JP3633930B2 - 二酸化炭素外用剤及び二酸化炭素外用剤調製用材料 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、美容及び医療効果が得られる二酸化炭素外用剤を調製するための二酸化炭素外用剤調製用材料及びそれにより得られる二酸化炭素外用剤に関する。
背景技術
気泡状の二酸化炭素を含有する粘性組成物である二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物が、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などの皮膚粘膜疾患若しくは皮膚粘膜障害に伴う痒み、褥創、創傷、熱傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、壊疽などの皮膚粘膜損傷;移植皮膚片、皮弁などの生着不全;歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などの歯科疾患;閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などの末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感;慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などの筋骨格系疾患;神経痛、多発性神経炎、スモン病などの神経系疾患;乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などの角化異常症;尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などの化膿性皮膚疾患;除毛後の再発毛抑制(むだ毛処理);そばかす、肌荒れ、肌のくすみ、肌の張りや肌の艶の衰え、髪の艶の衰えなどの皮膚や毛髪などの美容上の問題及び部分肥満に有効であることが、特開2000−319187号公報に開示されている。ところが、この組成物は二酸化炭素を気泡状で保持しなければならないため、美容若しくは医療効果を得るのに必要な量の二酸化炭素を保持するには、一定以上の厚みが必要である。また、前記組成物を用いて美容若しくは医療効果を得るには、長期間大量に使用しなければならず、効果も弱い。
一方、炭酸ガス(気体状二酸化炭素を意味する)による血行促進効果を得るためのシップ剤が特開昭62−286922号公報に提案されている。このシップ剤は、炭酸塩と有機酸を含んだ布に、水を含んだ布を重ねて炭酸ガスを発生させ、布に含まれた水に溶かして溶存炭酸ガスとして利用するものであるが、炭酸塩と有機酸との反応は通常非常に急激であり、水への溶解量よりも大気中への発散量が多いため、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収による美容若しくは医療効果は期待し難い。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、強い美容及び医療効果が簡便に得られる二酸化炭素外用剤を調製するための二酸化炭素外用剤調製用材料及びそれにより得られる二酸化炭素外用剤の提供をその目的とする。
発明の開示
本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料は、高分子立体網目構造体に少なくとも酸と水とを含む粘性物が含浸され、使用時に皮膚に接触させる主剤と、使用時に前記主剤に接触させることにより二酸化炭素が発生するとともに、当該二酸化炭素が前記粘性物に実質的に非気泡状態で溶解する、少なくとも炭酸塩を含む反応剤と、からなることを特徴とする。
本発明でいう高分子立体網目構造体とは、伸縮性のある高分子が三次元網目構造を形成し、流動物を含浸すると当該高分子が伸張し、さらに多くの流動物を含浸して漏らさないが、含浸された流動物中で気化性物質が発生しようとすると、当該物質の気泡化しようとする力に対して前記高分子の抵抗力が働き、流動物を含浸した前記高分子の伸張が抑制されるために前記物質の気泡化が抑制されるものをいう。
このような高分子立体網目構造体に少なくとも酸と水とを含む粘性物を含浸させてなる主剤に、少なくとも炭酸塩を含む反応剤を接触させると、前記主剤の酸と前記反応剤の炭酸塩とが反応して二酸化炭素が発生する。通常、酸と炭酸塩の反応による二酸化炭素発生反応は、水の存在下に急激に進行し、発生する二酸化炭素のほとんどが気泡化し、大気中に発散して経皮経粘膜吸収に利用されないために美容若しくは医療効果が得られ難い。それに対し、本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料においては、酸と炭酸塩の反応が主剤の粘性物の粘性により抑えられ、二酸化炭素は徐々に発生するだけでなく、当該粘性物の粘性と表面張力、ロングフロー性(注いだときにつながって流動する性質)などが複合的に作用することにより、当該粘性物中で二酸化炭素が発生すると、当該粘性物の膨張を抑えようとする抵抗力が働くため、発生する二酸化炭素の気泡化と大気中への発散が抑えられる(以下「粘性物複合作用」という)。
さらに、本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記主剤の粘性物は高分子立体網目構造体に含浸されており、前記反応剤との接触により二酸化炭素を発生すると、二酸化炭素が気泡化しようとする力に対して、前記高分子立体網目構造体の高分子の抵抗力が働き、当該高分子立体網目構造体の膨張が抑制されるために、前記二酸化炭素の気泡化が抑制される(以下「高分子気泡化抑制作用」という)。
すなわち、本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料は、粘性物の粘性のために二酸化炭素が徐々に発生するとともに、前記粘性物複合作用と高分子気泡化抑制作用とが協同して、発生する二酸化炭素の気泡化が強く抑制される。水に溶解しやすい二酸化炭素は、発生後気泡化しないと直ちに非気泡状態で粘性物に溶解するが、本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料は、厚みを比較的薄くして、発生する二酸化炭素の量に比較して体積を小さくすることができるので、皮膚に適用された状態で、粘性物に溶解しきれない二酸化炭素は、水分を含み二酸化炭素が溶解しやすい皮膚や血管などの組織に容易に移行し、無駄なく経皮経粘膜吸収されるため、短時間で強い美容及び医療効果が得られる。
本発明でいう「実質的に非気泡状態」とは、気泡状の二酸化炭素が肉眼的に確認困難な状態をいう。
本発明でいう主剤と反応剤との「接触」とは、酸と炭酸塩が反応するように、主剤と反応剤とを密着させることをいい、例えば粘性物が含浸された高分子立体網目構造体の上に反応剤を載せて、外部から力を加えることなく、重力と浸透力のみで酸と炭酸塩が混合して反応することや、例えば粘性物が含浸された高分子立体網目構造体に反応剤を押しつけ、酸と炭酸塩が混合して反応するよう、外部から力を加えることなども含む。
本発明でいう「皮膚」には、特に示さない限り、粘膜も含む。
なお、本発明において酸と炭酸塩とを入れ替え、粘性物に炭酸塩を含む主剤と、酸を含む反応剤とからなる二酸化炭素外用剤調製用材料も可能であるが、皮膚に直接接触する主剤が強いアルカリ性であると、皮膚に障害を生じるおそれがあり、あまり好ましくない。一方、健康な皮膚は元々弱酸性であり、酸に対する耐性も高い。このため、本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料は、皮膚に優しいという利点を有する。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記高分子立体網目構造体としては、シート状のものを用いることができる。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記高分子立体網目構造体が繊維質又は多孔質の吸収体であることが好ましい。前記繊維質又は多孔質の吸収体は、粘性物であれば液、半固形物のいずれも容易に含浸でき、また、水溶性物質だけでなく、クリーム等の水−油脂分散物、高分子の水膨潤物なども含浸できるために、目的や用途に応じて様々な原料を使用でき、本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料を美容若しくは医療用途に一層好適に使用できるだけでなく、粘性物の含浸が非常に容易である。また、前記吸収体は皮膚に貼付して使用できるため、取り扱いが容易である。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むことが好ましい。上記の増粘剤は皮膚との親和性が高いため、これらを用いて粘性物を調製することにより、美容及び医療目的でより一層好適に使用できる二酸化炭素外用剤が得られる。