JPH0987146A - 擬似増毛用スプレー組成物 - Google Patents

擬似増毛用スプレー組成物

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JPH0987146A
JPH0987146A JP24594895A JP24594895A JPH0987146A JP H0987146 A JPH0987146 A JP H0987146A JP 24594895 A JP24594895 A JP 24594895A JP 24594895 A JP24594895 A JP 24594895A JP H0987146 A JPH0987146 A JP H0987146A
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Takahiro Shinosawa
孝紘 篠沢
Masami Hashimoto
昌巳 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便に適用することができてきわめて良好な
擬似増毛効果を確実に得ることができ、更に当該擬似増
毛効果が長時間にわたって持続され、しかも多数回にわ
たって安定に使用することのできる、擬似増毛用スプレ
ー組成物を提供すること。 【解決手段】 固体微粉末6.00〜15.00重量%
と、カーボンブラック0.10〜3.00重量%と、付
着性樹脂1.00〜10.00重量%と、揮発性有機溶
剤6.00〜25.00重量%と、ポリオキシエチレン
アルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテルの少なくとも一方よりなる分散剤0.0
5〜1.00重量%と、噴射剤とを含有し、揮発性有機
溶剤中に付着性樹脂が溶解されると共に、液相中に固体
微粉末およびカーボンブラックが分散剤により分散され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は擬似増毛用スプレー
組成物に関するものである。この擬似増毛用スプレー組
成物は、例えば人間の頭部におけるいわゆる髪の薄い部
位に適用されることにより、増毛された場合と同様の擬
似増毛効果が得られる、エアゾール型スプレー組成物で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、人間の頭部における髪の薄い部分
に増毛効果を得るためには、天然または人造の毛髪を実
際に植毛しまたは適宜の付着手段などによって装着する
ことが行われている。しかしながら、このような手段に
おいては、実際上、専門家による処置を必要とし、その
ために多大の時間と費用を必要とするので、非常に煩瑣
である。このような事情から、簡便に適用することがで
きて実際の増毛効果に類似する擬似増毛効果が得られる
手法が求められている。そして、粉状物を噴射する装置
において粉状物として短繊維物質を用い、これを毛髪な
どに静電気的に付着させることにより擬似増毛効果が得
られることが、例えば特開昭62−225263号公報
に示されている。一方、人間の頭部に適用されるスプレ
ー製品としては、従来、毛髪染色用のカラースプレーと
称されるものが知られている。
【0003】しかしながら、特開昭62−225263
号公報に示されている手段では、粉末の付着状態が不安
定かつ不確実であって適用後に粉末が容易に脱落してし
まうため、擬似増毛効果は実際上殆ど持続されず、実用
上有効な擬似増毛効果を得ることはできない。また、毛
髪染色用のカラースプレーによっては、単に毛髪を染め
るのみであるので、増毛効果乃至これに類する効果を期
待することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
簡便に適用することができてきわめて良好な擬似増毛効
果を確実に得ることができ、更に当該擬似増毛効果が長
時間にわたって持続され、しかも多数回にわたって安定
に使用することのできる、擬似増毛用スプレー組成物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の擬似増毛用スプ
レー組成物は、固体微粉末6.00〜15.00重量%
と、カーボンブラック0.10〜3.00重量%と、付
着性樹脂1.00〜10.00重量%と、揮発性有機溶
剤6.00〜25.00重量%と、ポリオキシエチレン
アルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテルの少なくとも一方よりなる分散剤0.0
5〜1.00重量%と、噴射剤とを含有し、揮発性有機
溶剤中に付着性樹脂が溶解されると共に、液相中に固体
微粉末およびカーボンブラックが分散剤により分散され
てなることを特徴とする。
【0006】この擬似増毛用スプレー組成物には、更に
染料が1.0重量%以下の割合で含有されていてもよ
い。また、分散剤は、液状で、HLBの値が11以下で
あることが好ましい。
【0007】このスプレー組成物を適宜のエアゾール容
器内に充填することにより、擬似増毛用スプレー製品が
提供される。そして、このスプレー製品が目的部位に適
用されることにより、当該部位の個々の毛髪や頭皮に、
固体微粉末がカーボンブラックと共に付着性樹脂の作用
によって付着して付着物層が形成され、これにより、き
わめて良好な擬似増毛感が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の擬似増毛用スプレ
ー組成物について詳細に説明する。本発明においては、
適宜の固体微粉末、カーボンブラック、および付着性樹
脂を、いずれも特定の割合で、前記付着性樹脂を溶解す
る揮発性有機溶剤および噴射剤よりなる液相中に、特定
の非イオン界面活性剤よりなる分散剤を用いて溶解また
は分散させることにより、擬似増毛用スプレー組成物を
構成する。
【0009】以上の組成において、固体微粉末は、目的
とする擬似増毛効果を得るために必須の成分である。こ
の固体微粉末はスプレー組成物全体の6.00〜15.
