JP3630185B2 - 液晶パネルの駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶パネルの駆動方法に関し、特にマトリックス状に画素が配置され、実効値応答する液晶パネルの駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、実効電圧に対して応答するTN(twisted nematic)液晶やSTN(super twisted nematic)液晶を用いた単純マトリックス液晶パネルでは、走査線としての行電極が1本ずつ順次選択されるよう行電極に選択行電圧を印加していき、この行電極の選択と同期して、データ線としての列電極には、選択された行電極上の画素の表示データに対応する列電極電圧を印加する駆動方法、いわゆる線順次駆動方式が採用されている。
【0003】
この線順次駆動方法では、全画面をON表示させるときには、行電極と列電極の交差部に位置する各画素の液晶に、図17(a)に示すような波形の駆動電圧が印加され、また、全画面をOFF表示させるときには、該各画素の液晶に図17(b)に示すような波形の駆動電圧が印加される。ここで、図17(c)は上記波形の駆動電圧を発生させるための同期パルスである。
【0004】
つまり、各画素の液晶には、ON表示の場合、選択電圧波形として1フレーム期間内において、1走査期間のみに走査電圧パルスVopまたは−Vopが印加され、それ以外の期間にはバイアス電圧Vop/aおよび−Vop/aが印加される。ここで、aはバイアス比であり、通常a=√N+1(N:走査線数)に設定される。一方、OFF表示の場合、非選択電圧波形として1フレーム期間内において、1走査期間のみに走査電圧パルス(1−2/a)Vopまたは−(1−2/a)Vopが印加され、それ以外の期間にはバイアス電圧Vop/aおよび−Vop/aが印加される。
【0005】
ところが、この方式では走査線数Nが増大すると、各画素に印加される電圧波形において、走査電圧パルスとバイアス電圧の高低差がますます大きくなるため、高速応答性を有する液晶パネルを駆動した場合、その透過率が印加電圧波形それ自体に応答して変化する現象、いわゆるフレーム応答現象が生じ、コントラストを著しく低下させる原因となっていた。
【0006】
そこで、近年このような液晶表示素子の高速応答性とコントラストとのトレードオフを解消するための駆動方法が次の3つの文献にて提案されている。
【0007】
第1の文献は、T.J.Scheffer,B.Clifton:”Active Addressing Method for High−Contrast Video−Rate STN Displays”,SID 92 DIGEST, p228であり、
第2の文献は、T.N.Ruckmongathan,T.Kuwata,T.Ohnishi,S.Ihara,H.Koh,Y.Nakagawa:”A New Addressing Technique for Fast Responding STN LCDs”,JAPAN DISPLAY’92,p65であり、
第3の文献は、S.Ihara,Y.Sugiyama,Y.Nakagawa:A Color STN−LCD with Improved Contrast,Uniformity,and Response Times”,SID 92 DIGEST,p232である。
【0008】
上記各文献に記載の駆動方法は、いずれも複数本あるいは全数の走査線を同時選択駆動する、つまり対応する複数の走査線に同時に選択電圧波形の駆動信号を印加するものであり、該選択電圧波形では、走査電圧パルスは、ピーク値を持つ複数の行選択パルスとして1フレーム期間内に分散しており、これによりフレーム応答現象を抑制しようとするものである。ここで、行選択パルスは、1フレーム期間をいくつかの期間に等分割した一定周期Tのフレーム分割期間毎に現れる。厳密に言うと、この行選択パルスが現れるのは、フレーム分割期間内の一部(選択期間)であり、それ以外のフレーム分割期間内の期間(非選択期間)には、選択行電圧波形の電圧は0レベルとなる。
【0009】
この駆動方法による画像表示の基本原理は、アダマール行列やウォルシュ行列に代表される直交行列を用いて、画像データの直交変換を行い、該直交変換された画像データを液晶パネル上で逆変換するというものである。
【0010】
一般的には、上記液晶パネルが、N本の走査信号線(行電極)とM本のデータ信号線(列電極)を有し、N行×M列の画素からなるものであり、同時選択される走査信号線の本数がL本である場合、n番目の行電極に印加される選択電圧波形は、下記(3)式により与えられる。
【0011】
【数3】
Figure 0003630185
【0012】
ここで、A(i,j)は、i行×j列の直行行列Aの各要素の値、tは1フレーム期間内における時間である。
【0013】
具体的には、
【0014】
【表1】
Figure 0003630185
【0015】
上記表1に示す16次ウォルシュ行列A(i,j)を用いた駆動方法では、1フレーム期間を一定の時間間隔(周期T)で16等分した各フレーム分割期間t1〜t16を、該16次ウォルシュ行列の個々の列ベクトルT1〜T16に対応させている(図22(b)参照)。つまり、各列ベクトルT1〜T16の要素A(i,1)〜A(i,16)〔i=0,1,・・・16〕の値(+1あるいは−1)は、第1行〜第16行までの各行ベクトルW0〜W15に対応する行電極の、上記フレーム分割期間t1〜t16の選択期間の印加電圧(行選択パルス)の極性に対応している。
【0016】
なお、表1の直交行列(16次ウォルシュ行列)については、その各行ベクトルW0〜W15の要素A(0,j)〜A(16,j)〔i=0,1,・・・16〕を選択行電圧(行選択パルス)に対応させた場合、第1行に対応する選択行電圧が1フレーム期間中は+Vまたは−Vの一方のみとなることから、直流電圧の印加による液晶分子の劣化を防ぐために、数フレーム期間毎に第1行の要素(+1、−1)の極性を反転させて、駆動電圧の交流化を行わなければならない。これに対し、以下に示す表2ないし表4の行列のように、行ベクトルの要素を選択行電極に対応させる直交行列を、16次ウォルシュ行列の第1行を除外したものとすれば上記駆動電圧の交流化を行う必要はない。
