JP3631444B2 - 研削装置、砥石ユニットおよび研削方法 - Google Patents

研削装置、砥石ユニットおよび研削方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、研削装置、研削ユニットおよび研削方法に関し、より特定的には砥石を被研削体の内部に入れて被研削体を研削する研削装置、研削ユニットおよび研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明が効果的に適用される被研削体の一例として、エアコン用ロータリーコンプレッサーのシリンダを図8に示す。シリンダ1は、貫通孔2を有する筒形に形成され、内周面にベーン取付溝3を備える。
エアコン用ロータリーコンプレッサーには、環境対策および省エネ対策の一環で益々高能率化、高精度化が要求されている。中でも触媒を圧縮する部品であるシリンダ1には、ベーン取付溝3の側壁面4の平行度、平面度、表面粗さの向上が要求されている。
【0003】
一般的に、ベーン取付溝3のような深溝の対向する側壁面を研削する研削装置として、台板と台板の外周部側面に設けられる砥粒とを含む砥石を備え、砥石の回転軸の両端部に回転軸を回転自在に支持する軸受支持部が設けられ、さらに回転軸の一端部にプーリなどの駆動機構部が設けられたものが従来より知られている。
ベーン取付溝3の側壁面4を研削するためには、ベーン取付溝3はシリンダ1の内周面に設けられているため、砥石をベーン取付溝3と貫通孔2に入れる必要がある。しかし、一般的にシリンダ1の内径は30〜40mm、ベーン取付溝3の幅は3〜4mmと非常に狭い。このため、砥石自体は入っても、軸受支持部や駆動機構部が貫通孔2内に入らず、従来の研削装置ではベーン取付溝3の研削ができなかった。
【0004】
このため、従来、ベーン取付溝3は、ブローチ加工されるのみであった。このブローチ加工は切削加工の一種であるため、加工精度に限界があった。
そこで、ベーン取付溝3を研削する手段として、実開平3−79254号公報に記載の技術がすでに提案されている。ここでは、砥石の外周面にベルト溝を設けてベルトを掛け渡しベルト駆動する手段や、砥石の外周面に歯車の歯を設けて歯車駆動する手段が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ベルト駆動では、砥石の厚さはベーン取付溝3の幅(一般的に3〜4mm)に合わせる必要があるため非常に薄く、したがって砥石に掛け渡すベルトの幅もそれに合わせて非常に細くする必要がある。
また、構造上、ベルトにカバーをすることができないため、ベルトはクーラントや研削屑にさらされて回転することとなる。そのため、ベルトの耐久性が非常に低く、コストが高くなってしまう。
【0006】
さらに、所定の精度を得るためには、研削時の砥石の周速は最低でも1000〜1500m/min程度確保したいところであり、そのためには5000rpm以上の砥石の回転数が必要である。しかし、上述のようにベルトが非常に細くその強度が低いため、ベルト駆動では回転数を上げることができない。したがって、低い周速で砥石を回転させて研削するため、砥石の磨耗が早く砥石の寿命が短くなり、この点でもコストが高くなってしまう。その上、砥石の周速が低いため研削精度も悪くなる。
【0007】
また、歯車駆動では、大きな振動や騒音が発生するとともに、ベルト駆動にも増して砥石の周速を上げることができない。このため、砥石の磨耗が早くなるとともに、研削精度も悪くなる。さらに、歯車の歯は、ベルト駆動の場合と同様にクーラントや研削屑にさらされて回転することとなるため、歯車の歯の磨耗が早く、コストが高くなってしまう。
それゆえにこの発明の主たる目的は、精度がよくかつコストを低くおさえることができる研削装置、砥石ユニットおよび研削方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の研削装置は、砥石台、被研削体を研削するために砥石台に回転自在に支持されかつ流体が直接供給されることによって回転駆動する砥石、および砥石に流体を直接供給する流体供給手段を備える。
