JP3791997B2 - 液晶表示装置の駆動法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単純マトリクス型液晶表示装置の階調駆動法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単純マトリクス型液晶表示素子の基本的な駆動方式(マルチプレックス駆動)としては、1ライン順次選択法(例えばAPT:Alt Pleshko Technique やそれを改良したIAPT:Improved Alt Pleshko Technique)が従来から良く知られている。この手法はオン/オフレベルを簡単に駆動できるため、マルチプレックス駆動方式として非常に有効である。しかし、単純マトリクス型液晶表示素子はTFTなどの能動素子を用いないため、高速応答性の液晶表示素子を駆動した場合には、フレーム応答によるコントラスト低下が生じる問題があった。
【0003】
これを解決するために提案された手法が、複数ライン同時選択(Multi Line Selection)法であり、これにより高速で高コントラストの表示が可能となってきている。また、同様の目的で全ライン同時選択するタイプ(AA:Active Addressing )を用いた試みも報告されている。このように新しいアドレッシング技術が進展し、表示の品位が向上してきている。
【0004】
ところで、近年のパーソナルコンピュータやTVなどのディスプレイにおいて、多階調表示することへの要求が高まってきており、液晶表示素子においても例外ではない。階調表示には、いくつかの方法が用いられている。
【0005】
トランジスタ、ダイオードなどを用いた能動型(アクティブタイプ)駆動方式においては、表示データの濃度レベルに応じて高さが変化するような電圧パルスを用いて、比較的単純に振幅変調ができる。これは、液晶に加えられる電圧が基本的にスタティック波形であるためである。
【0006】
しかし、STN(スーパーツイステッドネマチック)素子などに代表される非能動型(パッシブタイプ)のマルチプレックス駆動方式においては、単純に表示データの濃度レベルに応じて高さが変化するような電圧パルスを印加すると、非選択時の電圧が変動してしまう。このような状況下で、非能動型マルチプレックス駆動方式において、階調を表示する方式として、いくつかの方式が用いられ、または提案されてきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のSTNの駆動においては、階調表示を行うために、フレーム変調(FRC:Frame Rate Control)法やパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)法が提案され、かつ用いられている。また、最近、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)法も提案された。以下、簡単にその説明をし、続いて、これらの手法を複数ライン同時選択に適用した場合の問題を説明する。
【0008】
(1)フレーム変調(FRC)法
複数の表示フレームを用いて階調を表示する方式である。つまり、2値状態であるオン状態とオフ状態の数により中間調を構成する。例えば、3フレームを用いた場合、オン/オン/オン、オン/オフ/オン、オフ/オン/オフ、オフ/オフ/オフの4つの状態が表示できる。
【0009】
しかし、この方式で多階調化すると、フリッカー(ちらつき)の発生につながる問題がある。フレーム数が増えるので表示が完結するまでの時間が長くなるためである。そのため、実際には、FRC法と空間的に位相をずらす空間変調法とを組合せて、このようなちらつきを見えにくくすることが多い。しかしこれでも、16階調程度が限界と考えられている。
【0010】
もう一つの重要な問題は、ビデオ表示への対応が困難な点にある。例えば動画を表示させるためには、動画の切り替わる周期で表示が完結する必要がある。このため、多くのフレームを用いることができず、多階調表示が困難となる。
【0011】
具体的には、例えば、フレーム周波数が120Hz(一般的な周波数であり、1フレーム長は8.3ms)の場合、毎秒30画面(30Hz)の動画を表示するためには、4フレームで表示を完結させる必要がある。この場合、表示できる階調数はたかだか5〜8階調程度である。このように、動画表示においてはFRCでは充分な多階調表示ができなかった。
【0012】
(2)パルス幅変調(PWM)