00重量%、好ましくは6.00〜13.00重量%の
範囲で用いられる。この固体微粉末の割合が過小の場合
には、実際に得られる擬似増毛効果の程度が小さく、本
発明の目的を十分に達成することができない。一方、固
体微粉末の割合が過大であると、スプレー組成物におけ
る当該固体微粉末の分散状態が不安定で凝固しやすくな
り、またエアゾール容器のスプレーノズルに詰まりが生
じやすく、更に再分散性が低いため、固体微粉末が沈降
した場合に再び当該固体微粉末を良好に分散させること
が困難となる場合がある。
【0010】本発明において固体微粉末としては、用い
る揮発性有機溶剤に実際上溶解しない固体の微粉末であ
って、適宜の粒子径を有するものであれば特に制限はな
く、各種の固体微粉末を用いることができる。具体例と
しては、例えばカオリン、グンジョウ、雲母チタン、タ
ルク、ベンガラ、カラミン、ケイ酸マグネシウム、ベン
トナイト、無水ケイ酸、マイカ、酸化チタン、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸マ
グネシウム、重質炭酸カルシウム、酸化鉄などの無機物
質の固体微粉末、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウ
ダー、ポリスチレンパウダー、アクリル樹脂パウダー、
セルロースパウダー、ポリエチレンテレフタレートパウ
ダー、メラミンパウダー、コーンスターチなどの有機物
質の固体微粉末を挙げることができる。これらは1種の
みでなく、2種以上を併用してもよい。
【0011】固体微粉末の粒子径は、具体的には例えば
200メッシュまたはそれ以上、好ましくは300メッ
シュ以上のフルイを通過するものであることが望まし
く、平均粒子径で50μm以下、特に45μm以下のも
のが好ましい。この粒子径が過大であると、適用された
ときの付着性が低下するおそれがあり、必ずしも良好な
擬似増毛効果を得ることができない。一方、固体微粉末
の粒子径が過小であると付着物層の表面に良好な凹凸が
形成されにくくなることから、少なくとも10μm以
上、好ましくは15μm以上であることが望ましい。
【0012】また、カーボンブラックは、適用されたと
きに形成される付着物層が黒色系色を呈するために必須
の顔料成分である。カーボンブラックは、スプレー組成
物全体の0.10〜3.00重量%、好ましくは0.1
5〜2.70重量%の範囲で用いられる。カーボンブラ
ックの割合が過小の場合には、固体微粉末の種類にもよ
るが、適用されたときの付着物が良好な色を呈するもの
とならない場合がある。一方、カーボンブラックの割合
が過大であると、スプレー製品において、当該カーボン
ブラックまたは固体微粉末の分散状態が不安定となりや
すい。
【0013】このカーボンブラックの種類は制限される
ものではないが、良好な分散状態が得られることから、
特にチャネルブラックが好ましい。また、カーボンブラ
ックの粒子径は200メッシュ以上、好ましくは300
メッシュ以上のフルイを通過するものであることが望ま
しい。
【0014】本発明のスプレー組成物においては、固形
成分である上記固体微粉末とカーボンブラックとの合計
は、その割合が7.00〜15.00重量%、特に8.
