JP3475017B2 - 高純度可溶性アニリン系導電性ポリマー及びその製造方法 - Google Patents

高純度可溶性アニリン系導電性ポリマー及びその製造方法

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JP3475017B2
JP3475017B2 JP19165096A JP19165096A JP3475017B2 JP 3475017 B2 JP3475017 B2 JP 3475017B2 JP 19165096 A JP19165096 A JP 19165096A JP 19165096 A JP19165096 A JP 19165096A JP 3475017 B2 JP3475017 B2 JP 3475017B2
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aniline
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茂 清水
隆司 斉藤
正志 鵜沢
恭之 高柳
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶媒に可溶な高純
度アニリン系導電性ポリマー及びその製造方法に関す
る。該ポリマーは、スプレーコート法、ディップコート
法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコー
ト法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カ
ーテンコート法等の簡便な手法で導電体を形成すること
ができる。また、該ポリマーを主成分とする組成物は、
各種帯電防止、コンデンサー、電池EMIシールド、化
学センサー、表示素子などへ適応可能である。帯電防止
剤の用途例としては、包装材料、磁気カード、磁気テー
プ、磁気ディスク、写真フィルム、印刷材料、離型フィ
ルム、ヒートシールテープ・フィルム、ICのキャリア
テープ、カバーテープ等がある。
【0002】
【従来の技術と課題】ドープされたポリアニリン(導電
性ポリマー)は良く知られているが、ほとんど全ての溶
剤に不溶であり、成形、加工に難点がある。また、アニ
リンを電解酸化重合する方法〔特開昭60−23583
1号公報、J.Polymer Sci.Polyme
r Chem. Ed.,26,1531(198
8)〕は電極上にポリアニリンのフィルムを形成するこ
とが可能であるが、単離操作が煩雑になること及び大量
合成が困難であるという問題がある。
【0003】また、近年ドープ剤を添加することなく導
電性を発現するアルカリ可溶性のスルホン化ポリアニリ
ンとその合成法及びカルボキシル化ポリアニリンとその
合成法が提案されている。
【0004】スルホン化ポリアニリンの合成法として
は、例えば、アニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸
を電気化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成
する方法(日本化学会誌,1985,1124、特開平
02−166165号公報)、o−、m−、p−アミノ
ベンゼンスルホン酸をそれぞれ単独で電気化学的に重合
してスルホン化ポリアニリンを合成する方法〔日本化学
会第64秋季年会 講演予稿集II 706(199
2)〕、アニリンとo−、m−アミノベンゼンスルホン
酸を化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成す
る方法(特開平01−301714号公報)、アミノベ
ンゼンスルホン酸系化合物又はアミノベンゼンスルホン
酸系化合物及びアニリン系化合物を含む単量体を化学酸
化重合する方法(特開平6−56987号公報)、化学
的あるいは電気化学的に重合して得られたエメラルディ
ンタイプの重合体(ポリアニリン)を濃硫酸でスルホン
化する方法(特開昭58−210902)、無水硫酸/
リン酸トリエチル錯体を用いてスルホン化する方法(特
開昭61−197633号公報)、発煙硫酸でスルホン
化する方法〔J.Am.Chem.Soc.,(199
1)113,2665〜2671、J.Am.Che
m.Soc.,(1990)112,2800、WO9
1−06887〕、ジフェニルアミン−4−スルホン酸
(ナトリウム塩)を化学的に重合し、N−置換型のスル
ホン化ポリアニリン合成する方法〔Polymer,
(1993)34,158〜162〕などが知られてい
る。
【0005】アニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸
を電気化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成
する方法(日本化学会誌,1985,1124、特開平
02−166165号公報)は、生成物が電極上に形成
されるため、単離操作が煩雑になること及び大量合成が
困難であるという問題がある。
【0006】また、日本化学会第64秋季年会講演予稿
集II,706(1992)では、アミノベンゼンスルホ
ン酸の電解酸化による可溶性導電性高分子の合成法が説
明されているが、この方法も大量合成に適しているとは
言い難い。また、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを酸化
剤としてアミノベンゼンスルホン酸を化学酸化重合を行
った場合は生成物は得られなかったと記されている。ま
た、J.Am.Chem.Soc.,(1991)11
3,2665〜2671によるとo−,m−アミノベン
ゼンスルホン酸を化学的及び電気化学的に重合を試みた
が成功しなかったと記されている。
【0007】また、特開平6−56987号公報では、
アミノベンゼンスルホン酸系化合物またはアミノベンゼ
ンスルホン酸系化合物およびアニリン系化合物を含む単
量体を酸性、中性およびアルカリの何れの溶液でも、化
学酸化重合することにより水に可溶性の導電性ポリマー
が得られるとの記載があり、硫酸酸性溶液中での重合例
が実施例に示されているが、ポリマーの物性に関する記
載はない。本発明者らの追試によれば、フィルム形成す
るのに充分な分子量を有するポリマーを得ることができ
なかった。
【0008】更に本発明者らが酸化剤にペルオキソ二硫
酸アンモニウムを用いて、プロトン酸を含む水溶液中お
よび水溶液中での重合を試みたところ、水に可溶なポリ
マーは得られるが、低分子量のためフィルムを形成する
ような実用的なポリマーを得ることはできなかった。
【0009】特開平01−301714号公報で記載さ
れているアニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸をペ
ルオキソ二硫酸アンモニウムで化学的に重合する方法お
よび特開平6−56987号公報で記載されているアニ
リンとm−アミノベンゼンスルホン酸を過マンガン酸カ
リウムで化学的に重合する方法を本発明者らが追試した
ところ、芳香環5個に約1個のスルホン基が導入される
のみであり、高い導電性を示すが中性および酸性の水に
は完全に不溶であり、アンモニアなどのアルカリ性水溶
液にもほとんど不溶であった。また、特開昭61−19
7633号公報の方法でスルホン化した場合も同公報7
頁に記載されているとおり、スルホン化溶媒に対するポ
リアニリンの溶解性が充分でなく分散状態で反応させて
いるため、芳香環5個に約1個のスルホン基しか導入さ
れない。かくして得られるスルホン基導入割合の小さい
スルホン化ポリアニリンは、導電性及び溶解性が充分で
ないという問題がある。
【0010】また、J.Am.Chem.Soc.,
(1991)113,2665〜2671、J.Am.
