JP3628037B2 - 液体塗布具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、修正液、マニュキア液などの液体化粧料、または、液体塗料、液体医薬品、靴墨液などを塗布する液体塗布具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液体塗布具としては、例えば、図16に示すように、修正液などの液体を入れた外容器1内の内容器2内に、その底部2aとの間に第一流路3を設けて弁4を収め、弁4と内容器2の底部2aとの間に弾性体5を介挿し、弁4に密接するシート部材6のベース部6aと内容器2を外容器1の口部1aに、弁4のロッド4aを遊嵌する孔付き蓋7で固定し、外筒8の前方部内に蓋側を口部側にして外容器1を摺嵌し、外筒8の口部8aには、蓋7の孔7aに摺嵌されロッド4aに当接する中心軸との間に第二流路9を有し、この第二流路9に連通する中心流路10と同心に刷毛11を有する刷毛ホルダー12を先具13で固定してなるものであり、外筒8の内面に弧状突部8bを設け、外容器1の蓋7外周に、弧状突部8bを乗り越えて係止される環状突部7bを設けた液体塗布具X(実開平5−72756号公報)や、図17に示すように、液体を収容した液体タンク14の先端開口部14aにバルブ部材15を装着して、その弁口を開口して液体タンク14から液体導入管16を介して塗布具本体17の塗布部材18へ液体を供給するように構成した液体塗布具Yにおいて、液体タンク14の後端内面部に前面側が液体と隙間なく接触すると共に後面側が大気圧を受けて液体を密封した状態で前方向に摺動自在なピストン19を嵌装した構造の液体塗布具(本願出願人が出願した実開昭1−122887号公報)が知られている。
【0003】
しかしながら、上記実開平5−72756号公報に記載の液体塗布具Xでは、外容器1及び蓋7の弧状突部7b、8bは環状(全周)に設けられているので、成型時のバラツキ(公差)等により弧状突部7bと弧状突部8bとの乗り越えがうまくいかず、不良品が多くなったりする問題があり、また、外容器1の外周全体と弧状突部8bとは外容器1のノック操作により接触状態で移動することとなるので、成型時のバラツキ(公差)等により外容器1のノック動作に支障を招来することがあるなどの問題点がある。
【0004】
また、上記本願出願人が出願した液体塗布具Yは、塗布部材18に対して供給される液量とバルブ部材15から吐出される液量がほぼ一致して供給量が安定化し、また、バルブ部材15から吐出される液体の内部に空気が混入することはないので、適量の液体の供給が保証され、供給量の不足を補うためにノック操作を繰り返すという煩雑な操作を不要とした使用性を大幅に向上させるという効果を有するものであるが、液体タンク14と液体導入管16とは、バルブ部材15の嵌装により連結されるものであるため、この嵌装が解かれると液体タンク14が塗布具本体17から抜け落ちてしまうことが若干あり、改良の余地が残されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の問題点等を解決するものであり、不良品の発生を極力防止して、生産性の効率化を達成すると共に、ノック動作に支障を招来することがなく円滑に操作することができ、また、塗布具本体から液体タンクが簡単に抜け落ちることがない使用性に優れた液体塗布具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、塗布具本体及びバルブ装置を特定構造とすることにより上記目的の液体塗布具を得ることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の液体塗布具は、先端に塗布部材を有すると共に、該塗布部材に連通する液体導入管を有する塗布具本体と、該塗布具本体の内部に収納される液体を収容した液体タンクと、該液体タンクの先端開口部にバルブ部材を内先軸により固着したバルブ装置とを備え、上記内先軸の開口部を前記塗布具本体の液体導入管に装着して、前記液体タンクを軸方向に移動自在とし、該液体タンクのノック操作により前記バルブ装置の弁口を開口して液体タンクから液体導入管を介して塗布部材へ液体を供給するように構成した液体塗布具において、前記内先軸の外周部に突部を設けると共に、該内先軸の突部の後端側となる前記塗布具本体の内周部に突部を設け、かつ、前記内先軸の突部の外径寸法をD1、前記塗布具本体の突部の内径寸法をD2、前記液体タンクの外径寸法をD3としたときに、D1〜D3は、次式D1>D2>D3を満足し、かつ、前記塗布具本体内周部に設けた突部の後方から後端部までには、塗布具本体の内周部に更に少なくとも1以上の突部が設けられたことを特徴とする。
