JPH07281645A - 画像表示装置の駆動方法 - Google Patents

画像表示装置の駆動方法

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JPH07281645A
JPH07281645A JP7497494A JP7497494A JPH07281645A JP H07281645 A JPH07281645 A JP H07281645A JP 7497494 A JP7497494 A JP 7497494A JP 7497494 A JP7497494 A JP 7497494A JP H07281645 A JPH07281645 A JP H07281645A
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Yoshinori Hirai
良典 平井
Satoshi Nakazawa
聡 中沢
Makoto Nagai
真 永井
Takeshi Kuwata
武志 桑田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ライン間ムラ、および、表示パターンに依存す
る表示均一性のばらつきを抑制し、品位の高い液晶表示
を得る。 【構成】複数行を同時に選択する液晶表示装置の駆動方
法において、少なくとも2つ以上の異なる選択行列(A
1 ,A2 ,・・,Ax )が用いられ、それらを用いる順
に連続して並べてなるL行(K・X)列の直交行列
(B)=(A12 ・・Ax )が、行列(B)の任意の
2つの行ベクトルの正負要素の連続する長さを要素とす
る行電圧シーケンスベクトル(Z)i 、(Z)j (i,
jはそれぞれ行列(B)のi行,j行を表す)のベクト
ル長Ri 、Rj と、Ri (i=1〜L)の最大値Rmax
と、の関係が、|Ri −Rj |/Rmax ≦・0.3
(i,j=1〜L)の関係を実質的に満たすことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速で応答する液晶に
適した液晶表示装置を駆動する方法に関する。特に、本
発明は、MLS法(複数ライン同時選択法、特開平6−
27907、USP5262881参照)でマルチプレ
ックス駆動を行う、単純マトリクス型液晶表示装置の駆
動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、本明細書では、走査電極を行電極
といい、データ電極を列電極ということにする。
【0003】高度情報化時代に進展にともなって情報表
示媒体へのニーズはますます高まっている。液晶ディス
プレイは薄型、軽量、低消費電力などのメリットを有し
ており、半導体技術との整合性もよくますます普及する
ものと考えられる。一方で普及にともない画面大型化、
高精細化が求められるようになって大容量表示をする方
法の模索が始まっている。そのなかでSTN(超ねじれ
ネマティック)方式はTFT(薄膜トランジスタ)方式
にくらべ製造工程が簡素であり、低コストで生産するこ
とができるので将来の液晶ディスプレイの主流になると
考えられる。
【0004】STN方式で大容量表示をするためには従
来から線順次マルチプレクス駆動が行われている。この
方法は各行電極を一本ずつ順次選択するとともに、列電
極を表示したいパターンと対応させて選択するもので、
全行電極が選択されることによって一画面の表示を終え
る。
【0005】しかし、線順次駆動法では、表示容量が大
きくなるにつれて、フレーム応答と呼ばれる問題が起こ
ることが知られている。線順次駆動法では、選択時には
比較的大きく、非選択時には比較的小さい電圧が画素に
印加される。この電圧比は一般に行ライン数が大きくな
るほど(高デューティー駆動となるほど)大きくなる。
このため、電圧比が小さいときには電圧実効値に応答し
ていた液晶が印加波形に応答するようになる。すなわ
ち、フレーム応答は選択パルスでの振幅が大きいためオ
フ時の透過率が上昇し、選択パルスの周期が長いためオ
ン時の透過率が減少し結果としてコントラストの低下を
引き起こす現象である。
【0006】フレーム応答の発生を抑制するためにフレ
ーム周波数を高くし、これにより選択パルスの周期を短
くする方法が知られているが、これには重大な欠点があ
る。つまり、フレーム周波数を増やすと、印加波形の周
波数スペクトルが高くなるので、表示の不均一を引き起
こし、消費電力が上昇する。また選択パルス幅が狭くな
りすぎるのを防ぐため、フレーム周波数の上限には制限
がある。
【0007】周波数スペクトルを高くせずにこの問題を
解決するために、最近、新駆動法が提案された。複数の
行電極(選択電極)を同時に選択するMLS(複数ライ
ン同時選択)法などの方法である。この方法は複数の行
電極を同時に選択し、かつ、列方向の表示パターンを独
立に制御できる方法であり、選択幅を一定に保ったまま
フレーム周期を短くすることができる。すなわちフレー
ム応答を抑制した高コントラスト表示ができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】MLS法においては、
列表示パターンを独立に制御するために、同時に印加さ
れる各行電極には一定の電圧パルス列が印加される。複
