JP2004329467A - X線撮影用車椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】患者の目的部位をすばやく便利にX線撮影でき、安全なストレッチャーとしても使える車椅子を提供する。
【解決手段】手押しハンドル枠(H)の背後に装備された昇降調整可能なスライドガイドレール(64)(65)へ、横方向からX線撮影用フィルムカセット(M)のホルダー(C1)を進退自在に差し込み装填する一方、上記手押しハンドル枠(H)へ取り付けた遠隔操作レバー(123)の回動操作により、その手押しハンドル枠(H)を車体フレーム(F)に対する支点ピン(50)の廻りに起立状態から、車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドになる伏倒状態へ、又はその逆に約90度だけ起伏変換させることができ、上記遠隔操作レバー(123)の回動操作手を離せば、上記起立状態と伏倒状態とが自づと施錠されるように定めた。
【選択図】 図1
【解決手段】手押しハンドル枠(H)の背後に装備された昇降調整可能なスライドガイドレール(64)(65)へ、横方向からX線撮影用フィルムカセット(M)のホルダー(C1)を進退自在に差し込み装填する一方、上記手押しハンドル枠(H)へ取り付けた遠隔操作レバー(123)の回動操作により、その手押しハンドル枠(H)を車体フレーム(F)に対する支点ピン(50)の廻りに起立状態から、車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドになる伏倒状態へ、又はその逆に約90度だけ起伏変換させることができ、上記遠隔操作レバー(123)の回動操作手を離せば、上記起立状態と伏倒状態とが自づと施錠されるように定めた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歩行困難な骨折患者や老人、病弱者、その他の各種要介護者(以下、単に患者と総称する。)をX線撮影するために有用な車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のX線撮影用車椅子(搬送撮影車)として、既に特開2001−70299号が提案されている。
【0003】
この公知発明の基本的な構成では、カセット(9)のホルダー(8)がX線を透過し得る背板(3)の背後部へ、昇降調整自在に支持されており、車椅子(5)の腰台(2)へ坐った姿勢状態にある患者の頭部や首部、胸部をX線撮影できるほか、上記背板(3)と足受け(11)(11)を水平に伏倒させて、その仰臥状態にある患者の上記部位をX線撮影することもできるようになっている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知発明の場合背板(3)やカセットホルダー(8)を支持した平行杆(6)(6)の下端部は、可搬機枠(1)へ起伏自在に枢支されている。他方、踏台(4)(4)や足受け(11)(11)を支持した斜杆(15)(15)は、上記可搬機枠(1)へシリンダー(16)を介して起伏自在に枢支されている。
【0005】
つまり、上記平行杆(6)(6)と斜杆(15)(15)とが可搬機枠(1)に対して、別個独立に枢支されている構造であり、そのためその双方を各別に起伏操作しなければ、図1、5の仮想線に示された全体の水平な伏倒状態を得ることができず、未だ非常に煩らわしく、使用上の利便性と迅速性に劣る。
【0006】
又、カセットホルダー(8)は可搬機枠(1)に設けられた左右一対の昇降摺動案内杆(10)(10)と、背板(3)と相互間を昇降し、その昇降調整状態を左右一対の止めネジ(8’’) (8’’) によって位置決め固定するようになっていると共に、このようなカセットホルダー(8)の枠内へカセット(9)を、ヘッドレスト(3’)側から落し込むようになっているため、そのカセット(9)の出し入れ交換や昇降調整状態の位置決め固定をすばやく軽快に行なうことができない。
【0007】
更に、背板(3)と足受け(11)(11)を腰台(2)との連続的な水平状態に伏倒させ得るとしても、又主輪(12)(12)に補助脚(23)が付属しているとしても、その背板(3)と足受け(11)(11)にはこれを下方から安定良く支持する脚柱や車輪が設置されていないため、不慮に傾き転倒するおそれがあり、患者の安全なストレッチャー(担送車)として使用することもできない。
【0008】
それにもまして、腰台(2)とこれから起立する門形枠(14)(14)は、可搬機枠(1)へ常備の状態に固定一体化されているため、その腰台(2)へ坐った状態にある患者の脇腹部を、左右横方向からX線撮影することは到底不可能である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのための構成上手押し走行可能な車体フレームの上面に設置されたシートと、その車体フレームの前部へ水平な支点ピンを介して起伏的な回動自在に枢着された足受け台と、同じく車体フレームの後部へ水平な支点ピンを介して起伏的な回動自在に枢着された手押しハンドル枠と、その手押しハンドル枠へ遮蔽状態に設置されたX線の透過可能なバックレストとを有するX線撮影用車椅子において、
【0010】
上記手押しハンドル枠の背後へ上下一対の平行なスライドガイドレールを昇降調整自在に装備させて、そのスライドガイドレールの向かい合う上下相互間へX線撮影用フィルムカセットのホルダーを、横方向から進退自在に差し込み装填する一方、
【0011】
上記足受け台の中途部と手押しハンドル枠の下端部とを、前後方向へ移動し得る左右一対のサイド進退アームによって枢支連結すると共に、
【0012】
上記車体フレームの中途部に固定横架された連結ビームと、両サイド進退アームの中途部に固定横架された連結ビームとの前後相互間を、突っ張りシリンダーにより枢支連結して、
【0013】
上記手押しハンドル枠の水平なトップハンドルバーへ取り付けた遠隔操作レバーの回動操作により、上記突っ張りシリンダー内の突っ張り圧力を解放して、上記手押しハンドル枠をその車体フレームに対する支点ピンの廻りにほぼ垂直な起立状態から、車体フレーム並びに足受け台との全体的なベッドになるほぼ水平の伏倒状態へ、又はその逆に約90度の一定角度だけ起伏変換させることができ、
【0014】
上記遠隔操作レバーの回動操作手を離せば、その手押しハンドル枠の起立状態と伏倒状態とが上記突っ張りシリンダーの突っ張り圧力によって、自づと固定維持されるように定めたことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、その本発明に係るX線撮影用車椅子の概略全体を示した図1〜5において、先ず(F)は剛性な金属管材の車体フレームであり、左右一対の対称なサイド囲い枠(1)とその左右相互間を横架する水平な上下一対づつの前側連結ビーム(2a)(2b)並びに後側連結ビーム(3a)(3b)とから組立一体化されている。
【0016】
(4)は上記車体フレーム(F)の両サイド囲い枠(1)を形作る垂直な前枠部の下端位置へ、その垂直軸線廻りの操向自由に軸支された左右一対の前輪であり、ブレーキ付きの自在車輪から成る。(5)は同じく垂直な後枠部の中途高さ位置へ、水平軸線廻りの遊転自在に軸支された左右一対の後輪であり、上記前輪(4)よりもかなり径大なゴムタイヤを備えている。
【0017】
両サイド囲い枠(1)を形作る下枠部は、その中途位置から上記後輪(5)の車軸(6)よりも下方へ斜めに屈曲形成され、且つ垂直な後枠部から更に後方へ一定長さ(L1)だけほぼ水平に張り出し延長されており、その延長後端部が車椅子の後方転倒防止用スタビライザー(7)として、一早く接地し得る斜め下向きに折り曲げられている。
【0018】
又、上記車体フレーム(F)の両サイド囲い枠(1)には、左右一対の後輪(5)を一挙同時に制動できるブレーキ機構(B)も装備されている。(8)はそのためのブレーキシュー支軸であって、図5〜7のような両後輪(5)の直前を横架する水平な金属棒材から成り、その両端ネジ軸部に被着一体化された左右一対のブレーキシュー(9)が、両後輪(5)のゴムタイヤへ圧接するようになっている。
【0019】
(10)は両サイド囲い枠(1)における下枠部の屈曲中途位置へ水平な支点ピン(11)を介して、内側から枢着された左右一対の回動可能なハンガーステーであり、そのハンガーステー(10)が両サイド囲い枠(1)の下枠部から斜め前下方へ張り出す先端部には、上記ブレーキシュー支軸(8)の受け入れ調整長孔(12)が開口形成されていて、その内部をブレーキシュー支軸(8)が貫通横架している。
【0020】
上記ブレーキシュー(9)が万一摩耗した場合、そのブレーキシュー支軸(8)をハンガーステー(10)側の調整長孔(12)に沿って、後輪(5)へ接近させる如く移動調整できるようになっているのである。(13)はその調整状態を固定するためのダブルナットであって、上記ブレーキシュー支軸(8)の両端ネジ軸部へハンガーステー(10)の挟持状態に締結されている。
【0021】
(14)は両ハンガーステー(10)から上記後輪(5)の車軸(6)よりも後方まで、一定長さ(L2)だけ張り出し延在する左右一対の揺動アームであり、その前端部が上記ハンガーステー(10)の中途部へ、各々水平な支点ピン(15)によって内側から枢着されている一方、同じく両揺動アーム(14)の中途部から折り曲げ狭幅化された後端部には、金属管材や金属板材などから成るブレーキペダル(16)が水平に固定横架されている。
【0022】
(17)は上記ハンガーステー(10)の後方に位置しつつ、やはり両サイド囲い枠(1)における下枠部の屈曲中途位置へ水平な支点ピン(18)を介して、同じく内側から枢着された左右一対の回動可能な支持リンクであり、その両サイド囲い枠(1)の下枠部から斜め後上方へ張り出す先端部が、各々水平な支点ピン(19)によって上記揺動アーム(14)の中途部へ枢着されている。
【0023】
(20)は両サイド囲い枠(1)の下枠部と、上記ハンガーステー(10)の張り出し先端部付近との上下相互間へ連繋張架された左右一対のリターンバネ(引張りコイルバネ)であり、上記ブレーキシュー(9)を後輪(5)から常時離れる前上方へ引張り付勢して、その後輪(5)を車椅子の手押し走行可能な遊転状態に保っている。
【0024】
(21)はそのブレーキシュー(9)の上昇限度規制ボルトであって、両サイド囲い枠(1)における下枠部からの張出し片(22)に開口する調整長孔(23)を貫通しており、固定ナット(24)によって位置決めされている。
【0025】
つまり、後輪(5)のブレーキ機構(B)は上記両サイド囲い枠(1)の下枠部、ブレーキシュー支軸(8)のハンガーステー(10)、揺動アーム(14)並びに支持リンク(17)とから成る全体的な挺子クランク機構又は揺動リンク機構として組み立てられており、上記リターンバネ(20)の引張り付勢力に抗しつつ、ブレーキペダル(16)を踏み下げた操作時には、そのブレーキシュー(9)が図7のように斜め後下方へ引き寄せられて、両後輪(5)へ一挙同時に圧接し、確固な制動状態を得られるようになっている。尚、その状態では両揺動アーム(14)の中途部が両サイド囲い枠(1)の下後側連結ビーム(3b)を下降限度規制ストッパーとして、これにより受け止められる。
【0026】
更に、(25)は上記車体フレーム(F)の両サイド囲い枠(1)を形作る上枠部の左右相互間へ、その空間の遮蔽状態に固定横架された水平なシート受け架台であり、図9、10のような平面視の四角形な金属板材から成る。
【0027】
(26)は金属管材によってほぼ半円形に縁取り補強された平面形状の金属板材から成るシート回転面板であり、その中心部から一体的に垂下する回転支軸(27)を介して、上記車体フレーム(F)側のシート受け架台(25)へ回転自在に組み付け枢着されている。(28)はその回転支軸(27)の軸受ケースであり、上記シート受け架台(25)に嵌め付け固定されている。
【0028】
そして、このようなシート回転面板(26)の上面に患者のシート(29)が図外のネジ締結具やその他の固定手段によって積層一体化されている。そのシート(29)はX線を透過し得る芯材と、これに被着された合成皮革張りのクッションカバー材とから成るが、その詳細は図示省略してある。
【0029】
(30)は上記回転支軸(27)の軸受ケース(28)と並列する状態として、やはりシート受け架台(25)に嵌め付け固定された昇降操作ロッド用軸受ブッシュ、(31)はその内部を貫通する昇降操作ロッドであって、上記シート回転面板(26)の回転支軸(27)と平行に垂立しており、その下端部が握り玉(32)として膨出形成されている。
【0030】
同じく昇降操作ロッド(31)の上端部は、上記シート回転面板(26)の偏心部に対応開口する複数のロッド受け入れ孔(33)へ、下方から抜き差し自在に差し込み係止されるようになっている。そのシート回転面板(26)のロッド受け入れ孔(33)は図9に示す如く、上記回転支軸(27)からの一定な半径(R)を保つ回転軌跡上に点在分布しており、その複数への択一的に上記昇降操作ロッド(31)が差し替えられることは言うまでもない。
【0031】
(34)は上記昇降操作ロッド(31)の上端部付近に嵌め付け一体化された座金などから成る上昇限度規制ストッパー、(35)はその昇降操作ロッド(31)を上記シート回転面板(26)のロッド受け入れ孔(33)に向かって、常時差し込み係止させるべく押し上げ付勢するためのリターンバネ(圧縮コイルバネ)であり、上記昇降操作ロッド(31)の上昇限度規制ストッパー(34)とその軸受ブッシュ(30)との上下相互間に介挿設置されている。
【0032】
つまり、昇降操作ロッド(31)をそのリターンバネ(35)の押し上げ付勢力に抗して人為的に引き下げれば、その昇降操作ロッド(31)の上端部が上記シート回転面板(26)のロッド受け入れ孔(33)から抜け出すため、そのシート(29)を図9の鎖線で示す如く、上記回転支軸(27)を中心として適当な角度づつ回転させることにより、患者をシート(29)に坐った姿勢状態のままで、前向きから横向きに変換することができ、その横方向から胸部や腰椎、肋骨などのX線撮影を便利良く行なえるようになっている。又、その患者を横方向からシート(29)へ容易に坐らせた上、前向きに変換させることも可能である。
【0033】
上記昇降操作ロッド(31)の引き下げ力を解除すれば、その昇降操作ロッド(31)が図10のように自づと上昇復帰して、上記シート回転面板(26)のロッド受け入れ孔(33)へ差し込み係止されることになる結果、そのシート(29)の回転不能に固定維持されることは言うまでもない。
【0034】
その場合、上記シート(29)の地上高さを通例約60cmとして、病院において使用されているベッドのそれとほぼ等しく設定するならば、ストレッチャー(担送車)として使用した本発明の車椅子から病院のベッドへ、又はその逆に患者をすばやく安楽に移載できる利点がある。尚、上記シート(29)とその回転面板(26)は図示のようなほぼ半円形に限らず、円形や四角形、その他の平面輪郭形状であっても良い。
【0035】
(36)は両サイド囲い枠(1)を形作る上枠部の中間位置へ、一定間隔(D)を保つ前後一対づつとして横外方から付属固定された脚受け入れ口金であり、ここには左右一対のアームレスト(37)から対応的に垂下する前後一対づつの脚板(38)が、上方から抜き差し自在に差し込み使用される。
【0036】
茲に、患者のアームレスト(37)は上記シート(29)との同質材から成り、図1、3の鎖線で示唆する如く、その左右相互間へ別個なテーブル(39)を横架させて、そのテーブル(39)上に載せた患者の肘関節や手首などをX線撮影することも可能である。
【0037】
又、後述の第2カセットホルダー(C2)を上記アームレスト(37)と互換的に使用して、その第2カセットホルダー(C2)から対応的に垂下する前後一対の脚板を、各サイド囲い枠(1)側の脚受け入れ口金(36)へ図2の鎖線で示す如く、やはり上方から抜き差し自在に差し込むこともできるようになっている。
【0038】
(40)は同じく両サイド囲い枠(1)を形作る上枠部の後端位置付近へ、やはり横外方から垂立状態に付属固定された左右一対の脚受け入れ口筒であるが、その下端部の閉塞した断面U字型をなし、ここには後述の別な第3カセットホルダー(C3)から対応的に垂下する1本の脚柱が、上方から抜き差し自在に差し込み使用されるほか、図1に示唆するような点滴用灌注器の吊り掛け支柱(41)も、その第3カセットホルダー(C3)との互換的に差し込むことができるようになっている。
【0039】
(42)は両サイド囲い枠(1)に付属する上記脚受け入れ口金(36)と脚受け入れ口筒(40)との各個へ、横外方から進退自在に螺入締結された悉く同じ押圧ボルトであり、その脚受け入れ口金(36)に対する上記アームレスト(37)や第2カセットホルダー(C2)の差し込み設置高さを調整固定する一方、上記脚受け入れ口筒(40)に対する第3カセットホルダー(C3)や灌注器用吊り掛け支柱(41)の差し込み方向角度を調整固定する。
【0040】
更に、(43)は両サイド囲い枠(1)の左右相互間に横架する水平な上前側連結ビーム(2a)の両端部から、図3、5のような斜め前上向き一体的に張り出された左右一対の足受け台用サイド軸受ステー、(44)は同じく上前側連結ビーム(2a)の中間部から斜め前下向き一体的に張り出された足受け台用センター軸受ステーであるが、図5のような側面視のほぼL字型に打ち抜かれた金属板材から成り、後述する施錠機構(P)の突っ張りシリンダー用センター軸受ステーとしても兼用機能するようになっている。(45)は両サイド囲い枠(1)を形作る上枠部の後端位置から、上向き一体的に垂立された左右一対の手押しハンドル枠用サイド軸受ステーを示している。
【0041】
次に、(H)は剛性な金属管材の手押しハンドル枠であって、図11〜17のような上端部がハンドルグリップ(46)として後向きに折り返し屈曲された側面視の倒立J字型をなす左右一対のサイド支柱(47)と、そのハンドルグリップ(46)同志の左右相互間に固定横架された水平なトップハンドルバー(48)とから、正面視の門字型に組立一体化されており、上記ハンドルグリップ(46)やトップハンドルバー(48)を握り持って手押し操作できるようになっている。
