JP3633549B2 - 土台水切及び土台部施工構造 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,建築物の土台部に配設されると共に,外壁板の表側面を伝って流下してきた雨水を前方へ排出する土台水切,及びこれを用いた土台部施工構造に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,図21に示すごとく,建築物の土台部に土台水切9を配設し,外壁板2の表側面22を伝って流下してきた雨水を前方へ排出するよう構成した,土台部施工構造8がある。
上記土台水切9は,背板部91と,該背板部91の下方において前方へ屈曲した支承板部92と,該支承板部92の下方において前方下方へ屈曲した水切板部93と,該水切板部93の前端から下方へ屈曲した前板部94とを有する。更に,該前板部94の後方であって上記水切板部93の下方には,カバー板部95が設けてある。該カバー板部95は,上記前板部94と土台31の前面311との間における下方隙間部81からの鼠等の小動物の侵入を防ぐ,いわゆる防鼠機能を有する。
【0003】
具体的には,上記土台水切9のカバー板部95の後端951は,上記土台31の前面311に当接される。また,上記カバー板部95には,鼠等の小動物が通過できない程度の大きさの排水通気穴952が複数設けており,該通気孔952を通じて外気を取り入れることにより,建物土台部の通気が図られるようになっている。
【0004】
上記土台部施工構造8は,図21に示すごとく,建築物の構造躯体3に,上記背板部91の裏側面911を当接させて,釘88により固定し,上記背板部91の前方に縦胴縁40(縦張りの場合には横胴縁)をその下端面41が上記支承板部92に当接した状態で配設し,該縦胴縁40の前面42に留め付け金具6を介して最下段の上記外壁板2を留め付けてなる。
また,上記縦胴縁40の後面43側には,防水紙85が配設されている。
上記留め付け金具6は,上記縦胴縁40,上記防水紙85,上記背板部91を介して,構造躯体3に釘86によって固定してある。
【0005】
上記構造躯体3は,土台31の上面に土台パッキン32を介して配設された土台柱33及び縦柱34等からなる。上記土台パッキン32は,左右に間隔を設けて配設してある。
【0006】
上記土台部施工構造8は,外壁板2の表側面22を伝って流下してきた雨水を上記土台水切9の水切板部93によって受けると共に,前方へ排出するよう構成されている。また,上記外壁板2の下端部211と上記水切板部93との間から外気が導入されるようになっており,外壁板2の裏側面23と構造躯体3との間に通気層87が確保されている。
【0007】
また,外観意匠性の観点から,通常,前板部94が外壁板2の表面位置より数cm前方になるように施工すると共に,両者の位置関係を略一定となるようにする。
【0008】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記土台水切9は,一般に,鋼板の折り曲げ加工品,アルミ押出成形品,或いは板樹脂成形品等として製造されるため,一体形状品である。そのため,図22に示すごとく,土台部に上記土台水切9を施工したとき,該土台水切9と土台31の前面311との位置関係によっては,カバー板部95が,土台31の適切な位置に当接されないという不具合が発生することがある。
【0009】
即ち,上記土台水切3は,上述のごとく一体成形品であり,しかも,その機能上,ある程度の硬度を有する。そのため,例えば,上記カバー板部95の後端951を当接させる土台31の前面311が,図21に示す位置よりも左方(前方)に配置される場合には,上記カバー板部95を無理に湾曲させた状態で土台水切9を施工しなければならなくなる。
一方,上記カバー部材162を当接させる土台31の前面311が,図21に示す位置よりも右方(後方)に配置されている場合には,図22に示すごとく,該カバー板部95の後端951と土台31の前面311との間に隙間89が生じ,防鼠機能を充分に発揮することができなくなってしまう。
【0010】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,防鼠機能を確実に発揮すると共に,土台部の通気を確保することができ,かつ施工容易な土台水切及び土台部施工構造を提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】
第1の発明は,建築物の土台部に配設されると共に,外壁板の表側面を伝って流下してきた雨水を前方へ排出する土台水切において,
該土台水切は,互いに組み付けられた水切本体とカバー部材とからなり,
上記水切本体は,建築物の構造躯体に固定する背板部と,該背板部の下方において前方下方へ屈曲した水切板部と,該水切板部の前端から下方へ屈曲した前板部と,上記水切板部の上方において上記背板部から前方へ立設され胴縁等の下地材又は留め付け金具を支承するための支承板部と,該前板部の下方かつ後方において上記カバー部材を嵌合するカバー取付部とを備え,