数のラインを同時に選択する駆動法では、複数の行電極
に同時に電圧パルスが印加されることになる。このと
き、列方向の表示パターンを同時にかつ独立に制御する
ために、行電極には各々極性の違うパルス電圧が印加さ
れる必要がある。行電極には極性を持つパルスが何回か
印加され、トータルで各画素にはオン、オフに応じた実
効電圧が印加される。
【0009】この各行電極に印加される選択パルス電圧
群はL行K列の行列(これを以後、選択行列(A)とい
う)として表せる。選択パルス電圧系列は互いに直交な
ベクトル群として表せるため、これらを列要素として含
む行列は直交行列となる。このとき行列内の各行ベクト
ルは互いに直交である。行の数Lは同時選択数に対応
し、各行はそれぞれのラインに対応する。たとえば、L
本の選択ラインの中のライン1には、選択行列(A)の
1行目の要素が適応され、1列目の要素、2列目の要素
の順に選択パルスが印加される。本明細書では、選択行
列(A)の表記において、1は正の選択パルスを、−1
は負の選択パルスを意味することとする。選択行列
(A)の代表的な例としてアダマール行列を図7(a)
に示す。図7(a)は4行4列のものである。
【0010】列電極には、この行列の各列要素および列
表示パターンに対応した電圧レベルが印加される。すな
わち、列電極電圧系列はこの行電極電圧系列を決める行
列と表示パターンによって決まる。
【0011】列電極に印加される電圧波形のシーケンス
は以下のように決定される。図7に基づいて説明する。
列電極iおよび列電極jにおける表示データが図7
(a)に示したようになっているとする。列表示パター
ンは図7(b)に示すようにベクトル(d)として表さ
れる。ここで列要素が−1の時はオン表示を表し、1は
オフ表示を表している。行電極に、行列の列の順に順次
行電極電圧が印加されていくとすると、列電極電圧レベ
ルは図7(b)に示すベクトル(v)のようになり、そ
の波形は図7(c)のようになる。図7(c)におい
て、縦軸、横軸はそれぞれ任意単位である。
【0012】部分ライン選択の場合、液晶表示素子のフ
レーム応答を抑制するために、1表示サイクル内で分散
して電圧印加されることが好ましい。具体的には、たと
えば、1番目の同時選択される行電極群(これを以下、
サブグループという)に対するベクトル(v)の第1番
目の要素が印加された次には、2番目の同時選択される
行電極群に対するベクトル(v)の第1番目の要素が印
加され、以下同様のシーケンスをとる。
【0013】したがって、実際に列電極に印加される電
圧パルスシーケンスは、電圧パルスを1表示サイクル内
でどのように分散するか、また同時選択される行電極群
に対してそれぞれどのような選択行列(A)が選ばれる
かによって決定される。そこで、MLS法において、実
際に行電極、列電極に印加される電圧パルスシーケンス
がどのようになっているかについて以下に説明する。
【0014】全行電極のうちの1部を同時選択する(部
分ライン選択)場合は、いつの時点で選択パルスシーケ
ンスを進めるかという観点で基本的に3つの考え方があ
る。1つは、1つのサブグループが選択され次のサブグ
ループが選択される時点で、行電極の選択パルスシーケ
ンスを1つ進める、すなわちサブグループを単位とした
選択パルスシーケンスの方式(1)であり、1つは、全
ラインが選択された時点で(全サブグループに対して)
選択パルスシーケンスを進めるという方式(2)であ
り、もう1つは方式(1)および(2)の中間方式
(3)である。方式(1)および方式(2)の場合に、
選択パルスを示すベクトルをサブグループごとに示すと
数1のようになる。ここで、選択行列(A)の各列ベク
トルをA1 、A2 ・・・ AM 、サブグループの数をNs
とした。
【0015】
【数1】
【0016】列電極に印加される電圧のシーケンスは、
列電極電圧レベルを図4(b)に示すのと同様にベクト
ル(v)=(v1 ,v2 ,v3 , ・・)で表されるとす
ると、方式(1)の場合、(v1 ,v2 ,v3 , ・・
・,v1 ,v2 ,v3 , ・・・)となり、方式(2)の
場合、(v1 ,v1 , ・・v1 ,v2 ,v2 , ・・・,
2 ,v3 , ・・)となる。それぞれのくり返し回数は
サブグループの数である。
【0017】これらの関係は一般的に数2のように、ベ
クトルとマトリクスとからなる表式で書くことができ
る。
【0018】
【数2】
【0019】ベクトル(x)、ベクトル(y)、行列
(S)は以下のようなものである。列電極表示パターン
ベクトル(x)=(x1 ,x2 ,・・・,xM )は、行
電極本数Mと同じ数の要素を持ち、特定の列電極上の行
電極に対応する表示パターンを要素とする。ここで、オ
フの場合が1、オンの場合が−1とする。列電極電圧シ
ーケンスベクトル(y)=(y1 ,y2 ,・・・,y
N )は、1表示サイクル内に印加されるパルス数Nと同
じ数の要素を持ち、特定の列電極に対する電圧レベルを
1表示サイクル内で時系列で並べたものを要素とする。
【0020】行電極パルスシーケンス行列(S)は、M
行N列の行列であり、特定の列電極に対する行電極電圧
レベルからなる列ベクトルを1表示サイクル内で時系列
で並べたものを要素とする。非選択の行電極に対応する
要素は0とされる。たとえば、方式(1)における行電