【0017】
【表2】
Figure 0003630185
【0018】
【表3】
Figure 0003630185
【0019】
【表4】
Figure 0003630185
【0020】
また、上述した駆動方法における選択電圧波形は、図18に示すように、1フレーム期間を例えば16等分した一定周期Tのフレーム分割期間毎に、電圧(+V)及び電圧(−V)のいずれかの電圧レベルの行選択パルスが現れるものである。
【0021】
また、各行電極に1フレーム期間に印加される16個の行選択パルスには、上記表2に示すように、+1、−1を要素とするK次直交行列(Kは同時選択される行数(15)以上の2のべき乗数)の行ベクトルW1〜W15の各要素が対応している。
【0022】
そして、上記表3及び表4の行列は、表2のウォルシュ行列における任意の数行の行ベクトルの極性を反転させたものである。なお、直交行列は、その数行の行ベクトルの極性を反転させても直交性は失われず、直交変換が可能であるので、表2ないし表4の行列はいずれも直交性を有している。
【0023】
図19は、上記複数本の走査線を同時選択駆動する液晶表示装置の構成を示すブロック図である。ここでは、同時選択される走査線の本数を15本とし、行選択パルスが、1フレーム期間を16等分したフレーム分割期間毎に印加されるものとして説明する。また、図20(a)は本装置を構成するゲートアレイ及び加算器の構成を示す図、図20(b)は該加算器の詳細な回路構成を示す図、図21は、N行×M列の表示画面において、同時選択駆動方法により15行分の行電極が同時選択される様子を示す図、図22(a)は上記液晶表示装置を構成するフレームメモリに格納される1フレーム分の表示データを示す図、図22(b)は15行分の行電極を同時選択して液晶パネルを駆動する場合に用いる15行16列の直交行列Aを示す図である。
【0024】
図において、10はN行M列の画素からなる液晶パネル7を有し、直交行列を用いて該液晶パネル7の駆動を行う液晶表示装置で、直交行列を用いて選択行電圧に応じた行信号を発生する信号発生器1と、マトリクス状に配列された画素(N行×M列)に対応した1フレーム分の表示データPa(図22(a)参照)を格納するフレームメモリ2と、15本の行電極に同時に印加される行信号F(n,t)を要素とする行列(図23(a)参照)の列信号ベクトルと、表示データP(n,m)を要素とする15行16列の行列P(図23(b)参照)の列表示ベクトルとの対応する要素同士の排他的論理和をとるゲートアレイ3と、該ゲートアレイ3から各画素の組毎に出力される排他的論理和を加算してその総和(図23(c)参照)を、15行×M列の画素毎に求める加算器4とを有している。
この排他的論理和の総和は、下記(4)式により与えられる。
【0025】
【数4】
Figure 0003630185
【0026】
また、上記液晶表示装置10には、上記加算器4の出力を受け、液晶パネル7の列電極(データ信号線)を駆動する複数のカラムドライバ5a、5b、5cが設けられ、上記信号発生器1からの出力を受け、該液晶パネル7の行電極(走査信号線)を駆動するロードライバ6a、6bが設けられている。
【0027】
ここで、上記ゲートアレイ3は、並列に設けられた15個のEX−ORゲート301〜315から構成されており、それぞれのEX−ORゲートの一方の入力は、表2ないし表4に示す直交行列の各列ベクトルW1〜W15に対応し、各EX−ORゲートの他方の入力は、表示ベクトルD1〜D15に対応している。この表示ベクトルD1〜D15は、N行M列の画素配列の1フレーム画面を垂直方向に分割した15行M列の画素配列のブロックに対応する表示データ行列の列ベクトルである(図23(b)参照)。
【0028】
また上記加算器4は、上記EX−ORゲート301〜303の出力を加算する全加算器401と、上記EX−ORゲート304〜306の出力を加算する全加算器402と、上記EX−ORゲート307〜309の出力を加算する全加算器403と、上記EX−ORゲート310〜312の出力を加算する全加算器404と、上記EX−ORゲート313〜315の出力を加算する全加算器405とを有している。また、全加算器403〜405の和出力は全加算器407に出力され、全加算器403〜405の桁上げ出力は全加算器409に出力され、全加算器401,402,407の和出力は全加算器406に出力され、全加算器401,402,407の桁上げ出力は全加算器408に出力されるようになっている。また、全加算器406の桁上げ出力、並びに全加算器408及び409の和出力は、全加算器410に出力され、全加算器410,408及び409の桁上げ出力は全加算器411に出力され、加算器4からは、上記全加算器406,410,411の和出力がデータ対応値P0,P1,P2として、全加算器411の桁上げ出力がデータ対応値P3として出力されるようになっている。
【0029】
また全加算器401は、図2(b)に示すように、それぞれ2つの入力信号A,Bを受けるEX−ORゲート4001及びNANDゲート4003と、それぞれ桁上げ入力IとEX−ORゲート4001の出力を受けるEX−ORゲート4002及びNANDゲート4004と、NANDゲート4003及び4004の出力を受けるNANDゲート4005とから構成されている。上記EX−ORゲート4002からは和出力が出力され、NANDゲート4005からは桁上げ出力が出力される。また、他の加算器402〜411についても加算器401と同様の構成となっている。
【0030】
