JP3632329B2 - 記録ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱素子に電気エネルギーを印加して発熱させる記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、大きく注目されている記録技術の一つとしてインクジェット記録方式がある。インクジェット記録方式は、記録品質、記録スピードと価格のバランスに優れており、さらにカラー化が容易、普通紙への記録が可能、静粛性がよいという利点を持つ。1985年以降、連続的に吐出しているインクを選択的に紙面に着弾させるコンティニュアス方式は陰を潜め、選択的にインクを吐出させるドロップオンデマンド方式が主流になった。現在、ドロップオンデマンド方式には、インクを急激に加熱し発生した気泡によりインクを吐出させるサーマル(バブル)方式と、電圧を印加すると変形するセラミックを用いてインクを吐出させるピエゾ方式がある。
【0003】
サーマル方式の場合、ピエゾ方式に比べてインクに噴射エネルギーを加えるための発熱素子が比較的単純な薄膜プロセスで作成できることから、発熱素子と同一基板上に同一薄膜プロセスで作成された電子回路を搭載する構成が増えている。例えば、特開平5−31898号公報では、発熱素子と同一基板上に、ドライバトランジスタとシリアル画像データに対応して選択的にドライバを駆動するための論理機能素子(シフトレジスタ、ラッチなど)回路を搭載する構成が提案されている。
【0004】
サーマル方式の場合、記録に熱エネルギーを利用することから記録中に自己昇温する。インクは温度が高くなると粘度が低下するため、温度変化があると噴射滴量が変化し、画像劣化を引き起こす。このような問題に対して、例えば特開平5−31906号公報などに見られるように、温度変化が生じても噴射滴量を一定にする手法として、発熱素子の駆動を単一パルスで行なうのではなく、プレパルスとメインパルスの2つで行ない、温度によりプレパルス幅を変更するという手法が提案されている。
【0005】
発熱素子を搭載した基板の温度を検出するには、インクジェット記録ヘッドに精度の良い温度検知素子を外付けで設置して温度を検出する方法が一般的である。しかし、発熱素子を搭載した基板に温度検知素子を形成できれば、その方が応答性の高い温度検知が可能である。また、その基板内に形成した温度検知素子だけで温度検知が十分であれば、外付けの温度検知素子を設置するための工数、コストが削減できる。例えば、特開平7−214793号公報では、発熱素子を搭載した基板内にアルミニウムの温度検知素子を設け、抵抗値バラツキ補正を外部の可変抵抗器などにより行なう方法が提案されている。しかし、アルミニウムは低抵抗率であるため、温度検知素子として大面積を必要とするので、基板面積が大きくなってしまうという問題がある。
【0006】
また、例えば、特開平6−336071号公報では、発熱素子を搭載した基板内のダイオード部分を温度検知素子として利用し、記録装置内の正確な温度検知素子と合わせて精度よく温度を検出する方法が提案されている。しかし、温度検知素子となるダイオード部分を作成するための特別なプロセスを必要とするため、プロセスコスト増大を招くという問題がある。
【0007】
さらに、各インクジェット記録ヘッドごとにバラツキのない安定した温度検知素子が望まれるが、通常はそれぞれ抵抗等の特性が違うなど、プロセス的なバラツキを持っており、問題となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、個々の記録ヘッドごとの特性情報を保持することができる記録ヘッドを提供し、さらには、低コストで感度の良い温度検知を可能として画質を向上させるとともに、個々の記録ヘッドのプロセス的なバラツキを除去して、高信頼性の記録ヘッドを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、熱エネルギーを発生する複数の発熱素子と、該発熱素子を駆動するドライバと、該ドライバを画像データに応じて制御する駆動回路を同一基板内に形成した記録ヘッドにおいて、前記基板内に、温度を検知する温度検知素子と、該温度検知素子の特性情報を保持する保持回路が設けられており、該保持回路は複数のヒューズ素子で構成されてなり、該ヒューズ素子の一方の端子は接地され、もう一方の端子にはヒューズ切断用パッドが接続され、該ヒューズ切断用パッドと電源との間にNチャンネルE−MOSトランジスタが接続されており、かつ、前記特性情報は、前記温度検知素子による検知温度のバラツキ情報であることを特徴とするものである。