JP3632462B2 - 音声応答機能付電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、マイクから入力された音声の長さ、周波数および大きさを基に、その音声が所定の長さ、周波数および大きさの範囲内に属する音声であると認識された場合に、オフフック操作を行わなくてもマイクとスピーカを介してハンズフリー通話を開始可能な音声応答機能を備えた音声応答機能付電話装置に係り、特に、音声認識部を介して判断される音声の適合範囲の判断基準を容易に設定可能な音声応答機能付電話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、電話装置に向かって、例えば「ハーイ」などの返事をすることにより、通信相手先との間でハンズフリー通話を開始可能な音声応答機能を備えた音声応答機能付電話装置が実用化されている。
【0003】
この種の音声応答機能付電話装置では、使用者による音声応答と、電話装置の周辺における種々の雑音とを区別するために、概ね0.2秒〜0.8秒の長さ、400Hz〜1500Hzの周波数および−30dB以上の大きさからなる音声が認識された時にだけハンズフリー通話を開始するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、人が発声する音声には個人差があり、万人による音声応答を可能にするためには、ハンズフリー通話を開始するための音声の長さ、周波数および大きさの範囲を広めに設定する必要が生じていた。
【0005】
このようなハンズフリー通話を開始するための音声の長さ、周波数および大きさの範囲は、広く取りすぎると使用者による音声応答と周囲の雑音とを区別できなくなり、音声応答機能の誤作動を招き、逆に、狭く取りすぎると使用者による音声応答を受け付けなくなり、音声応答機能の使い勝手を悪くするという問題が生じていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ハンズフリー通話を開始するための音声の長さ、周波数および大きさの範囲を、使用者毎の音声もしくは電話装置の周辺の環境に適した範囲に設定可能とすることにより、音声応答機能の利便性を損ねること無く、周囲の雑音による音声応答機能の誤作動を良好に防止可能な音声応答機能付電話装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の音声応答機能付電話装置は、音声の入力を行うマイクと、音声の出力を行うスピーカと、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、前記マイクから入力された音声の長さ、周波数および大きさが、適合範囲内に属する音声か否かを判断する音声認識部と、前記音声認識部による判断結果に基づき、通信相手先との通信を前記マイクおよびスピーカを介して開始可能な音声応答部と、前記音声の適合範囲を任意に設定可能な適合範囲設定部と、前記適合範囲設定部を介して設定された前記音声の適合範囲を表示可能な表示部と、を備え、前記適合範囲設定部は、前記音声の大きさに基づいて前記音声の大きさの適合範囲を段階的に設定可能であることを特徴とするものである。
【0008】
この音声応答機能付電話装置によれば、音声応答機能を介して通信相手先との通信を開始するための音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、適合範囲設定部を介して任意に設定可能となる。これにより、使用者による音声応答を受付可能で、かつ周囲の雑音による音声応答機能の誤作動が生じないような音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、最適範囲に設定できるので、音声応答機能の誤作動を良好に防止可能にするとともに、使用者にとって使い勝手の良いものとなる。また、適合範囲は表示部を介して目視しながら設定できるので、適合範囲の設定が容易になるとともに、使い勝手の良いものとなる。
更に、音声応答機能を介して通信相手先との通信を開始するための音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、適合範囲設定部を介して音声の大きさに基づいて音声の大きさの適合範囲を段階的に設定および表示可能となるので、簡易な構成でかつ効果的に音声応答機能の誤作動を防止でき、使用者にとっても非常に使い勝手が良い。
【0009】
また、請求項2記載の音声応答機能付電話装置は、音声の入力を行うマイクと、音声の出力を行うスピーカと、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、前記マイクから入力された音声の長さ、周波数および大きさが、適合範囲内に属する音声か否かを判断する音声認識部と、前記音声認識部による判断結果に基づき、通信相手先との通信を前記マイクおよびスピーカを介して開始可能な音声応答部と、前記音声の適合範囲を任意に設定可能な適合範囲設定部と、前記適合範囲設定部を介して設定された前記音声の適合範囲を表示可能な表示部と、を備え、前記適合範囲設定部は、前記音声の長さに基づいて前記音声の長さの適合範囲を段階的に設定可能であることを特徴とするものである。