1選択期間を例えば2n 個に分割し、オン状態の期間とオフ状態の期間を振り分ける手法である。FRCをフレーム内で行う手法と考えてもよい。しかし、この手法は、分割数に比例して駆動周波数が増大するため、高密度、多階調の表示になるほど表示むらが大きくなるという欠点がある。
【0013】
(3)振幅変調(AM)
前述のように、単純マトリクスマルチプレックス型の液晶表示装置では、単純に表示データの濃度レベルに応じて高さが変化するような電圧パルスを印加できず、非選択画素の実効値電圧の変動を防ぐための工夫が必要である。このために、複数の電圧を印加する手法と、仮想電極を用いる手法の2つが提案されている。
【0014】
前者は、2つ以上のフレームで異なるデータ(カラム)電圧を印加するか、1選択期間を2つ以上に分け、異なるデータ電圧を印加する手法である。複数の電圧印加により非選択時の電圧実効値が一定となり、正しい階調表示が実現できる。具体的には、例えば、数1の2種のデータX,Yに対応する電圧を、フレームごとまたは1選択期間中に切替えて印加すればよい。
【0015】
【数1】
X=d+(1−d20.5
Y=d−(1−d20.5
【0016】
ここで、dは表示データ(オンを−1とし、オフを1としたデータ)である。以後、数1に示したような複数のデータX,Yを分割データと呼ぶことにする。このような分割データの一部のみを印加した時点では、電圧実効値が所望の値に一定せず、アドレッシングが完了していない。このため、これらの分割データをフレームごとに分けて印加する場合、このフレームを通常のフレームと区別して、サブフレームと呼ぶことにする。特にXデータが印加されるサブフレームをXサブフレーム、Yデータが印加されるサブフレームをYサブフレームと呼ぶ。分割データは、データの濃度レベルに応じて変化する成分(d)を含む。また、それぞれの分割データは、補正項(±(1−d20.5 )も含むため、非選択画素の電圧実効値を一定に保つことができる。なお、それぞれの分割データに基づいてさらに新しい分割データを生成することにより、2種を超える分割データを使用できる。
【0017】
この手法では、複数の電圧レベルを供給できるような装置が必要である。K階調を表示するために、(2K−2)個のレベルの電圧が必要になる。つまり、8階調の場合なら、14レベルである。階調数が増えるほどレベル数は増大する。レベル数の増大は、大きなコストアップ要因である。また、基本的に2つのレベルでの電圧印加で1つの状態が決まるので、単位電圧印加時間(電圧パルス幅)を一定にすると表示完結のフレーム長が従来の2倍になる。
【0018】
非選択画素の実効値変動を防ぐ手法の他の一つは、1行以上の仮想行を設け、そこに、非選択時の電圧を補正するための仮想データを表示するように駆動するか、または仮想的に決められた電圧レベルを印加する手法である。この手法はフレーム長を2倍にしないので、周波数はほとんど変わらないという利点がある。しかし、全てのラインデータを用いた演算が必要なこと、供給する電圧のレベル数が階調数と補正レベル数との和になって、著しく増大することが欠点である。特に、電圧レベル数が多くなる点は重大で、AM法が広く用いられていない最大の理由である。
【0019】
これらの2つの手法には、特開平6−138854、特開平6−236167に開示された方法や、同様の考え方で特開平6−89082(EP569974)にPHM(Pulse Hight Modulation)と称して開示された手法をも含むことができる。
【0020】
以上のように、振幅変調を用いた階調表示手法では、回路構成の複雑化と、多レベルのドライバの必要性によるコスト上昇が大きな課題となっていた。
【0021】
かかる問題を解決するために、本出願人は特開平9−43571に記載された発明を提案した。これは、(a)階調データの表示に際し、それぞれの波高値に表示すべきデータの濃度レベルに応じて変化する成分を含むような複数の電圧パルスを画素に印加することにより、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧を表示の1フレーム内において実効的に一定とすること、および、(b)上記複数の電圧パルスに含まれる一部の電圧パルスの波高値が、表示に使用する画素の濃度状態の異なる少なくとも2つにおいて共通になるようにして、表示に必要な電圧パルスの波高値のレベル数を削減することを特徴とするもので、AM法に必要な電圧レベルの大幅な削減に成功した。
【0022】