【0042】
(49)は手押しハンドル枠(H)を形作る両サイド支柱(47)の下端部から、斜め後下向き一体的に張り出された左右一対のサイド取付ステーであり、その両サイド取付ステー(49)の中途部が上記車体フレーム(F)における両サイド囲い枠(1)の上枠部から対応的に垂立する手押しハンドル枠用サイド軸受ステー(45)の後端部へ、図1〜3や図5のように各々水平な太い支点ピン(50)の左右一対を介して、起伏的な回動自在に枢着されている。
【0043】
(51)はその支点ピン(50)の直後に並列し、しかも上記シート(29)から一定高さ(Y)分だけ低い位置関係として、両サイド取付ステー(49)の左右相互間へ水平に固定横架された後述の第1カセットホルダー用下降限度規制バーであり、上記トップハンドルバー(48)と相俟って両サイド支柱(47)を連結強化している。
【0044】
又、(52)は上記手押しハンドル枠(H)内の空間を遮蔽する大きさ・形状のバックレストであって、X線を透過し得るアクリル合成樹脂などの板材から成り、その手押しハンドル枠(H)の両サイド支柱(47)へ前方から複数の固定ビス(53)によって着脱自在に取り付け一体化されている。
【0045】
そのバックレスト(52)の上面は凸曲面として、上記ハンドルグリップ(46)よりも更に背高く張り出しており、ここには図16の鎖線で示す如く、上記シート(29)と同様な合成皮革などから成るクッションカバー(54)が、着脱自在に吊り掛け被着されることとなる。(55)はその使用中のクッションカバー(54)を固定維持するため、両サイド支柱(47)の中途高さ位置と下端部に巻き付け一体化された面ファスナーである。
【0046】
(56)は上記トップハンドルバー(48)の両端部付近から前向き一体的に張り出す左右一対の水平なガイドロッド受け座、(57)は上記第1カセットホルダー用下降限度規制バー(51)の直後に位置しつつ、両サイド取付ステー(49)の中途部から対応的な内向き一体的に張り出す左右一対の水平なガイドロッド受け座であり、このような上側のガイドロッド受け座(56)と下側のガイドロッド受け座(57)とが向かい合う相互間には、各々昇降ガイドロッド(58)の左右一対が平行な垂立状態として取り付け固定されている。
【0047】
(59)は両昇降ガイドロッド(58)へ各々昇降自在に套嵌された昇降スリーブの左右一対であるが、その中途高さ位置が図13〜16のように水平なバネ受けバー(60)を介して連結一体化されているため、両昇降ガイドロッド(58)に沿って一緒に昇降作用し得る。しかも、その両昇降スリーブ(59)の上端部には昇降調整状態を位置決め固定するための押圧ボルト(61)が、進退自在に螺入締結されている。
【0048】
(62)(63)は同じく昇降スリーブ(59)の両端部から前向き一体的に張り出す上下一対のレール支持片、(64)(65)はその上側レール支持片(62)同志の左右相互間と下側レール支持片(63)同志の左右相互間へ、各々横架状態に固定支持された上下一対の平行な第1カセットホルダー用スライドガイドレールであって、図16、17のような互いに向かい合い開口するチャンネル溝型の鋼材やアルミ押出材から成り、後述の第1カセットホルダー(C1)を受け入れるが、その両スライドガイドレール(64)(65)の片側面は、第1カセットホルダー(C1)の差し込み限度規制ストッパー(66)として各々折り曲げ閉塞されている。
【0049】
(67)はその受け入れた第1カセットホルダー(C1)の抜け止めボルトであって、両スライドガイドレール(64)(65)へ各々後方から進退自在に螺入締結されており、第1カセットホルダー(C1)側の後述する抜け止めストッパーを受け止めることになる。
【0050】
又、(68)は上記トップハンドルバー(48)の中間部から、やはり前向き一体的に張り出す水平なバネ受け座であって、これと上記バネ受けバー(60)の対応的な中間部との上下相互間には、ハンガーバネ(引張りコイルバネ)(69)が係脱自在に連繋張架されており、これによって上記昇降スリーブ(59)とスライドガイドレール(64)(65)を、常時吊り上げる方向へ弾圧付勢している。
【0051】
(70)は両サイド支柱(47)の中途高さ位置と下端部へ、その横外方から付属固定された複数(図例では4個)づつの脚受け入れ口金であり、ここにも第2カセットホルダー(C2)の後述する脚板を、前方から抜き差し自在に差し込み使用できるようになっている。その脚受け入れ口金(70)に螺入締結された押圧ボルト(42)は、上記車体フレーム(F)側に付属している脚受け入れ口金(36)のそれと同じであるため、共通の符号を図示するにとどめる。
【0052】
このような手押しハンドル枠(H)に付属する脚受け入れ口金(70)も、上記車体フレーム(F)側に付属している脚受け入れ口金(36)と同じ一定間隔(D)を保つ分布状態にあるが、これより狭い一定間隔(d)を保つ1個づつの脚受け入れ口金(70)も両サイド支柱(47)の上端部に増設されており、これらを取捨選択して、上記第2カセットホルダー(C2)の脚板を差し替え使用することにより、身長が高い患者の頸椎や頭蓋、顎までも横方向から支障なくX線撮影できるようになっている。
【0053】
更に、(71)は上記トップハンドルバー(48)の中間部から逆な後向き一体的に張り出す補助自在車輪用センター支持フォーク、(72)は補助自在車輪(73)の支持脚柱であり、その上端部の回動ボス(74)が上記センター支持フォーク(71)へ、水平な支点ピン(75)を介して起伏的な回動自在に枢着されているほか、その補助自在車輪用支持脚柱(72)の回動ボス(74)と隣接するバネ受けケース(76)も、上記センター支持フォーク(71)へ並列状態に取り付け固定されている。
【0054】
その場合、補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)はその支点ピン(75)を中心として、図16、17から明白なように、約90度の一定角度(α)だけ回動し得るように規定されている。
【0055】
つまり、その支持脚柱(72)の回動ボス(74)がバネ受けケース(76)と隣接する片側面には、図16のようなほぼ垂直の起立状態に保たれた手押しハンドル枠(H)から、吊り下がることとなる補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と、図17のようなほぼ水平の伏倒状態に保たれた手押しハンドル枠(H)を、安定良く支持する補助自在車輪接地用ロックピン受け入れ孔(78)との一対が、約90度の一定角度(α)だけ交叉する関係状態に開口分布されているのである。
【0056】
そして、このような補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)は、手押しハンドル枠(H)のほぼ垂直な起立状態とほぼ水平な伏倒状態とを固定維持するための施錠機構(P)と連動し、その施錠機構(P)の遠隔操作レバーにより進退作動されるロックピンが、上記補助自在車輪(73)の折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ、択一的に差し込み係止されるようになっている。その詳細は施錠機構(P)と併せて後述する。
【0057】
先に一言した第1カセットホルダー(C1)は、胸部や腹部などのX線撮影用フィルムカセット(M)を保持するものであり、上記手押しハンドル枠(H)の背後に付属一体化されている平行なスライドガイドレール(64)(65)の向かい合う上下相互間へ、その横外方から進退自在に差し込み装填使用できる大きさ・形状のカートリッジとして、次のように作成準備されている。
【0058】
即ち、その第1カセットホルダー(C1)を抽出して示した図18〜21において、(79)は金属板材から上記バックレスト(52)よりも小さな正方形又は長方形に造形されたフィルムカセット受け面板であり、その上辺が上側スライドガイドレール(64)内に嵌まり合うスライドフック(80)として、後向きに折り曲げられている一方、同じくカセット受け面板(79)の上辺と平行な下辺は、下側スライドガイドレール(65)内へ嵌まり合うスライドフック(81)として、逆な前向きに折り曲げられている。
【0059】
(82)は上記カセット受け面板(79)における垂直な片側辺の中途高さ位置から、横外方へ一体的に張り出された把手であり、これを握り持って図13に示す如く、上記スライドガイドレール(64)(65)に沿う第1カセットホルダー(C1)の進退操作を行なえるようになっている。
【0060】
(83)は上記スライドガイドレール(64)(65)へ差し込み装填された第1カセットホルダー(C1)の抜け止めストッパーであり、その上下一対がスライドガイドレール(64)(65)から前向く上記抜け止めボルト(67)と対応する位置関係として、上記カセット受け面板(79)から後向き一体的に突設されている。
【0061】
上記スライドガイドレール(64)(65)へ第1カセットホルダー(C1)を差し込み装填する時には、そのスライドガイドレール(64)(65)側の抜け止めボルト(67)をカセット受け面板(79)側の抜け止めストッパー(83)から一旦後方へ螺退させておき、その差し込み装填した後に、同じく抜け止めボルト(67)を前方へ螺進させて、上記抜け止めストッパー(83)へ係止することにより、第1カセットホルダー(C1)をそのスライドガイドレール(64)(65)からの抜け止め状態に保つことができるようになっているのである。上記抜け止めボルト(67)を後方へ螺退させれば、そのスライドガイドレール(64)(65)から第1カセットホルダー(C1)を抜き出すことも可能である。
【0062】
(84)は上記カセット受け面板(79)における約下半部の中間位置へ、左右一対づつの上下数段として開口分布された複数(図例では合計4個)のピン受け入れキー孔であり、これらへ抜き差し自在に差し替えられる係止ピン(85)の左右一対によって、X線撮影用フィルムカセット(M)の下面受け持ち金具(86)が上記カセット受け面板(79)の前面に設置されることとなる。
【0063】
又、(87)は同じくカセット受け面板(79)の中途高さ位置に開口列設された左右一対の水平なスライドガイド長孔であり、その内部には各々スライドピース(88)が嵌め込まれている。(89)は上記フィルムカセット(M)を挟む左右一対のサイド挟持金具であって、その上記把手(82)と対応位置する一方のサイド挟持金具(89)は、同じ一方のスライドピース(88)を貫通するネジ軸(90)によって、上記カセット受け面板(79)の前面に設置されており、残る他方のサイド挟持金具(89)は同じ他方のスライドピース(88)を貫通するビス(91)によって、やはりカセット受け面板(79)の前面に設置されている。
【0064】
そのため、上記フィルムカセット(M)の両サイド挟持金具(89)はスライドピース(88)を介して、水平なスライドガイド長孔(87)に沿い左右方向へスライドするが、カセット受け面板(79)から後向きに突出する上記ネジ軸(90)の先端部には、サイド挟持金具用スライドロックレバー(92)のボス(93)が螺合締結されており、これを締め上げ回動操作することによって、その一方のスライドピース(88)を挟み付け固定することもできるようになっている。
【0065】
しかも、上記フィルムカセット(M)の両サイド挟持金具(89)は一挙同時に接近方向又は離反方向へスライドし得るようになっている。(94)はそのための回動リンクアームであって、屈折可能なほぼZ字型をなし、その中心部が上記カセット受け面板(79)の後面へ支点ピン(95)を介して枢着されていると共に、同じく回動リンクアーム(94)の両端部は上記スライドピース(88)の左右一対へ、各々枢支ピン(96)によって連結されている。
【0066】
そのため、上記スライドロックレバー(92)をネジ軸(90)からの弛緩方向へ回動操作し、スライドピース(88)の挟み付け固定力を解除した状態のもとで、両サイド挟持金具(89)の何れか一方を押し込み又は引き出し操作すれば、残る他方も一挙同時にスライドして、互いに接近又は離反することとなる。
【0067】
その結果、上記カセット受け面板(79)のピン受け入れキー孔(84)に対する係止ピン(85)の差し替えにより、設置高さの調整可能な下面受け持ち金具(86)とも相俟って、上記フィルムカセット(M)をそのカセット受け面板(79)の中央部へ、自づと正確に位置決めされた状態として安定良く挟持することができ、そのフィルムカセット(M)の大きさ変化にも便利良く対応し得るのである。
【0068】
更に、図1〜5や図22、23の符号(S)は剛性な金属管材から枠組みされた足受け台を示しており、これは左右一対の前下がり傾斜サイドアーム(97)とその下端部のステップ(98)とを備え、その両傾斜サイドアーム(97)とステップ(98)とが別個な左右一対の連結ピース(99)を介して、起伏的な回動自在に枢支連結されている。
【0069】
即ち、両傾斜サイドアーム(97)の下端部からはサイド支持ステー(100)の左右一対が、各々前向き一体的に張り出されている一方、ステップ(98)の後端部からは対応するサイド取付ステー(101)の左右一対が、後向き一体的に張り出されている。
【0070】
又、上記連結ピース(99)の各個は図23のような側面視のほぼヘ字型に打ち抜かれて並列する2枚の金属板材から成り、水平な前辺面(99f)とこれから斜め後下方へ屈曲する後辺面(99r)とを備えている。
【0071】
そして、図22、23から明白なように、上記ステップ(98)のサイド取付ステー(101)が各連結ピース(99)の前辺面(99f)に挟まれた状態のもとで、その前辺面(99f)へ水平な支点ピン(102)を介して回動自在に枢着されている一方、上記傾斜サイドアーム(97)のサイド支持ステー(100)も同じく各連結ピース(99)の前辺面(99f)に挟まれた状態のもとで、その前辺面(99f)へやはり水平な支点ピン(103)によって回動自在に枢着されているのである。
【0072】
(104)はその支点ピン(102)(103)の前後相互間に介在しつつ、各連結ピース(99)の前辺面(99f)に固定横架された水平なステップ下降限度規制ピンであり、上記ステップ(98)のサイド取付ステー(101)を受け止めることによって、そのステップ(98)を水平な設置状態に固定維持する。
【0073】
但し、図5の鎖線で示唆する如く、上記前側の支点ピン(102)を回動中心として、そのステップ(98)を両傾斜サイドアーム(97)の前面へ重合する折りたたみ状態に倒し上げることも可能であり、車椅子格納上の小型コンパクト化に役立つ。
【0074】
(105)はステップ(98)から一体的に垂下する左右一対の補助自在車輪用支持脚柱であり、その下端部に各々軸支された補助自在車輪(106)が接地するため、上記ステップ(98)を水平の使用状態に安定良く支持することができる。
【0075】
上記連結ピース(99)の後辺面(99r)は図4、5や図22、23のように、その左右相互間を貫通横架する水平な連結ビーム(107)によって固定一体化されており、しかもその連結ビーム(107)の中間部からはセンター支持ステー(108)が、斜め後下向き一体的に張り出されてもいる。
【0076】
そして、その足受け台(S)側のセンター支持ステー(108)は、図4、22から明白なように、上記車体フレーム(F)を形作る上前側連結ビーム(2a)の中間部から一体的に張り出すセンター軸受ステー(44)と向かい合い対応している。
【0077】
(109)は上記足受け台(S)を形作る両前下がり傾斜サイドアーム(97)と平行な前下がり傾斜センターアームであって、その下端部が水平な支点ピン(110)により上記連結ビーム(107)のセンター支持ステー(108)へ、残る上端部がやはり水平な支点ピン(111)を介して上記車体フレーム(F)側のセンター軸受ステー(44)へ、各々起伏的な回動自在に枢着されている。
【0078】
他方、両前下がり傾斜サイドアーム(97)の上端部からはサイド連結フック(112)の左右一対が、各々後向き一体的に張り出し屈曲されており、上記車体フレーム(F)を形作る上前側連結ビーム(2a)の両端部から一体的に張り出す左右一対の足受け台用サイド軸受ステー(43)へ、各々水平な支点ピン(113)によってやはり起伏的な回動自在に枢着されている。
【0079】
(114)は両前下がり傾斜サイドアーム(97)の中途高さ位置へ前方から固定横架された患者のレッグレストであって、上記シート(29)との同質材から成る。(115)は同じく両傾斜サイドアーム(97)へ一定間隔(D)を保つ上下一対づつとして、その横外方から付属一体化された脚受け入れ口金であり、ここにも第2カセットホルダー(C2)の後述する脚板を、前方から抜き差し自在に差し込み使用できるようになっている。その脚受け入れ口金(115)に螺入締結された押圧ボルト(42)も、上記車体フレーム(F)側に付属している脚受け入れ口金(36)のそれと同じであるため、共通の符号を図示するにとどめる。
【0080】
更に、(116)は同じく両傾斜サイドアーム(97)の上端部付近から後向き一体的に張り出された左右一対のサイド連結ステーであって、図8に示す如く、上記手押しハンドル枠(H)を形作る両サイド支柱(47)の下端部から一体的に張り出す左右一対のサイド取付ステー(49)と向かい合い対応している。
【0081】
(117)は一定長さ(L3)を有する左右一対のサイド進退アームであり、その前端部が水平な支点ピン(118)を介して、上記足受け台(S)側のサイド連結ステー(116)へ枢支連結されている一方、残る後端部はやはり水平な支点ピン(119)によって、上記手押しハンドル枠(H)の両サイド支柱(47)から一体的に張り出すサイド取付ステー(49)の先端部へ枢支連結されている。
【0082】