極パルスシーケンス行列Sは、選択行列Aの列ベクトル
i 、並びにゼロベクトルZe により数3のように書か
れる。
【0021】
【数3】
【0022】このようにSにおいては、各サブグループ
ごとに選択行列のすべての列ベクトルが1度ずつ存在
し、これにより、全ての画素に対する電圧実効値が決定
される。つまり、Sのシーケンスを完了することにより
表示が確定する。この期間がすなわち、1表示サイクル
である。
【0023】従来のMLS法での表示においては、その
表示品位に関し特有な2つの課題があった。一つは、同
時に選択されるライン間で表示の不均一性が生じ、行電
極方向に細かいライン間のムラを生ずるという課題であ
る。もう一つは、MLS法においては、表示の均一性が
画像(パターン)依存性を持っていたという点である。
すなわち、列電極に印加されるデータ電圧波形が、画像
情報と選択行列Aとの演算により決定されるため、ある
画像ではクロストークのない均一な表示が得られるが、
ある画像ではクロストークが目立つのである。
【0024】
【課題を解決するための手段】我々は上記課題を解決す
るべく駆動方式を検討し、複数ライン同時選択法におい
て表示ムラのほとんどない均一な表示を提供する液晶表
示素子を得た。具体的には、本発明は、複数の行電極と
複数の列電極とを有する画像表示装置の行電極をL本
(L≧3)一括して選択し、L行K列の行ベクトルが直
交する直交選択行列(A)の列ベクトルに基づく選択信
号を行電極に印加する画像表示装置の駆動方法であっ
て、少なくとも2つ以上の異なる選択行列(A1 ,A
2 ,・・,Ax)が用いられ、それらを用いる順に連続
して並べてなるL行(K・X)列の直交行列(B)=
(A12 ・・Ax )が、行列(B)の任意の2つの行
ベクトルの正負要素の連続する長さを要素とする行電圧
シーケンスベクトル(Z)i 、(Z)j (i,jはそれ
ぞれ行列(B)のi行,j行を表す)のベクトル長R
i 、Rj と、Ri (i=1〜L)の最大値Rmax と、の
関係が、|Ri −Rj |/Rmax ≦0.3 (i,j=
1〜L)の関係を実質的に満たすことを特徴とする画像
表示装置の駆動方法を提供する。
【0025】また、前記の駆動方法において、(Z)j
の要素の最大値Z0,j とZ0,j (j=1〜L)の最大値
max との関係が、0.6≦Z0,j /Zmax ≦1 (j
=1〜L)の関係を実質的に満たすことを特徴とする画
像表示装置の駆動方法を提供する。
【0026】また、前記の駆動方法において、特定の列
電極上の同時選択される行電極に対応する表示パターン
(オフが1、オンが−1)を要素とする列電極表示パタ
ーンベクトル(x)=(x1 ,x2 ,・・・,xM
と、N個の電圧パルスからなる1表示サイクル内で時系
列で並べられた前記列電極に対する電圧レベルを要素と
する列電極電圧シーケンスベクトル(y)=(y1 ,y
2 ,・・・,yN )と、の関係が、(y1 ,y2 ,・・
・,yN )=(x1 ,x2 ,・・・,xM )(S)であ
り、 Δyi =|yi −yi-1 | (i=2〜N)とす
ると、(x)=(1,1,・・・,1)に対し、実質的
にΔyi <0.7・Lとなること、を特徴とする画像表
示装置の駆動方法を提供する。
【0027】さらに、前記の駆動方法において、(x)
=(1,1,・・・,1)に対し、極性反転の前後の列
電極電圧yj-1 、yj が、同時選択行の本数Lに対し
て、実質的に、|yj-1 |<0.5・L かつ |yj
|<0.5・L (j−1、jはそれぞれ極性反転の直
前、直後を示す添え字)となることを特徴とする画像表
示装置の駆動方法を提供する。
【0028】本明細書では、特に断らないかぎり、Lを
同時選択される行電極数として用い、Kを選択行列の列
数として用い、Mを全行電極数として用い、Nを1表示
サイクル内に印加されるパルス数として用いる。本発明
において好ましい同時選択される行電極の本数はL≧3
であり、特に好ましくは、L≧5である。
【0029】本発明者らは、複数同時選択をする場合の
前述のムラの発生原因について、検討した結果、以下の
知見を新規に得て、特定の条件を満たすことにより、表
示ムラを大幅に減ずることが可能であることを見いだし
た。
【0030】知見の第1は、以下のようなものである。
すなわち、複数ライン同時選択駆動においては、ライン
ごとの周波数成分のばらつきが表示ムラの原因になると
いうことである。L本の行電極が同時選択される場合
は、列方向の表示パターンを同時にかつ独立に制御する
ために、行電極には各々極性の違うパルス電圧が印加さ
れる必要がある。これは、選択行列(A)が行ベクトル
の直交性をもつことからくる当然の帰結であり、前記の
アダマール行列はその典型的な例である。よって、通常
は駆動波形周波数成分がラインごとに異なる。
【0031】これは線順次駆動とは異なる特徴である。
つまり、線順次駆動では、行電極ごとに行電極に印加さ
れる波形の周波数成分は異ならないが、複数ライン同時
選択駆動では、行電極によって印加される波形の周波数
成分が通常異なる。よって、複数ライン同時選択駆動に
おいて、細かいライン間のムラが発生する。
【0032】行電極ごとの駆動波形の周波数成分のばら
つきの具体例を図2のような、3行4列の選択行列をも