上記カバー部材は,上記カバー取付部に接続するための接続部と,上記下方隙間部を塞ぐ閉塞部とを有し,該閉塞部は可撓性を有する樹脂により形成されており,
かつ,上記閉塞部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあり,
また,上記カバー部材は,上記前板部と上記建築物の土台の前面との間における下方隙間部から空気を取り入れて土台部の通気を図ると共に,鼠等の小動物の侵入を防ぐことができるよう構成されており,
上記カバー取付部の前方には,上記前板部に対して一定距離後方の位置に化粧板が配設されていることを特徴とする土台水切にある(請求項1)。
【0012】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記カバー部材における上記閉塞部は可撓性を有する樹脂により形成されている。そのため,上記閉塞部を上記土台の前面に容易かつ確実に当接させることができる。
即ち,上記土台の前面と上記土台水切の位置関係が一定に保たれていない場合にも,上記閉塞部の前後方向の長さを予め長めに形成しておくことにより,上記カバー部材の閉塞部を上記土台の前面に確実に当接させることができる。そして,上記閉塞部が可撓性を有する樹脂により形成されていることによって,該閉塞部が邪魔になることなく,上記土台水切を容易に施工できる。
これにより,上記カバー部材が上記下方隙間部を確実に塞いで,防鼠機能を確実に発揮するよう施工することができると共に,施工が容易となる。
【0013】
また,上記カバー部材の閉塞部には,上下に貫通した排水通気穴が設けられている。そのため,該排水通気穴から外気を取り入れることにより,土台部の通気を図ることができる。
【0014】
また,上記土台水切は,上記カバー部材を水切本体に取り付けることにより形成される。それ故,上記外壁板の厚みに応じて,水切本体を変更して,水切板部の長さの異なるものを使用する際にも,同種の上記カバー部材を用いることができる。そのため,安価な土台部施工構造を得ることができる。
【0015】
以上のごとく,本発明によれば,防鼠機能を確実に発揮すると共に,土台部の通気を確保することができ,かつ施工容易な土台水切を提供することができる。
【0016】
第2の発明は,外壁板の表側面を伝って流下してきた雨水を前方へ排出する土台水切を,建築物の土台部に配設してなる土台部施工構造において,
上記土台水切は,互いに組み付けられた水切本体とカバー部材とからなり,上記水切本体は,建築物の構造躯体に固定する背板部と,該背板部の下方において前方下方へ屈曲した水切板部と,該水切板部の前端から下方へ屈曲した前板部と,上記水切板部の上方において上記背板部から前方へ立設され胴縁等の下地材又は留め付け金具を支承するための支承板部と,該前板部の下方かつ後方において上記カバー部材を嵌合するカバー取付部とを備え,上記カバー部材は,上記カバー取付部に接続するための接続部と,上記下方隙間部を塞ぐ閉塞部とを有し,該閉塞部は可撓性を有する樹脂により形成されており,かつ,上記閉塞部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあり,上記カバー取付部の前方には,上記前板部に対して一定距離後方の位置に化粧板が配設されており,
上記土台部施工構造においては,上記土台水切が,上記建築物の構造躯体に,上記背板部の裏側面を当接させた状態で固定されており,胴縁等の下地材が,該下地材の下端面を上記支承板部に当接させた状態で上記背板部の前方に配設されており,最下段の上記外壁板が,上記下地材の前面に留め付け金具を介して留め付けられており,
かつ,上記カバー部材は,該カバー部材の後端を上記建築物の土台前面に当接させた状態で配設されていることにより,上記下方隙間部を閉塞して,上記前板部と上記建築物の土台の前面との間における下方隙間部から空気を取り入れて土台部の通気を図りつつ,鼠等の小動物の侵入を防ぐことができるよう構成されていることを特徴とする土台部施工構造にある(請求項4)。
【0017】
上記カバー部材における上記閉塞部は可撓性を有する樹脂により形成されている。そのため,上記閉塞部を上記土台の前面に容易かつ確実に当接させることができる。
これにより,上記カバー部材が上記下方隙間部を確実に塞いで,防鼠機能を確実に発揮するよう施工することができると共に,施工が容易となる。
【0018】
また,上記土台水切は,上記カバー部材を水切本体に取り付けることにより形成される。それ故,上記外壁板の厚みに応じて,水切本体を変更して,水切板部の長さの異なるものを使用する際にも,同種の上記カバー部材を用いることができる。そのため,安価な土台部施工構造を得ることができる。
以上のごとく,本発明によれば,防鼠機能を確実に発揮すると共に,土台部の通気を確保することができ,かつ施工容易な土台部施工構造を提供することができる。
【0019】
第3の発明は,外壁板の表側面を伝って流下してきた雨水を前方へ排出する土台水切を,建築物の土台部に配設してなる土台部施工構造において,
