JP3628770B2 - 擬似増毛用スプレー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は擬似増毛用スプレー組成物に関するものである。この擬似増毛用スプレー組成物は、例えば人間の頭部におけるいわゆる髪の薄い部位に適用されることにより、増毛された場合と同様の擬似増毛効果が得られる、エアゾール型スプレー組成物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、人間の頭部における髪の薄い部分に増毛効果を得るためには、天然または人造の毛髪を実際に植毛しまたは適宜の付着手段などによって装着することが行われている。しかしながら、このような手段においては、実際上、専門家による処置を必要とし、そのために多大の時間と費用を必要とするので、非常に煩瑣である。
このような事情から、簡便に適用することができて実際の増毛効果に類似する擬似増毛効果が得られる手法が求められている。そして、粉状物を噴射する装置において粉状物として短繊維物質を用い、これを毛髪などに静電気的に付着させることにより擬似増毛効果が得られることが、例えば特開昭62−225263号公報に示されている。
一方、人間の頭部に適用されるスプレー製品としては、従来、毛髪染色用のカラースプレーと称されるものが知られている。
【0003】
しかしながら、特開昭62−225263号公報に示されている手段では、粉末の付着状態が不安定かつ不確実であって適用後に粉末が容易に脱落してしまうため、擬似増毛効果は実際上殆ど持続されず、実用上有効な擬似増毛効果を得ることはできない。
また、毛髪染色用のカラースプレーによっては、単に毛髪を染めるのみであるので、増毛効果乃至これに類する効果を期待することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、簡便に適用することができてきわめて良好な擬似増毛効果を確実に得ることができ、更に当該擬似増毛効果が長時間にわたって持続され、しかも多数回にわたって安定に使用することのできる、擬似増毛用スプレー組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の擬似増毛用スプレー組成物は、平均粒子径50μm以下の固体微粉末6.00〜15.00重量%と、カーボンブラック0.10〜3.00重量%と、付着性樹脂1.00〜10.00重量%と、当該付着性樹脂を溶解する揮発性有機溶剤6.00〜25.00重量%と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの少なくとも一方よりなり、液状で、HLBの値が11以下である分散剤0.05〜1.00重量%と、噴射剤とを含有し、
揮発性有機溶剤中に付着性樹脂が溶解されると共に、液相中に固体微粉末およびカーボンブラックが分散剤により分散されてなることを特徴とする。
【0006】
この擬似増毛用スプレー組成物には、更に染料が1.0重量%以下の割合で含有されていてもよい。
【0007】
このスプレー組成物を適宜のエアゾール容器内に充填することにより、擬似増毛用スプレー製品が提供される。そして、このスプレー製品が目的部位に適用されることにより、当該部位の個々の毛髪や頭皮に、固体微粉末がカーボンブラックと共に付着性樹脂の作用によって付着して付着物層が形成され、これにより、きわめて良好な擬似増毛感が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の擬似増毛用スプレー組成物について詳細に説明する。
本発明においては、適宜の固体微粉末、カーボンブラック、および付着性樹脂を、いずれも特定の割合で、前記付着性樹脂を溶解する揮発性有機溶剤および噴射剤よりなる液相中に、特定の非イオン界面活性剤よりなる分散剤を用いて溶解または分散させることにより、擬似増毛用スプレー組成物を構成する。
【0009】
以上の組成において、固体微粉末は、目的とする擬似増毛効果を得るために必須の成分である。この固体微粉末はスプレー組成物全体の6.00〜15.00重量%、好ましくは6.00〜13.00重量%の範囲で用いられる。
この固体微粉末の割合が過小の場合には、実際に得られる擬似増毛効果の程度が小さく、本発明の目的を十分に達成することができない。一方、固体微粉末の割合が過大であると、スプレー組成物における当該固体微粉末の分散状態が不安定で凝固しやすくなり、またエアゾール容器のスプレーノズルに詰まりが生じやすく、更に再分散性が低いため、固体微粉末が沈降した場合に再び当該固体微粉末を良好に分散させることが困難となる場合がある。
【0010】
