JP3631479B2 - X線撮影用車椅子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歩行困難な骨折患者や老人、病弱者、その他の要介護者(以下、単に患者と総称する。)をX線撮影するために有用な車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のX線撮影用車椅子として、既に特開2001−70299号が提案されている。
【0003】
この公知発明の構成では、カセット(9)のホルダー(8)がX線を透過する背板(3)の後部へ、昇降調整自在に支持されており、車椅子(5)の腰台(2)へ坐った姿勢状態にある患者の頭部や首部、胸部をX線撮影できるほか、上記背板(3)と足受け(11)を水平に伏倒させて、その仰臥状態にある患者の上記部位をX線撮影することもできるようになっている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知発明の場合背板(3)やカセットホルダー(8)を支持した平行杆(6)(6)の下端部は、可搬機枠(1)へ起伏自在に枢支されている。他方、踏台(4)(4)や足受け(11)(11)を支持した斜杆(15)(15)は、可搬機枠(1)へシリンダー(16)を介して起伏自在に枢支されている。
【0005】
つまり、上記平行杆(6)(6)と斜杆(15)(15)は可搬機枠(1)に対して、別個独立に枢支されている構造のため、その双方を各別に起伏操作しなければ、図1、5の仮想線に示された全体の水平な伏倒状態を得ることができず、未だ非常に煩雑であって、使用上の利便性に劣る。
【0006】
それにもまして、腰台(2)とこれから起立する門形枠(14)(14)は、可搬機枠(1)へ常備の状態に固定一体化されているため、上記腰台(2)へ坐った姿勢状態にある患者の脇腹部を、その左右横方向からX線撮影することは到底不可能である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのための構成上車体フレームの中間部へ設置されたシート並びに左右一対のアームレストと、
【0008】
同じく車体フレームの前部へ水平な左右一対の支点ピンを介して、起伏的な回動自在に枢着された足受け台と、
【0009】
上記車体フレームの後部へ水平な左右一対の支点ピンを介して、やはり起伏的な回動自在に枢着された手押しハンドル枠と、
【0010】
その手押しハンドル枠へ付属設置されたX線の透過可能なバックレスト並びにX線撮影用カセットホルダーとを備え、
【0011】
そのカセットホルダーへX線撮影用カセットを着脱自在に取り付け使用するX線撮影用車椅子において、
【0012】
上記シートを車体フレームの中間部に固定設置されたシート支持台の中心部へ、垂直な支点軸によって約90度づつの回転操作自在に組付け枢着し、
【0013】
上記車体フレームの中間部から一体的に垂立する左右一対づつの有底受け筒へ、上記アームレストと脇腹部のX線撮影用カセットホルダーとを上方から抜き差し交換自在に差し込み使用できるように定める一方、
【0014】
上記足受け台の中途高さ位置から後向き一体的に張り出された左右一対のサイド連結ステーと、上記手押しハンドル枠の下端部から対応的な後向き一体的に張り出された左右一対のサイド取付ステーとを、前後方向へ移動し得る進退ロッドにより枢支連結して、
【0015】
上記手押しハンドル枠を足受け台と連動しつつ、その車体フレームに対する上記支点ピンの廻りにほぼ垂直な起立状態からほぼ水平な伏倒状態へ、又はその逆に一定角度だけ起伏操作できるように定めると共に、
【0016】
その起立状態と伏倒状態のロック機構を、上記手押しハンドル枠の下端部から後向き一体的に張り出すセンター取付ステーと車体フレームの中間部から対応的な後向き一体的に張り出すセンター支持フォークとの前後相互間へ枢支連結された突っ張りシリンダーと、そのシリンダー内の圧力を解放すべく、上記手押しハンドル枠に付属設置された遠隔作動レバーとから形作ったことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、そのX線撮影用車椅子の全体を示した図1〜6において、(F)は剛性な金属管材の車体フレームであり、左右対称な一対のサイド枠(1)(1)とその相互間を横架する水平な前後一対づつの上側連結ビーム(2f)(2r)並びに下側連結ビーム(3f)(3r)とから組立一体化されている。
【0018】
(4)(4)は上記車体フレーム(F)を形作る両サイド枠(1)(1)の前端部へ、垂直軸線廻りの振れ動き自由に軸支された左右一対のステアリングホイール(操向自在車輪)、(5)(5)は同じく両サイド枠(1)(1)の後端部へ、水平軸線廻りの遊転可能に軸支された左右一対のメインホイールであり、上記ステアリングホイール(4)(4)よりも大きな直径とタイヤ幅を備えている。
【0019】
両サイド枠(1)(1)の下端部は上記メインホイール(5)(5)の軸支点よりも更に後方へ、一定長さ(L1)(L1)だけ水平に延長されており、その延長後端部が車椅子の転倒防止用スタビライザー(S)(S)として形作られている。
【0020】
つまり、スタビライザー(S)(S)の左右一対は図8、9のようなサイド枠(1)(1)の下端部へ後方から差し込み固定された雌ネジ延長管(6)(6)と、これに螺合締結された下向きの雄ネジ脚管(7)(7)とから側面視の倒立L字型をなしており、しかもその雄ネジ脚管(7)(7)の下端部にはゴム製の接地座(8)(8)が施栓状態に圧入一体化されている。
【0021】
そして、車椅子の後述する手押しハンドル枠と足受け台とを、その全体のほぼ水平状態に伏倒させて、患者のX線撮影を行なう場合には、上記スタビライザー(S)(S)を図9のような側面視の倒立L字型として、その雄ネジ脚管(7)(7)の接地座(8)(8)をフロアーへ接地させることにより、車椅子の後方に向かう転倒事故を防止する一方、車椅子の手押し走行時には上記雌ネジ延長管(6)(6)に対して、その雄ネジ脚管(7)(7)を若干弛緩させる如く、水平軸線廻りに押し上げることにより、その接地座(8)(8)を図8の鎖線で示すようにフロアーから浮上させることができるようになっている。
