JP3631910B2 - 高導電性アニリン系ポリマーの製造法 - Google Patents

高導電性アニリン系ポリマーの製造法 Download PDF

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は溶媒に可溶な導電性アニリン系ポリマーの製造法に関する。本発明の方法で得られるポリマーを主成分とする溶液は、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法等の簡便な手法で基材に塗布し導電体を形成することができる。また、導電膜の接着性、塗膜強度を向上させるために塗布時に適当なバインダーポリマーを混合して用いることもできる。
【0002】
塗布基材としてはPET、PEN等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリスルホン、ポリイミド、ポリウレタン、フェノール樹脂、アミノ樹脂、シリコン樹脂、合成紙等の各種プラスチックスおよびフィルム、紙、鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼等が挙げられる。塗布工程はこれら基材の製造工程、例えば一軸延伸法、二軸延伸法、成形加工、エンボス加工等の工程前、または工程中に行っても良く、これら処理工程が完了した基材に対して行うこともできる。
【0003】
また、本発明の方法で得られるポリマーを主成分とする組成物は、各種帯電防止、制電、コンデンサー、電池、EMIシールド、化学センサー、非線形材料、表示素子、防食剤、接着剤、繊維、帯電防止塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗料の下地、電気防食、電池の蓄電能力向上などの分野へ適応可能である。更に、本発明の方法で得られるポリマーは導電性の湿度依存性がなく、透明性が高く、しかも延伸加工や成形加工、エンボス加工等が可能なため、各種帯電防止用途への適合性が優れている。
【0004】
本発明の方法で得られるポリマーを用いた帯電防止剤の用途例としては、包装材料、磁気カード、磁気テープ、磁気ディスク、写真フィルム、印刷材料、離型フィルム、ヒートシールテープ、ICトレイ、ICキャリアテープ、カバーテープ等が挙げられる。
【0005】
【従来の技術】
導電性ポリマーとしてはドープされたポリアニリンは良く知られているが、ほとんど全ての溶剤に不溶であり、成形、加工に難点がある。また、アニリンを電解酸化重合する方法(特開昭60−235831号公報、J.Polymer Sci.Polymer Chem.Ed.、26,1531(1988))は、電極上にポリアニリンフィルムを形成することが可能であるが、単離操作が煩雑になることや大量合成が困難であるという問題がある。
【0006】
また、近年ドープ剤を添加することなく導電性を発現する自己ドープ性でアルカリ可溶性のスルホン化ポリアニリンとその合成法およびカルボキシル化ポリアニリンとその合成法が提案されている。
【0007】
例えば、スルホン化ポリアニリンの合成法としては、アニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸を電気化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成する方法(日本化学会誌,1985,1124、特開平02−166165号公報)、o−、m−またはp−アミノベンゼンスルホン酸をそれぞれ単独で電気化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成する方法(日本化学会第64秋季年会 講演予稿集II 706(1992))、アニリンとo−またはm−アミノベンゼンスルホン酸を化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成する方法(特開平1−301714号公報)、アミノベンゼンスルホン酸系化合物又はアミノベンゼンスルホン酸系化合物及びアニリン系化合物を含む単量体を化学酸化重合する方法(特開平6−56987号公報)、化学的あるいは電気化学的に重合して得られたエメラルディンタイプの重合体(ポリアニリン)を濃硫酸でスルホン化する方法(特開昭58−210902号公報)、無水硫酸/リン酸トリエチル錯体を用いてスルホン化する方法(特開昭61−197633号公報)、発煙硫酸でスルホン化する方法(J. Am. Chem. Soc.,(1991)113, 2665〜2671、J. Am. Chem. Soc.,(1990)112,2800、WO91−06887)、ジフェニルアミン−4−スルホン酸(ナトリウム塩)を化学的に重合し、N−置換型のスルホン化ポリアニリン合成する方法(Polymer,(1993)34,158〜162)などが知られている。
【0008】
アニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸を電気化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成する方法(日本化学会誌,1985,1124、特開平02−166165号公報)は、生成物が電極上に形成されるため、単離操作が煩雑になることおよび大量合成が困難であるという問題がある。
【0009】
また、日本化学会第64秋季年会講演予稿集II 706(1992)では、アミノベンゼンスルホン酸の電解酸化による可溶性導電性高分子の合成法が説明されているが、この方法も大量合成に適しているとは言い難い。また、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを酸化剤としてアミノベンゼンスルホン酸を化学酸化重合を行った場合は生成物は得られなかったと記されている。また、J. Am. Chem. Soc.,(1991)113, 2665〜2671によるとo−またはm−アミノベンゼンスルホン酸を化学的および電気化学的に重合を試みたが成功しなかったと記されている。
【0010】