本発明において固体微粉末としては、用いる揮発性有機溶剤に実際上溶解しない固体の微粉末であって、適宜の粒子径を有するものであれば特に制限はなく、各種の固体微粉末を用いることができる。具体例としては、例えばカオリン、グンジョウ、雲母チタン、タルク、ベンガラ、カラミン、ケイ酸マグネシウム、ベントナイト、無水ケイ酸、マイカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、酸化鉄などの無機物質の固体微粉末、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、アクリル樹脂パウダー、セルロースパウダー、ポリエチレンテレフタレートパウダー、メラミンパウダー、コーンスターチなどの有機物質の固体微粉末を挙げることができる。これらは1種のみでなく、2種以上を併用してもよい。
【0011】
固体微粉末の粒子径は、具体的には例えば200メッシュまたはそれ以上、好ましくは300メッシュ以上のフルイを通過するものであることが望ましく、平均粒子径が50μm以下のものであり、特に平均粒子経が45μm以下のものが好ましい。この粒子径が過大であると、適用されたときの付着性が低下するおそれがあり、必ずしも良好な擬似増毛効果を得ることができない。一方、固体微粉末の粒子径が過小であると付着物層の表面に良好な凹凸が形成されにくくなることから、少なくとも10μm以上、好ましくは15μm以上であることが望ましい。
【0012】
また、カーボンブラックは、適用されたときに形成される付着物層が黒色系色を呈するために必須の顔料成分である。カーボンブラックは、スプレー組成物全体の0.10〜3.00重量%、好ましくは0.15〜2.70重量%の範囲で用いられる。
カーボンブラックの割合が過小の場合には、固体微粉末の種類にもよるが、適用されたときの付着物が良好な色を呈するものとならない場合がある。一方、カーボンブラックの割合が過大であると、スプレー製品において、当該カーボンブラックまたは固体微粉末の分散状態が不安定となりやすい。
【0013】
このカーボンブラックの種類は制限されるものではないが、良好な分散状態が得られることから、特にチャネルブラックが好ましい。また、カーボンブラックの粒子径は200メッシュ以上、好ましくは300メッシュ以上のフルイを通過するものであることが望ましい。
【0014】
本発明のスプレー組成物においては、固形成分である上記固体微粉末とカーボンブラックとの合計は、その割合が7.00〜15.00重量%、特に8.00〜14.00重量%の範囲であることが好ましい。
【0015】
更に、付着性樹脂は、適用されたとき、上記固体微粉末およびカーボンブラックを毛髪などの適用部位に持続性をもって付着させるために必須の成分である。この付着性樹脂のスプレー組成物全体に対する割合は、当該付着性樹脂の種類にもよるが、1.00〜10.00重量%、好ましくは1.10〜8.00重量%の範囲である。
この付着性樹脂の割合が過大であると、組成物の粘度が大きくなるために良好な分散状態を得ることが困難であったり、スプレー製品において良好な噴射状態を得ることができない場合がある。一方、この割合が過小の場合には、適用されたときに、固体微粉末やカーボンブラックの毛髪などに対する付着効率が低下したり、付着した場合にもその持続性が低いものとなり、結局、良好な擬似増毛効果を長期間にわたって得ることができない。
【0016】
付着性樹脂としては、一般にヘアスプレー組成物の成分として用いられている樹脂をそのまま用いることができる。その具体例としては、次の樹脂を好適なものとして挙げることができる。
(1)N−メタクリロイルオキシエチレン−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタインおよびメタクリル酸アルキルエステルの共重合体(商品例:ユカフォーマ)
(2)t−ブチルアクリレート、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸の共重合体(商品例:ルビマー100P)
(3)アクリル酸、アクリル酸エチルおよびN−t−ブチルアクリル酸の共重合体(商品例:ウルトラホールド)
(4)ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルの共重合体(商品例:ルビスコールVA)
(5)ビニルピロリドンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体(商品例:コーポリマ#937)
(6)ビニルピロリドンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートの四級塩化共重合体(商品例:ガフカット)
(7)メチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸アルキルモノエステルの共重合体(商品例:ガントレツ)
(8)アクリル樹脂アルカノールアミン液(商品例:プラスサイズ)
【0017】
