JP3630745B2 - 空燃比制御系の故障診断方法 - Google Patents

空燃比制御系の故障診断方法 Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、吸入空気量を計測する吸入空気計測系や燃料を供給する燃料供給系の異常を診断する空燃比制御系の故障診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、エンジンの空燃比制御システムにおいては、吸入空気量センサ等の吸入空気計測系やインジェクタ等の燃料供給系の生産時のばらつき、あるいは経時変化による空燃比のずれを迅速に補正するため、O2センサ等の空燃比センサによるフィードバック制御に対して学習制御を取入れ、運転状態が大きく変化した場合にも常に目標空燃比の状態が保持されるようにしている。
【0003】
すなわち、エンジンの定常運転状態において、O2センサによるクローズドループの補正係数すなわち空燃比フィードバック補正係数が、比例積分制御により空燃比リッチ/リーンを所定回数繰返したとき、空燃比フィードバック補正係数の中心値を学習値(オープンループの補正係数)として空燃比学習マップに記憶し、運転状態が変化した場合にも、この学習値を燃料噴射量に反映して上記空燃比フィードバック補正係数の中心が基準値となるよう制御し、空燃比を目標空燃比に保つようにしている。
【0004】
この場合、空燃比制御システムには、例えば、インジェクタの配線に断線あるいは短絡が発生した場合等に対処するため、異常発生を自己診断する機能が備えられており、例えば、特開昭60−252133号公報には、学習補正係数の値が設定値以上のとき、制御装置が異常であると判定する技術が開示されており、また、特開平6−066188号公報には、マップ内の学習済みフラグがセットされているエリア間の学習補正係数の段差が所定のスライスレベルを超えている場合、燃料供給系に異常有りと判定する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料タンクの蒸発燃料を貯留するキャニスタに対してパージ制御を行うキャニスタパージシステムを備えたエンジンにおいては、キャニスタパージ実行による空燃比変化も学習されるため、前述した先行技術のように、ある学習領域内の学習値の偏差によって異常を検出するのみでは、キャニスタパージに伴って学習値が変化したのか、吸入空気計測系や燃料供給系等の空燃比制御系に生じた劣化を補償するために学習値が変化したのかを識別することは困難であり、誤診断を招くおそれがある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、空燃比制御系の劣化による通常の空燃比学習値の変化と蒸発燃料のパージ制御に伴う空燃比学習値の変化とを確実に識別し、的確且つ迅速に異常を検出することのできる空燃比制御系の故障診断方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、空燃比センサの出力に基づく空燃比フィードバック補正量の学習値を記憶する空燃比学習マップに基づいて、キャニスタパージシステムを備えたエンジンの空燃比制御系が異常か否かを診断する空燃比制御系の故障診断方法であって、上記空燃比学習マップにおける学習済みの全領域の学習値の平均値が設定範囲内になく、且つ学習済みの全領域の学習値の平均値とキャニスタパージによる空燃比変化の影響を受けない学習済みの各領域の学習値の平均値との差が設定値より小さい状態が設定時間継続したとき、上記空燃比制御系が異常であると判定することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記各平均値の算出タイミングを、上記空燃比学習マップの学習進行状態に応じて決定することを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1記載の発明では、学習済みの全領域の学習値の平均値が設定範囲内にないとき、空燃比学習マップの学習済みの全領域の学習値の平均値とキャニスタパージによる空燃比変化の影響を受けない学習済みの各領域の学習値の平均値との差を算出し、この差が設定値より小さい状態が設定時間継続したとき、空燃比制御系が異常であると判定する。
【0010】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、空燃比学習マップの学習進行状態に応じたタイミングで上記各平均値の差を算出し、診断を行う。