また、特開平6−56987号公報では、アミノベンゼンスルホン酸系化合物またはアミノベンゼンスルホン酸系化合物およびアニリン系化合物を含む単量体を酸性、中性およびアルカリの何れの溶液でも、化学酸化重合することにより水に可溶性の導電性ポリマーが得られるとの記載がある。しかし、本発明者らの検討では、フィルム形成するのに充分な分子量を有するポリマーを得るためには、塩基性化合物の存在下重合することが必須条件であり、酸性溶液および中性溶液ではフィルム形成するのに充分な分子量を有するポリマーを得ることができなかった。
【0011】
特開平6−56987号公報の実施例においては、すべて硫酸酸性溶液中での重合であり、アルカリ性溶液中での重合に関する実施例はなく、また酸性水溶液中での重合に関する実施例においても、その分子量の記載もないため、どのような物性のポリマーが得られたか明らかでない。
【0012】
更に本発明者らが酸化剤にペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いて、プロトン酸を含む水溶液中および水溶液中での重合を試みたところ、水に可溶なポリマーは得られるが、低分子量のためフィルムを形成するような実用的なポリマーは得られなかった。
【0013】
特開平1−301714号公報で記載されているアニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸をペルオキソ二硫酸アンモニウムで化学的に重合する方法および特開平6−56987号公報で記載されているアニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸を過マンガン酸カリウムで化学的に重合する方法を本発明者らが追試したところ、芳香環5個に約1個のスルホン酸基が導入されるのみであり、導電性は示すが中性および酸性の水には完全に不溶であり、アンモニア水などのアルカリ性水溶液にもほとんど不溶であった。
【0014】
また、特開昭61− 197633号公報の方法でスルホン化した場合も同公報7頁に記載されているとおり、反応溶媒に対するポリアニリンの溶解性が充分でなく分散状態で反応させているため、芳香環5個に約1個のスルホン酸基しか導入されない。かくして得られるスルホン酸基導入割合の小さいスルホン化ポリアニリンは、導電性および溶解性が充分でないという問題がある。
【0015】
また、J. Am. Chem. Soc.,(1991)113,2665〜2671およびJ. Am.Chem. Soc.,(1990)112,2800によると、ポリアニリンを発煙硫酸でスルホン化した場合、芳香環2個に約1個のスルホン酸基が導入されると記されている。しかし、本方法でポリアニリンを充分にスルホン化しようとした場合、発煙硫酸に対するポリアニリンの溶解性が充分でないため、発煙硫酸が大過剰必要とされる。また、発煙硫酸にポリアニリンを添加する際もポリマーが固化し易いという問題がある。更に、このような方法で合成された重合物およびそのスルホン化物は、アンモニアおよびアルキルアミン等の塩基を含む水溶液には溶解するが水単独には溶解しないという問題もある。
【0016】
また、Polymer(1993)34,158〜162によると、ジフェニルアミン−4−スルホン酸(ナトリウム塩)を重合した場合、アニリン骨格に対してベンゼンスルホン酸が1個置換された構造のN位置換型のスルホン化ポリアニリンが得られ、水単独にも溶解するが、重合物の単離に超遠心分離操作が必要であると記されている。本発明者らが追試したところ、高溶解性のため重合溶媒中からの重合物の取得収率は低いものであり、高速遠心分離操作を行わない場合、重合物を単離することはできなかった。また、N位置換型のため、前述のJ.Am. Chem. Soc.,(1991)113,2665〜2671の方法で合成した重合体に比べ導電性は低いものであった。
【0017】
また、例えば、カルボキシル化ポリアニリンの合成法としては、2−または3−カルボキシアニリンまたはその塩を酸化重合し、次いで塩基性物質で処理し、カルボキシル基が塩で得られる製造法(特開平4−268331号公報)が提案されているが、酸化剤の使用量が原料に対して2倍当量以上必要であり、導電性は低い値である。このことよりモノマーの反応性が低く低分子量のポリマーが生成していると考えられる。
【0018】
また、メチルアントラニレート(アントラニル酸メチルエステル)をペルオキソ二硫酸アンモニウムの存在下で酸性の水性媒体中で重合後、アルコール性水酸化カリウムによってメチルエステルをケン化する合成法(特開平5−226238号公報)が提案されているが、反応が2段階となるため、操作が非常に煩雑である。
【0019】
更に本発明者らが、2−カルボキシアニリンを酸化剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いて、プロトン酸を含む水溶液中での重合を試みたところ、生成物を得ることができなかった。また、本発明者らはアニリンと2−カルボキシアニリンを酸化剤にペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いて、プロトン酸を含む水溶液中での重合を試みたところ、共重合体が得られたが溶解性、導電性も共に低いものであった。このことより得られた共重合体は2−カルボキシアニリンの共重合比率が低いものと考えられる。従って、ポリマーにドープ剤を添加することなく導電性を発現させ、溶解性を向上させるためにはより多くのスルホン酸基またはカルボキシル基などの酸性基を主鎖の芳香環に導入する必要があるものと考えられる。
【0020】
また、塗布による成膜等の成形性を考えた場合、特に親水性、疎水性いずれの基材にも塗布可能とするためには、水および有機溶剤の両方に溶解性のあることが望まれる。ところが、ポリアニリンのスルホン化物は、アルカリ水に対する溶解性はあるが、中性から酸性を示す水溶液には不溶であり、また有機溶剤に対する溶解性が十分とはいえない。
【0021】
これらの諸問題を解決する方法として、本発明者らはアニリン、N−アルキルアニリンおよびフェニレンジアミン類よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物と、アミノベンゼンスルホン酸とを酸性溶媒中酸化剤を用いて共重合させ、更にスルホン化剤によりスルホン化することを特徴とするアニリン系共重合体スルホン化物の製造法を提案した(特開平5−178989号公報)。しかし、この方法においても濃硫酸中でスルホン化する操作を必要とし、廃酸の処理が大きな問題として残る。