【0022】
その場合、左右一対のスタビライザー(S)(S)を形作る上記雌ネジ延長管(6)( 6)と雄ネジ脚管(7)(7)との螺合締結状態は、その左ネジと右ネジとの相反する螺旋方向性として設定されており、その左右一対の何れも上記サイド枠(1)(1)の内側へ、約180度の回動角度(α)(α)だけ起伏操作できるようになっている。メインホイール(5)(5)と干渉することを防ぐためである。
【0023】
(9)(9)は両サイド枠(1)(1)の雌ネジ延長管(6)(6)と、後下側連結ビーム(3r)との角隅部へ平面視の左右対称なL字型に付属一体化された一対の固定ペダルであって、上記雄ネジ脚管(7)(7)を押し上げた状態のもとで、その水平な固定ペダル(9)(9)を足踏みすることにより、車椅子をフロアーからの前上がりに浮かせることができ、ステアリングホイール(4)(4)の段差乗り越えに役立つ。
【0024】
又、上記車体フレーム(F)の両サイド枠(1)(1)には、左右一対のメインホイール(5)(5)を一挙同時に制動できるブレーキ機構(B)も付属装備されている。
【0025】
(10)はそのためのブレーキシューであって、図10、11のような両メインホイール(5)(5)の前側を横架する水平な金属棒材から成り、その左右両端部に加工されたローレットなどの凹凸粗面(11)(11)が、両メインホイール(5)(5)のタイヤ(図示符号省略)へ圧接するようになっている。
【0026】
(12)(12)は両サイド枠(1)(1)の中途部へ支点ピン(13)(13)を介して、内側から枢着された左右一対の回動可能なハンガーステーであり、その両サイド枠(1)(1)から前下方へ張り出す先端部に、上記ブレーキシュー(10)が固定支持されている。
【0027】
(14)(14)はその両ハンガーステー(12)(12)から、両サイド枠(1)(1)に対する上記メインホイール(5)(5)の軸支点よりも後方まで、一定長さ(L2)(L2)だけ延在する左右一対の揺動アームであり、その前端部が上記ハンガーステー(12)(12)の中途部へ、各々水平な支点ピン(15)(15)によって内側から枢着されている一方、同じく両揺動アーム(14)(14)の折り曲げ狭幅化された後端部には、金属管材のブレーキペダル(16)が水平に固定横架されている。
【0028】
(17)(17)は上記ハンガーステー(12)(12)の後側に位置しつつ、やはり両サイド枠(1)(1)の中途部へ水平な支点ピン(18)(18)を介して、内側から枢着された左右一対の回動可能な支持リンクであり、その両サイド枠(1)(1)から後上方へ張り出す先端部が、各々水平な支点ピン(19)(19)によって上記揺動アーム(14)(14)の中途部へ枢着されている。
【0029】
(20)(20)は上記車体フレーム(F)を形作る両サイド枠(1)(1)の中途部と、ハンガーステー(12)(12)の張り出し先端部付近との上下相互間へ連繋張架された左右一対のリターンバネ(引っ張りコイルバネ)であり、上記ブレーキシュー(10)を常時メインホイール(5)(5)から離れる前上方へ引っ張って、そのメインホイール(5)(5)を走行可能な遊転状態に付勢している。
【0030】
つまり、メインホイール(5)(5)のブレーキ機構(B)は上記ブレーキシュー(10)のハンガーステー(12)(12)と揺動アーム(14)(14)並びに支持リンク(17)(17)とから成る全体的な揺動リンク機構として枠組みされており、上記リターンバネ(20)(20)の引っ張り付勢力に抗しつつ、ブレーキペダル(16)を片足により押し上げた操作時、そのブレーキシュー(10)が図10、11のように後下方へ引き寄せられて、両メインホイール(5)(5)へ圧接し、確実な制動状態を得られるようになっている。
【0031】
更に、(21)は上記車体フレーム(F)を形作る上側連結ビーム(2f)(2r)同志の前後相互間へ、その空間の遮断状態に介挿固定された水平なシート支持台であり、図12に示す平面視の四角形な金属板材から成る。(22)はそのシート支持台(21)の中心部へ、ネジ締結具から成る垂直な支点軸(23)を介して回転自在に組付け枢着されたシートであり、木質芯材(24)とこれに被着一体化された合成皮革張りのクッション材(図示省略)とから成る。
【0032】
(25)は全体的な放射対称分布型として、上記シート支持台(21)の上面に設置された複数(図例では合計8個)の遊転ボールであり、シート(22)を下方から安定な水平状態に支持している。(26)は同じくシート支持台(21)の偏心部から下向き一体的に突出するレバー支持フォークであり、その下端部には後方へ一定長さ(L3)だけ延在するシート回転操作レバー(27)の前端部が、水平な支点ピン(28)を介して起伏操作自在に枢着されている。
【0033】
又、(29)はそのシート回転操作レバー(27)の中途部からシート支持台(21)の偏心部を貫通して、上向きに垂立された昇降ロックピンであり、その上端部がシート(22)と係脱自在に係止し得るようになっている。そのために、シート(22)の偏心部には複数(図例では約90度づつの一定間隔を保つ合計4個)のロックピン受け入れ孔(30)が、その全体的な放射対称分布型として対応開口されている。
【0034】
(31)は上記シート回転操作レバー(27)の昇降ロックピン(29)に嵌め付け一体化された上昇限度位置決めストッパー、(32)はその位置決めストッパー(31)とシート支持台(21)との上下相互間に介在しつつ、上記昇降ロックピン(29)に巻き掛けられたリターンバネ(圧縮コイルバネ)であり、そのシート回転操作レバー(27)の昇降ロックピン(29)を図13のように、シート(22)のロックピン受け入れ孔(30)へ常時差し込み係止させるべく押し上げ付勢している。
【0035】
つまり、上記シート回転操作レバー(27)をそのリターンバネ(32)の弾圧付勢力に抗しつつ押し下げれば、その昇降ロックピン(29)がシート(22)のロックピン受け入れ孔(30)から抜け出すため、そのシート(22)を図12の鎖線に示唆する如く、上記垂直な支点軸(23)の廻りに約90度づつ回転させることによって、患者を坐った姿勢状態のままで、前向きから左右横向きに変換することができ、その脇腹部のX線撮影を便利良く行なえるようになっている。又、患者を左右横方向からシート(22)へ容易に坐らせた上、前向きに変換させることもできる。