しかも、その両サイド進退アーム(117)における後端部付近の左右相互間には、図5、8から明白なように、水平な連結ビーム(120)が固定横架されているほか、その連結ビーム(120)の中間部からは施錠機構(P)の突っ張りシリンダー用センター軸受ステー(121)が一体的に垂下されてもいる。これが、上記車体フレーム(F)を形作る上前側連結ビーム(2a)の突っ張りシリンダー用センター軸受ステー(44)と対応位置していることは言うまでもない。
【0083】
つまり、図1、5、33は上記手押しハンドル枠(H)のほぼ垂直な起立状態を示しているが、その起立状態から手押しハンドル枠(H)における両サイド支柱(47)のサイド取付ステー(49)と、上記車体フレーム(F)における両サイド囲い枠(1)の手押しハンドル枠用サイド軸受ステー(45)とを枢支連結している水平な支点ピン(50)を回動中心として、手押しハンドル枠(H)を人為的に後方へ引き倒せば、その手押しハンドル枠(H)側のサイド取付ステー(49)と上記足受け台(S)側のサイド連結ステー(116)とを枢支連結しているサイド進退アーム(117)が、図33から図34のように前進移動する。
【0084】
そのため、これにより押圧された足受け台(S)は、その両前下がり傾斜サイドアーム(97)のサイド連結フック(112)と上記車体フレーム(F)における両サイド囲い枠(1)の足受け台用サイド軸受ステー(43)とを枢支連結している水平な支点ピン(113)を回動中心として、図2、34のような前上がりのほぼ水平状態に自づと伏倒し、両前下がり傾斜サイドアーム(97)と相俟って平行リンク機構を形作っている上記足受け台(S)の前下がり傾斜センターアーム(109)も、その両前下がり傾斜サイドアーム(97)の動きに追従する。
【0085】
その結果、上記手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)並びに車体フレーム(F)の全体が言わば救急患者のベッドとなり、しかもその伏倒状態の手押しハンドル枠(H)から下向きに垂立した補助自在車輪(73)が接地するため、本発明のX線撮影用車椅子を救急患者の安全なストレッチャー(担送車)としても使用できるのである。
【0086】
その場合、図34から示唆されるように、車体フレーム(F)のシート(29)と手押しハンドル枠(H)のバックレスト(52)並びに足受け台(S)のレッグレスト(114)は、地上高さの悉くほぼ同一として、その全体的に均一なフラット面を形作るように設定されている。
【0087】
逆に、図2、34のようなほぼ水平状態に伏倒している手押しハンドル枠(H)を、やはり人為的に前方へ起し上げれば、上記サイド進退アーム(117)が後退移動して、足受け台(S)を引き戻すことになるため、その足受け台(S)が図1、33の前下がり傾斜状態に自づと復帰し、車体フレーム(F)のシート(29)に患者を坐らせることができる。上記手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)とが一定長さ(L3)のサイド進退アーム(117)を介して連動し、一挙同時に起伏作用するように構成されているわけである。
【0088】
先に一言した施錠機構(P)は、手押しハンドル枠(H)のほぼ垂直な起立状態とほぼ水平な伏倒状態とを固定維持するものとして、図24〜26に抽出するような気体による突っ張りシリンダー(好ましくはガスシリンダー)(122)と、その突っ張り圧力を解放するための遠隔操作レバー(123)とから成り、しかも手押しハンドル枠(H)の起立状態と伏倒状態に連動して、その手押しハンドル枠(H)に付属の上記補助自在車輪(73)をも振れ動かぬよう、自づと固定維持し得るようになっている。
【0089】
即ち、施錠機構(P)の突っ張りシリンダー(122)は図4、5からも明白なように、車椅子の走行中心線上に沿って延在しており、その後端部の支持フォーク(124)が両サイド進退アーム(117)を固定横架する連結ビーム(120)の突っ張りシリンダー用センター軸受ステー(121)へ、水平な支点ピン(125)を介して枢着されている。
【0090】
(126)は上記突っ張りシリンダー(122)のピストンロッドであり、その前端部の支持フォーク(127)が上記車体フレーム(F)の上前側連結ビーム(2a)から一体的に張り出す突っ張りシリンダー用センター軸受ステー(44)へ、やはり水平な支点ピン(128)によって枢着されている。
【0091】
(129)は上記ピストンロッド(126)へ進退自在に挿通された圧力解放ピンであり、これがピストンロッド(126)から前方へ常時露出する先端部を、押圧アーム(130)によって強制的に押し込み没入させれば、上記突っ張りシリンダー(122)内の突っ張り圧力が解放され、その突っ張りシリンダー(122)に対してピストンロッド(126)が後退作動するようになっている。
【0092】
上記押圧アーム(130)はピストンロッド(126)とほぼ直交する起立状態にあり、その上端部が水平な支点ピン(131)によって、上記ピストンロッド(126)の支持フォーク(127)へ回動自在に枢着されている。
【0093】
又、(132)は上記手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)から一体的に張り出す補助自在車輪用センター支持フォーク(71)と並列する関係状態として、そのトップハンドルバー(48)の中途部に取り付け固定されたレバー保持ブラケットであり、これに突っ張りシリンダー(122)の上記遠隔操作レバー(123)が支点ピン(133)を介して、片手での握り締め回動操作を行なえるように枢着されている。(134)はその遠隔操作レバー(123)の回動操作を受けて引張られるレリーズワイヤー(プッシュプルケーブル)であり、その先端部が上記押圧アーム(130)の下端部へ脱落不能に係止されている。
【0094】
そのため、手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)を握り持った片手により、突っ張りシリンダー(122)の遠隔操作レバー(123)を図26のように回動操作し、上記押圧アーム(130)をその支点ピン(131)の廻りに後方へ引張って、突っ張りシリンダー(122)の圧力解放ピン(129)をピストンロッド(126)へ押し込み没入させれば、上記手押しハンドル枠(H)を図2、34のように後方へ引き倒すことができ、その握り締め回動操作手を離した図25の状態において、手押しハンドル枠(H)の伏倒状態が固定維持されることになる。
【0095】
これと同様な遠隔操作レバー(123)の握り締め回動操作により、上記手押しハンドル枠(H)を図2、34の伏倒状態から前方へ起し上げることもでき、その回動操作手を離した図25の状態では、図1、33のような手押しハンドル枠(H)の起立状態が、その施錠機構(P)を形作る突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力によってやはり固定維持される。
【0096】
その場合、上記手押しハンドル枠(H)の起伏的な回動角度(β)は突っ張りシリンダー(122)におけるピストンロッド(126)の進退ストロークにより、約90度として予じめ設定されており、又その手押しハンドル枠(H)と連動する上記足受け台(S)の回動角度(γ)は、約60度に予じめ設定されているが、このような回動角度範囲の途中において操作手を離しても、その手押しハンドル枠(H)は上記施錠機構(P)により固定維持される結果、本発明の車椅子を患者のリクライニングベッドとして使用することも可能である。
【0097】
尚、(135)は上記レリーズワイヤー(134)を受け入れるワイヤー保持ガイドであり、ピストンロッド(126)の支持フォーク(127)へ固定ナット(136)によって挟み付け一体化されている。(137)は上記ピストンロッド(126)に嵌め付けられたクッションリングであり、そのピストンロッド(126)の後退作動時における突っ張りシリンダー(122)の衝撃や振動を吸収する。
【0098】
更に、(138)は上記遠隔操作レバー(123)の回動操作に応じて進退作動される一定長さ(L4)のロックピンであり、図16、17、25、26に示す如く、その遠隔操作レバー(123)の中途部から上記手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)に付属する補助自在車輪用センター支持フォーク(71)とバネ受けケース(76)を貫通しつつ、上記補助自在車輪用支持脚柱(72)の回動ボス(74)に向かって、その支持脚柱(72)の回動支点ピン(75)とほほ平行に張り出し横架されている。
【0099】
しかも、そのロックピン(138)の上記バネ受けケース(76)内に臨む中途部からは、座金などから成る進出限度規制ストッパー(139)が嵌め付け一体化されており、その進出限度規制ストッパー(139)とバネ受けケース(76)との向かい合う左右相互間に介在するリターンバネ(圧縮コイルバネ)(140)が、そのバネ受けケース(76)内に封入されてもいる。
【0100】
そして、そのリターンバネ(140)によりロックピン(138)の先端部を、上記補助自在車輪用支持脚柱(72)の回動ボス(74)に開口分布された補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と同じく補助自在車輪接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ、常時差し込み係止させる進出方向へ押圧付勢している。
【0101】
その場合、補助自在車輪(73)の折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と同じく接地用ロックピン受け入れ孔(78)とは上記のように、約90度の一定角度(α)だけ交叉する関係状態にあり、手押しハンドル枠(H)の回動角度(β)もこれと対応する約90度に設定されているため、その手押しハンドル枠(H)が図1、33のようなほぼ垂直の起立状態に固定維持された時、上記遠隔操作レバー(123)のロックピン(138)は図16のように、回動ボス(74)の補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)へ差し込み係止されることになり、その補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)が前後方向へ振れ動かない折りたたみ状態として吊り下がる。
【0102】
他方、手押しハンドル枠(H)が図2、34のようなほぼ水平の伏倒状態に固定維持された時、同じく遠隔操作レバー(123)のロックピン(138)は図17に示す如く、上記回動ボス(74)の別個な補助自在車輪接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ差し込み係止されることになり、その補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)がやはり前後方向へ振れ動かない安定な垂立状態として接地使用されるのである。
【0103】
何れにしても、手押しハンドル枠(H)を図1、33の起立状態から図2、34の伏倒状態へ、又はその逆向きに変換する場合、上記突っ張りシリンダー(122)の遠隔操作レバー(123)は握り締め回動操作されて、ロックピン(138)がリターンバネ(140)の付勢力に抗しつつ、上記補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)や同じく接地用ロックピン受け入れ孔(78)から抜け出し退動するため、その補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)は上記支点ピン(75)を中心として、約90度の一定角度(α)だけ自由自在に回動でき、手押しハンドル枠(H)の動きに追従する。
【0104】
要するに、上記手押しハンドル枠(H)がほぼ垂直の起立状態又はほぼ水平の伏倒状態となって、その施錠機構(P)の遠隔操作レバー(123)から握り締め回動操作手を離した時にのみ、上記ロックピン(138)が補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)又は同じく接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ、自づと差し込み係止されるようになっているわけであり、安全性に著しく優れる。
【0105】
先に一言したX線撮影用フィルムカセット(M)の第2カセットホルダー(C2)は、車体フレーム(F)と手押しハンドル枠(H)並びに足受け台(S)に各々付属固定されている上記脚受け入れ口金(36)(70)(115)へ、互換的に差し込み使用できる脚板(141)を備えたカートリッジとして、次のように作成用意されている。
【0106】
つまり、その第2カセットホルダー(C2)を示した図27、28において、(142)は金属板材から長方形又は正方形に造形されたフィルムカセット受け面板であり、その下端部からは上記脚受け入れ口金(36)(70)(115)と対応する一定間隔(D)を保つ複数(図例では合計4個)の脚板(141)が、一体的に垂下されている。
【0107】
しかも、その左右両端部に位置する一対は、これと隣り合う一対との狭い一定間隔(d)を保っており、上記手押しハンドル枠(H)の対応的な狭い一定間隔(d)を保つ脚受け入れ口金(70)へ、差し込み使用することもできるようになっている。
【0108】
(143)は上記カセット受け面板(142)の約上半部に位置しつつ、その垂直中心線上に沿って列設されたチャンネル型のスライドガイド凹溝であり、その内部へスライド自在に差し込み係合された上面押え金具(144)によって、X線撮影用フィルムカセット(M)の上面を押え付ける。
【0109】
他方、同じくカセット受け面板(142)における約下半部の中間位置には複数(図例では合計12個)のピン受け入れキー孔(145)が、その左右一対づつの上下数段として開口分布されており、これらへ抜き差し自在に差し替えられる係止ピン(146)の左右一対によって、上記フィルムカセット(M)の下面受け持ち金具(147)が上面押え金具(144)と向かい合う状態に設置されることとなる。
【0110】
そのため、下面受け持ち金具(147)の差し替えにより、その設置高さをフィルムカセット(M)の大きさ変化に応じて調整すれば、そのフィルムカセット(M)を上面押え金具(144)と相俟って、上記カセット受け面板(142)の中央部へ挟持状態に位置決めすることができる。
【0111】
そして、このようなフィルムカセット(M)が挟持された第2カセットホルダー(C2)を、図2に示唆する如く、車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)へ差し込み使用することにより患者の腰椎を、又足受け台(S)側の脚受け入れ口金(115)へ差し込み使用することにより患者の下肢を横方向から各々X線撮影することができ、更には手押しハンドル枠(H)側の脚受け入れ口金(70)へ差し替え使用することにより、患者の胸部や頸椎、顎、頭蓋までも横方向から便利良くX線撮影することができるのである。
【0112】
又、先に一言したX線撮影用フィルムカセット(M)の第3カセットホルダー(C3)では図29、30のように、上記第2カセットホルダー(C2)の脚板(141)に代る1本の脚柱(148)が、そのフィルムカセット受け面板(142)の下端中央部から一体的に垂下されており、その余の構成は上記第2カセットホルダー(C2)と実質的に同一であるため、その図29、30に図27、28との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0113】
このような第3カセットホルダー(C3)の脚柱(148)は上記車体フレーム(F)側の脚受け入れ口筒(40)と対応して、その内部へ回動自在に差し込み使用できるようになっているため、本発明の車椅子が図2のような患者のベッドとなった状態において、その第3カセットホルダー(C3)をベッドに仰臥した患者の股関節へ指向調整することにより、その股関節を便利良くX線撮影することができる。
【0114】
更に、図31、32はX線撮影用フィルムカセット(M)の別に作成準備された第4カセットホルダー(C4)を示しており、これではフィルムカセット受け面板(142)の上端部から背後へ、左右一対のハンガーフック(149)が一体的に曲げ出されている。その他の構成は上記第2カセットホルダー(C2)と実質的に同一であるため、その図31、32に図27、28との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を割愛する。
【0115】
このような第4カセットホルダー(C4)のハンガーフック(149)は上記手押しハンドル枠(H)のバックレスト(52)と対応して、その上面(凸曲面)へ図12の鎖線で示す如く、係脱自在に吊り掛けることができるようになっているため、その吊り掛け使用によってもシート(29)に坐った患者の頸椎や肩関節、顎骨、頭蓋などをX線撮影し得る。
【0116】
本発明のX線撮影用車椅子は上記のように構成されているため、手押しハンドル枠(H)をほぼ垂直に起立させた図1、33の固定維持状態において、その手押しハンドル枠(H)の背後に付属しているスライドガイドレール(64)(65)の向かい合う上下相互間へ、図13、16のように横方向からX線撮影用フィルムカセット(M)の第1カセットホルダー(C1)を差し込み使用して、車体フレーム(F)のシート(29)に坐った患者の胸部や腹部、肋骨、腰椎などを、そのフィルムカセット(M)によりX線撮影することができる。
【0117】
その際、上記フィルムカセット(M)は下面受け持ち金具(86)と両サイド挟持金具(89)によって、その第1カセットホルダー(C1)におけるフィルムカセット受け面板(79)の中央部へ、自づと正しく位置決めされるようになっているほか、そのフィルムカセット(M)の設置状態にある第1カセットホルダー(C1)がハンガーバネ(69)によって、常時吊り上げ方向へ弾圧付勢されており、その設置高さを押圧ボルト(61)によって調整固定することもでき、更に上記第1カセットホルダー(C1)の下降限度規制バー(51)は車体フレーム(F)のシート(29)よりも、一定高さ(Y)分だけ低い位置にあるため、患者の上記目的部位に応じた正確なX線撮影を、極めて軽快にすばやく行なえるのである。