【0010】
この音声応答機能付電話装置によれば、音声応答機能を介して通信相手先との通信を開始するための音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、適合範囲設定部を介して任意に設定可能となる。これにより、使用者による音声応答を受付可能で、かつ周囲の雑音による音声応答機能の誤作動が生じないような音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、最適範囲に設定できるので、音声応答機能の誤作動を良好に防止可能にするとともに、使用者にとって使い勝手の良いものとなる。また、適合範囲は表示部を 介して目視しながら設定できるので、適合範囲の設定が容易になるとともに、使い勝手の良いものとなる。
更に、音声応答機能を介して通信相手先との通信を開始するための音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、適合範囲設定部を介して音声の長さに基づいて音声の長さの適合範囲を段階的に設定および表示可能となるので、簡易な構成でかつ効果的に音声応答機能の誤作動を防止でき、使用者にとっても非常に使い勝手が良い。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の音声応答機能を備えたコードレス親子電話装置のブロック構成図であり、このコードレス親子電話装置は、図1(A)に示されるように外部通信回線と接続された親機10と、図1(B)に示されるように親機10と無線通信回線を介して通信可能な子機50とから構成されている。
【0012】
このコードレス親子電話装置に備えられた親機10は、留守番電話機能、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの各種機能を備えた多機能型電話装置であり、主要な構成要素として、制御の中枢を司る親機コントローラ11、親機操作パネル13、親機液晶ディスプレイ(LCD)15、親機呼出ベル17、スキャナ19、プリンタ21、符号/復号器23、モデム25、回線制御回路(NCU)27、ハンドセット29、親機スピーカ31、親機マイク33、親機無線通信制御回路35、親機アンテナ37および切換器39を備えている。
【0013】
親機コントローラ11は、CPU、ROM、RAM、EEPROM、タイマおよび音声認識部12などを備える論理演算回路であり、そのCPUにより、後述する音声感度調整処理や音声応答処理などの各種制御処理を実行する。尚、CPUが実行する各種制御処理用のプログラムや制御処理に必要なデータなどは予めROMに記憶されている。また、RAMは各種制御処理においてワークエリアやバッファとして使用される。さらに、EEPROMは電話帳登録などの情報を記憶しておくために設けられている。また、タイマは後述する音声感度調整処理や音声応答処理における音声の継続時間を計時するためなどに使用される。加えて、音声認識部12は親機マイク33もしくは後述する子機マイク63から入力された音声について、その音声の長さ、周波数および大きさが適合範囲に該当しているか否かの判断を行うために設けられている。
【0014】
親機操作パネル13は、外部通信回線を介して通信するために、電話番号やファクシミリ番号の入力などに使用するテンキー、電話帳登録などの際に押下する確定キー、外部通信回線からの呼出信号に対する対応を留守番電話モードやファクシミリ専用モードなどにモード設定するモード設定キー、後述する音声感度調整処理の際に音声感度のレベルを段階的に変更する感度変更キーなどを備えている。また、親機LCD15は、ファクシミリ送信機能を起動させたりする際の機能選択用の表示を行ったり、ナンバーディスプレイサービスに対応した通信相手先の電話番号を表示したり、後述する音声感度調整処理の際に音声感度のレベルを段階的に表示したりする。さらに、親機呼出ベル17は、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、1秒間鳴動、2秒間無鳴動を繰り返すことにより呼出信号の着信を親機10周辺の使用者に報知する。
【0015】
スキャナ19は、ファクシミリ送信を行ったり、コピーを行ったりする際に、原稿を読み取るために設けられている。また、プリンタ21は、外部通信回線から受信したファクシミリデータを記録紙に印字出力したり、あるいは、スキャナ19により読み取られた原稿の画像データを記録紙に印字出力するコピー機能を実行するために設けられている。
【0016】
符号/復号器23は、ファクシミリ送信に当たってスキャナ19により読み取られた画像データをG3圧縮形式などのファクシミリ送信用のデータ形式に符号化したり、逆にファクシミリ受信した圧縮形式の画像データをプリンタ21が出力可能な形式のデータに複合化するために設けられている。
【0017】
