JP3633892B2 - チョークコイル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、巻線比が1:1のコイル対を有するチョークコイルに関し、たとえば電話回線等の対地平衡な伝送線路に挿入して使用されるバンドパス・フィルタの構成に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、電話回線に高速デジタル信号を重畳させるADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)では、通話信号とデジタル信号を分離するために、スプリッタと呼ばれる分波器が使用される。この分波器は通話信号の周波数帯域を選択的に通過されるLPF(ローパス・フィルタ)とデジタル信号の周波数帯域を選択的に通過させるHPF(ハイパス・フィルタ)とによって構成される。
【0003】
一方、上記分波器が使用される電話回線は通常、対地平衡な伝送線路である。このため、上記LPFやHPFなどのBPF(バンドパス・フィルタ)を構成する際は、接地層における電位揺れや大地間のループノイズの影響を抑制するために、つまり対地不平衡減衰量を確保する必要がある。
【0004】
チョークコイルは、図4、図5の(a)〜(f)にそれぞれその巻線構造例と等価回路を示すように、一つのコイル内にコイル対L1,L2が1:1の巻線比で巻回されている。両コイルL1とL2は一つのボビン(巻枠)1に巻芯(磁心)を共有する形で巻回されている。その巻線構造については、(a)〜(f)に示すように、種々の方式が提案されている。
【0005】
(a)に示すコイルは、1:1のコイル対をなす第1のコイルL1と第2のコイルL2が中間絶縁層2の内側と外側に振り分けられて巻回されている。第1のコイルL1は中間絶縁層2の内側にて所要巻数n1が巻回され、第2のコイルL2はその中間絶縁層2の外側にて所要巻数n2(n1=n2)が巻回されている。これにより、巻線比がn1:n2=1:1のコイル対L1,L2を有するチョークコイルが形成されている。なお、コイルの最外側は絶縁層29で被覆されている。
【0006】
(b)に示すコイルは、第1のコイルL1と第2のコイルL2の各所要巻数n1,n2がそれぞれ2分割されて巻回されるとともに、内側から外側に向けて、第1のコイルL1の第1分割コイル部L11、第2のコイルL2の第1分割コイル部L21、第1のコイルL1の第2分割コイル部12、第2のコイルL2の第2分割コイル部L22の順で積層するように巻回されている。各分割コイル部L11,L21,L12,L22間にはそれぞれ中間絶縁層2が介在させられている。各分割コイル部L11,L21,L12,L22の巻数n11,n21,n12,n22はすべて同数(n11=n21=n12=n22)であって、これにより、巻線比が1:1のコイル対L1,L2を形成している。
【0007】
(c)に示すコイルは、第1のコイルL1の第1分割コイル部L11と第2分割コイル部12が最内側と最外側に振り分けられて巻回されるとともに、その中間にて、第2コイルL2の第1分割コイル部L21と第2分割コイル部L22が2本同時巻きされている。
【0008】
(d)に示すコイルは、ボビン1の巻枠部を2分割する隔壁部11を設け、この2つの分割巻枠部に第1のコイルL1と第2のコイルL2を振り分けてそれぞれに所定巻数n1,n2(n1=n2)を巻回している。
【0009】
(e)に示すコイルは、ボビン1の巻枠部を2分割する隔壁部11を設け、一方の分割巻枠部に、第1のコイルL1の第1分割コイル部L11と第2のコイルL2の第2分割コイル部L22を、中間絶縁層2を挟みながら重ね巻きするとともに、他方の分割巻枠部に、第2のコイルL2の第1分割コイル部L21と第1のコイルL1の第2分割コイル部L12を、中間絶縁層2を歯罪ながら重ね巻きしている。
【0010】
(f)に示すコイルは、第1のコイルL1と第2のコイルL2を2本同時巻きしながらそれぞれの所要巻数n1,n2(n1=n2)を巻回している。
【0011】
以上のように、コモンモードチョークには種々の巻き方が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のチョークコイルには、次のような問題のあることが本発明者によってあきらかにされた。
【0013】
すなわち、(a)および(b)に示したコイルでは、2つコイルL1,L2の巻線数n1,n2は互いに同じで1:1の巻線比となるが、両コイルL1,L2の巻径差による巻線抵抗値の偏差が大きいため、対地不平衡減衰量が十分に得られないという問題が生じる。
【0014】
(c)に示したコイルでは、2つのコイルL1,L2をそれぞれ2分割して、その一部(L21,L22)を2本同時巻きするため、巻線作業が複雑で難しく、工数が増えるという問題が生じる。
