JP3632269B2 - 養魚餌料用シングルモイストペレット - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は養魚餌料用シングルモイストペレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より使用されている養魚餌料においては、一般的に、生餌が全く使用されないか、あるいは使用されても極僅か(生餌/マッシュ=10以下/90以上)であるため、生餌から供給される水分、油分は極少量である。
【0003】
水分、油分が不足するとペレットの成形が困難となるため、別途、水、液状油(通常はフィードオイル)を添加する必要がある。
【0004】
しかし、水分量、油分量を調整してペレットを成形しただけでも、形状、性状(切り口、粉化、艶)が悪く、ベトツキ付着の発生や、海水へ投餌したときの水中での形崩れ(水中保形性)あるいはチリ(散らばり)の発生による海洋汚染(海水の濁り)等といった問題が起こった。
【0005】
そこで、このような種々の問題を解決すべく粘結剤がさらに添加されている。従来のシングルモイストペレット養魚餌料用粘結剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム塩、カルシウム塩、グアガム、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロースあるいはその塩等が用いられていた。
【0006】
これらの粘結剤は、魚粉、粉末状植物餌料、ビタミン、ミネラル等を配合した粉末餌料、いわゆるマッシュに混合した後、添加水を加えて混練し、任意形状(一般にはペレット状)に形成し、養魚用餌料として(一般にはシングルモイストペレットとして)使用される。
【0007】
ところで、上記したシングルモイストペレット製造時の混練、すなわち粘結剤を混合したマッシュに添加水を加えて行なう混練は、その多くが船上にて行なわれていた。このため、混練用の添加水を予め船に積み込んでおく必要があった。もし、添加水として海水を使用することができれば、当該添加水を予め船に積み込んでおく必要はなくなるが、実際は、混練に海水を用いると、海水中の塩分の影響で粘結剤の粘度が発現せず、粘結剤の効果が小さくなった。
【0008】
[発明の目的]
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、混練時における添加水として海水を用いた養魚餌料用シングルモイストペレットにおいて、ペレットの形状、性状(切り口、粉化、艶など)が良く、ベトツキ付着の発生が少なく、海水へ投餌したときの水中での形崩れ(水中保形性)あるいはチリ(散らばり)の発生による海洋汚染(海水の濁り)の心配も少ない養魚餌料用シングルモイストペレットを提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の養魚餌料用シングルモイストペレットは、エーテル化度(以下「DS」ともいう)が0.8以上であり、1%無水物粘度(以下単に「1%粘度」ともいう。)が50〜10,000mPa・sであり、塩化ナトリウム3.75%水溶液に溶解したときの粘度が純水に溶解したときの粘度の15%以上の値であるカルボキシメチルセルロースあるいはその塩(ナトリウム塩等)(以下、単に「CMC」という)よりなる粘結剤、及び海水を含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
[手段を構成する要件]
本発明に使用するCMCのDSは、前述したように0.8以上である。マッシュと粘結剤の配合に海水を添加して混練し、ペレットのベースを練り上げるとき、CMCのエーテル化度が低いと粘着力が充分でなく、できあがったペレットは海水中でバラケを生じ、チリ発生となる。これを防止するために、0.8以上のエーテル化度品が必要である。また、エーテル化度を必要以上に高めることはCMCのコスト高となるため好ましくない。0.8〜1.4がエーテル化度として最もよい。DSの測定方法は下記のとおりである。
【0011】
(エーテル化度(DS)の測定方法)
0.5〜0.7gのCMCを磁性ルツボ中で灰化し、冷却後500mlビーカー中に移し、水250mlと1/10N硫酸50mlを加えて30分間煮沸後冷却し、フェノールフタレイン指示薬で過剰の酸を1/10N・KOHで逆滴定した。
【0012】
また、1%無水物の粘度は25℃において50〜10,000mPa・sである。シングルモイストペレット成形時の添加水、添加油量はその都度(ペレットによって)異なるが、高水分、高油分のペレットには粘度の高い方がよく、低水分、低油分のペレットには粘度の低い方が優れている傾向にあり、50〜10,000mPa・sが妥当な粘度であり、ペレットの成形性が良好であるという点で1,000〜5,000mPa・sの範囲が好ましい。この粘度の測定方法は下記のとおりである。