【0011】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図面は本発明の一実施例を示し、図1は故障診断ルーチンを示すフローチャート、図2及び図3は空燃比学習ルーチンのフローチャート、図4はエンジン制御系の概略構成図、図5は電子制御系の回路構成図、図6は定常状態判定マトリックスと空燃比学習マップと学習済みフラグマップと学習進行フラグマップとの関係を示す説明図である。
【0012】
図4において、符号1はエンジンであり、図においては水平対向4気筒型エンジンを示す。このエンジン1のシリンダヘッド2に形成された各吸気ポート2aにインテークマニホルド3が連通され、このインテークマニホルド3にエアチャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連通され、このスロットルチャンバ5上流側に吸気管6を介してエアクリーナ7が取付けられている。
【0013】
また、上記吸気管6の上記エアクリーナ7の直下流に、ホットワイヤ式あるいはホットフィルム式等の吸入空気量センサ8が介装され、さらに、上記スロットルチャンバ5に設けられたスロットルバルブ5aに、スロットル開度を検出するスロットル開度センサとスロットルバルブ全閉でONするアイドルスイッチとを内蔵したスロットルセンサ9が連設されている。
【0014】
また、上記スロットルバルブ5aの上流側と下流側とを連通するバイパス通路10に、アイドルスピードコントロール(ISC)バルブ11が介装され、上記インテークマニホルド3の各気筒の各吸気ポート2a直上流側に、インジェクタ12が臨まされている。
【0015】
さらに、先端を燃焼室に露呈する点火プラグ13aが上記シリンダヘッド2の各気筒毎に取付けられ、上記点火プラグ13aに連設される点火コイル13bにイグナイタ14が接続されている。
【0016】
上記インジェクタ12は、燃料供給路15を介して燃料タンク16に連通されており、この燃料タンク16内にはインタンク式の燃料ポンプ17が設けられている。この燃料ポンプ17からの燃料は、上記燃料供給路15に介装された燃料フィルタ18を経て上記インジェクタ12、プレッシャレギュレータ19に圧送され、このプレッシャレギュレータ19から上記燃料タンク16にリターンされて上記インジェクタ12への燃料圧力が所定の圧力に調圧される。
【0017】
また、上記燃料タンク16の上部には、フロートバルブからなるフューエルカットバルブ20が設けられ、このフューエルカットバルブ20から蒸発燃料ガス放出通路21が延出されている。この蒸発燃料ガス放出通路21には、2個のボールバルブと2ウエイバルブとが内蔵されたロールオーババルブ22が介装され、活性炭等からなる吸着部を備えたキャニスタ23に連通されている。さらに、このキャニスタ23は、リニアソレノイドバルブ等からなるキャニスタパージコントロール(CPC)バルブ24を介して吸気系(上記スロットルバルブ5a全閉状態でスロットルバルブ5aの直下流位置)に連通されている。
【0018】
上記燃料タンク16内で発生した蒸発燃料は、上記フューエルカットバルブ20により上記蒸発燃料ガス放出通路21への液体分の流入が阻止され、気体分のみが上記蒸発燃料ガス放出通路21へ放出される。そして、上記蒸発燃料ガス放出通路21へ放出された蒸発燃料ガスの圧力が上記ロールオーババルブ22内の2ウエイバルブの設定圧を越えると、この2ウエイバルブを通って上記キャニスタ23内の活性炭に吸着される。
【0019】
上記キャニスタ23内に貯えられた蒸発燃料ガスは、上記CPCバルブ24を介して吸気系に導かれ、エンジン1の燃焼室内に吸入される。尚、上記CPCバルブ24は、後述する電子制御装置40からの駆動信号のデューティ比に応じて弁開度が制御される。
【0020】
また、上記ロールオーババルブ22は、万一の場合の車輌横転に対して2個のボールバルブにより上記燃料タンク16からの燃料漏れを防止する安全装置の役目を果たすと同時に、通常時は2ウエイバルブとして働き、上記燃料タンク16の内圧が設定圧以上に高くなると、蒸発燃料ガスを上記キャニスタ23に解放し、逆に、上記燃料タンク16内が規定以上の負圧になると、上記キャニスタ23から大気を上記燃料タンク16内に導き、タンク内圧を常に所定範囲内に保って上記燃料タンク16の変形を防止するようになっている。