【0015】
(d)および(e)に示したコイルでは、巻枠部を分割する隔壁部11を設けたボビンが必要になるとともに、(a)あるいは(b)に示したような同心積層状の分割巻線構造(いわゆるサンドイッチ構造)に比べて、コイルL1,L2間の漏れインダクタンスが大きくなるという問題が生じる。漏れインダクタンスが大きいと、たとえばLPF等のバンドパス・フィルタを構成したときに、通過周波数帯域(パスバンド内)にて良好な通過特性を得ることができない。
【0016】
(e)に示したコイルでは、コイルL1,L2間の線間容量が大きくなるという問題が生じる。線間容量が大きくなると、たとえばバンドパス・フィルタを構成したときに、通過阻止周波数域(パスバンド外)にて良好な減衰特性を得ることができない。
【0017】
以上のように、上述した従来のチョークコイルは、対地不平衡減衰量、巻線の作業性、漏れインダクタンス、線間容量のいずれかに問題があり、それらをすべて満足するように構成することは非常に困難であった。
【0018】
本発明は以上のような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コイル間の巻線抵抗値偏差が小さく、対地不平衡減衰量を十分に得ることができるとともに、巻線の作業性にすぐれ、さらに、漏れインダクタンスおよび線間容量を小さくすることができるチョークコイルを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明による手段は、巻線比が1:1のコイル対を有するチョークコイルにあって、次の(1)〜(3)を特徴とする。
(1)上記コイル対をなす第1,第2のコイルはそれぞれ第1,第2のコイル部に分割され、各分割コイル部は一つの巻枠上に、中間絶縁層を挟みながら、内側から外側に向けて、第1のコイルの第1分割コイル部、第2のコイルの第1分割コイル部、第1のコイルの第2分割コイル部、第2のコイルの第2分割コイル部の順に積層・巻回されている。
(2)第1のコイルの第1分割コイル部と第2のコイル部の第2分割コイル部は共に第1の巻数で巻回され、第2のコイルの第1分割コイル部と第1のコイル部の第2分割コイル部は共に第2の巻数で巻回されている。
【0020】
(3)上記第2の巻数を上記第1の巻数よりも多くすることにより、第1のコイルと第2のコイル間の巻線抵抗値差が4%以内となるように調節されている。
【0021】
上記手段により、巻線数を操作するだけの非常に簡単な構成でもって、1:1の巻線比をなすコイル間の巻線抵抗値偏差を確実に小さくすることができる。これにより、対地不平衡減衰量を十分に得ることができるとともに、巻線の作業性にすぐれ、さらに、漏れインダクタンスおよび線間容量を小さくしたチョークコイルを得ることができる。
【0022】
上記手段において、第2のコイルの第1分割コイル部と第1のコイルの第2分割コイル部の間に介在する中間絶縁層の厚みを調節すれば、上記巻線抵抗値差を小さくする最適化ポイントをさらにきめ細かく設定することができる。
【0023】
中間絶縁層を絶縁テープの巻回によって形成し、この絶縁テープの厚みおよび/または巻回数によっても、上記巻線抵抗値差が4%以内となるように調節することができる。
【0024】
上記コモンモードチョークはとくに、対地平衡な伝送線路に挿入されて使用されるバンドパス・フィルタに利用して良好な特性を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るチョークコイルの要部を示す断面図および等価回路図である。
同図に示すチョークコイルは1:1の巻線比をなす一対のコイルL1,L2を有する。この一対のコイルL1,L2はそれぞれ巻数を2分割されて一つのボビン(巻枠)1上に積層・巻回されている。すなわち、第1のコイルL1と第2のコイルL2の各所要巻数n1,n2がそれぞれ2分割されて巻回されるとともに、内側から外側に向けて、第1のコイルL1の第1分割コイル部L11、第2のコイルL2の第1分割コイル部L21、第1のコイルL1の第2分割コイル部12、第2のコイルL2の第2分割コイル部L22の順で積層するように巻回されている。各分割コイル部L11,L21,L12,L22間にはそれぞれ中間絶縁層21,22,21が介在させられている。コイルの最外側は絶縁層29で被覆されている。
【0026】
ここで、第1のコイルL1を形成する2つの分割コイル部L11とL12の合計巻数(n11+n12)と、第2のコイルL2を形成する2つの分割コイル部L21とL22の合計巻数(n21+n22)は、互いに同じ(n11+n21=n12+n22)であって、これにより、巻線比が1:1のコイル対L1,L2を形成している。しかし、各分割コイル部L11,L12,L21,L22の巻数n11,n12,n21,n22はすべて同数(n11=n12=n21=n22)ではなく、コイルL1,L2ごとに所定の規則にしたがって異ならせてある。