上記土台水切は,互いに組み付けられた水切本体とカバー部材とからなり,上記水切本体は,建築物の構造躯体に固定する背板部と,該背板部の下方において前方下方へ屈曲した水切板部と,該水切板部の前端から下方へ屈曲した前板部と,上記水切板部の上方において上記背板部から前方へ立設され胴縁等の下地材又は留め付け金具を支承するための支承板部と,該前板部の下方かつ後方において上記カバー部材を嵌合するカバー取付部とを備え,上記カバー部材は,上記カバー取付部に接続するための接続部と,上記下方隙間部を塞ぐ閉塞部とを有し,該閉塞部は可撓性を有する樹脂により形成されており,かつ,上記閉塞部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあり,上記カバー取付部の前方には,上記前板部に対して一定距離後方の位置に化粧板が配設されており,
上記土台部施工構造においては,上記土台水切が,上記建築物の構造躯体に,上記背板部の裏側面を当接させた状態で固定されており,留め付け金具が,該留め付け金具の下端面を上記支承板部に当接させた状態で,上記背板部の前方に配設されており,最下段の上記外壁板が上記留め付け金具に係止されており,
かつ,上記カバー部材は,該カバー部材の後端を上記建築物の土台前面に当接させた状態で配設されていることにより,上記下方隙間部を閉塞して,上記前板部と上記建築物の土台の前面との間における下方隙間部から空気を取り入れて土台部の通気を図りつつ,鼠等の小動物の侵入を防ぐことができるよう構成されていることを特徴とする土台部施工構造にある(請求項5)。
【0020】
この場合にも,上記第2の発明と同様に,防鼠機能を確実に発揮すると共に,土台部の通気を確保することができ,かつ施工容易な土台部施工構造を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明(請求項1)において,「前」とは建築物の外側方向を,「後」とは建築物の内側方向を,それぞれ意味する。また,土台水切等の各部材に関しては,構造躯体に固定した状態において,「前」,「後」,「上」,「下」を定義する。以下においても,同様とする。
【0022】
また,上記留め付け金具とは,外壁板を構造躯体に留め付けるための部材である。該留め付け金具は,例えば,外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部から前方に立設された支承部と,該支承部から斜め上方へ屈曲した上板係止部とを有する。また,上記上板係止部及び下板係止部の前方には,前方平板部が形成されていてることが好ましい。また,上記基板部は,その上部において斜め後方に後退した斜面部を有すると共に,下端部において略90°後方に屈曲した下方脚部を有することが好ましい。
また,上記構造躯体は,例えば,土台の上面に土台パッキンを介して配設された土台柱及び縦柱等からなる(図5参照)。
【0023】
また,上記土台水切は,上記カバー取付部を上記前板部よりも後方に設けてなり,該前板部に対する上記カバー取付部の前面の位置が,あたかも一定の位置にあるように見せるための化粧板を配設してなることが好ましい。
即ち,例えば,上記化粧板の前面には,上記カバー取付部の前面と同様の化粧面を形成する。
この場合には,一層外観意匠性に優れた土台水切を得ることができる。
【0024】
また,第1の発明(請求項1),第2の発明(請求項4),又は第3の発明(請求項5)において,上記カバー部材は,上記接続部と上記閉塞部とが夫々の機能を充分に発揮できる硬質の樹脂により形成してなることが好ましい。
この場合には,上記カバー部材を上記カバー取付部に,容易かつ安定して取り付けることができると共に,上記カバー部材の後端,即ち上記閉塞部の後端を,上記土台の前面に一層確実に当接させることができる。
例えば,上記カバー部材としては,樹脂系やゴム系の材料を,適切な硬度に調整したものを使用することができる。
【0025】
また,第1の発明(請求項1),第2の発明(請求項4),又は第3の発明(請求項5)において,上記支承板部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあることが好ましい(請求項2,請求項6)。
この場合には,構造躯体と外壁板との間において,万一,結露,或いは雨水の浸入があった場合にも,これらの水は流下して上記支承板部の排水通気穴から水切板部の上面へ排出することができる。
【0026】
また,上記水切板部の下面側及び上記前板部の後面側には,上記土台水切を左右に連結する連結板を嵌合させるための接合凹部が形成されていることが好ましい(請求項3)。
これにより,上記土台水切を複数個左右に継ぎ合せて配設した場合,隣合う左右の土台水切を上記連結板によって連結することができる。そのため,左右の土台水切が前後或いは上下にずれて配置されたり,両者の間に隙間が生じたりすることを防ぐことができる。
それ故,土台部の外観意匠性を向上させることができると共に,左右の土台水切の間からの漏水を防ぐことができる。
【0027】
次に,上記第2の発明(請求項4)又は上記第3の発明(請求項5)において,上記土台水切は,上記カバー取付部を上記前板部よりも後方に設けてなり,該前板部に対する上記カバー取付部の前面の位置が,あたかも一定の位置にあるように見せるための化粧面を有する化粧板を配設してなることが好ましい。