とに本発明を説明する。この行列の各行に対応した要素
が各行電極に順次選択パルスとして印加される。図に示
したような系列で行列がくり返される場合、各行電極で
の選択パルスの正負のくり返しパターンは異なってい
る。いいかえれば、選択パルスの極性の反転に関しライ
ン毎に周波数が異なっている。図の例では、1行目に対
応するラインでは選択パルスは1回ごとに正負が反転す
るが、2、3行目では2回ごとに反転する。よって、1
行目は2行目および3行目に対して周波数が2倍高い。
このため、1行目より2行目、3行目の方が低周波成分
を多く含んだ駆動となる。
【0033】一般に、波形歪みの大きさと液晶の閾値特
性は周波数に依存するため、ライン1の方が2、3に比
べ、高い閾値特性となりネガ表示(オフで黒、オンで
白)の場合、他のラインより暗く見えることとなる。
【0034】知見の第2は、以下のようなものである。
すなわち、複数ライン同時選択駆動においては、列電極
電圧のパルスごとの変動幅が列電極波形の実効値の変動
に強く影響する。これも線順次駆動とは異なる特徴であ
り、複数ライン同時選択駆動は線順次駆動に比べて、列
電極電圧レベルが多いことに起因すると考えられる。つ
まり、線順次駆動では、大きな波形歪みは主に極性反転
のときに生じるが、複数同時選択駆動では列電極電圧の
パルスごとの変動幅が大きい場合にも生じ得る。よっ
て、複数ライン同時選択駆動においては、選択行列の種
類によっては列電極電圧の変動が頻繁に起こる場合があ
り、強いクロストークが発生しやすい。
【0035】この点を具体的に説明する。行電圧波形と
列電圧波形により液晶への印加電圧波形は決定される
が、列電圧波形はその列の表示パターンに依存するた
め、列電圧の電圧変動の大きな場合と小さな場合とが存
在する。図3に示した選択行列は、ある列での画像情報
が全オフまたは全オンの場合に、電圧変動を抑えること
のできるものである。この行列は、(x)=(1,1,
1,・・,1)に対しては、列電圧シーケンスの最大変
動幅Δyは2であり、列電極電圧の変動は比較的小さ
い。しかし、特殊なパターン、たとえば、(x)=
(1,1,1,−1,−1,1,1,1)に対しては、
Δyは8となり、大きな列電極電圧の変動をともなうこ
とになる。
【0036】本発明の主たる目的は、MLS法固有の同
時選択ライン間のムラと、表示均一性の画像パターン依
存性の両方を低減することにある。この点を達成するこ
とにより従来のいかなるSTNの駆動法にも優る均一な
画像を提供できる。
【0037】両者を同時に改善するために、本発明で
は、2つ以上の異なる選択行列を交互にくり返し用い
る。具体的には、Sで決まる選択電圧系列が印加された
後、S’で決まる選択電圧系列を印加し、この印加をく
り返すという手法(S→S’→S→S’)を用いる。も
ちろん、用いる行列は2種類に限られず、3種以上をく
り返し用いてもよい。S’としては、Sの行入れ替えを
行ったもの、列入れ替えを行ったもの、全く別の関数系
などを用いることができる。
【0038】なお、この場合、1表示サイクルが長くな
るという問題はこの場合生じない。各画素の電圧実効値
は一つの行列での時系列(サイクル)で決定されるため
である。このようにして、複数の異なる行列を交互に用
いることにより各行ラインの均一性を増すことができ、
均一性の高い画像を提供できる。
【0039】また、2つ以上の異なる選択行列を交互に
くり返し用いることにより、表示パターンにより表示均
一性が変化することが抑制できる。1つの選択行列に対
しては必ず列電極への電圧シーケンスでの電圧変化の大
きくなるような表示パターンが存在するが、2つ以上の
異なる選択行列を用いれば、特定の表示パターンに対し
て表示均一性が損なわれるという事態を回避できるため
である。すなわち、パターン依存性の少ない均一表示が
可能となるのである。
【0040】したがって、複数の異なる選択行列を交互
に使い行電圧シーケンスを決定することは、ライン間の
表示の均一性および表示パターン間の表示均一性の両方
の観点から非常に望ましい手法ということができる。
【0041】また、本発明では、さらに行電圧のシーケ
ンスそのものに周波数均一性を持たせることをひとつの
特徴とする。すなわち、選択行列の各行ベクトルにおい
て、正の選択(1)もしくは負の選択(−1)が連続す
る数(符号に関する系列)をそれぞれの行に対して均一
化するのである。
【0042】本発明では行電圧シーケンスの周波数ばら
つきについて2つの評価基準を使用する。1つは、2つ
以上の異なる選択行列(A1 ,A2 ,・・,Ax )が用
いられる場合、それらを用いる順に連続して並べてなる
L行(K・X)列の直交行列(B)=(A12 ・・A
x )において、行列(B)の任意の2つの行ベクトルの
正負要素の連続する長さを要素とする行電圧シーケンス
ベクトル(Z)i 、(Z)j (i,jはそれぞれi行,
j行を表す)のベクトル長をそれぞれRi 、Rj とし、
i (i=1〜L)の最大値をRmax とした場合の、”
|Ri −Rj |/Rmax ”であり、もう1つは、(Z)
j の要素の最大値をZ0,j とし、Z0,j(j=1〜L)
の最大値をZmax とした場合の、”Z0,j /Zmax ”で
ある。
【0043】この基準を説明する。まず、次のような観
点で行列群とそのシーケンスを決める。複数の異なる行