【0027】
すなわち、第1のコイルL1では、第1分割コイル部L11の巻数n11と第2分割コイル部L12の巻数n12が、n11<n12となるように設定してある。同様に、第2のコイルL2では、第1分割コイル部L21の巻数n21と第2分割コイル部L22の巻数n22が、n21>n22となるようにしてある。
【0028】
これとともに、第1のコイルL1の第1分割コイル部L11の巻数n11と、第2のコイルL2の分割コイル部L22の巻数n22とが同じ(n11=n22)になるようにしている。第1,第2の2つのコイルL1,L2の巻線比が1:1なので、第1のコイルL1の第2分割コイル部L12の巻き数n12と第2のコイルL2の第1分割コイル部L21の巻数n21も同じ(n12=n21)になる。
【0029】
つまり、1:1の巻数比をなす2つのコイルL1,L2はそれぞれ、巻数の異なる2つのコイル部(L11とL12)(L21とL22)に分割されて巻回されるとともに、巻数の少ない分割コイル部L11とL22が最内側と最外側に振り分けられて配置され、巻数の多い分割コイル部L11とL22が中間層に配置されている。さらに、第1のコイル部L1の分割コイル部L11.L12と第2のコイルL2の分割コイル部L21,L22とは交互に重なって配置されている。
【0030】
ここで、各分割コイル部L11,L12,L21,L22での単位巻数当たりの巻線抵抗は、内側と外側の巻径差により、L11<L21<L12<L22の順に高くなる。また、各分割コイル部L11,L12,L21,L22の巻数n11,n12,n21,n22は、上述したように、n11=22<n12=n21の関係となっている。
【0031】
各分割コイル部L11,L12,L21,L22での巻線抵抗をr11,r12,r21,r22とすれば、第1および第2のコイルL1,L2における巻線抵抗R1,R2は次のようになる。
R1=r11+r12・・・(11)
R2=r21+r22・・・(12)
【0032】
r11とr22、r21とr12はそれぞれ同じ巻数によって生じる抵抗であるが、巻径差により次のような抵抗差Δ1,Δ2が生じる。
r11+Δ1=r22・・・(21)
r21+Δ2=r12・・・(22)
【0033】
上記抵抗差Δ1,Δ2を用いてコイルL1,L2の巻線抵抗R1,R2を表すと、次のようになる。
R1=r11+(r12+Δ2)・・・(31)
R2=r21+(r11+Δ1)・・・(32)
【0034】
ここで、Δ1とΔ2はそれぞれ、単位巻数当たりの抵抗差と巻数の積によって決まる。すなわち、Δ1は、分割コイル部L11,L22間における単位巻数当たりの抵抗差と巻数の積によって決まる。Δ2は、分割コイル部L12,L21間における単位巻数当たりの抵抗差と巻数の積によって決まる。単位巻数当たりの抵抗差は、L11,L22間とL12,L21間とでは、同じではない。したがって、L11,L22の巻数(n11,n22)とL12,L21の巻数(n12,n21)を互いに異ならせる(n11=n22<n12=n21)とともに、それぞれの巻数(n11,n22)と(n12,n21)を適切に選ぶことにより、Δ1とΔ2の差をゼロまたは非常に小さくする最適化ポイントを設定することができるようになる。これにより、コイルL1,L2間の巻線抵抗値偏差を実用上支障ないところまで低減させることができる。
【0035】
さらに、分割コイル部L11,L22間における単位巻数当たりの抵抗差、および分割コイル部L12,L21間における単位巻数当たりの抵抗差についても、L11,L21とL12,L22間に介在する中間絶縁層22の厚みd2を他の絶縁層21の厚みd1から独立して設定することにより、Δ1とΔ2の差を小さくする最適化ポイントをさらにきめ細かく設定することができるようになる。絶縁層2の厚みdは、たとえば絶縁層2を絶縁テープで形成すれば、その絶縁テープの厚みや巻数等によって簡単に任意設定することができる。
【0036】
上述した構成により、コイルL1,L2間の巻線抵抗値偏差(R1−R2)は少なくとも4%以下にすることができる。
【0037】
以上のように、上述した実施例のチョークコイルは、漏れインダクタンスと線間容量を共に小さくできる同心積層状の分割巻線構造でもって、その分割巻線構造の欠点であった巻径差による巻線抵抗値偏差を大幅に低減させることができる。また、その同心積層状の分割巻線構造は、巻枠部を分割する隔壁部が不要なので、ボビン1の形状を比較的簡単にすることができる。さらに、巻線作業を複雑化する2本同時巻き作業も不要である。これにより、コイル間の巻線抵抗値偏差が小さく、対地不平衡減衰量を十分に得ることができるとともに、巻線の作業性にすぐれ、さらに、漏れインダクタンスおよび線間容量を小さくしたチョークコイルを得ることができる。