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記粘性物が、少なくとも酸、水、油分及び界面活性剤を含む乳液又はクリームであることが好ましい。この場合、前記主剤と反応剤とを接触させて得られる二酸化炭素外用剤は、保湿性と美白効果が一層強まり、美容目的で一層好適に使用することができる。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むとともに、前記粘性物の酸が、リンゴ酸、コハク酸、リン酸二水素ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、クエン酸、L−アスコルビン酸及び酒石酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、かつ、前記高分子立体網目構造体が、不織布又はスポンジであることが好ましい。このような組み合わせであると、前記粘性物複合作用と高分子気泡化抑制作用とがより一層協同して、特に強い美容若しくは医療効果が確実に得られる。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、反応剤がさらに増粘剤と水とを含む粘性物であることが好ましい。反応剤がさらに増粘剤と水とを含む粘性物であると、対応する主剤と接触させたときに、炭酸塩が徐々に主剤に移行して酸との反応が一層徐々に起こり、二酸化炭素は一層徐々に発生し、非気泡状態で一層確実かつ効率的に溶解する。さらに、得られる二酸化炭素外用剤の大気に面する側が、反応剤の粘性物で覆われるため、二酸化炭素の大気中への発散がより一層強く抑えられる。その結果、前記二酸化炭素外用剤が皮膚に適用された状態では、二酸化炭素は一層無駄なく経皮経粘膜吸収され、一層短時間でより強い美容及び医療効果が得られる。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記反応剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤と、水と、を含むとともに、前記炭酸塩が、炭酸水素ナトリウムであることが好ましい。このような組み合わせであると、非気泡状態の二酸化炭素がより一層効率的かつ確実に溶解して、特に強い美容若しくは医療効果が確実に得られる。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記主剤の粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むとともに、前記粘性物の酸が、リンゴ酸、コハク酸、リン酸二水素ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、クエン酸、L−アスコルビン酸及び酒石酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記高分子立体網目構造体が、不織布又はスポンジであり、かつ、前記反応剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤と、水と、を含むとともに、前記炭酸塩が、炭酸水素ナトリウムであることが好ましい。このような組み合わせであると、主剤の粘性物複合作用と高分子気泡化抑制作用と反応剤の粘性物による粘性物複合作用とが相俟って、より一層強い美容若しくは医療効果が確実に得られる。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、反応剤がシート状又は袋状の担持体に担持されていることが好ましい。反応剤がシート状又は袋状の担持体に担持されたもの(以下「反応剤担持体」ともいう)を用いると、二酸化炭素外用剤の調製が簡便であり、効果が一層確実に得られる。例えば、反応剤が粘性物であり、かつ担持体が不織布等のシート状の吸収体であり、この吸収体に前記反応剤が含浸されている場合には、粘性物複合作用と高分子気泡化抑制作用が加わり、より強い美容及び医療効果が得られる。
本発明でいう担持体とは、固形物、半固形物、液体などを担持できれば特に制限はない。より具体的には、反応剤が、例えば半固形物や液体の場合は、これらを含浸できる繊維質のシート状吸収体や多孔性スポンジなどが使用でき、例えば顆粒や細粒などの固形物の場合は、これらを包含できる目の細かい織物の袋状物が使用でき、例えばペーストやハイドロゲルなどの粘着性のある半固形物の場合は、後述する閉鎖被覆材が使用でき、これを支持体として前記被覆材上に展延してもよいが、これらの例に限定されるものではない。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記反応剤が担持された担持体の、使用時に大気側となる面が、二酸化炭素不透過性又は低透過性の被覆材(以下「閉鎖被覆材」という)で覆われていることが好ましい。本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料により得られる二酸化炭素外用剤は、そのままでも二酸化炭素の気泡化と大気中への発散が強く抑えられ、当該二酸化炭素が実質的に非気泡状態で粘性物に溶解し、効率的に経皮経粘膜吸収されて強い美容及び医療効果が得られるが、前記主剤を皮膚に接触させ、その上に反応剤担持体を重ね合わせたときに、当該反応剤担持体の大気側となる面が前記閉鎖被覆材で被覆されていると、閉鎖効果により二酸化炭素の気泡化と大気中への発散がさらに強く抑制されるため、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収率が一層高まり、より強い美容及び医療効果がさらに短時間で得られる。なお、前記閉鎖効果を得るためには、主剤に反応剤担持体を重ね合わせた後に、当該反応剤担持体の大気側となる面を閉鎖被覆材で被覆してもよいが、予め当該反応剤担持体の大気側となる面を閉鎖被覆材で覆っていると、一層簡便に使用でき、前記閉鎖効果もより確実である。
本発明の二酸化炭素外用剤は、前記の二酸化炭素外用剤調製用材料を用いてなり、二酸化炭素が実質的に非気泡状態で粘性物に溶解してなることを特徴とする。
前記の二酸化炭素外用剤調製用材料を用いれば、実質的に非気泡状態で粘性物に溶解した二酸化炭素外用剤が得られ、このような二酸化炭素外用剤によると、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収による美容若しくは医療効果が一層強く得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施形態に係る二酸化炭素外用剤調製用材料の概略断面図である。
第2図は、主剤の要部拡大断面図である。
第3図は、反応剤の要部拡大断面図である。
発明を実施するための最良の形態
第1図は本発明の一実施形態に係る二酸化炭素外用剤調製用材料の概略断面図であり、第2図は前記二酸化炭素外用剤調製用材料を構成する主剤Aの要部拡大断面図である。本形態に係る二酸化炭素外用剤調製用材料は、少なくとも酸と水とを含む粘性物1を、高分子立体網目構造体2に含浸させた主剤Aと、少なくとも炭酸塩を含む反応剤Bとからなり、使用時に前記主剤Aを皮膚Hに貼付した状態で、これに前記反応剤Bを接触させると二酸化炭素が発生し、当該二酸化炭素が前記粘性物1に非気泡状態で溶解するものである。なお、皮膚Hに代えて粘膜に貼付してもよいのは勿論である。
前記主剤Aの粘性物1は、粘度が20℃で20cps以上であれば、液体であっても半固体であってもよい。粘性物1の粘度が20℃で20cps未満であれば、当該粘性物を含む主剤Aと反応剤Bとを接触させるとき、粘性物複合作用と高分子気泡化抑制作用が十分得られないため、発生する二酸化炭素は気泡化し、大気中に発散して経皮経粘膜吸収に十分利用されないおそれがある。
前記粘性物1の剤形としては、粘性液、軟膏、クリーム、ペースト、流動性のあるハイドロゲルなどの製剤が挙げられ、目的や用途に応じて適宜選ばれる。ただし、何れについても反応剤Bの炭酸塩が移行しにくいほどの高粘度は好ましくない。粘性物1の粘度が、反応剤Bの炭酸塩が移行しにくいほどの高粘度であると、主剤Aと反応剤Bとが接触したとき、二酸化炭素が十分発生しないか、前記高分子立体網目構造体2の表面上で二酸化炭素が発生してしまい、大気中に発散して経皮経粘膜吸収に十分利用されないため、美容及び医療効果が得られ難い。
粘性物1として粘性液状のものを使用する場合は、少なくとも酸と水と増粘剤とを使用して、水溶液や懸濁液、若しくは膨潤液などとして好適に使用される。粘性液の製造方法として特に制限はなく、公知の方法により製造できる。
粘性物1を軟膏とする場合は、公知の軟膏製造方法において、原料の一つに酸を使用するだけで容易に製造できる。酸と炭酸塩3との反応をより確実にするには、酸を水に溶解できる親水軟膏とすることが好ましい。
粘性物1をクリームとする場合は、公知のクリーム製造方法において、原料の一つに酸を使用するだけで容易に製造できる。