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記録ヘッドにおいて、前記温度検知素子の出力と前記保持回路の出力は、同一信号線であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の記録ヘッドにおいて、さらに、前記温度検知素子の標準品用温度算出データと前記保持回路の出力に対応したオフセットデータを予め記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されている前記標準品用温度算出データと前記オフセットデータを用いて前記温度検知素子の出力および前記保持回路の出力から前記基板内の温度を算出する温度算出手段を備えていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の記録ヘッドにおいて、前記オフセットデータは、温度であることを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態における発熱素子基板に形成される発熱素子および駆動回路等の構成図である。図中、1は共通電極、2は発熱素子、3はドライバ素子、4はプリドライバ、5はNAND回路、6は16bitカウンタ、7は64bitラッチ、8は64bitシフトレジスタである。図2の構成では、発熱素子2を駆動するためのパルスが単一であってもダブルパルスであっても差し支えない。
【0025】
この例では、64個の発熱素子2を搭載している。ここで、64個の発熱素子2と記述したが、厳密には64個分の発熱素子2の領域を持ったということである。つまり、発熱素子2を置く領域だけがあって実際には発熱素子2がなかったり、通常の印字には使用しない特性の異なる素子であったり、いわゆるダミー素子である場合も含んでいる。例えば、異なる色のインクを一つの基板を使用して印字を行なう場合、異なる色の境界に幾つかのダミー素子を設けることが多い。この明細書では、以上のことを踏まえて、発熱素子の配置可能数を発熱素子数と呼ぶことにする。
【0026】
図2では、64個の発熱素子2を4つずつ16個のブロックに分けて分割駆動する場合である。64個の発熱素子2の一端はすべて共通電極1を介して電源に接続されている。また、他端はそれぞれドライバ素子3に接続されている。ドライバ素子3は、例えばMOS−トランジスタなどで構成することができ、発熱素子2を駆動する。プリドライバ4は、対応する発熱素子2の駆動信号を昇圧してドライバ素子3の制御電極、例えばMOS−FETではゲート電極に入力する。NAND回路5には、16bitカウンタ6からのブロック分割駆動信号の1本と、ENABLE信号と、64bitラッチ7からのデータ信号が入力されており、対応する発熱素子2が選択され、印字すべきデータが存在し、さらにENABLE信号が入力されたとき、プリドライバ4へ駆動信号を出力する。
【0027】
16bitカウンタ6は、クロックをカウントしてブロック分割駆動信号を発生し、各ブロックに対応するNAND回路5に入力する。64bitラッチ7は、各発熱素子2に対応した印字データを保持する。64bitシフトレジスタ8は、シリアル入力された印字データを順次保持し、64bitラッチ7にパラレルに転送する。
【0028】
図3は、本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態における動作の一例を示すタイミングチャートである。最初の印字を行なう前に、予め各発熱素子2に対応した64個の印字データを64bitシフトレジスタ8にシリアルに入力する。その後、DRST信号で64bitラッチ7をリセットし、LCLK信号により64bitシフトレジスタ8内の全ての印字データを64bitラッチ7に転送してラッチさせる。64bitラッチ7は、印字データをそれぞれのNAND回路5に出力している。
【0029】
16bitカウンタ6は、BRST信号でリセットされ、BDIR信号で駆動順序が選択された後、BCLK信号をカウントしてブロック分割駆動信号を選択的に送出する。図3ではBDIR信号が‘L’で順方向印字、‘H’で逆方向印字を選択する。16bitカウンタ6は、まず最初のBCLK信号によりブロック1に対するブロック分割駆動信号を1〜4番目のNAND回路5に対して出力する。外部よりプレパルスおよびメインパルスを有するENABLE信号が入力されると、1〜4番目のNAND回路5のうち64bitラッチ7から印字データが出力されているもののみがENABLE信号に従った駆動信号を出力し、プリドライバ4を介してドライバ素子3が駆動される。これにより1〜4番目の発熱素子2のうち印字データが存在するものに電流が流れ、発熱素子2が発熱する。このとき、プレパルスではインクは吐出されず、発熱素子2の発熱による昇温のみが行なわれ、次のメインパルスで発熱素子2の発熱によってインク中に気泡が発生し、インクが吐出されて印字が行なわれる。
【0030】
続いて16bitカウンタ6は次のBCLK信号をカウントしてブロック2に対するブロック分割駆動信号を5〜8番目のNAND回路5に対して出力し、5〜8番目の発熱素子2のうち印字データの存在するものが発熱して印字が行なわれる。以下、順にブロック16まで駆動して印字を行なう。この間に、次の64個分の印字データをシリアルに64bitシフトレジスタ8に入力する。
【0031】
