JP3631263B2 - ブラウン管ガラス成型用プランジャー - Google Patents
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- C03B11/10—Construction of plunger or mould for making hollow or semi-hollow articles
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- C03B11/125—Cooling
- C03B11/127—Cooling of hollow or semi-hollow articles or their moulds
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、TV、CRT用のブラウン管ガラスバルブを構成するパネル、ファンネル等をプレス成型するためのブラウン管ガラス成型用プランジャーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パネル、ファンネル等のTV、CRT用のブラウン管ガラスを成型する装置の例として図4に示す構造のものが使用されている。
【0003】
すなわち、ブラウン管ガラスのパネルは所定量の溶融ガラス塊(ゴブ)100を、ボトム金型101とシェル金型102を組み合わせたモールド内に充填保持し、押し型(プランジャー)103を下降して所望形状のガラス製品がプレス成型して得られる。成型されたブラウン管ガラス製品であるパネル104は、緩やかな凸状曲面を有する前部プレート部105、それから急激に屈曲するコーナー部106、それにつながるフランジ部(側周壁部)107からなり、フランジ部107の上端はシールエッジ108となっている。
【0004】
一方、ガラスを成型するプランジャー103は、ガラスの前部プレート部105を成型する前部成型面109、コーナー成型面110、側周成型面111からなる。このような装置によるガラスのプレス成型では、ガラス製品の内表面の曲率形状、割れ、皺などに関して厳しい品質が要求されている。プランジャー103の温度分布がその品質を左右する。
【0005】
従来、プランジャーの成型面の温度分布を制御するために採られていたプランジャー内部の冷却構造を図5に示す。従来の冷却構造は、プランジャー103の内部に、成型面109、110、111に沿って冷却用空洞112が設けられている。冷却水、冷却用空気、ミストなどの冷却媒体をプランジャー103上部よりプランジャー103内部の分配室113へいったん供給し、分配室113の各所に設けられた穴またはノズル114より前記冷却空洞112へ分配される。冷却媒体は、成型面109、110、111を冷却した後、排出口115より流出するようになっている。
【0006】
さらに、冷却用空洞112内に空洞を拡張した部分である冷却室116を設け、テフロン(商品名)、アスベスト等の断熱板117を押さえ板118を用いて側周成型面111の内側に取り付けている。これにより、コーナー成型面110の冷却を強め、側周成型面111が過冷却にならないようにしている。
【0007】
上記のような構造にもかかわらず、側周成型面111、特にパネル104のシールエッジ108付近の温度が過冷却状態となり、フランジ部107付近の温度も下がり、フランジ部107上方内側およびシ−ルエッジ108にクラックや表面皺が発生する原因となっている。これは、コーナー成型面110を冷却するた めの冷却室116が側周成型面111と近いために、温度を下げたくない側周成型面111も同時に冷却してしまうからである。
【0008】
そこで冷却媒体の流量や流速を減らすことにより、側周成型面111の温度を上げる試みを行うと、冷却室116の冷却効果が下がり、コーナー成型面110の温度が上がりすぎガラスと接着しやすい状態になる。また表面の酸化が局所的に著しく進行してしまう。このため、プランジャー103を引き上げる際に、減圧効果と相俟ってガラスを付着してガラスを隆起させ、前部プレート部105に変形が生じ所望の曲率形状が得られなくなる。また、コーナー部106の酸化された部分に局所的な表面性状の差が生じたりする。
【0009】
特公昭53−97014号公報により、側周成型面111のパネル104のシールエッジ付近の過冷却状態を改善するために、当該部分のプランジャー内部にニクロム線等の発熱体を埋め込む方法が知られている。しかし、プランジャーは元来プレス動作に伴い昇降運動を繰り返すため、ニクロム線等の発熱体は断線しやすいこと、ニクロム線等の発熱体は内部に埋め込んで使用するため保守、点検がしにくいこと、また部分的に加熱する装置であるためプランジャー側周成型面の温度差を根本的に解決できないものであること、等の欠点がある。
【0010】