00〜14.00重量%の範囲であることが好ましい。
【0015】更に、付着性樹脂は、適用されたとき、上
記固体微粉末およびカーボンブラックを毛髪などの適用
部位に持続性をもって付着させるために必須の成分であ
る。この付着性樹脂のスプレー組成物全体に対する割合
は、当該付着性樹脂の種類にもよるが、1.00〜1
0.00重量%、好ましくは1.10〜8.00重量%
の範囲である。この付着性樹脂の割合が過大であると、
組成物の粘度が大きくなるために良好な分散状態を得る
ことが困難であったり、スプレー製品において良好な噴
射状態を得ることができない場合がある。一方、この割
合が過小の場合には、適用されたときに、固体微粉末や
カーボンブラックの毛髪などに対する付着効率が低下し
たり、付着した場合にもその持続性が低いものとなり、
結局、良好な擬似増毛効果を長期間にわたって得ること
ができない。
【0016】付着性樹脂としては、一般にヘアスプレー
組成物の成分として用いられている樹脂をそのまま用い
ることができる。その具体例としては、次の樹脂を好適
なものとして挙げることができる。 (1)N−メタクリロイルオキシエチレン−N,N−ジ
メチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイ
ンおよびメタクリル酸アルキルエステルの共重合体(商
品例:ユカフォーマ」) (2)t−ブチルアクリレート、アクリル酸エチルおよ
びメタクリル酸の共重合体(商品例:ルビマー100
P」) (3)アクリル酸、アクリル酸エチルおよびN−t−ブ
チルアクリル酸の共重合体(商品例:ウルトラホール
ド」) (4)ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルの共重合体
(商品例:ルビスコールVA」) (5)ビニルピロリドンおよびジメチルアミノエチルメ
タクリレートの共重合体(商品例:コーポリマ#93
7」) (6)ビニルピロリドンおよびジメチルアミノエチルメ
タクリレートの四級塩化共重合体(商品例:ガフカッ
ト」) (7)メチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸アル
キルモノエステルの共重合体(商品例:ガントレツ」) (8)アクリル樹脂アルカノールアミン液(商品例:プ
ラスサイズ」)
【0017】本発明のスプレー組成物において、揮発性
有機溶剤は、付着性樹脂を溶解するための溶剤であり、
同時に、噴射剤と共に、固体微粉末およびカーボンブラ
ックを分散させるための分散媒となる必須の成分であ
る。この揮発性有機溶剤としては、具体的には人体に無
害とされている低級アルコール、例えばエチルアルコー
ル、イソプロピルアルコールなどを好ましく用いること
ができ、混合溶剤であってもよい。
【0018】この揮発性有機溶剤のスプレー組成物にお
ける割合は、6.00〜25.00重量%、好ましくは
10.00〜20.00重量%の範囲である。この揮発
性有機溶剤の割合が過大の場合には、固体微粉末などの
付着性が低下するために良好な擬似増毛効果が得られ
ず、しかもいわゆる液ダレが生ずるために使用感が劣っ
たものとなり、またスプレー量に対する付着物の割合が
少ないため、効率が低く不経済である。一方、この割合
が過小の場合には、付着性樹脂の溶解性が不十分とな
り、あるいは固体微粉末などの良好な分散状態が得られ
ず、その結果、適用部位において、均一な付着状態が得
られにくくなる。
【0019】噴射剤としては、人体に無害のものであれ
ば、そのような作用を有するものとして公知の噴射剤を
用いることができ、具体的には、例えば液化石油ガス、
ジメチルエーテル、HFC134a(1,1,1,2−
テトラフルオロエタン)、その他を適宜使用することが
でき、複数のものを併用することもできる。この噴射剤
のスプレー組成物における割合は、通常、60.00〜
80.00重量%の割合とされる。
【0020】本発明においては、以上の各成分を十分に
溶解・分散させて均一で安定な分散状態の組成物を得る
ために、特定の界面活性剤、すなわちポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルの少なくとも一方からなる非イオン界
面活性剤が分散剤として用いられる。このエーテル系非
イオン界面活性剤は、常温常圧で液状であり、しかも、
実際上、HLBの値が11以下のものであることが好ま
しい。
【0021】このような特定のエーテル系非イオン界面