本発明のスプレー組成物において、揮発性有機溶剤は、付着性樹脂を溶解するための溶剤であり、同時に、噴射剤と共に、固体微粉末およびカーボンブラックを分散させるための分散媒となる必須の成分である。この揮発性有機溶剤としては、具体的には人体に無害とされている低級アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコールなどを好ましく用いることができ、混合溶剤であってもよい。
【0018】
この揮発性有機溶剤のスプレー組成物における割合は、6.00〜25.00重量%、好ましくは10.00〜20.00重量%の範囲である。この揮発性有機溶剤の割合が過大の場合には、固体微粉末などの付着性が低下するために良好な擬似増毛効果が得られず、しかもいわゆる液ダレが生ずるために使用感が劣ったものとなり、またスプレー量に対する付着物の割合が少ないため、効率が低く不経済である。一方、この割合が過小の場合には、付着性樹脂の溶解性が不十分となり、あるいは固体微粉末などの良好な分散状態が得られず、その結果、適用部位において、均一な付着状態が得られにくくなる。
【0019】
噴射剤としては、人体に無害のものであれば、そのような作用を有するものとして公知の噴射剤を用いることができ、具体的には、例えば液化石油ガス、ジメチルエーテル、HFC134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、その他を適宜使用することができ、複数のものを併用することもできる。この噴射剤のスプレー組成物における割合は、通常、60.00〜80.00重量%の割合とされる。
【0020】
本発明においては、以上の各成分を十分に溶解・分散させて均一で安定な分散状態の組成物を得るために、特定の界面活性剤、すなわちポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの少なくとも一方からなる非イオン界面活性剤が分散剤として用いられる。
このエーテル系非イオン界面活性剤は、常温常圧で液状であり、しかも、実際上、HLBの値が11以下のものである。
【0021】
このような特定のエーテル系非イオン界面活性剤を用いることにより、既述のように相当に多量の固体微粉末およびカーボンブラックを、付着性樹脂が溶解された揮発性有機溶剤と噴射剤よりなる液相中にきわめて好適に、また安定に分散させることができ、その結果、均一な分散状態のスプレー組成物が得られ、良好な適用結果を得ることができる。
【0022】
分散剤として本発明に用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、例えばHLB値が7.5のポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテル、同10.5のポリオキシエチレン(7モル)オレイルエーテル、その他を挙げることができる。
また、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、例えばHLB値が4.5のポリオキシエチレン(2モル)ノニルフェニルエーテル、HLB値が8.0のポリオキシエチレン(5モル)ノニルフェニルエーテル、その他を挙げることができる。
【0023】
本発明において用いられるエーテル系非イオン界面活性剤は、実際上、常温常圧(温度25℃、1気圧)で液状である。常温常圧で固体状態のものは、単に揮発性有機溶剤などに溶解させるのに時間と手間がかかるという使用上の理由のみでなく、固体微粉末などの良好な分散状態を達成するために相当に厳しい条件が必要となる点で、好ましくない。
また、液状のエーテル系非イオン界面活性剤であっても、HLBの値が11を超えるものを用いると、固体微粉末などを良好に分散させることが困難な場合がある。
【0024】
この液状のエーテル系非イオン界面活性剤のスプレー組成物における割合は、0.05〜1.00重量%、好ましくは0.10〜0.50重量%の範囲内である。この非イオン界面活性剤の割合が過小の場合には、固体微粉末およびカーボンブラックを良好に分散させることができない。一方、この割合が過大の場合には、適用されたときのベトツキ感が大きくなると共に乾燥が遅いため、使用感が劣ったものとなる。
【0025】
本発明のスプレー組成物には、例えば染料を含有させることができる。そしてこの場合には、適用されたときの付着物の色を、カーボンブラックによる黒色を基調色として調整することができ、使用者の嗜好に応じた色の付着物とすることができる。
この染料は、人体に無害であって、揮発性有機溶剤に溶解するものであれば特に制限はなく、例えば赤色404号、黄色205号および青色404号などの種々の色素を用いることができ、そのスプレー組成物における割合は0〜1.00重量%程度である。
【0026】
更に、本発明のスプレー組成物には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができる。その具体例としては、pH調整剤、可塑剤、展着剤、香料、その他がある。pH調整剤としては例えばトリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどの塩基性液体が好ましく用いられる。また展着剤としては、ホホバ油、ポリエーテル変性シリコーンオイル、1,3−ブチレングリコールなど公知のものを用いることができる。