列を続けて用いる場合、その周期を、1期間として、そ
の間の各行(各ライン)の選択パルスの正負の系列をパ
ルス数で表す。たとえば、(++−−−+++−+)の
くり返し系列では、(3331)となる。このように選
択パルスの符号の連続数を順にならべたベクトルを、行
電圧シーケンスベクトル(Z)とよぶことにする。ここ
で、最後の+は最初の+と連続しているのでそのパルス
数は3となる。
【0044】第1の基準”|Ri −Rj |/Rmax ”は
行電圧の平均周波数の均一化の程度を示す基準であると
考えられる。これは、行電圧シーケンスベクトル(Z)
の要素数が各ライン間でほぼ同一であるかどうかの指標
である。つまり、選択パルスの正負の変化の回数がほぼ
同一であるかどうかの指標になる。
【0045】本発明では、選択行列がL行K列であり、
1期間内(1表示サイクル×用いる選択行列の種類の
数)で、同時に選択されるライン(本数L)での選択パ
ルスの符号が変化する回数Ri (すなわち、行電圧シー
ケンスベクトルの要素数)が、数4の条件を満たすこと
が望ましい。
【0046】
【数4】
【0047】より望ましくは、数5の条件とされる。
【0048】
【数5】
【0049】この条件では、各行のもつ選択パルスの周
波数成分がほぼ同一となっているため、ライン間ムラが
低減される。
【0050】第2の基準”Z0,j /Zmax ”は各行のも
つ選択パルスの最低周波数がほぼ同一となっているかど
うかの指標である。つまり、(Z)の要素の大きさに大
きなばらつきがあるかどうかの指標になる。特に、極端
な低周波成分を含むことは望ましくない。
【0051】本発明では、J行でのベクトル(Z)の要
素の最大値をZ0,j とした場合、それらの最大値Zmax
に対し、数6の条件を満たすことが望ましい。
【0052】
【数6】
【0053】より望ましくは、数7の条件とされる。
【0054】
【数7】
【0055】この条件では、各行のもつ選択パルスの最
低周波数がほぼ同一となっているため、ライン間ムラが
低減される。
【0056】このように、(1)、(2)の条件は、そ
れぞれ、行電圧波形の、平均周波数(周波数分散)と最
低周波数に関する条件である。これらは、要求される均
一性のレベルに対応して用いられるが、高い均一性を要
求する場合、その両方を同時に満たすことが最も望まし
い。
【0057】図1に基づいて具体例を説明する。図1に
示した選択行列A1 およびA2 を交互に使用した場合、
各行に対するベクトル(Z)i は図に示した4種類とな
る。そのベクトル長はすべて4であるから、Ri はiに
かかわらずすべて4であり、よって、Rmax は4とな
る。一方、ベクトル(Z)i の要素の最大であるZ0,j
はそれぞれ、4,3,4,3となり、よってZmax は4
となる。以上から、図1に示したシーケンスでは、|R
i −Rj |/Rmax =0であり、Z0,j /Zmax=3
/4もしくは1であるから、上記の条件(1)、(2)
のみならず(1’)、(2’)をも満足している。
【0058】従来から知られている選択行列として、擬
似ランダム行列があり、これもライン間の周波数成分が
均一化されている。
【0059】しかし、擬似ランダム行列では、同時選択
数Lに対し、1表示サイクル中の選択パルス数Kは、L
−1 となりLの増大にともないきわめて長いシー
ケンスを必要とする。表示サイクルの長周期化は、液晶
特性の周波数ムラに起因するムラ、フリッカーの原因と
なるため、望ましいとはいえない。
【0060】このように擬似ランダム行列は多くの問題
点も有しているが、各選択行ごとの周波数成分がほぼ等
しいという利点も有する。つまりライン間の差をなくし
各ライン間で均一な表示を行うという点では有効であ
る。発明者らはこの擬似ランダム行列の特長を生かし、
かつ、上記の問題点を克服する駆動方式を検討し、行ベ
クトルの直交性、サイクル長、ライン間均一性の観点で
いずれに対しても効果のある駆動方式を見い出したので
ある。
【0061】本発明の好ましい態様によれば、さらに、
時間軸(シーケンスを進める順)における最大電圧変動
幅という観点で最適な列波形を選ぶための基準として行
列(S)を数8によって評価する。
【0062】
【数8】
【0063】この際、すべての表示パターンでΔyi
一定値以下に抑えることが好ましいが、前述のようにΔ
i は列電極表示パターンベクトル(x)に依存する値
なので、これは実際上難しい。たとえば、全面オンの表
示と、市松模様の表示とでは、Δyi の値はまったく異
なる。
【0064】本発明の好ましい態様においては、基準と
なる列電極表示パターンベクトル(x)として、(x)
=(1,1,・・・,1)を選ぶ。本発明者らが検討し
た結果、通常の使用状態で最もクロストークが目立つの
は、全オンもしくは全オフに近い状態(たとえば、均一
なベタパターン上に、ブロックまたはラインの表示が存
在するパターン)であり、この状態でのクロストークを
抑えることにより、表示全体としての見栄えが格段に向
上することが見い出された。
【0065】一般に、Δyi <0.7・Lとすることに
より、最大電圧変動差を実用可能な程度に抑えることが
できる。特に好ましくは、Δyi ≦0.5・Lである。
このようにすることにより、ラインごとの周波数成分を