請求項2に記載の研削装置は、砥石台、被研削体を研削するために砥石台に回転自在に支持されかつ外周面に突起を有し当該突起に流体が供給されることによって回転駆動する砥石、および砥石の突起に流体を供給する流体供給手段を備える。
請求項に記載の研削装置は、請求項1または2に記載の研削装置において、砥石台は、基台と、砥石を支持する砥石支持アームとを含み、砥石支持アームは、被研削体の内部に入って被研削体を研削する砥石を支持するために基台から突出して設けられることを特徴とする。
【0009】
求項4に記載の研削装置は、請求項に記載の研削装置において、突起は、湾曲面を含む凹部を有することを特徴とする。
請求項5に記載の研削装置は、請求項1から4のいずれかに記載の研削装置において、砥石は回転軸を一体的に備えることを特徴とする。
請求項6に記載の研削装置は、請求項1から4のいずれかに記載の研削装置において、さらに、砥石が取り付けられる回転軸、および砥石と回転軸との間に設けられる軸受けを備え、軸受けは、単列の転動体を有する複数の軸受けおよび複列の転動体を有する軸受けのうち少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の研削装置は、請求項1から4のいずれかに記載の研削装置において、さらに、砥石が取り付けられる回転軸を備え、単列の転動体を有する軸受けが砥石と回転軸との間に1つだけ設けられることを特徴とする。
請求項8に記載の研削装置は、請求項1から7のいずれかに記載の研削装置において、流体は、液体および気体の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする。
請求項9に記載の砥石ユニットは、砥石台、および被研削体を研削するために砥石台に回転自在に支持されかつ流体を直接受けることによって回転駆動される砥石を備える。
請求項10に記載の砥石ユニットは、砥石台、および被研削体を研削するために砥石台に回転自在に支持されかつ外周面に突起を有し当該突起に流体が供給されることによって回転駆動する砥石を備える。
【0011】
請求項11に記載の研削方法は、砥石によって被研削体を研削する研削方法であって、被研削体を固定する第1工程、砥石に流体を直接供給することによって砥石を回転駆動させる第2工程、および砥石を被研削体に対して相対移動させて砥石によって被研削体を研削する第3工程を備える。
請求項12に記載の研削方法は、外周面に突起を有する砥石によって被研削体を研削する研削方法であって、被研削体を固定する第1工程、砥石の突起に流体を供給することによって砥石を回転駆動させる第2工程、および砥石を被研削体に対して相対移動させて砥石によって被研削体を研削する第3工程を備える。
【0012】
請求項1,2に記載の研削装置では、たとえばベルトや歯車などのような駆動力伝達部材を用いることなく、流体が供給されることによって砥石が回転駆動するため、駆動力伝達部材の耐久性に制限されるということはなく高速で砥石を回転駆動させることができる。また、上述のような駆動力伝達部材を必要としないため装置をシンプルに構成できる。さらに、駆動力を伝達するベルトや歯車などが磨耗、損傷するということがないため、コストを低くおさえることができる。請求項11,12に記載の研削方法についても同様である。
また、請求項2に記載の研削装置では、突起が流体を受け止めるため、流体の運動エネルギーが効率良く砥石に伝達される。したがって、砥石を高速で回転させることができるとともに、流体供給手段の作動に必要なコストを低くおさえることができる。
【0013】
請求項に記載の研削装置では、被研削体の内部というスペースの制約がある場所であっても砥石を入れて被研削体を研削することができる。また、砥石は流体が供給されることによって回転駆動し、流体は狭い隙間からでも容易に排出される。したがって、被研削体の内部という狭いスペースの下でも流体を高圧供給することができ、砥石を所望の周速で高速回転させることができる。このため、研削精度が向上するとともに、砥石の磨耗度が低下し砥石の寿命を長くできるのでコストを低くおさえることができる。
【0014】
求項4に記載の研削装置では、突起が凹部を備え、さらに凹部が湾曲面を有するため、供給された流体が凹部の湾曲面によってより確実に受け止められる。したがって、流体の運動エネルギーがさらに効率良く砥石に伝達され、砥石は高速で回転することができる。