【0036】
上記シート回転操作レバー(27)の押し下げ力を解けば、その昇降ロックピン(29)が自づと上昇復帰して、シート(22)のロックピン受け入れ孔(30)へ択一的に差し込み係止されることとなる結果、そのシート(22)の回転不能に固定維持されることは言うまでもない。尚、シート(22)は図示のような四角形に限らず、円形やその他の平面形状であっても良い。
【0037】
(33)(33)は上記車体フレーム(F)を形作る両サイド枠(1)(1)の中間部へ、外側から垂立状態に取り付け固定された前後一対づつの有底受け筒、(34)(34)は左右一対のアームレストであり、これらから一体的に垂下する前後一対づつの脚柱(35)(35)が、その対応する上記受け筒(33)(33)へ上方から抜き差し自在に差し込まれることになる。上記アームレスト(34)(34)にも合成皮革張りのクッション材が被着一体化されているが、その図示符号は省略してある。
【0038】
(36)はそのアームレスト(34)(34)の各個と互換使用される脇腹部のX線撮 影用カセットホルダーであって、上下方向に細長い側面視の四角形な金属板材から成り、図14、15に示すように、上記受け筒(33)へ抜き差し可能な前後一対の脚柱(37)を備えている。(38)はそのカセットホルダー(36)の垂直中心線上に沿って切り欠かれた昇降調整長孔、(39)(39)は上記カセットホルダー(36)の内側に位置しつつ、脇腹部のX線撮影用カセット(C1)を挟持する上下一対のクランプ金具であって、断面クランク型に折り曲げられた金属板材から成り、上記昇降調整長孔(38)を各々貫通するネジ締結具(40)(40)の締め付け操作によって、X線撮影用カセット(C1)をそのカセットホルダー(36)の所望高さ位置へ固定維持するようになっており、カセット(C1)自身の大きさ変化にも対応することができる。
【0039】
つまり、上下一対のネジ締結具(40)(40)を緩めた状態のもとで、そのクランプ金具(39)(39)をカセットホルダー(36)の昇降調整長孔(38)に沿って昇降させると共に、その患者の脇腹部と正しく対応する高さ位置において、上記ネジ締結具(40)(40)を締め付け、その上下一対のクランプ金具(39)(39)によりX線撮影用カセット(C1)をカセットホルダー(36)からの脱落不能に挟持固定するのである。
【0040】
次に、(H)は剛性な金属管材の手押しハンドル枠であって、左右一対のサイド支柱(41)(41)とその相互間を横架する水平なベース連結ビーム(42)とから、図18〜21のような正面視のU字型に組立一体化されていると共に、その両サイド支柱(41)(41)の約上半部が後向き連続的に折り返し屈曲されることにより、側面視の耳状をなすハンドルグリップ(43)(43)として機能し得るようになっている。しかも、そのハンドルグリップ(43)(43)同志の左右相互間には、水平なトップハンドルバー(44)も固定横架されており、そのため手押しハンドル枠(H)の全体が平面視のI字型を呈している。
【0041】
(45)(45)は手押しハンドル枠(H)における両サイド支柱(41)(41)の下端部から、後下方へ一体的に張り出された左右一対のサイド取付ステーであり、その両サイド取付ステー(45)(45)の中途部が上記車体フレーム(F)を形作る両サイド枠(1)(1)の後部から、対応的な上向き一体的に突出する左右一対の手押しハンドル枠用サイド軸受ステー(46)(46)へ、各々左右一対の水平な支点ピン(47)(47)を介して、起伏的な回動自在に枢着されている。
【0042】
又、(48)(48)は上記手押しハンドル枠(H)を形作る両サイド支柱(41)(41)に沿って、その前側から各々取り付け固定された左右一対のバックレストホルダーであり、一定の開口幅(W1)を保って向かい合うチャンネル溝型のレール材や押出材から成るが、その下端部は何れも閉塞されている。
【0043】
(49)はその向かい合うチャンネル溝型のレール材や押出材と対応する大きさ・形状のバックレストであって、X線を透過し得る合成皮革張りのクッション材から成り、上記バックレストホルダー(48)(48)の内部へ図19〜22のように、上方から抜き差し自在に落し込まれることとなる。図例では、その積み重ね状態に落し込んだ上下一対の2個を示している。
【0044】
(50)(50)は両バックレストホルダー(48)(48)に沿って、その後側から各々付属一体化された左右一対のカセットホルダーであり、上記バックレストホルダー(48)(48)の開口幅(W1)よりも狭い一定の開口幅(W2)を保って向かい合うチャンネル溝型のレール材や押出材から成るが、これはバックレストホルダー(48)(48)と逆な上端部の閉塞状態に保たれている。
【0045】
そして、その両カセットホルダー(50)(50)における後面の約上半部には、胸部や腹部、腰部、頭部などのX線撮影用カセット(C2)よりも若干小型のカセット出し入れ口(51)(51)が、左右一対の対応的に切り欠かれている一方、同じく後面の残る約下半部には昇降調整長孔(52)(52)が、その後面の垂直中心線上に沿って切り欠かれている。
【0046】
(53)(53)は上記カセット出し入れ口(51)(51)から両カセットホルダー(50)(50)内へ、抜き差し自在に差し込まれた上記カセット(C2)の受け金具であって、倒立L字型に折り曲げられた金属板材から成り、上記昇降調整長孔(52)(52)を各々貫通するネジ締結具(54)(54)の締め付け操作によって、X線撮影用カセット(C2)をそのカセットホルダー(50)(50)の所望高さ位置へ固定維持するようになっている。
【0047】
つまり、図22に示唆する如く、両カセットホルダー(50)(50)の後下方からカセット出し入れ口(51)(51)を通じて、その内部へX線撮影用カセット(C2)を差し込んだ上、左右一対のネジ締結具(54)(54)を緩めて、上記カセット受け金具(53)(53)を昇降調整長孔(52)(52)に沿って昇降させると共に、その患者の胸部や腹部、腰部、頭部などと正しく対応する高さ位置において、上記ネジ締結具(54)(54)を締め付け固定するのである。