【0021】
また、上記エンジン1のシリンダブロック1aにノックセンサ25が取付けられるとともに、このシリンダブロック1aの左右バンクを連通する冷却水通路26に冷却水温センサ27が臨まされている。さらに、上記シリンダヘッド2の排気ポート2bに連通するエグゾーストマニホルド28の集合部に、空燃比センサとしてのフロントO2センサ(FO2センサ)29aが臨まされ、このFO2センサ29aの下流側にフロント触媒コンバータ30aが介装されている。このフロント触媒コンバータ30aの直下流にはリア触媒コンバータ30bが介装され、このリア触媒コンバータ30bの下流側に、同じく空燃比センサとしてのリアO2センサ(RO2センサ)29bが臨まされている。
【0022】
尚、上記RO2センサ29bは、例えば、触媒劣化診断等のために設けられ、上記FO2センサ29aの出力と上記RO2センサ29bの出力との比較結果に基づいて触媒の劣化診断が行なわれる。
【0023】
また、上記シリンダブロック1aに支承されたクランクシャフト1bに、クランクロータ31が軸着され、このクランクロータ31の外周に、所定のクランク角に対応する突起(あるいはスリット)を検出する磁気センサ(電磁ピックアップ等)あるいは光センサ等からなるクランク角センサ32が対設されている。さらに、上記シリンダヘッド2のカムシャフト1cにカムロータ33が連設され、このカムロータ33に、同じく磁気センサあるいは光センサ等からなる気筒判別用のカム角センサ34が対設されている。
【0024】
一方、図5において、符号40は電子制御装置(ECU)であり、CPU41、ROM42、RAM43、バックアップRAM44、及び、I/Oインターフェース45がバスライン46を介して互いに接続されたマイクロコンピュータを中心として構成され、その他、安定化電圧を各部に供給する定電圧回路47、上記I/Oインターフェース45の出力ポートからの信号によりアクチュエータ類を駆動する駆動回路48、センサ類からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器49等の周辺回路が組み込まれている。
【0025】
上記定電圧回路47は、ECUリレー50のリレー接点を介してバッテリ51に接続され、このバッテリ51に、上記ECUリレー50のリレーコイルがイグニッションスイッチ52を介して接続されている。また、上記定電圧回路47は、直接、上記バッテリ51に接続されており、上記イグニッションスイッチ52がONされてECUリレー50のリレー接点が閉となったとき、上記定電圧回路47から各部へ電源が供給される一方、上記イグニッションスイッチ52のON,OFFに拘らず、常時、上記バックアップRAM44にバックアップ用の電源が供給される。
【0026】
また、上記I/Oインターフェース45の入力ポートには、クランク角センサ32、カム角センサ34が接続されるとともに、吸入空気量センサ8、スロットルセンサ9、ノックセンサ25、冷却水温センサ27、FO2センサ29a、RO2センサ29b、及び、車速センサ35が上記A/D変換器49を介して接続され、さらに、このA/D変換器49に上記バッテリ51からの電圧VBが入力されてモニタされる。
【0027】
一方、上記I/Oインターフェース45の出力ポートには、イグナイタ14が接続されるとともに、上記駆動回路48を介して、ISCバルブ11、インジェクタ12、CPCバルブ24、及び、図示しないインストルメントパネルに配設され、各種警報を集中して表示するMILランプ53が接続されている。
【0028】
上記ROM42には、エンジン制御プログラムや各種の故障診断プログラム、、マップ類等の固定データが記憶されており、また、上記RAM43には、各センサ類、スイッチ類の出力信号を処理した後のデータ、及び上記CPU41で演算処理したデータが格納されている。また、上記バックアップRAM44には、後述する空燃比学習マップを初めとする各種制御用データ、トラブルを示すデータ等がストアされており、上記イグニッションスイッチ52がOFFのときにもデータが保持される。
【0029】
尚、上記バックアップRAM44のトラブルデータは、ECU40にコネクタ54を介して携帯型故障診断装置であるシリアルモニタ60を接続することで外部に読み出すことができる。このシリアルモニタ60は、本出願人が先に提出した特開平2−73131号公報に詳述されている。
【0030】