【0027】
以上に述べたスプレー組成物は、適宜のエアゾール容器内に充填されることにより、擬似増毛用スプレー製品が提供される。
このスプレー製品は人体の頭部における所望の部位に対して適用され、噴射剤の作用により内容物が毛髪に対して噴射され、その結果、毛髪の1本1本(これを以下「単位毛髪」という。)に付着する。そして、この付着物には、揮発性有機溶剤に溶解した付着性樹脂と、固体微粉末およびカーボンブラックが含有されているが、溶剤は揮発して蒸散するために、残留する付着性樹脂の作用により、図1に模式的に示すように、各単位毛髪Hの表面に、固体微粉末およびカーボンブラックの混合物が付着性樹脂によって結着された状態の付着物層Lが形成される。
【0028】
このように、適用部位における単位毛髪Hの外表面に、固体微粉末とカーボンブラックとが付着性樹脂によって結着されてなる付着物層Lが形成され、しかもこの付着物層Lに多量の固体微粉末が含有されていることにより、その外表面は当該固体微粉末の形態によって微細な凹凸状態となる。その結果、当該単位毛髪Hの見掛け上の太さDは、真の太さdに比して相当に大きなものとなる。すなわち、この付着物層Lが形成された状態は、各単位毛髪Hがいわば太くなった状態であり、これにより、適用部位における毛髪全体が増量したときと同様の効果、すなわち擬似増毛効果が得られる。
【0029】
更に、上記の付着物層Lは、これに含有されるカーボンブラックにより黒色系の色が呈されるので、その外表面が既述のように微細な凹凸状態であることも加わって、自然の毛髪と同様の外観を呈するものとなる。従って、本発明のスプレー組成物によって得られる上記の擬似増毛の結果は、外観がきわめて自然に近いものとなり、この点においても良好な擬似増毛効果が得られる。
【0030】
また、本発明のスプレー組成物においては、付着性樹脂の作用により、個々の単位毛髪において確実に付着物層が形成される上、その付着状態の耐久性が大きく、従って長時間にわたって当該擬似増毛効果が持続される。
【0031】
以上のような優れた効果が得られる理由の主要な一つは、当該組成物において固体微粉末およびカーボンブラックが均一にかつ安定に分散された状態が得られるからである。本発明においては、この固体微粉末などの良好な分散状態が、特定のエーテル系非イオン界面活性剤よりなる分散剤を用いることによって、確実に実現されている。
【0032】
一般に、スプレー組成物において、固体微粉末を原液および噴射剤中に均一に分散させるためには、いずれかの界面活性剤が分散剤として使用されるのが通常である。然るに、スプレー組成物に対して多量の固体微粉末を均一にかつ安定に分散させることは、通常、相当に困難である。しかも、本発明のスプレー組成物においては、有機溶剤に付着性樹脂が溶解されている必要があること、並びに人体に有害な成分を用いることができないことから、使用し得る界面活性剤の種類および使用割合の選定は非常に困難な技術事項であった。
【0033】
本発明者らは、本発明の目的に則して多種多様の界面活性剤を用いて膨大な実験を繰り返した結果、非イオン界面活性剤の中から、多量の固体微粉末に対しても優れた分散作用を発揮して十分良好に分散させることができると共に、スプレー製品において良好な再分散性が得られる種類の界面活性剤を模索し、その使用割合を選定することにより、上記のように良好な擬似増毛効果が確実に得られる条件を見出し、これによって本発明が完成されたのであり、この点に本発明の特徴の一つがある。
【0034】
図2(イ)および(ロ)は、本発明の擬似増毛効果と比較のために、それぞれ、毛髪にカラースプレーを適用した場合および粉末を振りかけることにより付着させた場合の単位毛髪Hの状態を示す説明図である。すなわち、毛髪にカラースプレーを適用した場合には、図2(イ)に示すように、単位毛髪Hの外表面に均一なコート層Cが形成されるが、当該コート層Cの厚みは小さいので、これにより擬似増毛効果を得ることは実際上不可能である。一方、それ自体が付着性を有する粉末を毛髪に振りかけることにより当該粉末を毛髪に付着させた場合には、同図(ロ)に示すように、単位毛髪Hの外表面の局部的な個所に粉末付着物Nが形成されるに過ぎず、しかもこの粉末付着物Nの単位毛髪Hに対する付着性は相当に小さいものである。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
表1に示す処方に従い、各成分を混合して得られるスプレー組成物をエアゾール容器内に充填してスプレー製品を製造した。
表における成分の詳細は以下のとおりである。
固体微粉末の平均粒子径:タルク12μm、ケイ酸カルシウム12μm、コーンスターチ15μm
カーボンブラック:チャネルブラック(平均粒子径10μm)