【0013】
(1%無水物粘度の測定方法)
無水物に換算して1%水溶液として溶解し、25℃にしてこの水溶液粘度をBM型回転粘度計で測定した。
【0014】
また、純水に溶解したときの粘度に対する塩化ナトリウム3.75%水溶液に溶解したときの粘度の割合(以下、「耐塩性」ともいう)は15%以上である。シングルモイストペレット用粘結剤は、シングルモイストペレットの形状、性状(切り口、粉化、艶)を良好にせしめ、しかも、当該シングルモイストペレットに対し、付着抑制性、海水へ投餌したときの水中保形性、チリ(散らばり)の発生を抑えた耐海洋汚染性を付与し得るものである必要があるが、前述したように、混練に用いる添加水に海水を用いると、粘結剤の粘度が発現せず、粘着力が低下し、機能が充分に発揮されなかった。
【0015】
そこで、海水に溶解しても粘着力が確保できる耐塩性の強い粘結剤が必要になる。
【0016】
CMCは水との親和性が大きいため、高分子鎖が水中で比較的広がった状態で存在していると考えられ、同一分子内の数多くのイオン基同士の反発によって非常に大きく広がった状態となり、大きな粘度を与える。しかし、この状態は食塩等の電解質が入ってくると大きく変わる。デバイーヒュッケルの理論によれば、電場の作用の及ぶ有効距離は、イオン強度の平方根に逆比例する。
【0017】
【数1】
。
【0018】
すなわち、塩化ナトリウムの添加によってイオン強度が増加すると、イオン間の反発力は小さくなってしまい、塩化ナトリウムによりCMCは糸まり状になってしまい、粘度、粘着力が発現し得なくなる。これを回避するためには、使用するCMCとして、人工海水(NaCl3.75%水溶液)を用いて測定した粘度が、水溶液測定粘度の15%以上のものであることを必要とする(糸まり状が強いCMCは15%以上を保持できない)。ペレットの成形性が良好であるという点で25%以上が好ましい。この耐塩性の測定方法は下記のとおりである。
【0019】
(耐塩性の測定方法)
水溶液を用いた場合の粘度測定と同様の操作を、水を人工海水(NaCl=3.75%)に変えて行ない、同一のBM型回転粘度計測定条件で測定した。そして、次式により耐塩性(%)を算出した。
【0020】
【数2】
。
【0021】
上記粘結剤の添加割合としては特に限定はないが、マッシュ100重量部(以下、単に「部」という)に対して1〜5部が好ましい。1部未満の場合、充分な効果が得られない可能性があり、5部を超えると経済的デメリットが生じる。
【0022】
海水の配合割合としては特に限定はないが、マッシュ100部に対して20〜60部である。
【0023】
上記粘結剤および配合製剤(マッシュ、油分等)を用いることによって、混練に海水を用いたシングルモイストペレットにおける成形性、保形性、海水中のチリ防止効果が良好な養魚用シングルモイストペレット飼料が製造できる。
【0024】
なお、耐塩性15%以上を維持できるのであれば、本発明で使用されるCMC以外の粘結剤、すなわちグアガム、アルギン酸塩、ポリアクリル酸ソーダ等を、前記CMCと併用してもよい。
【0025】
【実施例】
本発明の一実施例を以下に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0026】
シングルモイストペレットの製造
以下の手順により、シングルモイストペレットを製造(造粒)した。
【0027】
▲1▼ マッシュ(組成(%):魚粉85、小麦粉10、大豆粕5)、粘結剤(下記[表1]参照。なお、使用したCMCは、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩)、及び海水(塩分=3.75%)を、下記[表2]または[表3]に示す割合で以て配合し撹拌した。なお、撹拌条件は以下の通りである。
配合撹拌装置:ケンウッドミキサー(愛工舎製作所製)
回転数目盛り:1
撹拌時間:1分間。
【0028】
▲2▼ 上記▲1▼で得た混合物に対し、さらに油(フィードオイル)を[表2]または[表3]に示す割合で配合し、再度撹拌した。撹拌条件は以下の通りである。
配合撹拌装置:ケンウッドミキサー(愛工舎製作所製)
回転数目盛り:1
撹拌時間:1分間。
【0029】
▲3▼ その後、下記の条件で造粒し、シングルモイストペレットを得た。
造粒装置:ミートチョッパー(飯塚工業(株)製)
ダイ口径(直径):6mm
バッチスケール:500g(マッシュ)。
【0030】
実施例1〜16及び比較例1〜16(シングルモイストペレットの物性評価)
得られたシングルモイストペレットの形状・性状(ベトツキ、切り口、粉化、艶)、水中保形性、濁度、及び硬度を、以下の方法に従って評価した。なお、各評価はシングルモイストペレット造粒の直後に実施した。結果を[表2]および[表3]に併記する。
【0031】
評価方法
形状・性状(ベトツキ、切り口、粉化、艶):ペレットの状態を触感および目視で確認し、以下のような基準で評価した。