活性剤を用いることにより、既述のように相当に多量の
固体微粉末およびカーボンブラックを、付着性樹脂が溶
解された揮発性有機溶剤と噴射剤よりなる液相中にきわ
めて好適に、また安定に分散させることができ、その結
果、均一な分散状態のスプレー組成物が得られ、良好な
適用結果を得ることができる。
【0022】分散剤として本発明に用いられるポリオキ
シエチレンアルキルエーテルの具体例としては、例えば
HLB値が7.5のポリオキシエチレン(2モル)オレ
イルエーテル、同10.5のポリオキシエチレン(7モ
ル)オレイルエーテル、その他を挙げることができる。
また、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの
具体例としては、例えばHLB値が4.5のポリオキシ
エチレン(2モル)ノニルフェニルエーテル、HLB値
が8.0のポリオキシエチレン(5モル)ノニルフェニ
ルエーテル、その他を挙げることができる。
【0023】本発明において用いられるエーテル系非イ
オン界面活性剤は、実際上、常温常圧(温度25℃、1
気圧)で液状であることが好ましい。常温常圧で固体状
態のものは、単に揮発性有機溶剤などに溶解させるのに
時間と手間がかかるという使用上の理由のみでなく、固
体微粉末などの良好な分散状態を達成するために相当に
厳しい条件が必要となる点で、好ましくない。また、液
状のエーテル系非イオン界面活性剤であっても、HLB
の値が11を超えるものを用いると、固体微粉末などを
良好に分散させることが困難な場合がある。
【0024】この液状のエーテル系非イオン界面活性剤
のスプレー組成物における割合は、0.05〜1.00
重量%、好ましくは0.10〜0.50重量%の範囲内
である。この非イオン界面活性剤の割合が過小の場合に
は、固体微粉末およびカーボンブラックを良好に分散さ
せることができない。一方、この割合が過大の場合に
は、適用されたときのベトツキ感が大きくなると共に乾
燥が遅いため、使用感が劣ったものとなる。
【0025】本発明のスプレー組成物には、例えば染料
を含有させることができる。そしてこの場合には、適用
されたときの付着物の色を、カーボンブラックによる黒
色を基調色として調整することができ、使用者の嗜好に
応じた色の付着物とすることができる。この染料は、人
体に無害であって、揮発性有機溶剤に溶解するものであ
れば特に制限はなく、例えば赤色404号、黄色205
号および青色404号などの種々の色素を用いることが
でき、そのスプレー組成物における割合は0〜1.00
重量%程度である。
【0026】更に、本発明のスプレー組成物には、必要
に応じて各種の添加剤を含有させることができる。その
具体例としては、pH調整剤、可塑剤、展着剤、香料、
その他がある。pH調整剤としては例えばトリエタノー
ルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール
などの塩基性液体が好ましく用いられる。また展着剤と
しては、ホホバ油、ポリエーテル変性シリコーンオイ
ル、1,3−ブチレングリコールなど公知のものを用い
ることができる。
【0027】以上に述べたスプレー組成物は、適宜のエ
アゾール容器内に充填されることにより、擬似増毛用ス
プレー製品が提供される。このスプレー製品は人体の頭
部における所望の部位に対して適用され、噴射剤の作用
により内容物が毛髪に対して噴射され、その結果、毛髪
の1本1本(これを以下「単位毛髪」という。)に付着
する。そして、この付着物には、揮発性有機溶剤に溶解
した付着性樹脂と、固体微粉末およびカーボンブラック
が含有されているが、溶剤は揮発して蒸散するために、
残留する付着性樹脂の作用により、図1に模式的に示す
ように、各単位毛髪Hの表面に、固体微粉末およびカー
ボンブラックの混合物が付着性樹脂によって結着された
状態の付着物層Lが形成される。
【0028】このように、適用部位における単位毛髪H
の外表面に、固体微粉末とカーボンブラックとが付着性
樹脂によって結着されてなる付着物層Lが形成され、し
かもこの付着物層Lに多量の固体微粉末が含有されてい
ることにより、その外表面は当該固体微粉末の形態によ
って微細な凹凸状態となる。その結果、当該単位毛髪H
の見掛け上の太さDは、真の太さdに比して相当に大き
なものとなる。すなわち、この付着物層Lが形成された
状態は、各単位毛髪Hがいわば太くなった状態であり、
これにより、適用部位における毛髪全体が増量したとき