上記CPU41では上記ROM42に記憶されている制御プログラムに従って、燃料噴射量、点火時期、ISCバルブ11の駆動信号のデューティ比、CPCバルブ24の駆動信号のデューティ比等を演算し、空燃比学習制御、点火時期制御、アイドル回転数制御、キャニスタパージ制御等の各種制御を行なう。
【0031】
空燃比フィードバック制御においては、クランク角センサ32の出力信号に基づくエンジン回転数NEと、吸入空気量センサ8の出力信号に基づく吸入空気量Qとから、基本燃料噴射量(基本燃料噴射パルス幅)Tpを算出し(Tp=K×Q/NE;K…インジェクタ特性補正定数)、この基本燃料噴射量Tpを、FO2センサ29aの出力に基づいて設定される空燃比フィードバック補正量としての空燃比フィードバック補正係数LAMBDA、冷却水温センサ27、スロットルセンサ9からの信号に基づいて設定される各種増量分補正係数COEFによって空燃比補正する。
【0032】
さらに、バックアップRAMの空燃比学習値マップを参照して得られる空燃比学習値KLRから補間計算により空燃比学習補正係数KBLRCを設定し、この学習補正係数KBLRCによって上記基本燃料噴射量Tpを学習補正するとともに、バッテリ51の端子電圧VBに基づいてインジェクタ12の無効噴射時間を補間する電圧補正係数TSにより電圧補正し、最終的な燃料噴射量(燃料噴射パルス幅)Tiを設定する(Ti←Tp×COEF×KBLRC×LAMBDA+TS)。そして、この燃料噴射量Tiの駆動信号をインジェクタ12に出力して相応する量の燃料を噴射させ、空燃比を制御する。
【0033】
この場合、上記空燃比学習マップには、吸入空気量センサ等の吸入空気計測系やインジェクタ等の燃料供給系の生産時のばらつき、あるいは経時変化による空燃比のずれ、及び、キャニスタパージの実行に伴う空燃比のずれを学習した結果が記憶されており、エンジン回転数NEとエンジン負荷としての基本燃料噴射量Tpとによって特定される各領域毎に、学習がなされる。尚、キャニスタパージは、例えば、エンジン始動後から設定時間が経過し、冷却水温Twが設定値以上(エンジン暖機完了状態)で、且つ、エンジン回転数NEが設定回転数以上の運転領域で実行される。
【0034】
また、上記CPU41では、上記空燃比学習マップ内の学習状況から空燃比制御系が正常か否かを判定し、異常と判定すると、上記MILランプ53を点灯あるいは点滅して警告を発するとともに、バックアップRAM44に該当するトラブルデータをストアする。
【0035】
次に、ECU40による空燃比制御系の故障診断に係わる処理について、図1〜図3のフローチャートに従って説明する。
【0036】
図2及び図3は、所定時間毎に実行される空燃比学習ルーチンであり、ステップS101で、F/B制御中か否かを判別する。例えば、冷却水温Twが設定値以下のエンジン冷態状態、或いはエンジン回転数NEが設定回転数以上で基本燃料噴射量Tpが設定値以上(スロットル略全開領域)のときには、クローズドループ制御条件不成立と判別し、これ以外のとき、且つ、FO2センサ29a、RO2センサ29bの出力電圧が設定値以上で活性化しているとき、クローズドループ制御条件成立と判別する。
【0037】
そして、F/B制御中と判別したとき、上記ステップS101からステップS102へ進み、F/B制御中でないと判別したときには、ステップS118へジャンプして後述するリッチ/リーン切換り回数をカウントするためのカウント値C1をクリアし(C1←0)、ルーチンを抜ける。
【0038】
ステップS102では、現在のエンジン回転数NEと基本燃料噴射パルス幅Tpとから図6に示す定常状態判定マトリックスMT中の区画位置D1を特定し、この区画位置の領域データ(NE,Tp)NEWが前回のルーチン実行時に特定され、且つ、RAM43にストアされている領域データ(NE,Tp)OLDと同一であるか否かを判別する。
【0039】
その結果、上記ステップS102で、前回の領域データ(NE,Tp)OLDと今回の領域データ(NE,Tp)NEWとが異なるとき、すなわち、ルーチンの実行が初回の実行であるとき、あるいは、前回ルーチン実行時の運転領域と今回ルーチン実行時の運転領域とが同一でなく定常運転状態でないときには、上記ステップS102からステップS117へ進み、今回の領域データ(NE,Tp)NEWを旧データ(NE,Tp)OLDとして((NE,Tp)OLD←(NE,Tp)NEW)RAM43にストアすると、前述のステップS118を経てルーチンを抜ける。
