JP3632308B2 - コンテナクレーンの振れ止め制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナクレーンの振れ止め制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は一般的なコンテナクレーンの一例を示す概略図であり、図中1は岸壁2に繋留されたコンテナ船を示し、該コンテナ船1上に対しコンテナクレーン3によってコンテナ4が荷役されるようになっている。
【0003】
図示するコンテナクレーン3においては、岸壁2に沿って走行可能な脚部5の上方にガーダ6が海側に張り出して設けられ、このガーダ6上にトロリー7が横行可能に設けられている。
【0004】
前記トロリー7は、機械室8内の横行ドラム9に対し、ガーダ6の長手方向に張設した横行用ロープ(図示せず)を介して連結されており、前記横行ドラム9の回転駆動により横行されるようになっている。
【0005】
また、トロリー7には、ロープ10を介してスプレッダ11が懸吊されており、このスプレッダ11は、前記機械室8内の巻上ドラム12により前記ロープ10を巻き上げたり巻き下げたりすることで昇降されるようになっている。
【0006】
一般に、コンテナクレーン3を用いてコンテナ船1上にコンテナ4を積荷する場合、トロリー7に懸吊されたスプレッダ11でコンテナ4を把持し、この状態でスプレッダ11を巻き上げてトロリー7をコンテナ船1上の目標位置まで横行させ、その後、スプレッダ11を巻き下げてコンテナ4をコンテナ船1上に着床させるという一連の操作が行われる。
【0007】
斯かるコンテナクレーン3においては、コンテナ4の搬送先が予め判っている場合が多いので、コンテナ4の行先番地を設定した上でトロリー7を自動的に横行させ、スプレッダ11の昇降だけを運転室13内のオペレータにより手動操作させることが可能である。
【0008】
しかしながら、トロリー7を単純に設定速度まで加速して等速運転に切り替え、目標位置(コンテナ4の行先番地)で減速して停止するといった横行速度パターンの自動運転では、トロリー7に懸吊されているコンテナ4が、加減速時における慣性の作用によって振れを生じてしまい、荷役作業に支障をきたす虞れがあった。
【0009】
このようなコンテナ4の振れを防止する方式としてレギュレータ制御を用いたものが考えられている。このレギュレータ制御は、コンテナ4の振れを所要の検出手段により検出して、コンテナ4の振れがなくなるようにトロリー7を横行方向前後に移動させるようにしたフィードバック制御と呼ばれるものであるが、この方式においては、運転室13が前後に移動を繰返すことになるために、搭乗作業員が酔って気分が悪くなってしまうという問題がある。
【0010】
また近年、予めコンテナ4の振れが止るような速度パターンを計算して、その通りにトロリー7を動かすようにした一方向横行による2段階制御法と呼ばれるものが提案されている。
【0011】
2段階制御法は、例えば図7の(イ)に示すように、トロリー7を、停止aから所定の設定速度bの丁度1/2の中間速度cまで最大加速度で加速し、該中間速度cに到達した時点から等速運転に切り替わり、再加速するべきタイミングまで等速運転を継続した後に、設定速度bまで最大加速する。
【0012】
次いで、設定速度bに到達した時点から等速運転に切り替わり、減速開始位置まで等速運転を継続した後に、設定速度bから停止aまで丁度1/2の中間速度cとなるまで最大減速度で減速し、該中間速度cに到達した時点から等速運転に切り替わり、再減速するべきタイミングまで等速運転を継続した後、最大減速度で減速して停止させる。
【0013】
このようにすると、図7の(ロ)に示すように、トロリー7の第1段階の最大加速(最大減速)によって生じたコンテナ4の振れが、第2段階の最大加速(最大減速)によって良好に消失する。このとき、ロープ長が予め変化することが分かっている場合には、固有周期に修正を加えることにより対応する。
【0014】
このような2段階制御法によれば、最大加速(最大減速)でトロリー7の横行を制御するために、一方向横行という条件下では最短時間で制御できるという利点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記2段階制御法においても、以下のような問題点を有している。