【0015】
請求項5に記載の研削装置では、砥石が回転軸を一体的に備えるため、台板の両側面に間座を設ける必要がない。したがって、砥石を装置に取り付けるためには、従来のように砥石と回転軸とが別体であれば、まず一方の軸受けに回転軸の一端部を嵌め合わせ、つぎに回転軸に間座と台板を取り付けた後さらに間座を取り付け、そして回転軸の他端部を他方の軸受けに嵌め合わせるという煩雑な作業が必要であったのに対し、この発明では、回転軸の両端部をそれぞれ軸受けに嵌め合わせるのみでよい。このように砥石の取り付け作業が非常に容易となる。なお、砥石を取り外す場合も同様のことがいえる。
【0016】
請求項6に記載の研削装置では、台板と回転軸との間に転動体が複数列介在し、スラスト方向の荷重を複数列の転動体で受ける。このため、スラスト方向の荷重に対する耐久力を大きくでき砥石の研削面が傾くのを抑制でき、精度よく研削することができる。
一方、請求項7に記載の研削装置では、台板と回転軸との間に転動体が1列のみ介在するため、スラスト方向の荷重に対抗する力が弱くなり、砥石の研削面を被研削体の加工面に倣わせることができる。したがって、効果的に加工面の表面粗さを向上させることができる。
【0017】
請求項8に記載の研削装置では、流体は、狭いスペースの下で砥石に供給されても狭い隙間からでも容易に排出されるため、研削の妨げになることがない。さらに、流体が液体である場合には、流体は砥石に回転駆動力を与えるのみならず、クーラントとしての役割をも果たすため、精度を向上させることができるとともに被研削体の加工面の表面粗さを向上させることができる。また、流体は回収して繰り返し使用可能なため、省エネルギー化を図ることができコストを低くおさえることができる。また、流体がたとえば空気などの気体である場合には、身近で安価に入手でき容易に利用できる上、環境汚染を防止できる。
【0018】
請求項9,10に記載の砥石ユニットでは、流体が供給されることによって砥石が回転駆動するため、たとえばベルトや歯車などのような駆動力伝達部材の耐久性に制限されることなく高速で砥石を回転駆動させることができる。また、上述のような駆動力伝達部材を必要としないため装置をシンプルに構成できる。したがって、駆動力を伝達するベルトや歯車などが磨耗、損傷するということがないため、コストを低くおさえることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態の研削装置10は、砥石ユニット12および流体供給装置14を含む。
砥石ユニット12は、一対のレール16を含む。一対のレール16は、研削装置10が配置される地面G上に互いに平行に配置される。一対のレール16上には、スライドテーブル18が配置される。スライドテーブル18は、レール16上を転動するコロ20を有し、図示しないサーボモータによってレール16に沿って矢印Y方向に移動可能である。
【0020】
スライドテーブル18上にはベース22が配置される。ベース22は、3本のボルト24によってスライドテーブル18に取り付けられる。また、ベース22は、スライドテーブル18上面に頭部を突出させて固定される支点ピン26の頭部を覆うように配置され、支点ピン26と係合する。ベース22は、支点ピン26が設けられる位置と対向する辺側に凸部28を有する。凸部28の両脇にはそれぞれ、ボルト固定具30が配置される。ボルト固定具30は、凸部28に対して所定間隔をあけてスライドテーブル18に固定される。ボルト固定具30は、矢印Yと平行方向に雌ネジ孔を有する。ボルト固定具30の雌ネジ孔にはそれぞれボルト32が挿通される。一対のボルト32は、凸部28を矢印Yと平行方向に挟み付ける。
したがって、一方のボルト32を緩めるとともに他方のボルト32を締め付けることによって、ベース22を矢印Sの方向に旋回させ、ベース22の向きを微調整することができる。
【0021】
ベース22上には一対のレール34が、レール16と直交する方向に、互いに平行に配置される。
一対のレール34上には、スライドテーブル36が配置される。スライドテーブル36は、レール34上を転動するコロ38を有し、図示しないサーボモータによってレール34に沿って矢印X方向に移動可能である。
【0022】