ペースト状の粘性物1は、前記酸及び水にさらにペーストが形成される濃度の増粘剤を加えることにより製造できる。
ハイドロゲル状の粘性物1は、前記酸及び水にさらにハイドロゲル形成原料を加えることにより製造できる。ハイドロゲル形成原料としては、特に制限はなく、例えばアルギン酸、アミロース、カゼイン、カラギーナン、キサンタンガム、カラヤガム、デキストラン、キチン、デンプン、フィブリン、プルラン、ゼラチン、マンナンなどの天然高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、デンプン−アクリル酸共重合体、ヒドロキシプロピルセルロースなどの半合成高分子;カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド−ブチルメタクリレート共重合体などの合成高分子などがあげられ、これらの1種以上が使用できる。
アルギン酸ナトリウムの場合は、酸が強酸であればそれだけで流動性のあるハイドロゲルを形成するし、弱酸を用いる場合は水溶性カルシウム塩を使用すれば容易にアルギン酸カルシウムのハイドロゲルを形成する。アルギン酸カルシウムのハイドロゲルは硬化度が比較的高いため、そのままでは高分子網目構造体2に含浸させるのは困難であるため、最初にアルギン酸ナトリウムのゾルを含浸させ、その後で水溶性カルシウム塩の水溶液を塗布するか、アルギン酸ナトリウムのゾルを含浸した高分子網目構造体2を水溶性カルシウム塩の水溶液に浸すなどすればよい。
前記ハイドロゲル状の粘性物1は、それ自体ゆるやかな三次元網目構造を形成しているので、ハイドロゲルのゲル硬度があまり高くない場合でも、これをさらに前記高分子立体網目構造体2に含浸させると、ハイドロゲルの粘性物複合作用と高分子気泡化抑制作用に、さらに高分子立体網目構造体2の高分子気泡化抑制作用が相加的若しくは相乗的に作用し、当該ハイドロゲル内で発生する二酸化炭素の発生速度を適当に抑制し、前記二酸化炭素の気泡化と大気中への発散を一層強く抑制する。
粘性物1に用いる増粘剤としては、天然高分子、半合成高分子、合成高分子、無機物からなる群より選ばれる1種以上が用いられる。
天然高分子とはアラビアゴム、カラギーナン、ガラクタン、寒天、キサンタンガム、クインスシードガム、グアガム、トラガント、ペクチン、マンナン、ローカストビーンガム、小麦澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉などの植物系高分子、カードラン、キサンタンガム、サクシノグルカン、デキストラン、ヒアルロン酸、プルランなどの微生物系高分子、アルブミン、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロインなどの蛋白系高分子が挙げられ、これらの1種以上が使用される。これらのなかでも皮膚との親和性等の点でアラビアゴム、カラギーナン、キサンタンガム、トラガント、ヒアルロン酸、プルラン、ペクチン、マンナン、ローカストビーンガムが好ましく、使用感等の点でカラギーナンがさらに好ましく用いられる。
半合成高分子としてはエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチ、クロスカルメロース、結晶セルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系高分子、アルファー化澱粉、部分アルファー化澱粉、カルボキシメチル澱粉、デキストリン、メチル澱粉、デンプン−アクリル酸共重合体、セルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体などの澱粉系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸系高分子、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどのその他の多糖類系高分子が挙げられ、これらの1種以上が使用される。これらのなかでも皮膚との親和性等の点でアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、ヒアルロン酸ナトリウムが好ましく、使用感等の点からアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルがさらに好ましく用いられる。
合成高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルメチルエーテルなどが挙げられ、これらの1種以上が使用される。これらのなかでも皮膚との親和性等の点でカルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが好ましく、使用感等の点からカルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンがさらに好ましく用いられる。
無機物としては含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、コロイダルアルミナ、ベントナイト、ラポナイトなどが挙げられ、これらの1種以上が使用される。
前記粘性物1中の酸の配合量は、当該粘性物1全量に対して0.05〜30重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。0.05重量%未満であると、これと反応する炭酸塩3の量がどれだけ多くても二酸化炭素の発生量が少ないために、美容若しくは医療効果は得られ難い。30重量%を超えると、これと反応する炭酸塩3の量が多く、多量の二酸化炭素を発生してもそれ以上の効果が得られ難い。
粘性物1に使用する酸としては、無機酸及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上が使え、特に制限はない。無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸などが挙げられ、これらの1種以上が使用される。
有機酸としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の直鎖脂肪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオキシ酸などが挙げられ、これらの1種以上が使用される。
前記粘性物1中の水の配合量は、粘性物1の粘度が20℃で20cps以上であればできるだけ多い方が好ましい。水の配合量が少ないと、粘性物1への炭酸塩の移行が充分でないため、必要量の二酸化炭素が発生しないおそれがある。
粘性物1を高分子立体網目構造体2に含浸させる方法は公知の手段によることができる。高分子立体網目構造体2に対する粘性物1の含浸量は、高分子立体網目構造体2の厚さにもよるが、およそ1平方センチメートルあたり0.01g以上が好ましい。ただし、含浸量が多すぎて、高分子立体網目構造体2が完全に埋没するほどであると、高分子気泡化抑制作用が得られにくいため、美容若しくは医療効果が得られ難い。含浸量が1平方センチメートルあたり0.01g未満しかなければ、反応剤Bと接触させても、発生する二酸化炭素の量が少ないために、美容若しくは医療効果が得られ難い。
前記高分子立体網目構造体2としては、粘性物などの流動性のある物質を含浸できるか、あるいは水溶液を含浸してそれ自体が粘性物となり、皮膚に適用できるものであれば特に制限されない。図示した実施の形態においては、前記高分子立体網目構造体2としてシート状にて繊維質又は多孔質の吸収体を使用している。
前記吸収体としては、織布、不織布、若しくはスポンジ等のいずれでもよく、より具体的な目的や使用部位等に応じて適宜選択することが可能であるが、不織布は軽く、防縮性や防皺性に優れるため特に好ましい。
繊維質の吸収体の材料としては、天然繊維、合成繊維、半合成繊維のいずれも使用でき、天然繊維としては、例えば綿、麻などの植物性繊維、羊毛、絹、海綿などの動物性繊維が、合成繊維としては、例えばナイロン、ビニロン、テトロン、アクリル、ポリエステルが、半合成繊維としては、例えばビスコースレーヨンなどの再生繊維や、アセテートレーヨンなどの半合成繊維が挙げられ、これらの1種以上が使用される。これらのなかでも一般に吸水性高分子として知られる、分子内に親水基を多数有し、伸縮性のある三次元網目構造を持つ高分子からなる繊維が好適に使用される。
高分子立体網目構造体2の厚みは、0.1〜10mmが好ましく、より好ましくは0.1〜5mm、さらに好ましくは0.1〜2mmである。厚みが0.1mmより小さいと、単位面積あたりに含まれる粘性物1の量が少なく、含まれる酸がすべて炭酸塩3と反応しても発生する二酸化炭素の量が少ないため、十分な美容若しくは医療効果が得られないおそれがある。厚みが大きすぎると、含まれる酸がすべて炭酸塩3と反応して多量の二酸化炭素が発生しても、それ以上の美容若しくは医療効果が得られず、また外用剤としての利便性に欠けるおそれがある。