【0118】
又、手押しハンドル枠(H)が起立した固定維持状態のもとで、そのバックレスト(52)の上面(凸曲面)へ図12の鎖線で示す如く、別個な第4カセットホルダー(C4)を吊り掛け使用することによって、シート(29)に坐った患者の頸椎や肩関節、顎骨、頭蓋などをX線撮影したり、更には車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)や手押しハンドル枠(H)側の脚受け入れ口金(70)、足受け台(S)側の脚受け入れ口金(115)へ第2カセットホルダー(C2)を互換的に差し込み使用して、その患者の胸部や腰椎、腹部、下肢などを横方向からX線撮影したりすることもできる。
【0119】
他方、上記手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)とは左右一対のサイド進退アーム(117)や、施錠機構(P)の突っ張りシリンダー(122)を介して連動し、その遠隔操作レバー(123)の握り締め回動操作により一挙同時に起伏作用するようになっているため、上記手押しハンドル枠(H)を後方へ引き倒すことによって、これと車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体が患者のベッドとなるほぼ水平な伏倒状態をすばやく得ることができ、その図2、34のような固定維持状態のもとで、仰臥姿勢の患者に対しても上記目的部位のX線撮影を支障なく行なえるのである。
【0120】
その際には、上記第1カセットホルダー(C1)のハンガーバネ(69)を図17のように、そのバネ受けバー(60)から一旦取りはずすことにより、第1カセットホルダー(C1)をやはり両スライドガイドレール(64)(65)に沿って前後方向へ抵抗なく、且つ長いストロークのもとに進退させることができるため、患者の上記目的部位を正確に能率良くX線撮影し得るのである。
【0121】
又、手押しハンドル枠(H)が伏倒状態にある場合でも、図2の鎖線から示唆されるように、その手押しハンドル枠(H)側の脚受け入れ口金(70)、車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)や脚受け入れ口筒(40)、更には足受け台(S)側の脚受け入れ口金(115)へ、第2、3カセットホルダー(C2)(C3)を互換的に差し込み使用することにより、患者の上記目的部位を横方向から便利良くX線撮影することができる。
【0122】
【発明の効果】
以上のように、本発明では手押し走行可能な車体フレーム(F)の上面に設置されたシート(29)と、その車体フレーム(F)の前部へ水平な支点ピン(111)(113)を介して起伏的な回動自在に枢着された足受け台(S)と、同じく車体フレーム(F)の後部へ水平な支点ピン(50)を介して起伏的な回動自在に枢着された手押しハンドル枠(H)と、その手押しハンドル枠(H)へ遮蔽状態に設置されたX線の透過可能なバックレスト(52)とを有するX線撮影用車椅子において、
【0123】
上記手押しハンドル枠(H)の背後へ上下一対の平行なスライドガイドレール(64)(65)を昇降調整自在に装備させて、そのスライドガイドレール(64)(65)の向かい合う上下相互間へX線撮影用フィルムカセット(M)のホルダー(C1)を、横方向から進退自在に差し込み装填する一方、
【0124】
上記足受け台(S)の中途部と手押しハンドル枠(H)の下端部とを、前後方向へ移動し得る左右一対のサイド進退アーム(117)によって枢支連結すると共に、
【0125】
上記車体フレーム(F)の中途部に固定横架された連結ビーム(2a)と、両サイド進退アーム(117)の中途部に固定横架された連結ビーム(120)との前後相互間を、突っ張りシリンダー(122)により枢支連結して、
【0126】
上記手押しハンドル枠(H)の水平なトップハンドルバー(48)へ取り付けた遠隔操作レバー(123)の回動操作により、上記突っ張りシリンダー(122)内の突っ張り圧力を解放して、上記手押しハンドル枠(H)をその車体フレーム(F)に対する支点ピン(50)の廻りにほぼ垂直な起立状態から、車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドになるほぼ水平の伏倒状態へ、又はその逆に約90度の一定角度(β)だけ起伏変換させることができ、
【0127】
上記遠隔操作レバー(123)の回動操作手を離せば、その手押しハンドル枠(H)の起立状態と伏倒状態とが上記突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力によって、自づと固定維持されるように定めてあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を完全に解決できる効果がある。
【0128】
即ち、本発明の上記構成によれば、手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)とが前後方向へ移動し得る左右一対のサイド進退アーム(117)を介して枢支連結されているほか、車体フレーム(F)の中途部に固定横架した連結ビーム(2a)と、両サイド進退アーム(117)の中途部に固定横架した連結ビーム(120)との前後相互間が、突っ張りシリンダー(122)を介して枢支連結されているため、手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)を握り持った片手により、上記突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力解放用遠隔操作レバー(123)を回動操作して、その手押しハンドル枠(H)を車体フレーム(F)に対する支点ピン(50)の廻りにほぼ垂直な起立状態から、車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドになるほぼ水平の伏倒状態へ、又はその逆に約90度の一定角度(β)だけ起伏変換させることができ、使用上の利便性と迅速性に著しく優れる。
【0129】
しかも、その遠隔操作レバー(123)の回動操作手を離せば、上記手押しハンドル枠(H)の起立状態と伏倒状態とが突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力により、自づと施錠状態に固定維持されるため、本発明の車椅子をX線撮影用としては勿論、救急患者の安全なストレッチャー(担送車)としても使用できるのである。
【0130】
又、上記手押しハンドル枠(H)の背後には上下一対の平行なスライドガイドレール(64)(65)が、昇降調整自在に装備されており、その両スライドガイドレール(64)(65)の向かい合う相互間へX線撮影用フィルムカセット(M)の第1カセットホルダー(C1)が、横方向から進退自在に差し込み装填されているため、車体フレーム(F)のシート(29)に坐った患者の首部や胸部、腹部、腰部などの目的部位を、すばやく正確にX線撮影することができ、このことは手押しハンドル枠(H)を車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドとして、そのベッドに仰臥した患者の上記目的部位をX線撮影する場合でも、同様に言えることである。
【0131】
又、請求項2の構成を採用するならば、手押しハンドル枠(H)を形作るトップハンドルバー(48)の補助自在車輪用センター支持フォーク(71)へ、水平な支点ピン(75)により枢着された補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)が、上記手押しハンドル枠(H)を起立状態と伏倒状態に変換する遠隔操作レバー(123)と連帯して、その手押しハンドル枠(H)と同じ約90度の一定角度(α)だけ回動することにより、手押しハンドル枠(H)の起立時にはそのトップハンドルバー(48)から前後方向へ振れ動かない固定状態に吊り下がる一方、同じく手押しハンドル枠(H)の伏倒時にはやはり前後方向へ振れ動かない垂立状態として接地するため、特に上記ベッドとしての使用状態を安定・確固に支持することができ、救急患者の安全なストレッチャー(担送車)としても有効に使用し得る効果がある。
【0132】
請求項3の構成を採用するならば、上記第1カセットホルダー(C1)のスライドガイドレール(64)(65)がハンガーバネ(69)によって、常時吊り上げ方向へ弾圧付勢されているため、患者のX線撮影する目的部位へフィルムカセット(M)を軽快に便利良く位置決めすることができ、又上記ベッドとしての使用中には、そのハンガーバネ(69)をバネ受けバー(60)から一旦取りはずすことにより、上記第1カセットホルダー(C1)を前後方向へ抵抗なく進退させて、やはり患者の目的部位を正しくX線撮影することも可能である。
【0133】
請求項4の構成を採用するならば、X線撮影用フィルムカセット(M)の別な第2、3カセットホルダー(C2)(C3)やアームレスト(37)、点滴用灌注器の吊り掛け支柱(41)を予備品として、車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)や脚受け入れ口筒(40)、手押しハンドル枠(H)側の脚受け入れ口金(70)、足受け台(S)側の脚受け入れ口金(115)へ、互換的に差し込み使用することにより、患者の目的部位を広くX線撮影することができ、その対応性に優れる。
【0134】
更に、請求項5の構成を採用するならば、その後輪(5)のブレーキ機構(B)や後方転倒防止用のスタビライザー(7)により、手押し走行上の安全性をますます昂めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線撮影用車椅子の全体を、その手押しハンドル枠の起立状態として示す側面図である。
【図2】図1に対応する手押しハンドル枠の伏倒状態を示す側面図である。
【図3】図1の拡大平面図である。
【図4】図1の拡大底面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】ブレーキ機構を抽出して示す平面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】図1の8−8線に沿う拡大断面図である。
【図9】シート回転面板を抽出して示す拡大平面図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】図1の手押しハンドル枠を抽出して示す拡大側面図である。
【図12】図11の正面図である。
【図13】図11の背面図である。
【図14】図11の平面図である。
【図15】図11の15−15線断面図である。
【図16】図13の16−16線に沿う拡大断面図である。
【図17】手押しハンドル枠を伏倒させた図16に対応する側断面図である。
【図18】X線撮影用フィルムカセットの第1カセットホルダーを抽出して示す正面図である。
【図19】図18の背面図である。
【図20】図18の20−20線に沿う拡大断面図である。
【図21】図18の21−21線に沿う拡大断面図である。
【図22】足受け台を抽出して示す拡大平面図である。
【図23】図22の23−23線に沿う拡大断面図である。
【図24】起伏状態の施錠機構を抽出して示す平面図である。
【図25】施錠機構における突っ張りシリンダーの突っ張り状態を示す作用説明図である。
【図26】同じく施錠機構における突っ張りシリンダーの圧力解放状態を示す図25に対応する作用説明図である。
【図27】X線撮影用フィルムカセットの第2カセットホルダーを示す正面図である。
【図28】図27の28−28線断面図である。
【図29】X線撮影用フィルムカセットの第3カセットホルダーを示す正面図である。
【図30】図29の30−30線断面図である。
【図31】X線撮影用フィルムカセットの第4カセットホルダーを示す正面図である。
【図32】図31の32−32線断面図である。
【図33】手押しハンドル枠が起立した車椅子の全体を示す作用説明図である。
【図34】手押しハンドル枠が伏倒した車椅子の全体を示す図33に対応する作用説明図である。
【符号の説明】
(1)・サイド囲い枠
(2a)(2b)・前側連結ビーム
(3a)(3b)・後側連結ビーム
(4)・前輪
(5)・後輪
(7)・スタビライザー
(8)・ブレーキシュー支軸
(9)・ブレーキシュー
(10)・ハンガーステー
(14)・揺動アーム
(16)・ブレーキペダル
(17)・支持リンク
(20)・リターンバネ
(25)・シート受け架台
(26)・シート回転面板
(27)・回転支軸
(29)・シート
(31)・昇降操作ロッド
(33)・ロッド受け入れ孔
(36)(70)(115)・脚受け入れ口金
(37)・アームレスト
(40)・脚受け入れ口筒
(42)・押圧ボルト
(43)・サイド軸受ステー
(44)・センター軸受ステー
(45)・サイド軸受ステー
(46)・ハンドルグリップ
(47)・サイド支柱
(48)・トップハンドルバー
(49)・サイド取付ステー
(50)・支点ピン
(51)・下限限度規制バー
(52)・バックレスト
(56)(57)・ガイドロッド受け座
(58)・昇降ガイドロッド
(59)・昇降スリーブ
(60)・バネ受けバー
(61)・押圧ボルト
(62)(63)・レール支持片
(64)(65)・スライドガイドレール
(66)・差し込み限度規制ストッパー
(67)・抜け止めボルト
(68)・バネ受け座
(69)・ハンガーバネ
(71)・センター支持フォーク
(72)・支持脚柱
(73)・補助自在車輪
(74)・回動ボス
(75)・支点ピン
(76)・バネ受けケース
(77)(78)・ロックピン受け入れ孔
(79)・フィルムカセット受け面板
(80)(81)・スライドフック
(82)・把手
(83)・抜け止めストッパー
(85)・係止ピン
(86)・下面受け持ち金具
(87)・スライドガイド長孔
(88)・スライドピース
(89)・サイド挟持金具
(90)・ネジ軸
(91)・ビス
(92)・スライドロックレバー
(94)・回動リンクアーム
(95)・支点ピン
(97)・前下がり傾斜サイドアーム
(98)・ステップ
(99)・連結ピース
(100)・サイド支持ステー
(101)・サイド取付ステー
(102)(103)支点ピン
(105)・支持脚柱
(106)・補助自在車輪
(107)・連結ビーム
(108)・センター支持ステー
(109)・前下がり傾斜センターアーム
(110)(111)・支点ピン
(112)・サイド連結フック
(113)・支点ピン
(114)・レッグレスト
(116)・サイド連結ステー
(117)・サイド進退アーム
(118)(119)・・支点ピン
(120)・連結ビーム
(121)・センター軸受ステー
(122)・突っ張りシリンダー
(123)・遠隔操作レバー
(125)・支点ピン
(126)・ピストンロッド
(128)・支点ピン
(129)・圧力解放ピン
(130)・押圧アーム
(131)・支点ピン
(132)・レバー保持ブラケット
(133)・支点ピン
(134)・レリーズワイヤー
(138)・ロックピン
(139)・進出限度規制ストッパー
(140)・リターンバネ
(141)・脚板
(142)・フィルムカセット受け面板
(143)・スライドガイド凹溝
(144)・上面押え金具
(146)・係止ピン
(147)・下面受け持ち金具
(148)・脚柱
(149)・ハンガーフック
(B)・ブレーキ機構
(C1)(C2)(C3)(C4)・第1〜4フィルムカセットホルダー
(F)・車体フレーム
(H)・手押しハンドル枠
(M)・X線撮影用フィルムカセット
(P)・施錠機構
(S)・足受け台
(α)(β)(γ)・回動角度
【発明の属する技術分野】
本発明は歩行困難な骨折患者や老人、病弱者、その他の各種要介護者(以下、単に患者と総称する。)をX線撮影するために有用な車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のX線撮影用車椅子(搬送撮影車)として、既に特開2001−70299号が提案されている。
【0003】
この公知発明の基本的な構成では、カセット(9)のホルダー(8)がX線を透過し得る背板(3)の背後部へ、昇降調整自在に支持されており、車椅子(5)の腰台(2)へ坐った姿勢状態にある患者の頭部や首部、胸部をX線撮影できるほか、上記背板(3)と足受け(11)(11)を水平に伏倒させて、その仰臥状態にある患者の上記部位をX線撮影することもできるようになっている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知発明の場合背板(3)やカセットホルダー(8)を支持した平行杆(6)(6)の下端部は、可搬機枠(1)へ起伏自在に枢支されている。他方、踏台(4)(4)や足受け(11)(11)を支持した斜杆(15)(15)は、上記可搬機枠(1)へシリンダー(16)を介して起伏自在に枢支されている。
【0005】
つまり、上記平行杆(6)(6)と斜杆(15)(15)とが可搬機枠(1)に対して、別個独立に枢支されている構造であり、そのためその双方を各別に起伏操作しなければ、図1、5の仮想線に示された全体の水平な伏倒状態を得ることができず、未だ非常に煩らわしく、使用上の利便性と迅速性に劣る。
【0006】
又、カセットホルダー(8)は可搬機枠(1)に設けられた左右一対の昇降摺動案内杆(10)(10)と、背板(3)と相互間を昇降し、その昇降調整状態を左右一対の止めネジ(8’’) (8’’) によって位置決め固定するようになっていると共に、このようなカセットホルダー(8)の枠内へカセット(9)を、ヘッドレスト(3’)側から落し込むようになっているため、そのカセット(9)の出し入れ交換や昇降調整状態の位置決め固定をすばやく軽快に行なうことができない。
【0007】