【0040】
一方、上記ステップS102で前回の領域データ(NE,Tp)OLDと今回の領域データ(NE,Tp)NEWとが同一の場合、上記ステップS102からステップS103へ進み、FO2センサ29aの出力電圧VO2を読込んで、この出力電圧VO2の所定時間T0内のリッチ/リーン切換りがあるか否か、すなわち、空燃比がリッチ側からリーン側へ、あるいは、リーン側からリッチ側へ反転したか否かを判別する。
【0041】
そして、上記ステップS103で、所定時間T0内に上記FO2センサ29aの出力電圧VO2の反転がない場合、上記ステップS103から前述のステップS118へ分岐してルーチンを抜け、一方、上記ステップS103で所定時間T0内に上記FO2センサ29aの出力電圧VO2の反転があった場合、上記ステップS103からステップS104へ進んで、カウント値C1をカウントアップする(C1←C1+1)。
【0042】
その後、ステップS105へ進んで、上記カウント値C1が設定値C1S(例えば3)以上となったか否かを判別し、C1<C1Sのとき、定常状態でないと判別してルーチンを抜け、C1≧C1Sのとき、すなわち、エンジン回転数NE及び基本燃料噴射量Tpによる運転状態が略同一であり、且つ、このときFO2センサ29aの出力電圧VO2の反転がC1S回以上あったときには、定常状態と判定してステップS106へ進む。
【0043】
ステップS106では、上記カウント値C1をクリアし(C1←0)、次いで、ステップS107で、FO2センサ29aの出力電圧VO2がスライスレベルをC1S回横切った間の空燃比フィードバック補正係数LAMBDAの極大値及び極小値の平均値LAMBDAAVEを算出すると、ステップS108で、この平均値LAMBDAAVEが基準値LAMBDA0(1.0)から設定範囲内(LAMBDAAVEMIN<LAMBDAAVE<LAMBDAAVEMAX)にあるか否かを調べる。
【0044】
そして、上記ステップS108で、上記平均値LAMBDAAVEが設定範囲外のときにはルーチンを抜け、上記平均値LAMBDAAVEが設定範囲内のとき、ステップS109へ進んで、上記平均値LAMBDAAVEが設定範囲内にある状態を計数するためのカウント値C2をカウントアップし(C2←C2+1)、ステップS110で、このカウント値C2が設定値C2Sに達したか否か、すなわち、定常運転状態で空燃比フィードバック補正係数LAMBDAのリッチ方向のピーク値とリーン方向のピーク値との平均値が基準値より設定範囲内にある状態が設定回数だけ繰り返されているか否かを調べる。
【0045】
そして、上記ステップS110で、C2<C2Sのときにはルーチンを抜け、C2≧C2Sのときには、学習を実施すべくステップS111へ進んでカウント値C2をクリアすると(C2←0)、ステップS112で、平均値LAMBDAAVEの基準値LAMBDA0(1.0)からの偏差量LAMBDADIFを算出し(LAMBDADIF←LAMBDAAVE−1.0)、ステップS113で、エンジン回転数NEと基本燃料噴射量TpとをパラメータとしてバックアップRAM44の空燃比学習値マップMPLRから学習値KLRを検索する。
【0046】
上記空燃比学習マップMPLRは、図6に示すように、エンジン回転数NEとエンジン負荷としての基本燃料噴射量Tpによって形成される各格子毎に、定常運転状態で、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAが空燃比リッチ/リーンを所定回数繰り返した間の平均値と基準値との差に基づいて決定された学習値KLRをストアするものであり、未学習の初期状態では、マップ内のデータはイニシャルセット値により1.0となっている。
【0047】
従って、上記ステップS113からステップS114へ進むと、上記ステップS113で検索した学習値KLRと上記ステップS112で算出した偏差量LAMBDADIFとから学習値KLRを設定し(KLR←KLR+M×LAMBDADIF;Mは学習値更新の比率を決定する定数)、この学習値KLRを上記空燃比学習マップMPLRの該当アドレスに書き込む。
【0048】
次いで、上記ステップS114からステップS115へ進み、上記ステップS114で学習値KLRを書き込んだ上記空燃比学習マップMPLRの格子に対応して、バックアップRAM44の学習済みフラグマップMPFLG1の該当格子の学習済みフラグFLG1を1にセットし、ステップS116で、同様に、上記ステップS114で学習値KLRを書き込んだ上記空燃比学習マップMPLRの格子に対応して、バックアップRAM44の学習進行フラグマップMPFLG2の該当格子の学習進行フラグFLG2を1にセットする。