また、特開平5−155633号公報により、温度制御を目的として、被成形材に接触する使用面部の外側または内側に、冷却媒体に接触する熱伝導性に優れた材質で作られた放熱部を有するようなガラス容器成型用金型が知られている。しかし、冷却媒体に放熱部が直接接触するために、冷却効率は向上されているものの金型全体での温度差を改善させる効果はない。ブラウン管ガラス成型用プランジャーに適用した場合、側周成型面の温度差はむしろ大きくなり、ガラス製品を成型する上で上記欠点を抑制する機能はない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したように、プランジャー成型面各部の大きな温度差に起因する成型上の問題点、すなわちプレス成型されたガラス製品に発生する上記各種欠点を解消することを目的としている。具体的構成としては、側周成型面111からコーナー成型面110にかけて、熱伝導層と断熱層をプランジャー103に積層内蔵することを特徴としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の問題点を解消すべくなされたものであり、プランジャーの側周成型面の内部に、熱伝導性の良好な金属層または合金層からなる熱伝導層と、断熱層とを前記側周成型面の厚み方向に積層内蔵させてなり、前記熱伝導層が外側に、前記断熱層が内側に、設けられていることを特徴とするブラウン管ガラス成型用プランジャーを提供する。
【0013】
本発明において、前記熱伝導層と断熱層とからなる積層部の上部に、前記積層部を覆い保護する保護部を設けることが好ましく、また前記熱伝導層の熱伝導率は50W・m −1 ・K −1 以上であり、前記断熱層の熱伝導率は20W・m −1 ・K −1 以下であることが好ましい。
【0014】
前記熱伝導層としては銅、銀、金、アルミニウム等の熱伝導性の良好な金属層または銅合金、アルミニウム合金等の合金層が好ましい。また前記断熱層としては、断熱性の良好なセラミックス、レンガ、樹脂、ガラス、ガラス繊維、テフロン(商品名)、アスベスト等からなる断熱層または空気、窒素等の気体を用いた断熱層が好ましい。
【0015】
前記保護部は、前記側周成型面内部の積層部の上部に設けられ、ステンレス鋼等の材料から構成される。前記熱伝導層の熱伝導率は成型に適した温度域に設定するため50W・m −1 ・K −1 以上が好ましく、前記断熱層の熱伝導率は過剰な冷却効果を側周成型面に及ぼさないために20W・m −1 ・K −1 以下が好ましい。成型面温度の分布は、積層部の各層の厚みおよび長さによっても調整することができる。
【0016】
【作用】
従来のプランジャーではコーナー成型面は過熱傾向であり、側周成型面は過冷却傾向にある。このため、本発明のプランジャーでは、コーナー成型の過熱分の熱量を側周成型面の過冷却部分に、熱伝導性の良い材料でできた層を利用して輸送する。このため、コーナー成型面および側周成型面温度を均一な温度分布にすることができる。しかし熱伝導性の良い層が冷却媒体に接すると、均一な温度分布であるコーナー成型面および側周成型面温度は過冷却になる。このため、断熱層を熱伝導性の良い層と冷却媒体との間に積層内蔵することによって、最適な温度を得ることができる。
【0017】
また、プランジャーを本体と前記積層部を覆い保護する保護部(図2の保護部121に相当)とに分割し、積層部を常時点検および交換可能にすることにより、積層部各層の厚みや長さ、材料等を変化させることが容易で、所望の温度に調整することができる。また内蔵している金属、合金、気体等が外部に流出したり、金属、合金の酸化物が製品に接触することを防止できる。さらに冷却媒体が積層各層を構成している金属、合金、気体等に直接接触することがないため、酸化等の変質による金型全体の性能の劣化を完全に防ぐことができる。
【0018】
【実施例】
図1に本発明の実施例を示す。熱伝導層119に銅を用い、断熱層120として空気断熱層を用いた。側周成型面111の内部に、コーナー成型面110付近から側周成型面111にかけて、熱伝導層119とさらに厚み方向のその内側に断熱層120を配して置く。また積層部の上部に設けた保護部121により積層部を保護する。
【0019】
銅の熱伝導率は約370W・m −1 ・K −1 であり、空気のそれは約0.03W・m −1 ・K −1 である。上記のような構成とすることにより、従来のプランジャーに比較してコーナー成型面の過熱を防止できるため、ガラス表面の曲率形状を精度良く成型することが可能となり、側周成型面の温度が上昇するため、ガラスの割れ、皺等の発生を防止することが可能となった。
【0020】
また図2のように積層部を材料により3層以上にしたり、長さを変化させることにより所望の温度分布にすることができる。図3のように、平面方向にも積層部122を任意の位置や長さに設置することにより、3次元的に温度分布を任意に設定できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、従来ガラスのプレス成型上問題であった、プランジャーの側周壁部の過冷却とコーナー成型部の過熱によるパネルガラスのシールエッジ部のクラックや、前面プレート部の変形等の諸問題を解決することができ、プランジャーの温度分布を任意に変化させて最適化を図ることができる。
【0022】
積層部各層の厚み、長さ、熱伝導率を適切に選択することで、本発明によるプランジャーの成型面の温度は従来のそれと比較して、側周成型面、コーナー成型面とも約200℃の操作範囲にあることが分かった。すなわち、積層部の各層の厚み、長さ、熱伝導率を選択すると、約200℃程度の温度範囲を任意に設定できるということであり、最適化できる温度範囲が従来よりも広くなった。この最適化できる温度範囲が広いという特徴を用いて、ガラス成型の諸問題を一挙に解決できる。