この場合には,一層外観意匠性に優れた土台水切を得ることができる。
【0028】
また,上記土台水切は,上記外壁板の厚みに応じた長さの水切板部を有しており,かつ,上記土台水切は,上記カバー取付部と上記背板部との互いの位置関係,及び上記化粧板と上記前板部との互いの位置関係が,それぞれ略一定となるよう配置していることが好ましい。
【0029】
この場合には,異なる厚みの外壁板を用いるのに伴い,水切板部の寸法が異なる水切本体を用いる場合にも,同寸法のカバー部材を用いることができる。それ故,土台部施工構造を安価に得ることができる。
また,上記化粧板を上記のごとく配設することにより,外壁板の表側面と,土台水切の前板部と,化粧板との位置関係を,略一定とすることができる。そのため,異なる厚みの外壁板を用いた土台部であっても,その外観を同様にすることができる。それ故,外観意匠性に優れた土台部施工構造を得ることができる。
【0030】
また,上記水切板部の下面側及び上記前板部の後面側には,上記土台水切を左右に連結する連結板を嵌合させるための接合凹部が形成されており,左右に隣合う上記土台水切は,上記接合凹部に嵌合した上記連結板を介して連結されていることが好ましい(請求項7)。
これにより,左右の土台水切が前後或いは上下にずれて配置されたり,両者の間に隙間が生じたりすることを防ぐことができる。それ故,土台部の外観意匠性を向上させることができると共に,左右の土台水切の間からの漏水を防ぐことができる。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる土台水切及び土台部施工構造につき,図1〜図9を用いて説明する。
本例の土台水切1は,図5に示すごとく,建築物の土台部に配設されると共に,外壁板2の表側面22を伝って流下してきた雨水を前方へ排出する。
【0032】
上記土台水切1は,図1に示すごとく,下記の水切本体19とこれに取り付けられたカバー部材16とを有する。
上記水切本体19は,建築物の構造躯体3に固定する背板部11と,該背板部11の下方において前方下方へ屈曲した水切板部12と,該水切板部12の前端から下方へ屈曲した前板部13とを有する。また,胴縁等の下地材4を支承するための支承板部14が,上記水切板部12の上方において上記背板部11から前方へ立設されている。また,上記前板部13の後方に,カバー取付部15が設けてある。
【0033】
そして,上記カバー部材16は,上記カバー取付部15に取り付けられ,図5に示す上記前板部13と上記土台31の前面311との間における下方隙間部71から空気を取り入れて土台部の通気を図ると共に,鼠等の小動物の侵入を防ぐ。
上記カバー部材16は,図1,図2,図5に示すごとく,上記カバー取付部15に接続するための接続部161と,上記下方隙間部71を塞ぐ閉塞部162とを有する。
【0034】
上記カバー部材16は,上記接続部161と上記閉塞部162とが夫々の機能を充分に発揮できる硬質(例えば90度)の樹脂により形成してなる。樹脂材料としては,例えばPVC(塩化ビニル)等がある。また,上記接続部161と上記閉塞部162とは,異なる材質で形成することもでき,その場合には,例えば,上記接続部161を硬質PVCにより形成し,上記閉塞部162を軟質PVCにより形成することができる。
即ち,上記カバー部材16のうち少なくとも上記閉塞部162は,充分な可撓性を有する樹脂材料により形成されている。
【0035】
また,上記土台水切1は,図1に示すごとく,上記カバー取付部15を上記前板部13の後方かつ下方に配設している。
また,図1〜図5に示すごとく,上記支承板部14,及び上記カバー部材16の閉塞部162には,上下に貫通した排水通気穴143,163が設けてある。
また,図1,図8に示すごとく,上記水切板部12の下面121側及び上記前板部13の後面131側には,上記土台水切1を左右に連結する連結板72(図7)を嵌合させるための接合凹部17が形成されている。
また,上記水切本体19は,例えば,アルミニウム,樹脂等の押し出し成形や,ガルバリウム鋼板,カラー鋼板等により形成されている。
【0036】
次に,上記土台水切1を用いた本例の土台部施工構造7につき,図5〜図9を用いて説明する。
該土台部施工構造7は,図5に示すごとく,建築物の構造躯体3に,上記土台水切1における背板部11の裏側面111を当接させて固定し,上記背板部11の前方に胴縁等の下地材4をその下端面41が上記支承板部14に当接した状態で配設している。そして,上記土台部施工構造7は,下地材4の前面42に留め付け金具6を介して最下段の上記外壁板2を留め付けてなる。
また,上記カバー部材16は,その後端166を上記土台31の前面311に当接させている。
【0037】
また,上記構造躯体3は,土台31の上面に土台パッキン32を介して配設された土台柱33及び縦柱34等からなる。上記土台パッキン32は,左右に間隔を設けて配設してある。