スライドテーブル36上には砥石台40が配置される。砥石台40は、基台42と、基台42から水平方向に突出して設けられる砥石支持アーム44と、噴射ノズル46とを含む。基台42は、スライドテーブル36に4本のボルト48によって固定される。
噴射ノズル46は、流体供給装置14に連結され流体供給装置14から供給される流体(この実施形態では水溶性クーラント)50を噴射するためのものであり、基台42上に固定される噴射ノズルホルダ52によって、後述する砥石54に対する噴射角度・噴射距離を任意に調整可能に保持される。
【0023】
砥石支持アーム44は、アーム本体56およびカバー58を含む。アーム本体56の基端部は基台42に支持される。カバー58は、アーム本体56にボルト60によって着脱自在に取り付けられる。アーム本体56は、カバー58との間に砥石54を収納するための空隙62を形成する凹部64を有する。
図3を参照して、アーム本体56およびカバー58にはそれぞれ、砥石54の回転軸66を支持する軸受け68および70が取り付けられる。
【0024】
砥石54は、円板形の台板72と、台板72の外周部両側面に設けられる砥粒74および76とを備える。砥粒74の研削面と砥粒76の研削面との間隔は、被研削体であるベーン取付溝3の仕上げ寸法幅に設定される。
台板72は、外周面に等間隔おきに設けられる突起78と、回転中心に一体的に設けられる回転軸66とを含む。
回転軸66の両端部はそれぞれ、軸受け68および70によって支持される。
図4(a)および(b)ならびに図5に示すように、突起78はそれぞれ、噴射ノズル46に対向する面側にバケット状の凹部80を有する。さらに凹部80は、噴射ノズル46に対向する湾曲面82を有する。これによって、突起78は、噴射ノズル46から噴射される流体50を効率良く受け止めることができる。
【0025】
図1に戻って、流体供給装置14は、流体50を貯留するタンク84、モータ86によって作動し圧力調整機能を有するポンプ88、ポンプ88と噴射ノズル46とを連結するホース90、および流量調整弁92を含む。
流体供給装置14は、タンク84内に貯留される流体50をポンプ88によってホース90を介して噴射ノズル46に供給し、噴射ノズル46から砥石54の突起78に向けて流体50を噴射させる。噴射される流体50の圧力は、流量調整弁92によって調整される。すなわち、砥石54の回転速度は、流量調整弁92によって調整される。なお、噴射された流体50は、回収されて再利用される。
【0026】
研削装置10は、たとえば図8に示すようなシリンダ1の貫通孔2内周面に設けられるベーン取付溝3の対向する側壁面4の研削に使用される。
まず、シリンダ1のベーン取付溝3は、仕上げ幅よりも研削代の分だけ狭い幅に切削されている。また、砥石54の研削面の幅は、上述のようにベーン取付溝3の仕上げ寸法幅に予め設定される。そして、シリンダ1は、図示しない所定のクランプ装置によって、貫通孔2を砥石支持アーム44側に向けて所定位置にクランプされる。
つぎに、砥石支持アーム44が貫通孔2内に入り砥石54の研削面がベーン取付溝3の側壁面4の仕上がり面に合うように、スライドテーブル18が矢印Yの方向に適宜に移動される。そしてさらに、一対のボルト32を操作することによって、スライドテーブル18の向きが微調整される。
【0027】
砥石54は、流体供給装置14によって供給され噴射ノズル46から高圧噴射される流体50を、突起78の凹部80の湾曲面82で受け止める。これによって砥石54は、研削時において高速回転される。
この実施形態では、流体50は1〜5MPaの圧力で砥石54に向けて噴射され、これによって砥石54は回転数5000rpm以上で効率良く高速回転し、1000〜1500m/minの周速が得られる。
【0028】
そして、スライドテーブル36とともに砥石台40が矢印Xの方向に移動され、砥石54は、待機位置Aからベーン取付溝3を通過した研削終了位置Bまで移動される。このとき、砥石支持アーム44が貫通孔2内に入るとともに砥石54がベーン取付溝3内に入り、ベーン取付溝3の対向する両側壁面4が、砥石54の両側面の砥粒74および76によって同時に研削される。そしてさらに、砥石54は研削終了位置Bから待機位置Aまで移動され、ベーン取付溝3は往復で2回研削される。なお、砥石台40の矢印X方向の移動速度は、研削条件に合わせて適宜に変速設定可能である。