【0038】
図2は、上述したチョークコイルの使用例を示す回路図である。
同図において、チョークコイルLLは、電話回線等の対地平衡な伝送線路120に挿入することにより、接地層における電位揺れや大地間のループノイズの影響を抑制する対地不平衡減衰動作を行うことができるが、この動作を確実に行わせるためには、コイルL1,L2間の漏れインダクタンスをできるだけ小さくするとともに、各コイルL1,L2にそれぞれ寄生する巻線抵抗R1,R2の偏差をできるだけ小さくする必要がある。上述したチョークコイルは、漏れインダクタンスおよび巻線抵抗値偏差のいずれも小さくすることができるので、良好な対地不平衡減衰特性を得ることができる。
【0039】
図3は、上述したチョークコイルを用いて構成されたLPFの特性例を示す。
同図において、特性曲線Aは上述した本発明のチョークコイルを用いたLPFの周波数伝達特性、特性曲線BおよびCはそれぞれ従来のチョークコイルを用いたLPFの周波数伝達特性をそれぞれ示す。各LPFはそれぞれ遮断周数fcが同じとなるように設計されているが、本発明のものは、通過周波数帯域(パスバンド内)では従来と同等かそれ以上の伝達特性を確保し、通過阻止周波数域(パスバンド外)では従来に比べてあきらかに安定かつ良好な特性を得ている。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、巻線比が1:1のコイル対を有するチョークコイルにおいて、巻線数を操作するだけの非常に簡単な構成でもって、1:1の巻線比をなすコイル間の巻線抵抗値偏差を確実に小さくすることができる。これにより、対地不平衡減衰量を十分に得ることができるとともに、巻線の作業性にすぐれ、さらに、漏れインダクタンスおよび線間容量を小さくしたチョークコイルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるチョークコイルの一実施例を示す図である。
【図2】本発明によるチョークコイルの使用例を示す回路図である。
【図3】本発明によるチョークコイルを用いて構成されたLPFの特性例を示すグラフである。
【図4】従来のチョークコイルの構成例を示す図である。
【図5】従来のチョークコイルの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 ボビン
11 隔壁部
2,21,22 中間絶縁層
29 絶縁層
L1 第1のコイル
L11 第1のコイルの第1分割コイル部
L12 第1のコイルの第2分割コイル部
L2 第2のコイル
L21 第2のコイルの第1分割コイル部
L22 第2のコイルの第2分割コイル部
d1,d2 中間絶縁層の厚み
R1 第1のコイルの巻線抵抗
R2 第2のコイルの巻線抵抗
Cp 線間容量
LL チョークコイル
LPF ローパス・フィルタ
Claims (4)
- 巻線比が1:1のコイル対を有するチョークコイルにおいて、次の(1)〜(3)によって特定される発明。
(1)上記コイル対をなす第1,第2のコイルはそれぞれ第1,第2のコイル部に分割され、各分割コイル部は一つの巻枠上に、中間絶縁層を挟みながら、内側から外側に向けて、第1のコイルの第1分割コイル部、第2のコイルの第1分割コイル部、第1のコイルの第2分割コイル部、第2のコイルの第2分割コイル部の順に積層・巻回されている。
(2)第1のコイルの第1分割コイル部と第2のコイル部の第2分割コイル部は共に第1の巻数で巻回され、第2のコイルの第1分割コイル部と第1のコイル部の第2分割コイル部は共に第2の巻数で巻回されている。
(3)上記第2の巻数を上記第1の巻数よりも多くすることにより、第1のコイルと第2のコイル間の巻線抵抗値差が4%以内となるように調節されている。 - 請求項1の発明において、第2のコイルの第1分割コイル部と第1のコイルの第2分割コイル部の間に介在する中間絶縁層の厚みが、前記巻線抵抗値差を4%以内とするような厚みに設定されていることを特徴とするチョークコイル。
- 請求項1または2の発明において、中間絶縁層は絶縁テープの巻回によって形成されるとともに、この絶縁テープの厚みおよび/または巻回数によって、前記巻線抵抗値差が4%以内となるように調節されていることを特徴とするチョークコイル。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のコモンモードチョークを用いて構成されたことを特徴とするバンドパス・フィルタ。
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