更に、背板(3)と足受け(11)(11)を腰台(2)との連続的な水平状態に伏倒させ得るとしても、又主輪(12)(12)に補助脚(23)が付属しているとしても、その背板(3)と足受け(11)(11)にはこれを下方から安定良く支持する脚柱や車輪が設置されていないため、不慮に傾き転倒するおそれがあり、患者の安全なストレッチャー(担送車)として使用することもできない。
【0008】
それにもまして、腰台(2)とこれから起立する門形枠(14)(14)は、可搬機枠(1)へ常備の状態に固定一体化されているため、その腰台(2)へ坐った状態にある患者の脇腹部を、左右横方向からX線撮影することは到底不可能である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのための構成上手押し走行可能な車体フレームの上面に設置されたシートと、その車体フレームの前部へ水平な支点ピンを介して起伏的な回動自在に枢着された足受け台と、同じく車体フレームの後部へ水平な支点ピンを介して起伏的な回動自在に枢着された手押しハンドル枠と、その手押しハンドル枠へ遮蔽状態に設置されたX線の透過可能なバックレストとを有するX線撮影用車椅子において、
【0010】
上記手押しハンドル枠の背後へ上下一対の平行なスライドガイドレールを昇降調整自在に装備させて、そのスライドガイドレールの向かい合う上下相互間へX線撮影用フィルムカセットのホルダーを、横方向から進退自在に差し込み装填する一方、
【0011】
上記足受け台の中途部と手押しハンドル枠の下端部とを、前後方向へ移動し得る左右一対のサイド進退アームによって枢支連結すると共に、
【0012】
上記車体フレームの中途部に固定横架された連結ビームと、両サイド進退アームの中途部に固定横架された連結ビームとの前後相互間を、突っ張りシリンダーにより枢支連結して、
【0013】
上記手押しハンドル枠の水平なトップハンドルバーへ取り付けた遠隔操作レバーの回動操作により、上記突っ張りシリンダー内の突っ張り圧力を解放して、上記手押しハンドル枠をその車体フレームに対する支点ピンの廻りにほぼ垂直な起立状態から、車体フレーム並びに足受け台との全体的なベッドになるほぼ水平の伏倒状態へ、又はその逆に約90度の一定角度だけ起伏変換させることができ、
【0014】
上記遠隔操作レバーの回動操作手を離せば、その手押しハンドル枠の起立状態と伏倒状態とが上記突っ張りシリンダーの突っ張り圧力によって、自づと固定維持されるように定めたことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、その本発明に係るX線撮影用車椅子の概略全体を示した図1〜5において、先ず(F)は剛性な金属管材の車体フレームであり、左右一対の対称なサイド囲い枠(1)とその左右相互間を横架する水平な上下一対づつの前側連結ビーム(2a)(2b)並びに後側連結ビーム(3a)(3b)とから組立一体化されている。
【0016】
(4)は上記車体フレーム(F)の両サイド囲い枠(1)を形作る垂直な前枠部の下端位置へ、その垂直軸線廻りの操向自由に軸支された左右一対の前輪であり、ブレーキ付きの自在車輪から成る。(5)は同じく垂直な後枠部の中途高さ位置へ、水平軸線廻りの遊転自在に軸支された左右一対の後輪であり、上記前輪(4)よりもかなり径大なゴムタイヤを備えている。
【0017】
両サイド囲い枠(1)を形作る下枠部は、その中途位置から上記後輪(5)の車軸(6)よりも下方へ斜めに屈曲形成され、且つ垂直な後枠部から更に後方へ一定長さ(L1)だけほぼ水平に張り出し延長されており、その延長後端部が車椅子の後方転倒防止用スタビライザー(7)として、一早く接地し得る斜め下向きに折り曲げられている。
【0018】
又、上記車体フレーム(F)の両サイド囲い枠(1)には、左右一対の後輪(5)を一挙同時に制動できるブレーキ機構(B)も装備されている。(8)はそのためのブレーキシュー支軸であって、図5〜7のような両後輪(5)の直前を横架する水平な金属棒材から成り、その両端ネジ軸部に被着一体化された左右一対のブレーキシュー(9)が、両後輪(5)のゴムタイヤへ圧接するようになっている。
【0019】
(10)は両サイド囲い枠(1)における下枠部の屈曲中途位置へ水平な支点ピン(11)を介して、内側から枢着された左右一対の回動可能なハンガーステーであり、そのハンガーステー(10)が両サイド囲い枠(1)の下枠部から斜め前下方へ張り出す先端部には、上記ブレーキシュー支軸(8)の受け入れ調整長孔(12)が開口形成されていて、その内部をブレーキシュー支軸(8)が貫通横架している。
【0020】
上記ブレーキシュー(9)が万一摩耗した場合、そのブレーキシュー支軸(8)をハンガーステー(10)側の調整長孔(12)に沿って、後輪(5)へ接近させる如く移動調整できるようになっているのである。(13)はその調整状態を固定するためのダブルナットであって、上記ブレーキシュー支軸(8)の両端ネジ軸部へハンガーステー(10)の挟持状態に締結されている。
【0021】
(14)は両ハンガーステー(10)から上記後輪(5)の車軸(6)よりも後方まで、一定長さ(L2)だけ張り出し延在する左右一対の揺動アームであり、その前端部が上記ハンガーステー(10)の中途部へ、各々水平な支点ピン(15)によって内側から枢着されている一方、同じく両揺動アーム(14)の中途部から折り曲げ狭幅化された後端部には、金属管材や金属板材などから成るブレーキペダル(16)が水平に固定横架されている。
【0022】
(17)は上記ハンガーステー(10)の後方に位置しつつ、やはり両サイド囲い枠(1)における下枠部の屈曲中途位置へ水平な支点ピン(18)を介して、同じく内側から枢着された左右一対の回動可能な支持リンクであり、その両サイド囲い枠(1)の下枠部から斜め後上方へ張り出す先端部が、各々水平な支点ピン(19)によって上記揺動アーム(14)の中途部へ枢着されている。
【0023】
(20)は両サイド囲い枠(1)の下枠部と、上記ハンガーステー(10)の張り出し先端部付近との上下相互間へ連繋張架された左右一対のリターンバネ(引張りコイルバネ)であり、上記ブレーキシュー(9)を後輪(5)から常時離れる前上方へ引張り付勢して、その後輪(5)を車椅子の手押し走行可能な遊転状態に保っている。
【0024】
(21)はそのブレーキシュー(9)の上昇限度規制ボルトであって、両サイド囲い枠(1)における下枠部からの張出し片(22)に開口する調整長孔(23)を貫通しており、固定ナット(24)によって位置決めされている。
【0025】
つまり、後輪(5)のブレーキ機構(B)は上記両サイド囲い枠(1)の下枠部、ブレーキシュー支軸(8)のハンガーステー(10)、揺動アーム(14)並びに支持リンク(17)とから成る全体的な挺子クランク機構又は揺動リンク機構として組み立てられており、上記リターンバネ(20)の引張り付勢力に抗しつつ、ブレーキペダル(16)を踏み下げた操作時には、そのブレーキシュー(9)が図7のように斜め後下方へ引き寄せられて、両後輪(5)へ一挙同時に圧接し、確固な制動状態を得られるようになっている。尚、その状態では両揺動アーム(14)の中途部が両サイド囲い枠(1)の下後側連結ビーム(3b)を下降限度規制ストッパーとして、これにより受け止められる。
【0026】
更に、(25)は上記車体フレーム(F)の両サイド囲い枠(1)を形作る上枠部の左右相互間へ、その空間の遮蔽状態に固定横架された水平なシート受け架台であり、図9、10のような平面視の四角形な金属板材から成る。
【0027】
(26)は金属管材によってほぼ半円形に縁取り補強された平面形状の金属板材から成るシート回転面板であり、その中心部から一体的に垂下する回転支軸(27)を介して、上記車体フレーム(F)側のシート受け架台(25)へ回転自在に組み付け枢着されている。(28)はその回転支軸(27)の軸受ケースであり、上記シート受け架台(25)に嵌め付け固定されている。
【0028】
そして、このようなシート回転面板(26)の上面に患者のシート(29)が図外のネジ締結具やその他の固定手段によって積層一体化されている。そのシート(29)はX線を透過し得る芯材と、これに被着された合成皮革張りのクッションカバー材とから成るが、その詳細は図示省略してある。
【0029】
(30)は上記回転支軸(27)の軸受ケース(28)と並列する状態として、やはりシート受け架台(25)に嵌め付け固定された昇降操作ロッド用軸受ブッシュ、(31)はその内部を貫通する昇降操作ロッドであって、上記シート回転面板(26)の回転支軸(27)と平行に垂立しており、その下端部が握り玉(32)として膨出形成されている。
【0030】
同じく昇降操作ロッド(31)の上端部は、上記シート回転面板(26)の偏心部に対応開口する複数のロッド受け入れ孔(33)へ、下方から抜き差し自在に差し込み係止されるようになっている。そのシート回転面板(26)のロッド受け入れ孔(33)は図9に示す如く、上記回転支軸(27)からの一定な半径(R)を保つ回転軌跡上に点在分布しており、その複数への択一的に上記昇降操作ロッド(31)が差し替えられることは言うまでもない。
【0031】
(34)は上記昇降操作ロッド(31)の上端部付近に嵌め付け一体化された座金などから成る上昇限度規制ストッパー、(35)はその昇降操作ロッド(31)を上記シート回転面板(26)のロッド受け入れ孔(33)に向かって、常時差し込み係止させるべく押し上げ付勢するためのリターンバネ(圧縮コイルバネ)であり、上記昇降操作ロッド(31)の上昇限度規制ストッパー(34)とその軸受ブッシュ(30)との上下相互間に介挿設置されている。
【0032】
つまり、昇降操作ロッド(31)をそのリターンバネ(35)の押し上げ付勢力に抗して人為的に引き下げれば、その昇降操作ロッド(31)の上端部が上記シート回転面板(26)のロッド受け入れ孔(33)から抜け出すため、そのシート(29)を図9の鎖線で示す如く、上記回転支軸(27)を中心として適当な角度づつ回転させることにより、患者をシート(29)に坐った姿勢状態のままで、前向きから横向きに変換することができ、その横方向から胸部や腰椎、肋骨などのX線撮影を便利良く行なえるようになっている。又、その患者を横方向からシート(29)へ容易に坐らせた上、前向きに変換させることも可能である。
【0033】
上記昇降操作ロッド(31)の引き下げ力を解除すれば、その昇降操作ロッド(31)が図10のように自づと上昇復帰して、上記シート回転面板(26)のロッド受け入れ孔(33)へ差し込み係止されることになる結果、そのシート(29)の回転不能に固定維持されることは言うまでもない。
【0034】
その場合、上記シート(29)の地上高さを通例約60cmとして、病院において使用されているベッドのそれとほぼ等しく設定するならば、ストレッチャー(担送車)として使用した本発明の車椅子から病院のベッドへ、又はその逆に患者をすばやく安楽に移載できる利点がある。尚、上記シート(29)とその回転面板(26)は図示のようなほぼ半円形に限らず、円形や四角形、その他の平面輪郭形状であっても良い。
【0035】
(36)は両サイド囲い枠(1)を形作る上枠部の中間位置へ、一定間隔(D)を保つ前後一対づつとして横外方から付属固定された脚受け入れ口金であり、ここには左右一対のアームレスト(37)から対応的に垂下する前後一対づつの脚板(38)が、上方から抜き差し自在に差し込み使用される。
【0036】
茲に、患者のアームレスト(37)は上記シート(29)との同質材から成り、図1、3の鎖線で示唆する如く、その左右相互間へ別個なテーブル(39)を横架させて、そのテーブル(39)上に載せた患者の肘関節や手首などをX線撮影することも可能である。
【0037】
又、後述の第2カセットホルダー(C2)を上記アームレスト(37)と互換的に使用して、その第2カセットホルダー(C2)から対応的に垂下する前後一対の脚板を、各サイド囲い枠(1)側の脚受け入れ口金(36)へ図2の鎖線で示す如く、やはり上方から抜き差し自在に差し込むこともできるようになっている。
【0038】
(40)は同じく両サイド囲い枠(1)を形作る上枠部の後端位置付近へ、やはり横外方から垂立状態に付属固定された左右一対の脚受け入れ口筒であるが、その下端部の閉塞した断面U字型をなし、ここには後述の別な第3カセットホルダー(C3)から対応的に垂下する1本の脚柱が、上方から抜き差し自在に差し込み使用されるほか、図1に示唆するような点滴用灌注器の吊り掛け支柱(41)も、その第3カセットホルダー(C3)との互換的に差し込むことができるようになっている。
【0039】
(42)は両サイド囲い枠(1)に付属する上記脚受け入れ口金(36)と脚受け入れ口筒(40)との各個へ、横外方から進退自在に螺入締結された悉く同じ押圧ボルトであり、その脚受け入れ口金(36)に対する上記アームレスト(37)や第2カセットホルダー(C2)の差し込み設置高さを調整固定する一方、上記脚受け入れ口筒(40)に対する第3カセットホルダー(C3)や灌注器用吊り掛け支柱(41)の差し込み方向角度を調整固定する。
【0040】
更に、(43)は両サイド囲い枠(1)の左右相互間に横架する水平な上前側連結ビーム(2a)の両端部から、図3、5のような斜め前上向き一体的に張り出された左右一対の足受け台用サイド軸受ステー、(44)は同じく上前側連結ビーム(2a)の中間部から斜め前下向き一体的に張り出された足受け台用センター軸受ステーであるが、図5のような側面視のほぼL字型に打ち抜かれた金属板材から成り、後述する施錠機構(P)の突っ張りシリンダー用センター軸受ステーとしても兼用機能するようになっている。(45)は両サイド囲い枠(1)を形作る上枠部の後端位置から、上向き一体的に垂立された左右一対の手押しハンドル枠用サイド軸受ステーを示している。
【0041】
次に、(H)は剛性な金属管材の手押しハンドル枠であって、図11〜17のような上端部がハンドルグリップ(46)として後向きに折り返し屈曲された側面視の倒立J字型をなす左右一対のサイド支柱(47)と、そのハンドルグリップ(46)同志の左右相互間に固定横架された水平なトップハンドルバー(48)とから、正面視の門字型に組立一体化されており、上記ハンドルグリップ(46)やトップハンドルバー(48)を握り持って手押し操作できるようになっている。
【0042】
(49)は手押しハンドル枠(H)を形作る両サイド支柱(47)の下端部から、斜め後下向き一体的に張り出された左右一対のサイド取付ステーであり、その両サイド取付ステー(49)の中途部が上記車体フレーム(F)における両サイド囲い枠(1)の上枠部から対応的に垂立する手押しハンドル枠用サイド軸受ステー(45)の後端部へ、図1〜3や図5のように各々水平な太い支点ピン(50)の左右一対を介して、起伏的な回動自在に枢着されている。
【0043】
(51)はその支点ピン(50)の直後に並列し、しかも上記シート(29)から一定高さ(Y)分だけ低い位置関係として、両サイド取付ステー(49)の左右相互間へ水平に固定横架された後述の第1カセットホルダー用下降限度規制バーであり、上記トップハンドルバー(48)と相俟って両サイド支柱(47)を連結強化している。
【0044】
又、(52)は上記手押しハンドル枠(H)内の空間を遮蔽する大きさ・形状のバックレストであって、X線を透過し得るアクリル合成樹脂などの板材から成り、その手押しハンドル枠(H)の両サイド支柱(47)へ前方から複数の固定ビス(53)によって着脱自在に取り付け一体化されている。
【0045】
そのバックレスト(52)の上面は凸曲面として、上記ハンドルグリップ(46)よりも更に背高く張り出しており、ここには図16の鎖線で示す如く、上記シート(29)と同様な合成皮革などから成るクッションカバー(54)が、着脱自在に吊り掛け被着されることとなる。(55)はその使用中のクッションカバー(54)を固定維持するため、両サイド支柱(47)の中途高さ位置と下端部に巻き付け一体化された面ファスナーである。
【0046】
(56)は上記トップハンドルバー(48)の両端部付近から前向き一体的に張り出す左右一対の水平なガイドロッド受け座、(57)は上記第1カセットホルダー用下降限度規制バー(51)の直後に位置しつつ、両サイド取付ステー(49)の中途部から対応的な内向き一体的に張り出す左右一対の水平なガイドロッド受け座であり、このような上側のガイドロッド受け座(56)と下側のガイドロッド受け座(57)とが向かい合う相互間には、各々昇降ガイドロッド(58)の左右一対が平行な垂立状態として取り付け固定されている。
【0047】
(59)は両昇降ガイドロッド(58)へ各々昇降自在に套嵌された昇降スリーブの左右一対であるが、その中途高さ位置が図13〜16のように水平なバネ受けバー(60)を介して連結一体化されているため、両昇降ガイドロッド(58)に沿って一緒に昇降作用し得る。しかも、その両昇降スリーブ(59)の上端部には昇降調整状態を位置決め固定するための押圧ボルト(61)が、進退自在に螺入締結されている。
【0048】
(62)(63)は同じく昇降スリーブ(59)の両端部から前向き一体的に張り出す上下一対のレール支持片、(64)(65)はその上側レール支持片(62)同志の左右相互間と下側レール支持片(63)同志の左右相互間へ、各々横架状態に固定支持された上下一対の平行な第1カセットホルダー用スライドガイドレールであって、図16、17のような互いに向かい合い開口するチャンネル溝型の鋼材やアルミ押出材から成り、後述の第1カセットホルダー(C1)を受け入れるが、その両スライドガイドレール(64)(65)の片側面は、第1カセットホルダー(C1)の差し込み限度規制ストッパー(66)として各々折り曲げ閉塞されている。
【0049】
(67)はその受け入れた第1カセットホルダー(C1)の抜け止めボルトであって、両スライドガイドレール(64)(65)へ各々後方から進退自在に螺入締結されており、第1カセットホルダー(C1)側の後述する抜け止めストッパーを受け止めることになる。
【0050】