第3図も参照して、前記反応剤Bは、主剤Aと接触させたとき、当該主剤Aに含まれる粘性物1に炭酸塩3が移行するものであれば特に制限はなく、目的や用途に応じて固形物、半固形物、若しくは液体などの形状で使用される。剤形としては、固形物の場合、顆粒、細粒、粉末などが、半固形物の場合、軟膏、クリーム、ペースト、ハイドロゲルなどが、液体の場合、通常の水溶液、若しくは粘性液などが使用でき、特に制限はない。ただし、ハイドロゲルの場合は、硬度が高すぎると、主剤Aと接触したときに、当該反応剤B中に含まれる炭酸塩が主剤Aの粘性物に移行するのに時間がかかりすぎ、二酸化炭素の発生が遅すぎて充分な美容若しくは医療効果が得られないおそれがあるため、流動性のあるハイドロゲルが好ましい。
図示した実施の形態においては、前記反応剤Bがシート状の担持体4に担持されている。この担持体4としては、反応剤Bが液体若しくは半固形物の場合は前記した高分子立体網目構造体が、反応剤Bが粘着性のある半固形物の場合は閉鎖被覆材が特に制限なく使用される。また、反応剤Bが固形物の場合は当該固形物より網目が小さい織物からなる袋状の担持体4が使用される。
前記担持体4に用いられる高分子立体網目構造体としては、主剤Aに使用される高分子立体網目構造体2と同じ形態、及び材質が特に制限なく使用できる。
また、前記閉鎖被覆材としては、完全に二酸化炭素の透過を抑えるか、若しくは二酸化炭素が透過しにくい素材からなるものであれば特に制限なく使用でき、例えばナイロン、ビニロン、ナイロンとエチレンビニルアルコールの複合物、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニリデン、メタキシリレンジアミンとアジピン酸のポリアミド、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール、ポリプロピレンなどが挙げられ、これらの1種以上が使用される。
さらに、前記織物の袋状物としては、包含する反応剤Bよりも網目が小さければ特に制限はなく、材質としては前記吸収体の材料に使用される天然繊維、合成繊維、半合成繊維のいずれも特に制限なく使用できる。
反応剤Bに使用する炭酸塩3としては、酸と反応して二酸化炭素を発生するものであれば特に限定されず、例えば炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、セスキ炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、セスキ炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水酸化マグネシウム、炭酸バリウムなどが挙げられ、これらの1種以上が使用される。炭酸塩3の配合量は、反応剤B全量に対して0.05〜30重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。炭酸塩3の配合量が0.05重量%未満であると、これと反応する酸の量がどれだけ多くても二酸化炭素の発生量が少ないために、美容若しくは医療効果は得られないおそれがある。30重量%を超えると、これと反応する酸の量が多く、多量の二酸化炭素を発生してもそれ以上の効果が得られないおそれがある。
前記反応剤Bは、その担持体4の使用時において大気側となる面(第1図において上面)が、二酸化炭素不透過性若しくは低透過性の被覆材である閉鎖被覆材5で被覆されている。この閉鎖被覆材5としては、シート状若しくはフィルム状のものが用いられる。これにより、反応剤Bから二酸化炭素が発散するのが抑えられて二酸化炭素の経皮経粘膜吸収利用率が増大し、美容及び医療効果が一層強くなる。
前記閉鎖被覆材5を担持体4に被覆するには、当該閉鎖被覆材5や担持体4の材質等に応じて、熱や高周波、超音波などによる融着、接着剤による接着など、公知の被覆方法が特に制限なく使用できる。
前記主剤Aと反応剤Bの量は、主剤Aに含まれる酸の1重量部に対し、反応剤Bに含まれる炭酸塩3が0.5〜10重量部となる量が好ましく、1〜5重量部となる量がさらに好ましい。
前記二酸化炭素外用剤の使用方法としては、例えば主剤Aと反応剤Bとを予め接触させて二酸化炭素外用剤を調製しておいてから皮膚に適用する方法が挙げられるが、より好ましい使用方法としては、主剤Aを皮膚Hに貼付した後、その上に反応剤Bを重ね合わせる方法が挙げられる。この方法によれば、二酸化炭素が発生直後から無駄なく経皮経粘膜吸収に利用される。
本発明の二酸化炭素外用剤の使用時間は、目的と個人の二酸化炭素に対する反応性などにより異なるが、1分以上が好ましく、5分以上がより好ましい。1分未満では十分な美容若しくは医療効果が得られない。本発明の二酸化炭素外用剤は長時間の使用に何ら支障はないが、通常は二酸化炭素の発生が終了すると、それ以上長時間の使用による効果は特に得られない。
反応剤Bは、担持体4に担持させることなく単独で構成することもでき、その剤形としては、例えば顆粒、細粒、粉末、錠剤が挙げられ、目的や用途に応じて適宜選ばれ、公知の製造方法に従って製造でき、特に制限はない。反応剤Bを固形物とする場合には、炭酸塩3の粘性物1に対する移行速度を抑えて二酸化炭素の発生を遅くするために、少なくとも炭酸塩3と分散剤を含む反応剤(以下「炭酸塩分散剤含有反応剤」ともいう)Bとし、炭酸塩3と分散剤ができるだけ均一に混合されていることが好ましい。
分散剤としては、通常の医薬品などの分散剤として使用される白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、リン酸カルシウム、デキストリン、尿素などが特に制限なく使用できるが、白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、尿素などの水溶性分散剤が好ましい。分散剤の配合量としては、炭酸塩分散剤含有反応剤B全量に対して、5〜90重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましい。分散剤の配合量が5重量%未満では、粘性物1への炭酸塩3の移行速度を十分抑えることができないおそれがある。分散剤の配合量が90重量%を超えると、必要な量の二酸化炭素を発生させるためには、炭酸塩分散剤含有反応剤Bを大量に使用しなければならないために不便なだけでなく、分散剤の種類によっては、前記反応剤Bの量が多すぎて粘性物1に必要量の炭酸塩が移行せず、十分な量の二酸化炭素が発生しないために、美容若しくは医療効果が十分得られないおそれがある。なお、分散剤を使用せず、また他の添加物を一切含まない、炭酸塩3のみからなる反応剤Bを主剤Aに接触させようとすると、前記高分子立体網目構造体2表面上で急激に二酸化炭素が発泡して大気中に発散してしまい、美容若しくは医療効果が十分に得られないおそれがある。
前記炭酸塩分散剤含有反応剤Bに使用する分散剤としては、増粘剤を使用してもよい。この増粘剤を分散剤として使用した炭酸塩分散剤含有反応剤Bは、主剤Aの粘性物1と接触させたとき、分散剤が粘性物1に対する炭酸塩3の移行速度を遅くする前記効果に加えて、増粘剤が気体不透過性若しくは低透過性の皮膜を形成し、二酸化炭素の大気中への発散を抑制する効果が得られるため、二酸化炭素は無駄なく経皮経粘膜吸収され、より強い美容及び医療効果が得られる。増粘剤としては、前記粘性物1に用いられる増粘剤が、特に制限なく使用できる。もちろん、白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、リン酸カルシウム、デキストリンなどの、通常の医薬品などに使用される分散剤の一部を前記の増粘剤に置き換えても、同様の効果が得られる。
反応剤Bを半固形物とする場合は、通常の軟膏やクリームなどの半固形物の原料の一つに炭酸塩3を使用するだけで製造でき、特に制限されない。
反応剤Bを液体とする場合は、単に水溶液とするだけでもよいが、粘性液とすることにより、主剤Aと接触させたとき、酸と炭酸塩3の反応がさらに抑制され、二酸化炭素が一層徐々に発生するとともに、表面張力も高いため、発生する二酸化炭素の気泡化と発散をさらに抑制し、非気泡状態で溶解することを一層促進するためより好ましい。粘性液としては、少なくとも炭酸塩3と増粘剤と水を使用して、水溶液や懸濁液、若しくは膨潤液などにした粘性液(以下「炭酸塩増粘剤含有粘性反応剤B」ともいう)が好適に使用される。
また、炭酸塩増粘剤含有粘性反応剤Bは、増粘剤の配合量を上げることにより、ペースト若しくはハイドロゲルにしてもよい。ハイドロゲルの場合、増粘剤の種類によっては、当該反応剤Bを加熱、冷却する方法、凍結、融解を繰り返す方法、当該反応剤Bの増粘剤を適当な化学架橋剤によって架橋する方法、当該反応剤Bに電離放射線を照射して増粘剤を架橋する方法などにより、硬化ゲルとしてもよい。硬化ゲルは、担持体4に担持させることなくそのままシートなどの形状で好適に使用される。増粘剤の配合量としては、使用する増粘剤の物性等に応じて、粘性液、若しくはペースト、若しくはハイドロゲル、若しくは硬化ゲルを形成する配合量を適宜選ぶことができる。増粘剤としては、主剤の粘性物に用いられる増粘剤のうち反応剤の炭酸塩と反応して二酸化炭素を発生しないものが好適に使用できる。
