JP3630142B2 - 物体検知センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検出体の有無を検出するように構成された物体検知センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、物体検知センサは、自動販売機、自動券売機、ATM等の硬貨を取り扱う装置でコインの凹凸や材質の識別装置、モータの回転駆動制御装置など、多種多様な装置において広く用いられている。従来の物体検知センサは、通常、渦電流型と呼ばれる構造を備えたものであって、例えば図10に示されているように、棒状をなすコア体1に巻回されたコイル2に電流を流して、検出用の磁束φrを発生させておき、その検出用磁束φrにより形成される磁界中において、被検出体3と上記コア体1とを相対的に移動させ、そのときの両者間の距離変動に対応して上記被検出体3に生成される渦電流の大きさが変化して磁気抵抗が変化することから、その変化量をインダクタンスの変化量として捕らえることによって、図11に示されているような検出出力を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来型の物体検知センサでは、上述したコア体1と被検出体3との間の空気を介在した磁気抵抗変化に、直流抵抗分が含まれていることから、最終的に検出される出力は、インピーダンス変化に対応したものとなっている。その結果、従来型の物体検知センサでは、検出出力の感度が未だ十分とはいえず、しかも、直流抵抗分やコア体の透磁率の温度変動などの影響によって、良好な温度特性が得られないという問題もある。
【0004】
また、上述したコア体1と被検出体3との間の空気中における磁気抵抗変化は、距離の二乗に比例していることから、検出出力の直線性が良好でなく、しかも図12に示されているように、三次元的な磁束φrの変化を利用して変化量を大きくすることが行われることから、装置全体が大型化する傾向がある。また、センサーアンプ間のケーブルの長さを変えことによってインピーダンスが変動してしまうことから、それに対応して、アンプの調整を行わねばならないという問題もある。
【0005】
そこで本発明は、簡易な構成よって、良好な検出感度を得つつ安定した検出結果を得ることができるようにした物体検知センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の物体検知センサでは、コア体の同一軸心上に、励磁用コイル及び検出用コイルがそれぞれ巻回されることにより装着されたものであって、上記励磁用コイル及び検出用コイルの一方側が、前記コア体の軸心方向における略中央に配置された中央コア部に装着されているとともに、前記励磁用コイル及び検出用コイルの他方側が、上記コア体の軸心方向における両端部分に配置された一対の軸端コア部にそれぞれ装着され、それら一対の軸端コア部のうちの一方側と前記被検出体とが、互いに対面可能な配置関係になされている。
すなわち、このような構成を有する物体検知センサでは、励磁用コイルと検出用コイルとが区別されて配置されていて、しかも一対の励磁用コイル又は一対の検出コイルの間のバランスに基づいて検出が行われることから、直流抵抗分等を含むインピーダンスに関係なく磁束の変化量を直接測定することによって、小型のコア体を用いつつ高感度な出力が得られ、しかも、従来のような定電流回路を使用することなく安価な回路によって、環境の温度変動にかかわらず安定的な検出動作が可能となっている。
特に、この請求項1記載の物体検知センサでは、前記軸端コア部における軸心方向と直交する方向の幅寸法が前記中央コア部の幅寸法よりも小さく形成されているとともに、請求項2記載の物体検知センサでは、前記請求項1記載の軸端コア部の幅寸法が、中央コア部の幅寸法の半分以下に設定されている。
このように、被検出体に近接される軸端コア部を小幅として、当該軸端コア部における電流効率を向上させ、より多くの磁束を発生させることで、検出感度が一層高められる。
【0009】
さらにまた、請求項3記載の物体検知センサでは、前記請求項1記載の中央コア部と、前記一対の軸端コア部との各境界部分には、幅方向に向かって突出する係止鍔部がそれぞれ設けられ、該係止鍔部によって、前記励磁用コイル及び検出用コイルの巻回位置が、予定の位置に位置決め規制されている。このように、中央コア部と軸端コア部との境界部分に係止鍔部を設けることによって、各コイルの巻回位置を精度良く位置決め可能としておけば、位相ズレ又は出力ズレが低減されるとともに、大きな変化率が得られる。
【0010】