【0022】
なお、上記方法で合成された共重合体は何れも下式(3)の構造を持つと推定される。
【化3】
Figure 0003631910
(式中、R10、R11、R12およびR13は、それぞれ水素およびスルホン酸基よりなる群から選ばれ、R′は水素または炭素数1〜24のアルキル基よりなる群から選ばれ、スルホン酸基の割合はスルホン酸基が芳香環に対して40〜80%の含有量であり、xは0〜1の任意の数を表わし、nは重合度を示す2〜1500の数である。)
【0023】
更に、本発明者らは、アニリン、N−アルキルアニリンおよびフェニレンジアミン類よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物とアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸とを共重合させることにより、廃棄物を大量に発生させるスルホン化操作を省略することを特徴とするアニリン系共重合体の製造法(特開平6−293828号公報)を提案した。しかし、この方法において得られる共重合体においても水単独には溶解しないという問題が残されていた。
【0024】
なお、上記方法で合成された共重合体は何れも下式(4)の構造を持つと推定される。
【化4】
Figure 0003631910
(式中、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20またははR21は、それぞれ水素、アルコキシ基およびスルホン酸基よりなる群から選ばれ、スルホン酸基の割合はスルホン酸基が芳香環に対して25〜50%の含有量であり、同一芳香環にアルコキシ基およびスルホン酸基を含有しており、R′は水素または炭素数1〜4のアルキル基よりなる群から選ばれ、xは0〜1の任意の数を表し、nは重合度を示す2〜1500の数である。)
【0025】
また、本発明者らは、スルホン酸基置換アニリンまたはカルボキシル基置換アニリンなどの酸性基置換アニリンを、塩基性化合物含む溶液中で重合することを特徴とする可溶性アニリン系導電ポリマーとその製造方法(特開平7−196791号公報、特開平7−324132号公報)を提案した。本方法は、従来スルホン酸基またはカルボキシル基を有するアニリン類はそれ単独では重合しにくいと云う定説に反し、高分子量の重合体の製造が可能である。しかも、得られた可溶性導電ポリマーは、酸性からアルカリ性の何れの水溶液にも優れた溶解を示す。しかし、この方法においても、副反応の併発や、それに基づくと考えられるオリゴマー成分の副生は完全には抑制されず、これがポリマー中への不純物混入の要因および導電性向上の妨げとなっている。また、これら不純物の除去工程が煩雑になるという課題点も有している。
【0026】
なお、上記方法で合成された共重合体は何れも下式(5)の構造を持つと推定される。
【化5】
Figure 0003631910
(式中、A1〜A4は、スルホン酸基、カルボキシル基、それらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩から選ばれた一つの基であり、B1〜B4は、水素、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルコシキ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲン基よりなる群から選ばれた一つの基を示す。xは、0〜1の任意の数を表し、nは重合度を示す2〜5000の数である。)
【0027】
【発明が解決しようとしている課題】
本発明の目的は、いかなるpHの水または有機溶剤に対してもすぐれた溶解性を示すと共に、高導電性で高分子量且つ、分子量分布が狭く、高純度な、成膜性に優れたアニリン系ポリマーの簡便な製造方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高い導電性と溶解性を有するポリアニリンとして芳香環に対するスルホン酸基および/またはカルボキシル基などの酸性基導入割合の大きい酸性基置換ポリアニリンの簡便な製法を鋭意検討した結果、従来法では塩基性化合物を含むモノマー溶液中に酸化剤を滴下する反応方法をとっているため重合初期の系内pHが塩基性となり、このため原料モノマーである酸性基置換アニリンがアゾ化等の副反応を起こしやすく、このアゾ化反応によりオリゴマー成分が生成することを解明した。更に、塩基性化合物を含むスルホン基置換アニリンおよび/またはカルボキシル基置換アニリンなどの酸性基置換アニリンに対して酸化剤が等モル以上存在する系で酸化重合することにより、前記副反応が抑制され、高純度且つ、分子量分布が単分散に近いポリマーが得られることを見出した。また、本反応では副反応が生じにくいため、不純物や、オリゴマー成分が生成しにくく、この結果、平均分子量が向上し、導電性が大きく向上し、かつ色調、成膜性も改善されたポリマーが製造可能であることを見出して本発明に到達した。
【0029】
すなわち、本発明は、一般式(1)
【化6】
Figure 0003631910
(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 は水素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その少なくとも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す)で表される酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物(イ)を、塩基性化合物(ロ)と、溶剤(ハ)を含む溶液中で酸化剤で重合し、一般式(2)
【化7】
Figure 0003631910
(式中、R6,R7,R8,R9,は水素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その内少なくとも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す)で表される構造単位を含有する平均重合度n=10以上且つ、重量平均分子量5000以上であるアニリン系ポリマーを製造する方法において、上記(イ)に対して酸化剤がモル比で等モル以上存在している系にて重合を行うことおよび酸化剤溶液中に上記(イ)、塩基性化合物(ロ)並びに溶剤(ハ)の混合液を加えることを特徴とする高導電性アニリン系ポリマーの製造法に関する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製造法についてより詳細に説明する。