A.制御開始前にコンテナ4が揺れている場合には、その揺れがそのまま残る。
B.予定外にロープ長が変化すると、加速(減速)のタイミングが合わずに振れが残る。
C.風等の影響によって生じたコンテナの振れがそのまま残る。
【0016】
上記したような外乱の影響によって制御できない振れが残った場合には、前記したレギュレータ制御に切替える必要があるが、残留振れ幅が大きいと、レギュレータ制御による運転室13の前後移動により、搭乗操作員の気分が悪くなってしまうという問題がある。
【0017】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、外乱の影響があってもコンテナの残留振れ幅を極力小さくすることができるようにしたコンテナクレーンの振れ止め制御装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、横行するトロリーからロープによりコンテナが懸吊されてオペレータの手動操作によりロープの巻き上げ下げを行い、トロリーの加速(減速)を一方向横行の2段階で制御する横行速度制御装置を備えてコンテナの振れを防止するようにしているコンテナクレーンの振れ止め制御装置であって、
前記横行速度制御装置が、コンテナの振れ角度信号、振れ角速度信号、ロープ長信号を入力して、トロリーの第1段階の最大加速(最大減速)によって生じるコンテナの振れの発生エネルギーe0と、振れたコンテナがトロリー直下に戻ってくるまでの戻り時間t0とを刻々演算する第1の演算手段と、
ロープ長信号とトロリーの速度変化信号とが入力されて、トロリーの第2段階の加速(減速)によってコンテナに与え得る抑制エネルギーe1と、加速時間t1とを刻々演算する第2の演算手段と、
e1≦e0を満足しない時にトロリーに最大加速度(最大減速度)を指令する第1の指令手段と、
e1≦e0を満足し、t0≦t1を満足しない時にトロリーに加速度0を指令する第2の指令手段と、
e1≦e0とt0≦t1の両方を満足した時にトロリーに抑制エネルギーe1を得る加速度(減速度)を指令する第3の指令手段と、
を備えたことを特徴とするコンテナクレーンの振れ止め制御装置、に係るものである。
【0019】
請求項2記載の発明は、横行するトロリーからロープによりコンテナが懸吊されてオペレータの手動操作によりロープの巻き上げ下げを行い、トロリーの加速(減速)を一方向横行の2段階で制御する横行速度制御装置を備えてコンテナの振れを防止するようにしているコンテナクレーンの振れ止め制御装置であって、
前記横行速度制御装置が、コンテナの振れ角度信号、振れ角速度信号、ロープ長信号を入力して、トロリーの第1段階の最大加速(最大減速)によって生じるコンテナの振れの発生エネルギーe0と、振れたコンテナがトロリー直下に戻ってくるまでの戻り時間t0とを刻々演算する第1の演算手段と、
ロープ長信号とトロリーの速度変化信号とが入力されて、トロリーの第2段階の加速(減速)によってコンテナに与え得る抑制エネルギーe1と、加速時間t1とを刻々演算する第2の演算手段と、
e0=e1を満足せず且つe0<e1を満足する時にトロリーに最大加速度(最大減速度)を指令する第1の指令手段と、
e1<e0を満足し且つt0≦t1を満足しない時にトロリーに加速度0を指令する第2の指令手段と、
e0=e1とt0≦t1の両方を満足した時にトロリーに抑制エネルギーe1を得る加速度(減速度)を指令する第3の指令手段と、
e0=e1とe0<e1の両方を満足せず且つ速度変化が小さい時にトロリーの走行をレギュレータ制御に切替える切替指令を出力する第4の指令手段と、
を備えたことを特徴とするコンテナクレーンの振れ止め制御装置、に係るものである。
【0020】