優 …… ◎
良 …… ○
並 …… △
不可 …… ×。
【0032】
水中保形性、及び濁度:ペレット20gを金網かごに入れ、海水(塩分=3.75%)300mlの入った500mlビーカーに浸して、スターラーで撹拌した後、海水の透明度を求める。併せて、ペレットの水中保形性を確認する(評価基準は上記「形状・性状」と同様)。透明度(濁度)は、ガラス管(内径25mm、高さ250mm、厚さ2mmのガラス円筒体の底に、厚さ2mmのガラス板を密着させたもの)に入れ、1mm間隔に引いた黒い線が見分けられなくなったところを求める(単位はcm)。
【0033】
硬度:不動レオメーターを用いペレットが潰れる強度を求める(単位はkg/cm2)。
【0034】
【表1】
。
【0035】
【表2】
。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】
本発明の、海水を混練用添加水として用いるタイプの養魚餌料用シングルモイストペレットは、保形成形性に優れ(切り口、粉化、艶等が良好)、ベトツキ付着抑制性や水中保形性も良好で(ペレットが硬く濁が少ない)、海水中でのチリによる海水汚染も防止できるペレットである。
【発明の属する技術分野】
本発明は養魚餌料用シングルモイストペレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より使用されている養魚餌料においては、一般的に、生餌が全く使用されないか、あるいは使用されても極僅か(生餌/マッシュ=10以下/90以上)であるため、生餌から供給される水分、油分は極少量である。
【0003】
水分、油分が不足するとペレットの成形が困難となるため、別途、水、液状油(通常はフィードオイル)を添加する必要がある。
【0004】
しかし、水分量、油分量を調整してペレットを成形しただけでも、形状、性状(切り口、粉化、艶)が悪く、ベトツキ付着の発生や、海水へ投餌したときの水中での形崩れ(水中保形性)あるいはチリ(散らばり)の発生による海洋汚染(海水の濁り)等といった問題が起こった。
【0005】
そこで、このような種々の問題を解決すべく粘結剤がさらに添加されている。従来のシングルモイストペレット養魚餌料用粘結剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム塩、カルシウム塩、グアガム、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロースあるいはその塩等が用いられていた。
【0006】
これらの粘結剤は、魚粉、粉末状植物餌料、ビタミン、ミネラル等を配合した粉末餌料、いわゆるマッシュに混合した後、添加水を加えて混練し、任意形状(一般にはペレット状)に形成し、養魚用餌料として(一般にはシングルモイストペレットとして)使用される。
【0007】
ところで、上記したシングルモイストペレット製造時の混練、すなわち粘結剤を混合したマッシュに添加水を加えて行なう混練は、その多くが船上にて行なわれていた。このため、混練用の添加水を予め船に積み込んでおく必要があった。もし、添加水として海水を使用することができれば、当該添加水を予め船に積み込んでおく必要はなくなるが、実際は、混練に海水を用いると、海水中の塩分の影響で粘結剤の粘度が発現せず、粘結剤の効果が小さくなった。
【0008】
[発明の目的]
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、混練時における添加水として海水を用いた養魚餌料用シングルモイストペレットにおいて、ペレットの形状、性状(切り口、粉化、艶など)が良く、ベトツキ付着の発生が少なく、海水へ投餌したときの水中での形崩れ(水中保形性)あるいはチリ(散らばり)の発生による海洋汚染(海水の濁り)の心配も少ない養魚餌料用シングルモイストペレットを提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の養魚餌料用シングルモイストペレットは、エーテル化度(以下「DS」ともいう)が0.8以上であり、1%無水物粘度(以下単に「1%粘度」ともいう。)が50〜10,000mPa・sであり、塩化ナトリウム3.75%水溶液に溶解したときの粘度が純水に溶解したときの粘度の15%以上の値であるカルボキシメチルセルロースあるいはその塩(ナトリウム塩等)(以下、単に「CMC」という)よりなる粘結剤、及び海水を含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
[手段を構成する要件]
本発明に使用するCMCのDSは、前述したように0.8以上である。マッシュと粘結剤の配合に海水を添加して混練し、ペレットのベースを練り上げるとき、CMCのエーテル化度が低いと粘着力が充分でなく、できあがったペレットは海水中でバラケを生じ、チリ発生となる。これを防止するために、0.8以上のエーテル化度品が必要である。また、エーテル化度を必要以上に高めることはCMCのコスト高となるため好ましくない。0.8〜1.4がエーテル化度として最もよい。DSの測定方法は下記のとおりである。
