JP3628451B2 - 静電容量式重量計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
静電容量式重量計の偏置荷重誤差対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラスチック製の基台の溝に挿入して取り付けた静電容量式重量計の重量センサー組立の取付方法は、固定側起歪体取付部材の縦辺を基台の溝に挿入し、上辺の両端部(基台取付部)を固定ボスに載せ、ネジで固定側起歪体取付部材を基台へ取り付けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の取付構造では、固定側起歪体取付部材の起歪体取付部と基台取付部の距離(起歪体の長さ方向)が近いために、重量計の計量皿の端部(固定側起歪体取付部材から遠い位置)に被計量物が載せられたとき、基台に対して重量センサー組立が回転して偏置荷重誤差が発生していた。この問題を解決する為プラスチック製の基台の材厚を厚くすると材料費が高くなる、プラスチック成型上の品質の悪くなる(ヒケ)等の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
固定側起歪体取付部材の縦辺の横幅を下辺の横幅より広くして、この広くした両端部を重量計のプラスチック製の基台に設けた溝へ挿入し、固定側起歪体取付部材の縦辺に固定部材を取り付けて、この固定部材を基台へ固定する。
【0005】
【発明の実施の形態】
鋼板を断面コ状に折り曲げた2個の起歪体取付部材の上辺及び下辺に起歪体を取り付け、固定側起歪体取付部材及び可動側起歪体取付部材にそれぞれ固定電極板,可動電極板を取り付け、可動側起歪体取付部材に載台を取り付け、固定側起歪体取付部材の縦辺の横幅を下辺の横幅より両方向へ広くして、この広くした両端部を重量計の基台に設けた溝へ挿入し、固定側起歪体取付部材の縦辺に固定部材を取り付けて、この固定部材を基台へ固定する。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の取付構造の実施例の重量センサーの展開斜視図、図2は本発明の取付構造の実施例の重量センサーの組立斜視図、図3は本発明の取付構造の実施例の重量センサーを取付ける重量計の基台の斜視図、図4は本発明の取付構造の実施例の重量センサーを基台に取り付けた状態の斜視図、図5は本発明の固定部材の他の実施例の図、図6は従来の取付構造の図、図7は本発明の取付構造の実施例の重量センサーの組立側面図、図8は従来の取付構造の重量センサーを取り付ける重量計の基台の斜視図、図9は従来の取付構造の重量センサーを基台に取り付けた状態の斜視図である。
【0007】
本発明の実施例の重量センサーは図1に示すような部品で構成されている。図1,図2により構成部品の説明をする。起歪体取付部材は鋼板を断面コ状に折り曲げた固定側起歪体取付部材(1)と可動側起歪体取付部材(2)で、それぞれの上辺と下辺には短冊状の板バネ材の起歪体(3)がそれぞれ2枚取り付けられる。この起歪体は上辺用,下辺用のそれぞれ2枚の取付部を連結してロ状であってもよく、又、アルミ合金の厚板材の一部を薄く加工して起歪部を設けたものであってもよい。
【0008】
固定側起歪体取付部材の下辺の横幅(E)は、起歪体を取り付けるに必要な幅で、縦辺(11)の横幅(J)は後説する基台の溝への挿入分だけ下辺の横幅より両側へ広くなっており、上辺の横幅(G)は重量センサーを基台へ取り付ける従来の方法の為にネジ孔分だけ縦辺より幅広になっている。可動側起歪体取付部材は部品の共通化のために固定側起歪体取付部材を上下反対に使用したものである。
【0009】
固定側起歪体取付部材の縦辺(11)には本発明を実施するための固定部材(8)が取り付けられる。固定部材は鋼板をL状に曲げたもので、垂直面を固定側起歪体取付部材の縦辺(11)に取り付け、水平面を後説する基台の取付ボスに取り付ける。本実施例では固定部材は板材をL状に曲げたものであるが、図5に示す他の実施例のように板材をコ状に曲げたものであってもよい。
【0010】
固定側起歪体取付部材,可動側起歪体取付部材のコ状の内側には絶縁部材(9),(10)を介してそれぞれ固定電極板(4),可動電極板(5)がネジ止めされる。両電極板は取り付けられたとき絶縁部材(9),(10)によって他の構成部品から絶縁され、それぞれの電極板の間には上下方向に重量センサーとしての機能を果たすに必要な隙間が設けられるようになっている。
【0011】
固定側起歪体取付部材の下辺にはシールド板(6)が取り付けられる。シールド板は鋼板製で、電極板への重量計下方からの電気的ノイズを遮断するためのものである。可動側起歪体取付部材の縦辺(12)には載台(7)が取り付けられる。これも鋼板製で、この上に外形部材となる計量皿(20)を取り付けるが、重量計上方からの電気ノイズを遮断するシールド板の役目も果たしている。
【0012】
図2は、図1の構成部品を組み立てた重量センサーの組立図で、図7はその側面図である。固定側起歪体取付部材(1)及び可動側起歪体取付部材(2)の上辺,下辺には起歪体(3)が取り付けられ、その内側には固定電極板(4),可動電極板(5)が所定の隙間(H)を設けて取り付けられている。固定側起歪体取付部材の縦辺(11)の外側には固定部材(8)が取り付けられている。
【0013】
図3は本発明の重量センサー組立(23)を取り付ける重量計の基台(16)の図で、基台はプラスチックの成型品でできている。後方は重量センサー取付部(17)、前方は電子基板組立(図示せず)配置部及び表示部(18)である。重量センサー組立の固定側起歪体取付部材の縦辺(11)の両端部を基台の2ケ所の溝(13)へ挿入すると、上辺の両端部が載せボス(14)に載り、固定部材(8)は固定用ボス(15)に載る。固定部材をネジで固定用ボスに取り付ける。