16個のブロックの駆動が終了すると、BRST信号により16bitカウンタがリセットされ、BDIR信号により駆動方向が設定される。図3では逆方向の駆動が設定されている。また、DRST信号によって64bitラッチ7がリセットされ、LCLK信号によって64bitシフトレジスタ8内の印字データが64bitラッチ7にラッチされる。以後、16番目のブロックから順に駆動され、最後に1番目のブロックが駆動される。これら一連の動作を繰り返し、印字を行なう。
【0032】
インクジェット記録ヘッドでは、上述のようにインクの温度によりインクの粘度が変化し、噴射滴量が異なってくる。そのため、何らかの手段で温度を検知する必要がある。図1は、本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態における温度検知素子の説明図である。図中、11はヒータチップ、12はサーミスタ、21はSi基板、22はN−拡散層、23はN+拡散層、24はLOCOS、25はBPSG、26は配線、27はPSGである。この実施の形態では、図1(A)に示すように、発熱素子などを配置するヒータチップ11上に温度検知素子としてサーミスタ12を作製した。サーミスタ12の片方の端子は基板内で接地されており、もう一方の端子に電流を印加して電圧を測定する。
【0033】
サーミスタ12は、図1(B)に示すように、N−(N型低濃度)拡散層22を用いて作製した。N−拡散層22は、2〜3×1012/cm2 程度の濃度のPイオンを約180eVで注入して拡散させたものである。通常、20V以上の耐高電圧MOSトランジスタを作製する場合には、これと同等なN−拡散層をゲート近傍オフセットドリフト領域として作製し、MOSトランジスタの耐電圧を向上させる。そのため、発熱素子2を駆動するためのドライバ3を高耐圧MOSトランジスタで作製する場合には、図1(B)に示す構造のN−拡散層22を、特別なプロセスを用いなくても設けることができる。
【0034】
図1(B)中のN+(N型高濃度)拡散層23は、4〜5×1015/cm2 程度の濃度のAsイオンを約40eVで注入して拡散させたものである。通常のMOSトランジスタを作製する場合、ドレインおよびソースにこれと同等のN+拡散層を設けて、Al等の配線材にコンタクトを経由して接続する。図1(B)でN+拡散層23は、パッドからAl配線26で接続されている。
【0035】
図1(B)において、N−拡散層22のシート抵抗は約3.6kΩ/□、N+拡散層23のシート抵抗は約30Ω/□である。大きさの具体例としては、図1(C)に示す平面図において、図中の上下方向の幅が64μm、図中の左右方向のN−拡散層22の長さが128μm、N+拡散層23の長さが9μmとすることができる。これらからわかるように、支配的な抵抗成分にはN−拡散層22の部分である。この部分が温度により抵抗変化を起こし、PTC(Positive Temperature Coefficient Thermistor)素子となる。
【0036】
ここで、Pイオンを5〜8×1015/cm濃度程度で約100keVのエネルギーで注入したポリシリコンをサーミスタ12として用いてもよい。一般にポリシリコンはMOSトランジスタのゲートや配線材として利用される。ポリシリコンをサーミスタとして利用する場合、抵抗値バラツキが数十℃相当あるが、後述するようにクラス分け回路を利用することにより精度良く温度検出可能である。温度係数は、0.05%/℃程度とかなり小さいが、外部読み取り装置の精度が十分ならサーミスタ素子として利用できる。
【0037】
図4は、N−拡散層を用いたサーミスタの温度と抵抗値の関係の説明図であり、図4(A)にはその関係をグラフとして示し、また図4(B)には表として示している。温度と抵抗値の関係は、温度T0(K)の時の抵抗値R0、温度T1(K)の時の抵抗値R1とするとき、
R1=R0×exp(B×(T1−T0))
で近似可能である。しかし、図4(A)に示すように直線で近似しても問題がない。なお、具体的な平均温度係数(kΩ/10℃)を示すと、平均=0.388995、標準偏差(σ)=0.00967、3σ/平均=0.074574、初期値(30℃のときの抵抗値)に対する平均温度係数(%/℃)を示すと、平均=0.054803、標準偏差(σ)=0.000366、3σ/平均=0.020021である。
【0038】
図5は、N−拡散層を用いたサーミスタの所定温度(38℃)の際の抵抗値のバラツキを示すヒストグラムである。ここでは、ある数ロットから抽出した発熱素子を搭載した基板内のN−拡散層を用いたサーミスタについて、38℃の時の抵抗値を測定した。その結果、図5に示すように分布した。この分布から、平均値は7.3975kΩであった。標準偏差をσとしたとき、ほとんどのサンプルが含まれる±3σの間(すなわち6σ)では、抵抗値のバラツキは温度に換算すると約20℃相当になる。
【0039】
図6は、N−拡散層を用いたサーミスタの所定温度(30℃)における抵抗値と温度係数(Ω/℃)の関係の一例の説明図である。この例では、図6(B)に示すように、30℃におけるサーミスタの抵抗値の平均は約7.10kΩであり、バラツキ(3σ/平均)は6.78%であった。温度係数(Ω/℃)は38.9Ωであり、バラツキ(3σ/平均)は7.46%であった。また、30℃の抵抗値を基準とする温度係数(%/℃)は0.548%、バラツキ(3σ/平均)は2.00%であった。