このような構成の液晶表示装置においては、信号発生器1では、表4ないし表6に示すような直交行列を用いて選択行電圧に応じた行信号を発生する。その行信号F(n,t)を要素とする行列F(図23(a)参照)の各列信号ベクトルと、フレームメモリ2からの表示データP(n,m)を要素とする行列(図23(b)参照)の各列表示ベクトルとの対応する要素同士,つまりnの値が等しいもの同士の排他的論理和〔F(n,t)・P(n,m)〕がゲートアレイ3にて求められる。
【0031】
具体的には、ゲートアレイ3を構成するEX−ORゲート301〜315の一方の入力端子には、それぞれ表2ないし表4に示すような直交行列の列ベクトルT1〜T16の各要素A(i,j)が各列ベクトル毎に入力され、他端の入力端子にそれぞれ表示データ行列Pの列表示ベクトルの各要素D1〜D15が入力される。これらの要素D1〜D15は、表5に示すように、液晶パネル7の各行の表示データに対応している。
【0032】
【表5】
Figure 0003630185
【0033】
そして、加算器4では、F(n,t)・P(n,m)を、nを1から15まで変えて加算した総和が求められる。また、この排他的論理和の総和は、該列信号ベクトルと列表示ベクトルの全ての組み合わせに対して求められ、n番目の列信号ベクトルとm番目の列表示ベクトルとの組についての総和は、n列m行目の画素に印加される変換表示データの行列G(図23(c)参照)の各要素G(m,t)に対応している。
【0034】
そして、加算器4からは、表6に示すように、該変換表示データとしての、列電極への印加電圧の各レベルV0〜V15に対応する4ビットのデータ対応値P0〜P3が出力される。
【0035】
【表6】
Figure 0003630185
【0036】
ここで、表示データの要素P(n,m)は、n行m列目の表示データがONである場合は−1であり、n行m列目の表示データがOFFである場合は+1である。
【0037】
上記データ対応値P0〜P3が出力されると、上記カラムドライバ5a、5b、5cからは、データ対応値P0〜P3に基づいて列電極電圧が出力される。また、上記ロードライバ6a、6bからは、行信号F(n,t)に基づき列電極電圧の出力に同期して選択行電圧が出力される。
【0038】
上記ゲートアレイ3および加算器4による論理演算においては、選択行電圧+V、−Vをそれぞれ論理1、論理0とし、一方、表示データについては、ONデータを論理1、OFFデータを論理0に対応するものとしている。
【0039】
図21に示す液晶パネル7において、15行が同時に選択されたときの駆動電圧波形、すなわち1フレーム期間の選択行電圧波形と列電極電圧波形の差は、図3ないし図8に示すようになる。図3,図5,図7には、全画面ON時の波形を示し、図4,図6,図8には、全画面OFF時の波形を示している。
【0040】
図3および図4は、表2の直交行列Pat.aでもって、上記変換を行って駆動したときの駆動電圧波形の例である。この駆動電圧波形は、図18に示す選択行電圧波形と、図2(a)および図2(b)に示す列電極電圧波形とが合成されたものである。図2(a)および図2(b)に示す列電極電圧波形は、表6のように16段階に設定される電圧レベルV0〜V15から電圧レベルが選択される。
【0041】
具体的な列電極電圧波形は、全画面ONの場合、図2(a)に示すように、1フレーム期間の最初で最低レベルV0となった後は中間レベルよりやや大きいレベルV8となり、全画面OFFの場合、図2(b)に示すように、1フレーム期間の最初で最高レベルV15となった後は中間レベルよりやや小さいレベルV7となる。
【0042】
なお、図5,図6及び図7,図8に示す駆動電圧波形は、それぞれ表3及び表4の直交行列でもって上記の変換を行って駆動したときの駆動電圧波形の例である。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図3に示す駆動電圧波形では、1フレーム期間の最初のフレーム分割期間t1に1つのピーク電圧値Vpが存在することになり、上述の線順次駆動方式に近い波形になる。このため、液晶分子がこの電圧Vpに応答してしまい、その結果、フレーム応答現象が生じて、コントラストが低下するという問題が生じる。
【0044】
一方、図5に示す駆動電圧波形では、駆動電圧のピークが上記駆動電圧波形のように、1フレーム期間のある期間、すなわち、直交行列の列要素の切り替わりに要する期間(フレーム分割期間t1)に偏在する度合が小さくなり、フレーム応答現象が緩和され、コントラストの低下をある程度抑制することが可能となる。
【0045】
しかしながら、この場合、同時選択された選択行L1〜L15の駆動電圧波形において、フレーム分割期間t1に特異な選択電圧値をもつ選択行L15が存在する。その特異な選択電圧は、図5に示すように、全画面をON表示させるとき、選択行L15においては、フレーム分割期間t1に他の選択行L1〜L14を含めて一番低い電圧Vfとして現れ、液晶分子をOFFさせるように作用して輝度を低下させてしまう。他方、選択行L1〜L14では、上記フレーム分割期間t1に電圧Vfと必ず逆向きの選択電圧が存在する。これらの選択電圧は、反対に液晶分子をONさせるように作用するので、電圧Vfの存在する選択行L15より高い輝度が均一に得られる。
【0046】
このため、全画面をON表示させるときには、高輝度の選択行にややOFF表示ぎみの選択行が混在することとなり、これが選択行数毎にコントラスト縞として表示されてしまう。
【0047】
逆に、図6に示すように、全画面をOFF表示させるとき、選択行L15に他の選択行を含め、一番高い電圧Vnが特異な電圧として現れる。この電圧Vnは、液晶分子をONさせるように作用するので、OFFレベルがややONぎみのコントラストとして表示される。他方、残りの選択行L1〜L14の全ては、フレーム分割期間t1に必ず電圧Vnと逆向きの選択電圧が存在する。これらの選択電圧は、液晶分子をOFFさせるように作用するので、本来のOFFレベルとして均一に表示される。
【0048】