特開平9−43571には、ここに記載された発明を複数ライン同時選択法に適用する場合に、選択行列中の列ベクトルの印加順序との関係で、AM法による階調に必要な複数の分割データをどのような順序で印加するのがよいことについて言及されている。
【0023】
すなわち、同時選択される特定の走査電極群に注目した場合に、データ電極に印加される信号は、所望の階調データを表示するために必要な全ての分割データを直交変換することによって形成された複数の信号を、選択行列の列ベクトルごとに1まとまりとなって、選択パルスの印加のタイミングに対応して連続的に印加することが好ましいというものである。このようにすると、データの分割数だけのスキャンを行うことにより、そのデータ電極上の画素の電圧実効値が非選択期間において所定の一定値に一致するため、カラム波形の低周波成分を抑制できる。したがって、動画表示にように画像データが頻繁に変化する場合であっても、スムーズな画像変化が得られる。
【0024】
しかしながら、このような分割データの印加順序を採用した場合に、横筋むらが見えるようになる場合があることがわかってきた。
【0025】
すなわち、本発明は、AM法による階調を採用した複数ライン同時選択法による液晶表示装置の駆動法において、動画表示をスムーズに行うとともに、横筋むらも抑制できるような駆動法を提供する。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するものであり、マルチプレックス駆動を使用した液晶表示装置の駆動法であって、
L本(Lは2以上の整数)の走査電極を同時に選択し、実質的に直交性を有するL行K列の選択行列(Kは整数)に選択パルス系列を対応させるとともに、
階調データの表示に際し、各画素で表示すべきデータの濃度レベル系列が選択行列によって実質的に直交変換された結果にもとづいて生成される2種類の電圧パルスを画素に印加することにより、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧を実効的に所定の非選択電圧値に維持されるようにし、さらに、
同時選択される特定の走査電極群に注目した場合に、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧が実効的に所定の非選択電圧値に一致するまでの走査電極の選択を、2を超えて2K未満に設定することを特徴とする液晶表示装置の駆動法、を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下の本明細書の説明では、走査電極を行電極ともいい、データ電極を列電極ともいう。
【0028】
前述のように、本発明は、2つの公知の駆動法を採用することを前提とする。1つは、L本(Lは2以上の整数)の走査電極を同時に選択し、実質的に直交性を有するL行K列の選択行列(Kは整数)に選択パルス系列を対応させる、いわゆる複数ライン同時選択法である。他の1つは、階調データの表示に際し、表示すべきデータの濃度レベルに応じて変化する成分をそれぞれの波高値に含むような2種類の電圧パルスを画素に印加することにより、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧を実効的に所定の非選択電圧値に維持されるようにするいわゆるAM法による階調表示法である。
【0029】
AM法に含まれる方法は、出願人が、特開平6−138854、特開平6−236167で開示している方法と、特開平6−89082に開示された方法があるが、これらは、AM方式の無限にある解のうちのいくつかをそれぞれ提案したものになっている。すなわち、それぞれの波高値に表示すべきデータの濃度レベルに応じて変化する成分を含むような複数の電圧パルスを画素に印加することによって、階調表示する方法は以下のような条件で表される。
【0030】
L(2以上)本の走査電極を同時に選択し、選択された走査電極へ印加する信号としては、直交関数信号A[Ami](ここで、AmiはL行K列の直交行列Aのm行i列の要素で1,−1,または0。mは1〜Lの整数であり、iは1〜Kの整数であり、1表示サイクル中のi番目の選択信号に相当する。)を加えるものとした場合に、特定のカラムの、一括選択される電極のグループにおけるj番目(jは1〜Lの整数)のラインの上の画素について、所定の階調レベルdj (dj は階調の濃度に応じてオフを示す1とオンを示す−1との間の値をとる。)を得るために、(C1 ,C2 ,・・・,CK )=(d1 ,d2 ,・・・,dL )Aとすると、列電圧には実質的に数2によって表現される2種類の電圧に比例する電圧が印加される。