本発明で用いる酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩から選ばれた少なくとも一種の化合物(イ)として最も代表的なものは、スルホン酸基置換アニリンまたはカルボキシル基置換アニリンである。アミノベンゼンスルホン酸誘導体は、アミノ安息香酸誘導体に比べ導電性が高い傾向を示し、一方、アミノ安息香酸誘導体は、アミノベンゼンスルホン酸誘導体と比較して溶解性が高い傾向を示す。これらの誘導体は、目的に合わせ任意の割合で混合して用いることもできる。
【0031】
スルホン基置換アニリンとしては、o−,m−またはp−アミノベンゼンスルホン酸、アニリン−2,6−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、アニリン−3,5−ジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−3,4−ジスルホン酸等のアミノベンゼンスルホン酸類、メチルアミノベンゼンスルホン酸、エチルアミノベンゼンスルホン酸,n−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、iso−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、n−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、sec−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、t−ブチルアミノベンゼンスルホン酸等のアルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、メトキシアミノベンゼンスルホン酸、エトキシアミノベンゼンスルホン酸、プロポキシアミノベンゼンスルホン酸等のアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ニトロ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、フルオロアミノベンゼンスルホン酸、クロロアミノベンゼンスルホン酸、ブロムアミノベンゼンスルホン酸等のハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類などを挙げることができる。このなかではアミノベンゼンスルホン酸類、アルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類などが実用上好ましい。なお、これらのスルホン酸基置換アニリンはそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いても良い。
【0032】
カルボキシル基置換アニリンとしては、o−,m−またはp−アミノベンゼンカルボン酸、アニリン−2,6−ジカルボン酸、アニリン−2,5−ジカルボン酸、アニリン−3,5−ジカルボン酸、アニリン−2,4−ジカルボン酸、アニリン−3,4−ジカルボン酸等のアミノベンゼンカルボン酸類、メチルアミノベンゼンカルボン酸、エチルアミノベンゼンカルボン酸,n−プロピルアミノベンゼンカルボン酸、iso−プロピルアミノベンゼンカルボン酸、n−ブチルアミノベンゼンカルボン酸、sec−ブチルアミノベンゼンカルボン酸、t−ブチルアミノベンゼンカルボン酸等のアルキル基置換アミノベンゼンカルボン酸類、メトキシアミノベンゼンカルボン酸、エトキシアミノベンゼンカルボン酸、プロポキシアミノベンゼンカルボン酸等のアルコキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、ニトロ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、フルオロアミノベンゼンカルボン酸、クロロアミノベンゼンカルボン酸、ブロムアミノベンゼンカルボン酸等のハロゲン基置換アミノベンゼンカルボン酸類などを挙げることができる。このなかではアミノベンゼンカルボン酸類、アルキル基置換アミノベンゼンカルボン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類などが実用上好ましい。これらのカルボキシル基置換アニリンはそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いても良い。
【0033】
更に詳しく前記一般式(1)の酸性基置換アニリンの置換基の位置と組合わせの具体例を表1に示す。
【表1】
Figure 0003631910
ここで、
A:スルホン酸基またはカルボン酸基、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩から選ばれた一つの基を示し、
B: メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基 、sec−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基、ヒドロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロム基などのハロゲン基から選ばれた一つの基を示し、
H:水素を示す。
【0034】
これらモノマーで塩を形成できるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどが例示できる。
【0035】
また、置換アンモニウムとしては、脂式アンモニウム類、環式飽和アンモニウム類、環式不飽和アンモニウム類などが挙げられる。
【0036】
前記脂式アンモニウム類としては、下式(6)
【化8】
Figure 0003631910