又、(68)は上記トップハンドルバー(48)の中間部から、やはり前向き一体的に張り出す水平なバネ受け座であって、これと上記バネ受けバー(60)の対応的な中間部との上下相互間には、ハンガーバネ(引張りコイルバネ)(69)が係脱自在に連繋張架されており、これによって上記昇降スリーブ(59)とスライドガイドレール(64)(65)を、常時吊り上げる方向へ弾圧付勢している。
【0051】
(70)は両サイド支柱(47)の中途高さ位置と下端部へ、その横外方から付属固定された複数(図例では4個)づつの脚受け入れ口金であり、ここにも第2カセットホルダー(C2)の後述する脚板を、前方から抜き差し自在に差し込み使用できるようになっている。その脚受け入れ口金(70)に螺入締結された押圧ボルト(42)は、上記車体フレーム(F)側に付属している脚受け入れ口金(36)のそれと同じであるため、共通の符号を図示するにとどめる。
【0052】
このような手押しハンドル枠(H)に付属する脚受け入れ口金(70)も、上記車体フレーム(F)側に付属している脚受け入れ口金(36)と同じ一定間隔(D)を保つ分布状態にあるが、これより狭い一定間隔(d)を保つ1個づつの脚受け入れ口金(70)も両サイド支柱(47)の上端部に増設されており、これらを取捨選択して、上記第2カセットホルダー(C2)の脚板を差し替え使用することにより、身長が高い患者の頸椎や頭蓋、顎までも横方向から支障なくX線撮影できるようになっている。
【0053】
更に、(71)は上記トップハンドルバー(48)の中間部から逆な後向き一体的に張り出す補助自在車輪用センター支持フォーク、(72)は補助自在車輪(73)の支持脚柱であり、その上端部の回動ボス(74)が上記センター支持フォーク(71)へ、水平な支点ピン(75)を介して起伏的な回動自在に枢着されているほか、その補助自在車輪用支持脚柱(72)の回動ボス(74)と隣接するバネ受けケース(76)も、上記センター支持フォーク(71)へ並列状態に取り付け固定されている。
【0054】
その場合、補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)はその支点ピン(75)を中心として、図16、17から明白なように、約90度の一定角度(α)だけ回動し得るように規定されている。
【0055】
つまり、その支持脚柱(72)の回動ボス(74)がバネ受けケース(76)と隣接する片側面には、図16のようなほぼ垂直の起立状態に保たれた手押しハンドル枠(H)から、吊り下がることとなる補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と、図17のようなほぼ水平の伏倒状態に保たれた手押しハンドル枠(H)を、安定良く支持する補助自在車輪接地用ロックピン受け入れ孔(78)との一対が、約90度の一定角度(α)だけ交叉する関係状態に開口分布されているのである。
【0056】
そして、このような補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)は、手押しハンドル枠(H)のほぼ垂直な起立状態とほぼ水平な伏倒状態とを固定維持するための施錠機構(P)と連動し、その施錠機構(P)の遠隔操作レバーにより進退作動されるロックピンが、上記補助自在車輪(73)の折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ、択一的に差し込み係止されるようになっている。その詳細は施錠機構(P)と併せて後述する。
【0057】
先に一言した第1カセットホルダー(C1)は、胸部や腹部などのX線撮影用フィルムカセット(M)を保持するものであり、上記手押しハンドル枠(H)の背後に付属一体化されている平行なスライドガイドレール(64)(65)の向かい合う上下相互間へ、その横外方から進退自在に差し込み装填使用できる大きさ・形状のカートリッジとして、次のように作成準備されている。
【0058】
即ち、その第1カセットホルダー(C1)を抽出して示した図18〜21において、(79)は金属板材から上記バックレスト(52)よりも小さな正方形又は長方形に造形されたフィルムカセット受け面板であり、その上辺が上側スライドガイドレール(64)内に嵌まり合うスライドフック(80)として、後向きに折り曲げられている一方、同じくカセット受け面板(79)の上辺と平行な下辺は、下側スライドガイドレール(65)内へ嵌まり合うスライドフック(81)として、逆な前向きに折り曲げられている。
【0059】
(82)は上記カセット受け面板(79)における垂直な片側辺の中途高さ位置から、横外方へ一体的に張り出された把手であり、これを握り持って図13に示す如く、上記スライドガイドレール(64)(65)に沿う第1カセットホルダー(C1)の進退操作を行なえるようになっている。
【0060】
(83)は上記スライドガイドレール(64)(65)へ差し込み装填された第1カセットホルダー(C1)の抜け止めストッパーであり、その上下一対がスライドガイドレール(64)(65)から前向く上記抜け止めボルト(67)と対応する位置関係として、上記カセット受け面板(79)から後向き一体的に突設されている。
【0061】
上記スライドガイドレール(64)(65)へ第1カセットホルダー(C1)を差し込み装填する時には、そのスライドガイドレール(64)(65)側の抜け止めボルト(67)をカセット受け面板(79)側の抜け止めストッパー(83)から一旦後方へ螺退させておき、その差し込み装填した後に、同じく抜け止めボルト(67)を前方へ螺進させて、上記抜け止めストッパー(83)へ係止することにより、第1カセットホルダー(C1)をそのスライドガイドレール(64)(65)からの抜け止め状態に保つことができるようになっているのである。上記抜け止めボルト(67)を後方へ螺退させれば、そのスライドガイドレール(64)(65)から第1カセットホルダー(C1)を抜き出すことも可能である。
【0062】
(84)は上記カセット受け面板(79)における約下半部の中間位置へ、左右一対づつの上下数段として開口分布された複数(図例では合計4個)のピン受け入れキー孔であり、これらへ抜き差し自在に差し替えられる係止ピン(85)の左右一対によって、X線撮影用フィルムカセット(M)の下面受け持ち金具(86)が上記カセット受け面板(79)の前面に設置されることとなる。
【0063】
又、(87)は同じくカセット受け面板(79)の中途高さ位置に開口列設された左右一対の水平なスライドガイド長孔であり、その内部には各々スライドピース(88)が嵌め込まれている。(89)は上記フィルムカセット(M)を挟む左右一対のサイド挟持金具であって、その上記把手(82)と対応位置する一方のサイド挟持金具(89)は、同じ一方のスライドピース(88)を貫通するネジ軸(90)によって、上記カセット受け面板(79)の前面に設置されており、残る他方のサイド挟持金具(89)は同じ他方のスライドピース(88)を貫通するビス(91)によって、やはりカセット受け面板(79)の前面に設置されている。
【0064】
そのため、上記フィルムカセット(M)の両サイド挟持金具(89)はスライドピース(88)を介して、水平なスライドガイド長孔(87)に沿い左右方向へスライドするが、カセット受け面板(79)から後向きに突出する上記ネジ軸(90)の先端部には、サイド挟持金具用スライドロックレバー(92)のボス(93)が螺合締結されており、これを締め上げ回動操作することによって、その一方のスライドピース(88)を挟み付け固定することもできるようになっている。
【0065】
しかも、上記フィルムカセット(M)の両サイド挟持金具(89)は一挙同時に接近方向又は離反方向へスライドし得るようになっている。(94)はそのための回動リンクアームであって、屈折可能なほぼZ字型をなし、その中心部が上記カセット受け面板(79)の後面へ支点ピン(95)を介して枢着されていると共に、同じく回動リンクアーム(94)の両端部は上記スライドピース(88)の左右一対へ、各々枢支ピン(96)によって連結されている。
【0066】
そのため、上記スライドロックレバー(92)をネジ軸(90)からの弛緩方向へ回動操作し、スライドピース(88)の挟み付け固定力を解除した状態のもとで、両サイド挟持金具(89)の何れか一方を押し込み又は引き出し操作すれば、残る他方も一挙同時にスライドして、互いに接近又は離反することとなる。
【0067】
その結果、上記カセット受け面板(79)のピン受け入れキー孔(84)に対する係止ピン(85)の差し替えにより、設置高さの調整可能な下面受け持ち金具(86)とも相俟って、上記フィルムカセット(M)をそのカセット受け面板(79)の中央部へ、自づと正確に位置決めされた状態として安定良く挟持することができ、そのフィルムカセット(M)の大きさ変化にも便利良く対応し得るのである。
【0068】
更に、図1〜5や図22、23の符号(S)は剛性な金属管材から枠組みされた足受け台を示しており、これは左右一対の前下がり傾斜サイドアーム(97)とその下端部のステップ(98)とを備え、その両傾斜サイドアーム(97)とステップ(98)とが別個な左右一対の連結ピース(99)を介して、起伏的な回動自在に枢支連結されている。
【0069】
即ち、両傾斜サイドアーム(97)の下端部からはサイド支持ステー(100)の左右一対が、各々前向き一体的に張り出されている一方、ステップ(98)の後端部からは対応するサイド取付ステー(101)の左右一対が、後向き一体的に張り出されている。
【0070】
又、上記連結ピース(99)の各個は図23のような側面視のほぼヘ字型に打ち抜かれて並列する2枚の金属板材から成り、水平な前辺面(99f)とこれから斜め後下方へ屈曲する後辺面(99r)とを備えている。
【0071】
そして、図22、23から明白なように、上記ステップ(98)のサイド取付ステー(101)が各連結ピース(99)の前辺面(99f)に挟まれた状態のもとで、その前辺面(99f)へ水平な支点ピン(102)を介して回動自在に枢着されている一方、上記傾斜サイドアーム(97)のサイド支持ステー(100)も同じく各連結ピース(99)の前辺面(99f)に挟まれた状態のもとで、その前辺面(99f)へやはり水平な支点ピン(103)によって回動自在に枢着されているのである。
【0072】
(104)はその支点ピン(102)(103)の前後相互間に介在しつつ、各連結ピース(99)の前辺面(99f)に固定横架された水平なステップ下降限度規制ピンであり、上記ステップ(98)のサイド取付ステー(101)を受け止めることによって、そのステップ(98)を水平な設置状態に固定維持する。
【0073】
但し、図5の鎖線で示唆する如く、上記前側の支点ピン(102)を回動中心として、そのステップ(98)を両傾斜サイドアーム(97)の前面へ重合する折りたたみ状態に倒し上げることも可能であり、車椅子格納上の小型コンパクト化に役立つ。
【0074】
(105)はステップ(98)から一体的に垂下する左右一対の補助自在車輪用支持脚柱であり、その下端部に各々軸支された補助自在車輪(106)が接地するため、上記ステップ(98)を水平の使用状態に安定良く支持することができる。
【0075】
上記連結ピース(99)の後辺面(99r)は図4、5や図22、23のように、その左右相互間を貫通横架する水平な連結ビーム(107)によって固定一体化されており、しかもその連結ビーム(107)の中間部からはセンター支持ステー(108)が、斜め後下向き一体的に張り出されてもいる。
【0076】
そして、その足受け台(S)側のセンター支持ステー(108)は、図4、22から明白なように、上記車体フレーム(F)を形作る上前側連結ビーム(2a)の中間部から一体的に張り出すセンター軸受ステー(44)と向かい合い対応している。
【0077】
(109)は上記足受け台(S)を形作る両前下がり傾斜サイドアーム(97)と平行な前下がり傾斜センターアームであって、その下端部が水平な支点ピン(110)により上記連結ビーム(107)のセンター支持ステー(108)へ、残る上端部がやはり水平な支点ピン(111)を介して上記車体フレーム(F)側のセンター軸受ステー(44)へ、各々起伏的な回動自在に枢着されている。
【0078】
他方、両前下がり傾斜サイドアーム(97)の上端部からはサイド連結フック(112)の左右一対が、各々後向き一体的に張り出し屈曲されており、上記車体フレーム(F)を形作る上前側連結ビーム(2a)の両端部から一体的に張り出す左右一対の足受け台用サイド軸受ステー(43)へ、各々水平な支点ピン(113)によってやはり起伏的な回動自在に枢着されている。
【0079】
(114)は両前下がり傾斜サイドアーム(97)の中途高さ位置へ前方から固定横架された患者のレッグレストであって、上記シート(29)との同質材から成る。(115)は同じく両傾斜サイドアーム(97)へ一定間隔(D)を保つ上下一対づつとして、その横外方から付属一体化された脚受け入れ口金であり、ここにも第2カセットホルダー(C2)の後述する脚板を、前方から抜き差し自在に差し込み使用できるようになっている。その脚受け入れ口金(115)に螺入締結された押圧ボルト(42)も、上記車体フレーム(F)側に付属している脚受け入れ口金(36)のそれと同じであるため、共通の符号を図示するにとどめる。
【0080】
更に、(116)は同じく両傾斜サイドアーム(97)の上端部付近から後向き一体的に張り出された左右一対のサイド連結ステーであって、図8に示す如く、上記手押しハンドル枠(H)を形作る両サイド支柱(47)の下端部から一体的に張り出す左右一対のサイド取付ステー(49)と向かい合い対応している。
【0081】
(117)は一定長さ(L3)を有する左右一対のサイド進退アームであり、その前端部が水平な支点ピン(118)を介して、上記足受け台(S)側のサイド連結ステー(116)へ枢支連結されている一方、残る後端部はやはり水平な支点ピン(119)によって、上記手押しハンドル枠(H)の両サイド支柱(47)から一体的に張り出すサイド取付ステー(49)の先端部へ枢支連結されている。
【0082】
しかも、その両サイド進退アーム(117)における後端部付近の左右相互間には、図5、8から明白なように、水平な連結ビーム(120)が固定横架されているほか、その連結ビーム(120)の中間部からは施錠機構(P)の突っ張りシリンダー用センター軸受ステー(121)が一体的に垂下されてもいる。これが、上記車体フレーム(F)を形作る上前側連結ビーム(2a)の突っ張りシリンダー用センター軸受ステー(44)と対応位置していることは言うまでもない。
【0083】
つまり、図1、5、33は上記手押しハンドル枠(H)のほぼ垂直な起立状態を示しているが、その起立状態から手押しハンドル枠(H)における両サイド支柱(47)のサイド取付ステー(49)と、上記車体フレーム(F)における両サイド囲い枠(1)の手押しハンドル枠用サイド軸受ステー(45)とを枢支連結している水平な支点ピン(50)を回動中心として、手押しハンドル枠(H)を人為的に後方へ引き倒せば、その手押しハンドル枠(H)側のサイド取付ステー(49)と上記足受け台(S)側のサイド連結ステー(116)とを枢支連結しているサイド進退アーム(117)が、図33から図34のように前進移動する。
【0084】
そのため、これにより押圧された足受け台(S)は、その両前下がり傾斜サイドアーム(97)のサイド連結フック(112)と上記車体フレーム(F)における両サイド囲い枠(1)の足受け台用サイド軸受ステー(43)とを枢支連結している水平な支点ピン(113)を回動中心として、図2、34のような前上がりのほぼ水平状態に自づと伏倒し、両前下がり傾斜サイドアーム(97)と相俟って平行リンク機構を形作っている上記足受け台(S)の前下がり傾斜センターアーム(109)も、その両前下がり傾斜サイドアーム(97)の動きに追従する。
【0085】
その結果、上記手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)並びに車体フレーム(F)の全体が言わば救急患者のベッドとなり、しかもその伏倒状態の手押しハンドル枠(H)から下向きに垂立した補助自在車輪(73)が接地するため、本発明のX線撮影用車椅子を救急患者の安全なストレッチャー(担送車)としても使用できるのである。
【0086】
その場合、図34から示唆されるように、車体フレーム(F)のシート(29)と手押しハンドル枠(H)のバックレスト(52)並びに足受け台(S)のレッグレスト(114)は、地上高さの悉くほぼ同一として、その全体的に均一なフラット面を形作るように設定されている。
【0087】
逆に、図2、34のようなほぼ水平状態に伏倒している手押しハンドル枠(H)を、やはり人為的に前方へ起し上げれば、上記サイド進退アーム(117)が後退移動して、足受け台(S)を引き戻すことになるため、その足受け台(S)が図1、33の前下がり傾斜状態に自づと復帰し、車体フレーム(F)のシート(29)に患者を坐らせることができる。上記手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)とが一定長さ(L3)のサイド進退アーム(117)を介して連動し、一挙同時に起伏作用するように構成されているわけである。
【0088】
先に一言した施錠機構(P)は、手押しハンドル枠(H)のほぼ垂直な起立状態とほぼ水平な伏倒状態とを固定維持するものとして、図24〜26に抽出するような気体による突っ張りシリンダー(好ましくはガスシリンダー)(122)と、その突っ張り圧力を解放するための遠隔操作レバー(123)とから成り、しかも手押しハンドル枠(H)の起立状態と伏倒状態に連動して、その手押しハンドル枠(H)に付属の上記補助自在車輪(73)をも振れ動かぬよう、自づと固定維持し得るようになっている。
【0089】
即ち、施錠機構(P)の突っ張りシリンダー(122)は図4、5からも明白なように、車椅子の走行中心線上に沿って延在しており、その後端部の支持フォーク(124)が両サイド進退アーム(117)を固定横架する連結ビーム(120)の突っ張りシリンダー用センター軸受ステー(121)へ、水平な支点ピン(125)を介して枢着されている。
【0090】