モデム25およびNCU27は、外部通信回線を介して通信相手先と通信を行う場合やファクシミリ送受信を行うために設けられている。また、モデム25は、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、親機マイク33もしくは後述する子機マイク63から入力された音声を基にディジタル信号処理するDSPとしても機能しており、このモデム25を介して得られたディジタル信号に基づいて、親機10もしくは子機50の周辺で音声応答が行われたかを親機コントローラ11に備えられた音声認識部12により判断する構成となっている。
【0018】
ハンドセット29は、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、オフフックすることにより、外部通信回線を介して通信を行うものである。また、親機スピーカ31は、ハンズフリー通話の際に、通信相手先の音声を出力するために設けられている。さらに、親機マイク33は、ハンズフリー通話の際に、使用者の音声を入力したり、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、親機10周辺の音声を入力するために設けられている。また、親機無線通信制御回路35は、親機アンテナ37を介して親機10と子機50との間で無線通信を行うために設けられている。さらに、切換器39は、モデム25に対して親機マイク33からの音声入力と親機アンテナ37を介して受信した子機マイク63からの音声入力のいずれかを切換入力するためのものである。
【0019】
子機50は、主要な構成要素として、制御の中枢を司る子機コントローラ51、子機操作パネル53、子機液晶ディスプレイ(LCD)55、子機呼出ベル57、子機スピーカ61、子機マイク63、子機無線通信制御回路65および子機アンテナ67を備えている。
【0020】
子機コントローラ51は、CPU、ROM、RAM、EEPROMなどを備える論理演算回路であり、そのCPUにより、各種制御処理を実行する。尚、CPUが実行する各種制御処理用のプログラムや制御処理に必要なデータなどは予めROMに記憶されている。また、RAMは各種制御処理においてワークエリアやバッファとして使用される。さらに、EEPROMは電話帳登録などの情報を記憶しておくために設けられている。
【0021】
子機操作パネル53は、外部通信回線を介して通信を行うために、電話番号やファクシミリ番号の入力に使用するテンキー、外部通信回線からの呼出信号を検出した際にオフフック操作を行うための通話開始キー、電話帳登録の際に押下する確定キー、後述する音声感度調整処理の際に音声感度のレベルを段階的に変更する感度変更キーなどを備えている。また、子機LCD55は、ナンバーディスプレイサービスに対応した通信相手先の電話番号を表示したり、後述する音声感度調整処理の際に音声感度のレベルを段階的に表示したりする。さらに、子機呼出ベル57は、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、1秒間鳴動、2秒間無鳴動を繰り返すことにより呼出信号の着信を子機50周辺の使用者に報知する。
【0022】
子機スピーカ61は、外部通信回線を介して通信相手先との通話を行ったり、親機10との内線通話などの際に、相手の音声を出力するために設けられている。また、子機マイク63は、外部通信回線との通信や内線通話の際に、使用者からの音声を入力するために設けられている。尚、子機マイク63は、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、子機50周辺の音声を入力する役割も持っている。さらに、子機無線通信制御回路65は、子機アンテナ67を介して子機50と親機10との間で無線通信を行うために設けられている。また、子機マイク63は、外部通信回線との通信や内線通話の際に、使用者からの音声を入力するために設けられている。尚、子機マイク63は、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、子機50周辺の音声を入力する役割も持っている。さらに、子機無線通信制御回路65は、子機アンテナ67を介して子機50と親機10との間で無線通信を行うために設けられている。
【0023】
次に、親機マイク33もしくは子機マイク63から入力された音声が、音声認識部12を介して所定の音声か否かの判断をする際に用いられる音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、使用者毎に適した設定にする音声感度調整処理について、図2および図3を参照しながら詳細に説明する。尚、この音声感度調整処理は、電話装置の待機状態において、親機操作パネル13もしくは子機操作パネル53に設けられた感度変更キーを操作することにより実行される構成となっている。
【0024】