【0031】
【数2】
i =Ci +(qi −Ci 21/2
i =Ci −(qi −Ci 21/2
【0032】
ただし、Σqi =一定≧tr[ tAA]である(ここで、tは行列の転置を、tr[ ]は[ ]内の行列の対角成分の和を示す)。
【0033】
出願人が、特開平6−236167で開示している方法は、Σqi =tr[ tAA]、かつ、qi が全てのiについて等しい場合であり、特開平6−89082に開示された方法のうち、Split Interval Mode と称される方法は、パルス幅変調による階調表示方法に合わせて、qi をiについて変動させながら設定したものである。もちろん、これらは結果として、互いに異なった電圧パルスを使用することになる。
【0034】
本発明では、上記のいずれのAM法も採用可能であるが、以下は、説明の便宜上、数1の2つのレベルの使用に基づいた駆動法を例にとって説明する。
【0035】
上記の2つの提案をより具体的に説明するため、まず、複数行同時選択法において、AM法による階調表示を行った場合の選択パルスシーケンスの例を具体的に説明する。
【0036】
AM法を伴わない複数ライン同時選択法における列電極表示パターンベクトル(D)と列電極電圧シーケンスベクトル(c)との関係は一般的に数3のように、ベクトルとマトリクスとからなる表式で書ける。
【0037】
【数3】
(c)=(D)(S)
ただし(c)=(c1 ,c2 ,・・・,cN
(D)=(D1 ,D2 ,・・・,DM
(D):列電極表示パターンベクトル
(c):列電極電圧シーケンスベクトル
(S):行電極パルスシーケンス行列
【0038】
ここで、ベクトル(D)、ベクトル(c)、行列(S)は以下のようなものである。列電極表示パターンベクトル(D)=(D1 ,D2 ,・・・,DM )は、行電極本数M(仮想電極や仮想サブグループを含む)と等しい要素を持ち、特定の列電極上の行電極に対応する表示データを要素とする。従前と同様に、オフの場合を1、オンの場合を−1とする。列電極電圧シーケンスベクトル(c)=(c1 ,c2 ,・・・,cN )は、1フレーム内に印加されるパルス数Nと等しい要素を持ち、特定の列電極に対する電圧レベルを1フレーム内で時系列で並べたものを要素とする。
【0039】
行電極パルスシーケンス行列(S)は、M行N列の行列であり、特定の列電極に対する行電極電圧レベルからなる列ベクトルを1フレーム内で時系列で並べたものを要素とする。非選択の行電極に対応する要素は0とされる。典型的な行電極パルスシーケンス行列(S)は、選択行列Aのi列目の列ベクトルAi 、ならびにゼロベクトルZe により数4のように書かれる。
【0040】
【数4】
Figure 0003791997
【0041】
複数ライン同時選択法の原理によれば、行電極パルスシーケンス行列(S)内の列ベクトルの入れ替えは任意に行うことができる。したがって、行電極サブグループの数NS と選択行列Aの列ベクトルの数Kとの間に特定の関係を満足させれば、行電極パルスシーケンス行列(S)内の列ベクトルの入れ替えにより、NS 番目のサブグループの選択からサブグループ1の選択に移行する場合の、選択行列Aの列ベクトルの飛びをなくせる。
【0042】
具体的には、同時選択行本数(仮想電極も含めて)が4本で選択行列Aの列ベクトルの数が4の場合は、サブグループの数を81とすれば、数5に示すように、サブグループ80からサブグループ1の選択に移行する際の選択行列の列ベクトルの飛びをなくせる。こうすると、不必要な低周波成分をなくせるので、フリッカーの抑制に効果的である場合が多い。サブグループの数が、現実のパネルと合致しない場合は、ダミーのサブグループを設けることにより、選択行列の列ベクトルの飛びをなくせる。
【0043】
【数5】
Figure 0003791997
【0044】
ところで、本発明で採用したAM法においては、1つのサブフレームでは、非選択画素の電圧実効値が一定にはならず、最低2つのサブフレームを必要とする。このような本発明において、1フレームの列電極表示パターンベクトル(D)と列電極電圧シーケンスベクトル(c)との関係を表現するためには、上記の表式に若干の修正を加える必要がある。2つのサブフレームX,Yで1フレームを表現する場合を例にとり、この場合の(D)、(c)、(S)を先のAM法を併用しない場合と区別して、それぞれ、(DX+Y )、(cX+Y )、(SX+Y )と表現する。数3と同様に、数6が成立する。