上述のようにして1つのシリンダ1に対する研削が終了する。そして、研削済みのシリンダ1をつぎの研削待ちのシリンダ1と交換し、上述のような研削を繰り返す。
【0029】
このような研削装置10によれば、砥石54は基台42から突出して設けられる砥石支持アーム44に支持されるため、シリンダ1の貫通孔2内というスペースの制約がある場所であっても砥石54を入れてベーン取付溝3を研削することができる。また、砥石54は流体50が噴射されることによって回転駆動し、流体50は狭い隙間からでも容易に排出される。したがって、シリンダ1の貫通孔2内という狭いスペースの下でも流体50を高圧噴射することができ、砥石54を所望の周速で高速回転させることができる。このため、研削精度が向上するとともに、砥石54の磨耗度が低下し砥石の寿命を長くできるのでコストを低くおさえることができる。
【0030】
また、流体供給装置14で流体50が供給されることによって砥石54が回転駆動するため、たとえばベルトや歯車などのような駆動力伝達部材の耐久性に制限されることなく高速で砥石を回転駆動させることができる。また、上述のような駆動力伝達部材を必要としないため装置10をシンプルに構成できる。したがって、駆動力を伝達するベルトや歯車などが磨耗、損傷するということがないため、コストを低くおさえることができる。
【0031】
さらに、突起54が流体50を受け止めるため、流体50の運動エネルギーが効率良く砥石54に伝達される。したがって、砥石54を高速で回転させることができるとともに、流体供給装置14の作動に必要なコストを低くおさえることができる。また、突起78が凹部80を備え、さらに凹部80が湾曲面82を有するため、供給された流体50が凹部80の湾曲面82によってより確実に受け止められる。したがって、流体50の運動エネルギーがさらに効率良く砥石54に伝達され、砥石54は高速で回転することができる。
【0032】
また、流体50は、狭いスペースの下で砥石54に供給されても狭い隙間からでも容易に排出されるため、研削の妨げになることがない。さらに、この実施形態では流体50としてクーラントを使用しており、流体50は砥石54に回転駆動力を与えるのみならず、クーラントとしての役割をも果たすため、精度を向上させることができるとともにシリンダ1のベーン取付溝3の側壁面4の表面粗さを向上させることができる。また、流体50は回収して繰り返し使用可能なため、省エネルギー化を図ることができコストを低くおさえることができる。
【0033】
また、砥石54が回転軸66を一体的に備えるため、台板72の両側面に間座を設ける必要がない。したがって、回転軸66の両端部をそれぞれ軸受け68および70に嵌め合わせるのみでよい。このように砥石54の取り付け作業が非常に容易となる。なお、砥石支持アーム44から砥石54を取り外す場合も同様のことがいえる。
【0034】
なお、砥石54の両側面の砥粒74および76の研削面同士の幅を、ベーン取付溝3の仕上げ寸法幅よりも小さく設定することによって、つぎのような研削をすることができる。
まず、待機位置Aから研削終了位置Bへの往路でベーン取付溝3の一方の側壁面4を研削し、砥石54が研削終了位置Bにある状態のままでスライドテーブル18を矢印Yの方向に所定量移動し、研削終了位置Bから待機位置Aへの復路で他方の側壁面4を研削する。これによれば、ベーン取付溝3の仕上げ寸法幅を任意の寸法に仕上げることができる。
【0035】
また、突起78が砥石54の外周面に設けられるピッチは、適宜に設計するとよい。さらに、突起78は、歯車の歯状に形成されてもよい。
流体50は、水溶性クーラントを用いることに限定されず、油性クーラントを用いてもよく、または空気などの気体を用いてもよい。流体50としてたとえば空気を用いれば、身近で安価に入手できかつ容易に利用できる上に、環境汚染を防止できる。
流体50は、上述のように高圧噴射される場合に限定されず、砥石54を回転駆動させるのに必要な標準気圧以上の圧力で供給されればよい。
【0036】
また、上述の実施形態では、砥石54を移動させることによって研削を行うが、これに限定されず、シリンダ1をクランプするクランプ装置を砥石54に対して移動させることによって研削してもよい。