【0040】
図6(A)からわかるように、所定温度(30℃)における抵抗値と温度係数(Ω/℃)は強い正の相関があることがわかる。したがって、サーミスタの所定温度における抵抗値をあらかじめ何らかの手段により保持しておくことにより、その抵抗値から温度係数が得られ、精度のよい温度検出が可能である。
【0041】
図7は、N−拡散層を用いたサーミスタの温度誤差の説明図である。図6(B)から、所定温度(30℃)における抵抗値の平均7.10kΩ、バラツキ(3σ/平均)が6.78%であることから、所定温度(30℃)における抵抗値のバラツキは、図7(A)に示すように温度に換算して24.7℃相当ある。また、温度係数の平均が38.9Ω/℃であり、バラツキ(3σ/平均)が7.46%であるので、温度係数の+3σ側が41.8Ω/℃、−3σ側が36.0Ω/℃となる。図6(A)に示すように所定温度における抵抗値と温度係数とは強い正の相関があることから、所定温度における抵抗値の大きい側で温度係数が大きくなり、所定温度における抵抗値の小さい側で温度係数が小さくなる。そのため、発熱素子を形成した基板に搭載したサーミスタは、図7(A)に示すような範囲の値を取りうることになる。しかし、所定温度(30℃)における抵抗値が決まれば、温度係数もほぼ決まるので、抵抗値と温度との関係は1本の直線で近似できる。
【0042】
さらに、所定温度(30℃)における抵抗値に対する温度係数(%/℃)による誤差も生じる。この誤差は図6(B)より約0.55%である。しかし、この誤差は所定温度(30℃)における抵抗値にはあまり関係はなく、バラツキ(3σ/平均)は2.00%とほとんど変わらない。所定温度(30℃)におけるある抵抗値について考えると、図7(B)に示すように、温度係数(%/℃)の誤差により温度変化に対する抵抗値の変化量、すなわちグラフの傾きが変化する。例えば、所定温度(30℃)からT℃上昇したときの抵抗値は、所定温度(30℃)における抵抗値を初期値とすれば、
初期値×0.0055×(1±0.02)×T + 初期値
である。30℃〜60℃の温度検出精度を考察してみると、初期値に対する温度係数(%/℃)のバラツキ(3σ/平均)は2.0%であるから温度係数の誤差は30℃差で±0.6℃相当になる。
【0043】
上述のように、サーミスタの所定温度(30℃)における抵抗値と温度係数との関係を用いて、精度のよい温度検出が可能である。所定温度(30℃)における抵抗値と温度係数との関係を求める際に、例えば関数を用いて計算により求める方法もあるが、例えばテーブル等を用いて求める方法も高速化の観点から現実的である。この場合、所定温度(30℃)における抵抗値をある範囲ごとに区切り、その範囲ごとに温度係数との関係を定めればよい。この区切られた抵抗値の範囲をクラスと呼ぶことにする。
【0044】
例えば、所定温度(30℃)における抵抗値を2℃ごとにクラス分けすることを考える。所定温度(30℃)における抵抗値のバラツキが上述のように24.7℃であった場合、2℃ごとにクラス分けを行なうなら13クラスで実現可能である。
【0045】
図7(C)に示すように、所定温度(30℃)における抵抗値が2℃の範囲内にあるとき、その中央の値で代表させると、代表値との誤差は±1℃以内である。図7(B)でも説明したように、所定温度(30℃)におけるある抵抗値において、30℃から60℃に変化したときの温度の誤差は約±0.6℃であるから、代表値との誤差は60℃において合計±1.6℃となる。
【0046】
なお、温度の算出は、現在の抵抗値をR、30℃の時の抵抗値をR30として、
T(℃)=(R−R30)/(R30×0.0055)
で求めることができる。実際のインクジェット記録ヘッドの温度は20〜70℃になり得るが、それでも±2℃以内の誤差で温度を測定できる。もっとも、記録中のインクジェット記録ヘッドの温度は、ほとんど30℃〜60℃の範囲である。
【0047】
上述のように所定温度(30℃)における抵抗値をクラスに分け、各クラスごとに温度を求めるためには、作製したサーミスタがどのクラスに属するかを保持しておき、実際の温度測定の際に読み出す必要がある。以下、このクラス分けの情報を保持するための構成について説明する。この実施の形態では、このクラス分け回路も発熱素子を搭載した基板内に実現している。外部に設けるより、その方が工数、コスト的に有利である。
【0048】
図8は、本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態におけるクラス分け回路の一例を示す回路図である。図中、31はヒューズ、32はE−MOSトランジスタ、33はパッド、34はDラッチ、35はD−フリップフロップである。この例では、ヒューズ31を選択的に切断して情報を書き込む。この例では4つのヒューズ31を示しており、4bitで16のステータスを実現している。情報の書込は、例えば電気的特性の評価時にサーミスタの抵抗値を読み取り、その抵抗値に基づいて選択的にヒューズを切断すればよい。
【0049】