(式中R22 〜R25は、水素、炭素数1〜4のアルキル基よりなる群から独立して選ばれた基である。)で表される。例えば、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、エチルプロピルアンモニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、エチルイソプロピルアンモニウム、メチルブチルアンモニウム、エチルブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラメチロールアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、テトラsec−ブチルアンモニウム、テトラt−ブチルアンモニウムなどを例示することができる。なかでも、R22〜R25のうち1つが水素、他の3つが炭素数1〜4のアルキル基の場合が最も好ましく、次いでR22〜R25のうち2つが水素、他の2つが炭素数1〜4のアルキル基の場合が好ましい。
【0037】
環式飽和アンモニウム類としては、ピペリジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピペラジニウムおよびこれらの骨格を有する誘導体などが例示される。
【0038】
環式不飽和アンモニウム類としては、ピリジニウム、α−ピコリニウム、β−ピコリニウム、γ−ピコリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ピロリニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが例示される。
【0039】
次に、本発明で用いられる塩基性化合物(ロ)としては、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類、無機塩基などが用いられる。特に脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類などが好ましい。
【0040】
好ましい脂式アミン類としては、下記一般式(7)
【化9】
Figure 0003631910
(式中、R26〜R28は、炭素数1〜4のアルキル基よりなる群から独立して選ばれた基である。)で示される化合物、または一般式(8)
【化10】
Figure 0003631910
(式中、R29〜R32はそれぞれ水素、炭素数1〜4のアルキル基よりなる群から独立して選ばれた基である。)で表されるアンモニウムヒドロキシド化合物を挙げることができる。
【0041】
環式飽和アミン類としては、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、ピペラジンおよびこれらの骨格を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが好ましく用いられる。
【0042】
環式不飽和アミン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピロリンおよびこれらの骨格を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが好ましく用いられる。
【0043】
これら塩基性化合物の中でも特に好ましいものとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン等が挙げられ、これらのものを用いた場合、特に高導電性且つ高純度なポリマーを得ることができる。また、これらの塩基性化合物(ロ)は、2種以上をそれぞれ任意の割合で混合して用いることもできる。
【0044】
これら塩基性化合物(ロ)の濃度は0.1mol/l以上、好ましくは0.1〜10.0mol/l、特に好ましくは0.2〜8.0mol/lの範囲で用いられる。この際、0.1mol/l以下の場合、得られるポリマーの収率が低下し、10.0mol/l以上の場合、導電性が低下する場合がある。
【0045】
前記酸性基置換アニリンなどの化合物(イ)と塩基性化合物(ロ)との重量比は(イ):(ロ)=1:100〜100:1、好ましくは10:90〜90:10が用いられる。ここで、塩基性化合物の割合が低いと反応性が低下し導電性も低下することがある。逆に割合が高い場合は得られるポリマー中の酸性基と塩基性化合物が塩を形成する割合が高くなり導電性が低下することがある。
【0046】
重合または共重合は、これら塩基性化合物共存下で、酸化剤により酸化重合することにより行う。
【0047】
溶剤(ハ)は、水、または水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が用いられ、混合溶媒を用いる場合の混合比は任意であるが通常、水:水溶性有機溶剤=1:100〜100:1が好ましく用いられる。また、ここでいう水溶性有機溶剤は水と混合するものであれば特に限定はないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が好ましく用いられる。
【0048】
また、本発明で用いる酸化剤は、標準電極電位が0.6V以上である酸化剤であれば特に限定されないが、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウムおよびペルオキソ二硫酸カリウムなどのペルオキソ二硫酸類、過酸化水素等が好ましく用いられる。これらの酸化剤を2種以上併用しても何ら差し支えない。酸化剤の使用量はモノマー1モルに対して1〜5モル、好ましくは1〜3モル用いられる。またこの際、触媒として鉄、銅などの遷移金属化合物を添加することも有効である。
【0049】
本発明における重合方法ではモノマー(イ)に対して酸化剤がモル比で等モル以上存在している系にて重合を行うことが重要である。具体的には、酸化剤溶液中にモノマー溶液を滴下する反応方法が挙げられる。
【0050】
本発明における重合時の系内pHは7以下で行うことが好ましい。更に好ましくはpH6以下である。ここで、重合反応系内のpHが7を超えると、副反応が進行しやすくなり、その結果、不純物、オリゴマー成分が生成し、導電性、成膜性、純度が低下する場合がある。
【0051】