このため、全画面をOFF表示させるときには、OFFレベルの選択行にややON表示ぎみの選択行が混在することになり、これが選択行数毎にコントラスト縞として表示されてしまう。
【0049】
上記のように、15行を同時選択駆動する場合、特異な電圧VfおよびVnは、選択行電圧を表す直交行列の1つの行の極性(+V、−V)を他の14行の極性と逆向きにさせたときに必ず1フレーム期間内に1つ存在し、かつ1つの行内に存在する。又、複数行の反転の仕方によっては特異な電圧が以下のように2つ以上存在する場合がある。
【0050】
例えば、表4の直交行列を用いた場合の全画面ON表示および全画面OFF表示の駆動電圧波形を図7および図8に示す。図7に示すように、全画面ON表示の場合、選択行L7、L8が特異な電圧レベルVfを持つようになり、これらにより、前記と同様のコントラスト縞が選択行数毎に2本表示されることになる。一方、図8に示すように、全画面OFF表示の場合も、全画面ON表示の場合と同じく選択行L7、L8が特異な電圧レベルVnを持つようになり、これらにより、前記と同様のコントラスト縞が選択行数毎に2本表示される。
【0051】
【表7】
Figure 0003630185
【0052】
表7は、デューティ数1/240、応答速度120msの液晶パネルを駆動した際のコントラスト測定結果を示すものであり、表7中の直交行列Pat.aないしPat.cは、それぞれ表2ないし表4の直交行列でもって15行同時選択駆動した場合の測定結果に対応する。そして、表7中のL1〜L15は選択行駆動波形として、それぞれ、表2ないし表4の直交行列の行ベクトルを用いたことを示す。
【0053】
直交行列Pat.aによる駆動電圧波形は図3及び図4に示すとおりであり、先述したフレーム応答現象の影響により、全体的にコントラストが低くなっており、直交行列Pat.bとPat.cは、フレーム応答現象が抑制されつつあり、全体的にコントラストが向上しているが、直交行列Pat.bのL15や直交行列Pat.cのL7、L8のように、先述した特異電圧を持つ行のコントラストは他の選択行のコントラストより低くなっていることがわかる。
【0054】
このように、同じ15行の同時選択駆動でも、用いる直交行列のパターンによっては、駆動波形に特異電圧が現れ、その結果コントラストが著しく低下し、また、表示ムラが生じる。このことは、アクティブ駆動と呼ばれる全行を同時駆動する方式においても同様であり、上記文献に開示されている従来の駆動方法では、上記直交行列のパターンに起因するコントラストの低下に対する対策は何等明示されておらず、従来の同時選択駆動法における大きな課題となっていた。
【0055】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、複数同時選択駆動方法によるフレーム応答現象の抑制効果を最大限に引き出し、高コントラストで横スジ等ムラのない均一な表示品位を実現することができる液晶パネルの駆動方法を得ることが本発明の目的である。
【0056】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る液晶パネルの駆動方法は、複数の行電極と複数の列電極とをこれらの交差部がマトリックス状に配列されるよう配置し、該各交差部の行電極と列電極の間に実効電圧値に応答する液晶素子を挟持してなる液晶パネルを、直交行列に基づく波形の電圧を行電極及び列電極に印加して駆動する方法であって、表示画像1フレームの全領域に対応する表示データ,あるいは該表示画像1フレームを垂直走査方向に複数に分割したブロック領域に対応する表示データを、直交行列を用いて直交変換し、該直交変換した変換表示データを全列電極に順次印加するとともに、該表示画像1フレームの全領域あるいは該ブロック領域に対応する全行電極を同時に選択して、該直交変換に用いた直交行列の列ベクトルの要素に対応する行信号を行選択パルスとして順次印加し、該変換表示データを該液晶パネル上で逆変換するものにおいて、該直交行列として、その要素の総和の絶対値が最大となる列ベクトルの要素和の絶対値Xmaxと、その要素の総和の絶対値が最小となる列ベクトルの要素和の絶対値Xminとの比の値Xmax/Xminが、同時選択される行電極の本数の2/3倍未満である直交行列を、前記表示データの直交変換に用いることができる直交行列から選択して用いる。そのことにより、上記目的が達成される。
【0057】
この発明は、好ましくは、上記液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルは、N本の行電極とM本の列電極とを有するものであり、前記直交行列は、A(i,j)を要素とするI行J列の直交行列Aであり、L(L≦N)本分の行電極を同時選択する時にn(n≦L)番目の行電極に印加される選択行電圧波形F(n,t)は、1フレーム期間を該直交行列の列数Jで等分割した一定周期のフレーム分割期間における選択期間の電位レベルと、該フレーム分割期間における選択期間以外の非選択期間の電位レベルとが、1フレーム期間内の時刻tを用いて該(1)式により与えられるものである。L(L≦N)本分の行電極を同時選択する時にm(m≦M)番目の列電極に印加される列電圧波形を規定する信号G(m,t)は、n番目の行電極とm番目の列電極との交差部の画素のオン表示データを−1とし、該画素のオフ表示データを+1とする関数P(n,m)により、1フレーム期間内の時刻tを用いて上記式(2)で与えられるものである。
【0058】
この発明は、上記液晶パネルの駆動方法において、前記直交行列Aは、K次直交行列(Kは同時選択される行数以上の2のべき乗数)から、同時選択するL行を選択し、該選択したL行のうちの数行の行ベクトルの要素の極性を反転したものであることが好ましい。
【0059】
【作用】