【0048】
但し、上記のようなバックレストホルダー(48)(48)と、胸部や腹部、腰部、頭部などのX線撮影用カセットホルダー(50)(50)とを、その何れも向かい合うチャンネル溝型のレール材や押出材から成る前後位置関係の並列状態として組付けユニット化し、そのバックレストホルダー(48)(48)へ上方からバックレスト(49)を抜き差し自在に落し込む構成に代えて、図23〜25の第1変形実施形態に示す構成を採用しても良い。
【0049】
即ち、その手押しハンドル枠(H)の第1変形実施形態では両サイド支柱(41)(41)に取り付け固定したバックレストホルダー(48)(48)の内部へ、X線の透過可能なバックレスト(49)とそのアクリル樹脂などの合成樹脂製裏当てベース板(55)との前後一対を、抜き差し不能に差し込み固定している。
【0050】
(56)は上記バックレスト(49)の垂直中心線上に沿って埋設一体化されたカセットホルダーであり、X線の透過可能な後向き開口するリップ溝型のレール材や押出材から成る。(57)はその裏当てベース板(55)の同じく垂直中心線上に沿って切り欠かれた昇降調整長孔であり、上記リップ溝型のカセットホルダー(56)と合致連通している。
【0051】
又、(58)(58)は上記裏当てベース板(55)の後側に位置しつつ、胸部や腹部、腰部、頭部などのX線撮影用カセット(C2)を挟持する上下一対のクランプ金具であって、断面クランク型に折り曲げられた金属板材から成り、上記昇降調整長孔(57)を各々貫通するネジ締結具(59)(59)の締め付け操作によって、X線撮影用カセット(C2)をそのカセットホルダー(56)の所望高さ位置へ固定維持するようになっており、カセット(C2)自身の大きさ変化にも対応することができる。
【0052】
上下一対のネジ締結具(59)(59)は、リップ溝型のレール材や押出材から成るカセットホルダー(56)と抜け止め状態に係合しており、これを後側から緩めた上、そのクランプ金具(58)(58)を上記カセットホルダー(56)と昇降調整長孔(57)に沿って昇降させると共に、その患者の胸部や腹部、腰部、頭部などと正しく対応する高さ位置において、上記ネジ締結具(59)(59)を締め付け、その上下一対のクランプ 金具(58)(58)によりX線撮影用カセット(C2)を、上記バックレスト(49)の裏当てベース板(55)やカセットホルダー(56)からの脱落不能に挟持固定するのである。
【0053】
図26、27は図24、25と対応する手押しハンドル枠(H)の第2変形実施形態を示しており、これでは左右一対のバックレストホルダー(48)(48)を手押しハンドル枠(H)の両サイド支柱(41)(41)に沿って、その内側から各々取り付け固定すると共に、その内部へバックレスト(49)の裏当てベース板(55)(55)を各別な左右一対として、抜き差し不能に差し込み固定している。
【0054】
そして、その両裏当てベース板(55)(55)の左右相互間をリップ溝型のカセットホルダー(56)と合致連通する昇降調整長孔(57)として区画開口させている。しかも、バックレスト(49)におけるクッション材の表皮である合成皮革(図示符号省略)を、左右一対の上記バックレストホルダー(48)(48)へ巻き付け状態に被着一体化している。
【0055】
尚、図26、27の第2変形実施形態におけるその他の構成は図24、25の上記第1変形実施形態と実質的に同一であるため、その図26、27に図24、25との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0056】
図1〜7の後続する符号(R)は剛性な金属管材の足受け台であって、左右一対の前下がり傾斜脚管(60)(60)と、その下端部へ水平な支点ピン(61)(61)を介して、起伏的な回動自在に枢着されたステップ(62)とから成り、そのステップ(62)の枠内にはゴム板(63)が貼り付け固定されている。ステップ(62)は使用中ほぼ水平な設置状態に保たれ、車椅子の格納時には前下がり傾斜脚管(60)(60)への重合状態に倒し上げられる。
【0057】
しかも、足受け台(R)の両前下がり傾斜脚管(60)(60)にはフットレスト(64)と脚部のX線撮影用カセット(C3)とを互換的に受け止め得る兼用ホルダー(65)(65)の左右一対が、その向かい合う対応位置関係に付属一体化されてもいる。その兼用ホルダー(65)(65)は金属板材から平面視のクランク型で、且つ下端部が閉塞する側面視のJ字型に折り曲げられており、上記フットレスト(64)又はX線撮影用カセット(C3)をその前下がり傾斜状態に受け止めることができ、不慮に脱落するおそれはない。
【0058】
そして、このような足受け台(R)を形作る両前下がり傾斜脚管(60)(60)の上端部は、上記車体フレーム(F)の前上側連結ビーム(2f)から対応的な左右一対として、前向き一体的に張り出す足受け台用サイド軸受ステー(66)(66)の前端部へ、水平な支点ピン(67)(67)により起伏的な回動自在に枢着されている。
【0059】
(68)(68)は同じく両前下がり傾斜脚管(60)(60)の中途高さ位置から後向き一体的に張り出された左右一対のサイド連結ステーであって、上記手押しハンドル枠(H)を形作る両サイド支柱(41)(41)の下端部から後向き一体的に張り出す一対のサイド取付ステー(45)(45)と対応位置しており、その手押しハンドル枠(H)における両サイド取付ステー(45)(45)の後端部と、足受け台(R)における両サイド連結ステー(68)(68)の後端部とが、一定長さ(L4)(L4)の進退ロッド(69)(69)を介して枢支連結されている。(70)(70)はその前側の水平な回動支点ピン、(71)(71)は後側の水平な回動支点ピンを示している。
【0060】