【0007】
前記内先軸の外周部及び塗布具本体の内周部の各突部は、何れか一方が内先軸の外周部又は塗布具本体の内周部に複数個所定間隔ごとに設けることが好ましい。
前記内先軸の突部は、最大径部より後端側方向に、塗布具本体の内側にテーパー状又は円弧状の突部を設けることが好ましい。
前記塗布具本体内周部に設けた突部の後方から後端部までには、塗布具本体の内周部に更に少なくとも1以上の突部を設けることが好ましい。
前記内先軸の突部及びは前記塗布具本体の内周面には、潤滑性を有する潤滑膜を設けることが好ましい。
前記液体タンクの後端部周面には、滑り止め部を設けることが好ましい。
【0008】
【作用】
本発明の液体塗布具では、内先軸の外周部に突部を設けると共に、該内先軸の外周突部の後端側となる塗布具本体の内周部に突部を設け、前記内先軸の突部の外径寸法をD1、前記塗布具本体の突部の内径寸法をD2、前記液体タンクの外径寸法をD3としたときに、D1〜D3は、次式D1>D2>D3を満足し、かつ、前記塗布具本体内周部に設けた突部の後方から後端部までには、塗布具本体の内周部に更に少なくとも1以上の突部が設けられているので、液体タンクのノック動作に支障を招来することなく円滑に操作できると共に、使用時の液体タンクの振れを防止し、液体タンクに固着したバルブ装置の弁口を開口して液体タンクから液体導入管を介して塗布部材へ液体を供給することとなる。
請求項2〜5に記載の液体塗布具では、更にその使用性を大幅に向上させることができることとなる。
【0009】
【実施例】
本発明に係る液体塗布具の実施例を図1〜図15を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1〜図11は、本発明の液体塗布具の一例を示すものである。本実施例の液体塗布具Aは、塗布具本体20と、液体を収容したカートリッジ式の液体タンク30と、該液体タンク30の先端開口部31にバルブ部材40を内先軸50により固着したバルブ装置60とを備えている。
【0010】
塗布具本体20は、図1及び図2に示すように、筒状となっており、先端に刷毛からなる塗布部材21を有すると共に、該塗布部材21に連通する液体導入管22を有し、後端は液体タンク30をノック操作し易いように一部が切り欠かれている。
塗布具本体20の先端には、螺子23が設けられ、先軸24と螺合しており、この先軸24により液体導入管22、塗布部材ホルダー25及び塗布部材21が固定されている。すなわち、塗布部材ホルダー25の鍔部25aは、図2に示すように、先軸24の円周状突部24aと液体導入管22の鍔部22aにより挟持され、先軸24と塗布具本体20の先端が螺子23で締め付けられることにより塗布部材ホルダー25は、先軸24と液体導入管22の間でシールされる。これにより、塗布部材ホルダー25の内側の空間に塗布部材21を通じ、該塗布部材21の鍔部21aがホルダー25の後端にあたり、塗布部材21に前方に引き抜く力がかかったとき、塗布部材21を保持することとなる。また、液体導入管22の前方には、パイプ26が圧入され液をより確実に塗布部材21の中心に導入している。
【0011】
液体導入管22の円筒部の内部には、図3(a)〜(d)に示すように、液を吐出させる流出部にあたる中空部22bが形成されている。また、中空部22b後端は、一部切り欠かれ、バルブ部材40の弁棒41の端面に接したときに流出部の空間を防ぐことのない形状となっている。