また、読み出す際にはヒューズ31の状態を各D−フリップフロップ35の初期状態(‘H’または‘L’状態)として設定し、クロックを入力してこれらのデータをシリアルに読み取る。もちろん、さらに多数のヒューズ31およびD−フリップフロップ35を用いればそれだけ多くのステータスを実現できる。
【0050】
ヒューズ31は、例えばAlを3〜5μm程度の幅で数百μm程度の長さのものを使用することができる。長さ/幅を50〜100程度に設置することが必要である。切断時の電圧は2〜5V程度、切断時の電流は500mA〜1A程度である。長さ/幅が小さ過ぎると、ヒューズ部の抵抗値が少なすぎて治具の破損等が発生し、また長さ/幅が大きすぎるとヒューズ部の抵抗値が大きすぎ、大電流を流すことができなくなりヒューズを切断できない。Pイオンを5〜8×1015/cm程度の濃度で約100keVのエネルギーで注入したポリシリコンもヒューズとして利用可能である。ポリシリコンを用いる場合は、3μm程度の幅で5〜10μm程度の長さにすればよい。
【0051】
ヒューズ31の一端は接地されており、他端はE−MOSトランジスタ32、パッド33、およびダイオードを介してD−フリップフロップ35のNRST端子に接続されている。パッド33はヒューズ31の切断用の電流を流すためのものである。情報の書込時に切断するヒューズ31に対応したパッド33に書込用の電流を流し、ヒューズ31を切断する。ヒューズ31の切断時に、切断用のパッド33から過電圧が印加され得るため、パッド33と電源の間にNチャンネル高耐圧E(Enhancement)−MOSトランジスタ32を接続している。パッド33に接続する外部の治具に過電圧吸収回路等を設けて、瞬間でも10V程度まで印加されないようにすれば、通常のE−MOSトランジスタやD(Depletion)−MOSでも可能である。
【0052】
また、E−MOSトランジスタ32とヒューズ31との直列回路によって、ヒューズ31が未切断時は、E−MOSトランジスタ32とヒューズ31との接続点の電位が‘L’レベルになり、またヒューズ31の切断時は‘H’レベルになる。このようにヒューズ31の導通状態によって、D−フリップフロップ35への入力論理を変えることができる。
【0053】
D−フリップフロップ35は、CL端子に入力されるBRST信号の論理によって、BRST信号が‘H’のとき‘L’をQ端子に出力し、同時にNRST端子に入力された信号の負論理をD端子に出力し、BRST信号が‘L’のときクロックの立ち上がり時のD端子の論理をQ端子に出力する。最左端のD−フリップフロップ35のD端子にはDラッチ34の出力が入力されている。また、最右端のD−フリップフロップ35のQ端子の出力が各ヒューズ31に書き込まれた情報の読み出し出力となる。隣接するD−フリップフロップ35間では、左側のD−フリップフロップ35のQ端子の出力が右側のD−フリップフロップ35のD端子に入力されている。
【0054】
図9は、本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態におけるクラス分け回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。ここでは、ヒューズ31は、左から非切断、切断、非切断、切断とする。例えば、実際の記録の際に、プリンタ側は電源投入時等にクラス分け回路の出力を読み取る。
【0055】
BRST信号が‘H’の時に各D−フリップフロップ35にヒューズ31の切断または非切断の状態に応じた論理が設定される。例えば、最右端のヒューズ31は切断であるので、D−フリップフロップ35のNRST端子は‘L’となり、Dに‘H’が設定される。そしてBRST信号が‘L’となり、DCLK信号をクロックにして各D−フリップフロップ35に保持されている値が右隣のD−フリップフロップ35へと送られ、最右端のD−フリップフロップ35から出力される。この例では、‘H’,‘L’,‘H’,‘L’がシリアルに出力される。例えば、‘H’を1、‘L’を0とすれば、「1010」というデータが読み出されたことになる。なお、DCLK信号によるデータの右側への転送に従って、最左端のD−フリップフロップ35にはDラッチ34から‘L’が常に供給される。
【0056】
図8に示したようなヒューズ31を用いるクラス分け回路は一例であって、他の記憶素子を用いた構成であってももちろんよい。また、ここではデータの出力をシリアルに行なったが、例えばパッド33を用いてパラレルにデータを取り出すことも考えられる。さらに、電気的な読み出しの他にも、クラス分けデータをマーキングしておき、光学的に検出するなど、他の方法であってもよい。ただしこれらの方法では、別途読取手段が必要になるため、コストはアップする。
【0057】
上述のようなクラス分け回路からの出力を読み取った後、その情報を保持しておき、サーミスタの抵抗値とクラス分け情報から温度の算出を行なう。すなわち、クラス分け情報から所定温度(30℃)における抵抗値とそのときの温度係数がわかるので、上述のようにこれらの値から温度を算出できる。この時の温度の誤差は、図7(C)にも示したように、30℃の昇温時に±1.6℃程度である。