【0049】
上記学習済みフラグマップMPFLG1及び上記学習進行フラグマップMPFLG2は、図6に示すように、上記空燃比学習マップMPLRと同じ格子を有するマップであり、初期状態では共にマップ内のデータは0であるが、上記学習済みフラグマップMPFLG1には、上記空燃比学習マップMPLRの格子に学習値KLRが書き込まれたとき、対応する格子に1のデータが書き込まれる一方、上記学習進行フラグマップMPFLG2は、後述する図1の故障診断ルーチンによって診断が実行される毎にマップ内の全データが0にクリアされ、その後、上記空燃比学習マップMPLRの格子に学習値KLRが書き込まれると、対応する格子に1のデータが書き込まれる。
【0050】
すなわち、エンジン回転数NEと基本燃料噴射量Tpとをパラメータとして、上記学習済みフラグマップMPFLG1を参照することにより、該当する運転領域が未学習の状態から既に学習が実行されている状態であるか否かを知ることができ、上記学習進行フラグMPFLG2を参照することにより、既学習領域の学習値KLRが再び更新される、あるいは、未学習領域が新たに学習される等して、前回の診断実行後に十分に学習が進行しているか否かを知ることができるのである。
【0051】
以上の空燃比学習ルーチンに対し、所定時間毎に実行される図1の故障診断ルーチンについて説明する。
【0052】
この故障診断ルーチンでは、まず、ステップS201で、学習進行フラグマップMPFLG2のFLG2=1である格子数を計数するカウンタ値CTが設定値PRGZDTより大きいか否かを調べる。そして、CT≦PRGZDTのときには、前回の診断から十分に学習が進行していないと判断して診断を行うことなくルーチンを抜け、CT>PRGZDTのとき、前回の診断から十分に学習が進行していると判断してステップS202以降へ進む。
【0053】
ステップS202では、学習済みフラグマップMPFLG1内のフラグFLG1の値が1である格子に対応して、空燃比学習マップMPLRから学習済みの格子の学習値KLRを全て読み込み、その平均値KLRAVE1を算出する。次いで、ステップS203へ進み、この平均値KLRAVE1が設定範囲内(DISMIN<KLRAVE1<DISMAX)であるか否かを調べる。
【0054】
その結果、上記平均値KLRAVE1が設定範囲内にあるときには、上記ステップS203からステップS204へ進み、上記平均値KLRAVE1が設定範囲内にある条件が満たされた状態の継続時間をカウントするためのカウント値C3をカウントアップし(C3←C3+1)、ステップS205で、このカウント値C3が設定値C3S以上となったか否かを判別する。そして、C3<C3Sのときには、ルーチンを抜け、C3≧C3Sのとき、すなわち、学習済み全領域の平均値KLRAVE1が設定範囲内にある条件が設定時間上継続しているときには、ステップS206で空燃比制御系は正常であると判断し、ステップS207でカウント値C3をクリアして(C3←0)ステップS214へ進む。
【0055】
一方、上記ステップS203で、上記平均値KLRAVE1が設定範囲内にないときには、上記ステップS203からステップS208へ進み、空燃比学習マップMPLRにおいてキャニスタパージの影響を受けにくい領域、例えば、エンジン回転数NEが所定回転数以下のキャニスタパージが実行されない領域で、学習済みとなった全ての格子の学習値の平均値KLRAVE2と、上記平均値KLRAVE1との差(絶対値)ΔKLRAVEを算出する(ΔKLRAVE←|KLRAVE2−KLRAVE1|)。
【0056】
次いで、ステップS209へ進み、上記ステップS208で算出した平均値の差ΔKLRAVEが設定値DIDMDLより小さいか否か、すなわち、キャニスタパージによる空燃比学習マップMPLR内の段差の大きさが設定値以上か否かを調べる。そして、ΔKLRAVE≧DIDMDLのときには、上記ステップS209からステップS214へジャンプし、ΔKLRAVE<DIDMDLのとき、ステップS210へ進んで、空燃比学習マップMPLR内の段差が設定値より小さい状態の継続時間をカウントするためのカウント値C4をカウントアップし(C4←C4+1)、ステップS211で、このカウント値C4が設定値C4S以上となったか否かを判別する。