また、請求項4記載の物体検知センサでは、前記請求項1記載の一対の軸端コア部のうち、前記被検出体側に対面可能に配置されている側とは反対側の軸端コア部には、該軸端コア部と対向するようにして、比較金属体が配置されている。
このように、被検出体からの検出出力と、比較金属体からの検出出力との差分を変化量として検出を行えば、比較金属体と軸端コア部との距離や、比較金属体の材質などを変更することによって、被検出体に対して必要とされる検出区間における始点位置を「0」出力に設定して用いることが可能となり、それによって、大きな出力変化を得て検出精度、及び分解能が高められるとともに、良好な直線性が得られるようになっている。
【0011】
さらに、請求項5記載の物体検知センサでは、前記請求項1記載の励磁用コイルは、一対のコイル巻回部を有し、それら一対のコイル巻回部は、前記同一の軸心上に対向磁界が形成するように配置されていて、このような手段によれば、一対の励磁用コイルによって差動状態となった一つの出力が得られることから、より一層高感度で正確な検出が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示されている実施形態にかかる物体検知センサ10においては、一枚の薄板形状部材からなるコア体11の中央コア部11aに対して、検出用コイル12が巻回されているとともに、上記中央コア部11aの図示上下方向両側に、係止鍔部11bをそれぞれ介して一体的に連接された一対の軸端コア部11c,11dの各々に対して、励磁用コイル13c,13dがそれぞれ巻回されている。
【0013】
そして、上記一対の軸端コア部11c,11dのうちの図示上側に配置された一方側の軸端コア部11cが、金属部材又は磁性体からなる被検出体14と対面可能に配置されている。このとき本実施形態では、前記中央コア部11aを通して他方側の軸端コア部11dに至る軸心CXの方向(図示上下方向)が、前記被検出体14の移動方向に略直交する位置関係に設定されている。そして、上記一方側の軸端コア部11cに対して被検出体14が、上記軸心CXに略直交する方向に沿って往復移動されることによって、これら一方側の軸端コア部11cと被検出体14とが互いに対向しつつ近接・離間され、それらの両部材11c,14どうしが互いに適宜の距離範囲内において対面したときに、前記被検出体14の存在(有り)を検出する構成になされている。なお、上記被検出体14が固定された状態で、物体検知センサ10側が動く構成であってもよい。
【0014】
より具体的には、上記中央コア部11aは、前記軸心CXの延在方向(図示上下方向)において物体検知センサ10の略中央部分に配置されていて、上記軸心CXの方向と直交する方向(図示左右方向)における幅寸法W1 が、比較的幅広に形成されている。これに対して、上記両軸端コア部11c,11dの各幅寸法W2 は、上記中央コア部11aの幅寸法W1 より小さく設定されており(W2 <W1 )、本実施形態では、半分以下の寸法(W2 ≦W1 /2)となるように形成されている。このとき、上記中央コア部11aにおける検出用コイル12が巻回されている部位は、やや細幅の寸法W3 となるように切り欠かれた形状になされている。
【0015】
また、上記両軸端コア部11c,11dに巻回された一対の励磁用コイル13c,13dは、一体的に連結された一連のコイル部材から構成されていて、それらの各コイル部材のうちの、上記両軸端コア部11c,11dにおける付け根部分に巻回された内端部分どうしが、渡り線13eによって一体的に接続されて、直列の状態になされている。一方、上記両軸端コア部11c,11dの各先端側から引き出された各リード部13f,13gは、交流電源15の両端子部にそれぞれ接続されていて、その交流電源15から発生される正弦波又は矩形波が、上記両軸端コア部11c,11dの各コイル巻回部に印加されることによって、上述した同一の軸心CX上において、逆方向の対向磁界φ1,φ2が形成されるように構成されている。
【0016】
このとき、上記中央コア部11aと、一対の軸端コア部11c,11dとの各境界部分に設けられた各係止鍔部11b,11bは、上記軸心CXの方向と略直交する幅方向に向かって突出する張出形状になされており、それらの各係止鍔部11bに対する軸心方向の前後の位置に、前記励磁用コイル13c及び検出用コイル13dがそれぞれ巻回されている。すなわち、それらの各コイル13c,13dの巻回位置は、上記両係止鍔部11b,11bによって位置決めされるようになっている。
【0017】