Chem.Soc.,(1990)112,2800に
よると、ポリアニリンを発煙硫酸でスルホン化した場
合、芳香環2個に約1個のスルホン基が導入されると記
されている。しかし、本方法でポリアニリンを充分にス
ルホン化しようとした場合、発煙硫酸に対するポリアニ
リンの溶解性が充分でないため、発煙硫酸が大過剰必要
とされる。また、発煙硫酸にポリアニリンを添加する際
もポリマーが固化し易いという問題がある。更に以上の
方法で合成された重合物及びそのスルホン化物は、アン
モニア及びアルキルアミン等の塩基を含む水溶液には溶
解するが水単独には溶解しないという問題もある。
【0011】また、Polymer(1993)34,
158〜162によると、ジフェニルアミン−4−スル
ホン酸(ナトリウム塩)を重合した場合、ベンゼンスル
ホン酸基がアニリン骨格に対して1個導入されたN位置
換型のスルホン化ポリアニリンが得られ水単独にも溶解
するが、重合物の単離に超遠心分離操作が必要であると
記されている。本発明者らが追試したところ、高溶解性
のため重合溶媒中からの重合物の取得収率は低いもので
あり、高速遠心分離操作を行わない場合、重合物を単離
することはできなかった。また、N位置換型のため、上
記に示したJ.Am.Chem.Soc.,(199
1)113,2665〜2671の方法で合成した重合
体に比べ導電性は低いものであった。
【0012】また、カルボキシル化ポリアニリンの合成
法としては、例えば、2−または3−カルボキシアニリ
ンまたはその塩を酸化重合し、ついで塩基性物質で処理
し、カルボキシル基が塩形で得られる製造法(特開平4
−268331号公報)が提案されているが、酸化剤の
使用量が原料に対して2倍等量以上必要であり、導電性
は低い値である。このことよりモノマーの反応性が低く
低分子量のポリマーが生成しているものと予想される。
【0013】また、メチルアントラニレート(アントラ
ニル酸メチルエステル)をペルオキソ二硫酸アンモニウ
ムの存在下で水性の酸性媒体中で重合後、ついでアルコ
ール性水酸化カリウムによってメチルエステルをケン化
する合成法(特開平5−226238)が提案されてい
るが、反応が2段階となるため、操作が非常に煩雑であ
る。
【0014】更に本発明者らは、2−カルボキシアニリ
ンを酸化剤としてのペルオキソ二硫酸アンモニウムを用
いて、プロトン酸を含む水溶液中での重合を試みたとこ
ろ、生成物を得ることができなかった。また、本発明者
らはアニリンと2−カルボキシアニリンを酸化剤にペル
オキソ二硫酸アンモニウムを用いて、プロトン酸を含む
水溶液中での重合を試みたところ、共重合体が得られた
が溶解性、導電性も共に低いものであった。このことよ
り得られた共重合体は2−カルボキシアニリンの共重合
比率が低いものと予想される。
【0015】従って、ポリマーにドープ剤を添加するこ
となく導電性を発現させ、溶解性を向上させるためには
より多くのスルホン基またはカルボキシル基などの酸性
基を主鎖の芳香環に導入する必要があるものと考えられ
る。
【0016】また、塗布による成膜等の成形性を考えた
場合、特に親水性、疎水性いずれの基材にも塗布可能と
するためには、水及び有機溶剤の両方に溶解性のあるこ
とが望まれる。ところが、ポリアニリンのスルホン化物
は、アルカリ水に対する溶解性はあるが、中性から酸性
を示す水溶液には不溶であり、また有機溶剤に対する溶
解性が十分とはいえない。
【0017】これら諸々の問題を解決する方法として、
本発明者らはアニリン、N−アルキルアニリン及びフェ
ニレンジアミン類よりなる群から選ばれた少なくとも一
種の化合物と、アミノベンゼンスルホン酸とを酸性溶媒
中酸化剤を用いて共重合させ、更にスルホン化剤により
スルホン化することを特徴とするアニリン系共重合体ス
ルホン化物の製造方法を提案(特開平5−178989
号公報)した。しかし、該方法においても濃硫酸中でス
ルホン化する操作を必要とし、廃酸の処理が大きな問題
として残る。なお、該方法で合成された共重合体は何れ
も下式(4)の構造を持つと推定される。
【0018】
【化4】 (式中、R26, 27, 28およびR29は、それぞれ水素
およびスルホン基よりなる群から選ばれ、R′は水素又
は炭素数1〜4のアルキル基よりなる群から選ばれ、ス
ルホン基の割合はスルホン基が芳香環に対して40〜8
0%の含有量であり、xは0〜1の任意の数を表わし、
nは重合度を示す2〜1500の数である。)
【0019】更に本発明者らは、アニリン、N−アルキ
ルアニリン及びフェニレンジアミン類よりなる群から選
ばれた少なくとも一種の化合物とアルコキシ基置換アミ
ノベンゼンスルホン酸とを共重合させることにより、廃
棄物を大量に発生させるスルホン化操作を省略すること
を特徴とするアニリン系共重合体の製造方法(特願平5
−48540号)を提案した。なお、該方法で合成され
た共重合体は何れも下式(5)の構造を持つと推定され
る。
【0020】
【化5】 (式中、R30, 31, 32, 33, 34, 35, 36
はR37は、それぞれ水素、アルコキシ基およびスルホン
基よりなる群から選ばれ、スルホン基の割合はスルホン
基が芳香環に対して25〜50%の含有量であり、同一
芳香環にアルコキシ基およびスルホン基を含有してお
り、R" は水素又は炭素数1〜4のアルキル基よりなる
群から選ばれ、xは、0〜1の任意の数を表し、nは重
合度を示す2〜1500の数である。)
【0021】また、以上示した化学重合における重合溶
媒は水またはプロトン酸を含む水溶液を用いている。た
とえば、前記特開平1−163263号公報によると、
酸化剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いる場
合、特にpKaが3以下のプロトン酸を含むことが好ま
しく、アニリンの重合における溶剤としてはアニリン、
プロトン酸及び酸化剤が溶解し、且つ、酸化剤によって
酸化されないものが用いられると記されている。また、
前記特開平4−268331号では、過硫酸アンモニウ
ム水溶液をアントラニル酸水溶液に添加して酸化重合を
行っており、この場合の重合溶媒のpHもほぼ中性であ
る。
【0022】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
高い導電性を発現させると共に、いかなるpHを示す水
又は有機溶剤に対してもすぐれた溶解性を示し、塗布性
及び膜強度も向上させた高純度可溶性アニリン系導電性
ポリマー及びその製造方法を提供する点にある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い導電
性と溶解性を有するポリアニリンとして芳香環に対する
スルホン基及び/又はカルボキシル基などの酸性基導入
割合の大きい酸性基置換ポリアニリンの製法を鋭意検討
した結果、モノマーとしてスルホン基置換アニリン及び
/又はカルボキシル基置換アニリンなどの酸性基置換ア
ニリンを、塩基性化合物を含む溶液中で酸化剤を用いて
重合すると、反応性が特段に向上し、従来のスルホン基
またはカルボキシル基を有するアニリン類は、それ単独
では化学酸化重合しにくいと云う定説に反し、高分子量
のポリマーが製造可能であることを見い出した。しか
も、この得られたポリマーを酸処理することにより、更
に導電性及び溶解性が向上し、かつこれらポリマーを主
成分とする組成物は、塗布性が良好で、塗布後の膜強度
も格段に優れていることを見出し本発明に至った。
【0024】すなわち、本発明は、一般式(1)
【化学式1】 (式中、R、R、R、Rは水素、炭素数1〜4
の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖ま
たは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基お
よびハロゲンよりなる群から選ばれ、その内少なくとも
一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン
基またはカルボキシル基を示す)で表される構造単位を
70%以上有する、重量平均分子量3000以上、かつ