【0011】
(エーテル化度(DS)の測定方法)
0.5〜0.7gのCMCを磁性ルツボ中で灰化し、冷却後500mlビーカー中に移し、水250mlと1/10N硫酸50mlを加えて30分間煮沸後冷却し、フェノールフタレイン指示薬で過剰の酸を1/10N・KOHで逆滴定した。
【0012】
また、1%無水物の粘度は25℃において50〜10,000mPa・sである。シングルモイストペレット成形時の添加水、添加油量はその都度(ペレットによって)異なるが、高水分、高油分のペレットには粘度の高い方がよく、低水分、低油分のペレットには粘度の低い方が優れている傾向にあり、50〜10,000mPa・sが妥当な粘度であり、ペレットの成形性が良好であるという点で1,000〜5,000mPa・sの範囲が好ましい。この粘度の測定方法は下記のとおりである。
【0013】
(1%無水物粘度の測定方法)
無水物に換算して1%水溶液として溶解し、25℃にしてこの水溶液粘度をBM型回転粘度計で測定した。
【0014】
また、純水に溶解したときの粘度に対する塩化ナトリウム3.75%水溶液に溶解したときの粘度の割合(以下、「耐塩性」ともいう)は15%以上である。シングルモイストペレット用粘結剤は、シングルモイストペレットの形状、性状(切り口、粉化、艶)を良好にせしめ、しかも、当該シングルモイストペレットに対し、付着抑制性、海水へ投餌したときの水中保形性、チリ(散らばり)の発生を抑えた耐海洋汚染性を付与し得るものである必要があるが、前述したように、混練に用いる添加水に海水を用いると、粘結剤の粘度が発現せず、粘着力が低下し、機能が充分に発揮されなかった。
【0015】
そこで、海水に溶解しても粘着力が確保できる耐塩性の強い粘結剤が必要になる。
【0016】
CMCは水との親和性が大きいため、高分子鎖が水中で比較的広がった状態で存在していると考えられ、同一分子内の数多くのイオン基同士の反発によって非常に大きく広がった状態となり、大きな粘度を与える。しかし、この状態は食塩等の電解質が入ってくると大きく変わる。デバイーヒュッケルの理論によれば、電場の作用の及ぶ有効距離は、イオン強度の平方根に逆比例する。
【0017】
【数1】
。
【0018】
すなわち、塩化ナトリウムの添加によってイオン強度が増加すると、イオン間の反発力は小さくなってしまい、塩化ナトリウムによりCMCは糸まり状になってしまい、粘度、粘着力が発現し得なくなる。これを回避するためには、使用するCMCとして、人工海水(NaCl3.75%水溶液)を用いて測定した粘度が、水溶液測定粘度の15%以上のものであることを必要とする(糸まり状が強いCMCは15%以上を保持できない)。ペレットの成形性が良好であるという点で25%以上が好ましい。この耐塩性の測定方法は下記のとおりである。
【0019】
(耐塩性の測定方法)
水溶液を用いた場合の粘度測定と同様の操作を、水を人工海水(NaCl=3.75%)に変えて行ない、同一のBM型回転粘度計測定条件で測定した。そして、次式により耐塩性(%)を算出した。
【0020】
【数2】
。
【0021】
上記粘結剤の添加割合としては特に限定はないが、マッシュ100重量部(以下、単に「部」という)に対して1〜5部が好ましい。1部未満の場合、充分な効果が得られない可能性があり、5部を超えると経済的デメリットが生じる。
【0022】
海水の配合割合としては特に限定はないが、マッシュ100部に対して20〜60部である。
【0023】
上記粘結剤および配合製剤(マッシュ、油分等)を用いることによって、混練に海水を用いたシングルモイストペレットにおける成形性、保形性、海水中のチリ防止効果が良好な養魚用シングルモイストペレット飼料が製造できる。
【0024】
なお、耐塩性15%以上を維持できるのであれば、本発明で使用されるCMC以外の粘結剤、すなわちグアガム、アルギン酸塩、ポリアクリル酸ソーダ等を、前記CMCと併用してもよい。
【0025】
【実施例】
本発明の一実施例を以下に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0026】
シングルモイストペレットの製造
以下の手順により、シングルモイストペレットを製造(造粒)した。
【0027】
▲1▼ マッシュ(組成(%):魚粉85、小麦粉10、大豆粕5)、粘結剤(下記[表1]参照。なお、使用したCMCは、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩)、及び海水(塩分=3.75%)を、下記[表2]または[表3]に示す割合で以て配合し撹拌した。なお、撹拌条件は以下の通りである。
配合撹拌装置:ケンウッドミキサー(愛工舎製作所製)
回転数目盛り:1
撹拌時間:1分間。
