JP3632454B2 - 便座ユニット - Google Patents

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修 秋吉
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱可塑性樹脂で成型された暖房便座の溶着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の暖房便座の断面構成図は第6図、暖房便座の全体構成図は第5図に示すような構造になっていた。
【0003】
すなわち、内部にヒータ5を有する便座2と便ふた3とヒータ5の温度を制御する制御装置4を内蔵する本体1で構成されており、便座2と便ふた3は本体1に回動自在に取りつけられている。便座2は便座本体2aと、ヒータ5と、便座底板2bからなり、アルミ箔6に溶着されたヒータ5は両面粘着材で便座本体2aに貼り付けられている。又、便座本体2aと便座底板2bは超音波溶着や振動溶着等の溶着手段あるいは接着剤やねじ止め等の手段により中空状に密封形成されている。ヒータ5の信号線は制御装置4に電気的に接続されており、制御装置4は便座内の温度検知部の検知温度を演算し、ヒータ5への出力を制御している。ヒータ5には温度ヒューズが直列的に接続されており、万一、ヒータ5が異常温度上昇した場合は温度ヒューズがヒータ5の熱により溶断し、ヒータ5への通電を停止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の便座で行っていた超音波や振動による溶着では、内蔵する電子部品等に悪影響を及ぼす恐れがある。また、接着剤による接着の場合は、固定までに時間がかかったり、接着剤のはみ出しによる外観へ悪影響があった。また溶剤等を用いるため作業者の健康への悪影響の恐れがある。更に、超音波や振動、接着剤による溶着の場合、一度溶着すると分解するのが困難である。
【0005】
また、ねじ止めにて固定する場合、接合部の水密性が悪く、パッキンやシール材の追加が必要となり、工程が多くなり、生産性が悪くなってしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、熱可塑性樹脂よりなる便座部品の溶着部に導電性発熱体を配設し、導電性発熱体から発生する熱エネルギーにより部品相互を溶着し便座を形成するものである。
【0007】
上記発明によれば、簡単、確実、経済的に高品質の水密性能を有し、かつ簡単に分離可能な便座ユニットが得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図に示す実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。本発明の便座実施例の一つを第1図に示す。
【0009】
便座ユニットは便座本体部2aと便座底板部2bの一対の部品よりなり、それぞれの便座部品は熱可塑性の樹脂(例えばポリプロピレン)により成形されている。便座本体部品2aの内周部、および外周部には凸部が設けられ、便座底板2bには凸部と相対して嵌合部を形成する凹部溝が設けられている。便座底板の凹部溝には導電性発熱体7が装着され、便座本体部2aと便座底板部2bは凸部と凹部溝を嵌合し便座ユニットを構成する。
【0010】
導電性発熱体7はあらかじめ凹部溝に沿うように、三次元形状に形成されている。凹部溝に設ける導電性発熱体としては、例えば、鉄とニッケルの合金、ニッケルとクロムの合金等を用いることが出来、形状としては単線、複数本を寄り合わせたより線、網目状のもの、板状のもの等、様々な形状のものが使用可能である。
【0011】
便座本体部2aと便座底板部2bは導電性発熱体7を装着して嵌合組立され、上下方向により加圧した状態で、外部より導電性発熱体7に電圧を印加する。これにより、導電性発熱体7から発生する熱エネルギーにより、凸部と凹部溝を溶融接着する。このことにより、水密性が良好であり、強度の高い便座を形成することが出来る。
【0012】
また、暖房便座の故障時や、廃棄時に、分解が必要な際も、導電性発熱体に再度電圧を印加することにより、容易に分解が可能となる。
【0013】
便座底板2bを成形する際に、あらかじめ導電性発熱体7をインサート成形すると、凹部溝への導電性発熱体の装着工程の省略ができ、生産性の向上が図ることができる。
【0014】
電圧印加用の端子8は図3に示すように、便座クッション部に設けると、溶着後便座クッション9を装着することにより端子部が隠れ、端子部が外観に露出する恐れがない。しかし、電圧印加用の端子部を外観部に設けた場合、電圧印加端子孔の周辺に突起部10を設け、便座本体部2aと便座底板部2bの溶着後、突出部10を加熱溶解し、押しつぶすことにより孔を塞ぐ。この結果、導電性発熱体が外観より見えなくなる。電圧印加端子用の孔を塞ぐ必要がないときは、突出部10を設ける必要はない。
【0015】
また、電圧印加用の端子を便座ヒンジ部内部に設けると、端子への接続も容易になり、外観を良くするための後処理も必要ない。
【0016】
本発明は以上のように、熱可塑性樹脂よりなる便座部品の溶着部に導電性発熱体を配設し、導電性発熱体から発生する熱エネルギーにより部品相互を溶着し便座を形成するものである。これにより、複数の部品を容易に溶着可能であり、水密性が良好で、高強度の便座ユニットが得られる。また、溶着時の超音波等の振動、騒音の問題がないため、溶着作業は良好な作業環境のもとに行われる。さらに、従来困難であった三次元形状の溶着が容易となる。
【0017】
本実施例では、暖房便座機能のみの構成で説明したが、温水で局部洗浄を行う温水洗浄便座装置等の暖房便座以外の機能を併せ持つ装置でもその効果は同じであり、暖房便座装置単品に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の便座部品の斜視図。
【図2】本発明の一実施例の便座嵌合断面図。
【図3】本発明の一実施例の便座断面図。
【図4】本発明の一実施例の電圧印加端子部。
【図5】暖房便座の全体構成図。
【図6】従来の暖房便座の断面構成図。
【符号の説明】
1…本体
2…便座
2a…便座本体
2b…便座底板
3…便ふた
4…制御装置
5…ヒータ
6…アルミ箔
7…導電性発熱体
8…電圧印加用端子
9…便座クッション
10…突起部

Claims (3)

  1. 熱可塑性の樹脂により成形された便座本体部と便座底板部の一対の部品からなる便座ユニットにおいて、前記便座本体部及び前記便座底板部の接着面に凸部及び凹部溝を相対するように形成し、前記凹部溝に導電性発熱体を装着して、前記導電性発熱体に外部より電圧を印加して熱エネルギーを発生させて前記凸部と前記凹部溝を溶融させることで、前記便座本体部と前記便座底板部との溶着ならびに分解を行うことを可能とした便座ユニット。
  2. 溶着される部品の一方に導電性発熱体が一体成形された請求項記載の便座ユニット。
  3. 導電性発熱体への電圧印加部を便座クッション部に設けた請求項1又は2記載の便座ユニット。
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