この発明においては、複数の行電極を同時選択して液晶パネルを駆動する際、表示データを直交変換するための直交行列として、その要素の総和の絶対値が最大となる列ベクトルの要素和の絶対値Xmaxと、その要素の総和の絶対値が最小となる列ベクトルの要素和の絶対値Xminとの比の値Xmax/Xminが、同時選択される行電極の本数の2/3倍未満である直交行列を用いるようにしたから、個々の行電極に同時に印加される選択行電圧波形における行選択パルスが1フレーム期間内でより一様に分散し、しかも同時選択される行電極間でのコントラスト差が緩和されることとなり、高コントラストで横スジ等ムラのない均一な表示品位が可能となる。
【0060】
【実施例】
図1は本発明の一実施例による液晶パネルの駆動方法を説明するための図であり、該駆動方法を用いた液晶表示装置の構成を示している。図において、100は本実施例の液晶表示装置で、液晶パネル7の走査線を複数同時選択して駆動するよう構成されている。この液晶表示装置100では、信号発生器1aは、下記の表8に示すような直交行列Pat.gを用いて、選択行電圧に応じた行信号を発生するよう構成されている。その他の構成は、従来の駆動方法により液晶パネルを駆動する液晶表示装置10を同一である。
【0061】
【表8】
Figure 0003630185
【0062】
次に作用効果について説明する。
【0063】
なお、以下の説明では、液晶パネルの駆動は、液晶パネルを垂直方向に分割し、該分割したブロック領域の全行電極(15本)を同時選択して、表示を行うものとしている。
【0064】
まず、本実施例の液晶表示装置の基本的な動作について説明する。
【0065】
フレームメモリ2に書き込まれたN行×M列の表示データPa(図22(a)参照)のうち、上記1つのブロック領域に対応する表示データP(n,m)〔n=1,2,・・・15、m=1,2,・・・M〕(図23(b)参照)が列方向に読み出されてゲートアレイ3に出力される。この時、信号発生器1aでは、表7に示す直交行列を用いて、選択行電圧に応じた行信号F(n,t)〔n=1,2,・・・15、t=1,2,・・・16〕(図23(a)参照)が発生され、これが上記ゲートアレイ3に出力される。
【0066】
すると、上記ゲートアレイ3では、行信号F(n,t)を要素とする行列Fの列信号ベクトルと、フレームメモリ2からの表示データP(n,m)を要素とする行列Pの列表示ベクトルとについて、該両列ベクトルの対応する要素同士,つまりnの値が同一のもの同士の排他的論理和がゲートアレイ3にて求められる。具体的には、ゲートアレイ3における各EX−ORゲート301〜315の一方の入力端子には、それぞれ表8に示すような直交行列の列ベクトルの要素A(i,j)(図22(b)参照)が入力され、他方の入力端子に、1つのブロック領域に対応する表示データの行列Pの列表示ベクトルの各要素D1〜D15が入力される。要素D1〜D15は、表5に示すように、1フレーム画面の各ブロック領域における第1番目の行から第15番目の行の各行の表示データに対応している。
【0067】
さらに、それら排他的論理和の総和G(m,t)が加算器4にて演算される。該排他的論理和の総和G(m,t)は、表示データを直交変換した変換表示データであり、上記列信号ベクトルと列表示ベクトルとの全ての組み合わせに対応するものが従来装置と同様に演算される(図23(c)参照)。
【0068】
そして、上記加算器4からの総和G(m,t)がカラムドライバ5a,5b,5cに入力されると、各カラムドライバからは、表6に示す電圧レベルV0〜V15に対応するデータ対応値P0〜P3が、上記変換表示データとして各フレーム分割期間t1〜t16毎に、対応する行電極へ出力される(図24参照)。なお、図24では、直交変換された変換表示データ,つまり上記排他的論理和の総和が、液晶パネル上で逆変換される様子を分かりやすくするため、列電極に入力される実際の信号である電圧レベルV0〜V15に代えて排他的論理和の総和G(m,t)を示している。
【0069】
このとき、ロードライバ6a,6bからは、行信号に基づき列電極電圧の出力に同期して、15行分の選択行電圧F(n,t)が同時に出力される。
【0070】
なお、上記ゲートアレイ3および加算器4による論理演算において、選択行電圧+V、−Vをそれぞれ論理1、論理0とし、一方、表示データについては、ONデータを論理1、OFFデータを論理0に対応したものとしている。
【0071】
以下、本発明の基本原理を本実施例の液晶パネルの駆動方法の作用効果とともに説明する。
【0072】
本発明は、所定の条件を満たす直交行列を用いて、液晶パネルの複数の走査線あるいはすべての走査線を同時選択して液晶パネルを駆動するものであり、これにより高コントラストで横スジ等ムラのない均一な表示品位が得られるものであり、詳しく説明する。なお、表9ないし表11は15行16列の直交行列の一例Pat.dないしPat.fを示している。
【0073】
【表9】
Figure 0003630185
【0074】
【表10】
Figure 0003630185
【0075】
【表11】
Figure 0003630185
【0076】
上述した直交行列Pat.aは表1の16次ウォルシュ行列から第1行目の行ベクトルW0の要素を除外したもののうち、行ベクトルの極性反転を行っていないもの、直交行列Pat.bないしPat.gは数行の極性反転を行ったものである。該直交行列Pat.bは第15行、直交行列Pat.cは第7行と第8行、直交行列Pat.dは第7行、第8行および第15行、直交行列Pat.eは第3行、第4行および第11行、直交行列Pat.fは第2行、第9行、第10行および第14行、直交行列Pat.gは第2行、第10行、第11行、第12行および第15行の要素の極性を反転している。
【0077】
ここで、上記直交行列の全行列(15行)の反転、非反転の組合せは2の15乗、すなわち32768通り存在するが、1フレーム期間内で取りうる電圧レベルの組合せは、上記直交行列Pat.aないし直交行列Pat.gのいずれかに属する。例えば、直交行列Pat.aの第8行〜第15行を極性反転した直交行列により、液晶パネルを全画面ON表示となるよう駆動した場合、各フレーム分割期間t1〜t16にカラムドライバから出力される選択行電圧は、電圧レベルV7、V15、V7、・・・、V7となり、直交行列Pat.aによる列電極電圧波形(図2(a))と同じものとみなすことができる。
