JP3631703B2 - 誘導加熱式炊飯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱式炊飯器、特に、待機電力を低減することのできる誘導加熱式炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導加熱式炊飯器として、実際に炊飯を行っていない場合の待機電力を低減するようにした構成のものが種々提案されている。
【0003】
切状態中やタイマー動作中に、非絶縁降圧型スイッチング電源回路の発振を発振停止手段により一時的に停止するようにしたIH保温釜が公知である(特開平11−332733号公報参照)。
【0004】
また、炊飯器に通電の必要のない時は、通電切換手段により商用電源と炊飯器を切り離すようにしたものが公知である(特開平11−318700号公報参照)。
【0005】
また、全ての負荷部品が非動作中であれば、電源制御回路により電源回路からの電力の供給を停止するようにした炊飯器が公知である(特開2000−287837号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記いずれの構成であっても、全ての電力供給を停止するようにしている。このため、マイコンの動作が不安定になるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、マイコン制御を不安定とすることなく、待機電力を低減することのできる誘導加熱式炊飯器を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、マイコンからの制御信号に基づいてIGBTをスイッチングさせてIHコイルに高周波電流を供給することにより内鍋を誘導加熱するようにした誘導加熱式炊飯器において、
前記IGBTを駆動させるためのIGBT駆動回路と、
該IGBT駆動回路を介して前記IGBTをオン・オフするタイミングを制御するIH制御回路と、
前記IHコイルへの非通電時、前記IGBT駆動回路及び前記IH制御回路のうち、少なくともIH制御回路での待機電力を低減又は遮断させる電圧制御回路とを備え、
前記電圧制御回路は、前記IGBTを駆動させる際、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路への通電後、所定時間経過するまでIGBTの駆動を待機させるようにしたものである。
この構成により、待機電力を低減させる対象を、IGBT駆動回路とIH制御回路に限定することで、マイコンの動作が不安定になることを防止し、ノイズ除去用のコンデンサへの充電を完了して安定した電圧を得ることができる。
【0009】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、 マイコンからの制御信号に基づいてIGBTをスイッチングさせてIHコイルに高周波電流を供給することにより内鍋を誘導加熱するようにした誘導加熱式炊飯器において、
前記IGBTを駆動させるためのIGBT駆動回路と、
該IGBT駆動回路を介して前記IGBTをオン・オフするタイミングを制御するIH制御回路と、
前記IHコイルへの非通電時、前記IGBT駆動回路及び前記IH制御回路のうち、少なくともIH制御回路での待機電力を低減又は遮断させる電圧制御回路と、
冷却用ファン及び該冷却用ファンを回転駆動するファン駆動回路とを備え、
前記電圧制御回路は、前記IGBT駆動回路、前記IH制御回路、及び前記ファン駆動回路のうち、少なくとも2つの駆動時期を所定時間ずらせるようにしたものである。
この構成により、電源回路での通電量を抑えて小型で安価なものとすることが可能となる。
【0010】
前記電圧制御回路により、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路の待機電圧を低減又は遮断している場合であっても、前記内鍋の有無を検出する必要が生じた場合には、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路に待機電圧を印加させるのが好ましい。
【0011】
また、前記電圧制御回路は、炊飯モード及び保温モードであれば、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路に待機電圧を印加させるようにしてもよい。
【0012】
さらに、前記電圧制御回路は、取消モード及び予約モードであれば、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路への印加電圧を遮断し、前記内鍋の有無を検出する必要が生じた場合にのみ待機電圧を印加させるようにしてもよい。
【0014】
また、前記IH制御回路への印加電圧を検出する電圧検出回路を備え、
前記電圧制御回路により、前記電圧検出回路での検出電圧が設定電圧を超えている場合にのみ、前記IGBTを駆動可能としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る誘導加熱式炊飯器の誘導加熱コイル(IHコイル)3への通電制御を行うための回路構成を示す。
【0018】
本回路では、交流電源1からの電力がインバータ電源回路2を介してIHコイル3に供給され、整流回路4を介して制御回路5に供給される。
【0019】
IHコイル3には、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)6をIGBT駆動回路7によってスイッチングさせることより高周波電流が供給され、内鍋14が誘導加熱される。
【0020】
制御回路5は、マイクロコンピュータ(マイコン)8、第1電圧制御回路9、第2電圧制御回路10、IH制御回路11、及びファン駆動回路12を備える。マイコンには、整流回路4から所定電圧VDDが印加され、第1電圧制御回路9、第2電圧制御回路10、及びIH制御回路11に制御信号を出力する。第1電圧制御回路9は、整流回路4からコンデンサC1によってノイズを除去された所定電圧VDDを印加され、マイコン8からの制御信号に基づいて、前記IGBT駆動回路7に所定電圧VEEを印加し、又は、通電を遮断する。第2電圧制御回路10は、整流回路4から所定電圧VDDを印加され、マイコン8からの制御信号に基づいて、前記IH制御回路11に所定電圧VCCを印加し、又は、通電を遮断する。第2電圧制御回路10からIH制御回路11への出力電圧VCCは、コンデンサC2によってノイズを除去されて電圧検出回路13によって電圧値を検出され、検出された電圧値はマイコン8に入力される。IH制御回路11は、マイコン8からの制御信号に基づいて前記IGBT駆動回路7を介してIGBT6をスイッチングさせるタイミングを調整する。ファン駆動回路12は、図示しないファンを駆動することによりIGBT6を冷却する際に利用する。
【0021】
次に、前記構成の回路に於ける動作説明を行う。
【0022】