【0058】
図10は、本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態におけるクラス分け出力とサーミスタ出力を同一端子から読み取る構成の一例の説明図である。図10(A)に示すように、電源VDDとサーミスタの出力との間にFETを挿入し、そのFETのゲートに図8に示すクラス分け回路の出力を接続する。クラス分け回路から出力される信号が‘H’レベルの時には、FETが導通状態となり、サーミスタ出力は‘H’レベルとなる。また、クラス分け回路からの出力が‘L’レベルの時には、FETが遮断状態となって実質的に‘L’レベルとなるとともに、サーミスタの出力を検出することができる。
【0059】
あるいは、図10(B)に示すように、サーミスタとFETを並列に接続し、FETのゲートにクラス分け回路の出力を接続してもよい。この場合には、クラス分け回路の出力が‘H’のとき、FETが導通してサーミスタ出力は‘L’レベルとなり、クラス分け回路の出力が‘L’のとき、FETが遮断されて外部プルアップ抵抗により実質的に‘H’レベルとなるとともにサーミスタの出力を取り出すことができる。
【0060】
このような構成によって、発熱素子を搭載した基板と接続される他の基板間あるいは本体との間の信号線を少なくすることができ、小型化、低コスト化の面で都合がよい。
【0061】
図11は、サーミスタの温度と抵抗値の関係の別の説明図である。図11では、10℃〜90℃での温度とサーミスタの抵抗値の関係を、標準品と、あるデバイス群のほぼ最大抵抗の素子、ほぼ最小抵抗の素子について示したものである。標準品の場合を実線で、最大抵抗および最小抵抗の素子の場合を破線で示している。後述するように、便宜上、標準からの差異が同程度のものを選んだ。
【0062】
上述の説明では、温度と抵抗値との関係を直線近似により求めた。すなわち、30℃での抵抗値R30を基準にして、抵抗値の変化率は一定(0.55%×R30)としている。ここでは、あらかじめ標準品の温度と測定するサーミスタの抵抗値の関係がわかっていて、また標準品の抵抗値では温度を求めることができるものとする。例えば、ある抵抗値刻みで温度と対応させたテーブルを記憶しておくことでも実現できる。
【0063】
上述のように、N−拡散層を用いたサーミスタの抵抗値はバラツキがあるが、図11はバラツキの特性も示している。ある温度の時、例えば20℃のとき、抵抗値は最大抵抗品、標準品、最小抵抗品で違う。例えば、最大抵抗値と標準品の差異R1は350Ω、最小抵抗品と標準品の差異R2は327Ωである。同様に、例えば、80℃の時、最大抵抗品と標準品の差異R3は456Ω、最小抵抗品と標準品の差異R4は440Ωである。このように、抵抗値の差異は温度により異なるし、標準品からのずれも異なる。
【0064】
ところが、ある抵抗値、例えば7.22kΩの時の最大抵抗品と標準品の差異T1は温度で10℃、最小抵抗品と標準品の差異T2も温度で10℃相当である。同様に、例えば9.628kΩの時、最大抵抗品と標準品の差異T3は温度で10℃、最小抵抗品と標準品の差異T4も温度で10℃相当である。要するに、この例では最大抵抗品はいつも10℃相当標準品より高く、逆に最大抵抗品はいつも10℃相当標準品より低く表示することがわかる。したがって、最初例えば30℃の時標準品から何度相当違うかをオフセット値として保持しておけば、正確な温度検出が可能である。
【0065】
図12は、本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態におけるサーミスタ出力とシステムとの接続部の一例の説明図である。図12に示すように、サーミスタの出力に、外部でプルアップ抵抗をつけ、A/Dコンバータで読み取る。サーミスタの抵抗値を読み取る場合、定電流印加で電圧を読み取るようにするよりも、遥かに簡単に構成可能である。システム側では読み取りの間隔やタイミングにより、例えば入力抵抗10kΩ、入力容量10μF程度を設けた方がよい場合もある。
【0066】
図13は、サーミスタの出力電圧と温度との関係の一例を示すグラフである。図12に示すプルアップ抵抗として適当な抵抗値のものを選択して取り付け、サーミスタの出力として電圧を測定すると、サーミスタの出力電圧は図13に示すように温度に対し直線とすることができる。直線の場合、係数と切片だけを保持しておけばよく、メモリ節約になる。したがって、プルアップ抵抗は、振幅が大きくなることと、出力が直線近似できるように選べる場合はそのように設定するのがよい。ここでは、プルアップ抵抗を例えば7.50kΩとした。
【0067】
図14は、サーミスタの出力電圧と温度との関係の一例の説明図である。ここでは、図12に示す構成において、電源VDD=5Vとし、各温度におけるサーミスタの出力電圧VoutをA/Dコンバータによって10bitで分解し、16進表示で表わしたものである。図13に示したように、プルアップ抵抗の値を適当に競ってすることによってサーミスタの出力が直線になる。標準品の場合、
T(℃)=0.833×Vout−399