このような構成を有する本実施形態にかかる物体検知センサ10において、上記検出用コイル12から得られる検出出力は、一対の励磁用コイル13c,13dにより発生される逆方向の対向磁界φ1,φ2の和に相当する磁界に基づくものとなっており、従って、上述した被検出体14が存在していない(無し)か、または被検出体14が物体検知センサ10から十分な遠方(無限遠)にある場合には、上記逆方向の対向磁界φ1,φ2の絶対値は等しくなって(|φ1|=|φ2|)、上記検出用コイル12からの出力は「0」となる。一方、物体検知センサ10と被検出体14とが、相対的に近接して適宜の範囲内に存在する(有り)の状態になると、これら両者間の距離の変化に対応して、上記被検出体14に発生する渦電流が変化し、それにより、上述した逆方向の対向磁界φ1,φ2のバランスが崩れて、例えば、φ1が大きくなるとφ2が小さくなる。そして、そのときの対向磁界φ1,φ2の絶対値の差(|φ1|−|φ2|)に相当する磁界に基づいて、上記検出用コイル12から差動出力が得られる。
【0018】
このような差動状態によって一つの出力が得られるが、その出力は、例えば以下の式によって表されるものとなっている。
【数1】
【0019】
すなわち、上述した構成を有する物体検知センサ10では、励磁用コイル13c,13dと、検出用コイル12とが区別されて配置されていて、しかも、一対の励磁用コイル13c,13dどうしの間のバランスに基づいて検出が行われることから、直流抵抗分等によるインピーダンスに関係なく磁束の変化量が、薄型で小型のコア体11を用いつつ良好な直線性をもって高感度で得られる。しかも、従来のような定電流回路を使用することなく安価な回路によって環境の温度変動にかかわらず、被検出体14の有無に関して安定的な検出動作が可能となる。
【0020】
また、本実施形態では、被検出体14に対面配置される軸端コア部11c,11dを小幅なものとして、当該軸端コア部11c,11dにおける電流効率を向上させており、それによって、より多くの磁束を発生させていることから、検出の変化量、つまり被検出体14の有無に関する検出感度が一層高められるようになっている。
【0021】
さらにまた、本実施形態にかかる物体検知センサ10では、中央コア部11aと、軸端コア部11c,11dとの境界部分に、係止鍔部11bを設けることによって、各コイル12,13c,13dの巻回位置を精度良く位置決め可能としていることから、位相ズレ又は出力ズレが低減されるとともに、大きな変化率が得られる。
【0022】
また、本実施形態にかかる物体検知センサ10では、一対の励磁用コイル13c,13dどうしの間の出力バランスを差動状態としていることから、より一層高感度で正確な検出が可能となっている。また、差動になっているので、温度特性も良い。
【0023】
例えば、励磁用コイル13c,13dとして巻数20Tのものを採用する一方、検出用コイル12として巻数40Tのものを採用し、励磁周波数を1MHz、励磁電流を20mApp(0.65V)に設定して、上述した本発明にかかる物体検知センサ10を従来品とを比較してみたところ、図3に示されているような結果が得られた。すなわち、被検出体14がない又は十分な遠距離(無限遠)にある場合の上記検出用コイル12からの出力を「1」としたときの、上記被検出体14と物体検知センサ10との間の距離(図3の横軸;mm)に対する出力変化率(図3の縦軸;%)は、従来の物体検知センサで(同図中A線)約10〜20%の変化量しか得られなかったのに対して、本願発明にかかる物体検知センサ10では(同図中B線)、900〜950%の大きな変化量が得られた。
【0024】
また、図4(a),(b)に示されているように、実際に、本発明にかかる物体検知センサ10を、500円硬貨などのコインCの有無を検知するコインセンサとして用いてみたところ、上記コインCと、コインセンサ10との距離(ギャップ)Gにかかわらず、図5に示されているように、良好な測定結果が得られた。なお、図5の結果は、電流・アンプゲインを固定状態として測定を行ったものである。
【0025】
一方、上述した実施形態と同一の構成物に対して同一の符号を付した図6に示された実施形態では、一対の軸端コア部11c,11dのうちの図示上側に配置された一方側の軸端コア部11cが、被検出体14と対向するように配置されているとともに、図示下側に配置された他方側の軸端コア部11dが、上記被検出体14と同一材質、又は同程度の導電率(被検出体14が非磁性体のときは非磁性体)、或いは同程度の透磁率(被検出体14が磁性体のときは磁性体)を有する比較金属体20と対向するように配置されている。例えば、上記被検出体14が、アルミ材、銅、フェライト、パーマロイなどの場合には、比較金属体20としても、それと同一材質のアルミ材、銅、フェライト、パーマロイ、又はそれらのうちの磁性材どうし、或いは非磁性部材どうしが組み合わせて用いられる。
【0026】