液体導入管22は、塗布部材21と共に先軸24に固定されると共に、液体導入管22の後端は円筒状でその中心の中空部22bは塗布部材21に連通しており、弁棒41の前端と液体導入管22の後端とは当接している。液体導入管22と弁棒41の接する箇所はバルブ部材40からの液が液体導入管22の中空部22bに流入できるように完全に密着しないように液体導入管22には切り欠き部22Cが形成される。また、この液体導入管22に切り欠き部22Cを設けないときは、図6に示すように、弁棒41に切り欠き部41aを設けることができる。
【0012】
液体タンク30は、図1及び図2に示すように、塗布具本体20の筒状内部に収納されるものであり、先端に開口部31を有し、内部にマニュキア液などの液体を収容している。液体タンク30の後端は塗布具本体20の切り欠きにより外側に露出している。
この液体タンク30の先端開口部31には、バルブ部材40を内先軸50により固着したバルブ装置60を備えている。
【0013】
バルブ部材40は、図4〜図6に示すように、弁棒41、バネ受42、弁座43及び弾性体からなるバネ44からなり、液体タンク30の先端開口部31に内先軸50により固定されている。なお、図6は、弁棒41の他例であり、切り欠き部41aが液体導入管22にあたる位置に設けられている。このため、液体導入管22の後端に切り欠き部がなくても、液体は液体導入管22の中空部22bに吐出される。
バルブ部材40の弁棒41の前端部41bは、塗布部材21と共に固定された円筒状の液体導入管22の後端となる切り欠き部22cに当接している。
バルブ部材40の弁棒41は、液体タンク30をノック動作しないときは、図4(a)に示すように、弁棒41は弁座43と当接しシールしている。その弁棒41のバネ受42と接している部分は椀状41cとなっており、バルブ部材40の前方(先端側)に向かっている。
【0014】
バルブ部材40のバネ受42は、図4(a)〜(d)に示すように、外周に液体流入用の窓部42aを複数有し、ノック動作時には弁棒41の椀状41c部分の先端がこの窓部42aの部分まで移動する〔図4(c)(d)〕。
弁棒41は,バネ(スプリング)44により弁座43側へ押し付けられ、弁座43と弁棒41のテーパ−部41dによりシールしている。弁棒41のピストン部41eはバネ受42の内側に接しており、ピストン部41eは前方に向かい椀状に開いている。
バネ受42は、内部をノックして、液体導入管22により弁棒41がバルブ部材40内に押し入れられたとき、弁棒41のピストン部41cは四角の窓部42aより後方になり、液体タンク30内の液体が弁棒41のピストン41eの前方に流入することができる。弁棒41の後端部は、バネ受42の後端孔42bに保持される弁棒ホルダー41fにより前後に抵抗なく摺動はできるが、液体タンク30からバルブ部材40内の椀部41c前方への液体の流入はこの四角窓部42aからなされる。
【0015】
このように構成されるバルブ部材40は、液体タンク30の開口部31内に嵌入し、内先軸50と液体タンク30を螺子で固定することにより取り付けられ、バルブ装置60を構成する。
また、バルブ部材40の弁座43の端面と内先軸50の開口部51の下部の間に配置される弾性体からなるパッキン52は、図2に示すように、液体導入管22とバルブ部材40の弁座43の端面と密着する。これにより、液体タンク30をノックすることにより、液体導入管22がパッキン52との間で摺動してもこのパッキン52によりバルブ部材40から吐出された液体は、液体導入管22の外部に漏れることなく液体導入管22内の中空部22bに入り、塗布部材21に導かれることとなる。
【0016】
内先軸50の外周部には、所定間隔ごとに凸状の突部53が複数、本実施例では等間隔に6個設けられており、前記塗布具本体20の内周部には、図7(a)及び(b)に示すように、環状に円弧(R)状の突部27が設けられている。この突部27の配設箇所は、液体タンク30をノックをしない状態で内先軸50の突部53より後方になっている。すなわち、液体導入管22の後端が弁棒41の前端部41bに当接したときに塗布具本体20の突部27が内先軸50の外周突部53に較べ外径後端側となっている。