重合系内のpHを7以下に保つために重合系内にプロトン酸を添加することができる。プロトン酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ化フッ素酸等の鉱酸類、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸類、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸等の有機スルホン酸類、およびポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリ−2−メチルプロパン−2−アクリルアミドスルホン酸等の高分子酸類などが挙げられ、好ましくは、塩酸、硝酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が用いられる。
【0052】
プロトン酸の添加量は、酸化剤の析出がない範囲であれば特に限定されないが、モル比でプロトン酸:酸化剤=0.01:100〜50:100が好ましく、0.01:100〜45:100が特に好ましい。ここで、プロトン酸の添加量が多いと、モノマー溶液を滴下した際にモノマーの析出が生じ、反応進行の妨げとなり、その結果、不純物、オリゴマー成分が生成し、導電性、成膜性、純度が低下することがある。
【0053】
本発明の高導電性アニリン系ポリマーを製造する際の重合系内の攪拌としては、通常は攪拌動力0.01〜5kw/mで行うことが好ましい。
【0054】
反応温度は、好ましくは50℃以下、特に好ましくはマイナス15〜50℃、最も好ましくはマイナス10〜40℃の範囲が適用される。ここで、50℃を越える温度では副反応の進行や、主鎖の酸化還元構造の変化により導電性が低下することがある。また、マイナス15℃未満では反応時間が長びくことがある。
【0055】
本発明によって製造されるポリマー中のスルホン酸基またはカルボキシル基は遊離酸、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩よりなる群から独立して選ばれた基である。従ってこれらの基が単一ではなく混在した状態のポリマーも得ることができる。
【0056】
具体的には、水酸化ナトリウム存在下で重合された場合、単離されたポリマー中のスルホン酸基またはカルボキシル基は、ほとんどがナトリウム塩になっている。同様に、アンモニア存在下で重合した場合、スルホン酸基またはカルボキシル基の大部分はアンモニウム塩であり、トリメチルアミン存在下で重合した場合、大部分はトリメチルアンモニウム塩であり、キノリン存在下で重合した場合、大部分はキノリニウム塩の形で得られる。このように酸性基の一部ないし全部が塩を形成しているポリマーは、酸含有溶液で処理することによって、更に高純度なポリマーとすることができる。
【0057】
ポリマーは、反応液からろ別して単離されるが、反応液中には未反応のモノマーが溶解している。この際用いる分離装置としては、減圧濾過、加圧濾過、遠心分離、遠心濾過等が用いられるが、特に遠心分離、遠心濾過などの分離装置を用いた場合高純度のものが得られやすく好ましい。
【0058】
また、分離精製時の洗浄溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド,N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドを用いた場合高純度のものが得られ、特にメチルアルコール、エチルアルコール、iso−プロピルアルコール、アセトン、アセトニトリルを用いた場合効果的である。
【0059】
かくして得られた芳香環にスルホン酸基またはカルボキシ基を含有するアニリン系ポリマーの重量平均分子量は5000〜3240000、好ましくは5000〜1000000、特に好ましくは10000〜500000である。
【0060】
このポリマーは更にスルホン化操作を施すことなく、単なる水、アンモニアおよびアルキルアミン等の塩基または酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム等の塩基性塩を含む水、塩酸および硫酸等の酸を含む水またはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶媒やそれらの混合物に溶解することができる。
【0061】
なお、以上の方法で合成された重合体または共重合体は、一般式(9)で示したフェニレンジアミン構造(還元型)とキノジイミン構造(酸化型)を有していると云われている。
【化11】
Figure 0003631910
(式中、R33〜R49は、電子吸引基、酸性基、水素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その内少なくとも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す。この中でも特に各芳香環の4つの置換基の内少なくとも二つはそれぞれ酸性基又はアルコキシ基を有するものが好ましい。)このフェニレンジアミン構造(還元型)とキノジイミン構造(酸化型)は、酸化もしくは還元により任意の比率で可逆的に変換させることが可能である。フェニレンジアミン構造とキノジイミン構造の比率:xは、0.2<x<0.8の範囲が導電性および溶解性の面から好ましく、0.3<x<0.7がより好ましい。
【0062】
また、本発明のアニリン系ポリマーは一般式(2)で表される以外の構造単位として、可溶性、導電性及び性状に影響を及ぼさない限り、置換または無置換のアニリン、チオフェン、ピロール、フェニレン、ビニレン、二価の他の不飽和基及び二価の飽和基の少なくとも一種の構造単位を含んでも良い。この場合、一般式(2)の繰り返し単位の含有率、即ち芳香環に対して酸性基の置換した繰り返し単位の含有率は70%以上含まれることが好ましく、更に好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。芳香環に対して酸性基の置換した繰り返し単位の含有率が70%未満では水に対する溶解性が不十分となることがある。
【0063】
【実施例】
以下実施例を挙げて説明する。
なお、IRスペクトルはパーキンエルマー製(モデル1600)の装置を用いて測定した。分子量分布及び分子量の測定には、水系のGPCカラムを用いて、GPC測定(ポリスチレンスルホン酸換算)を行った。カラムは、水系のものを2種類連結して用いた。また、溶離液には0.01mol/lリン酸緩衝液を用いた。pHの測定はガラス電極を用いて行った。導電性は、導電率の測定には4端子法、表面抵抗の測定には2端子法を用いた。撹拌動力の測定は撹拌機の消費電力より求めた。なお、ここで言う撹拌動力とは、シール損失等を引いた重合溶液に実際にかかる動力を示す。