つまり、図1は上記手押しハンドル枠(H)のほぼ垂直な起立状態を示しているが、そ の状態から手押しハンドル枠(H)における両サイド支柱(41)(41)のサイド取付ステー(45)(45)と、上記車体フレーム(F)における両サイド枠(1)(1)の手押しハンドル枠用サイド軸受ステー(46)(46)とを枢支連結している水平な支点ピン(47)(47)を回動中心として、手押しハンドル枠(H)を人為的に後方へ引き倒せば、その手押しハンドル枠(H)の両サイド取付ステー(45)(45)と上記足受け台(R)の両サイド連結ステー(68)(68)とを枢支連結している進退ロッド(69)(69)が、図28の鎖線に示す如く前進移動するため、これにより押圧された足受け台(R)は、その車体フレーム(F)における前上側連結ビーム(2f)の足受け台用サイド軸受ステー(66)(66)と枢支連結されている水平な支点ピン(67)(67)を回動中心として、図2のような前上がりのほぼ水平状態に自づと伏倒し、上記手押しハンドル枠(H)と足受け台(R)との全体が言わば患者の寝台となる。
【0061】
逆に、図2のようなほぼ水平状態に伏倒している手押しハンドル枠(H)を、やはり人為的に前方へ起し上げれば、上記進退ロッド(69)(69)が後進移動して、足受け台(R)を引き戻すため、その足受け台(R)は図1のような前下がりの傾斜状態に自づと復帰する。その足受け台(R)と手押しハンドル枠(H)とが図28から明白なように、一定長さ(L4)(L4)の進退ロッド(69)(69)を介して連動し、一挙同時に起伏作用するように構成されているわけである。
【0062】
但し、このような手押しハンドル枠(H)と足受け台(R)との連動する起伏作用を達成できるならば、その足受け台(R)として図29〜32の変形実施形態に示す構成を採用しても良い。
【0063】
この変形実施実施形態では、長身の患者に対応できる足受け台(R)とするため、左右一対の前下がり傾斜脚管(60)(60)とその下端部のステップ(62)とが、別個な左右一対づつの連結ピース(72)(72)と前後一対づつの水平な支点ピン(73)(73)(74)(74)を介して、起伏的な回動自在に枢支連結されている。
【0064】
つまり、両前下がり傾斜脚管(60)(60)の下端部からは左右一対のサイド連結ステー(75)(75)が、前向き一体的に張り出されている一方、ステップ(62)の後端部からは左右一対のサイド取付ステー(76)(76)が、対応的な後向き一体的に張り出されている。
【0065】
そして、上記連結ピース(72)(72)の各個は側面視のほぼ倒立L字型に打ち抜かれた金属板材から成り、その向かい合う水平な一辺面(72a)(72a)によって上記前下がり傾斜脚管(60)(60)のサイド連結ステー(75)(75)とステップ(62)のサイド取付ステー(76)(76)を各々挟持した状態のもとで、前側の水平な回動支点ピン(73)(73)と後側の水平な回動支点ピン(74)(74)を介して枢支連結されているのである。
【0066】
(77)(77)はその回動支点ピン(73)(73)(74)(74)の前後相互間に介在しつつ、上記連結ピース(72)(72)に各々貫通固定された左右一対の水平なロックピンであり、上記ステップ(62)のサイド取付ステー(76)(76)を受け止めることによって、そのステップ(62)が水平な設置状態に固定維持されるようになっている。もっとも、前側の回動支点ピン(73)(73)を中心として、ステップ(62)を両前下がり傾斜脚管(60)(60)への重合状態に倒し上げることは可能である。
【0067】
又、側面視のほぼ倒立L字型をなす上記連結ピース(72)(72)の下向き他辺面(72b)(72b)は、その左右相互間を貫通横架する水平な連結ビーム(78)によって固定一体化されており、しかもその金属管材から成る連結ビーム(78)の中間部から は、センター支持フォーク(79)が後向き一体的に張り出されている一方、上記車体フレーム(F)を形作る前上側連結ビーム(2f)の中間部からは、足受け台用センター軸受ステー(80)が対応的な前向き一体的に張り出されている。
【0068】
(81)は一定長さ(L5)の回動ロッドであって、上記前下がり傾斜脚管(60)(60)とほぼ平行に延在する金属管材から成り、その前端部が上記足受け台(R)における連結ビーム(78)のセンター支持フォーク(79)へ、水平な支点ピン(82)によって枢着されており、同じく回動ロッド(81)の後端部が車体フレーム(F)における前上側連結ビーム(2f)のセンター軸受ステー(80)へ、やはり水平な支点ピン(83)を介して枢着されているのである。
【0069】
尚、図29〜32の変形実施形態におけるその他の構成と起伏作用は、図1〜6の基本実施形態と実質的に同一であるため、その図29〜32に図1〜6との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を割愛するが、上記フットレスト(64)と脚部のX線撮影用カセット(C3)に互換使用できるホルダー(65)(65)の左右一対は、その取り付けを省略してもさしつかえない。
【0070】
更に、(P)は上記手押しハンドル枠(H)のほぼ垂直な起立状態とほぼ水平な伏倒状態とを固定維持するためのロック機構であって、図33〜35に抽出して示すような気体による突っ張りシリンダー(好ましくはガスシリンダー)(84)と、その突っ張り圧力を解放するための遠隔作動レバー(85)とから成る。突っ張りシリンダー(84)は車椅子の走行中心線上に沿って延在しており、その後端部と上記手押しハンドル枠(H)のベース連結ビーム(42)から後下方へ一体的に張り出すセンター取付ステー(86)の後端部とが、水平な支点ピン(87)を介して枢着されている。
【0071】
(88)は上記突っ張りシリンダー(84)のピストンロッドであり、その前端部の保持ブラケット(89)と上記車体フレーム(F)を形作る前下側連結ビーム(3f)から後上方へ一体的に張り出すセンター支持フォーク(90)とが、やはり水平な支点ピン(91)によって枢着されている。
【0072】
(92)は上記ピストンロッド(88)へ進退自在に挿通された圧力解放ピンであって、そのピストンロッド(88)から前方へ常時露出する先端部を、押圧アーム(93)によって強制的に押し込み没入させれば、上記突っ張りシリンダー(84)内の突っ張り圧力が解放され、その突っ張りシリンダー(84)に対してピストンロッド(88)が後退作動するようになっている。