また、研削装置10は、図8に示すようなシリンダ1のベーン取付溝3の研削に使用されることに限定されるものではなく、砥石54が被研削体の内部に入って研削を行う必要のあるその他の加工面の研削に使用されても有効な効果を奏するものである。
なお、上述のようなバリエーションは、研削装置10に後述する砥石100または120を用いた場合にも同様に適用できる。
【0037】
つぎに、図6を参照して、この発明の他の実施形態に用いられる砥石100について説明する。なお、上述の砥石54と同様の構成については詳しい説明を省略するとともに、説明の便宜上同じ符号を使用する。
砥石100は、円板形の台板102と、台板102の外周部両側面に設けられる砥粒74および76とを備える。
台板102は、外周面に等間隔おきに設けられる突起78と、ボス104とを含む。
ボス104は、砥粒74の研削面と砥粒76の研削面との間隔よりも、回転軸106と平行方向の幅が厚く形成される。
【0038】
ボス104と回転軸106との間には、転動体として機能する単列の玉を有する2つの単列玉軸受け108および110が介装される。
回転軸106の両端部は、アーム本体56とカバー58とによって支持される。
軸受け108の内輪とアーム本体56との間には間座112が配置され、軸受け110の内輪とカバー58との間には間座114が配置され、砥石100が回転軸106と平行方向へずれるのを防止できる。
【0039】
これによって、砥石100は、回転軸106の回りを軸受け108および110を介して回転する。砥石100がベーン取付溝3の側壁面4の研削を行うとボス104にスラスト方向(回転軸106と平行方向)の荷重がかかるが、ボス104はスラスト方向に配列された2つの軸受け108および110によって支持されるため、スラスト方向の荷重に対する耐久力が大きい。したがって、砥石100の研削面が傾くのを抑制でき、精度よく研削することができる。
【0040】
なお、軸受けは、上述のように複数の単列の軸受け108および110であることに限定されず、複列の転動体を有する1つまたは複数の軸受けであってもよい。さらには、単列の軸受けと複列の軸受けとをともに用いてもよい。また、軸受けは、玉軸受けに限定されず、転動体を有する軸受けであればよく、たとえばコロ軸受けであってもよい。
【0041】
つぎに、図7を参照して、この発明のさらに他の実施形態に用いられる砥石120について説明する。なお、上述の砥石54または100と同様の構成については詳しい説明を省略するとともに、説明の便宜上同じ符号を使用する。
砥石120は、円板形の台板122と、台板122の外周部両側面に設けられる砥粒74および76とを備える。
台板122は、外周面に等間隔おきに設けられる突起78と、ボス124とを含む。
ボス124は、砥粒74の研削面と砥粒76の研削面との間隔と比較して、回転軸106と平行方向の幅が同じ若しくは小さく形成される。
【0042】
ボス124と回転軸106との間には、1つの単列玉軸受け126が介装される。
軸受け126の内輪とアーム本体56との間には間座128が配置され、軸受け126の内輪とカバー58との間には間座130が配置されて、砥石120が回転軸106と平行方向へずれるのを防止できる。
【0043】
これによって、砥石120は、回転軸106の回りを軸受け126を介して回転する。砥石120がベーン取付溝3の側壁面4の研削を行うとボス124にスラスト方向の荷重がかかるが、台板122と回転軸106との間には転動体が1列のみ介在するため、スラスト方向の荷重に対抗する力が弱くなり、砥石120の研削面をベーン取付溝3の側壁面4に倣わせることができる。したがって、効果的にベーン取付溝3の側壁面4の表面粗さを向上させることができる。
なお、軸受け126は、玉軸受けに限定されず、転動体を有する軸受けであればよく、たとえばコロ軸受けであってもよいことは、上述の軸受け108および110と同様である。
【0044】
【発明の効果】