【0078】
また、直交行列Pat.aの第1行〜第14行の極性を反転させた直交行列により、液晶パネルを全画面ON表示となるよう駆動した場合、各フレーム分割期間t1〜t16にカラムドライバからは、電圧レベルV0、V8、V8、・・・、V8が出力されるが、これも直交行列Pat.aによるものとは極性が反転している点だけが異なるものであり、直交行列Pat.aによる列電極電圧波形(図2(a))と等価であるとみなすことができる。
【0079】
また、直交行列の定理より、列ベクトルの並び順を入れ替えてもその直交性は保たれるので、16個の列ベクトルの並び順を入れ替えてもよい。その順列は16!≒21兆通り存在するが、すべて上記いずれかのグループに属する。
【0080】
以上のように液晶パネルの行電極を15行分同時選択して液晶パネルを駆動する場合は、その表示データの直交変換に用いられる直交行列は、上記直交行列Pat.aないし直交行列Pat.gの7つのグループのいずれかのものとなる。そして、これらの直交行列Pat.a〜Pat.gを用いて、全画面ON表示および全画面OFF表示を行った時の駆動電圧波形は、それぞれ図3ないし図16に示す通りであり、その時のコントラスト測定結果として表12に示すものが得られた。
【0081】
【表12】
Figure 0003630185
【0082】
この表12から、用いる直交行列のパターンによってコントラストが著しく相違していることがわかる。
【0083】
ここで、本発明者の検討によれば、用いる直交行列のパターンによりコントラストに相違が生じる原因としては以下のように推察される。
【0084】
まず、表12に示すように、一番コントラストが低い直交行列Pat.aにおいては、表2に示すように、直交行列のある列ベクトルT1の要素には、要素(+1)が集中しており、要素(−1)が存在していない。すなわち、列ベクトルT1においてはその要素を加算すると、要素和は+15となり、列ベクトルT2〜T15においてはそれぞれの要素和はいずれも−1となることがわかる。
【0085】
次に、2番目にコントラストが低い直交行列Pat.bにおいては、表3に示すように、表2の直交行列Pat.aの第15行目の行ベクトルのみ極性を反転したものとなっているわけであるが、その結果、ある列ベクトルT1に要素(+1)が1行から14行のわたって集中し、要素(−1)の行は15行目の1行分だけとなり、表12に示すように、直交行列Pat.bに基づいて同時選択される15行目の行電極L15のコントラストが残りの14行の行電極より低くなることがわかる。この場合、直交行列Pat.bの列ベクトルT1においては要素和は+13となり、列ベクトルT2、T4、T6、T8、T10、T12、T14、T16においてはその要素和はそれぞれ+1となり、列ベクトルT3、T5、T7、T9、T11、T13、T15においてはその要素和はそれぞれ−3となることがわかる。
【0086】
さらに、直交行列Pat.aの1行〜15行のうちいくつかの行の行ベクトルの要素の極性を反転させたものが、直交行列Pat.cないし直交行列Pat.gであり、これらのうち、最もコントラストが高い直交行列Pat.gにおいては、表8に示すように、列ベクトルT1、T2、T5、T8、T10、T12においてはその要素和はそれぞれ+5となり、列ベクトルT3、T4、T6、T7、T9、T11、T13、T14、T15、T16においてはその要素和はそれぞれ−3となることがわかる。
【0087】
以上のように、選択行電圧を規定する直交行列の各列ベクトルの要素(+1)と要素(−1)を加算した値が、ある列ベクトルにおいて他の列ベクトルよりも一定数を越えて大きくなると、上述した特異電圧による影響が大きくなり、コントラストが低下すると推察される。
【0088】
そこで、各列ベクトルでの要素和を求め、この要素和の絶対値の最大値と最小値の差が小さく、各値がほぼ同じとなるような直交行列を行選択電圧として用いることで、選択行間のコントラスト差は緩和できる。
【0089】
具体的には、K次直交行列から、同時選択を行うL行を選び、その数行の行ベクトルの極性を反転する。そして、各列ベクトルにおいて、その要素和を計算し、下記式(5),(6)で定義される最小値Xminと最大値Xmaxを求める。そして、その比率Rを下記式(7)のように定義する。
【0090】
【数5】
Figure 0003630185
【0091】
【数6】
Figure 0003630185
【0092】
【数7】
Figure 0003630185
【0093】
表12中に各直交行列における比率Rの計算結果を示す。この値が小さいほど、各列ベクトルの要素和の絶対値の差が小さくなる。
【0094】
本実施例では、その比率Rが最小値となる直交行列Pat.gを用いたので、最も高コントラストで横スジ等ムラのない均一な表示品位を得ることができる。なお、上記実施例では、直交行列Pat.gを用いて複数行を同時選択して液晶パネルを駆動する方法について示したが、直交行列は、直交行列Pat.gにかぎるものではない。
【0095】
すなわち、表12に示す、各種の直交行列を用いて同時選択行数を変えて実験を行った結果から、上記比率Rが最小値とならなくても、下記の式(8)を満たす直交行列を用いれば、液晶パネルによる画像表示を行う上で支障がない程度に良好な表示品位を得ることが確認できた。ここでIは同時選択される行電極の本数,つまり同時選択駆動に用いる直交行列の行数である。
【0096】
【数8】
Figure 0003630185
【0097】
つまり、直交行列Pat.d〜直交行列Pat.fを用いて液晶パネルを駆動した場合、各行電極でのコントラストの平均値,つまりオン表示の際の輝度とオフ表示の際の輝度との比率の平均値が30倍以上となり、コントラストがこの程度であれば、液晶表示装置が通常用いられる状態では、表示品位は高コントラストで横スジなどのムラが認められない程度に良好なものとなる。