で温度を算出可能である。個々のサーミスタの標準品からのずれは、切片値をオフセット値として保持すればよい。図14に示したようなサーミスタの出力電圧Voutと温度の関係をテーブルで保持することもできるが、切片値をオフセット値として保持した場合にはメモリの節約になる。しかし、図14に示すような関係をテーブルで保持した方が若干計算時間が短いという利点がある。
【0068】
また、図13に示すように直線で近似できる場合で、テーブルから温度を求める場合、オフセットは温度とテーブルの刻みとで、どちらか分解能のよい方にするのが効果的である。図14では、例えば、サーミスタの出力電圧Vout=202(16進)の時、温度=30℃であり、Vout=20A(16進)の時、温度=36℃である。温度差6℃の部分をサーミスタの出力電圧Voutの刻みは8刻みになっているので、温度差を整数値で持つよりもサーミスタの出力電圧Voutの刻みで持つ方が分解能がよい。したがって、テーブルの刻み数をオフセットに設けた方が分解能誤差の点で有利である。上述の説明で例示したサーミスタおよびプルアップ抵抗を使用した場合、読み取るA/Dコンバータが10bit以上ならテーブルの刻み数の方が、9bit以下なら温度の方が分解能が高く、オフセットとして効率がよい。もちろん、オフセットとして温度を小数点以下まで保持することもできる。
【0069】
図15は、クラス分けとオフセット値の関係の説明図である。基板の電気的特性検査時にサーミスタの所定温度の抵抗値を読み取り、クラス分けを行なう。例えば、30℃での電気的特性検査時に、サーミスタの抵抗値が7.533kΩ〜7.620kΩであった場合には、この抵抗値は標準品では12℃高い42℃の時の抵抗値である。したがって、オフセット温度として−12℃を設定し、標準品として仮定して抵抗値から温度を算出し、オフセット温度−12℃を足せば実際の温度が算出可能である。オフセット温度−12℃に設定するためには、図15よりクラス分けコードを“0110”としておけばよい。クラス分けコードの設定は、例えば図8に示したクラス分け回路にクロックDCLK信号を入力した時に、出力論理が“0110”になるように、ヒューズ31を選択的に切断しておけばよい。
【0070】
実際の記録装置で印字を行なう際には、図15に示すオフセット値とクラスコード部分の対応関係を、あらかじめ記録装置のROMなどに記憶させておく。電源投入時にクラス分け回路の出力を読み取り、クラスコードを保持しておく。温度を検出する際には、電圧を測定するなどして標準品と仮定した場合の温度を求める。例えば、図14に示した関係をテーブル化しておき、サーミスタの出力電圧をA/Dコンバータでデジタル化してテーブルを参照し、標準品と仮定した場合の温度を求めることができる。オフセット値として温度が設定されている場合は、求めた標準品の温度に、図15に示す関係から得られるオフセット値を足して実際の温度と認識すればよい。オフセット値がテーブルの刻み数である場合には、図14に示す関係のテーブルにおいて、オフセット数分だけ前または後のエントリの値を取得し、その標準品の温度を実際の温度として認識すればよい。
【0071】
そして、このようにして得られた温度に応じて記録制御を行なうことができる。図16は、温度と駆動パルスの関係の一例の説明図である。上述のように、インクジェット記録方式では、記録中に発生する熱によってインクジェット記録ヘッドが昇温する。インクは温度によって粘度が変化するため、記録時の温度が異なると噴射されるインク滴量が変化し、濃度変化などの画質劣化を引き起こす。例えば、上述の特開平5−31906号公報等に記載されているように、発熱素子に与える駆動パルスとして図16(B)に示すようなプレパルスおよびメインパルスを与える場合には、検出した温度によってプレパルス幅を変化させることによってインクの温度をほぼ一定に保つことができる。すなわち、インクジェット記録ヘッドの温度が低い場合には、プレパルス幅を長くして発熱量を多くし、インクの温度を上げる。また、インクジェット記録ヘッドの温度が高い場合には、それほどインクの温度を上げる必要がないので、プレパルス幅を短くして発熱量を少なくする。さらにインクジェット記録ヘッドの温度が高く、プレパルス幅を0にしても発熱量が多い場合には、メインパルスの幅を短くしている。なお、ここでは全体の駆動時間を一定にするため、プレパルスとメインパルスの間の時間も変更している。
【0072】
このように、検出した温度に応じて駆動制御を行なうことによって、噴射滴を一定に保ち、良好な画質を維持することができる。
【0073】
なお、上述の説明では、インクジェット記録ヘッドについて説明したが、これに限らず、サーマル型の記録ヘッドなど、熱を用いる各種のヘッドや、熱によって影響を受けやすいタイプの記録ヘッドなどへの応用が可能である。
【0074】