(126)は上記突っ張りシリンダー(122)のピストンロッドであり、その前端部の支持フォーク(127)が上記車体フレーム(F)の上前側連結ビーム(2a)から一体的に張り出す突っ張りシリンダー用センター軸受ステー(44)へ、やはり水平な支点ピン(128)によって枢着されている。
【0091】
(129)は上記ピストンロッド(126)へ進退自在に挿通された圧力解放ピンであり、これがピストンロッド(126)から前方へ常時露出する先端部を、押圧アーム(130)によって強制的に押し込み没入させれば、上記突っ張りシリンダー(122)内の突っ張り圧力が解放され、その突っ張りシリンダー(122)に対してピストンロッド(126)が後退作動するようになっている。
【0092】
上記押圧アーム(130)はピストンロッド(126)とほぼ直交する起立状態にあり、その上端部が水平な支点ピン(131)によって、上記ピストンロッド(126)の支持フォーク(127)へ回動自在に枢着されている。
【0093】
又、(132)は上記手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)から一体的に張り出す補助自在車輪用センター支持フォーク(71)と並列する関係状態として、そのトップハンドルバー(48)の中途部に取り付け固定されたレバー保持ブラケットであり、これに突っ張りシリンダー(122)の上記遠隔操作レバー(123)が支点ピン(133)を介して、片手での握り締め回動操作を行なえるように枢着されている。(134)はその遠隔操作レバー(123)の回動操作を受けて引張られるレリーズワイヤー(プッシュプルケーブル)であり、その先端部が上記押圧アーム(130)の下端部へ脱落不能に係止されている。
【0094】
そのため、手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)を握り持った片手により、突っ張りシリンダー(122)の遠隔操作レバー(123)を図26のように回動操作し、上記押圧アーム(130)をその支点ピン(131)の廻りに後方へ引張って、突っ張りシリンダー(122)の圧力解放ピン(129)をピストンロッド(126)へ押し込み没入させれば、上記手押しハンドル枠(H)を図2、34のように後方へ引き倒すことができ、その握り締め回動操作手を離した図25の状態において、手押しハンドル枠(H)の伏倒状態が固定維持されることになる。
【0095】
これと同様な遠隔操作レバー(123)の握り締め回動操作により、上記手押しハンドル枠(H)を図2、34の伏倒状態から前方へ起し上げることもでき、その回動操作手を離した図25の状態では、図1、33のような手押しハンドル枠(H)の起立状態が、その施錠機構(P)を形作る突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力によってやはり固定維持される。
【0096】
その場合、上記手押しハンドル枠(H)の起伏的な回動角度(β)は突っ張りシリンダー(122)におけるピストンロッド(126)の進退ストロークにより、約90度として予じめ設定されており、又その手押しハンドル枠(H)と連動する上記足受け台(S)の回動角度(γ)は、約60度に予じめ設定されているが、このような回動角度範囲の途中において操作手を離しても、その手押しハンドル枠(H)は上記施錠機構(P)により固定維持される結果、本発明の車椅子を患者のリクライニングベッドとして使用することも可能である。
【0097】
尚、(135)は上記レリーズワイヤー(134)を受け入れるワイヤー保持ガイドであり、ピストンロッド(126)の支持フォーク(127)へ固定ナット(136)によって挟み付け一体化されている。(137)は上記ピストンロッド(126)に嵌め付けられたクッションリングであり、そのピストンロッド(126)の後退作動時における突っ張りシリンダー(122)の衝撃や振動を吸収する。
【0098】
更に、(138)は上記遠隔操作レバー(123)の回動操作に応じて進退作動される一定長さ(L4)のロックピンであり、図16、17、25、26に示す如く、その遠隔操作レバー(123)の中途部から上記手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)に付属する補助自在車輪用センター支持フォーク(71)とバネ受けケース(76)を貫通しつつ、上記補助自在車輪用支持脚柱(72)の回動ボス(74)に向かって、その支持脚柱(72)の回動支点ピン(75)とほほ平行に張り出し横架されている。
【0099】
しかも、そのロックピン(138)の上記バネ受けケース(76)内に臨む中途部からは、座金などから成る進出限度規制ストッパー(139)が嵌め付け一体化されており、その進出限度規制ストッパー(139)とバネ受けケース(76)との向かい合う左右相互間に介在するリターンバネ(圧縮コイルバネ)(140)が、そのバネ受けケース(76)内に封入されてもいる。
【0100】
そして、そのリターンバネ(140)によりロックピン(138)の先端部を、上記補助自在車輪用支持脚柱(72)の回動ボス(74)に開口分布された補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と同じく補助自在車輪接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ、常時差し込み係止させる進出方向へ押圧付勢している。
【0101】
その場合、補助自在車輪(73)の折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と同じく接地用ロックピン受け入れ孔(78)とは上記のように、約90度の一定角度(α)だけ交叉する関係状態にあり、手押しハンドル枠(H)の回動角度(β)もこれと対応する約90度に設定されているため、その手押しハンドル枠(H)が図1、33のようなほぼ垂直の起立状態に固定維持された時、上記遠隔操作レバー(123)のロックピン(138)は図16のように、回動ボス(74)の補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)へ差し込み係止されることになり、その補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)が前後方向へ振れ動かない折りたたみ状態として吊り下がる。
【0102】
他方、手押しハンドル枠(H)が図2、34のようなほぼ水平の伏倒状態に固定維持された時、同じく遠隔操作レバー(123)のロックピン(138)は図17に示す如く、上記回動ボス(74)の別個な補助自在車輪接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ差し込み係止されることになり、その補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)がやはり前後方向へ振れ動かない安定な垂立状態として接地使用されるのである。
【0103】
何れにしても、手押しハンドル枠(H)を図1、33の起立状態から図2、34の伏倒状態へ、又はその逆向きに変換する場合、上記突っ張りシリンダー(122)の遠隔操作レバー(123)は握り締め回動操作されて、ロックピン(138)がリターンバネ(140)の付勢力に抗しつつ、上記補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)や同じく接地用ロックピン受け入れ孔(78)から抜け出し退動するため、その補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)は上記支点ピン(75)を中心として、約90度の一定角度(α)だけ自由自在に回動でき、手押しハンドル枠(H)の動きに追従する。
【0104】
要するに、上記手押しハンドル枠(H)がほぼ垂直の起立状態又はほぼ水平の伏倒状態となって、その施錠機構(P)の遠隔操作レバー(123)から握り締め回動操作手を離した時にのみ、上記ロックピン(138)が補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)又は同じく接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ、自づと差し込み係止されるようになっているわけであり、安全性に著しく優れる。
【0105】
先に一言したX線撮影用フィルムカセット(M)の第2カセットホルダー(C2)は、車体フレーム(F)と手押しハンドル枠(H)並びに足受け台(S)に各々付属固定されている上記脚受け入れ口金(36)(70)(115)へ、互換的に差し込み使用できる脚板(141)を備えたカートリッジとして、次のように作成用意されている。
【0106】
つまり、その第2カセットホルダー(C2)を示した図27、28において、(142)は金属板材から長方形又は正方形に造形されたフィルムカセット受け面板であり、その下端部からは上記脚受け入れ口金(36)(70)(115)と対応する一定間隔(D)を保つ複数(図例では合計4個)の脚板(141)が、一体的に垂下されている。
【0107】
しかも、その左右両端部に位置する一対は、これと隣り合う一対との狭い一定間隔(d)を保っており、上記手押しハンドル枠(H)の対応的な狭い一定間隔(d)を保つ脚受け入れ口金(70)へ、差し込み使用することもできるようになっている。
【0108】
(143)は上記カセット受け面板(142)の約上半部に位置しつつ、その垂直中心線上に沿って列設されたチャンネル型のスライドガイド凹溝であり、その内部へスライド自在に差し込み係合された上面押え金具(144)によって、X線撮影用フィルムカセット(M)の上面を押え付ける。
【0109】
他方、同じくカセット受け面板(142)における約下半部の中間位置には複数(図例では合計12個)のピン受け入れキー孔(145)が、その左右一対づつの上下数段として開口分布されており、これらへ抜き差し自在に差し替えられる係止ピン(146)の左右一対によって、上記フィルムカセット(M)の下面受け持ち金具(147)が上面押え金具(144)と向かい合う状態に設置されることとなる。
【0110】
そのため、下面受け持ち金具(147)の差し替えにより、その設置高さをフィルムカセット(M)の大きさ変化に応じて調整すれば、そのフィルムカセット(M)を上面押え金具(144)と相俟って、上記カセット受け面板(142)の中央部へ挟持状態に位置決めすることができる。
【0111】
そして、このようなフィルムカセット(M)が挟持された第2カセットホルダー(C2)を、図2に示唆する如く、車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)へ差し込み使用することにより患者の腰椎を、又足受け台(S)側の脚受け入れ口金(115)へ差し込み使用することにより患者の下肢を横方向から各々X線撮影することができ、更には手押しハンドル枠(H)側の脚受け入れ口金(70)へ差し替え使用することにより、患者の胸部や頸椎、顎、頭蓋までも横方向から便利良くX線撮影することができるのである。
【0112】
又、先に一言したX線撮影用フィルムカセット(M)の第3カセットホルダー(C3)では図29、30のように、上記第2カセットホルダー(C2)の脚板(141)に代る1本の脚柱(148)が、そのフィルムカセット受け面板(142)の下端中央部から一体的に垂下されており、その余の構成は上記第2カセットホルダー(C2)と実質的に同一であるため、その図29、30に図27、28との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0113】
このような第3カセットホルダー(C3)の脚柱(148)は上記車体フレーム(F)側の脚受け入れ口筒(40)と対応して、その内部へ回動自在に差し込み使用できるようになっているため、本発明の車椅子が図2のような患者のベッドとなった状態において、その第3カセットホルダー(C3)をベッドに仰臥した患者の股関節へ指向調整することにより、その股関節を便利良くX線撮影することができる。
【0114】
更に、図31、32はX線撮影用フィルムカセット(M)の別に作成準備された第4カセットホルダー(C4)を示しており、これではフィルムカセット受け面板(142)の上端部から背後へ、左右一対のハンガーフック(149)が一体的に曲げ出されている。その他の構成は上記第2カセットホルダー(C2)と実質的に同一であるため、その図31、32に図27、28との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を割愛する。
【0115】
このような第4カセットホルダー(C4)のハンガーフック(149)は上記手押しハンドル枠(H)のバックレスト(52)と対応して、その上面(凸曲面)へ図12の鎖線で示す如く、係脱自在に吊り掛けることができるようになっているため、その吊り掛け使用によってもシート(29)に坐った患者の頸椎や肩関節、顎骨、頭蓋などをX線撮影し得る。
【0116】
本発明のX線撮影用車椅子は上記のように構成されているため、手押しハンドル枠(H)をほぼ垂直に起立させた図1、33の固定維持状態において、その手押しハンドル枠(H)の背後に付属しているスライドガイドレール(64)(65)の向かい合う上下相互間へ、図13、16のように横方向からX線撮影用フィルムカセット(M)の第1カセットホルダー(C1)を差し込み使用して、車体フレーム(F)のシート(29)に坐った患者の胸部や腹部、肋骨、腰椎などを、そのフィルムカセット(M)によりX線撮影することができる。
【0117】
その際、上記フィルムカセット(M)は下面受け持ち金具(86)と両サイド挟持金具(89)によって、その第1カセットホルダー(C1)におけるフィルムカセット受け面板(79)の中央部へ、自づと正しく位置決めされるようになっているほか、そのフィルムカセット(M)の設置状態にある第1カセットホルダー(C1)がハンガーバネ(69)によって、常時吊り上げ方向へ弾圧付勢されており、その設置高さを押圧ボルト(61)によって調整固定することもでき、更に上記第1カセットホルダー(C1)の下降限度規制バー(51)は車体フレーム(F)のシート(29)よりも、一定高さ(Y)分だけ低い位置にあるため、患者の上記目的部位に応じた正確なX線撮影を、極めて軽快にすばやく行なえるのである。
【0118】
又、手押しハンドル枠(H)が起立した固定維持状態のもとで、そのバックレスト(52)の上面(凸曲面)へ図12の鎖線で示す如く、別個な第4カセットホルダー(C4)を吊り掛け使用することによって、シート(29)に坐った患者の頸椎や肩関節、顎骨、頭蓋などをX線撮影したり、更には車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)や手押しハンドル枠(H)側の脚受け入れ口金(70)、足受け台(S)側の脚受け入れ口金(115)へ第2カセットホルダー(C2)を互換的に差し込み使用して、その患者の胸部や腰椎、腹部、下肢などを横方向からX線撮影したりすることもできる。
【0119】
他方、上記手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)とは左右一対のサイド進退アーム(117)や、施錠機構(P)の突っ張りシリンダー(122)を介して連動し、その遠隔操作レバー(123)の握り締め回動操作により一挙同時に起伏作用するようになっているため、上記手押しハンドル枠(H)を後方へ引き倒すことによって、これと車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体が患者のベッドとなるほぼ水平な伏倒状態をすばやく得ることができ、その図2、34のような固定維持状態のもとで、仰臥姿勢の患者に対しても上記目的部位のX線撮影を支障なく行なえるのである。
【0120】
その際には、上記第1カセットホルダー(C1)のハンガーバネ(69)を図17のように、そのバネ受けバー(60)から一旦取りはずすことにより、第1カセットホルダー(C1)をやはり両スライドガイドレール(64)(65)に沿って前後方向へ抵抗なく、且つ長いストロークのもとに進退させることができるため、患者の上記目的部位を正確に能率良くX線撮影し得るのである。
【0121】
又、手押しハンドル枠(H)が伏倒状態にある場合でも、図2の鎖線から示唆されるように、その手押しハンドル枠(H)側の脚受け入れ口金(70)、車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)や脚受け入れ口筒(40)、更には足受け台(S)側の脚受け入れ口金(115)へ、第2、3カセットホルダー(C2)(C3)を互換的に差し込み使用することにより、患者の上記目的部位を横方向から便利良くX線撮影することができる。
【0122】
【発明の効果】
以上のように、本発明では手押し走行可能な車体フレーム(F)の上面に設置されたシート(29)と、その車体フレーム(F)の前部へ水平な支点ピン(111)(113)を介して起伏的な回動自在に枢着された足受け台(S)と、同じく車体フレーム(F)の後部へ水平な支点ピン(50)を介して起伏的な回動自在に枢着された手押しハンドル枠(H)と、その手押しハンドル枠(H)へ遮蔽状態に設置されたX線の透過可能なバックレスト(52)とを有するX線撮影用車椅子において、
【0123】
上記手押しハンドル枠(H)の背後へ上下一対の平行なスライドガイドレール(64)(65)を昇降調整自在に装備させて、そのスライドガイドレール(64)(65)の向かい合う上下相互間へX線撮影用フィルムカセット(M)のホルダー(C1)を、横方向から進退自在に差し込み装填する一方、
【0124】
上記足受け台(S)の中途部と手押しハンドル枠(H)の下端部とを、前後方向へ移動し得る左右一対のサイド進退アーム(117)によって枢支連結すると共に、
【0125】
上記車体フレーム(F)の中途部に固定横架された連結ビーム(2a)と、両サイド進退アーム(117)の中途部に固定横架された連結ビーム(120)との前後相互間を、突っ張りシリンダー(122)により枢支連結して、
【0126】