【0023】
また積層部を有する本体部分と保護部とに分割することにより、積層部を構成する金属、合金、気体等と冷却媒体とを完全に分離できるため、酸化等による金型の劣化を防止できるので、長期にわたって安定的な成型が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として、熱伝導層に銅を用い、断熱層として空気断熱層を用いたプランジャー内部の冷却構造を示す側断面図。
【図2】本発明の他の実施例として、積層部を3層にしてそれらの長さを変化させることにより所望の温度分布に設定する例を示す、プランジャー内部の冷却構造の側断面図。
【図3】本発明の他の実施例として、積層部を全周ではなく部分的に設けた場合の例を示す、プランジャー内部の冷却構造の平面断面図。
【図4】従来のブラウン管ガラス成型用プランジャーおよび金型からなる装置ならびにそれによって成型されたパネルの基本構成を示す側面図。
【図5】従来のプランジャーの成型面の温度分布を制御するために採られていたプランジャー内部の冷却構造を示す側断面図。
【符号の説明】
111:側周成型面
119:熱伝導層
120:断熱層
121:保護部
【産業上の利用分野】
本発明は、TV、CRT用のブラウン管ガラスバルブを構成するパネル、ファンネル等をプレス成型するためのブラウン管ガラス成型用プランジャーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パネル、ファンネル等のTV、CRT用のブラウン管ガラスを成型する装置の例として図4に示す構造のものが使用されている。
【0003】
すなわち、ブラウン管ガラスのパネルは所定量の溶融ガラス塊(ゴブ)100を、ボトム金型101とシェル金型102を組み合わせたモールド内に充填保持し、押し型(プランジャー)103を下降して所望形状のガラス製品がプレス成型して得られる。成型されたブラウン管ガラス製品であるパネル104は、緩やかな凸状曲面を有する前部プレート部105、それから急激に屈曲するコーナー部106、それにつながるフランジ部(側周壁部)107からなり、フランジ部107の上端はシールエッジ108となっている。
【0004】
一方、ガラスを成型するプランジャー103は、ガラスの前部プレート部105を成型する前部成型面109、コーナー成型面110、側周成型面111からなる。このような装置によるガラスのプレス成型では、ガラス製品の内表面の曲率形状、割れ、皺などに関して厳しい品質が要求されている。プランジャー103の温度分布がその品質を左右する。
【0005】
従来、プランジャーの成型面の温度分布を制御するために採られていたプランジャー内部の冷却構造を図5に示す。従来の冷却構造は、プランジャー103の内部に、成型面109、110、111に沿って冷却用空洞112が設けられている。冷却水、冷却用空気、ミストなどの冷却媒体をプランジャー103上部よりプランジャー103内部の分配室113へいったん供給し、分配室113の各所に設けられた穴またはノズル114より前記冷却空洞112へ分配される。冷却媒体は、成型面109、110、111を冷却した後、排出口115より流出するようになっている。
【0006】
さらに、冷却用空洞112内に空洞を拡張した部分である冷却室116を設け、テフロン(商品名)、アスベスト等の断熱板117を押さえ板118を用いて側周成型面111の内側に取り付けている。これにより、コーナー成型面110の冷却を強め、側周成型面111が過冷却にならないようにしている。
【0007】
上記のような構造にもかかわらず、側周成型面111、特にパネル104のシールエッジ108付近の温度が過冷却状態となり、フランジ部107付近の温度も下がり、フランジ部107上方内側およびシ−ルエッジ108にクラックや表面皺が発生する原因となっている。これは、コーナー成型面110を冷却するた めの冷却室116が側周成型面111と近いために、温度を下げたくない側周成型面111も同時に冷却してしまうからである。
【0008】
そこで冷却媒体の流量や流速を減らすことにより、側周成型面111の温度を上げる試みを行うと、冷却室116の冷却効果が下がり、コーナー成型面110の温度が上がりすぎガラスと接着しやすい状態になる。また表面の酸化が局所的に著しく進行してしまう。このため、プランジャー103を引き上げる際に、減圧効果と相俟ってガラスを付着してガラスを隆起させ、前部プレート部105に変形が生じ所望の曲率形状が得られなくなる。また、コーナー部106の酸化された部分に局所的な表面性状の差が生じたりする。
【0009】
特公昭53−97014号公報により、側周成型面111のパネル104のシールエッジ付近の過冷却状態を改善するために、当該部分のプランジャー内部にニクロム線等の発熱体を埋め込む方法が知られている。しかし、プランジャーは元来プレス動作に伴い昇降運動を繰り返すため、ニクロム線等の発熱体は断線しやすいこと、ニクロム線等の発熱体は内部に埋め込んで使用するため保守、点検がしにくいこと、また部分的に加熱する装置であるためプランジャー側周成型面の温度差を根本的に解決できないものであること、等の欠点がある。