請求項1記載の発明では、第1段階の加速(減速)による発生エネルギーe0を求めると共に、第2段階の加速(減速)によってコンテナに与え得る抑制エネルギーe1をロープ長の変化や速度変化を考慮して求め、これらを比較して、e1≦e0を満足しない状態では最大加速(最大減速)による制御を行い、抑制エネルギーe1と発生エネルギーe0とが等しくなった時に、戻ってくるまでの戻り時間t0より加速時間t1が大きいと等速運転を行ってコンテナが戻ってくるのを待ち、前記抑制エネルギーe1と発生エネルギーe0が等しく、且つ戻ってくるまでの戻り時間t0と加速時間t1とが等しい時に前記抑制エネルギーe1が得られる加速度(減速度)で第2段階の加速(減速)を行うようにしているので、初期振れが存在したり、風の影響を受けたり、ロープ長が変化したり、トロリーの速度変化があっても、第2段階の制御によって振れをなくすことができる。初期振れが大きいときには、1回の加速(減速)によって振れをなくして目標速度に達することができる。
【0021】
請求項2記載の発明では、e0=e1とe0<e1の両方を満足せず、且つ速度変化が余り大きくない時に、トロリーの走行をレギュレータ制御に切替えるようにしているので、停止時のトロリーの速度が充分に小さくなった場合にのみ切替えが行われるようになり、よってオペレータへの負担を少なくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図4、図5は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0024】
図4は図5のコンテナクレーン3に適用される振れ止め制御装置の一例を示すもので、図中17はコンテナ4の振れの角度及び角速度を検出する振れ検出手段であり、該振れ検出手段17は、スプレッダ11に取り付けたマーカー18をトロリー7側からカメラ19で撮影し且つ該カメラ19からの映像信号19aを画像処理装置20で処理することによりスプレッダ11の振れの角度及び角速度を検出し得るよう構成されている。又振れ検出手段17には、この他に機械式角度センサ等を用いることができる。
【0025】
21はスプレッダ11を懸吊しているロープ10の巻き出し長さを検出するロープ長検出手段であり、該ロープ長検出手段21は、機械室8内の巻上ドラム12に備えられて該巻上ドラム12の回転角を検出するドラム回転角センサによって構成されており、スプレッダ11を懸吊しているロープ10の巻き出し長さによって間接的に検出し得るようになっている。
【0026】
22は運転室13内に設けられた操作箱であり、オペレータによるキー操作でコンテナ4の行先番地を設定したり、コンテナ4の昇降操作、或いはトロリー7の走行速度の手動設定等が行えるようになっている。
【0027】
23はトロリー7の横行位置を検出する位置検出手段であり、該位置検出手段は、機械室8内の横行ドラム9に備えられて該横行ドラム9の回転角を検出するドラム回転角センサによって構成されており、トロリー7の横行を駆動する横行用ロープ(図示せず)の巻き出し長さによって間接的に検出し得るようになっている。
【0028】
また、24は主として機械室8(一部のユニットは運転室13に設けても良い)に設けられてトロリー7の横行速度を制御する横行速度制御装置を示し、該横行速度制御装置24では、前記振れ検出手段17からの振れ角度信号17a及び振れ角速度信号17b、前記ロープ長検出手段21からのロープ長信号21a、トロリー7の運転室13でオペレータにより操作箱22で設定されたコンテナ4の行先番地信号22a、位置検出手段23からの横行位置信号23a、横行するトロリー7の速度変化信号28の夫々に基づいて、第1段階の最大加速(最大減速)時に生じるコンテナ4の振れの発生エネルギーe0、第1段階の最大加速(最大減速)後の中間等速時にコンテナ4がトロリー7直下に戻ってくるまでの戻り時間t0、第2段階の加速(減速)によってコンテナ4に与え得る抑制エネルギーe1、第2段階の加速(減速)時間t1を、時々刻々演算し、抑制エネルギーe1によって振れを消失させることができる速度まで第1段階の最大加速(最大減速)を行った後、中間等速運転を行い、その後抑制エネルギーe1による第2段階の加速(減速)を行う速度指令24aをモータ駆動装置25に向けて出力するようになっており、該モータ駆動装置25は、前記横行速度制御装置24からの速度指令24aに基づいてトロリー7の横行モータ26(横行ドラム9を駆動するモータ)を駆動するようになっている。27は操作箱22の操作開始ボタン、44はレギュレータ装置、45は切替指令を示す。