また,図5に示すごとく,上記下地材4の裏面43側には,防水紙76が配設されている。また,上記留め付け金具6は,ビス75によって,上記下地材4,防水紙76,土台水切1の背板部11を介して上記構造躯体3に固定してある。また,上記土台水切1は,背板部11において,上記構造躯体3に釘78によって固定されている。
【0038】
また,上記留め付け金具6とは,外壁板2を構造躯体3に留め付けるための部材である。図5,図6に示すごとく,該留め付け金具6は,外壁板2の裏側面23に当接する基板部61と,該基板部61から前方に立設された支承部62と,該支承部62から斜め上方へ屈曲した上板係止部63とを有する。また,上記上板係止部63及び下板係止部64の前方には,前方平板部634が形成されている。また,上記基板部61は,その上部において斜め後方に後退した斜面部611を有すると共に,下端部611において略90°後方に屈曲した下方脚部612を有する。
【0039】
上記留め付け金具6は,図5に示すごとく,上記支承部62によって最下段の外壁板2の下辺部21を支承すると共に,上記上板係止部63によって上記外壁板2の下辺部21を係止する。なお,上記留め付け金具6は,上記支承部62から斜め下方へ屈曲した下板係止部64を有しており,土台部以外にも用いられる(図示略)。この場合には,上記下板係止部64によって下側の外壁板2の上辺部を係止する一方で,上記支承部62によって上側の外壁板2の下辺部21を支承すると共に,上記上板係止部63によって上記外壁板2の下辺部21を係止する。
【0040】
また,図9に示すごとく,左右に隣合う上記土台水切1は,上記接合凹部17に嵌合した上記連結板72を介して連結されている。
該連結板72は,図7に示すごとく,断面略L字状の金属板或いは樹脂板からなる。そして,図8に示すごとく,上記連結板72は,上記土台水切1に設けた2つの接合凹部17に,両端部721を嵌合させつつ,水切部12の下面121と前板部部13の後面131に沿った状態で配設される。
かかる状態で,上記連結板72を左右の土台水切1に嵌合させることにより,図9に示すごとく,該左右の土台水切1を連結することができる。
【0041】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記カバー部材16における上記閉塞部162は可撓性を有する樹脂により形成されている。そのため,図5に示すごとく,上記閉塞部162を上記土台31の前面311に容易かつ確実に当接させることができる。
【0042】
即ち,上記土台31の前面311と上記土台水切1の位置関係が規定寸法に保たれていない場合にも,上記閉塞部162の前後方向の長さを予め長めに形成しておくことにより,上記カバー部材16の閉塞部162の後端166を上記土台31の前面311に確実に当接させることができる。そして,上記閉塞部162が可撓性を有する樹脂により形成されていることによって,該閉塞部162が邪魔になることなく,上記土台水切1を容易に施工できる。
【0043】
これにより,上記カバー部材16が上記下方隙間部71を確実に塞いで,防鼠機能を確実に発揮するよう施工することができると共に,施工が容易となる。
また,上記土台水切1は,上記カバー部材16を水切本体19に取り付けることにより形成される。それ故,上記外壁板1の厚みに応じて,水切本体19を変更して,水切板部12の長さの異なるものを使用する際にも,同種の上記カバー部材16を用いることができる。そのため,安価な土台部施工構造7を得ることができる。
【0044】
また,図1,図2,図4,図5に示すごとく,上記カバー部材16の閉塞部162には,上下に貫通した排水通気穴163が設けられている。そのため,該排水通気穴163から外気を取り入れ,土台パッキン32の間を通過させることにより,土台部の通気を図ることができる。
【0045】
また,上記カバー部材16は,上記接続部161と上記閉塞部162とが夫々の機能を充分に発揮できる硬質の樹脂により形成してなる。そのため,上記カバー部材16を上記カバー取付部15に,容易かつ安定して取り付けることができると共に,上記カバー部材16の後端166,即ち上記閉塞部162の後端を,上記土台31の前面311に一層確実に当接させることができる。
【0046】
また,上記支承板部14には,排水通気穴143が設けてある(図1,図3,図5)。そのため,構造躯体3と外壁板2との間において,万一,結露,或いは雨水の浸入があった場合にも,これらの水は流下して上記排水通気穴143から,水切板部12の上面へ排出される。
【0047】
また,上記水切板部12の下面121側及び上記前板部13の後面131側には,上記接合凹部17が形成されている。これにより,上記土台水切1を複数個左右に継ぎ合せて配設した場合,隣合う左右の土台水切1を上記連結板72によって簡単に連結することができる。そのため,左右の土台水切1が前後或いは上下にずれて配置されたり,両者の間に隙間が生じたりすることを防ぐことができる。
それ故,土台部の外観意匠性を向上させることができると共に,左右の土台水切1の間からの漏水を防ぐことができる。
【0048】
以上のごとく,本例によれば,防鼠機能を確実に発揮すると共に,土台部の通気を確保することができ,かつ施工容易な土台水切及び土台部施工構造を提供することができる。