【0010】
また、特開平5−155633号公報により、温度制御を目的として、被成形材に接触する使用面部の外側または内側に、冷却媒体に接触する熱伝導性に優れた材質で作られた放熱部を有するようなガラス容器成型用金型が知られている。しかし、冷却媒体に放熱部が直接接触するために、冷却効率は向上されているものの金型全体での温度差を改善させる効果はない。ブラウン管ガラス成型用プランジャーに適用した場合、側周成型面の温度差はむしろ大きくなり、ガラス製品を成型する上で上記欠点を抑制する機能はない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したように、プランジャー成型面各部の大きな温度差に起因する成型上の問題点、すなわちプレス成型されたガラス製品に発生する上記各種欠点を解消することを目的としている。具体的構成としては、側周成型面111からコーナー成型面110にかけて、熱伝導層と断熱層をプランジャー103に積層内蔵することを特徴としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の問題点を解消すべくなされたものであり、プランジャーの側周成型面の内部に、熱伝導性の良好な金属層または合金層からなる熱伝導層と、断熱層とを前記側周成型面の厚み方向に積層内蔵させてなり、前記熱伝導層が外側に、前記断熱層が内側に、設けられていることを特徴とするブラウン管ガラス成型用プランジャーを提供する。
【0013】
本発明において、前記熱伝導層と断熱層とからなる積層部の上部に、前記積層部を覆い保護する保護部を設けることが好ましく、また前記熱伝導層の熱伝導率は50W・m −1 ・K −1 以上であり、前記断熱層の熱伝導率は20W・m −1 ・K −1 以下であることが好ましい。
【0014】
前記熱伝導層としては銅、銀、金、アルミニウム等の熱伝導性の良好な金属層または銅合金、アルミニウム合金等の合金層が好ましい。また前記断熱層としては、断熱性の良好なセラミックス、レンガ、樹脂、ガラス、ガラス繊維、テフロン(商品名)、アスベスト等からなる断熱層または空気、窒素等の気体を用いた断熱層が好ましい。
【0015】
前記保護部は、前記側周成型面内部の積層部の上部に設けられ、ステンレス鋼等の材料から構成される。前記熱伝導層の熱伝導率は成型に適した温度域に設定するため50W・m −1 ・K −1 以上が好ましく、前記断熱層の熱伝導率は過剰な冷却効果を側周成型面に及ぼさないために20W・m −1 ・K −1 以下が好ましい。成型面温度の分布は、積層部の各層の厚みおよび長さによっても調整することができる。
【0016】
【作用】
従来のプランジャーではコーナー成型面は過熱傾向であり、側周成型面は過冷却傾向にある。このため、本発明のプランジャーでは、コーナー成型の過熱分の熱量を側周成型面の過冷却部分に、熱伝導性の良い材料でできた層を利用して輸送する。このため、コーナー成型面および側周成型面温度を均一な温度分布にすることができる。しかし熱伝導性の良い層が冷却媒体に接すると、均一な温度分布であるコーナー成型面および側周成型面温度は過冷却になる。このため、断熱層を熱伝導性の良い層と冷却媒体との間に積層内蔵することによって、最適な温度を得ることができる。
【0017】
また、プランジャーを本体と前記積層部を覆い保護する保護部(図2の保護部121に相当)とに分割し、積層部を常時点検および交換可能にすることにより、積層部各層の厚みや長さ、材料等を変化させることが容易で、所望の温度に調整することができる。また内蔵している金属、合金、気体等が外部に流出したり、金属、合金の酸化物が製品に接触することを防止できる。さらに冷却媒体が積層各層を構成している金属、合金、気体等に直接接触することがないため、酸化等の変質による金型全体の性能の劣化を完全に防ぐことができる。
【0018】
【実施例】
図1に本発明の実施例を示す。熱伝導層119に銅を用い、断熱層120として空気断熱層を用いた。側周成型面111の内部に、コーナー成型面110付近から側周成型面111にかけて、熱伝導層119とさらに厚み方向のその内側に断熱層120を配して置く。また積層部の上部に設けた保護部121により積層部を保護する。
【0019】
銅の熱伝導率は約370W・m −1 ・K −1 であり、空気のそれは約0.03W・m −1 ・K −1 である。上記のような構成とすることにより、従来のプランジャーに比較してコーナー成型面の過熱を防止できるため、ガラス表面の曲率形状を精度良く成型することが可能となり、側周成型面の温度が上昇するため、ガラスの割れ、皺等の発生を防止することが可能となった。
【0020】
また図2のように積層部を材料により3層以上にしたり、長さを変化させることにより所望の温度分布にすることができる。図3のように、平面方向にも積層部122を任意の位置や長さに設置することにより、3次元的に温度分布を任意に設定できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、従来ガラスのプレス成型上問題であった、プランジャーの側周壁部の過冷却とコーナー成型部の過熱によるパネルガラスのシールエッジ部のクラックや、前面プレート部の変形等の諸問題を解決することができ、プランジャーの温度分布を任意に変化させて最適化を図ることができる。