【0045】
【数6】
(cX+Y )=(DX+Y )(SX+Y
ただし(cX+Y )=(c1 ,c2 ,・・・,c2N
(DX+Y )=(D1 ,D2 ,・・・,D2M
【0046】
数6において、(DX+Y )=(D1 ,D2 ,・・・,D2M)は、行電極本数M(仮想電極や仮想サブグループを含む)の2倍の要素を持ち、特定の列電極上の行電極に対応する分割データXと分割データYとを要素とする。説明の便宜上、(DX+Y )の1番目からM番目までの要素とM+1番目から2M番目までの要素がそれぞれ前記の特定の列電極上のM本の行電極に対応するとする。また、列電極電圧シーケンスベクトル(cX+Y )=(c1 ,c2 ,・・・,c2N)は、1サブフレーム内に印加されるパルス数Nの2倍の要素を持ち、特定の列電極に対する電圧レベルを1フレーム内で時系列で並べたものを要素とする。(SX+Y )は典型的には数3の(S)を用いて数7のように表現される。ここにおいて、Ze はゼロ行列である。
【0047】
【数7】
Figure 0003791997
【0048】
すなわち、行電極パルスシーケンス行列(SX+Y )は、2M行2N列の行列であり、特定の列電極に対する行電極電圧レベルからなる列ベクトルを1フレーム内で時系列で並べたものを要素とする。(SX+Y )の第1行から第M行までと、第M+1行から第2M行までとはそれぞれ1フレーム内にそれぞれ2回の選択状態が生じるパネルの行電極に対応する。また、(SX+Y )の列ベクトルは特定の列電極に対する行電極電圧レベルからなる列ベクトルを1フレーム内で時系列で並べたものに対応する。
【0049】
本発明でいう「同時選択される特定の走査電極群に注目した場合に、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧が実効的に所定の非選択電圧値に一致するまでの走査回数を、2を超えて2K未満に設定する」という条件は、数1の分割データX,Yを用いてAM法による階調表示を得る場合には、具体的には、以下のようなものである。
【0050】
すなわち、2k(kは1を超えてK未満の整数)回のスキャンが行われる間に、k個の分割データXとそれに対応するk個の分割データYとに応じた電圧がデータ電極に印加される。すなわち、2k回のスキャンで、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧が実効的に所定の非選択電圧値に一致する。
【0051】
例えば、4行4列の選択行列を用いるときは、K=4であるから、k=2に設定することができる。8行8列の選択行列を用いるときは、K=であるから、k=2、3、4、5、6に設定することができる。このうち、k=2とk=4とはKの約数であるため、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧が実効的に所定の非選択電圧値に一致する周期を一定にできるので、好ましい。
【0052】
印加されるカラム信号のシーケンスを具体的に書き下すと、以下のようになる。
【0053】
i番目の同時選択される行サブグループの選択時に特定のカラム電極にはj番目の選択行列の列ベクトルで直交変換したXサブフレームの分割階調データが信号として印加される場合に、この信号をgX i j と表し、同様に、i番目の同時選択される行サブグループの選択時に特定のカラム電極にはj番目の選択行列の列ベクトルで直交変換したYサブフレームの分割階調データが信号として印加される場合に、この信号をgY i j と表すとする。
【0054】
4行4列の選択行列を用いて、5サブグループの選択ごとに分割データXに基づくカラム電圧レベルと分割データYに基づくカラム電圧レベルとを入れ替えるとする。4回のスキャンで非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧を実効的に所定の非選択電圧値に一致させる場合は、列電極電圧シーケンスベクトル(cX+Y )は、数8のようになる。これはもちろん、サブグループの数は、5よりも大きい場合である。分割データXと分割データYの表現は順序が逆であってもよい。
【0055】
【数8】
Figure 0003791997
【0056】
なお、何サブグループの選択ごとに分割データXに基づくカラム電圧レベルと分割データYに基づくカラム電圧レベルとを入れ替えるかは、カラム電圧波形のひずみによる実効電圧低下を考慮して、実験的に定めることができる。