そして、上述した被検出体14が、物体検知センサ10に対して対面・離間するように図示左右の方向に移動すると、上記一方側の軸端コア部11cが、上記被検出体14に対して対面・離間されて、それら両部材どうしの間の間隔L1が、有限値と無限値との間で変化することになる。そのとき、他方側の軸端コア部11dは、比較金属体20に対して間隔L2を変えることなく所定の位置に維持される構成になされている。
【0027】
従って、上記検出用コイル12からの出力が「0」となる位置は、上記比較金属体20と他方側の軸端コア部11dとの間の間隔L2が、一方側の軸端コア部11cと被検出体14との間隔L1と等しくなる位置であることから、上述した一方側の軸端コア部11cと、被検出体14の検出を行う間隔L1を、比較金属体20と他方側の軸端コア部11dとの間の間隔L2よりも同じか小さい範囲(0≦L1≦L2)に設定しておけば、被検出体14の有無に関して大きな検出出力を取り出すことが可能となる。
【0028】
このように、本実施形態にかかる物体検知センサによれば、被検出体14からの検出出力と、比較金属体20からの検出出力との差分が変化量になされることから、比較金属体20と軸端コア部11cとの距離L2や、比較金属体20の材質などを変更することによって、図7中の符号0〜L2で示された上記被検出体14に対する必要な検出区間において、「0」となる位置L2を任意に変更して用いることが可能となり、その結果、被検出体14の有無に関して大きな出力を得ることによって検出精度が高められる。
【0029】
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもない。
【0030】
例えば、上述した実施形態では、検出用コイル12を中央部分に挟んで両側に励磁用コイル13c,13dを配置しているが、励磁用コイルを中央部分に挟んで両側に検出用コイルを配置するように構成することも可能である。
【0031】
また、上述した実施形態では、軸端コア部11cの幅寸法を、中央コア部11aの幅寸法よりも小さくしているが(W2 <W1)、両者を等しくしたり、逆の大小関係に設定することも可能である。また、上述した実施形態におけるコア体11の中央コア部11aには、検出用コイル12を巻回する部位に凹状の切欠き部が設けられているが、そのような切欠き部を設けることなく単純な矩形状をなすように形成することも可能である。
【0032】
さらに、上述した実施形態では、コア体として、一枚の薄板形状部材を用いているが、図8(a),(b)に示されているような立体形状のコア体11’,11”であっても同様に採用することができる。なお、この場合においても、軸方向の中央部分に設けられた切欠状の凹部11’a,11”aを形成することなく単純形状に構成することが可能である。
【0033】
さらに、上述した実施形態では、一対の励磁用コイル13c,13dが一連・一体に直列状態にて接続されているが、例えば、図9に示されているように、それらの各励磁用コイル13c,13dを、交流電源15に対して並列状態となるように接続して対向磁界を形成することも可能である。
【0034】
さらにまた、上述した実施形態は、一つの励磁用電源を単独で設けたものであるが、各励磁用コイル13c,13d毎に、別個の電源をそれぞれ配置することも可能である。但し、その場合には、各電源どうしの位相が同期するように設定することが必要となる。
【0035】
一方、上述した実施形態における一対の両軸端コア部11c,11dの各幅寸法W2 ,W2 が、作製誤差などによって、例えば5μmのように微少量だけ互いに異なってしまい、その結果、被検出物がない場合の差動出力が「0」にならなくなってしまうことも考えられるが、その場合には、上記各励磁用コイル13c,13dに供給する電流値を、差動出力が「0」となるようにオフセット調整することによって容易に対処することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明にかかる請求項1記載の物体検知センサは、励磁用コイルと検出用コイルとを区別して配置し、一対の励磁用コイルどうしの間のバランスに基づいて検出を行うことにより、直流抵抗分等によるインピーダンスを相殺させて取り除いた残りの変化量を、小型のコア体を用いつつ良好な直線性をもって高感度で得るとともに、従来のような定電流回路を使用することなく安価な回路によって、環境の温度変動にかかわらず安定的な検出動作を可能としたものであるから、簡易な構成よって、被検出体の有無に関して良好な検出感度を得つつ安定した検出結果を得ることができ、物体検知センサの性能及び信頼性を向上させることができる。
特に、この請求項1及び請求項2記載の物体検知センサは、被検出体に近接される軸端コア部を小幅として、当該軸端コア部における電流効率を向上させ、より多くの磁束を集めるようにして検出感度を一層高めるようにしたものであるから、上述した効果を更に高めることができる。