【0029】
本発明が2段階制御法を基本として実施したコンテナクレーンの振れ止め制御装置によるコンテナの振れ止めは、次のような手順で行われる。
1.最大加速(最大減速)で第1段階の加速(減速)を行う。これによりコンテナ4は後方に振られる。
2.中間速度の等速運転を行ってコンテナ4が手前に戻ってくるのを待つ。
3.コンテナ4の振れを止め、且つトロリー7が目標速度(設定速度又は停止)になる加速度(減速度)で第2段階の加速(減速)を行う。
【0030】
この時、
1)1.においてどのくらいの時間、最大加速(最大減速)を行うか。
2)2.においてどのくらいの時間、待つか。
3)3.においてどのくらいの加速度(減速度)で加速(減速)するか。
をコンテナ4の振れのエネルギーに基づいて100msec程度の周期で計算して、トロリー7の第2段階の加速(減速)をいつ行うか、どのような大きさの加速度(減速度)で行うかを求めて制御すること、即ち、第1段階の最大加速(最大減速)時に生じるコンテナ4の振れの発生エネルギーe0と、第2段階の加速(減速)によってコンテナ4に与え得る抑制エネルギーe1とを比較して、抑制エネルギーe1にて消去できる発生エネルギーe0までは第1段階の最大加速(最大減速)による制御を行うようにしたものであり、図7の(イ)の中間速度cが必ずしも設定速度bの1/2とならない点が従来の2段階制御法と大きく異なる点である。
【0031】
上記コンテナクレーンの振れ止め制御装置は、コンテナ4の振れのエネルギーに基づいて2段階制御を行わせるようにしているので、トロリー7の再加速や逆方向運転をしないという条件下で、最短時間で振れ止め制御を行えるという特長と、初期振れ、ロープ長変化、風等の外乱に対応できるという特長を合わせもつものである。
【0032】
図3に単振り子モデルによるシュミレーション結果を示す。図3に示すような単振り子モデルに近似されたクレーンモデルでは、トロリー7の運動に対する質量m、ロープ10の長さlの時のコンテナ4の振れが、式1
【数1】
Figure 0003632308
のように求められる。
【0033】
また、同様のモデルでは、ある瞬間にコンテナ4の振れ角度、振れ角速度、ロープ長が計測されると、コンテナ4のもつ振れのエネルギーe0が、式2
【数2】
Figure 0003632308
のように求められる。gは重力を示す。
【0034】
また、コンテナ4がトロリー7の直下に戻ってくるまでの時間tが、式3
【数3】
Figure 0003632308
のように求められる。
【0035】
ここで、トロリー加速度がコンテナ4に与えるエネルギーの関係式を求めれば、振れを止めてトロリー速度を目標速度にする加速度(減速度)を算出することができる。
【0036】
図1は、前記トロリー7の加速(減速)を一方向横行の2段階で制御する2段階制御法を基本として速度指令24aを作成するための横行速度制御装置24のフローチャートである。
【0037】
図1中29は、第1の演算手段であり、該第1の演算手段29は、前記コンテナ4の振れ角度信号17a、振れ角速度信号17b、ロープ長信号21aを入力して、トロリー7の第1段階の最大加速(最大減速)によって生じるコンテナ4の振れの発生エネルギーe0と、振れたコンテナ4がトロリー直下に戻ってくるまでの戻り時間t0とを演算するようになっている。
【0038】
30は第2の演算手段であり、該第2の演算手段30は、トロリー7の第2段階の加速(減速)によってコンテナ4に与え得る抑制エネルギーe1と、加速時間t1とを演算するようになっており、更に第2の演算手段30にはロープ長信号21aとトロリー7の速度変化信号28とが入力されていて、ロープ長の変化及び速度変化があった時にその補正を加えて演算するようになっている。
【0039】
31は、前記第1、第2の演算手段29,30で演算した発生エネルギーe0と抑制エネルギーe1との関係がe1≦e0を満足するか否かを判断する第1の判断手段であり、32は、前記判断手段31がe1≦e0を満足しない時(No)にトロリー7のモータ駆動装置25に最大加速度(最大減速度)の速度指令24a(図4)を出力する第1の指令手段である。