本発明の二酸化炭素外用剤において、粘性物及び反応剤には、前記必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて通常の外用剤や化粧料などに用いられる原料、例えば香料、色素、防腐剤、界面活性剤、油分、保湿剤、アルコール類、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、着色防止剤、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、メラニン色素合成抑制剤、栄養剤、抗炎症剤、血管拡張剤、ホルモン剤、収斂剤、抗ヒスタミン剤、皮脂抑制剤、角質剥離・溶解剤、抗脂漏剤、鎮痒剤などが配合でき、化粧料若しくは医療外用剤として一層好適に使用される。
本発明の二酸化炭素外用剤は、酸と炭酸塩3の反応により二酸化炭素が発生するため、前記実施の形態と逆に、主剤を高分子立体網目構造体に少なくとも炭酸塩と水とを含む粘性物を含浸したもので構成し、反応剤を少なくとも酸を含むもので構成することもできるが、皮膚は一般にアルカリによって障害を受けやすいため、使用には充分な注意を要する。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(主剤の調製)
酸としてリンゴ酸1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、水として精製水96重量部を用いて流動性のあるハイドロゲル状の粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム1重量部、水として精製水99重量部を用いて液状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例2
(主剤の調製)
酸としてコハク酸1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて流動性のあるハイドロゲル状の粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩としてセスキ炭酸ナトリウム1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて粘性液状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例3
(主剤の調製)
酸としてクエン酸0.5重量部、増粘剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステル3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水96.4重量部を用いて粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
炭酸塩として炭酸ナトリウム0.5重量部、増粘剤としてカラギーナン2重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水97.4重量部を用いて粘性物を調製し、担持体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を担持させ、反応剤を担持する反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例4
(主剤の調製)
酸としてリンゴ酸1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて流動性のあるハイドロゲル状の粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
実施例2の反応剤、及び閉鎖被覆材としてポリエチレンフィルムを積層した厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記反応剤を担持させ、反応剤を担持する反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例5
(主剤の調製)
酸としてL−アスコルビン酸1重量部、増粘剤としてポリビニルアルコール3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ1mmのポリウレタン製スポンジを用い、当該スポンジ1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
実施例2の反応剤、及び閉鎖被覆材としてポリエチレンフィルムを積層した厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記反応剤を担持させ、反応剤を担持する反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例6
(主剤の調製)
酸として酒石酸1重量部、増粘剤としてポリビニルピロリドン3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム2重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム6重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として60℃の精製水91.9重量部を用いて粘性物を調製し、2℃に冷却してハイドロゲル状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例7
(主剤の調製)
酸としてリンゴ酸1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム5重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として60℃の精製水93.9重量部を用いて水溶液を調製した。この水溶液を2℃に冷却して流動性のあるハイドロゲル状の粘性物を調製し、吸収体として厚さ0.4mmのポリウレタン製スポンジを用い、当該スポンジ1平方センチメートルあたり0.06gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム酸1重量部、増粘剤としてカラギーナン3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて粘性物を調製し、閉鎖被覆材としてポリエチレンフィルムを用い、当該閉鎖被覆材に1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を塗布して担持させ、反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例8
(主剤の調製)
酸としてリンゴ酸1重量部、水として精製水53.9重量部、油分としてステアリルアルコール6重量部、ステアリン酸2重量部、水添ラノリン3重量部、スクワラン9重量部、オクチルドデカノール10重量部、保湿剤として1,3−ブチレングリコール6重量部、PEG1500を4重量部、界面活性剤としてモノステアリン酸グリセリン2重量部、POE(25)セチルアルコールエーテル3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部を用いて、常法に従いクリーム状の粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布に1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム1重量部、水として精製水53.9重量部、油分としてステアリルアルコール6重量部、ステアリン酸2重量部、水添ラノリン3重量部、スクワラン9重量部、オクチルドデカノール10重量部、保湿剤として1,3−ブチレングリコール6重量部、PEG1500を4重量部、界面活性剤としてモノステアリン酸グリセリン2重量部、POE(25)セチルアルコールエーテル3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部を用いて、常法に従いクリーム状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例9
(主剤の調製)
実施例1の粘性物を、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmの綿製フェイスマスク型不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