【0022】
積層部各層の厚み、長さ、熱伝導率を適切に選択することで、本発明によるプランジャーの成型面の温度は従来のそれと比較して、側周成型面、コーナー成型面とも約200℃の操作範囲にあることが分かった。すなわち、積層部の各層の厚み、長さ、熱伝導率を選択すると、約200℃程度の温度範囲を任意に設定できるということであり、最適化できる温度範囲が従来よりも広くなった。この最適化できる温度範囲が広いという特徴を用いて、ガラス成型の諸問題を一挙に解決できる。
【0023】
また積層部を有する本体部分と保護部とに分割することにより、積層部を構成する金属、合金、気体等と冷却媒体とを完全に分離できるため、酸化等による金型の劣化を防止できるので、長期にわたって安定的な成型が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として、熱伝導層に銅を用い、断熱層として空気断熱層を用いたプランジャー内部の冷却構造を示す側断面図。
【図2】本発明の他の実施例として、積層部を3層にしてそれらの長さを変化させることにより所望の温度分布に設定する例を示す、プランジャー内部の冷却構造の側断面図。
【図3】本発明の他の実施例として、積層部を全周ではなく部分的に設けた場合の例を示す、プランジャー内部の冷却構造の平面断面図。
【図4】従来のブラウン管ガラス成型用プランジャーおよび金型からなる装置ならびにそれによって成型されたパネルの基本構成を示す側面図。
【図5】従来のプランジャーの成型面の温度分布を制御するために採られていたプランジャー内部の冷却構造を示す側断面図。
【符号の説明】
111:側周成型面
119:熱伝導層
120:断熱層
121:保護部
Claims (2)
- プランジャーの側周成形面の内部に、金属層または合金層からなる、熱伝導率が50W・m −1 ・K −1 以上の熱伝導層と、熱伝導率が20W・m −1 ・K −1 以下である断熱層とを前記側周成形面の厚み方向に積層内蔵させてなり、前記熱伝導層が外側に、前記断熱層が内側に、設けられていることを特徴とするブラウン管ガラス成型用プランジャー。
- 前記熱伝導層と断熱層とからなる積層部の上部に、前記積層部を覆い保護する保護部を設けた請求項1に記載のブラウン管ガラス成型用プランジャー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00886494A JP3631263B2 (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | ブラウン管ガラス成型用プランジャー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00886494A JP3631263B2 (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | ブラウン管ガラス成型用プランジャー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07220637A JPH07220637A (ja) | 1995-08-18 |
JP3631263B2 true JP3631263B2 (ja) | 2005-03-23 |
Family
ID=11704567
Family Applications (1)
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JP00886494A Expired - Fee Related JP3631263B2 (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | ブラウン管ガラス成型用プランジャー |
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KR100397160B1 (ko) * | 1999-12-14 | 2003-09-06 | 한국전기초자 주식회사 | 패널냉각장치 및 그 제어방법 |
KR100432767B1 (ko) * | 2001-05-21 | 2004-05-24 | 한국전기초자 주식회사 | 음극선관용 플랫패널 성형장치 |
KR20030090109A (ko) * | 2002-05-21 | 2003-11-28 | 한국전기초자 주식회사 | 음극선관용 유리제품 성형장치 |
-
1994
- 1994-01-28 JP JP00886494A patent/JP3631263B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH07220637A (ja) | 1995-08-18 |
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