【0040】
33は、前記第1の判断手段31のe1≦e0を満足した時(Yes)に、戻り時間t0と加速時間t1との関係がt0≦t1を満足するか否かを判断する第2の判断手段であり、34は、前記e1≦e0が満足され(Yes)且つt0≦t1が満足されない時(No)にトロリー7に加速度0の速度指令24aを出力する第2の指令手段である。
【0041】
35は、前記e1≦e0とt0≦t1の両方が満足された時(Yes)に、トロリー7に抑制エネルギーe1が得られる加速度(減速度)の速度指令24aを出力する第3の指令手段である。
【0042】
上記構成では、第1段階の加速(減速)によって生じる発生エネルギーe0が、抑制エネルギーe1より小さい状態では、第1の指令手段32によってトロリー7に最大加速度(最大減速度)での第1段階の加速(減速)が指令される。
【0043】
発生エネルギーe0が抑制エネルギーe1と等しいかそれより大きくなった時に、戻ってくるまでの戻り時間t0加速時間t1より大きい状態では、第2の指令手段34によって加速度0が指令され、これにより等速運転が行われてコンテナ4が戻ってくるのを待つ。
【0044】
前記e1≦e0とt0≦t1の両方が満足されたときには、第3の指令手段35によって抑制エネルギーe1が得られる加速度(減速度)で第2段階の加速(減速)が行われる。
【0045】
上記したように、第1段階の加速(減速)による発生エネルギーe0が求められると共に、第2段階の加速(減速)によってコンテナ4に与え得る抑制エネルギーe1がロープ長の変化や速度変化を考慮して求められ、これらが比較されて、抑制エネルギーe1に対して発生エネルギーe0が大きい状態では最大加速(最大減速)による制御を行い、抑制エネルギーe1と発生エネルギーe0とが等しくなった時に、戻ってくるまでの戻り時間t0加速時間t1より大きいと等速運転を行ってコンテナ4が戻ってくるのを待ち、前記抑制エネルギーe1と発生エネルギーe0が等しく、且つ戻ってくるまでの戻り時間t0と加速時間t1とが等しい時に前記抑制エネルギーe1が得られる加速度(減速度)で第2段階の加速(減速)を行うので、初期振れが存在したり、風の影響を受けたり、ロープ長が変化したり、速度変化があっても、コンテナ4の第2段階の制御によって振れをなくすことができる。このため、本発明での中間速度は、図7の(イ)の中間速度cのように設定速度bの1/2に固定されるようなことがなく、種々変化することになる。
【0046】
ここでのコンテナ4の振れの抑制エネルギーe1は、式2から求めることもできるが、ここでは実際に「ロープ長一定、加速度一定」という条件下においてコンテナ4の振れを計測し、そこから求めた振れのエネルギーを、ロープ長と速度変化による二次元マトリクス上にマッピングし、算出すべきロープ長と速度変化で補間するという方法をとった。
【0047】
ロープ長一定、加速度一定としたのは、条件を限定するためであり、短サイクルで制御しているために問題とはならないと判断したものである。また、実測値を用いたのは、実際のクレーンが単振り子ではないためである。
【0048】
トロリー7に同じ速度変化を与える場合でも、大きな加速度を短時間に与える方が、小さな加速度を長時間与えるよりも、コンテナ4に大きなエネルギーが与えられる。これは、長時間加速しているとコンテナ4の角度が大きくなって、トロリー7からコンテナ4にエネルギーが伝わりにくくなるためである。そのために、e1にはemax〜eminの幅がある。上限はトロリー7の最大加速度(最大限速度)によって決定され、下限はコンテナ4の固有周期により決定される。
【0049】
表1にエネルギーマップの例を示す(シュミレータによる値)。
【0050】
【表1】
Figure 0003632308
【0051】
制御時間を最短時間とするには、e1=emaxとして計算すべきである。しかし、第1段階の加速(減速)が終了後にロープ10が短くなると、第2段階の加速(減速)でコンテナ4に与えられるエネルギーが小さくなってしまうため、振れを止めることができなくなってしまう。そこで、e1=emax−Δeとして計算した。ここでΔe(<emax−emin)は余裕量である。