実施例1の反応剤を、担持体としてポリエチレンフィルムを支持体とする厚さ0.4mmの綿製フェイスマスク型不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記反応剤を担持させ、反応剤を担持する反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例10
(主剤の調製)
酸としてリンゴ酸1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、水として精製水96重量部を用いて流動性のあるハイドロゲル状の粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ1mmのポリエステル・綿混合製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム1重量部、水として精製水98重量部を用いて粘性液状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例11
(主剤の調製)
酸としてコハク酸1重量部、増粘剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステル3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩として炭酸水素カリウム1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて粘性液状の反応剤を精製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例12
(主剤の調製)
酸としてリン酸二水素ナトリウム1重量部、増粘剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステル3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmの綿製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
炭酸塩として炭酸ナトリウム0.5重量部、増粘剤としてカラギーナン2重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水97.4重量部を用いて粘性物を調製し、担持体として厚さ0.4mmの綿製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03の前記粘性物を担持させ、反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例13
(主剤の調製)
酸及び増粘剤としてカルボキシビニルポリマー1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム2重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水96.9重量部を用いて粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
実施例10の反応剤、及び閉鎖被覆材としてポリエチレンフィルムを積層した厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記反応剤を担持させ、反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例14
(主剤の調製)
酸としてクエン酸1重量部、増粘剤としてポリビニルアルコール5重量部、ポリビニルピロリドン10重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水84.9重量部を用いて粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmの綿製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム5重量部、分散剤としてマンニトール90重量部、結合剤としてバレイショデンプン5重量部を用い、水を溶媒として湿式造粒法らわれ細粒状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例15
(主剤の調製)
実施例10の流動性のあるハイドロゲル状の粘性物を用い、高分子立体網目構造体として厚さ1mmのポリウレタン製スポンジを用い、当該スポンジ1平方センチメートルあたり0.06gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム1重量部、水として精製水53.9重量部、界面活性剤としてステアリン酸4重量部、セチルアルコール12重量部、モノステアリン酸グリセリル2重量部、POE(20)硬化ひまし油3重量部、油分としてスクワラン10重量部、ホホバオイル4重量部、その他の原料として1,3−ブチレングリコール6重量部、ポリエチレングリコール4重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部を用いてクリーム状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例16
(主剤の調製)
酸としてクエン酸1重量部、油分としてセチルアルコール1重量部、白色ワセリン2.5重量部、スクワラン6重量部、界面活性剤としてステアリン酸2重量部、POE(20)硬化ひまし油1重量部、モノステアリン酸グリセリル1重量部、水として蒸留水35.9重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、その他の原料としてグリセリン4重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.5重量部、エタノール5重量部を用いて乳液状の粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmの綿製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム2重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム4重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水93.9重量部を用いて粘性物を調製し、担持体として厚さ0.4mmの綿製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を担持させ、反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例17
(主剤の調製)
実施例10の粘性物を、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmの綿製フェイスマスク型不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤担持体の調製)
実施例10の反応剤を、担持体としてポリエチレンフィルムを支持体とする厚さ0.4mmの綿製フェイスマスク型不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記反応剤を担持させ、反応剤を担持する反応剤担持体を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤担持体とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
実施例18
(主剤の調製)
実施例11と同様にして、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
実施例15と同様にして、反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
比較例
特開2000−319187号公報の実施例109に従い以下のように製造した。
(酸性組成物の製造)
クエン酸25重量%、エチルセルロース25重量%、クロスカルメロースナトリウム50重量%を用い、湿式押し出し造粒法により長さ約4mm、直径約1mmの多孔性柱状顆粒を製造した。
(塩基性組成物の製造)
精製水89.6重量%に炭酸水素ナトリウム2.4重量%を溶かし、60℃まで徐々に加温しながらアルギン酸ナトリウム4.0重量%、エチルセルロース2.0重量%、カルボキシメチルセルロースナトリウム2.0重量%を徐々に加えて攪拌しながら溶かし、溶解後一夜放置し、室温まで冷まして粘性組成物を製造した。
そして、得られた酸性組成物と塩基性組成物とにより気泡状二酸化炭素含有組成物である二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物とした。
評価試験
このようにして製造した実施例の二酸化炭素外用剤調製用材料により得られる二酸化炭素外用剤及び比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を次のようにして評価した。