【0064】
実施例1
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを0℃で4mol/l濃度のトリエチルアミンの水:アセトニトリル3:7溶液30mlに溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolを含む水:アセトニトリル3:7溶液100ml中に冷却下で滴下した。このときのモノマー溶液滴下速度は100mmol/hr、攪拌動力0.7kw/m反応時の最高到達温度はモノマー滴下0.5当量時で、15℃であった。また、反応系内のpHは滴下開始時がpH3、滴下終了時がpH1.5であり、pH最低値1.0を示した際のモノマー滴下当量は0.6当量であった。滴下終了後25℃で12時間更に攪拌したのち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別後、メチルアルコールにて洗浄後乾燥し、重合体粉末17gを得た。このものの体積抵抗値は0.2S/cmであった。また、この重合体中に含まれる、残留モノマーである2−アミノアニソール−4−スルホン酸は0.2%、副生塩であるトリエチルアミン硫酸塩は、0.05%であった。
【0065】
前記重合体5重量部を水100重量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物を調製した。このようにして得られた溶液をガラス基板上にスピンコート法により塗布し、100℃で乾燥させた。膜厚0.2μm表面の平滑な表面抵抗値3×10 Ω/□のフィルムが得られた。測定の結果、数平均分子量MN25000、重量平均分子量MW27000、Z平均分子量28000、分散度MW/MN=1.08、MZ/MW=1.04であった。
【0066】
10mlの、水、0.1mol/lの硫酸水溶液または0.1mol/lのアンモニア水に、ポリマーを少量ずつ加えて溶解しなくなったところで濾過し、溶解量を求めたところ、実施例1にて合成した導電性ポリマーの溶解性は、
水 370mg/ml
0.1モル/リットルの硫酸水溶液 310mg/ml
0.1モル/リットルのアンモニア水 420mg/ml
であった。
【0067】
実施例2
2−メチル−4−アミノベンゼンスルホン酸100mmolを10℃で4mol/l濃度のトリメチルアミンの水:アセトニトリル5:5溶液25mlに溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolを含む水:アセトニトリル5:5溶液100ml中に冷却下で滴下した。このときのモノマー溶液滴下速度は50mmol/hr、攪拌動力1.0kw/m、反応時の最高到達温度はモノマー滴下0.4当量時で、20℃であった。また、反応系内のpHは滴下開始時がpH3、滴下終了時がpH2であり、pH最低値1.0を示した際のモノマー滴下当量は0.4当量であった。滴下終了後25℃で12時間更に攪拌したのち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別後、メチルアルコールにて洗浄後乾燥し、重合体粉末13gを得た。このものの体積抵抗値は0.18S/cmであった。また、この重合体中に含まれる、残留モノマーである2−メチル−4−アミノベンゼンスルホン酸は0.5%、副生塩であるトリメチルアミン硫酸塩は、0.1%であった。
【0068】
実施例3
2−アミノアニソール−4−スルホン酸1molをマイナス3℃で2mol/l濃度のトリエチルアミンの水:アセトン3:7溶液500mlに溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム1molと硫酸1gを含む水:アセトン3:7溶液1000ml中に冷却下で滴下した。このときのモノマー溶液滴下速度は1mol/hr、攪拌動力1.5kw/m、反応時の最高到達温度はモノマー滴下0.7当量時で、20℃であった。また、反応系内のpHは滴下開始時がpH1、滴下終了時がpH1であり、pH最低値0.8を示した際のモノマー滴下当量は0.7当量であった。滴下終了後25℃で12時間更に攪拌したのち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別後、メチルアルコールにて洗浄後乾燥し、重合体粉末750gを得た。このものの体積抵抗値は0.25S/cmであった。また、この重合体中に含まれる、残留モノマーである2−アミノアニソール−4−スルホン酸は0.15%、副生塩であるトリエチルアミン硫酸塩は、0.1%であった。
【0069】
実施例4
ヒドロキシアミノベンゼンスルホン酸アンモニウム塩5molをマイナス3℃で4mol/l濃度のトリエチルアミンの水:イソプロパノール3:7溶液1250mlに溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム5molと塩酸1gを含む水:イソプロパノール7:3溶液4000ml中に冷却下で滴下した。このときのモノマー溶液滴下速度は2mol/hr、攪拌動力0.1kw/m、反応時の最高到達温度はモノマー滴下0.2当量時で、10℃であった。また、反応系内のpHは滴下開始時がpH1、滴下終了時がpH1.4であり、pH最低値0.9を示した際のモノマー滴下当量は0.7当量であった。滴下終了後25℃で12時間更に攪拌したのち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別後、メチルアルコールにて洗浄後乾燥し、重合体粉末14gを得た。このものの体積抵抗値は0.15S/cmであった。また、この重合体中に含まれる、残留モノマーであるヒドロキシアミノベンゼンスルホン酸は0.2%、副生塩であるトリエチルアミン硫酸塩は、0.1%であった。
【0070】
実施例5