【0052】
また、本発明における位置決めにおいては、「目的の速度までトロリー速度を変化させた時、ちょうどコンテナ4の振れも0になっている」という基本ロジックに加え、横行位置≦停止位置+制動(予定)距離の条件で目的速度を0に切替えることにより、自動運転における位置決め制御も行うことができる。
【0053】
尚、上記において初期振れが非常に大きくコンテナ4の振れのエネルギーがトロリー加速(減速)では消去できないような時には、振れが止らない問題がある。
【0054】
この問題は、振れのエネルギーが消去できないと判断されたときに、レギュレータ制御に切替える事により解決できる。
【0055】
図2はレギュレータ制御を備えたフローチャートを示したもので、図中29は第1の演算手段、30は第2の演算手段であり、図1の場合と同様の演算を行うものである。
【0056】
36は前記第1、第2の演算手段29,30で演算した発生エネルギーe0と抑制エネルギーe1との関係がe0=e1を満足するか否かを判断する第1の判断手段で、37はe0=e1が満足されない時にe0<e1を満足するか否かを判断する第2の判断手段であり、38は、前記第1の判断手段36がe0=e1を満足せず、第2の判断手段37がe0<e1を満足する時にトロリー7に最大加速度(最大減速度)を指令する第1の指令手段である。
【0057】
39は前記第1の判断手段36がe0=e1を満足した時に、戻り時間t0と加速時間t1との関係がt0≦t1を満足するか否かを判断する第3の判断手段であり、40は、前記e0=e1が満足され且つt0≦t1が満足されない時にトロリー7に加速度0の速度指令24aを出力する第2の指令手段である。
【0058】
41は、前記e1≦e0とt0≦t1の両方が満足された時に、トロリー7に抑制エネルギーe1が得られる加速度(減速度)の速度指令24aを出力する第3の指令手段である。
【0059】
42はe0=e1とe0<e1の両方を満足しない時に、0<<速度変化が満足されるか否かを判断する第4の判断手段であり、43は前記e0=e1とe0<e1の両方を満足せず、且つ0<<速度変化がNo、即ち大きな速度変化がない時にトロリー7の走行をレギュレータ制御に切替えるように、図4に示すレギュレータ装置44に切替指令45を出力する第4の指令手段を示す。
【0060】
上記したように、e0=e1とe0<e1の両方を満足せず、且つ速度変化が余り大きくない時には、トロリー7の走行がレギュレータ装置44(図4)によるレギュレータ制御に切替えられて、再加速及び逆方向運転が行われることになるが、停止時のトロリー7の速度が充分に小さくなった(最高速度の20%以下)場合にのみ切替えが行われるようになるので、オペレータへの負担は少ない。
【0061】
尚、本発明のコンテナクレーンの振れ止め制御装置は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、振れ検出手段、ロープ長検出手段、位置検出手段は図示する例に限定されないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、第1段階の加速(減速)による発生エネルギーe0を求めると共に、第2段階の加速(減速)によってコンテナに与え得る抑制エネルギーe1をロープ長の変化や速度変化を考慮して求め、これらを比較して、e1≦e0を満足しない状態では最大加速(最大減速)による制御を行い、抑制エネルギーe1と発生エネルギーe0とが等しくなった時に、戻ってくるまでの戻り時間t0加速時間t1より大きいと等速運転を行ってコンテナが戻ってくるのを待ち、前記抑制エネルギーe1と発生エネルギーe0が等しく、且つ戻ってくるまでの戻り時間t0と加速時間t1とが等しい時に前記抑制エネルギーe1が得られる加速度(減速度)で第2段階の加速(減速)を行うようにしているので、初期振れが存在したり、風の影響を受けたり、ロープ長が変化したり、トロリーの速度変化があっても、第2段階の制御によって振れをなくすことができる。
【0063】