ポリマーに含まれる残留モノマーが5重量%以下である
ことを特徴とする高純度可溶性アニリン系導電性ポリマ
ーに関する。
【0025】また、本発明は、一般式(3)
【化7】 (式中、R21, 22,R23, 24, 25は水素、炭素数
1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜4の
直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニト
ロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その少なく
とも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスル
ホン基またはカルボキシル基を示す)で示される酸性基
置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩のうち少
なくとも一種の化合物(イ)を、塩基性化合物(ロ)を
含む溶液中で酸化剤により重合することを特徴とする高
純度可溶性アニリン系導電性ポリマーの製造方法に関す
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。 〔製造方法〕前記一般式(3)で示される化合物の最も
代表的なものは、スルホン基置換アニリンまたはカルボ
キシル基置換アニリンである。スルホン基置換アニリン
として最も代表的なものは、アミノベンゼンスルホン酸
類であり、具体的にはo−,m−,p−アミノベンゼン
スルホン酸、アニリン−2,6−ジスルホン酸、アニリ
ン−2,5−ジスルホン酸、アニリン−3,5−ジスル
ホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−
3,4−ジスルホン酸が好ましく用いられる。
【0027】その他のスルホン基置換アニリンとして
は、メチルアミノベンゼンスルホン酸、エチルアミノベ
ンゼンスルホン酸,n−プロピルアミノベンゼンスルホ
ン酸、iso−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、n
−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、sec−ブチルア
ミノベンゼンスルホン酸、t−ブチルアミノベンゼンス
ルホン酸などのアルキル基置換アミノベンゼンスルホン
酸類、メトキシアミノベンゼンスルホン酸、エトキシア
ミノベンゼンスルホン酸、プロポキシアミノベンゼンス
ルホン酸等のアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン
酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、
ニトロ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、フルオロア
ミノベンゼンスルホン酸、クロロアミノベンゼンスルホ
ン酸、ブロムアミノベンゼンスルホン酸などのハロゲン
基置換アミノベンゼンスルホン酸類などを挙げることが
できる。このなかではアルキル基置換アミノベンゼンス
ルホン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン
酸類またはハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類
が実用上もっとも好ましい。なお、これらのスルホン基
置換アニリンはそれぞれ単独で用いても、また異性体を
任意の割合で混合しても良い。
【0028】カルボキシル基置換アニリンとして最も代
表的なものは、アミノベンゼンカルボン酸類であり、具
体的にはo−,m−,p−アミノベンゼンカルボン酸、
アニリン−2,6−ジカルボン酸、アニリン−2,5−
ジカルボン酸、アニリン−3,5−ジカルボン酸、アニ
リン−2,4−ジカルボン酸、アニリン−3,4−ジカ
ルボン酸が好ましく用いられる。
【0029】その他のカルボキシル基置換アニリンとし
ては、メチルアミノベンゼンカルボン酸、エチルアミノ
ベンゼンカルボン酸,n−プロピルアミノベンゼンカル
ボン酸、iso−プロピルアミノベンゼンカルボン酸、
n−ブチルアミノベンゼンカルボン酸、sec−ブチル
アミノベンゼンカルボン酸、t−ブチルアミノベンゼン
カルボン酸などのアルキル基置換アミノベンゼンカルボ
ン酸類、メトキシアミノベンゼンカルボン酸、エトキシ
アミノベンゼンカルボン酸、プロポキシアミノベンゼン
カルボン酸等のアルコキシ基置換アミノベンゼンカルボ
ン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸
類、ニトロ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、フルオ
ロアミノベンゼンカルボン酸、クロロアミノベンゼンカ
ルボン酸、ブロムアミノベンゼンカルボン酸などのハロ
ゲン基置換アミノベンゼンカルボン酸類などを挙げるこ
とができる。このなかではアルキル基置換アミノベンゼ
ンカルボン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンカル
ボン酸類またはハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン
酸類が実用上もっとも好ましい。これらのカルボキシル
基置換アニリンはそれぞれ単独で用いても、また異性体
を任意の割合で混合しても良い。
【0030】更に詳しく前記一般式(3)の酸性基置換
アニリン、好ましくは、スルホン基置換アルキルアニリ
ン、カルボキシル基置換アルキルアニリン、スルホン基
置換アルコキシアニリン、カルボキシル基置換アルコキ
シアニリン、スルホン基置換ヒドロキシアニリン、カル
ボキシル基置換ヒドロキシアニリン、スルホン基置換ニ
トロアニリン、カルボキシル基置換ニトロアニリン、ス
ルホン基置換フルオロアニリン、カルボキシル基置換フ
ルオロアニリン、スルホン基置換クロロアニリン、カル
ボキシル基置換クロロアニリン、スルホン基置換ブロム
アニリンおよびカルボキシル基置換ブロムアニリンなど
を挙げることができ、これらの置換基の位置と組合わせ
の具体例を表1に示す。
【0031】
【表1】 ここで、 A:スルホン酸基またはカルボン酸基、そのアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩から選ばれ
た一つの基を示し、 B:メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基 、sec−ブチル基、t−ブ
チル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコ
キシ基、ヒドロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロム
基などのハロゲン基から選ばれた一つの基を示し、 H:水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、is
o−プロピル基、n−ブチル基 、sec−ブチル基、
t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキ
シ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec
−ブトキシ基、などのアルキル基、アルコキシ基、ヒド
ロキシ基、ニトロ基、フルオロ基、クロロ基、ブロム基
などのハロゲン基から選ばれた一つの基を示す。
【0032】これらモノマーにおけるアルカリ金属とし
ては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが例示でき
る。また、置換アンモニウムとしては、脂式アンモニウ
ム類、環式飽和アンモニウム類、環式不飽和アンモニウ
ム類などが挙げられる。
【0033】前記脂式アンモニウム類としては、下式
(6)