【0098】
このように本実施例では、マトリックス状に配された行電極と列電極との間に実効電圧値に応答する液晶素子が配置される液晶パネルにおいて、アダマール行列やウォルシュ行列に代表される直交行列の要素である+1および−1に対応する選択行電圧を複数の行電極に同時に印加するとともに、この選択行電圧をベクトルで表した選択行ベクトルと、表示データをベクトルで表した表示ベクトルとの各要素の排他的論理和の総和に応じた電圧レベルを列電極に印加して複数行を同時に表示するようにしているので、線順次駆動方法におけるフレーム応答現象を回避することができる。
【0099】
また、各行電極に印加される表示データが全てON表示または全てOFF表示であるときに、駆動電圧の電圧レベルができる限り均一となり、かつ、選択行の駆動電圧波形の周波数成分ができる限り均一となる直交行列を、無数に近い数の直交行列の中から選び、選出した直交行列を用いて上記駆動方法にて液晶パネルを駆動するので、複数同時選択駆動方法によるフレーム応答現象の抑制効果を最大限に引き出し、高コントラストで横スジ等ムラのない均一な表示品位を実現できる。
【0100】
なお、上記実施例では同時選択本数が15本の場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、他の選択本数や全数選択の場合においても適用できる。ところで、直交行列を用いて複数行を同時選択して液晶パネルを駆動する代表的な方式には、分散型(SAT)駆動法、非分散型(IHAT)駆動法、さらに、特願平6−291848号の明細書に記載されているようなブロック内分散型駆動法などの方式があるが、本発明は、ここに挙げた駆動方式に限らず、一般に直交行列を用いて複数行を同時選択して駆動する方式などに広く適用可能である。
【0101】
【発明の効果】
以上のようにこの発明に係る液晶パネルの駆動方法によれば、複数の行電極を同時選択して液晶パネルを駆動する際、表示データを直交変換するための直交行列として、その要素の総和の絶対値が最大となる列ベクトルの要素和の絶対値Xmaxと、その要素の総和の絶対値が最小となる列ベクトルの要素和の絶対値Xminとの比の値Xmax/Xminが、同時選択される行電極の本数の2/3倍未満である直交行列を用いるようにしたので、高コントラストで横スジ等ムラのない均一な表示品位を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る液晶パネルの駆動方法を適用した液晶表示装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】上記液晶パネルの列電極に印加される列電極電圧の波形を示す図であり、図2(a)は全画面ON表示の場合の列電極電圧の波形、図2(b)は全画面OFF表示の場合の列電極電圧の波形を示している。
【図3】直交行列Pat.a(表2)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面ON表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図4】直交行列Pat.a(表2)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面OFF表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図5】直交行列Pat.b(表3)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面ON表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図6】直交行列Pat.b(表3)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面OFF表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図7】直交行列Pat.c(表4)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面ON表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図8】直交行列Pat.c(表4)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面OFF表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図9】直交行列Pat.d(表9)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面ON表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図10】直交行列Pat.d(表9)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面OFF表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図11】直交行列Pat.e(表10)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面ON表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図12】直交行列Pat.e(表10)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面OFF表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図13】直交行列Pat.f(表11)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