請求項2記載の発明によれば、e0=e1とe0<e1の両方を満足せず、且つ速度変化が余り大きくない時に、トロリーの走行をレギュレータ制御に切替えるようにしているので、停止時のトロリーの速度が充分に小さくなった場合にのみ切替えが行われるようになり、よってオペレータへの負担を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の他の実施の形態例を示すフローチャートである。
【図3】単振り子モデルの線図である。
【図4】本発明を実施する形態の横行速度制御装置のブロック図である。
【図5】本発明が適用されるコンテナクレーンの一例を示す概略図である。
【図6】一般的なコンテナクレーンの一例を示す概略図である。
【図7】(イ)は従来の2段階制御法の速度の線図、(ロ)は振れ角度の線図である。
【符号の説明】
4 コンテナ
7 トロリー
10 ロープ
17a 振れ角度信号
17b 振れ角速度信号
21a ロープ長信号
24 横行速度制御装置
28 速度変化信号
29 第1の演算手段
30 第2の演算手段
32 第1の指令手段
34 第2の指令手段
35 第3の指令手段
38 第1の指令手段
40 第2の指令手段
41 第3の指令手段
43 第4の指令手段
45 切替指令
e0 発生エネルギー
e1 抑制エネルギー
t0 戻り時間
t1 加速時間

Claims (2)

  1. 横行するトロリーからロープによりコンテナが懸吊されてオペレータの手動操作によりロープの巻き上げ下げを行い、トロリーの加速(減速)を一方向横行で制御する横行速度制御装置を備えてコンテナの振れを防止するようにしているコンテナクレーンの振れ止め制御装置であって、
    前記横行速度制御装置が、コンテナの振れ角度信号、振れ角速度信号、ロープ長信号を入力して、トロリーの第1段階の最大加速(最大減速)によって生じるコンテナの振れの発生エネルギーe0と、振れたコンテナがトロリー直下に戻ってくるまでの戻り時間t0とを刻々演算する第1の演算手段と、
    ロープ長信号とトロリーの速度変化信号とが入力されて、トロリーの第2段階の加速(減速)によってコンテナに与え得る抑制エネルギーe1と、加速時間t1とを刻々演算する第2の演算手段と、
    e1≦e0を満足しない時にトロリーに最大加速度(最大減速度)を指令する第1の指令手段と、
    e1≦e0を満足し、t0≦t1を満足しない時にトロリーに加速度0を指令する第2の指令手段と、
    e1≦e0とt0≦t1の両方を満足した時にトロリーに抑制エネルギーe1を得る加速度(減速度)を指令する第3の指令手段と、
    を備えたことを特徴とするコンテナクレーンの振れ止め制御装置。
  2. 横行するトロリーからロープによりコンテナが懸吊されてオペレータの手動操作によりロープの巻き上げ下げを行い、トロリーの加速(減速)を一方向横行で制御する横行速度制御装置を備えてコンテナの振れを防止するようにしているコンテナクレーンの振れ止め制御装置であって、
    前記横行速度制御装置が、コンテナの振れ角度信号、振れ角速度信号、ロープ長信号を入力して、トロリーの第1段階の最大加速(最大減速)によって生じるコンテナの振れの発生エネルギーe0と、振れたコンテナがトロリー直下に戻ってくるまでの戻り時間t0とを刻々演算する第1の演算手段と、
    ロープ長信号とトロリーの速度変化信号とが入力されて、トロリーの第2段階の加速(減速)によってコンテナに与え得る抑制エネルギーe1と、加速時間t1とを刻々演算する第2の演算手段と、
    e0=e1を満足せず且つe0<e1を満足する時にトロリーに最大加速度(最大減速度)を指令する第1の指令手段と、
    e1<e0を満足し且つt0≦t1を満足しない時にトロリーに加速度0を指令する第2の指令手段と、
    e0=e1とt0≦t1の両方を満足した時にトロリーに抑制エネルギーe1を得る加速度(減速度)を指令する第3の指令手段と、
    e0=e1とe0<e1の両方を満足せず且つ速度変化が小さい時にトロリーの走行をレギュレータ制御に切替える切替指令を出力する第4の指令手段と、
    を備えたことを特徴とするコンテナクレーンの振れ止め制御装置。
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