【0049】
(実施例2)
本例は,図10,図11に示すごとく,土台部施工構造7に厚みの大きい外壁板2を用いると共に,これに応じて長い水切板部12を有する土台水切10を用いた例である。上記外壁板2の厚みは,例えば約25mmである。
上記土台水切10は,前板部13に対する上記カバー取付部15の前面の位置が,あたかも一定の位置にあるように見せるための化粧板18を配設してなる。
【0050】
即ち,上記土台水切10は,最下段の上記外壁板2の厚みに応じた長さの水切板部12を有している。そして,上記土台水切10は,上記カバー取付部15と上記背板部11との互いの位置関係,及び上記化粧板18と上記前板部13との互いの位置関係が,それぞれ略一定となるよう配置している。
また,上記化粧板18は,図1,図5に示すごとく,上記カバー取付部15の前面部分151と一体となっていてもよい。
【0051】
従って,例えば,厚み16mmの外壁板2を土台部に配設する場合には,上記外壁板2の厚み(16mm)に応じた,図1に示す土台水切1を用いる(図5)。また,例えば,厚み25mmの外壁板2を土台部に配設する場合には,上記外壁板2の厚み(25mm)に応じた,図10に示す土台水切10を用いる(図11)。
2種類の土台水切1,10は,上記水切板部12の長さが異なるが,上記化粧板18と上記前板部13との位置関係,即ち前後方向に関する両者間の距離Aは,略同じである(図5,図11)。
【0052】
各土台水切1,10は,上記カバー取付部15と上記背板部11との互いの位置関係,即ち前後方向に関する両者間の距離Bについても略一定となるように形成されている(図5,図11)。そして,カバー部材16は,同様の形状のものを用いている。
その他は,実施例1と同様である。
【0053】
この場合には,異なる厚みの外壁板2を用いるのに伴い,異なる形状の水切本体1,10を用いる場合にも,同寸法のカバー部材16を用いることができる。それ故,土台部施工構造7を安価に得ることができる。
また,上記化粧板18を上記のごとく配設することにより,外壁板2の表側面22と,土台水切の前板部13と,化粧板18との位置関係を,略一定とすることができる。そのため,異なる厚みの外壁板2を用いた土台部であっても,その外観を同様にすることができる。それ故,外観意匠性に優れた土台部施工構造7を得ることができる。
その他,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0054】
(実施例3)
本例は,図12〜図14に示すごとく,スペーサ部53を有する留め付け金具5を用いた土台部施工構造70の例である。
上記留め付け金具5は,図14に示すごとく,平坦な裏側面511を有する基板部51と,該基板部51から前方に立設された支承部52とを有する。また,上記留め付け金具5は,上記支承部52から上方へ屈曲した上板係止部521と,上記支承部52から下方へ屈曲した下板係止部522と,上記基板部51の左右両側に形成されたスペーサ部53とを有する。該スペーサ部53は,上記基板部51よりも前方かつ上記支承部52の前端523より後方に形成されている。
【0055】
上記スペーサ部53は,図14に示すごとく,上記基板部51の左右両側を前方に屈曲させた後,外側に屈曲させ,更に,後方へ屈曲させることにより断面コ字状に形成してある。
また,上記上板係止部521の先端と下板係止部522の先端は,前方平板部524によって連結されている。
【0056】
上記土台部施工構造70は,図12,図13に示すごとく,実施例1又は2において示した土台水切1,10を,建築物の土台部に配設してなる。
上記土台部施工構造70においては,上記建築物の構造躯体3に,上記背板部11の裏側面111を当接させて固定している。そして,上記背板部11の前方に上記留め付け金具5をその下端面59が上記土台水切1,10の支承板部14に当接した状態で配設する。
また,該留め付け金具5に最下段の上記外壁板2を係止させている。即ち,上記外壁板2の裏側面23をスペーサ部53に当接させ,下辺部21を上記支承部52に支承させると共に,上記上板係止部521に係止させている。
【0057】
また,図12,図13に示すごとく,上記土台部施工構造70は,実施例2と同様に,異なる厚みの外壁板2を用い,更に該外壁板2の厚みに応じた土台水切1,10を用いて施工してある。その他は,実施例1と同様である。
【0058】
この場合には,上記留め付け金具5のスペーサ部53により,構造躯体3と外壁板2との間に通気層77を形成することができる。そのため,胴縁等の下地材を施工する必要がないため,簡単な構造で,施工容易で,安価な土台部施工構造を得ることができる。
その他,実施例1及び実施例2と同様の作用効果を有する。
【0059】
(実施例4)
本例は,図15〜図18に示すごとく,土台水切の水切本体とカバー部材との接合方法を,種々に変化させた例である。
図15〜図18に示す土台水切1a〜1dは,カバー取付部15の前面部分を,前板部13の下方に連続させて配置している。
【0060】