【0057】
一方、特開平9−43571で開示した方法は、数9のような列電極電圧シーケンスベクトル(cX+Y )となる。
【0058】
【数9】
Figure 0003791997
【0059】
この場合も、5選択パルス(すなわち、5サブグループの選択)を周期にして分割データXに基づくカラム電圧レベルと分割データYに基づくカラム電圧レベルとを入れ替えている。
【0060】
数9のカラム電圧シーケンスを使用する場合に比べて、数8のカラム電圧シーケンスを使用する場合は、顕著に横筋むらが低減する。一方、k=Kとすると、データ電極上の画素の電圧実効値が非選択期間において所定の一定値に一致するまでに時間がかかるので、動画表示を行うと、それが縦筋状のむらとなる欠点がある。
【0061】
数9のカラム電圧シーケンスを使用する場合に比べて、数8のカラム電圧シーケンスを使用する場合に横筋むらが低減する理由は明らかではない。しかし、この横筋むらは、中間調を画面全体に表示した場合、各行電極での平均した実効電圧は等しいものの、フレーム応答が起こった場合は、駆動電圧のパルス系列の違いが行単位の明暗として観測されるものではないかと考えられ、数8のカラム電圧シーケンスの方が非選択時の電圧が一定になる周期が長いため、パルス系列も平均化されやすいのではないかと推察される。
【0062】
特に、AM法による階調表示とFRC法による階調表示とを併用し、複数ライン同時選択法により仮想ラインを用いて駆動する場合(たとえば、3本のライン同時選択に1本の仮想ラインを使用した場合など)にこの横筋むらは顕著になる。逆に、このような場合に本発明を適用することが非常に有効である。
【0063】
これまでの例では、選択ベクトルはサブグループの選択毎に変化する(たとえば、選択ベクトルが選択行列内でインクリメントされる)ベクトルシーケンスの例を示したが、ベクトルシーケンスとしては、いくつかのサブグループの選択にわたり同一選択ベクトルを用いることもできる。最も長い同一選択ベクトルの使用は、2サブフレームにわたる場合である。すなわち、第1、第2スキャンがベクトル1、次の2スキャンがベクトル2、というケースである。この場合、数13のように、ベクトルが毎選択ごとに変化する場合に比べ、カラム電圧波形の基本周波数は非常に低くなる。この、基本周波数は、いくつかの選択毎に周期的にベクトルを進めることにより、調整できる。Wパルスごとに、ベクトルを進める場合、数8の場合に比べ、基本周波数は1/W倍になる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、AM法による階調を採用した複数ライン同時選択法による液晶表示装置の駆動法において、動画表示をスムーズに行うとともに、横筋むらも抑制できるような駆動法が得られる。

Claims (4)

  1. マルチプレックス駆動を使用した液晶表示装置の駆動法であって、
    L本(Lは2以上の整数)の走査電極を同時に選択し、実質的に直交性を有するL行K列の選択行列(Kは整数)に選択パルス系列を対応させるとともに、
    階調データの表示に際し、各画素で表示すべきデータの濃度レベル系列が選択行列によって実質的に直交変換された結果にもとづいて生成される2種類の電圧パルスを画素に印加することにより、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧を実効的に所定の非選択電圧値に維持されるようにし、さらに、
    同時選択される特定の走査電極群に注目した場合に、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧が実効的に所定の非選択電圧値に一致するまでの走査電極の選択回数を、2を超えて2K未満に設定することを特徴とする液晶表示装置の駆動法。
  2. フレーム変調法による階調生成を併用することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置の駆動法。
  3. フレーム変調法は空間変調を伴うことを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置の駆動法。
  4. 同時選択される走査電極の数が4本であることを特徴とする請求項1、2または3記載の液晶表示装置の駆動法。
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