【0073】
上記押圧アーム(93)は図33〜35のようなピストンロッド(88)とほぼ直交する起立状態にあり、その下端部が水平な支点ピン(94)によって、上記ピストンロッド(88)の保持ブラケット(89)へ回動自在に枢着されている。
【0074】
又、突っ張りシリンダー(84)の遠隔作動レバー(85)は上記手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(44)に取り付け固定されており、片手によって握り締め回動操作できるようになっている。(95)はその遠隔作動レバー(85)の操作によって引っ張られるレリーズワイヤー(プッシュプルケーブル)であり、その先端部が上記押圧アーム(93)の上端部へ脱落不能に係止されている。
【0075】
そのため、手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(44)を握り持った片手によって、突っ張りシリンダー(84)の遠隔作動レバー(85)を回動操作し、上記押圧アーム(93)をその支点ピン(94)の廻りに後方へ引っ張って、突っ張りシリンダー(84)の圧力解放ピン(92)をピストンロッド(88)へ押し込み没入させれば、上 記手押しハンドル枠(H)を後方へ引き倒すことができ、その操作手を離すことによって、手押しハンドル枠(H)の伏倒状態が固定維持されることになる。
【0076】
これと同様にして、上記手押しハンドル枠(H)を伏倒状態から前方へ起し上げることもでき、その操作手を離せば、手押しハンドル枠(H)の起立状態がそのロック機構(P)の突っ張りシリンダー(84)によって、やはり固定維持されることとなる。
【0077】
その手押しハンドル枠(H)の回動角度(β)は、上記突っ張りシリンダー(84)におけるピストンロッド(88)の進退ストロークにより、約90度として予じめ設定されている。(γ)はその手押しハンドル枠(H)と連動する上記足受け台(R)の回動角度であり、図例では約60度になっている。
【0078】
尚、(96)は上記レリーズワイヤー(95)を受け通すワイヤー保持ガイドであり、ピストンロッド(88)の保持ブラケット(89)へ固定ナット(97)によって挟み付け一体化されている。(98)は上記ピストンロッド(88)に嵌め付けられたクッションリングであり、そのピストンロッド(88)の後退作動時における突っ張りシリンダー(84)とのショックを吸収する。
【0079】
本発明のX線撮影用車椅子は上記のような構成を具備しているため、手押しハンドル枠(H)をほぼ垂直に起立させた図1の固定維持状態において、その手押しハンドル枠(H)に付属しているカセットホルダー(50)(50)へ、頭部や胸部、腹部、腰部などのX線撮影用カセット(C2)を差し込み使用し、その高さ位置を患者に応じて調整することにより、シート(22)へ坐った患者の上記部位を正しくX線撮影することができ、このようなX線撮影は上記手押しハンドル枠(H)をほぼ水平に伏倒させた図2の固定維持状態のもとで、その仰臥姿勢の患者に対しても支障なく行なえるのである。
【0080】
又、車体フレーム(F)の両サイド枠(1)(1)に付属している有底受け筒(33)(33)から、左右一対のアームレスト(34)(34)を抜き取った上、シート(22)をその垂直な支点軸(23)の廻りに約90度回転操作して、そのシート(22)に坐った姿勢の患者を前向きから横向きに変換させることにより、上記カセット(C2)を使用しつつ、その患者の脇腹部もX線撮影することができる。
【0081】
更に、左右一対のアームレスト(34)(34)を抜き取ることにより、シート(22)へ横方向から患者を容易に坐らせることができ、そのシート(22)の上記回転操作により前向きに変換させた患者の脇腹部や、仰臥姿勢にある患者の脇腹部を、各アームレスト(34)との互換的に有底受け筒(33)へ差し込み使用したカセットホルダー(36)と、その所望高さ位置へ固定維持した脇腹部のX線撮影用カセット(C1)によって、正しくX線撮影することも可能である。
【0082】
尚、フットレスト(64)と脚部のX線撮影用カセット(C3)とを互換的に受け止め得る兼用ホルダー(65)(65)が、足受け台(R)に付属一体化された構成によれば、そのカセット(C3)を使用して、患者の脚部やその関節部などもX線撮影することができ、ますます便利である。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明では車体フレーム(F)の中間部へ設置されたシート(22)並びに左右一対のアームレスト(34)(34)と、
【0084】
同じく車体フレーム(F)の前部へ水平な左右一対の支点ピン(67)(67)を介して、起伏的な回動自在に枢着された足受け台(R)と、
【0085】
上記車体フレーム(F)の後部へ水平な左右一対の支点ピン(47)(47)を介して、やはり起伏的な回動自在に枢着された手押しハンドル枠(H)と、
【0086】
その手押しハンドル枠(H)へ付属設置されたX線の透過可能なバックレスト(49)並びにX線撮影用カセットホルダー(50)(50)とを備え、
【0087】
そのカセットホルダー(50)(50)へX線撮影用カセット(C2)を着脱自在に取り付け使用するX線撮影用車椅子において、
【0088】
上記シート(22)を車体フレーム(F)の中間部に固定設置されたシート支持台(21)の中心部へ、垂直な支点軸(23)によって約90度づつの回転操作自在に組付け枢着し、
【0089】
上記車体フレーム(F)の中間部から一体的に垂立する左右一対づつの有底受け筒(33)(33)へ、上記アームレスト(34)(34)と脇腹部のX線撮影用カセットホルダー(36)とを上方から抜き差し交換自在に差し込み使用できるように定める一方、
【0090】
上記足受け台(R)の中途高さ位置から後向き一体的に張り出された左右一対のサイド連結ステー(68)(68)と、上記手押しハンドル枠(H)の下端部から後向き一体的に張り出された左右一対のサイド取付ステー(45)(45)とを、前後方向へ移動し得る進退ロッド(69)(69)により枢支連結して、
【0091】