まず、この音声感度調整処理が開始されると、親機LCD15もしくは子機LCD55に図3(a)に示されるような音声入力を指示する表示が行われる(S1)。次いで、使用者からの音声応答が親機マイク33もしくは子機マイク63を介して入力されたか否かの判断を行い(S3)、音声認識部12を介して音声応答が認識された場合(S3:YES)は、音声応答が受け付けられた旨を「ピッ、ピッ」などの音声により使用者へ報知するとともに(S5)、親機LCD15もしくは子機LCD55上に図3(b)に示されるような表示を行う(S7)。尚、親機マイク33もしくは子機マイク63を介して入力された音声は、切換器39を介してどちらか一方がモデム25へ選択的に入力され、モデム25などを介してディジタル信号処理されたディジタルデータを親機コントローラ11に設けられた音声認識部12によって所定の長さ、周波数および大きさからなる音声であるか判断しており、上述した親機マイク33もしくは子機マイクからの音声応答がないと判断される状態(S3:NO)は、音声の長さ、周波数または大きさのいずれかが所定値に適合していない時を示している。
【0025】
ここで、例えば「ハーイ」と言う音声応答をしているにも拘わらず音声応答が受け付けられない場合(S3:NO)や、「ハーイ」と言っていないのに周囲の雑音に反応して音声応答が受け付けられた場合(S3:YES)は、音声認識部12の音声応答の判断基準としている適合範囲が、使用者や周囲の環境に適しておらず、前者は音声感度が悪すぎて使用者の音声を検出できず、後者は音声感度が良すぎて周囲の不要な雑音にも反応しているため、両者とも使用者や環境に合った適合範囲に設定する必要があると言える。
【0026】
次に、親機操作パネル13もしくは子機操作パネル53に備えられた感度変更キーが押下されたか否か判断し(S9)、感度変更キーが押下された場合(S9:YES)は、図3(c)および図3(d)に示されるように、変更後の感度レベルを表示する(S11)とともに、その感度レベルに一時変更処理する(S13)。尚、感度レベルは図3(c)および図3(d)に示されるように4段階に変更可能で、本実施の形態では音声の大きさ(dB)を、−32dB以上、−30dB以上、−28dB以上、−26dB以上の4段階に設定可能な構成となっている。
【0027】
感度レベルを一時的に変更した(S13)後は、再びS1の処理へと移行し、一時変更した(S13)の感度レベルで良好な音声応答が可能となったかを確認し、使用者もしくは環境に適した音声応答が可能となるまでS1〜S13までの処理を繰り返し実行する。
【0028】
これらS1〜S13の処理は、S9の処理で感度変更キーが押下されずに(S9:NO)、親機操作パネル13もしくは子機操作パネル53に設けられた停止キーが押下される(S14:YES)か、もしくは、親機操作パネル13もしくは子機操作パネル53に設けられた確定キーが押下される(S15:YES)まで繰り返される。
【0029】
ここで、停止キーが押下された場合(S14:YES)は、感度変更確定(S19)を行うこと無く、この感度調整処理を終了する。一方、確定キーの押下が確認された場合(S15:YES)は、確定キーが押下された旨を親機LCD15もしくは子機LCD55上に表示するとともに(S17、図3(e)参照)、確定キーの押下された時(S15:YES)の感度レベルに設定変更して(S19)、この感度調整処理を終了する。尚、停止キーおよび確定キーが押下されない場合(S14:NO、S15:NO)は、再度S3の処理へと移行し、上述したS1〜S15の処理を繰り返す構成となっている。
【0030】
次に、外部通信回線からの呼出信号を検出した際の音声応答処理について、図4に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。尚、使用者は電話装置の待機状態(S21:NO)において、予め親機操作パネル13のモード設定キーを介して、留守番電話モードあるいはFAX専用モードなどの各種モード設定をすることにより、外部通信回線からの呼出信号に対する対応を選択的に設定可能な構成となっている。
【0031】
まず、電話装置の待機状態(S21:NO)において、外部通信回線からの呼出信号がNCU27を介して検出されると(S21:YES)、親機呼出ベル17および子機呼出ベル57の鳴動を開始するとともに、予め使用者により親機操作パネル13のモード設定キーを介して留守番電話モードにモード設定されているか判別し(S23)、留守番電話モードにモード設定されていない場合(S23:NO)は、同様に、FAX専用モードにモード設定されているか判別を行う(S25)。
【0032】
ここで、留守番電話モード(S23:YES)またはFAX専用モード(S25:YES)にモード設定されている場合は、所定時間内に使用者によるオフフックが行われたか判別を行う(S29)。ここで、留守番電話モード(S23:YES)もしくはFAX専用モード(S25:YES)にモード設定されており、所定時間内にオフフックが検出されない場合(S29:NO)は、図示しない留守番電話機能もしくはファクシミリ機能を作動させる。尚、この留守番電話機能は、通信相手先に外部通信回線を介して所定のメッセージを送信するとともに、通信相手先のメッセージを親機コントローラ11に設けられたRAMに記憶する処理を行い、一方、ファクシミリ機能は、外部通信回線からのファクシミリデータを受信するとともに、親機10に設けられたプリンタ21を介して印字出力する処理を行う。このように、留守番電話モード(S23:YES)もしくはFAX専用モード(S25:YES)にモード設定されている場合においても、外部通信回線からの呼出信号を検出した時から所定時間内に使用者がオフフックをする(S29:YES)ことにより、留守番電話機能もしくはファクシミリ機能を実行することなく、通信相手先との通話を行うことができるような構成となっている。