そして,図15に示す土台水切1aは,上記カバー部材16の接続部161に上下一対の突出部16aを有しており,該一対の突出部16aを上記水切本体19のカバー取付部15に差し込むことにより,上記水切本体19にカバー部材16を取り付けている。
【0061】
図16に示す土台水切1bは,カバー取付部15が上方嵌合部15bと後方嵌合部15eとを有している。また,上記カバー部材16の接続部161は,上方係止端16bと後方係止端16eとを有する。そして,上記上方係止端16bを上記上方嵌合部15bに嵌入し,上記後方係止端16eを後方嵌合部15eに嵌入することにより,上記水切本体19にカバー部材16を取り付けている。
【0062】
図17に示す土台水切1cは,カバー取付部15に,互いに対向して形成された上方嵌合部15cと下方嵌合部15fとを有している。また,上記カバー部材16の接続部161は,互いに反対側へ突出形成された上方係止端16cと下方係止端16fとを有する。そして,上記上方係止端16cを上記上方嵌合部15cに嵌入し,上記下方係止端16fを下方嵌合部15fに嵌入することにより,上記水切本体19にカバー部材16を取り付けている。
【0063】
図18に示す土台水切1dは,カバー取付部15に,共に上方へ向って折り曲げられた,上方屈曲部15dと下方屈曲部15gとを有する。また,上記カバー部材16の接続部161は,共に下方へ突出した,上方鈎部16dと下方鈎部16gとを有する。そして,上記上方鈎部16dを上記上方屈曲部15dに係止し,上記下方鈎部16gを上記下方屈曲部15gに係止することにより,上記水切本体19にカバー部材16を取り付けている。
なお,本発明には,上述の接合方法以外にも,種々の接合方法を適用することができる。
【0064】
(実施例5)
本例は,図19に示すごとく,背板部11が外側になる状態で上面視略L字状に形成した土台水切1の例である。該土台水切1は,建築物の入隅部における土台部分に配設する。その他は,実施例1と同様である。
これにより,実施例1と同様の作用効果を有する土台部施工構造を入隅部において構成することができる。
【0065】
(実施例6)
本例は,図20に示すごとく,背板部11が内側になる状態で上面視略L字状に形成した土台水切1の例である。該土台水切1は,建築物の出隅部における土台部分に配設する。その他は,実施例1と同様である。
これにより,実施例1と同様の作用効果を有する土台部施工構造を出隅部において構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,土台水切の斜視図。
【図2】実施例1における,カバー部材の斜視図。
【図3】実施例1における,土台水切の上面図。
【図4】実施例1における,カバー部材の上面図。
【図5】実施例1における,土台部施工構造の縦断面図。
【図6】実施例1における,留め付け金具の斜視図。
【図7】実施例1における,連結板の斜視図。
【図8】実施例1における,土台水切に嵌合された連結板の斜視図。
【図9】実施例1における,左右の土台水切の接合部分を示す上面図。
【図10】実施例2における,土台水切の斜視図。
【図11】実施例2における,土台部施工構造の縦断面図。
【図12】実施例3における,土台部施工構造の縦断面図。
【図13】実施例3における,厚みの大きい外壁板を配設した土台部施工構造の縦断面図。
【図14】実施例3における,留め付け金具の斜視図。
【図15】実施例4における,土台水切の水切本体とカバー部材との接合方法の説明図。
【図16】実施例4における,土台水切の水切本体とカバー部材との接合方法の説明図。
【図17】実施例4における,土台水切の水切本体とカバー部材との接合方法の説明図。
【図18】実施例4における,土台水切の水切本体とカバー部材との接合方法の説明図。
【図19】実施例5における,土台水切の上面図。
【図20】実施例6における,土台水切の上面図。
【図21】従来例における,土台部施工構造の縦断面図。
【図22】従来例における,不具合の生じた土台部施工構造の縦断面図。
【符号の説明】
1...土台水切,
11...背板部,
12...水切板部,
13...前板部,
14...支承板部,
15...カバー取付部,
16...カバー部材,
161...接続部,
162...閉塞部,
163...排水通気穴,
17...接合凹部,
19...水切本体,
2...外壁板,
21...下辺部,
22...表側面,
3...構造躯体,
4...下地材,
5...留め付け金具,
6...留め付け金具,
7,70...土台部施工構造,
71...下方隙間部,
72...連結板,
Claims (7)
- 建築物の土台部に配設されると共に,外壁板の表側面を伝って流下してきた雨水を前方へ排出する土台水切において,
該土台水切は,互いに組み付けられた水切本体とカバー部材とからなり,
上記水切本体は,建築物の構造躯体に固定する背板部と,該背板部の下方において前方下方へ屈曲した水切板部と,該水切板部の前端から下方へ屈曲した前板部と,上記水切板部の上方において上記背板部から前方へ立設され胴縁等の下地材又は留め付け金具を支承するための支承板部と,該前板部の下方かつ後方において上記カバー部材を嵌合するカバー取付部とを備え,