交流電源1に接続しただけの状態では、IHコイル3への通電は開始されず、取消モードを維持する。また、予約炊飯スイッチを操作し、炊飯開始時期を設定する場合、炊飯開示時期に至るまでの予約モードでも、IHコイル3への通電は開始されない。このため、IGBT駆動回路7及びIH制御回路11への待機電圧は不要である。そこで、これらへの通電を遮断しておく。これにより、無駄な電力消費を抑制することができる。但し、マイコン8での待機電圧を維持させることにより動作が不安定になることを防止する。また、予約モード中に停電等でマイコン8での待機電圧が消失した場合には、復帰時、一旦、前記IGBT駆動回路7及びIH制御回路11に待機電圧を印加し、IHコイル3に通電させる。そして、図示しない温度センサで検出される内鍋14の温度変化に基づいて内鍋14の有無を検出させる。
【0023】
炊飯開始時期になれば、マイコン8からの制御信号によりIHコイル3への通電を開始して炊飯モードに移行する。この場合、IHコイル3への通電に先立ってIGBT駆動回路7及びIH制御回路11に待機電圧を印加する。そして、電圧検出回路13で検出される電圧が所定電圧に到達するまで、IHコイル3への通電を遅延させる。これにより、ノイズ除去用に設けたコンデンサC2への充電を完了させることができ、第2電圧制御回路10からIH制御回路11への出力電圧VCCを所定電圧に上昇させることが可能となる。また、ファン駆動回路12に電圧を印加してファンを回転駆動することによりIGBT6を冷却する。このように、IH制御回路11、IHコイル3、次いでファン駆動回路12に時間をずらせて通電すれば、電源回路の負担を抑えて安価な構成のものを使用することができる。なお、電圧を印加するタイミングは、前記順序に限らず、ファン駆動回路12、IH制御回路11、IHコイル3の順でもよいし、IH制御回路11、ファン駆動回路12、IHコイル3の順、等でもよい。
【0024】
以上のようにして炊飯が行われ、ご飯が炊き上がれば、保温モードに移行する。保温モードでも、前記炊飯モードと同様に、IGBT駆動回路7及びIH制御回路11に待機電圧を印加しておき、適宜、IHコイル3等に通電を行うことにより、ご飯を一定温度に温調する。
【0025】
なお、前記実施形態では、取消モード及び予約モードでのIGBT駆動回路7及びIH制御回路11への待機電圧を遮断するようにしたが、低減することにより対処するようにしても構わない。例えば、印加電圧VEEを5Vから1Vに低減させるようにしてもよい。
【0026】
また、前記実施形態では、IGBT駆動回路7及びIH制御回路11への待機電圧を遮断又は低減するようにしたが、IH制御回路11への待機電圧のみを遮断又は低減するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、コイルへの非通電時、IGBT駆動回路及びIH制御回路での待機電力のみを低減させるようにしたので、マイコンの動作を不安定とすることなく、待機電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るIHコイルへの通電制御を行うための回路図である。
【符号の説明】
3…IHコイル
4…整流回路
5…制御回路
6…IGBT
7…IGBT駆動回路
8…マイコン
9…第1電圧制御回路
10…第2電圧制御回路
11…IH制御回路
12…ファン駆動回路
13…電圧検出回路
Claims (6)
- マイコンからの制御信号に基づいてIGBTをスイッチングさせてIHコイルに高周波電流を供給することにより内鍋を誘導加熱するようにした誘導加熱式炊飯器において、
前記IGBTを駆動させるためのIGBT駆動回路と、
該IGBT駆動回路を介して前記IGBTをオン・オフするタイミングを制御するIH制御回路と、
前記IHコイルへの非通電時、前記IGBT駆動回路及び前記IH制御回路のうち、少なくともIH制御回路での待機電力を低減又は遮断させる電圧制御回路とを備え、
前記電圧制御回路は、前記IGBTを駆動させる際、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路への通電後、所定時間経過するまでIGBTの駆動を待機させることを特徴とする誘導加熱式炊飯器。 - マイコンからの制御信号に基づいてIGBTをスイッチングさせてIHコイルに高周波電流を供給することにより内鍋を誘導加熱するようにした誘導加熱式炊飯器において、
前記IGBTを駆動させるためのIGBT駆動回路と、
該IGBT駆動回路を介して前記IGBTをオン・オフするタイミングを制御するIH制御回路と、
前記IHコイルへの非通電時、前記IGBT駆動回路及び前記IH制御回路のうち、少なくともIH制御回路での待機電力を低減又は遮断させる電圧制御回路と、
冷却用ファン及び該冷却用ファンを回転駆動するファン駆動回路とを備え、
前記電圧制御回路は、前記IGBT駆動回路、前記IH制御回路、及び前記ファン駆動回路のうち、少なくとも2つの駆動時期を所定時間ずらせるようにすることを特徴とする誘導加熱式炊飯器。 - 前記電圧制御回路は、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路の待機電圧を低減又は遮断している場合であっても、前記内鍋の有無を検出する必要が生じた場合には、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路に待機電圧を印加させることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱式炊飯器。
- 前記電圧制御回路は、炊飯モード及び保温モードであれば、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路に待機電圧を印加させることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱式炊飯器。
- 前記電圧制御回路は、取消モード及び予約モードであれば、前記IGBT駆動回路又は前記IH制御回路への待機電圧を遮断し、前記内鍋の有無を検出する必要が生じた場合にのみ待機電圧を印加させることを特徴とする請求項1、2又は4に記載の誘導加熱式炊飯器。
- 前記IH制御回路への印加電圧を検出する電圧検出回路を備え、
前記電圧制御回路は、前記電圧検出回路での検出電圧が設定電圧を超えている場合にのみ、前記IGBTを駆動可能とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の誘導加熱式炊飯器。
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- 2001-07-23 JP JP2001221338A patent/JP3631703B2/ja not_active Expired - Lifetime
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