【化8】 (式中R26〜R29は、水素、炭素数1〜4のアルキル
基、CH2 OH、CH2CH2 OHよりなる群から独立
して選ばれた基である。)で示される。たとえば、メチ
ルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルア
ンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウ
ム、トリエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウ
ム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアン
モニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニ
ウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアン
モニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウ
ム、メチルプロピルアンモニウム、エチルプロピルアン
モニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、エチルイ
ソプロピルアンモニウム、メチルブチルアンモニウム、
エチルブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウ
ム、テトラメチロールアンモニウム、テトラエチルアン
モニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、テトラse
c−ブチルアンモニウム、テトラt−ブチルアンモニウ
ムなどを例示することができる。
【0034】環式飽和アンモニウム類としては、ピペリ
ジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピペラジ
ニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが例示され
る。
【0035】環式不飽和アンモニウム類としては、ピリ
ジニウム、α−ピコリニウム、β−ピコリニウム、γ−
ピコリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ピロ
リニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが例示さ
れる。
【0036】次に、本発明で用いられる塩基性化合物
(ロ)としては、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和
アミン類、環式不飽和アミン類などが好ましく用いられ
る。とりわけ脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不
飽和アミン類などが好ましい。
【0037】好ましい脂式アミン類としては、下記一般
式(7)
【化9】 (式中、R30〜R32は、炭素数1〜3のアルキル基、C
2 OHおよびCH2CH2 OHよりなる群から独立し
て選ばれた基である。)で示される化合物、
【0038】または一般式(8)
【化10】 (式中、R33〜R36はそれぞれ水素、炭素数1〜3のア
ルキル基、CH2 OHおよびCH2 CH2 OHよりなる
群から独立して選ばれた基である。)で示されるハイド
ロキサイド化合物を挙げることができる。
【0039】環式飽和アミン類としては、ピペリジン、
ピロリジン、モルホリン、ピペラジン及びこれらの骨格
を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキ
シド化合物などが好ましく用いられる。
【0040】環式不飽和アミン類としては、ピリジン、
α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリ
ン、イソキノリン、ピロリン及びこれらの骨格を有する
誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化合
物などが好ましく用いられる。
【0041】これら塩基性化合物の中でも特に好ましい
ものとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、エチルメチルアミン、エチルジメチルアミ
ン、ジエチルメチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、
β−ピコリン、γ−ピコリン等が挙げられ、これらのも
のを用いた場合、特に高純度なポリマーを得ることがで
きる。
【0042】これら塩基性化合物(ロ)の濃度は、0.
1モル/リットル以上、好ましくは0.1〜10.0モ
ル/リットル、更に好ましくは0.2〜8.0モル/リ
ットルの範囲で用いられる。この際、0.1モル/リッ
トル以下の場合、得られるポリマーの収率が低下し、1
0.0モル/リットル以上の場合、導電性が低下する傾
向を示す。前記塩基性化合物(ロ)は、それぞれ任意の
割合で混合して用いることもできる。
【0043】前記酸性基置換アニリンなどの化合物
(イ)と塩基性化合物(ロ)との重量比は(イ):
(ロ)=1:100〜100:1、好ましくは10:9
0〜90:10が用いられる。ここで、塩基性化合物の
割合が低いと反応性が低下し導電性も低下する。逆に割
合が高い場合は得られるポリマー中の酸性基と塩基性化
合物が塩を形成する割合が高くなり導電性が低下する傾
向にある。
【0044】また、前記酸性基置換アニリンなどの化合
物(イ)中の酸性基(ニ)と塩基性化合物(ロ)とのモ
ル比は(ニ):(ロ)=1:100〜100:1、好ま
しくは1:0.25〜1:20、さらに好ましくは1:
0.5〜1:15で用いることができる。ここで、塩基
性化合物の割合が低いと反応性が低下し導電性も低下す
る。逆に割合が高い場合は得られるポリマー中の酸性基
と塩基性化合物が塩を形成する割合が高くなり導電性が
低下する傾向にある。
【0045】アミノベンゼンスルホン酸誘導体は、アミ
ノ安息香酸誘導体に比べ導電性が高い傾向を示し、一
方、アミノ安息香酸誘導体は、アミノベンゼンスルホン
酸誘導体と比較して溶解性が高い傾向を示す。これらの
誘導体は、目的に合わせ任意の割合で共重合させること
ができる。
【0046】重合又は共重合は、前記の塩基性化合物を
含む溶液中、酸化剤で酸化重合することにより行う。溶
媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドンなどなどが好ましく用いられ
る。また、これらの溶剤は一種または二種以上混合して
使用することができる。
【0047】また、酸化剤は、標準電極電位が0.6V
以上である酸化剤であれば特に限定されないが、ペルオ
キソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキ
ソ二硫酸ナトリウム及びペルオキソ二硫酸カリウムなど
のペルオキソ二硫酸類、過酸化水素等が好ましく用いら
れ、モノマー1モルに対して0.1〜5モル、好ましく
は0.5〜5モル用いられる。またこの際、触媒として
鉄、銅などの遷移金属化合物を添加することも有効であ
る。
【0048】反応温度は、マイナス15〜70℃の温度
範囲で行うのが好ましく、更に好ましくはマイナス5〜
60℃の範囲が適用される。ここで、マイナス15℃以
下、又は70℃以上では、導電性が低下する傾向があ
る。
【0049】本発明によって製造されるポリマー中のス
ルホン基またはカルボキシル基における水素は、水素、
アルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウムより
なる群から独立して選ばれた基であること、即ちこれら
の基が単独ではなく混合した状態でも得ることができ
る。
【0050】具体的には、水酸化ナトリウム存在下で重
合された場合、単離されたポリマー中のスルホン基また
はカルボキシル基における水素は、ほとんどがナトリウ
ムに置換された状態になっている。