と同様の効果、すなわち擬似増毛効果が得られる。
【0029】更に、上記の付着物層Lは、これに含有さ
れるカーボンブラックにより黒色系の色が呈されるの
で、その外表面が既述のように微細な凹凸状態であるこ
とも加わって、自然の毛髪と同様の外観を呈するものと
なる。従って、本発明のスプレー組成物によって得られ
る上記の擬似増毛の結果は、外観がきわめて自然に近い
ものとなり、この点においても良好な擬似増毛効果が得
られる。
【0030】また、本発明のスプレー組成物において
は、付着性樹脂の作用により、個々の単位毛髪において
確実に付着物層が形成される上、その付着状態の耐久性
が大きく、従って長時間にわたって当該擬似増毛効果が
持続される。
【0031】以上のような優れた効果が得られる理由の
主要な一つは、当該組成物において固体微粉末およびカ
ーボンブラックが均一にかつ安定に分散された状態が得
られるからである。本発明においては、この固体微粉末
などの良好な分散状態が、特定のエーテル系非イオン界
面活性剤よりなる分散剤を用いることによって、確実に
実現されている。
【0032】一般に、スプレー組成物において、固体微
粉末を原液および噴射剤中に均一に分散させるために
は、いずれかの界面活性剤が分散剤として使用されるの
が通常である。然るに、スプレー組成物に対して多量の
固体微粉末を均一にかつ安定に分散させることは、通
常、相当に困難である。しかも、本発明のスプレー組成
物においては、有機溶剤に付着性樹脂が溶解されている
必要があること、並びに人体に有害な成分を用いること
ができないことから、使用し得る界面活性剤の種類およ
び使用割合の選定は非常に困難な技術事項であった。
【0033】本発明者らは、本発明の目的に則して多種
多様の界面活性剤を用いて膨大な実験を繰り返した結
果、非イオン界面活性剤の中から、多量の固体微粉末に
対しても優れた分散作用を発揮して十分良好に分散させ
ることができると共に、スプレー製品において良好な再
分散性が得られる種類の界面活性剤を模索し、その使用
割合を選定することにより、上記のように良好な擬似増
毛効果が確実に得られる条件を見出し、これによって本
発明が完成されたのであり、この点に本発明の特徴の一
つがある。
【0034】図2(イ)および(ロ)は、本発明の擬似
増毛効果と比較のために、それぞれ、毛髪にカラースプ
レーを適用した場合および粉末を振りかけることにより
付着させた場合の単位毛髪Hの状態を示す説明図であ
る。すなわち、毛髪にカラースプレーを適用した場合に
は、図2(イ)に示すように、単位毛髪Hの外表面に均
一なコート層Cが形成されるが、当該コート層Cの厚み
は小さいので、これにより擬似増毛効果を得ることは実
際上不可能である。一方、それ自体が付着性を有する粉
末を毛髪に振りかけることにより当該粉末を毛髪に付着
させた場合には、同図(ロ)に示すように、単位毛髪H
の外表面の局部的な個所に粉末付着物Nが形成されるに
過ぎず、しかもこの粉末付着物Nの単位毛髪Hに対する
付着性は相当に小さいものである。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に示す処方に従い、各成分を混合して得られるスプレ
ー組成物をエアゾール容器内に充填してスプレー製品を
製造した。表における成分の詳細は以下のとおりであ
る。 固体微粉末の平均粒子径:タルク12μm、ケイ酸カル
シウム12μm、コーンスターチ15μm カーボンブラック:チャネルブラック(平均粒子径10
μm) 付着性樹脂 「プラスサイズ」:アクリル酸樹脂のアル
カノールアミン溶液 「ユカフォーマ」:N−メタクリロイルオキシエチレン
−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカル
ボベタインおよびメタクリル酸アルキルエステルの共重
合体の70%エチルアルコール溶液
【0036】非イオン界面活性剤(いずれも常温常圧で
液状のもの) POEアルキルエーテルa:ポリオキシエチレン(2モ
ル)オレイルエーテル(HLB7.5) POEアルキルエーテルb:ポリオキシエチレン(7モ
ル)オレイルエーテル(HLB10.5) POEアルキルフェニルエーテルa:ポリオキシエチレ
ン(2モル)ノニルフェニルエーテル(HLB4.5) POEアルキルフェニルエーテルb:ポリオキシエチレ
ン(5モル)ノニルフェニルエーテル(HLB8.0)
【0037】そして、各スプレー製品を試料として下記