【0028】
▲2▼ 上記▲1▼で得た混合物に対し、さらに油(フィードオイル)を[表2]または[表3]に示す割合で配合し、再度撹拌した。撹拌条件は以下の通りである。
配合撹拌装置:ケンウッドミキサー(愛工舎製作所製)
回転数目盛り:1
撹拌時間:1分間。
【0029】
▲3▼ その後、下記の条件で造粒し、シングルモイストペレットを得た。
造粒装置:ミートチョッパー(飯塚工業(株)製)
ダイ口径(直径):6mm
バッチスケール:500g(マッシュ)。
【0030】
実施例1〜16及び比較例1〜16(シングルモイストペレットの物性評価)
得られたシングルモイストペレットの形状・性状(ベトツキ、切り口、粉化、艶)、水中保形性、濁度、及び硬度を、以下の方法に従って評価した。なお、各評価はシングルモイストペレット造粒の直後に実施した。結果を[表2]および[表3]に併記する。
【0031】
評価方法
形状・性状(ベトツキ、切り口、粉化、艶):ペレットの状態を触感および目視で確認し、以下のような基準で評価した。
優 …… ◎
良 …… ○
並 …… △
不可 …… ×。
【0032】
水中保形性、及び濁度:ペレット20gを金網かごに入れ、海水(塩分=3.75%)300mlの入った500mlビーカーに浸して、スターラーで撹拌した後、海水の透明度を求める。併せて、ペレットの水中保形性を確認する(評価基準は上記「形状・性状」と同様)。透明度(濁度)は、ガラス管(内径25mm、高さ250mm、厚さ2mmのガラス円筒体の底に、厚さ2mmのガラス板を密着させたもの)に入れ、1mm間隔に引いた黒い線が見分けられなくなったところを求める(単位はcm)。
【0033】
硬度:不動レオメーターを用いペレットが潰れる強度を求める(単位はkg/cm2)。
【0034】
【表1】
。
【0035】
【表2】
。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】
本発明の、海水を混練用添加水として用いるタイプの養魚餌料用シングルモイストペレットは、保形成形性に優れ(切り口、粉化、艶等が良好)、ベトツキ付着抑制性や水中保形性も良好で(ペレットが硬く濁が少ない)、海水中でのチリによる海水汚染も防止できるペレットである。
Claims (1)
- エーテル化度が0.8以上であり、1%無水物粘度が50〜10,000mPa・sであり、塩化ナトリウム3.75%水溶液に溶解したときの粘度が純水に溶解したときの粘度の15%以上の値であるカルボキシメチルセルロースあるいはその塩よりなる粘結剤、及び海水を含むことを特徴とする養魚餌料用シングルモイストペレット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33637095A JP3632269B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 養魚餌料用シングルモイストペレット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33637095A JP3632269B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 養魚餌料用シングルモイストペレット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09172982A JPH09172982A (ja) | 1997-07-08 |
JP3632269B2 true JP3632269B2 (ja) | 2005-03-23 |
Family
ID=18298440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33637095A Expired - Fee Related JP3632269B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 養魚餌料用シングルモイストペレット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3632269B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006241210A (ja) * | 2005-03-01 | 2006-09-14 | Nippon Kagaku Toryo Kk | 水膨潤性塗料組成物及び止水材 |
-
1995
- 1995-12-25 JP JP33637095A patent/JP3632269B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09172982A (ja) | 1997-07-08 |
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