【0051】同様に、ポリマー中のスルホン基またはカ
ルボキシル基における水素は、アンモニア存在下重合し
た場合、大部分はアンモニウムであり、トリメチルアミ
ン存在下重合した場合、大部分はトリメチルアンモニウ
ムであり、キノリン存在下重合した場合、大部分はキノ
リニウムで得られる。
【0052】また、塩基性化合物を混合して用いた場合
は、これらの混合した状態で得られる。具体的には、水
酸化ナトリウムとアンモニア存在下重合された場合、単
離されたポリマー中のスルホン基またはカルボキシル基
における水素は、ナトリウムとアンモニウムの両方が存
在した状態で得られる。また、得られたポリマーを水酸
化ナトリウムとアンモニアの両方が存在する溶液で処理
した場合も同様にポリマー中のスルホン基またはカルボ
キシル基における水素は、ナトリウムとアンモニウムの
両方が存在した状態で得られる。
【0053】以上に記した酸性基の一部が塩を形成して
いるポリマーは、酸含有溶液で処理すると更に高純度な
ポリマーが得られる。
【0054】酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ化フ
ッ素酸等の鉱酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の超
強酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸等のアル
キル基置換スルホン酸等が挙げられ、好ましくは、塩
酸、硝酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸等が用いられ
る。これらの溶媒としては、これらプロトン酸と混合す
るものであれば、特に限定しないが、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、iso-プロピルアルコール、n-プ
ロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、グリコール類、グリコールエーテ
ル類、アセトニトリル、N,N-ジメチルフォルムアミド,
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が好ま
しく用いられ、特にメチルアルコール、エチルアルコー
ル、iso-プロピルアルコール、アセトン、アセトニトリ
ルが好ましい。ここで用いられる酸の濃度としては、
0.1〜10モル/リットル、好ましくは0.1〜5モ
ル/リットルである。
【0055】ポリマーは、反応液からろ別して単離され
るが、反応液中には未反応のモノマーが溶解している。
この際用いる分離装置としては、減圧濾過、加圧濾過、
遠心分離、遠心濾過等が用いられるが、特に遠心分離、
遠心濾過などの分離装置を用いるのが好ましい。また、
洗浄溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、iso-プロピルアルコール、n-プロピルアルコール、
t-ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、アセ
トニトリル、N,N-ジメチルフォルムアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが用いられ、特
にメチルアルコール、エチルアルコール、iso-プロピル
アルコール、アセトン、アセトニトリルを用いるのが効
果的である。
【0056】〔生成ポリマー〕このようにして得られた
可溶性アニリン系ポリマーは、残留モノマーが5wt%
以下、平均重量分子量が1100以下のオリゴマーが1
0wt%以下、残留塩、酸、塩基が10wt%以下のも
のである。これら不純物を更に少なくすると導電性及び
溶解性が向上するため、残留モノマーが3wt%以下、
オリゴマーが5wt%以下、残留塩、酸、塩基が5wt
%以下が好ましく、残留モノマーが1wt%以下、オリ
ゴマーが2wt%以下、残留塩、酸、塩基が2wt%以
下がより好ましく、残留モノマーが0.5wt%以下、
オリゴマーが1wt%以下、残留塩、酸、塩基が1wt
%以下のものが更に好ましい。
【0057】このポリマーは更にスルホン化操作を施す
ことなく、単なる水、アンモニア及びアルキルアミン等
の塩基又は酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム等
の塩基及び塩基性塩を含む水、塩酸及び硫酸等の酸を含
む水又はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール等の溶媒又はそれらの混合物に溶解す
ることができる。
【0058】 このポリマーは、前述の一般式(1)の
高純度可溶性アニリン系導電性ポリマーとして表現する
ことができる。また、このポリマーは下記の一般式
(2)で示したフェニレンジアミン構造(還元型)とキ
ノジイミン構造(酸化型)を有しているとして表現でき
る。
【化11】 (式中、R〜R20は、電子吸引基、酸性基、水素、
炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1
〜4の直鎖または分岐のアルコキシ基、水酸基、ニトロ
基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その内少なく
とも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスル
ホン基またはカルボキシル基を示す。この中でも特に各
芳香環の4つの置換基の内少なくとも二つがそれぞれ酸
性基とアルキル基、水酸基、ハロゲン基又はアルコキシ
基との組合せが好ましく、特に酸性基とアルコキシ基と
の組合せが好ましい。)
【0059】このフェニレンジアミン構造(還元型)と
キノジイミン構造(酸化型)は、酸化もしくは還元によ
り任意の比率で可逆的に変換させることが可能である。
フェニレンジアミン構造とキノジイミン構造の比は、x
が0.2 〜0.8 の範囲が導電性及び溶解性の面から好まし
く、0.3 〜0.7 がより好ましい。
【0060】前記xは、過酸化ベンゾイル、ペルオキオ
ソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素などの酸化剤で酸化
した場合は小さいものが、ヒドラジン、フェニルヒドラ
ジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ナトリウムなど
の還元剤で還元した場合は大きいものが得られる。
【0061】また、本発明の可溶性アニリン系導電性ポ
リマーは前記の一般式(1)若しくは一般式(2)で表
される以外の構造単位として、可溶性、導電性及び性状
に影響を及ぼさない限り、置換又は無置換のアニリン、
チオフェン、ピロール、フェニレン、ビニレン、二価の
他の不飽和基及び二価の飽和基の少なくとも一種の構造
単位を含んでも良い。本発明の可溶性アニリン系導電性
ポリマーは、一般式(1)若しくは一般式(2)の繰り
返し単位、即ち芳香環に対する酸性基の含有率が70%以
上のものが用いられ、好ましくは80%以上、更に好まし
くは90%以上含まれるものが用いられる。ここで、芳香
環に対する酸性基の含有率が70%以下のものは水に対す
る溶解性が不十分なため好ましくない。また、芳香環に
対する酸性基の含有率が高くなるほど溶解性は向上し、
芳香環に対する酸性基の含有率100%のものが最も溶解
性が高い。
【0062】かくして得られた芳香環にスルホン基また
はカルボキシ基を含有する可溶性アニリン系導電性ポリ
マーの重量平均分子量は3000〜3,240,00
0、好ましくは5000〜1,000,000、さらに
好ましくは10,000〜500,000である。
【0063】
【実施例】以下実施例を挙げて説明する。なお、IRス
ペクトルはパーキンエルマー製(モデル1600)の装
置を用いて測定した。分子量分布及び分子量の測定に
は、水溶液用のGPCカラムを用いて、GPC測定(ポ
リエチレンオキシド換算)を行った。カラムは水溶液用
のものを3種類連結して用いた。また、溶離液には0.
