JPH0128430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ロードセルを用いた電子秤、特に秤
量の比較的大きい電子秤に関する。

（従来の問題点） 袋詰めされた米等の重量の比較的大きなものを
計量する場合に用いられる電子秤は、その筐体を
構成するケース及び計量皿が所要の強度或いは剛
性を備えていることが所要の計量精度を確保する
上で必要である。そこで、該ケース及び計量皿に
はこれらを補強するためのフレームが設けられ、
或は該ケース自体、更には計量皿自体が剛性の高
いフレームで構成されることがある。

然るに、従来においては上記ケース補強用もし
くはケース自体としての下部フレーム及び計量皿
補強用もしくは計量皿自体としての上部フレーム
として夫々形状の異なるものが使用されており、
そのためこれらを別々に製作する必要があつて、
製造コストが高くつくという問題があつた。

（考案の目的） 本考案は秤量の比較的大きな電子秤における上
記のような問題に対処するもので、ケース及び計
量皿を補強するための、もしくはケースないし計
量皿自体としての下部フレームと上部フレームと
を共通化し、これによりこの種の電子秤の部品の
種類を減らし、その製造コストを低減することを
目的とする。

（考案の構成） 即ち、本考案に係る電子秤は、下部フレーム
と、上部フレームと、両フレーム間に介設されて
固定端部が下部フレームに、可動端部が上部フレ
ームに夫々固着されたロードセルとを有する構成
において、上記両フレームが同一形状とされ、共
通化されていることを特徴とする。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図に示すように、電子秤１は計量部２と該
計量部２から支柱３を介して立設された表示部４
とを有すると共に、上記計量部２は上面が開放さ
れた箱状のケース５と該ケース５に上方から被せ
られた蓋状の計量皿６とにより筐体が構成されて
おり、またケース５の下面四隅には高さ調整可能
な脚７…７が具備されている。

一方、該ケース５と計量皿６とから構成される
筐体内には、第２図に示すようにロードセル８が
配置されている。このロードセル８は、固定端部
９と、可動端部１０と、両端部９，１０間に設け
られた上部及び下部ビーム１１，１２とからなる
中空四角形状とされていると共に、上部ビーム１
１及び下部ビーム１２には夫々２箇所づつ肉厚を
薄くされた可撓部１１ａ，１１ａ，１２ａ，１２
ａが設けられ、且つ各可撓部には、その表面の歪
を検出するストレインゲージ（図示せず）が貼着
されている。これにより、可動端部１０に作用す
る荷重が上記可撓部１１ａ，１１ａ，１２ａ，１
２ａの表面の歪としてストレインゲージにより電
気的に検出されるように構成されている。そし
て、該ロードセル８における固定端部９の下面
が、上記ケース５の内底面に敷設された補強フレ
ーム１３に複数のネジ１４…１４を用いて固着さ
れ、また可動端部１０の上面に複数のネジ１５…
１５を用いて固着された同じく補強フレーム１６
上に上記計量皿６が載置されている。

然して、上記ケース内底面に敷設された補強フ
レーム１３は第３図に示す如き形状とされてい
る。即ち、該フレーム１３は、中央部１３ａから
ケース５の四隅方向に向つて突出する突出部１３
ｂ，１３ｃ，１３ｄ，１３ｅを有すると共に、隣
接する２本の突出部１３ｂ，１３ｃは連結一体化
されて両突出部１３ｂ，１３ｃ間に側部１３ｆが
設けられている。また、上記中央部１３ａ及び側
部１３ｆにはロードセル取り付け面１３ｇ，１３
ｈが設けられ、その夫々に複数のネジ挿通孔１３
g′…１３g′，１３h′…１３h′が形成されている。
更に、上記各突出部１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ，１
３ｅの先端には第２図に示すように上向きの突起
１３b′，１３c′，１３d′，１３e′が設けられ、四
隅限界調整用ボルト１７…１７がロツクナツト１
７′…１７′を用いて螺着されている。また、該フ
レーム１３の上面には網目状に複数のリブ１３′
…１３′が設けられている。

そして、該補強フレーム１３は第２図に示すネ
ジ１８…１８を用いてケース５の内底面に固着さ
れていると共に、上記側部１３ｆにおける取り付
け面１３ｈに上記ネジ１４…１４を用いてロード
セル８の固定端部９が固着されている。

一方、計量皿６を受支する補強フレーム１６
も、第４図に示すように上記補強フレーム１３と
同一の形状とされている。即ち、ケース５側及び
計量皿６側の補強フレーム１３，１６がケース側
のフレーム１３においては、上記のように側部１
３ｆの取り付け面１３ｈにロードセル８の固定端
部９の下面が固着され、また皿側のフレーム１６
においては、第４図に示すように、中央部１６ａ
の取り付け面１６ｇにロードセル８の可動端部１
０の上面が固着されているのである。そして、第
２図に示すように該計量皿側のフレーム１６の各
突出部１６ｂ，１６ｃ，１６ｄ，１６ｅの先端に
おける突起１６b′，１６c′，１６d′，１６e′が上
記ケース側のフレーム１３の各突出部１３b′，１
３c′，１３d′，１３e′に螺着されたボルト１７…
１７との間に夫々間隙ａ…ａを隔てて対向してい
る。

上記の如く構成された電子秤１において、計量
皿６上に載置された被計量物の荷重がロードセル
８の可動端部１０に作用すると、当該荷重は該ロ
ードセル８により電気的に検出され、その結果が
表示部４に表示される。

然して、上記計量皿６はその四隅方向に突出す
る突出部１６ｂ，１６ｃ，１６ｄ，１６ｅを有す
る補強フレーム１６により受支されているから、
被計量物が米袋のように重いものであつても、ま
た被計量物が該計量皿６上に片寄つて載置されて
も変形することが少ない。また、ケース５におい
ても、その内底面に補強フレーム１３が敷設固着
されているから変形を生じることが少なく、従つ
て被計量物が精度良く計量される。

その場合に、ケース及び計量皿側の補強フレー
ム１３，１６は共通化されているので、一種類の
フレームを２個用いるだけで所要の計量精度が得
られるのである。

尚、被計量物の荷重が許容荷重を超える時、或
いは荷重が計量皿に著しく片寄つて作用した時に
は、ケース側補強フレーム１３の四隅の突起１３
b′，１３c′，１３d′，１３e′に螺着された限界調
整用ボルト１７…１７に、皿側の補強フレーム１
６における対応する突起１６e′，１６d′，１６c′，
１６b′が当接する。これにより、上記ロードセル
８に許容荷重以上の荷重が作用することが防止さ
れるのである。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、電子秤、特に秤
量の比較的大きい電子秤において、所要の計量精
度を確保するために必要とされるケース補強用も
しくはケース自体としての下部フレームと、計量
皿補強用もしくは計量皿自体としての上部フレー
ムとが共通化されるから、部品の種類を減らすこ
とができ、高価な金型も一種でよく、逆に生産数
は倍なるので、その結果、製造コストが低減さ
れ、部品管理も容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案が適用される電子秤の１実施
例を示す全体側面図、第２図はその計量部の内部
を示す第１図−線における縦断拡大正面図、
第３図、第４図は夫々第２図−線；−線
で切断した横断平面図及び底面図である。 １……電子秤、８……ロードセル、１３，１６
……補強フレーム（１３……下部フレーム、１６
……上部フレーム）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部フレームと、上部フレームと、両フレーム
   間に介設されて固定端部が下部フレームに、可動
   端部が上部フレームに夫々固着されたロードセル
   とを有する電子秤であつて、上記両フレームが同
   一形状とされていることを特徴とする電子秤。