付着性樹脂 「プラスサイズ」:アクリル酸樹脂のアルカノールアミン溶液
「ユカフォーマ」:N−メタクリロイルオキシエチレン−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボベタインおよびメタクリル酸アルキルエステルの共重合体の70%エチルアルコール溶液
【0036】
非イオン界面活性剤(いずれも常温常圧で液状のもの)
POEアルキルエーテルa:ポリオキシエチレン(2モル)オレイルエーテル(HLB7.5)
POEアルキルエーテルb:ポリオキシエチレン(7モル)オレイルエーテル(HLB10.5)
POEアルキルフェニルエーテルa:ポリオキシエチレン(2モル)ノニルフェニルエーテル(HLB4.5)
POEアルキルフェニルエーテルb:ポリオキシエチレン(5モル)ノニルフェニルエーテル(HLB8.0)
【0037】
そして、各スプレー製品を試料として下記の試験を行い、その結果に基づいて総合評価を行った。結果を表1に示す。
実行した試験の種類とその内容は次のとおりである。
(1)再分散性試験
この試験においては、試料を遠心分離器により500rpmの回転数で10分間処理することにより固体微粉末およびカーボンブラックよりなる固形分を強制的に容器内において沈降させ、次にシェイキングカッサー器を用いて振幅4cmの条件で震盪し、沈降した粉末が十分に再分散するまでに要した震盪回数を求めることによって、再分散性の良否を求めた。表の「<30」は震盪回数が30回となるまでに再分散したことを、「>100」は100回になっても再分散しないことを表す。
(2)自然沈降試験
この試験においては、試料を手で十分に震盪し、その後当該試料を静置させてから粉末が沈降するまでに要する時間を求めた。この時間が長いものが一層良好な分散安定性を有するものである。表の「>2分」は、2分間が経過しても沈降ないことを、「<20秒」は20秒間以内に沈降したことを表す。
(3)詰まり試験
この試験では、同一の試料20本について、それらを温度45℃、湿度80%の環境下に保存しながら1週間間隔で5秒間づつ噴射操作してエアゾール容器のバルブに詰まりが生じているか否かを3カ月間にわたって調べ、詰まりが生じた試料の数nを求めた。表では「n/20」のように表す。
【0038】
(4)適用試験A
この試験では、毛束キット(2〜3gの天然毛髪を束ねて作られた増毛用かもじ)に対し試料を5秒間噴射し、乾燥後の状態を光学顕微鏡により観察し、外表面が凹凸状の付着物層が形成されているか否かを調べた。
(5)適用試験B
この試験では、温度25℃、相対湿度70%の環境下において、人造毛髪が設けられたマネキン人形の頭部に試料を5秒間噴射し、その後10〜15秒間の乾燥時間が経過した後における乾燥状態を調べた。
【0039】
また、比較のために、表1に示す処方により、実施例と同様にしてスプレー組成物を調製して同様の試験を行った。結果を表1に示す。なお、比較例3では、組成物の分散状態が不良なために噴射が十分になされず、適用試験AおよびBは行うことができなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明の擬似増毛用スプレー組成物によれば、簡便に適用することができてきわめて良好な擬似増毛効果を確実に得ることができ、更に当該擬似増毛効果が長時間にわたって持続され、しかも多数回にわたって安定に使用することのできる擬似増毛用スプレー組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の擬似増毛用スプレー組成物による擬似増毛効果を説明するための単位毛髪の説明図である。
【図2】(イ)は毛髪にカラースプレーを適用した場合の単位毛髪Hの状態を示す説明図、(ロ)は粉末を振りかけることにより付着させた場合の単位毛髪Hの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
H 単位毛髪
L 付着物層
C コート層
N 粉末付着物
Claims (2)
- 平均粒子径50μm以下の固体微粉末6.00〜15.00重量%と、カーボンブラック0.10〜3.00重量%と、付着性樹脂1.00〜10.00重量%と、当該付着性樹脂を溶解する揮発性有機溶剤6.00〜25.00重量%と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの少なくとも一方よりなり、液状で、HLBの値が11以下である分散剤0.05〜1.00重量%と、噴射剤とを含有し、
揮発性有機溶剤中に付着性樹脂が溶解されると共に、液相中に固体微粉末およびカーボンブラックが分散剤により分散されてなることを特徴とする擬似増毛用スプレー組成物。 - 染料が1.0重量%以下の割合で含有されている請求項1に記載の擬似増毛用スプレー組成物。
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