2Mリン酸バッファー溶液を用いた。重合体中の酸性基
置換アニリン、残留塩、酸、塩基の分析は、高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて行った。カラムは分配吸着カ
ラムを用い、溶離液は0.2モル/リットルのリン酸緩
衝液を用いた。また、重合体中の残留酸の分析はイオン
クロマトグラフィーを用いて行った。カラムはイオン交
換カラムを用い、溶離液は酢酸ナトリウム緩衝液を用い
た。導電性は導電率の測定には4端子法、表面抵抗の測
定には2端子法を用いた。膜強度には鉛筆試験法を用い
た。
【0064】実施例1 o−アミノベンゼンスルホン酸100mmolを25℃
で4モル/リットルのトリメチルアミン水溶液に撹拌溶
解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの
水溶液を滴下した。滴下終了後25℃で12時間更に撹
拌したのち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別後、メチ
ルアルコールにて洗浄後乾燥し、重合体粉末12gを得
た。このものの体積抵抗値は12.0Ωcmであった。
また、この重合体中に含まれる残留モノマーであるo−
アミノベンゼンスルホン酸は3%、副生塩であるトリメ
チルアミン硫酸塩は2.5%、重合体中の酸性基である
スルホン酸と塩を形成しているトリメチルアミンは6%
であった。
【0065】得られた重合体10gを1モル/リットル
の硫酸メタノール溶液中に30分懸濁させ脱塩処理を行
い濾別した後、メチルアルコールにて洗浄し、脱塩重合
体8gを得た。このものの体積抵抗は、3.0Ωcmで
あった。また、この脱塩重合体中に含まれる、残留モノ
マーであるo−アミノベンゼンスルホン酸は0.1%、
副生塩であるトリメチルアミン硫酸塩は、0.5 %、重
合体中の酸性基であるスルホン酸基と塩を形成している
トリメチルアミンは、1.0%であった。前記重合体3
重量部を水100重量部に室温で撹拌溶解し導電性組成
物を調製した。このようにして得られた溶液をガラス基
板上にスピンコート法により塗布し、100℃で乾燥さ
せた。膜厚0.1μm、表面の平滑な表面抵抗値1.0
×105 Ω/□のフィルムが得られた。
【0066】GPC測定の結果、このものの分子量は数
平均分子量150,000、重量平均分子量190,0
00、Z平均分子量210,000、分散度MW/MN
1.5、MZ/MW1.3であった。
【0067】水、0.1モル/リットルの硫酸水溶液又
は0.1モル/リットルのアンモニア水10mlにポリ
マーを少量ずつ加えて溶解しなくなったところで濾過
し、溶解量を求めたところ、実施例1にて合成した導電
性ポリマーの溶解性は、 水 350mg/ml 0.1モル/リットルの硫酸水溶液 295mg/ml 0.1モル/リットルのアンモニア水 400mg/ml であった。
【0068】上記の実施例1にて合成した導電性ポリマ
ーのIRスペクトルを図1、該ポリマー中の残留モノマ
ー及び残留副生塩のイオンクロマトグラフィーを図2、
該ポリマー中の残留モノマー及び塩基性化合物の高速液
体クロマトグラフィーを図3、該ポリマーのGPC測定
チャートを図4にそれぞれ示す。
【0069】
【図1】IRスペクトルの帰属は次のとおりである。 スルホン基:1120,1020cm| 付近の吸収 ポリマーの骨格:1500cm| 付近の吸収
【0070】
【図2】
【0071】
【図3】
【0072】
【図4】
【0073】実施例2 2ーメチルー4ーアミノベンゼンスルホン酸100mm
olを4℃で4モル/リットルの2ーメチルピリジン水
溶液に撹拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム10
0mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後25℃で6
時間更に撹拌したのち、反応生成物を減圧濾過器により
濾別後、エチルアルコールにて洗浄後乾燥し重合体粉末
10gを得た。
【0074】この重合体を1モル/リットルp−トルエ
ンスルホン酸(PTS)のアセトン溶液中で1時間撹拌
し濾別した後、エチルアルコールにて洗浄後、乾燥しス
ルホン基がフリーの重合体の粉末9gを得た。このもの
の体積抵抗値は2.5Ωcmであった。また、この脱塩
重合体中に含まれる残留モノマーである2ーメチルー4
ーアミノベンゼンスルホン酸は0.3%、副生塩である
2ーメチルピリジンPTS塩は0.2%、重合体中の酸
性基であるスルホン酸基と塩を形成している2ーメチル
ピリジンは0.7%であった。
【0075】前記重合体1重量部を水100重量部に室
温で撹拌溶解し導電性組成物を調製した。このようにし
て得られた溶液をガラス基板上にキャスト法により塗布
し、100℃で乾燥させた。膜厚0.1μm、表面の平
滑な表面抵抗値5.0×105 Ω/□のフィルムが得ら
れた。
【0076】実施例3 2−カルボキシルアニリン(アントラニル酸)100m
molを4℃で4モル/リットルのキノリン水溶液に撹
拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmo
lの水溶液を滴下した。滴下終了後25℃で12時間更
に撹拌したのち、反応生成物を遠心分離器にて分離した
後、イソプロピルアルコールにて洗浄後乾燥し重合体粉
末10gを得た。このものの体積抵抗値は45Ωcmで
あった。この重合体を1モル/リットル塩酸のアセトニ
トリル溶液中で1時間撹拌し濾別した後、イソプロピル
アルコールにて洗浄後、乾燥しスルホン基がフリーの重
合体の粉末8gを得た。このものの体積抵抗値は12.