上記手押しハンドル枠(H)を足受け台(R)と連動しつつ、その車体フレーム(F)に対する上記支点ピン(47)(47)の廻りにほぼ垂直な起立状態からほぼ水平な伏倒状態へ、又はその逆に一定角度(β)だけ起伏操作できるように定めると共に、
【0092】
その起立状態と伏倒状態のロック機構(P)を、上記手押しハンドル枠(H)の下端部から後向き一体的に張り出すセンター取付ステー(86)と車体フレーム(F)の中間部から対応的な後向き一体的に張り出すセンター支持フォーク(90)との前後相互間へ枢支連結された突っ張りシリンダー(84)と、そのシリンダー(84)内の圧力を解放すべく、上記手押しハンドル枠(H)に付属設置された遠隔作動レバー(85)とから形作ってあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を確実に改良できる効果がある。
【0093】
即ち、上記のように構成された本発明の場合、手押しハンドル枠(H)を握り持った片手によって、突っ張りシリンダー(84)の遠隔作動レバー(85)を回動操作すれば、その突っ張りシリンダー(84)内の圧力が解放されるため、そのままの片手操作によって手押しハンドル枠(H)をほぼ垂直な起立状態からほぼ水平な伏倒状態へ、又はその逆に一定の回動角度(β)だけ起伏させることができ、しかもその手押しハンドル枠(H)と足受け台(R)とは前後方向への進退ロッド(69)(69)を介して枢支連結されているため、その足受け台(R)も手押しハンドル枠(H)と連動して、一挙同時に起伏作用することとなり、使用上の利便性に富む車椅子を得られる。
【0094】
更に、車体フレーム(F)の有底受け筒(33)(33)からアームレスト(34)(34)を抜き取ることによって、介護者が車椅子のシート(22)へ横方向から患者を坐らせたり、或いは仰臥させたりすることができ、その後シート(22)を約90度回転操作すれば、手押しハンドル枠(H)に付属のカセットホルダー(50)(50)へ取り付け使用するX線撮影用カセット(C2)によって、その患者の脇腹部をX線撮影することも可能となる。
【0095】
他方、上記アームレスト(34)(34)との互換的な脇腹部のX線撮影用カセットホルダー(36)を、同じく車体フレーム(F)の有底受け筒(33)(33)へ差し込み、そのカセットホルダー(36)へ取り付け使用するX線撮影用カセット(C1)によって、患者の脇腹部をX線撮影することもできる効果がある。
【0096】
その際、請求項2の構成を採用するならば、脇腹部のX線撮影用カセット(C1)をそのカセットホルダー(36)の昇降調整長孔(38)に沿って、患者の脇腹部へ正確に位置調整することができ、ますます便利となる。
【0097】
又、請求項3の構成を採用するならば、胸部や腰部、腹部、頭部などのX線撮影用カセット(C2)をそのカセットホルダー(50)(50)(56)へ、その患者の胸部や腰部、腹部、頭部などと対応する高さ位置へ固定維持して、これらの部位を正しくX線撮影することができ、大変便利でもある。
【0098】
請求項4の構成を採用するならば、その足受け台(R)に付属する兼用ホルダー(65)(65)へ、フットレスト(64)との互換的にX線撮影用カセット(C3)を取り付け使用することにより、患者の脚部やその関節部などもX線撮影できる効果がある。
【0099】
更に、請求項5の構成を採用するならば、そのメインホイール(5)(5)のブレーキ機構(B)によって、車椅子を確実に安定良く停止させることができる一方、スタビライザー(S)(S)の接地作用によって、車椅子の後方に向かう転倒事故を防止し得る効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線撮影用車椅子の全体を、その手押しハンドル枠の起立状態として示す側面図である。
【図2】図1に対応する手押しハンドル枠の伏倒状態を示す側面図である。
【図3】図1の拡大平面図である。
【図4】図1の拡大底面図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】図1の6−6線に沿う拡大断面図である。
【図7】図1の7−7線に沿う拡大断面図である。
【図8】スタビライザーを抽出して示す背面図である。
【図9】図8の9−9線に沿う拡大断面図である。
【図10】ブレーキ機構を抽出して示す平面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】シート支持台を抽出して示す平面図である。
【図13】図12の13−13線断面図である。
【図14】アームレストと互換使用する脇腹部のX線撮影用カセットホルダーを示す側面図である。
【図15】図14の15−15線断面図である。
【図16】手押しハンドル枠を抽出して示す正面図である。
【図17】図16の平面図である。
【図18】図16の背面図である。
【図19】図16の19−19線断面図である。
【図20】図16の20−20線断面図である。
【図21】図18の21−21線に沿う拡大断面図である。
【図22】X線撮影用カセットの差し込み過程を示す図20に対応する側断面図である。
【図23】図18に対応する手押しハンドル枠の第1変形実施形態を示す背面図である。
【図24】図23の24−24線断面図である。
【図25】図23の25−25線断面図である。
【図26】図18に対応する手押しハンドル枠の第2変形実施形態を示す背面図である。
【図27】図26の27−27線に沿う拡大断面図である。
【図28】手押しハンドル枠と足受け台との連動する起伏作用を示す説明図である。
【図29】足受け台の変形実施形態を示す図1に対応する側面図である。
【図30】図29に対応する手押しハンドル枠の伏倒状態を示す側面図である。
【図31】図30の足受け台を抽出して示す拡大平面図である。
【図32】図31の32−32線に沿う拡大断面図である。
【図33】起立状態と伏倒状態のロック機構を抽出して示す平面図である。
【図34】図33の34−34線断面図である。
【図35】遠隔作動レバーの握り締め回動操作による突っ張りシリンダーの圧力解放状態を示す図34に対応する側断面図である。
【符号の説明】
(1)・サイド枠
(2f)・前上側連結ビーム
(2r)・後上側連結ビーム