ほぼ等しくし、パターン依存性を低減するとともに、ク
ロストークの大きさを抑えることが表示サイクルを長く
することなしに可能となる。
【0066】本発明のさらに好ましい態様においては、
印加電圧の極性反転を適当なタイミングで行うことによ
り、表示ムラの低減を行うことにある。つまり、所定の
周期で極性反転することにより、どのような直交行列を
選択行列として使用しても直流成分を除去できるように
なるだけでなく、極性反転の周期を調節することによ
り、駆動波形の中心となる周波数帯域を制御することが
できる。この周波数帯域が低すぎると、表示パターンに
よっては表示ムラやフリッカーを生じることがあるが、
極性反転によりこのような不都合を除くことができる。
この意味では、比較的駆動周波数が低くなる場合に極性
反転がきわめて効果的である。
【0067】極性反転を行うタイミングとしては、列電
圧シーケンスにおいて、より0に近いレベルのときに、
反転を行うことが非常に望ましい。極性反転に伴う波形
歪みによる実効値変動を極力抑制するためである。具体
的には、極性反転を行うタイミングの前後の列電極電圧
レベルyj-1 、yj が、同時選択行の本数Lに対して次
の関係を満たすことが望ましい。
【0068】|yj-1 |<0.5・L かつ |yj
<0.5・L (j−1、jはそれぞれ極性反転の直
前、直後を示す添え字) 上記関係は、より望ましくは、以下のように表される。
【0069】|yj-1 |<0.3・L かつ |yj
<0.3・L (j−1、jはそれぞれ極性反転の直
前、直後を示す添え字) この条件を満たすと、極性反転時の実効値への影響を極
力抑制できる。
【0070】また、極性反転の前後での列電圧レベルの
差が、|yj-1 −yj |<0.7・Lの関係、好ましく
は|yj-1 −yj |≦0.5・Lの関係を同時に満たす
ことが望ましい。こうすると、極性反転時の列電圧歪み
と、列電圧変動時の列電圧歪みとの両方を低減し、表示
ムラの解消に大きく貢献できる。行列群の選択とその並
び(シーケンス)の選択と適当な極性反転の実施によ
り、クロストーク、ライン間ムラ、パターン依存性のい
ずれをも同時に改善することができ、非常に均一な表示
を得ることができる。
【0071】本発明における駆動方法は、特開平6−2
7907、USP5262881に記載されているよう
な回路を用いて実現することが可能である。
【0072】回路の構成の1例のブロック図を図8に示
した。これは、RGBそれぞれ16階調表示を行うため
の回路である。データ信号を、16階調の信号をMSB
からLSBまで4ビットの信号としてデータ前処理回路
1に入力する。データ前処理回路1は後段の列信号形成
に適したフォーマットとタイミングで列信号発生回路2
に入力されるデータ信号を出力するための回路である。
列信号発生回路2には、データ前処理回路2から出力さ
れるデータ信号と直交関数発生回路5から出力される直
交関数信号とが入力される。
【0073】列信号発生回路2は両信号を用いて所定の
演算を行い列信号を形成した後、列ドライバ3に出力す
る。列ドライバ3は所定の基準電圧を用いて、入力され
る列信号から液晶パネル6の列電極に印加する列電極電
圧を形成して液晶パネル6に出力する。一方、液晶パネ
ル6の行電極には、直交関数発生回路5から出力される
直交関数信号を行ドライバ4で変換した行電極電圧が印
加される。これらの回路は、必要に応じてタイミング回
路等を備え、所定のタイミングにコントロールされて動
作する。
【0074】本発明で用いられている直交関数は、直交
関数発生回路5が発生する。直交関数発生回路5は、直
交関数信号発生のたびに演算を行い信号形成することも
できる。しかし、あらかじめ、使用する直交関数信号を
ROMに保存しておき、それを適当なタイミングで読み
出すほうが簡便性の点で好ましい。すなわち、液晶パネ
ル6への電圧印加タイミングを規定するパルスを計数
し、計数値をアドレス信号としてROM内の直交関数信
号を順次読み出すようにする。
【0075】データ前処理回路1は、具体的には、図9
のような構成である。信号処理は、階調情報を持った4
ビットの画像データをR、G、B3ビットずつ4組に分
けて行う。すなわち、MSB(23 )、2ndMSB
(22 )、3rdMSB(21)、LSB(20 )の4
組に信号を分けて、並列処理を行う。
【0076】入力された3ビットのデータは5段直並列
変換器11で15ビットのデータに変換しメモリ12に
送られる。具体的には、5段シフトレジスタの入力端子
にシリアルなデータを入力し、その5個の各タップ出力
をメモリ12に入力する。
【0077】メモリ12としてはデータ幅16ビットの
VRAMを用いた。メモリ12への書き込みは直接アク
セスモードを用いて以下のように行う。すなわち、同じ
列電極に対応した行電極上のデータは、同時選択される
7本の行電極について隣り合う7個のアドレスに格納す
る。このようにすることにより、後段のメモリからの読
み出しが高速に行えるとともに、演算が容易になる。
【0078】メモリ12からの読み出しは高速な順次ア
クセスモードでLCDの駆動タイミングに応じて行い、
4組の15ビットデータをデータフォーマット変換回路
16へ送る。
【0079】データフォーマット変換回路16は、各階
調ごとに15ビット幅で並列に送られたデータをRGB
