記表5に示す配合の糖質液8g、そして下記表5に示す配合の粉末10gを順に添加した後、25〜30℃の送風を行って乾燥させ、ベースコーティング(ソフトコーティング法)を行った。
Figure 0004708314
次に、下記表6に示す糖質液15g、そして下記表6に示す粉末10gを順に添加した後(ソフトコーティング法)、25〜30℃の送風を行って乾燥させた。引き続き、同条件で糖質液、粉末の添加、そして乾燥することを9回繰り返して、糖衣層を形成した。
[比較例3]
実施例7の粉末の代わりに、マルチトール100重量%を含む粉末10gを用いた以外は、実施例7と同様にして、糖衣層を形成した。
[結果]
実施例7及び比較例3の糖衣方法における乾燥時間及び糖衣のべたつきを、下記表6に示す。
Figure 0004708314
表6の結果から、マルチトールを用いた場合でもフマル酸を添加することで、フマル酸を添加していない比較例3と比べて乾燥時間が短くなった。さらに、比較例3の糖衣方法では乾燥が不十分であり、糖衣はべたつきがややあったのに対して、実施例8の糖衣はべとつきがなく、良好な糖衣であった。
下記表7に示す配合の糖質液15gに粉末5gを添加して懸濁させ、懸濁液を調製した。実施例1のベースコーティングを行ったセンターガム1kg(1個当たり約1g)を糖衣機(HU−C型、株式会社畑鉄工所製)に入れ、釜を回転させながら、上記懸濁液を添加して、25〜30℃の送風を行って乾燥させ、下記表7に示す配合の粉末10gを順に添加した後、25〜30℃の送風を行って乾燥させた。引き続き、同条件で該懸濁液の添加、そして乾燥することを9回繰り返して、糖衣層を形成した。
[比較例4]
実施例8の粉末の代わりに、還元パラチノース100重量%の粉末5gを用いた以外は、実施例8と同様にして、糖衣層を形成した。
[結果]
実施例8及び比較例4の糖衣方法における乾燥時間及び糖衣のべたつきを、下記表7に示す。
Figure 0004708314
表7から、フマル酸を添加した場合(実施例8)、フマル酸を添加しない場合(比較例4)に比べて乾燥時間が短くなった。また、比較例4の糖衣掛け製品では糖衣のべたつきがややあったのに対して、実施例8の糖衣掛け製品では糖衣のべたつきのない良好な糖衣であった。
実施例1の表1に示す配合のセンターガム50kg(1個当たり約1g)を自動糖衣機(ドリアコーターDRC-1200DS、株式会社パウレック製)に入れ、釜を回転させながら、下記表8に示す工程順及び配合でコーティングを行った。乾燥は20〜30℃の送風で行った。フマル酸は最終製品の1.5重量%(センターに対して2重量%)となり、酸味の強い糖衣ガムが製造できた。乾燥時間は約5時間であった。
Figure 0004708314
[比較例5]
実施例9の表8に示す配合において、ソフトコーティングのコーティング用粉末の代わりに還元パラチノース100重量部を含む粉末を用いた以外は、実施例9と同様にして、糖衣層を形成した。乾燥時間は約9時間であった。
乾燥時間は、比較例5の糖衣方法においてフマル酸のない条件下で約9時間かかるところ、実施例9の糖衣方法では約5時間で終了した。比較例5の糖衣方法で乾燥が不十分であり、糖衣はべたつきがややあったのに対して、実施例9の糖衣はべとつきがなく、良好な糖衣であった。

Claims (11)

  1. ソフトコーティング法による糖衣掛け製品の製造方法において、可食性センターに、
    (1)糖アルコールの溶液を掛けること、次に
    (2)25〜98重量%の糖アルコール粉末と2〜75重量%の10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末とを含む混合粉末を掛けること
    を含む方法。
  2. 懸濁液法による糖衣掛け製品の製造方法において、可食性センターに、
    25〜98重量%の糖アルコール粉末と2〜75重量%の10g/100ml水未満の溶解度である有機酸粉末とを含む粉末を糖アルコールの溶液に懸濁させた懸濁液を掛けること、
    を含む方法。
  3. コーティング用粉末が、40〜98重量%の糖アルコール粉末、及び2〜60重量%の前記有機酸粉末を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. コーティング用粉末が、50〜97重量%の糖アルコール粉末、及び3〜50重量%の前記有機酸粉末を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  5. コーティング用粉末が、70〜96重量%の糖アルコール粉末、及び4〜30重量%の前記有機酸粉末を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記有機酸粉末が、フマル酸、アジピン酸及びコハク酸のいずれか1種以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 可食性センター100重量部あたり、2重量部以上の前記有機酸粉末を掛ける、請求項1に記載の方法。
  8. 可食性センター100重量部あたり、2重量部以上の前記有機酸を掛ける、請求項2に記載の方法。
  9. 糖アルコールが、還元パラチノース、マルチトール、ソルビトール及びキシリトールのいずれか1種以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ソフトコーティング法又は懸濁液法による糖衣後に、更にハードコーティング法により糖衣することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法により製造された糖衣掛け製品。
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