【0033】
また、留守番電話モードおよびFAX専用モードにモード設定されていない場合(S23:NO、S25:NO)は、親機マイク33もしくは子機マイク63を介して、使用者からの音声応答が行われているかどうかを判断し(S27)、音声応答が確認されない場合(S27:NO)は、S29への処理へと移行し、親機10もしくは子機50でオフフックが検出されるか(S29:YES)、親機10もしくは子機50の周辺で音声応答が確認される(S27:YES)まで、S23〜S29の処理が繰り返し実行される。尚、音声応答の有無判断(S27)は、親機マイク33もしくは子機マイク63から入力された音声を、DSP機能を有するモデム25などを介して得られた音声のディジタルデータを基に、音声認識部12により音声の長さ、周波数および大きさが適合範囲に属するものであるか否により決定しており、この時の適合範囲は上述した感度調整処理により確定されたものを使用している。
【0034】
ここで、上述したS23〜S29の処理が繰り返し実行されている際に、親機10もしくは子機50によりオフフックが検出された場合(S29:YES)は、そのオフフックされた親機10もしくは子機50と外部通信回線との回線を閉結し(S31)、通信相手先との通話を開始する(S33)。この通話は、通信相手先もしくは使用者のオンフックが検出されるまで継続され(S35:NO)、通信相手先もしくは使用者のオンフックが検出されることにより(S35:YES)、通話を終了し(S37)、外部通信回線との回線を開放して(S47)、この音声応答処理を終了する。
【0035】
一方、上述したS23〜S29の処理が繰り返し実行されている際に、S27の処理において、使用者から所定の長さ、周波数および大きさに相当する音声が、モデム25および音声認識部12を介して確認された時は(S27:YES)、外部通信回線からの呼出信号に対する音声応答があったと判断し、外部通信回線との回線を閉結して(S39)、ハンズフリー通話を開始する(S41)。このハンズフリー通話は、通信相手先もしくは使用者による通話終了の信号が検出されるまで継続され(S43:NO)、通信相手先もしくは使用者による通話終了の信号が検出されることにより(S43:YES)、ハンズフリー通話を終了し(S45)、外部通信回線との回線を開放して(S47)、この音声応答処理を終了する。
【0036】
このように、本実施の形態では、外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、使用者が留守番電話モード(S23:YES)もしくはFAX専用モード(S25:YES)にモード設定している場合は、親機10もしくは子機50の周辺における音声応答の有無判断(S27)を実行しないので、留守番電話モード(S23:YES)もしくはFAX専用モード(S25:YES)にしているにも拘わらず、電車の通過音や救急車のサイレンなどにより、音声認識部12の判断を基に音声応答機能が実行されてしまい、ハンズフリー通話が開始されてしまうという不都合を良好に防止している。
【0037】
上述したように、音声応答の有無判断(S27)は、感度調整処理により確定された音声の適合範囲に属する音声を確認された時にのみ、通信相手先との通信を可能となるので、使用者毎や環境に応じた適合範囲を設定することにより、適合範囲を最適範囲に設定し、音声応答機能の誤作動を良好に防止でき、使い勝手の良いものとなる。
【0038】
尚、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、本実施形態において、留守番電話機能、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの各種機能を備えた多機能型電話装置であるコードレス親子電話装置を例に挙げて説明したが、勿論これに限定されるものではなく、これらの機能を備えていない電話装置や、子機を備えていない電話装置において実施しても良好な効果が得られることは言うまでもない。
【0039】
また、本実施形態において、適合範囲を設定する際に音声の大きさの範囲を段階的に変更する例を挙げて説明したが、勿論これに限定されるものではなく、音声の長さもしくは周波数の適合範囲を変更可能にする構成としても良好な効果が得られることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の音声応答機能付電話装置によれば、音声応答機能を介して通信相手先との通信を開始するための音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、適合範囲設定部を介して任意に設定可能となる。これにより、使用者による音声応答を受付可能で、かつ周囲の雑音による音声応答機能の誤作動が生じないような音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、最適範囲に設定できるので、音声応答機能の誤作動を良好に防止可能にするとともに、使用者にとって使い勝手の良いものとなる。また、適合範囲は表示部を介して目視しながら設定できるので、適合範囲の設定が容易になるとともに、使い勝手の良いものとなる。