ごとの20ビット幅の並列信号に整理し直す回路であ
り、通常は、回路基板上で適宜の配線を行うことにより
足りる。
【0080】データフォーマット変換回路16でRGB
3組の20ビットデータに変換されたのち、データは階
調決定回路15へ送られる。階調決定回路15では1ド
ット当り4ビットの階調データをオン/オフ1ビットの
データに変換してサブ画面の映像信号とし、サブ画面を
たとえば15サイクルかけて階調表示を実現するフレー
ム変調用回路である。具体的には、20ビット幅のデー
タを所定のタイミングで5ビット幅データに分配するデ
マルチプレクサを用いた。どのビットがどのサブ画面に
対応するかは、フレームカウンタによる計数によって決
められる。このようにして5ドット分の階調データに相
当する20ビットのデータを5ビットの階調のないシリ
アルデータに変換して縦横変換回路13に出力する。
【0081】縦横変換回路13は5ピクセルの表示デー
タを7回転送して蓄えておき、これを7ピクセルのデー
タとして5回に分けて読み出す回路である。2組の5×
7ビットレジスタで構成されている。縦横変換回路13
からデータ信号は列信号発生回路2に送られる。
【0082】列信号発生回路2は、図10に示した構成
である。7ビットのデータ信号を排他的論理和ゲート2
3、23、・・・に入力する。排他的論理和ゲート23
にはそれぞれ直交関数発生回路5からの信号も入力され
る。排他的論理和ゲート23の出力は加算器21で同時
選択される行電極について加算される。
【0083】また、列ドライバ3は、図11のような構
成になっている。シフトレジスタ31、ラッチ32、デ
コーダー33、および電圧分割器34からなっている。
電圧レベル選別器33としてはデマルチプレクサを用
い、1行分のデータをシフトレジスタ31に送り込んだ
段階で表示データの列電圧への変換を行う。
【0084】さらに、行ドライバ4は、図12のような
構成になっている。駆動パターンレジスタ41、選択信
号レジスタ42、およびデコーダー43からなる。選択
信号レジスタ42の内容によって同時選択行が決めら
れ、駆動パターンレジスタ41の内容によって選択され
た各行にどちらの極性の選択信号をを出力するかが決め
られる。非選択行は0Vが出力される。
【0085】図8〜図12は回路の一例として示したも
のであり、本発明の本質を損しない限り、さまざまな回
路の採用が可能である。
【0086】
【実施例】図8〜図12に示した回路を用いて、液晶表
示パネル7を以下の要領で駆動した。液晶表示パネルは
9.4インチのVGAモジュール(画素数480×24
0×3(RGB))で背面バックライトを備える。液晶
表示パネルの応答時間は立ち上がりと立ち下がりとの平
均で60msecである。7本の行を同時選択するとと
もに、サブグループごとの選択で、選択行列の列を1つ
進める方式(方式1)で駆動した。2画面駆動(上下分
割)を行ったので、サブグループの数は35となった。
バイアスはコントラスト比がほぼ最大となるように調整
し、表示のコントラスト比は30:1、最大輝度は10
0cd/m2 となった。
【0087】図4(a)に示されるように3行4列の選
択行列を用い、同時選択数L=3で駆動を行った。図4
(a)では4×4のアダマール行列の3行を用い、2表
示サイクルで周期となっている。行列は選択行列(A)
のあとその反転行列が続くように設定した。行電圧(選
択パルス電圧)の正負のシーケンスを表す行電圧シーケ
ンスベクトルは図4(a)に示したようにかかれ、1、
3行目では、正負の変化の回数Ri =6で最大の要素が
0,j =2、2行目ではRi =2で最大要素Zo,j =4
である。この駆動で全オン表示を行ったところ2行目に
対するラインが明るいラインとなり、全体の均一性は損
なわれていた。
【0088】以下、図1、図4、図5、図6に示したよ
うなサイズの違う各行列の例を示す。表1で、条件
(1):行電圧の正負反転回数の行間最大差|Ri-Rj
|/Rmax 、条件(2):行電圧の最長周期の行間の最
大比Z0,j /Zmax 、条件(3):列電圧の最大変位の
関係(Δyi <0.7・Lを満たす場合:Y、満たさな
い場合:N)、を同時に示す。ここで、それぞれの評価
は、A:良好〜C:不良の順とした。
【0089】特に、図6(c)の駆動条件で、32サブ
グループの選択ごとに行選択電圧ならびに列電圧の極性
を反転させて駆動させたところ、クロストーク、ライン
ムラなどがほとんどの画像に対しほぼ見えないレベルで
あり、非常に均一な表示が得られた。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、複数ライン同時選択駆
動において、少なくとも2つ以上の異なる選択行列を用
い、行電圧シーケンスベクトル(Z)i 、(Z)j
(i,jはそれぞれi行,j行を表す)のベクトル長R
i 、Rj と、Ri (i=1〜L)の最大値Rmax と、の
関係が、 |Ri −Rj |/Rmax ≦0.3 (i,j=1〜
L) の関係を実質的に満たすようにしているので、ライン間
ムラ、および、表示パターンに依存する表示均一性のば
らつきを抑制し、品位の高い表示を得ることができる。
また、周波数成分が低くなりすぎることもない。
【0092】また、(Z)j の要素の最大値Z0,j とZ