評価1:手の美白、美肌効果
18名の女性モニターにより、各モニターの左手甲に実施例1〜8のいずれか一つの二酸化炭素外用剤調製用材料により得られる二酸化炭素外用剤を、右手甲に比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物をそれぞれ5分間適用し、手の甲の美白ときめの細かさ、肌触りによる美肌効果を評価した。
実施例1の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺4cmの正方形の実施例1の主剤を貼付し、その上から1.2gの実施例1の反応剤をまんべんなく噴霧した。
実施例2の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺4cmの正方形の実施例2の主剤を左手甲に貼付し、その上から1.2gの実施例2の反応剤をまんべんなく塗布した。
実施例3の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺4cmの正方形の実施例3の主剤を貼付し、その上から一辺4cmの正方形の実施例3の反応剤担持体を重ね合わせた。
実施例4の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺4cmの正方形の実施例4の主剤を貼付し、その上から一辺4cmの正方形の実施例4の反応剤担持体をポリエチレンフィルムが大気側にくるように重ね合わせた。
実施例5の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺4cmの正方形の実施例5の主剤を貼付し、その上から一辺4cmの正方形の実施例5の反応剤担持体を、ポリエチレンフィルムが大気側にくるように重ね合わせた。
実施例6の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺4cmの正方形の実施例6の主剤を貼付し、その上から1.2gの実施例6の反応剤をまんべんなく塗布した。
実施例7の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺4cmの正方形の実施例7の主剤を貼付し、その上から一辺4cmの正方形の実施例7の反応剤担持体を、ポリエチレンフイルムが大気側にくるように重ね合わせた。
実施例8の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺4cmの正方形の実施例8の主剤を貼付し、その上から1.2gの実施例8の反応剤をまんべんなく塗布した。
比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物は、塩基性組成物20gに酸性組成物1gを加えて完全に溶けるまで撹拌し、女性モニター18名全員の右手甲にその1.2を一辺4cmの正方形に塗布した。
5分後に実施例1〜8の二酸化炭素外用剤及び比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を手の甲から完全に取り去り、各製剤の適用部位を観察した。
実施例1〜8の二酸化炭素外用剤を適用した左手甲は、取り去った直後は、すべての実施例で、適用した形そのままの一辺4cmの正方形に皮膚が発赤して皮膚温が上がり、非常に強い血流増加が観察された。特に実施例4の血流増加が強かった。
発赤は数分後には全実施例で消失し、その後、全実施例で二酸化炭素外用剤を適用した形そのままの一辺4cmの正方形に皮膚が白くなり、しっとり感が得られた。フェイシャルアナライザー(コアフロント社製;皮膚水分量と皮脂量を0〜99の範囲で測定する)で皮膚水分量と皮脂量を測定した結果、実施例の二酸化炭素外用剤を適用した部位は、全実施例で皮膚水分量62〜81、皮脂量27〜48であり、周囲の皮膚の皮膚水分量17〜24、皮脂量0〜11と比較して明らかに増加し、しっとり感と相関した。CCDカメラにより皮膚表面を40倍に拡大して観察したところ、全実施例において二酸化炭素外用剤の適用部位は周囲の皮膚と比較して皮溝、皮丘が明瞭であり、肌のきめが細かくなっていた。
一方、比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を塗布した右手甲は、取り去った後に発赤が認められたモニターはなく、血流増加作用は認められなかった。また、適用部位に美白や美肌効果が認められたモニターはなく、皮膚水分量が若干増加したが、皮脂量にはほとんど変化はなかった。
評価2:手の美白、美肌効果
のべ11人の女性モニターにより、各モニターの左手甲に実施例10〜16のいずれか一つの二酸化炭素外用剤調製用材料を、右手甲に比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物をそれぞれ5分間適用し、手の甲の美白ときめの細かさ、肌触りによる美肌効果を評価した。
実施例10,11,14,15の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺5cmの正方形の主剤を貼付し、その上から各々対応する0.8gの反応剤をまんべんなく塗布した。
実施例12,13,16の二酸化炭素外用剤調製用材料の使用方法は、左手甲に一辺5cmの正方形の主剤を貼付し、その上から各々対応する一辺5cmの正方形の反応剤担持体を重ね合わせた。
比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物は、塩基性組成物20gに酸性組成物1gを加えて完全に溶けるまで撹拌し、女性モニター全員の右手甲にその1.5gを一辺5cmの正方形に塗布した。
5分後に実施例10〜16の二酸化炭素外用剤及び比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を手の甲から完全に取り去り、各製剤の適用部位を観察した。
実施例10〜16の二酸化炭素外用剤を適用した左手甲は、取り去った直後は、すべての実施例で、適用した形そのままの一辺5cmの正方形に皮膚が発赤して皮膚温が上がり、非常に強い血流増加が観察された。特に実施例10,11の血流増加が強かった。
発赤は数分後には全実施例で消失し、その後、全実施例で二酸化炭素外用剤を適用した形そのままの一辺5cmの正方形に皮膚が白くなり、しっとり感が得られた。特に実施例16の二酸化炭素外用剤がもっとも美白効果が顕著であった。フェイシャルアナライザー(コアフロント社製;皮膚水分量と皮脂量を0〜99の範囲で測定する)で皮膚水分量と皮脂量を測定した結果、実施例10〜16の二酸化炭素外用剤を適用した部位は、全実施例で皮膚水分量62〜87、皮脂量27〜62であり、周囲の皮膚の皮膚水分量17〜24、皮脂量0〜11と比較して明らかに増加し、しっとり感と相関した。CCDカメラにより皮膚表面を40倍に拡大して観察したところ、全実施例において二酸化炭素外用剤の適用部位は周囲の皮膚と比較して皮溝、皮丘が明瞭であり、肌のきめが細かくなっていた。
一方、比較例の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を塗布した右手甲は、取り去った後に発赤が認められたモニターはなく、血流増加作用は認められなかった。また、適用部位に美白や美肌効果が認められたモニターはなく、皮膚水分量が若干増加したが、皮脂量にはほとんど変化はなかった。
評価3:顔の部分痩せ、美白、美肌効果(1)
26歳の女性モニターの顔に実施例9のフェイスマスク型不織布を使用した主剤を貼付し、その上から実施例9のフェイスマスク型不織布を使用した反応剤担持体を、ポリエチレンフィルムが大気側にくるように重ね合わせて10分間貼付した。貼付後約1分で顔の皮膚全体の熱さを訴え、前記外用剤下の皮膚は赤くなって血流促進が観察された。前記外用剤をとったあとの皮膚は全体が赤く、皮膚温が高くなっていたが、1〜2分で赤みはひき、皮膚温が戻るとともに、肌が非常に白くなり、透明感が認められた。また、頬が小さくなり、小顔効果が認められた。
評価4:顔の部分痩せ、美白、美肌効果(2)
26歳の女性の右半顔に、縦半分にカットした実施例9のフェイスマスク型不織布を使用した主剤を貼付し、その上から縦半分にカットした実施例9のフェイスマスク型不織布を使用した反応剤担持体を、ポリエチレンフィルムが大気側にくるように重ね合わせて5分間貼付した。左半顔には比較例の二酸化炭素外用剤15gを均一な厚さに同じく5分間塗布した。実施例9の二酸化炭素外用剤を貼付した右半顔は、貼付後約1分で前記女性が皮膚の熱さを訴え血流増加が観察されたが、比較例の二酸化炭素外用剤を塗布した左半顔には冷たさを感じた。5分後にこれらを取り去ると、右半顔は全体が赤く、皮膚温が高かったが、約2分後には赤みがとれ、皮膚温も戻った。一方、左半顔は冷たいままであり、赤みなども認められず、血流増加は観察されなかった。顔の左右を比較すると、右半顔の方が肌は白く、透明感がでて美白、美肌効果認められた。また、右頬が左頬に比較して小さくなり、口角が上がって顔の部分痩せ効果が認められた。