【0057】
その結果、上記ステップ211で、C4<C4Sのときには、ルーチンを抜け、C4≧C4Sのとき、すなわち、学習済み全領域の平均値KLRAVE1が設定範囲内になく、且つ、空燃比学習マップMPLR内の段差が設定値より小さい状態が設定時間以上継続しているときには、ステップS212で、吸入空気計測系あるいは燃料供給系等の空燃比制御系が異常であると判断し、該当するトラブルデータをバックアップRAM44にストアするとともに、MILランプ53を点灯あるいは点滅して警告を発した後、ステップS213でカウント値C4をクリアし(C4←0)、ステップS214へ進む。
【0058】
すなわち、空燃比フィードバック制御中にキャニスタパージが実行されると、空燃比が変化して空燃比フィードバック補正係数LAMBDAが基準値LAMBDA0(=1.0)からずれ、この空燃比フィードバック補正係数LAMBDAの基準値LAMBDA0からのずれが定常運転状態において学習され、空燃比学習値マップMPLR内で、キャニスタパージが実行される領域と実行されない領域との間に段差が生じることになる。
【0059】
従って、空燃比学習マップMPLRにおいて、学習済みの全領域の学習値の平均値KLRAVE1と、キャニスタパージの影響を受けない領域の学習済みの各領域の学習値の平均値KLRAVE2との差を調べることにより、キャニスタパージに伴って学習値が変化したのか、吸入空気計測系や燃料供給系等の空燃比制御系に生じた劣化を補償するために学習値が変化したのかを識別することができ、的確且つ迅速に異常を検出することができるのである。
【0060】
そして、診断後、ステップS214へ進むと、次回の診断までの学習進行状態を調べるためのカウント値CTをクリアし(CT←0)、ステップS215で、学習進行フラグマップMPFLG2内の全データをクリアしてルーチンを抜ける。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、学習済みの全領域の学習値の平均値が設定範囲内にないとき、空燃比学習マップの学習済みの全領域の学習値の平均値とキャニスタパージによる空燃比変化の影響を受けない学習済みの各領域の学習値の平均値との差を算出し、この差が設定値より小さい状態が設定時間継続したとき、空燃比制御系が異常であると判定するため、空燃比制御系の劣化による通常の空燃比学習値の変化と蒸発燃料のパージ制御に伴う空燃比学習値の変化とを確実に識別し、的確且つ迅速に異常を検出することができる。その際、上記各平均値の差を空燃比学習マップの学習進行状態に応じたタイミングで算出することにより、前回の診断から十分に学習が進行していることが保証され、適切な診断結果を得ることができる等優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】故障診断ルーチンを示すフローチャート
【図2】空燃比学習ルーチンのフローチャート
【図3】空燃比学習ルーチンのフローチャート(続き)
【図4】エンジン制御系の概略構成図
【図5】電子制御系の回路構成図
【図6】定常状態判定マトリックスと空燃比学習マップと学習済みフラグマップと学習進行フラグマップとの関係を示す説明図
【符号の説明】
1 エンジン
29a FO2センサ(空燃比センサ)
MPLR 空燃比学習マップ
KLR 学習値
KLRAVE1,KLRAVE2 平均値
ΔKLRAVE 平均値の差

Claims (2)

  1. 空燃比センサの出力に基づく空燃比フィードバック補正量の学習値を記憶する空燃比学習マップに基づいて、キャニスタパージシステムを備えたエンジンの空燃比制御系が異常か否かを診断する空燃比制御系の故障診断方法であって、
    上記空燃比学習マップにおける学習済みの全領域の学習値の平均値が設定範囲内になく、且つ学習済みの全領域の学習値の平均値とキャニスタパージによる空燃比変化の影響を受けない学習済みの各領域の学習値の平均値との差が設定値より小さい状態が設定時間継続したとき、上記空燃比制御系が異常であると判定することを特徴とする空燃比制御系の故障診断方法。
  2. 上記各平均値の算出タイミングを、上記空燃比学習マップの学習進行状態に応じて決定することを特徴とする請求項1記載の空燃比制御系の故障診断方法。
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