上記手押しハンドル枠(H)の水平なトップハンドルバー(48)へ取り付けた遠隔操作レバー(123)の回動操作により、上記突っ張りシリンダー(122)内の突っ張り圧力を解放して、上記手押しハンドル枠(H)をその車体フレーム(F)に対する支点ピン(50)の廻りにほぼ垂直な起立状態から、車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドになるほぼ水平の伏倒状態へ、又はその逆に約90度の一定角度(β)だけ起伏変換させることができ、
【0127】
上記遠隔操作レバー(123)の回動操作手を離せば、その手押しハンドル枠(H)の起立状態と伏倒状態とが上記突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力によって、自づと固定維持されるように定めてあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を完全に解決できる効果がある。
【0128】
即ち、本発明の上記構成によれば、手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)とが前後方向へ移動し得る左右一対のサイド進退アーム(117)を介して枢支連結されているほか、車体フレーム(F)の中途部に固定横架した連結ビーム(2a)と、両サイド進退アーム(117)の中途部に固定横架した連結ビーム(120)との前後相互間が、突っ張りシリンダー(122)を介して枢支連結されているため、手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)を握り持った片手により、上記突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力解放用遠隔操作レバー(123)を回動操作して、その手押しハンドル枠(H)を車体フレーム(F)に対する支点ピン(50)の廻りにほぼ垂直な起立状態から、車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドになるほぼ水平の伏倒状態へ、又はその逆に約90度の一定角度(β)だけ起伏変換させることができ、使用上の利便性と迅速性に著しく優れる。
【0129】
しかも、その遠隔操作レバー(123)の回動操作手を離せば、上記手押しハンドル枠(H)の起立状態と伏倒状態とが突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力により、自づと施錠状態に固定維持されるため、本発明の車椅子をX線撮影用としては勿論、救急患者の安全なストレッチャー(担送車)としても使用できるのである。
【0130】
又、上記手押しハンドル枠(H)の背後には上下一対の平行なスライドガイドレール(64)(65)が、昇降調整自在に装備されており、その両スライドガイドレール(64)(65)の向かい合う相互間へX線撮影用フィルムカセット(M)の第1カセットホルダー(C1)が、横方向から進退自在に差し込み装填されているため、車体フレーム(F)のシート(29)に坐った患者の首部や胸部、腹部、腰部などの目的部位を、すばやく正確にX線撮影することができ、このことは手押しハンドル枠(H)を車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドとして、そのベッドに仰臥した患者の上記目的部位をX線撮影する場合でも、同様に言えることである。
【0131】
又、請求項2の構成を採用するならば、手押しハンドル枠(H)を形作るトップハンドルバー(48)の補助自在車輪用センター支持フォーク(71)へ、水平な支点ピン(75)により枢着された補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)が、上記手押しハンドル枠(H)を起立状態と伏倒状態に変換する遠隔操作レバー(123)と連帯して、その手押しハンドル枠(H)と同じ約90度の一定角度(α)だけ回動することにより、手押しハンドル枠(H)の起立時にはそのトップハンドルバー(48)から前後方向へ振れ動かない固定状態に吊り下がる一方、同じく手押しハンドル枠(H)の伏倒時にはやはり前後方向へ振れ動かない垂立状態として接地するため、特に上記ベッドとしての使用状態を安定・確固に支持することができ、救急患者の安全なストレッチャー(担送車)としても有効に使用し得る効果がある。
【0132】
請求項3の構成を採用するならば、上記第1カセットホルダー(C1)のスライドガイドレール(64)(65)がハンガーバネ(69)によって、常時吊り上げ方向へ弾圧付勢されているため、患者のX線撮影する目的部位へフィルムカセット(M)を軽快に便利良く位置決めすることができ、又上記ベッドとしての使用中には、そのハンガーバネ(69)をバネ受けバー(60)から一旦取りはずすことにより、上記第1カセットホルダー(C1)を前後方向へ抵抗なく進退させて、やはり患者の目的部位を正しくX線撮影することも可能である。
【0133】
請求項4の構成を採用するならば、X線撮影用フィルムカセット(M)の別な第2、3カセットホルダー(C2)(C3)やアームレスト(37)、点滴用灌注器の吊り掛け支柱(41)を予備品として、車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)や脚受け入れ口筒(40)、手押しハンドル枠(H)側の脚受け入れ口金(70)、足受け台(S)側の脚受け入れ口金(115)へ、互換的に差し込み使用することにより、患者の目的部位を広くX線撮影することができ、その対応性に優れる。
【0134】
更に、請求項5の構成を採用するならば、その後輪(5)のブレーキ機構(B)や後方転倒防止用のスタビライザー(7)により、手押し走行上の安全性をますます昂めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線撮影用車椅子の全体を、その手押しハンドル枠の起立状態として示す側面図である。
【図2】図1に対応する手押しハンドル枠の伏倒状態を示す側面図である。
【図3】図1の拡大平面図である。
【図4】図1の拡大底面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】ブレーキ機構を抽出して示す平面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】図1の8−8線に沿う拡大断面図である。
【図9】シート回転面板を抽出して示す拡大平面図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】図1の手押しハンドル枠を抽出して示す拡大側面図である。
【図12】図11の正面図である。
【図13】図11の背面図である。
【図14】図11の平面図である。
【図15】図11の15−15線断面図である。
【図16】図13の16−16線に沿う拡大断面図である。
【図17】手押しハンドル枠を伏倒させた図16に対応する側断面図である。
【図18】X線撮影用フィルムカセットの第1カセットホルダーを抽出して示す正面図である。
【図19】図18の背面図である。
【図20】図18の20−20線に沿う拡大断面図である。
【図21】図18の21−21線に沿う拡大断面図である。
【図22】足受け台を抽出して示す拡大平面図である。
【図23】図22の23−23線に沿う拡大断面図である。
【図24】起伏状態の施錠機構を抽出して示す平面図である。
【図25】施錠機構における突っ張りシリンダーの突っ張り状態を示す作用説明図である。
【図26】同じく施錠機構における突っ張りシリンダーの圧力解放状態を示す図25に対応する作用説明図である。
【図27】X線撮影用フィルムカセットの第2カセットホルダーを示す正面図である。
【図28】図27の28−28線断面図である。
【図29】X線撮影用フィルムカセットの第3カセットホルダーを示す正面図である。
【図30】図29の30−30線断面図である。
【図31】X線撮影用フィルムカセットの第4カセットホルダーを示す正面図である。
【図32】図31の32−32線断面図である。
【図33】手押しハンドル枠が起立した車椅子の全体を示す作用説明図である。
【図34】手押しハンドル枠が伏倒した車椅子の全体を示す図33に対応する作用説明図である。
【符号の説明】
(1)・サイド囲い枠
(2a)(2b)・前側連結ビーム
(3a)(3b)・後側連結ビーム
(4)・前輪
(5)・後輪
(7)・スタビライザー
(8)・ブレーキシュー支軸
(9)・ブレーキシュー
(10)・ハンガーステー
(14)・揺動アーム
(16)・ブレーキペダル
(17)・支持リンク
(20)・リターンバネ
(25)・シート受け架台
(26)・シート回転面板
(27)・回転支軸
(29)・シート
(31)・昇降操作ロッド
(33)・ロッド受け入れ孔
(36)(70)(115)・脚受け入れ口金
(37)・アームレスト
(40)・脚受け入れ口筒
(42)・押圧ボルト
(43)・サイド軸受ステー
(44)・センター軸受ステー
(45)・サイド軸受ステー
(46)・ハンドルグリップ
(47)・サイド支柱
(48)・トップハンドルバー
(49)・サイド取付ステー
(50)・支点ピン
(51)・下限限度規制バー
(52)・バックレスト
(56)(57)・ガイドロッド受け座
(58)・昇降ガイドロッド
(59)・昇降スリーブ
(60)・バネ受けバー
(61)・押圧ボルト
(62)(63)・レール支持片
(64)(65)・スライドガイドレール
(66)・差し込み限度規制ストッパー
(67)・抜け止めボルト
(68)・バネ受け座
(69)・ハンガーバネ
(71)・センター支持フォーク
(72)・支持脚柱
(73)・補助自在車輪
(74)・回動ボス
(75)・支点ピン
(76)・バネ受けケース
(77)(78)・ロックピン受け入れ孔
(79)・フィルムカセット受け面板
(80)(81)・スライドフック
(82)・把手
(83)・抜け止めストッパー
(85)・係止ピン
(86)・下面受け持ち金具
(87)・スライドガイド長孔
(88)・スライドピース
(89)・サイド挟持金具
(90)・ネジ軸
(91)・ビス
(92)・スライドロックレバー
(94)・回動リンクアーム
(95)・支点ピン
(97)・前下がり傾斜サイドアーム
(98)・ステップ
(99)・連結ピース
(100)・サイド支持ステー
(101)・サイド取付ステー
(102)(103)支点ピン
(105)・支持脚柱
(106)・補助自在車輪
(107)・連結ビーム
(108)・センター支持ステー
(109)・前下がり傾斜センターアーム
(110)(111)・支点ピン
(112)・サイド連結フック
(113)・支点ピン
(114)・レッグレスト
(116)・サイド連結ステー
(117)・サイド進退アーム
(118)(119)・・支点ピン
(120)・連結ビーム
(121)・センター軸受ステー
(122)・突っ張りシリンダー
(123)・遠隔操作レバー
(125)・支点ピン
(126)・ピストンロッド
(128)・支点ピン
(129)・圧力解放ピン
(130)・押圧アーム
(131)・支点ピン
(132)・レバー保持ブラケット
(133)・支点ピン
(134)・レリーズワイヤー
(138)・ロックピン
(139)・進出限度規制ストッパー
(140)・リターンバネ
(141)・脚板
(142)・フィルムカセット受け面板
(143)・スライドガイド凹溝
(144)・上面押え金具
(146)・係止ピン
(147)・下面受け持ち金具
(148)・脚柱
(149)・ハンガーフック
(B)・ブレーキ機構
(C1)(C2)(C3)(C4)・第1〜4フィルムカセットホルダー
(F)・車体フレーム
(H)・手押しハンドル枠
(M)・X線撮影用フィルムカセット
(P)・施錠機構
(S)・足受け台
(α)(β)(γ)・回動角度
Claims (5)
- 手押し走行可能な車体フレーム(F)の上面に設置されたシート(29)と、その車体フレーム(F)の前部へ水平な支点ピン(111)(113)を介して起伏的な回動自在に枢着された足受け台(S)と、同じく車体フレーム(F)の後部へ水平な支点ピン(50)を介して起伏的な回動自在に枢着された手押しハンドル枠(H)と、その手押しハンドル枠(H)へ遮蔽状態に設置されたX線の透過可能なバックレスト(52)とを有するX線撮影用車椅子において、
上記手押しハンドル枠(H)の背後へ上下一対の平行なスライドガイドレール(64)(65)を昇降調整自在に装備させて、そのスライドガイドレール(64)(65)の向かい合う上下相互間へX線撮影用フィルムカセット(M)のホルダー(C1)を、横方向から進退自在に差し込み装填する一方、
上記足受け台(S)の中途部と手押しハンドル枠(H)の下端部とを、前後方向へ移動し得る左右一対のサイド進退アーム(117)によって枢支連結すると共に、
上記車体フレーム(F)の中途部に固定横架された連結ビーム(2a)と、両サイド進退アーム(117)の中途部に固定横架された連結ビーム(120)との前後相互間を、突っ張りシリンダー(122)により枢支連結して、
上記手押しハンドル枠(H)の水平なトップハンドルバー(48)へ取り付けた遠隔操作レバー(123)の回動操作により、上記突っ張りシリンダー(122)内の突っ張り圧力を解放して、上記手押しハンドル枠(H)をその車体フレーム(F)に対する支点ピン(50)の廻りにほぼ垂直な起立状態から、車体フレーム(F)並びに足受け台(S)との全体的なベッドになるほぼ水平の伏倒状態へ、又はその逆に約90度の一定角度(β)だけ起伏変換させることができ、
上記遠隔操作レバー(123)の回動操作手を離せば、その手押しハンドル枠(H)の起立状態と伏倒状態とが上記突っ張りシリンダー(122)の突っ張り圧力によって、自づと固定維持されるように定めたことを特徴とするX線撮影用車椅子。 - 補助自在車輪用支持脚柱(72)の上端部を回動ボス(74)として、その回動ボス(74)に補助自在車輪(73)の折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)と接地用ロックピン受け入れ孔(78)とを、約90度の一定角度(α)だけ交叉する関係状態に開口分布させ、
上記回動ボス(74)を手押しハンドル枠(H)の水平なトップハンドルバー(48)から一体的に張り出す補助自在車輪用センター支持フォーク(71)へ、水平な支点ピン(75)によって回動自在に枢着すると共に、
遠隔操作レバー(123)の回動操作に応じて進退作動される一定長さ(L4)のロックピン(138)を、その遠隔操作レバー(123)の中途部から上記回動ボス(74)へほぼ水平に張り出し横架させて、
手押しハンドル枠(H)が起立状態に固定維持された時、その遠隔操作レバー(123)のロックピン(138)が上記回動ボス(74)の補助自在車輪折りたたみ用ロックピン受け入れ孔(77)へ差し込み係止されることにより、補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)が前後方向へ振れ動かない状態として吊り下がる一方、
同じく手押しハンドル枠(H)が伏倒状態に固定維持された時、その遠隔操作レバー(123)のロックピン(138)が上記回動ボス(74)の補助自在車輪接地用ロックピン受け入れ孔(78)へ差し込み係止されることにより、補助自在車輪(73)の支持脚柱(72)がやはり前後方向へ振れ動かない垂立状態として接地するように関係設定したことを特徴とする請求項1記載のX線撮影用車椅子。 - 手押しハンドル枠(H)の背後に付属一体化した左右一対の昇降ガイドロッド(58)へ、各々昇降スリーブ(59)を套嵌させ、
その両昇降スリーブ(59)の上下両端部へ向かい合う一対のスライドガイドレール(64)(65)と、同じく中途高さ位置へ水平なバネ受けバー(60)とを各々固定横架させる一方、
手押しハンドル枠(H)のトップハンドルバー(48)から一体的に張り出す水平なバネ受け座(68)と、上記バネ受けバー(60)との上下相互間へ、ハンガーバネ(69)を係脱自在に連繋張架させることにより、X線撮影用フィルムカセットホルダー(C1)を常時吊り上げる方向へ弾圧付勢したことを特徴とする請求項1記載のX線撮影用車椅子。 - 車体フレーム(F)を左右一対の対称なサイド囲い枠(1)と、その左右相互間へ横架する水平な上下一対づつの前側連結ビーム(2a)(2b)並びに後側連結ビーム(3a)(3b)とから組立一体化して、
X線撮影用フィルムカセット(M)の別なホルダー(C2)又はアームレスト(37)が差し込み使用される左右一対の脚受け入れ口金(36)と、同じくX線撮影用フィルムカセット(M)の更に別なホルダー(C3)又は点滴用灌注器の吊り掛け支柱(41)が差し込み使用される左右一対づつの脚受け入れ口筒(40)とを、両サイド囲い枠(1)の上枠部へ各々横外方から付属固定する一方、
その車体フレーム(F)側の脚受け入れ口金(36)と互換的に使用される左右一対づつの脚受け入れ口金(70)(115)を、手押しハンドル枠(H)と足受け台(S)にも各々横外方から付属固定したことを特徴とする請求項1記載のX線撮影用車椅子。 - 車体フレーム(F)を左右一対の対称なサイド囲い枠(1)と、その左右相互間へ横架する水平な上下一対づつの前側連結ビーム(2a)(2b)並びに後側連結ビーム(3a)(3b)とから組立一体化して、
その両サイド囲い枠(1)を形作る垂直な前枠部の下端位置へ左右一対の操向自由な前輪(4)と、同じく垂直な後枠部の中途高さ位置へ前輪(4)よりも径大な左右一対の後輪(5)とを各々軸支すると共に、
両サイド囲い枠(1)における上記後枠部よりも後方へ一定長さ(L1)だけ張り出し延長させた下枠部の延長後端部を、車椅子の後方転倒防止用スタビライザー(7)として斜め下向きに折り曲げる一方、
同じく下枠部の中途位置へブレーキペダル(16)の踏み下げ操作により、左右一対の後輪(5)が一挙同時に制動されるブレーキ機構(B)を装備させたことを特徴とする請求項1記載のX線撮影用車椅子。
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