【0039】
さらにまた、請求項3記載の物体検知センサは、中央コア部と軸端コア部との境界部分に係止鍔部を設けることによって、各コイルの巻回位置を精度良く位置決め可能として、位相ズレを低減させるとともに、大きな変化率を得るように構成したものであるから、上述した効果を更に高めることができる。
【0040】
また、請求項4記載の物体検知センサは、被検出体からの検出出力と、比較金属体からの検出出力との差分を変化量として検出を行い、比較金属体と軸端コア部との距離や、比較金属体の材質などを変更することによって、被検出体に対して必要とされる検出区間における始点位置を「0」出力に設定して用いることを可能とし、それによって、大きな出力変化を得て検出精度及び分解能を高めるとともに良好な直線性が得られるように構成したものであるから、上述した効果を一層高めることができる。
【0041】
さらに、請求項5記載の物体検知センサは、一対の励磁用コイルにより対向磁界を形成することによって出力を理想的な差動状態とし、より一層高感度で正確な検出が可能としたものであるから、上述した効果を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における物体検知センサの概略構造を表した側面説明図である。
【図2】図1に示された物体検知センサのコア構造を表した外観斜視説明図である。
【図3】本発明にかかる物体検知センサの検出出力を、従来センサと比較した線図である。
【図4】本発明にかかる物体検知センサを、コインの有無検出センサとして用いた場合における概略の配置例を表したものであって、(a)は側面説明図、(b)は平面説明図である。
【図5】図4の構成によって得られた出力の一例を表した線図である。
【図6】本発明の他の実施形態における物体検知センサの概略構造を表した側面説明図である。
【図7】図6に示された物体検知センサによる検出区間の調整状態を表した線図である。
【図8】コア体の他の立体形状例を表したものであって、(a)は円筒形状のコア体、(b)は角柱形状のコア体の外観斜視説明図である。
【図9】励磁用コイルの並列状の接続例を表した回路説明図である。
【図10】一般の物体検知センサの概略構造を表した側面説明図である。
【図11】図10に示された一般の物体検知センサによる検出出力の線図である。
【図12】一般の物体検知センサの概略構造を表した外観斜視説明図である。
【符号の説明】
10 物体検知センサ
11 コア体
11a 中央コア部
11b 係止鍔部
11c,11d 軸端コア部
12 検出用コイル
13c,13d 励磁用コイル
14 被検出体
15 交流電源
CX 軸心
φ1,φ2 対向磁界
20 比較金属体
Claims (5)
- 特定の場所に存在する被検出体に対面して出力を発するように構成され、その出力に基づいて上記被検出体の有無を検出する物体検知センサにおいて、
コア体の同一軸心上に、励磁用コイル及び検出用コイルがそれぞれ巻回されることにより装着されたものであって、
上記励磁用コイル及び検出用コイルの一方側が、前記コア体の軸心方向における略中央に配置された中央コア部に装着されているとともに、前記励磁用コイル及び検出用コイルの他方側が、上記コア体の軸心方向における両端部分に配置された一対の軸端コア部にそれぞれ装着され、
それら一対の軸端コア部のうちの一方側と前記被検出体とが、互いに対面可能な配置関係になされ、かつ
前記軸端コア部における軸心方向と直交する方向の幅寸法が、前記中央コア部の幅寸法よりも小さく形成されていることを特徴とする物体検知センサ。 - 前記軸端コア部の幅寸法が、中央コア部の幅寸法の半分以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の物体検知センサ。
- 前記中央コア部と、前記一対の軸端コア部との各境界部分には、幅方向に向かって突出する係止鍔部がそれぞれ設けられ、該係止鍔部によって、前記励磁用コイル及び検出用コイルの巻回位置が、予定の位置に位置決め規制されていることを特徴とする請求項1記載の物体検知センサ。
- 前記一対の軸端コア部のうち、前記被検出体側に対面可能に配置されている側とは反対側の軸端コア部には、該軸端コア部と対向するようにして、比較金属体が配置されていることを特徴とする請求項1記載の物体検知センサ。
- 前記励磁用コイルは、一対のコイル巻回部を有し、それら一対のコイル巻回部は、前記同一の軸心上に対向磁界が形成するように配置されていることを特徴とする請求項1記載のことを特徴とする物体検知センサ。
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