の試験を行い、その結果に基づいて総合評価を行った。
結果を表1に示す。実行した試験の種類とその内容は次
のとおりである。 (1)再分散性試験 この試験においては、試料を遠心分離器により500r
pmの回転数で10分間処理することにより固体微粉末
およびカーボンブラックよりなる固形分を強制的に容器
内において沈降させ、次にシェイキングカッサー器を用
いて振幅4cmの条件で震盪し、沈降した粉末が十分に
再分散するまでに要した震盪回数を求めることによっ
て、再分散性の良否を求めた。表の「<30」は震盪回
数が30回となるまでに再分散したことを、「>10
0」は100回になっても再分散しないことを表す。 (2)自然沈降試験 この試験においては、試料を手で十分に震盪し、その後
当該試料を静置させてから粉末が沈降するまでに要する
時間を求めた。この時間が長いものが一層良好な分散安
定性を有するものである。表の「>2分」は、2分間が
経過しても沈降ないことを、「<20秒」は20秒間以
内に沈降したことを表す。 (3)詰まり試験 この試験では、同一の試料20本について、それらを温
度45℃、湿度80%の環境下に保存しながら1週間間
隔で5秒間づつ噴射操作してエアゾール容器のバルブに
詰まりが生じているか否かを3カ月間にわたって調べ、
詰まりが生じた試料の数nを求めた。表では「n/2
0」のように表す。
【0038】(4)適用試験A この試験では、毛束キット(2〜3gの天然毛髪を束ね
て作られた増毛用かもじ)に対し試料を5秒間噴射し、
乾燥後の状態を光学顕微鏡により観察し、外表面が凹凸
状の付着物層が形成されているか否かを調べた。 (5)適用試験B この試験では、温度25℃、相対湿度70%の環境下に
おいて、人造毛髪が設けられたマネキン人形の頭部に試
料を5秒間噴射し、その後10〜15秒間の乾燥時間が
経過した後における乾燥状態を調べた。
【0039】また、比較のために、表1に示す処方によ
り、実施例と同様にしてスプレー組成物を調製して同様
の試験を行った。結果を表1に示す。なお、比較例3で
は、組成物の分散状態が不良なために噴射が十分になさ
れず、適用試験AおよびBは行うことができなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の擬似増毛用スプレー組成物によ
れば、簡便に適用することができてきわめて良好な擬似
増毛効果を確実に得ることができ、更に当該擬似増毛効
果が長時間にわたって持続され、しかも多数回にわたっ
て安定に使用することのできる擬似増毛用スプレー組成
物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の擬似増毛用スプレー組成物による擬似
増毛効果を説明するための単位毛髪の説明図である。
【図2】(イ)は毛髪にカラースプレーを適用した場合
の単位毛髪Hの状態を示す説明図、(ロ)は粉末を振り
かけることにより付着させた場合の単位毛髪Hの状態を
示す説明図である。
【符号の説明】
H 単位毛髪 L 付着物層 C コート層 N 粉末付着物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/12 A61K 9/12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体微粉末6.00〜15.00重量%
    と、カーボンブラック0.10〜3.00重量%と、付
    着性樹脂1.00〜10.00重量%と、揮発性有機溶
    剤6.00〜25.00重量%と、ポリオキシエチレン
    アルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフ
    ェニルエーテルの少なくとも一方よりなる分散剤0.0
    5〜1.00重量%と、噴射剤とを含有し、 揮発性有機溶剤中に付着性樹脂が溶解されると共に、液
    相中に固体微粉末およびカーボンブラックが分散剤によ
    り分散されてなることを特徴とする擬似増毛用スプレー
    組成物。
  2. 【請求項2】 染料が1.0重量%以下の割合で含有さ
    れている請求項1に記載の擬似増毛用スプレー組成物。
  3. 【請求項3】 分散剤が、液状で、HLBの値が11以
    下である請求項2に記載の擬似増毛用スプレー組成物。
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