面ON表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図14】直交行列Pat.f(表11)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面OFF表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図15】直交行列Pat.g(表8)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面ON表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図16】直交行列Pat.g(表8)を用いて液晶パネルの15行分の行電極を同時選択して全画面OFF表示させる場合に各行電極の画素の液晶に印加される駆動電圧の波形を示す図である。
【図17】一般的な液晶パネルを線順次駆動方法により駆動する際に各画素に印加される電圧波形を示す波形図であり、図17(a)は全画面ON表示の場合の電圧波形、図17(b)は全画面OFF表示の場合の電圧波形を示し、図17(c)は上記電圧波形を発生させるための同期パルスを示す。
【図18】15行分の行電極を同時選択して液晶パネルを駆動する際に、各行電極に印加される選択行電圧の波形を示す図である。
【図19】従来の同時選択駆動方法を実現する液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施例及び従来の液晶表示装置を構成するゲートアレイ及び加算器の構成を示す図であり、図20(a)は、ゲートアレイ及び加算器におけるEX−ORゲート及び全加算器の接続関係を示し、図20(b)は、該加算器を構成する全加算器の内部の論理構成を示している。
【図21】N行×M列の表示画面において、本発明の駆動方法により15行分の行電極が同時選択される様子を示す図である。
【図22】図22(a)は上記液晶表示装置を構成するフレームメモリに格納される1フレーム分の表示データを示す図、図22(b)は、15行分の行電極を同時選択して液晶パネルを駆動する場合に用いる15行16列の直交行列Aを示す図である。
【図23】上記液晶表示装置のゲートアレイ及び加算器において、表示データが直交変換される処理を説明するための図であり、図23(a)は、上記15行16列の直交行列Aに基づいて得られた各行電極に印加される行信号を要素とする行列Fを示し、図23(b)は表示画面の1つのブロックに対応する表示データを要素とする行列Pを示し、図23(c)は上記1つのブロックにおける直交変換された変換表示データを要素とする行列Gを示す。
【図24】上記変換表示データが液晶パネル上で逆変換される様子を示す図である。
【符号の説明】
1a 信号発生器
2 フレームメモリ
3 ゲートアレイ
4 加算器
5a,5b,5c カラムドライバ
6a,6b ロードライバ
7 液晶パネル
301〜315,4001,4002 EX−ORゲート
401〜411 全加算器
4003〜4005 NANDゲート

Claims (3)

  1. 複数の行電極と複数の列電極とをこれらの交差部がマトリックス状に配列されるよう配置し、該各交差部の行電極と列電極の間に実効電圧値に応答する液晶素子を挟持してなる液晶パネルを、直交行列に基づく波形の電圧を行電極及び列電極に印加して駆動する方法であって、
    表示画像1フレームの全領域に対応する表示データ,あるいは該表示画像1フレームを垂直走査方向に複数に分割したブロック領域に対応する表示データを、直交行列を用いて直交変換し、
    該直交変換した変換表示データを全列電極に順次印加するとともに、該表示画像1フレームの全領域あるいは該ブロック領域に対応する全行電極を同時に選択して、該直交変換に用いた直交行列の列ベクトルの要素に対応する行信号を行選択パルスとして順次印加し、該変換表示データを該液晶パネル上で逆変換するものにおいて、
    該直交行列として、
    その要素の総和の絶対値が最大となる列ベクトルの要素和の絶対値Xmaxと、その要素の総和の絶対値が最小となる列ベクトルの要素和の絶対値Xminとの比の値Xmax/Xminが、同時選択される行電極の本数の2/3倍未満である直交行列を、前記表示データの直交変換に用いることができる直交行列から選択して用いる液晶パネルの駆動方法。
  2. 請求項1記載の液晶パネルの駆動方法において、
    前記液晶パネルは、N本の行電極とM本の列電極とを有するものであり、
    前記直交行列は、A(i,j)を要素とするI行J列の直交行列Aであり、
    L(L≦N)本分の行電極を同時選択する時にn(n≦L)番目の行電極に印加される選択行電圧波形F(n,t)は、1フレーム期間を該直交行列の列数Jで等分割した一定周期のフレーム分割期間における選択期間の電位レベルと、該フレーム分割期間における選択期間以外の非選択期間の電位レベルとが、1フレーム期間内の時刻tを用いて
    Figure 0003630185
    該(1)式により与えられるものであり、
    L(L≦N)本分の行電極を同時選択する時にm(m≦M)番目の列電極に印加される列電圧波形を規定する信号G(m,t)は、n番目の行電極とm番目の列電極との交差部の画素のオン表示データを−1とし、該画素のオフ表示データを+1とする関数P(n,m)により、1フレーム期間内の時刻tを用いて
    Figure 0003630185
    該式(2)で与えられるものである液晶パネルの駆動方法。
  3. 請求項2記載の液晶パネルの駆動方法において、
    前記直交行列Aは、K次直交行列(Kは同時選択される行数以上の2のべき乗数)から、同時選択するL行を選択し、該選択したL行のうちの数行の行ベクトルの要素の極性を反転したものである液晶パネルの駆動方法。
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