上記カバー部材は,上記カバー取付部に接続するための接続部と,上記下方隙間部を塞ぐ閉塞部とを有し,該閉塞部は可撓性を有する樹脂により形成されており,
かつ,上記閉塞部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあり,
また,上記カバー部材は,上記前板部と上記建築物の土台の前面との間における下方隙間部から空気を取り入れて土台部の通気を図ると共に,鼠等の小動物の侵入を防ぐことができるよう構成されており,
上記カバー取付部の前方には,上記前板部に対して一定距離後方の位置に化粧板が配設されていることを特徴とする土台水切。 - 請求項1において,上記支承板部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあることを特徴とする土台水切。
- 請求項1又は2において,上記水切板部の下面側及び上記前板部の後面側には,上記土台水切を左右に連結する連結板を嵌合させるための接合凹部が形成されていることを特徴とする土台水切。
- 外壁板の表側面を伝って流下してきた雨水を前方へ排出する土台水切を,建築物の土台部に配設してなる土台部施工構造において,
上記土台水切は,互いに組み付けられた水切本体とカバー部材とからなり,上記水切本体は,建築物の構造躯体に固定する背板部と,該背板部の下方において前方下方へ屈曲した水切板部と,該水切板部の前端から下方へ屈曲した前板部と,上記水切板部の上方において上記背板部から前方へ立設され胴縁等の下地材又は留め付け金具を支承するための支承板部と,該前板部の下方かつ後方において上記カバー部材を嵌合するカバー取付部とを備え,上記カバー部材は,上記カバー取付部に接続するための接続部と,上記下方隙間部を塞ぐ閉塞部とを有し,該閉塞部は可撓性を有する樹脂により形成されており,かつ,上記閉塞部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあり,上記カバー取付部の前方には,上記前板部に対して一定距離後方の位置に化粧板が配設されており,
上記土台部施工構造においては,上記土台水切が,上記建築物の構造躯体に,上記背板部の裏側面を当接させた状態で固定されており,胴縁等の下地材が,該下地材の下端面を上記支承板部に当接させた状態で上記背板部の前方に配設されており,最下段の上記外壁板が,上記下地材の前面に留め付け金具を介して留め付けられており,
かつ,上記カバー部材は,該カバー部材の後端を上記建築物の土台前面に当接させた状態で配設されていることにより,上記下方隙間部を閉塞して,上記前板部と上記建築物の土台の前面との間における下方隙間部から空気を取り入れて土台部の通気を図りつつ,鼠等の小動物の侵入を防ぐことができるよう構成されていることを特徴とする土台部施工構造。 - 外壁板の表側面を伝って流下してきた雨水を前方へ排出する土台水切を,建築物の土台部に配設してなる土台部施工構造において,
上記土台水切は,互いに組み付けられた水切本体とカバー部材とからなり,上記水切本体は,建築物の構造躯体に固定する背板部と,該背板部の下方において前方下方へ屈曲した水切板部と,該水切板部の前端から下方へ屈曲した前板部と,上記水切板部の上方において上記背板部から前方へ立設され胴縁等の下地材又は留め付け金具を支承するための支承板部と,該前板部の下方かつ後方において上記カバー部材を嵌合するカバー取付部とを備え,上記カバー部材は,上記カバー取付部に接続するための接続部と,上記下方隙間部を塞ぐ閉塞部とを有し,該閉塞部は可撓性を有する樹脂により形成されており,かつ,上記閉塞部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあり,上記カバー取付部の前方には,上記前板部に対して一定距離後方の位置に化粧板が配設されており,
上記土台部施工構造においては,上記土台水切が,上記建築物の構造躯体に,上記背板部の裏側面を当接させた状態で固定されており,留め付け金具が,該留め付け金具の下端面を上記支承板部に当接させた状態で,上記背板部の前方に配設されており,最下段の上記外壁板が上記留め付け金具に係止されており,
かつ,上記カバー部材は,該カバー部材の後端を上記建築物の土台前面に当接させた状態で配設されていることにより,上記下方隙間部を閉塞して,上記前板部と上記建築物の土台の前面との間における下方隙間部から空気を取り入れて土台部の通気を図りつつ,鼠等の小動物の侵入を防ぐことができるよう構成されていることを特徴とする土台部施工構造。 - 請求項4又は5において,上記支承板部には,上下に貫通した排水通気穴が設けてあることを特徴とする土台部施工構造。
- 請求項4〜6のいずれか一項において,上記水切板部の下面側及び上記前板部の後面側には,上記土台水切を左右に連結する連結板を嵌合させるための接合凹部が形成されており,左右に隣合う上記土台水切は,上記接合凹部に嵌合した上記連結板を介して連結されていることを特徴とする土台部施工構造。
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