更に、音声応答機能を介して通信相手先との通信を開始するための音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、適合範囲設定部を介して音声の大きさに基づいて音声の大きさ適合範囲を段階的に設定および表示可能となるので、簡易な構成でかつ効果的に音声応答機能の誤作動を防止でき、使用者にとっても非常に使い勝手が良い。
【0041】
また、請求項2記載の音声応答機能付電話装置によれば、音声応答機能を介して通信相手先との通信を開始するための音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、適合範囲設定部を介して任意に設定可能となる。これにより、使用者による音声応答を受付可能で、かつ周囲の雑音による音声応答機能の誤作動が生じないような音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、最適範囲に設定できるので、音声応答機能の誤作動を良好に防止可能にするとともに、使用者にとって使い勝手の良いものとなる。また、適合範囲は表示部を介して目視しながら設定できるので、適合範囲の設定が容易になるとともに、使い勝手の良いものとなる。
更に、音声応答機能を介して通信相手先との通信を開始するための音声の長さ、周波数および大きさからなる適合範囲を、適合範囲設定部を介して音声の長さに基づいて音声の長さの適合範囲を段階的に設定および表示可能となるので、簡易な構成でかつ効果的に音声応答機能の誤作動を防止でき、使用者にとっても非常に使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の音声応答機能を備えたコードレス親子電話装置のブロック構成図である。
【図2】感度調整処理の処理動作を示したフローチャート図である。
【図3】感度調整処理の際に表示されるディスプレイ表示を示した図である。
【図4】音声応答処理の処理動作を示したフローチャート図である。
【符号の説明】
10 親機
12 音声認識部
13 親機操作パネル
15 親機LCD
25 モデム
31 親機スピーカ
33 親機マイク
50 子機
53 子機操作パネル
55 子機LCD
61 親機スピーカ
63 子機マイク
Claims (2)
- 音声の入力を行うマイクと、
音声の出力を行うスピーカと、
外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、前記マイクから入力された音声の長さ、周波数および大きさが、適合範囲内に属する音声か否かを判断する音声認識部と、
前記音声認識部による判断結果に基づき、通信相手先との通信を前記マイクおよびスピーカを介して開始可能な音声応答部と、
前記音声の適合範囲を任意に設定可能な適合範囲設定部と、
前記適合範囲設定部を介して設定された前記音声の適合範囲を表示可能な表示部と、
を備え、
前記適合範囲設定部は、前記音声の大きさに基づいて前記音声の大きさの適合範囲を段階的に設定可能であることを特徴とする音声応答機能付電話装置。 - 音声の入力を行うマイクと、
音声の出力を行うスピーカと、
外部通信回線からの呼出信号を検出した際に、前記マイクから入力された音声の長さ、周波数および大きさが、適合範囲内に属する音声か否かを判断する音声認識部と、
前記音声認識部による判断結果に基づき、通信相手先との通信を前記マイクおよびスピーカを介して開始可能な音声応答部と、
前記音声の適合範囲を任意に設定可能な適合範囲設定部と、
前記適合範囲設定部を介して設定された前記音声の適合範囲を表示可能な表示部と、
を備え、
前記適合範囲設定部は、前記音声の長さに基づいて前記音声の長さの適合範囲を段階的に設定可能であることを特徴とする音声応答機能付電話装置。
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JP27415798A JP3632462B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 音声応答機能付電話装置 |
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JP27415798A JP3632462B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 音声応答機能付電話装置 |
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