(3f)・前下側連結ビーム
(3r)・後下側連結ビーム
(4)・ステアリングホイール
(5)・メインホイール
(8)・接地座
(9)・固定ペダル
(10)・ブレーキシュー
(12)・ハンガーステー
(14)・揺動アーム
(16)・ブレーキペダル
(21)・シート支持台
(22)・シート
(23)・支点軸
(25)・遊転ボール
(27)・シート回転操作レバー
(29)・昇降ロックピン
(34)・アームレスト
(36)・カセットホルダー
(39)・クランプ金具
(40)・ネジ締結具
(41)・サイド支柱
(42)・ベース連結ビーム
(43)・ハンドルグリップ
(44)・トップハンドルバー
(45)・サイド取付ステー
(46)・手押しハンドル枠用サイド軸受ステー
(48)・バックレストホルダー
(49)・バックレスト
(50)・カセットホルダー
(53)・カセット受け金具
(54)・ネジ締結具
(55)・裏当てベース板
(56)・カセットホルダー
(58)・クランプ金具
(59)・ネジ締結具
(60)・前下がり傾斜脚管
(62)・ステップ
(64)・フットレスト
(65)・兼用ホルダー
(66)・足受け台用サイド軸受ステー
(68)・サイド連結ステー
(69)・進退ロッド
(84)・突っ張りシリンダー
(85)・遠隔作動レバー
(86)・センター取付ステー
(88)・ピストンロッド
(89)・保持ブラケット
(90)・センター支持フォーク
(92)・圧力解放ピン
(93)・押圧アーム
(95)・レリーズワイヤー
(C1)(C2)(C3)・X線撮影用カセット
(B)・ブレーキ機構
(F)・車体フレーム
(H)・手押しハンドル枠
(P)・ロック機構
(R)・足受け台
(S)・スタビライザー

Claims (5)

  1. 車体フレーム(F)の中間部へ設置されたシート(22)並びに左右一対のアームレスト(34)(34)と、
    同じく車体フレーム(F)の前部へ水平な左右一対の支点ピン(67)(67)を介して、起伏的な回動自在に枢着された足受け台(R)と、
    上記車体フレーム(F)の後部へ水平な左右一対の支点ピン(47)(47)を介して、やはり起伏的な回動自在に枢着された手押しハンドル枠(H)と、
    その手押しハンドル枠(H)へ付属設置されたX線の透過可能なバックレスト(49)並びにX線撮影用カセットホルダー(50)(50)とを備え、
    そのカセットホルダー(50)(50)へX線撮影用カセット(C2)を着脱自在に取り付け使用するX線撮影用車椅子において、
    上記シート(22)を車体フレーム(F)の中間部に固定設置されたシート支持台(21)の中心部へ、垂直な支点軸(23)によって約90度づつの回転操作自在に組付け枢着し、
    上記車体フレーム(F)の中間部から一体的に垂立する左右一対づつの有底受け筒(33)(33)へ、上記アームレスト(34)(34)と脇腹部のX線撮影用カセットホルダー(36)とを上方から抜き差し交換自在に差し込み使用できるように定める一方、
    上記足受け台(R)の中途高さ位置から後向き一体的に張り出された左右一対のサイド連結ステー(68)(68)と、上記手押しハンドル枠(H)の下端部から対応的な後向き一体的に張り出された左右一対のサイド取付ステー(45)(45)とを、前後方向へ移動し得る進退ロッド(69)(69)により枢支連結して、
    上記手押しハンドル枠(H)を足受け台(R)と連動しつつ、その車体フレーム(F)に対する上記支点ピン(47)(47)の廻りにほぼ垂直な起立状態からほぼ水平な伏倒状態へ、又はその逆に一定角度(β)だけ起伏操作できるように定めると共に、
    その起立状態と伏倒状態のロック機構(P)を、上記手押しハンドル枠(H)の下端部から後向き一体的に張り出すセンター取付ステー(86)と車体フレーム(F)の中間部から対応的な後向き一体的に張り出すセンター支持フォーク(90)との前後相互間へ枢支連結された突っ張りシリンダー(84)と、そのシリンダー(84)内の圧力を解放すべく、上記手押しハンドル枠(H)に付属設置された遠隔作動レバー(85)とから形作ったことを特徴とするX線撮影用車椅子。
  2. アームレスト(34)(34)の各個と互換使用される脇腹部のX線撮影用カセットホルダー(36)を、上下方向に細長い側面視の四角形な金属板材として、その垂直中心線上に沿って昇降調整長孔(38)を切り欠くと共に、
    脇腹部のX線撮影用カセット(C1)を挟持する上下一対のクランプ金具(39)(39)を、上記昇降調整長孔(38)へ各々貫通されたネジ締結具(40)(40)の締め付け操作によって、そのカセットホルダー(36)の所望高さ位置へ固定維持できるように定めたことを特徴とする請求項1記載のX線撮影用車椅子。
  3. 手押しハンドル枠(H)を形作る左右一対のサイド支柱(41)(41)に沿って、向かい合うチャンネル溝型のバックレストホルダー(48)(48)を取り付け固定し、その内部へバックレスト(49)を差し込むと共に、
    そのバックレスト(49)の裏当てベース板(55)(55)又は上記サイド支柱(41)(41)に付属一体化されたカセットホルダー(50)(50)(56)の所望高さ位置へ、胸部や腰部、腹部、頭部などのX線撮影用カセット(C2)を固定維持できるように定めたことを特徴とする請求項記載のX線撮影用車椅子。
  4. フットレスト(64)と脚部のX線撮影用カセット(C3)とを互換的に受け止め得る兼用ホルダー(65)(65)の左右一対を、足受け台(R)に付属設置したことを特徴とする請求項1記載のX線撮影用車椅子。
  5. 車体フレーム(F)の前端部に左右一対のステアリングホイール(4)(4)と、同じく後端部にそのステアリングホイール(4)(4)よりも径大な左右一対のメインホイール(5)(5)とを各々軸支すると共に、
    その両メインホイール(5)(5)のブレーキ機構(B)と、水平軸線廻りに起伏操作できる転倒防止用スタビライザー(S)(S)の左右一対とを、上記車体フレーム(F)へ付属装備させたことを特徴とする請求項1記載のX線撮影用車椅子。
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