0,j (j=1〜L)の最大値Zmaxとの関係が、 0.6≦Z0,j /Zmax ≦1 (j=1〜L) の関係を実質的に満たすようにすることにより、一層、
ライン間ムラを抑制し、品位の高い表示を得ることがで
きる。
【0093】また、 Δyi =|yi −yi-1 | (i=2〜N) とすると、(x)=(1,1,・・・,1)に対し、実
質的にΔyi <0.7・Lとなるようにすること、によ
り、クロストークがもっとも目立ちやすい全オンもしく
は全オフに近い表示でのクロストークを抑えることがで
きるので、全体として表示の見栄えを向上することがで
きる。
【0094】さらに、(x)=(1,1,・・・,1)
に対し、極性反転の前後の列電極電圧yj-1 、yj が、
同時選択行の本数Lに対して、実質的に、 |yj-1 |<0.5・L かつ |yj |<0.5・L
(j−1、jはそれぞれ極性反転の直前、直後を示す
添え字) となるようにすることにより、低周波成分に起因する表
示ムラを除くとともに、極性反転に起因するクロストー
クをも抑制し、表示の均一性の極めて高い表示が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動方法における行選択シーケンスを
説明する説明図。
【図2】(a),(b)は行選択選択パルスの周波数成
分のばらつきを説明する説明図。
【図3】表示均一性の表示パターン依存性を説明する説
明図。
【図4】(a)〜(d)は種々の行選択シーケンスを例
示した説明図。
【図5】(a),(b)は種々の行選択シーケンスを例
示した説明図。
【図6】(a)〜(c)は種々の行選択シーケンスを例
示した説明図。
【図7】(a)〜(c)はMLS法での電圧印加方法を
説明する概念図及び波形図。
【図8】本発明を実施するための回路の構成の1例を示
すブロック図。
【図9】データ前処理回路1を示すブロック図。
【図10】列信号発生回路2を示すブロック図。
【図11】列ドライバ3を示すブロック図。
【図12】行ドライバ4を示すブロック図。
【符号の説明】
1:データ前処理回路 2:列信号発生回路 3:列ドライバ 4:行ドライバ 5:直交関数発生回路 6:液晶パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑田 武志 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の行電極と複数の列電極とを有する画
    像表示装置の行電極をL本(L≧3)一括して選択し、
    L行K列の行ベクトルが直交する直交選択行列(A)の
    列ベクトルに基づく選択信号を行電極に印加する画像表
    示装置の駆動方法であって、 少なくとも2つ以上の異なる選択行列(A1 ,A2 ,・
    ・,Ax )が用いられ、それらを用いる順に連続して並
    べてなるL行(K・X)列の直交行列(B)=(A1
    2 ・・Ax )が、 行列(B)の任意の2つの行ベクトルの正負要素の連続
    する長さを要素とする行電圧シーケンスベクトル(Z)
    i 、(Z)j (i,jはそれぞれ行列(B)のi行,j
    行を表す)のベクトル長Ri 、Rj と、Ri (i=1〜
    L)の最大値Rmax と、の関係が、 |Ri −Rj |/Rmax ≦0.3 (i,j=1〜
    L) の関係を実質的に満たすことを特徴とする画像表示装置
    の駆動方法。
  2. 【請求項2】(Z)j の要素の最大値Z0,j とZ0,j
    (j=1〜L)の最大値Zmax との関係が、 0.6≦Z0,j /Zmax ≦1 (j=1〜L) の関係を実質的に満たすことを特徴とする請求項1の画
    像表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】特定の列電極上の同時選択される行電極に
    対応する表示パターン(オフが1、オンが−1)を要素
    とする列電極表示パターンベクトル(x)=(x1 ,x
    2 ,・・・,xM )と、N個の電圧パルスからなる1表
    示サイクル内で時系列で並べられた前記列電極に対する
    電圧レベルを要素とする列電極電圧シーケンスベクトル
    (y)=(y1 ,y2 ,・・・,yN )と、の関係が、 (y1 ,y2 ,・・・,yN )=(x1 ,x2 ,・・
    ・,xM )(S) であり、 Δyi =|yi −yi-1 |(i=2〜N) とすると、 (x)=(1,1,・・・,1)に対し、実質的にΔy
    i <0.7・Lとなること、を特徴とする請求項1また
    は2の画像表示装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】(x)=(1,1,・・・,1)に対し、
    極性反転の前後の列電極電圧yj-1、yj が、同時選択
    行の本数Lに対して、実質的に、 |yj-1 |<0.5・L かつ |yj |<0.5・L
    (j−1、jはそれぞれ極性反転の直前、直後を示す
    添え字)となることを特徴とする請求項1、2、または
    3の画像表示装置の駆動方法。
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