この発明によれば、流体が供給されることによって砥石が回転駆動するため、たとえばベルトや歯車などのような駆動力伝達部材の耐久性に制限されることなく高速で砥石を回転駆動させることができる。また、上述のような駆動力伝達部材を必要としないため装置をシンプルに構成できる。したがって、駆動力を伝達するベルトや歯車などが磨耗、損傷するということがないため、コストを低くおさえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る研削装置を示す正面図である。
【図2】図1に示す研削装置のうちの砥石ユニットを示す平面図である。
【図3】使用状態における要部拡大断面図である。
【図4】(a)は図1に示す研削装置の要部拡大図であり、(b)はその底面図である。
【図5】砥石の突起を示す拡大斜視図である。
【図6】他の実施形態の使用状態における要部拡大断面図である。
【図7】さらに他の実施形態の使用状態における要部拡大断面図である。
【図8】この発明が効果的に適用される被研削体の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 貫通孔
3 ベーン取付溝
10 研削装置
12 砥石ユニット
14 流体供給装置
40 砥石台
42 基台
44 砥石支持アーム
54,100,120 砥石
66,106 回転軸
68,70,108,110,126 軸受け
72,102,122 台板
74,76 砥粒
78 突起
80 凹部
82 湾曲面

Claims (12)

  1. 砥石台、
    被研削体を研削するために前記砥石台に回転自在に支持されかつ流体が直接供給されることによって回転駆動する砥石、および
    前記砥石に前記流体を直接供給する流体供給手段を備える、研削装置。
  2. 砥石台、
    被研削体を研削するために前記砥石台に回転自在に支持されかつ外周面に突起を有し当該突起に流体が供給されることによって回転駆動する砥石、および
    前記砥石の前記突起に前記流体を供給する流体供給手段を備える、研削装置。
  3. 前記砥石台は、基台と、前記砥石を支持する砥石支持アームとを含み、
    前記砥石支持アームは、前記被研削体の内部に入って前記被研削体を研削する前記砥石を支持するために前記基台から突出して設けられる、請求項1または2に記載の研削装置。
  4. 前記突起は、湾曲面を含む凹部を有する、請求項に記載の研削装置。
  5. 前記砥石は回転軸を一体的に備える、請求項1から4のいずれかに記載の研削装置。
  6. さらに、前記砥石が取り付けられる回転軸、および前記砥石と前記回転軸との間に設けられる軸受けを備え、
    前記軸受けは、単列の転動体を有する複数の軸受けおよび複列の転動体を有する軸受けのうち少なくともいずれか一方を含む、請求項1から4のいずれかに記載の研削装置。
  7. さらに、前記砥石が取り付けられる回転軸を備え、
    単列の転動体を有する軸受けが前記砥石と前記回転軸との間に1つだけ設けられる、請求項1から4のいずれかに記載の研削装置。
  8. 前記流体は、液体および気体の少なくともいずれか一方を含む、請求項1から7のいずれかに記載の研削装置。
  9. 砥石台、および
    被研削体を研削するために前記砥石台に回転自在に支持されかつ流体を直接受けることによって回転駆動される砥石を備える、砥石ユニット。
  10. 砥石台、および
    被研削体を研削するために前記砥石台に回転自在に支持されかつ外周面に突起を有し当該突起に流体が供給されることによって回転駆動する砥石を備える、砥石ユニット。
  11. 砥石によって被研削体を研削する研削方法であって、
    前記被研削体を固定する第1工程、
    前記砥石に流体を直接供給することによって前記砥石を回転駆動させる第2工程、および
    前記砥石を前記被研削体に対して相対移動させて前記砥石によって前記被研削体を研削する第3工程を備える、研削方法。
  12. 外周面に突起を有する砥石によって被研削体を研削する研削方法であって、
    前記被研削体を固定する第1工程、
    前記砥石の前記突起に流体を供給することによって前記砥石を回転駆動させる第2工程、および
    前記砥石を前記被研削体に対して相対移動させて前記砥石によって前記被研削体を研削する第3工程を備える、研削方法。
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