前述したクラス分け回路は、特にサーミスタのバラツキを補正するだけでなく、その他のデバイス特性の記憶や基板の種類を記録させることにも使用することが可能である。例えば、電気的特性検査時に発熱素子の抵抗値を測定し、その抵抗値に応じてクラスコードを設定し、記録を行なう時にはそのクラスに応じてパルス幅または駆動電圧を変更して使用することも可能である。また、解像度や白黒/カラー用など基板の種類/用途に応じてクラスコードを設定すれば、インクジェット記録ヘッドを装着後、クラスコードを読み取り、基板の種類を検出し、基板種類の取付け間違い等を防止することなども可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、基板ごとに異なる仕様を基板内に容易に保持させることができ、これにより最適条件による駆動や、基板/ヘッドの取付ミスなどを防止することが可能である。また、発熱素子を搭載した基板の温度を、基板に内蔵した温度検知素子を利用して精度良く検知可能である。また、外側に温度検知素子を設ける必要がないのでコスト削減になる。したがって、低コストで印字品質に有利な記録装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態における温度検知素子の説明図である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態における発熱素子基板に形成される発熱素子および駆動回路等の構成図である。
【図3】本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態における動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】N−拡散層を用いたサーミスタの温度と抵抗値の関係の説明図である。
【図5】N−拡散層を用いたサーミスタの所定温度(38℃)の際の抵抗値のバラツキを示すヒストグラムである。
【図6】N−拡散層を用いたサーミスタの所定温度(30℃)における抵抗値と温度係数(Ω/10℃)の関係の一例の説明図である。
【図7】N−拡散層を用いたサーミスタの温度誤差の説明図である。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態におけるクラス分け回路の一例を示す回路図である。
【図9】本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態におけるクラス分け回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態におけるクラス分け出力とサーミスタ出力を同一端子から読み取る構成の一例の説明図である。
【図11】サーミスタの温度と抵抗値の関係の別の説明図である。
【図12】本発明のインクジェット記録ヘッドの実施の一形態におけるサーミスタ出力とシステムとの接続部の一例の説明図である。
【図13】サーミスタの出力電圧と温度との関係の一例を示すグラフである。
【図14】サーミスタの出力電圧と温度との関係の一例の説明図である。
【図15】クラス分けとオフセット値の関係の説明図である。
【図16】温度と駆動パルスの関係の一例の説明図である。
【符号の説明】
1…共通電極、2…発熱素子、3…ドライバ素子、4…プリドライバ、5…NAND回路、6…16bitカウンタ、7…64bitラッチ、8…64bitシフトレジスタ、11…ヒータチップ、12…サーミスタ、21…Si基板、22…N−拡散層、23…N+拡散層、24…LOCOS、25…BPSG、26…配線、27…PSG、31…ヒューズ、32…E−MOSトランジスタ、33…パッド、34…Dラッチ、35…D−フリップフロップ。
Claims (4)
- 熱エネルギーを発生する複数の発熱素子と、該発熱素子を駆動するドライバと、該ドライバを画像データに応じて制御する駆動回路を同一基板内に形成した記録ヘッドにおいて、前記基板内に、温度を検知する温度検知素子と、該温度検知素子の特性情報を保持する保持回路が設けられており、該保持回路は複数のヒューズ素子で構成されてなり、該ヒューズ素子の一方の端子は接地され、もう一方の端子にはヒューズ切断用パッドが接続され、該ヒューズ切断用パッドと電源との間にNチャンネルE−MOSトランジスタが接続されており、かつ、前記特性情報は、前記温度検知素子による検知温度のバラツキ情報であることを特徴とする記録ヘッド。
- 前記温度検知素子の出力と前記保持回路の出力は、同一信号線であることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- さらに、前記温度検知素子の標準品用温度算出データと前記保持回路の出力に対応したオフセットデータを予め記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されている前記標準品用温度算出データと前記オフセットデータを用いて前記温度検知素子の出力および前記保持回路の出力から前記基板内の温度を算出する温度算出手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記オフセットデータは、温度であることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
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