評価5:顔の部分痩せ、美白、美肌効果(3)
37歳と40歳の女性モニターの顔に実施例17のフェイスマスク型不織布を使用した主剤を貼付し、その上から実施例17のフェイスマスク型不織布を使用した反応剤担持体を、ポリエチレンフィルムが大気側にくるように重ね合わせて10分間貼付した。貼付後約1分で両モニターともに顔の皮膚全体の熱さを訴え、前記外用剤下の皮膚は赤くなって血流促進が観察された。前記外用剤をとったあとの皮膚は両モニターとも全体が赤く、皮膚温が高くなっていたが、1〜2分で赤みはひき、皮膚温が戻るとともに、肌が非常に白くなり、透明感が認められた。また、頬が小さくなり、小顔効果が認められた。
評価6:顔の部分痩せ、美白、美肌効果(4)
37歳と40歳の女性モニターの右半顔に、縦半分にカットした実施例17のフェイスマスク型不織布を使用した主剤を貼付し、その上から縦半分にカットした実施例17のフェイスマスク型不織布を使用した反応剤担持体を、ポリエチレンフィルムが大気側にくるように重ね合わせて5分間貼付した。左半顔には比較例の二酸化炭素外用剤15gを均一な厚さに同じく5分間塗布した。両モニターとも実施例17の二酸化炭素外用剤を貼付した右半顔は、貼付後約1分で皮膚の熱さを訴え血流増加が観察されたが、比較例の二酸化炭素外用剤を塗布した左半顔には、両モニターとも冷たさを感じた。5分後にこれらを取り去ると、両モニターとも右半顔は全体が赤く、皮膚温が高かったが、約2分後には赤みがとれ、皮膚温も戻った。一方、両モニターとも左半顔は冷たいままであり、赤みなども認められず、血流増加は観察されなかった。顔の左右を比較すると、両モニターとも右半顔の方が肌は白く、透明感がでて美白、美肌効果認められた。また、右頬が左頬に比較して小さくなり、口角が上がって顔の部分痩せ効果が認められた。
評価7:切り傷に対する効果
28歳の女性の左手薬指の長さ7mmの切り傷に対し、1cm角の正方形の実施例12の主剤を貼付し、その上から1cm角の正方形の実施例12の反応剤担持体を、重ね合わせた。傷の痛みはすぐになくなり、15分後に剥がしたところ、傷口がふさがっていた。
評価8:擦過傷に対する効果
46歳男性の右肘にできた2cm×3cmの大きさの擦過傷に対し、実施例6の主剤を一辺4cmの正方形にして貼付し、その上に実施例6のハイドロゲル状の反応剤1.2gを均一に塗布し、さらにその上から4.4cm角の合成ポリマー製創傷被覆材(商品名テガダーム、スリーエムヘルスケア社製)で被覆した。このようにして実施例6の二酸化炭素外用剤を1日1回適用し、毎日交換したところ、4回の貼付で傷が完全にふさがって治癒した。
評価9:アトピー性皮膚炎に対する効果(1)
23歳男性の両手甲の出血とかさぶたを伴うアトピー性皮膚炎に対し、一辺8cmの正方形にした実施例3の主剤を貼付し、その上に一辺8cmの正方形にした実施例3の反応剤担持体を10分間重ね合わせた。これを1日1回、毎日行ったところ、2日目には出血がすべて止まり、7日目にはかさぶたがなくなって治癒した。
評価10:アトピー性皮膚炎に対する効果(2)
32歳男性の両手甲の出血とかさぶたを伴うアトピー性皮膚炎に対し、一辺8cmの正方形にした実施例13の主剤を貼付し、その上に一辺8cmの正方形にした実施例13の反応剤担持体を10分間重ね合わせた。実施例13の二酸化炭素外用剤を取り除いたところ、かさぶたが一部剥がれ、出血はほとんど止まっていた。これを1日1回、毎日行ったところ、8日目にはかさぶたがなくなって治癒した。
評価11:にきびに対する効果
29歳の女性の額にできた赤みを伴う多数のにきびに対し、4cm×14cmの大きさにした実施例18の主剤を貼付し、その上に同じ大きさの実施例18の反応剤担持体を10分間重ね合わせた。これを1日1回行ったところ、にきびの赤みが薄くなり、皮膚全体のざらつきも改善された。これを1日1回行ったところ、11日でにきびが完全に消失し、皮膚が白くなめらかになった。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料は、使用が簡便であるとともに、このような二酸化炭素外用剤調製用材料により得られる二酸化炭素外用剤は、二酸化炭素が気泡化して大気中に発散することなく、効率的に経皮経粘膜吸収させることができるため、短時間で強い美容及び医療効果が得られる。したがって、本発明の二酸化炭素外用剤調製用材料及び二酸化炭素外用剤は、化粧料や医薬外用剤などとして好適に利用することができる。

Claims (12)

  1. 伸縮性を有する高分子立体網目構造体に少なくとも酸と水とを含む粘性物が含浸され、使用時に皮膚に接触させる主剤と、
    使用時に前記主剤に接触させることにより二酸化炭素が発生する少なくとも炭酸塩を含む反応剤と、からなり、
    前記高分子立体網目構造体及び粘性物が、前記二酸化炭素の気泡化を抑制して、当該二酸化炭素を前記粘性物に実質的に非気泡状態で溶解させるものであることを特徴とする二酸化炭素外用剤調製用材料。
  2. 前記高分子立体網目構造体が、シート状である請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  3. 前記高分子立体網目構造体が、繊維質又は多孔質の吸収体である請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  4. 前記粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含む請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  5. 前記粘性物が、少なくとも酸、水、油分及び界面活性剤を含む乳液又はクリームである請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  6. 前記粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むとともに、
    前記粘性物の酸が、リンゴ酸、コハク酸、リン酸二水素ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、クエン酸、L−アスコルビン酸及び酒石酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    かつ、前記高分子立体網目構造体が、不織布又はスポンジである請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  7. 前記反応剤がさらに増粘剤と水とを含む粘性物である請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  8. 前記反応剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤と、水と、を含むとともに、
    前記炭酸塩が、炭酸水素ナトリウムである請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  9. 前記主剤の粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むとともに、
    前記粘性物の酸が、リンゴ酸、コハク酸、リン酸二水素ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、クエン酸、L−アスコルビン酸及び酒石酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記高分子立体網目構造体が、不織布又はスポンジであり、
    かつ、前記反応剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤と、水と、を含むとともに、
    前記炭酸塩が、炭酸水素ナトリウムである請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  10. 前記反応剤がシート状又は袋状の担持体に担持されている請求項1記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  11. 前記反応剤が担持された担持体において、使用時に大気側となる面が、二酸化炭素不透過性又は低透過性の被覆材で覆われている請求項10記載の二酸化炭素外用剤調製用材料。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の二酸化炭素外用剤調製用材料を用いてなり、二酸化炭素が実質的に非気泡状態で粘性物に溶解してなることを特徴とする二酸化炭素外用剤。
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