2―カルボキシルアニリン(アントラニル酸)100mmolを5℃で、2mol/l濃度のピリジンの水:メチルアルコール3:7溶液50mlに溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolを含む水:メチルアルコール3:7溶液100ml中に冷却下で滴下した。このときのモノマー滴下速度は50mmol/hr、撹拌動力0.8kw/m、反応時の最高到達温度は、モノマー滴下0.5当量で、13℃であった。また、反応系内のpHは、滴下開始時がpH3、滴下終了時がpH3であり、pH最低値1.5を示した際のモノマー滴下当量は0.5当量であった。滴下終了後25℃で12時間更に撹拌したのち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別後、メチルアルコールにて洗浄後乾燥し、重合体粉末8gを得た。このものの体積抵抗値は0.1S/cmであった。また、この重合体中に含まれる、残留モノマーであるアントラニル酸は0.2%、副生塩であるピリジンの硫酸塩は,0.1%であった。
【0071】
比較例1
2―アミノアニソールー4―スルホン酸100mmolを25℃で、4mol/l濃度のアンモニア水溶液30mlに溶解し、その中へペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolを含む水溶液100mlを滴下した。このときの酸化剤滴下速度は100mmol/hr、撹拌動力0.1kw/m、反応時の最高到達温度は、酸化剤滴下0.2当量時の55℃であった。また、反応系内のpHは、滴下開始時がpH11、滴下終了時がpH3であり、pH最低値1.5を示した際の酸化剤滴下当量は0.2当量であった。滴下終了後25℃で12時間更に撹拌したのち、反応生成物を濾過器にて濾別洗浄後乾燥し、重合体粉末8gを得た。このものの体積抵抗値は<0.0001S/cmであった。また、この重合体中に含まれる、残留モノマーである2―アミノアニソールー4―スルホン酸は6%、副生塩である硫酸アンモニウムは8%であった。
【0072】
前記重合体5重量部を水100重量部に室温で撹拌溶解し導電性組成物を調製した。このようにして得られた溶液をガラス基板上にスピンコート法により塗布し、100℃で乾燥させたが、均一な膜は得られなかった。得られた膜の導電性は1×10Ω/□であった。分子量測定の結果、数平均分子量MN1400、重量平均分子量MW8000、Z平均分子量3300、分散度MW/MN=5.7であった。
【0073】
比較例2
2―カルボキシルアニリン(アントラニル酸)100mmolを25℃で、6mol/l濃度のピペリジン水溶液50mlに撹拌溶解し、その中へペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolを含む水溶液100mlを滴下した。このときの酸化剤滴下速度は50mmol/hr、撹拌動力0.3kw/m、反応時の最高到達温度は、酸化剤滴下0.3当量時で35℃であった。また、反応系内のpHは、滴下開始時がpH12、滴下終了時がpH7であり反応は塩基性下で進行した。また、pH最低値7になった際の酸化剤滴下当量は0.3当量であった。滴下終了後25℃で12時間更に撹拌したのち、反応生成物を濾過器にて濾別洗浄後乾燥し、重合体粉末3gを得た。このものの体積抵抗値は0.001S/cmであった。また、この重合体中に含まれる、残留モノマーであるアントラニル酸は9%、副生塩であるピリジンの硫酸塩は,7%であった。
【0074】
比較例3
アニリン系導電性ポリマーとして、スルホン化ポリアニリンを既知法(J.Am.Chem.Soc.,(1991)、113,2665−2666)に従って合成した。前記スルホン化ポリアニリン3重量部を100重量部の0.2モル/リットル硫酸水溶液に室温にて攪拌溶解し導電性組成物を調製した。このようにして得られた溶液をガラス基材上にスピンコート法により塗布したが、0.2モル/リットルの硫酸水溶液に不溶性であったため、膜は形成されなかった。
【発明の効果】
本発明によれば高い導電性を発揮するとともに、高純度、且つ分子量分布が単分散に近い、如何なるpHの水または有機溶剤に対しても優れた溶解性を示すアニリン系ポリマーが得られる。また、本反応では副反応が生じにくいため、不純物や、オリゴマー成分が生成しにくく、この結果、平均分子量が向上し、導電性が大きく向上し、且つ色調、成膜性も改善された高導電性で高純度なアニリン系ポリマーを簡便な製造法で得ることができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0003631910
    (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 は水素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その少なくとも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す。)で表される酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物(イ)を、塩基性化合物(ロ)と、溶剤(ハ)を含む溶液中で酸化剤で重合し、一般式(2)
    Figure 0003631910
    (式中、R6 ,R7 ,R8 ,R9 は水素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その内少なくとも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す。)で表される構造単位を含有する平均重合度n=10以上且つ、重量平均分子量5000以上であるアニリン系ポリマーを製造する方法において、上記(イ)に対して酸化剤がモル比で等モル以上存在している系にて重合を行うことおよび酸化剤溶液中に上記(イ)、塩基性化合物(ロ)並びに溶剤(ハ)の混合液を加えることを特徴とする高導電性アニリン系ポリマーの製造法。
  2. 重合系のpHを7以下に保つことを特徴とする請求項1記載の高導電性アニリン系ポリマーの製造法。
  3. 重合系内にプロトン酸(ニ)を共存させて重合することを特徴とする請求項1〜2の何れか1項記載の高導電性アニリン系ポリマーの製造法。
  4. 重合中の反応温度を50℃以下に保つことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の高導電性アニリン系ポリマーの製造法。
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