【0014】
次に本願発明の作用について説明する。図6,図8.図9に示す従来の取付構造では、固定側起歪体取付部材(1)の上辺を基台の載せボス(14)へ止めネジ(21)で取り付けるので、載台(7)の端部へ荷重(偏置荷重)したときの回転モーメントMによって固定側起歪体取付部材(1)を傾けようとする力Fに対して傾けまいとする力は、基台の溝(13)へ挿入した固定側起歪体取付部材からのものと、止めネジ(21)からのもの(F2)であるが、止めネジは偏置荷重による回転モーメントMによって回転させられる固定側起歪体取付部材の内部で基台へ取り付けているので、固定側起歪体取付部材の傾きを小さくしようとする力は小さく、従って固定側起歪体取付部材が傾き易く、偏置荷重誤差が発生していた。
【0015】
これに対し、固定側起歪体取付部材の縦辺を固定部材にて基台へ固定する本願発明により、図3,図4,図7に示すように偏置荷重による回転モーメントMによって回転させられる固定側起歪体取付部材に固定部材を取り付けて、固定側起歪体取付部材の外側で基台へ取り付けているので傾きを小さくすることができ、偏置荷重による誤差を小さくすることができる。
【0016】
ここで従来の取付構造での偏置荷重誤差と、本発明の取付構造での偏置荷重誤差の実測値を述べる。使用した計量器は最大計量可能範囲が1,000gのもので、固定部材の鋼板の材厚1.6mmC寸法12mm,D寸法10mm、1,000gの分銅(19)を載台の中心から30mm偏置させたとき、従来の取付構造では誤差が17.3gであったのに対し、本発明の取付構造では誤差は4.3gであった。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の取付構造にすることにより、プラスチック製の基台の材厚を厚くすることなく偏置荷重誤差を小さくすることができるので、材料費が高くなることなく、プラスチック成型上の品質が劣化(ヒケ)する等の問題を防止することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の取付構造の実施例の重量センサーの展開図
【図2】本発明の取付構造の実施例の重量センサーの組立図
【図3】本発明の取付構造の実施例の重量センサーを取付ける重量計の基台の斜視図
【図4】本発明の取付構造の実施例の重量センサーを基台に取り付けた状態の斜視図
【図5】本発明の固定部材の他の実施例の図
【図6】従来の取付構造の図
【図7】本発明の取付構造の実施例の重量センサーの組立側面図
【図8】従来の取付構造の重量センサーを取り付ける重量計の基台の斜視図
【図9】従来の取付構造の重量センサーを基台に取り付けた状態の斜視図
【符号の説明】
1 固定側起歪体取付部材
2 可動側起歪体取付部材
3 起歪体
4 固定電極板
5 可動電極板
6 シールド板
7 載台
8 固定部材
9 絶縁部材
10 絶縁部材
11 縦辺
12 縦辺
13 溝
14 載せボス
15 固定用ボス
16 基台
17 重量センサー取付部
18 表示部
19 分銅
20 計量皿
21 止めネジ
22 止めネジ
23 重量センサー組立
Claims (2)
- 縦辺と前記縦辺から内側及び外側に伸びて成る取付部とを固定側に有する重量センサーと、前記重量センサーの前記縦辺を挿入し前記取付部を取付ける部位を有する基台とを備えることを特徴とする静電容量式重量計。
- 板材をコ状に曲げることによって、前記縦辺と前記取付部の前記縦辺から内側に伸びて成る部分とを形成し、板材をL状に曲げて前記L状の垂直面を前記縦辺に取付けることによって、前記取付部の前記縦辺から外側に伸びて成る部分を形成するものであることを特徴とする請求項1記載の静電容量式重量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21906196A JP3628451B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 静電容量式重量計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21906196A JP3628451B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 静電容量式重量計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1048028A JPH1048028A (ja) | 1998-02-20 |
JP3628451B2 true JP3628451B2 (ja) | 2005-03-09 |
Family
ID=16729666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21906196A Expired - Fee Related JP3628451B2 (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 静電容量式重量計 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3628451B2 (ja) |
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1996
- 1996-08-02 JP JP21906196A patent/JP3628451B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1048028A (ja) | 1998-02-20 |
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