JP4603592B2 - 糖衣掛け製品 - Google Patents
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Description
そしてこの硬質コーティングを形成するための糖質としては蔗糖が最も一般的に使用されており、多くの蔗糖を用いた掛け物製品が商品化されて来た。これらの掛け物製品にはミント味やフルーツ味やコーヒー味などを付与した可食性のセンターに蔗糖による硬質コーティングを施したものがある。
そこで、この硬質コーティングに用いる糖質液中に酸味料を新たに添加して糖質液を調製しこれをコーティングに用いることが考えられるが、蔗糖中に酸味料を添加した場合、蔗糖はこの酸によってその一部分が分解してグルコースとフラクトースを生成し、このためにこの糖質液を用いて硬質コーティングを行う場合に水分の乾燥が著しく遅くなり、極端な場合には全く乾燥が出来ないことが知られていることから、これまでにこのような酸味料の糖質液への添加は行われていなかった。
さらにまた、糖衣層形成原料として使用される高カロリー糖である蔗糖に代えて糖アルコールを糖衣層とするすることで低カロリーの糖衣掛け製品を得る提案も例えば特許文献2においてなされているが、ここで考慮されているところは低カロリー製品の提供を主眼とし、糖衣掛け製品の味覚に対する配慮はなされていない。
さらに本発明によれば、この糖衣掛け製品は糖アルコールからなる硬質コーティングが、糖アルコールのみからなる糖質液と、固体の酸味料または酸味料を含む溶液とを、別々にセンターとなる可食性の材料の表面に施して得られるものであることができる。
〔実施例1〕
以下の表に示す配合例(1)〜(6)を常法の硬質コーティング法により、試作した。即ち、各種糖アルコール粉末を単独に72重量部、アラビアガム2重量部、クエン酸2重量部に加水して、全量を100重量部とした糖質液の原料を調製し、センターとなるチューインガムに一定量、回転釜内で添加混合した。チューインガムの表面に均一に糖質液が皮膜せられた時に乾燥を始め、乾燥の終了に伴って、再度同様の方法で糖質液を添加する操作を繰り返し、センターのチューインガム65重量部に対して硬質コーティング層35重量部になったところで、乾燥工程を最後に試作を終了した。
以下の配合に示す比較例を常法の硬質コーティング法により、試作した。即ち、砂糖72重量部、アラビアガム2重量部、クエン酸2重量部に加水して、全量を100重量部とした糖質液を調製し、実施例1と同じ方法により、回転釜内で硬質コーティングを試みた。
実施例1で示した配合中、クエン酸を含まない以下の配合に基づき試作した。
即ち、各種糖アルコールを74重量部、アラビアガム2重量部とし、その他の手順は実施例1と同様とした。
又、比較例1に示した配合に基づく硬質コーティングガムは、糖質液にクエン酸を多く含んでいるため、乾燥工程で極めて長時間要し、湿った状態のままで、回転釜中で各チューインガム一粒一粒がこすれ合うため、表面に凹凸が生じるものとなり、実際的な硬質コーティングガムは試作できなかった。
酸味料の種類に関して考察するため、以下の表に示す配合例(7)〜(9)を常法の硬質コーティング法により試作した。即ち、マルチトール72重量部、アラビアガム2重量部、酸味料2重量部に加水して全量を100重量部とした糖質液の原料を調製し、センターとなるチューインガムに一定量、回転釜内で添加混合した。この後の操作は実施例1と同様に行い、センターのチューインガム65重量部に対して、硬質コーティング層35重量部となったところで試作を終了した。
酸味料の添加量を検討するため、以下の表に示す配合例(10)〜(11)の試作を実施例1に準じて行った。
センターとなる可食部がチューインガム以外でも本発明は有効であることを示すため、以下の表に示す配合に従って本発明を試験した。コーティング方法は実施例1と同じである。
酸味料の添加方法に関し、酸味料を糖アルコールから調製した糖質液に含ませる方法以外の添加方法を考察するため、以下の表に示す配合例(11)と同じ配合で、クエン酸を固体もしくはクエン酸溶液として硬質コーティング法によりチューインガムを試作した。