5Ωcmであった。また、この脱塩重合体中に含まれ
る、残留モノマーであるアントラニル酸は0.2%、副
生塩であるキノリン塩酸塩は0.4%、重合体中の酸性
基であるカルボン酸基と塩を形成しているキノリンは
1.8%であった。
【0077】前記重合体3重量部を水100重量部に室
温で撹拌溶解し導電性組成物を調製した。このようにし
て得られた溶液を、PETフィルム上にスピンコート法
により塗布し、80℃で乾燥させた。膜厚0.1μm、
表面の平滑な表面抵抗値3.0×106 Ω/□のフィル
ムが得られた。
【0078】実施例4 3−ヒドロキシアントラニル酸100mmolを25℃
で3モル/リットルの3−メチルピリジン(β−ピコリ
ン)水溶液に撹拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後25
℃で12時間更に撹拌したのち、反応生成物を濾別した
後、メチルアルコールにて洗浄後乾燥し重合体粉末11
gを得た。このものの体積抵抗値は55Ωcmであっ
た。この重合体を0.5モル/リットル硝酸のイソプロ
ピルアルコール溶液中で10分間撹拌し加圧濾過器にて
濾別した後、エチルアルコールにて洗浄後、乾燥しスル
ホン基がフリーの重合体の粉末7.5gを得た。このも
のの体積抵抗値は10.5Ωcmであった。また、この
脱塩重合体中に含まれる残留モノマーである3−ヒドロ
キシアントラニル酸は0.3%、副生塩であるβ−ピコ
リン硝酸塩は0.8%、重合体中の酸性基であるスルホ
ン酸基と塩を形成しているβ−ピコリンは0.8%であ
った。
【0079】前記重合体3重量部を水/イソプロピルア
ルコール(7/3)100重量部に室温で撹拌溶解し導
電性組成物を調製した。このようにして得られた溶液を
ガラス基板上にスピンコート法により塗布し、120℃
で乾燥させた。膜厚0.1μm、表面の平滑な表面抵抗
値5.0×105 Ω/□のフィルムが得られた。
【0080】実施例5 4ーニトロアントラニル酸100mmolを10℃で4
モル/リットルのトリエタノールアミン水溶液に撹拌溶
解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの
水溶液を滴下した。滴下終了後25℃で12時間更に撹
拌したのち、反応生成物を濾別した後、イソプロピルア
ルコールにて洗浄後乾燥し、重合体粉末9.5gを得
た。このものの体積抵抗値は50Ωcmであった。この
重合体を1.5モル/リットル硫酸のN-メチルピロリド
ン溶液中で10分間撹拌し遠心濾過器にて濾別した後、
エチルアルコールにて洗浄後乾燥し、カルボキシル基が
フリーの重合体の粉末7.5gを得た。このものの体積
抵抗値は21.5Ωcmであった。また、この脱塩重合体
中に含まれる残留モノマーである4ーニトロアントラニ
ル酸は0.4 %、副生塩であるトリエタノールアミン硫
酸塩は0.9 %、重合体中の酸性基であるカルボン酸基
と塩を形成しているトリエタノールアミンは0.5 %で
あった。
【0081】前記重合体3重量部を水溶性ポリエステル
樹脂「アラスター300」{荒川化学工業(株)製}1
00重量部を水100重量部に室温で撹拌溶解し導電性
組成物を調製した。このようにして得られた溶液を深度
35μmのグラビアコーターによりPETフィルム上に
塗布し、70℃で乾燥させた。膜厚0.5μm、表面の
平滑な表面抵抗値7.5×106 Ω/□のフィルムが得
られた。
【0082】実施例6 m−ニトロアニリンスルホン酸100mmolを25℃
で4モル/リットルのピぺリジン水溶液に撹拌溶解し、
ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液
を滴下した。滴下終了後25℃で12時間更に撹拌した
のち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別した後、アセト
ンにて洗浄後乾燥し、重合体粉末6gを得た。このもの
の体積抵抗値は38Ωcmであった。この重合体を2.