即ち、マルチトール72重量部にアラビアガム2重量部を加えたところに加水して、全量を100重量部とした。この糖質液でチューインガムに硬質コーティングを施す過程で、クエン酸5重量部を適時表面へ直接供給しながら硬質コーティング操作を繰り返し、センターのチューインガム65重量部に対して硬質コーティング層35重量部になったところで、乾燥工程を最後に試作を終了した。
また、上記クエン酸5重量部をあらかじめ同量の水に溶解して酸溶液を調製しておき、これをマルチトールとアラビアガムからなる糖質液で硬質コーティングする際に随時使用して硬質コーティング操作を繰り返す方法でも試作を行った。
即ち、酸味料の添加方法は糖質液に直接混合しても良く、あるいは糖質液とは別途に固体あるいは液体で硬質コーティングに利用できることが確認された。
Claims (7)
- 糖アルコールからなる硬質コーティングをセンターとなる可食性の材料の表面に施してなり、このコーティング層にクエン酸、リンゴ酸及び酒石酸の群から選ばれる一個又は複数個の酸味料を11重量部以下の量で含有させ、当該酸味料の量が製品中0.5〜5.0重量部であることを特徴とする糖衣掛け製品。
- 糖アルコールからなる硬質コーティングが、糖アルコールに酸味料を添加した糖質液をセンターとなる可食性の材料の表面に施して得られるものである、請求項1に記載の糖衣掛け製品。
- 糖アルコールからなる硬質コーティングが、糖アルコールのみからなる糖質液と、固体の酸味料又は酸味料を含む溶液とを、別々にセンターとなる可食性の材料の表面に施して得られるものである、請求項1に記載の糖衣掛け製品。
- 糖アルコールとして、マルチトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール及び還元パラチノースの群から選ばれる一個又は複数個の糖アルコールが使用されたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖衣掛け製品。
- 糖アルコールからなる硬質コーティングをセンターとなる可食性の材料の表面に施してなり、このコーティング層にクエン酸、リンゴ酸及び酒石酸の群から選ばれる一個又は複数個の酸味料を含有させたものであって、
当該コーティング層は、糖アルコール60〜80重量部に対して酸味料を11重量部以下の量で添加し、この混合物に水を加えて全量を100重量部とした糖質液を調製し、この糖質液をセンターとなる可食性の材料の表面に施し、水分を蒸発乾燥させ、この操作を連続的に行って形成されたものであり、
当該酸味料の量が製品中0.5〜5.0重量部
であることを特徴とする糖衣掛け製品。 - 糖アルコールからなる硬質コーティングをセンターとなる可食性の材料の表面に施してなり、このコーティング層にクエン酸、リンゴ酸及び酒石酸の群から選ばれる一個又は複数個の酸味料を含有させたものであって、
当該コーティング層は、糖アルコール70〜90重量部に対して、水を加えて全量を100重量部とした糖質液を調製し、この糖質液をセンターとなる可食性の材料の表面にこれを施し、水分を蒸発乾燥させる過程で、別に用意した酸味料の粉末を11重量部以下の量で添加するか、上記量のクエン酸を最少量の水で溶解した溶液を添加し、この操作を連続的に行って形成されたものであり、
当該酸味料の量が製品中0.5〜5.0重量部
であることを特徴とする糖衣掛け製品。 - センターとなる可食性の材料が、チューインガム、ソフトキャンディー、ハードキャンディー、グミキャンディーまたは錠菓である請求項1〜6のいずれか1項に記載の糖衣掛け製品。
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JP2008109701A JP4603592B2 (ja) | 2008-04-21 | 2008-04-21 | 糖衣掛け製品 |
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