0モル/リットル塩酸のN,N-ジメチルフォルムアミド溶
液中で5分間撹拌し加圧濾過器にて濾別した後、アセト
ニトリルにて洗浄後、乾燥しカルボキシル基がフリーの
重合体の粉末7.5gを得た。このものの体積抵抗値は
9.5Ωcmであった。また、この脱塩重合体中に含ま
れる残留モノマーである4ーニトロアニリンスルホン酸
は0.2 %、副生塩であるピリジン硫酸塩は1.9%、
重合体中の酸性基であるスルホン酸基と塩を形成してい
るピペリジンは0.5%であった。
【0083】前記重合体2重量部を0.2モル/リット
ルのアンモニア水100重量部に室温で撹拌溶解し導電
性組成物を調製した。このようにして得られた溶液を、
PETフィルム上にスピンコート法により塗布し、80
℃で乾燥させた。膜厚0.1μm、表面の平滑な表面抵
抗値1.0×106 Ω/□のフィルムが得られた。
【0084】比較例1 o−アミノベンゼンスルホン酸100mmolを4℃で
4モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液に撹拌溶解
し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水
溶液を滴下した。滴下終了後25℃で12時間更に撹拌
したのち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別した後、ア
セトンにて洗浄後乾燥し、重合体粉末12gを得た。この
ものの体積抵抗値は250Ωcmであった。、この重合
体中に含まれる残留モノマーであるo−アミノベンゼン
スルホン酸は15%、副生塩である硫酸ナトリウムは2
0%、重合体中の酸性基であるスルホン酸基と塩を形成
しているナトリウムは20%であった。この重合体を
0.5モル/リットルの硫酸のメタノール溶液中で10
分間攪拌し、ろ別を行ったがろ過性は悪く重合体を単離
することはできなかった。
【0085】比較例2 2ーカルボキシルアニリン(アントラニル酸)100m
molを25℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液
に撹拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100m
molの水溶液を滴下した。滴下終了後25℃で12時
間更に撹拌したのち、反応生成物を濾別し、洗浄後乾燥
し、重合体粉末12gを得た。このものの体積抵抗値は15
5Ωcmであった。、この重合体中に含まれる残留モノ
マーであるアントラニル酸は10%、副生塩である硫酸
アンモニウムは8.5%、重合体中の酸性基であるカル
ボン酸基と塩を形成しているアンモニアは12%であっ
た。
【0086】前記粉末3重量部を水100重量部に室温
で撹拌溶解し導電性組成物を調製した。このようにして
得られた溶液をガラス基板上にスピンコート法により塗
布したが、均一な膜は得られなかった。得られた膜の導
電性は、4×108 Ω/□であった。
【0087】比較例3 2ーアミノアニソール-4- スルホン酸100mmolを
25℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液に撹拌溶
解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの
水溶液を滴下した。滴下終了後25℃で12時間更に撹
拌したのち、反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、重合体粉
末12gを得た。このものの体積抵抗値は55Ωcmであ
った。この重合体中に含まれる残留モノマーである2ー
アミノアニソール-4- スルホン酸は7%、副生塩である
硫酸アンモニウムは8.8%、重合体中の酸性基である
カルボン酸基と塩を形成しているアンモニアは10%で
あった。
【0088】前記スルホン化ポリアニリン3重量部を
0.2モル/リットル硫酸水溶液100重量部に室温混
合し導電性組成物を調製した。このようにして得られた
溶液をガラス基板上にスピンコート法により塗布した
が、塗布性が悪く、均一な膜を形成することはできなか
った。
【0089】比較例3(従来法)にて合成した導電性ポ
リマーの溶解性は、 水 50mg/ml 0.1モル/リットルの硫酸水溶液 25mg/ml 0.1モル/リットルのアンモニア水 76mg/ml であった。
【0090】
【効果】本発明により、高い導電性及び溶解性を発現す
ると共に塗布性及び膜強度が特段に優れた導電膜及び導
電体を得ることができる、新規な高純度可溶性アニリン
系導電性ポリマーを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における重合体中のIRチャートであ
る。
【図2】実施例1における重合体中の残留モノマー及び
残留副生塩のイオンクロマトグラフィーのチャートであ
る。
【図3】実施例1における重合体中の残留モノマー及び
塩基性化合物の高速液体クロマトグラフィーのチャート
である。
【図4】実施例1における重合体のGPCのチャートで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−56987(JP,A) 特許3154460(JP,B2) 特許2959968(JP,B2) 欧州特許出願公開662694(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08L 79/00 - 79/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R、R、R、Rは水素、炭素数1〜4
    の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖ま
    たは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基お
    よびハロゲンよりなる群から選ばれ、その内少なくとも
    一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン
    基またはカルボキシル基を示す)で表される構造単位を
    70%以上有する、重量平均分子量3000以上、かつ
    ポリマーに含まれる残留モノマーが5重量%以下である
    ことを特徴とする高純度可溶性アニリン系導電性ポリマ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記の可溶性アニリン系導電性ポリマー
    の構造式が、一般式(2) 【化2】 (式中、R〜R20は、電子吸引基、酸性基、水素、
    炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1
    〜4の直鎖または分岐のアルコキシ基、水酸基、ニトロ
    基、およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その内少な
    くとも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはス
    ルホン基またはカルボキシル基を示す)で表される繰り
    返し単位を有するものである請求項1記載の高純度可溶
    性アニリン系導電性ポリマー。
  3. 【請求項3】 前記の一般式(1)のR、R、R
    及びRの内少なくとも二つが、酸性基とアルキル基、
    水酸基、ハロゲン基またはアルコキシ基との組合せであ
    る請求項1記載の高純度可溶性アニリン系導電性ポリマ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記の一般式(1)ののR、R、R
    及びRの内少なくとも二つが、酸性基とアルコキシ
    基との組合せである請求項1記載の高純度可溶性アニリ
    ン系導電性ポリマー。
  5. 【請求項5】 前記の可溶性アニリン系導電性ポリマー
    が、分子量1000以下のオリゴマーを10重量%以下含有す
    るものである請求項1、2、3または4記載の高純度可
    溶性アニリン系導電性ポリマー。
  6. 【請求項6】 前記の可溶性アニリン系導電性ポリマー
    に含まれる残留塩、酸及び塩基の含有量が、10重量%以
    下である請求項1、2、3、4または5記載の高純度可
    溶性アニリン系導電性ポリマー。
  7. 【請求項7】 一般式(3) 【化3】 (式中、R21、R22,R23,R24、R25は水
    素、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、炭素
    数1〜4の直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性基、水
    酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、
    その少なくとも一つは酸性基を示す。また、ここで酸性
    基とはスルホン基またはカルボキシル基を示す)で示さ
    れる酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アルカ
    リ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム
    塩のうち少なくとも一種の化合物(イ)を、炭素数1〜
    3のアルキルアミン及び/又は複素環式アミンである
    基性化合物(ロ)を含む溶液中で酸化剤により重合し、
    次いで濾別した後、その重合体をメタノール、エタノー
    ル、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリ
    ルおよびN,N−ジメチルフォルムアミドから選ばれた
    少なくとも一つの溶媒(ただし、プロトン酸を含むもの
    を除く。)で洗浄する工程及びその重合体をプロトン酸
    を含む溶液(ハ)で酸処理する工程の両工程の処理を
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6
    記載の高純度可溶性アニリン系導電性ポリマーの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 重合後、その重合体あるいは酸処理後の
    重合体を遠心力を利用した分離装置を用いて単離する請
    求項7記載の高純度可溶性アニリン系導電性ポリマーの
    製造方法。
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