また、この塗布具本体20内周部に等間隔ごとに6個又は環状に設けた突部27の後方から後端部までの何れかの適宜塗布具本体20内周部に、更に環状の又は等間隔ごとに6個の突部28を設けている。突部28は、塗布具本体20の後端付近の内周部に設けたが、突部27と当該突部28の間に更に一つ以上(合計2箇所以上)設けてもよいものである。更に、本実施例では、好ましい態様として、液体タンクの後端部分に滑り止め部32を設けている。
【0017】
また、本実施例では、図9に示されるように、前記内先軸50の突部53の外径寸法をD1、前記塗布具本体20の突部27の内径寸法をD2、前記液体タンク30の外径寸法をD3としたときに、D1〜D3は、次式D1>D2>D3を満足し、かつ、前記塗布具本体内周部に設けた突部の後方から後端部までには、塗布具本体の内周部に更に少なくとも1以上の突部、本実施例では、塗布具本体20内周部に設けた突部27の後方から後端部までに、更に塗布具本体20の内周部に等間隔ごとに6個又は環状の突部28が設けられているので、より製品の公差(バラツキ)に影響されず、また、塗布具本体20と液体タンク30のクリアランスを最小限にしても、液体タンク30の振れが防止されると共に、ノック動作に支障を招来しないようになっている。また、液体タンク30に、滑り止め部32を設けた場合には、指のすべりを防止して、指で容易に液体タンク30をつかみ、引き抜きを容易としている。この滑り止め部32については、更に図11を含めて後述する。
なお、前記実施例と逆にして内先軸50の外周突部53を環状(全周)に設けて、図8(a)及び(b)に示すように、塗布具本体20に等間隔ごとに6個の突部27を設け、かつ、上記関係式を満足すれば、上記と同様の効果が得られるものである。
【0018】
このように構成される液体塗布具Aは、組立時には、液体タンク30を塗布具本体20に押し入れることで、内先軸50の突部53は塗布具本体20の突部27を乗り越える。塗布使用時は、液体タンク30は塗布具本体20からこの突部27のひっかかりにより及び液体導入管22への装着により容易に離脱することはできない構造となっている。
液体タンク30は、カートリッジタイプのため、液体タンク30を塗布具本体20より離脱する場合は、塗布具本体20の後端より露出する液体タンク30を指でもち引き抜くことにより簡単に行うことができる。この時の抜き力は、内先軸50の突部53〔D1〕の寸法及び塗布具本体20の突部27〔D2〕の寸法、並びに、突部27を所定間隔ごとに設けた場合にはその個数を増減することにより調整することができる。
【0019】
次に、このようにセットされた液体塗布具Aの使用方法等について説明する。
カートリッジ式の液体タンク30は、図2、図10及び図11に示すように、液体導入管22に対し軸線方向に移動自在であり、該液体タンク30の後端を前方へノック(押圧)すると、液体タンク30に固着したバルブ部材40が開口して液体タンク30のマニュキア液等が窓部42aを通って液体導入管22に流入し塗布部材21へ供給される。
液体タンク30の後端に対するノック(押圧)操作を解除すると、バルブ部材40のバネ44により該液体タンク30が液体導入管22に対し後退して弁座43と弁棒41とが当節して弁を閉じると共に、液体タンク30は容易に塗布具本体20からこの突部27等のひっかかりにより離脱することはできない。
本実施例の液体塗布具Aは、上記ノック操作を繰り返すことにより、所要量のマニュキア液等を塗布部材21へ供給して使用に供されることとなる。
液体タンク30の交換は、液体タンク30を液体導入管22から取り外し、新しい液体タンクを上述のセット方法によりセットすれば簡単に交換することができる。なお、使用後は、先具24に着脱自在なインナーキャップ付きキャップ(図示せず)等を取り付けるものである。
【0020】
図12(a)〜(d)は、液体タンクの好ましい実施態様である。
すなわち、液体タンク30の後端の露出部を指でつかみ、塗布具本体20から離脱する場合、指に油や化粧料等が付き滑り易くなっている場合がある。液体タンク30と塗布具本体20の引っ掛かり力が適度に設定されている場合でも指がすべり抜き難い。
そこで、本例では、液体タンク30に指に引っ掛かりやすいように液体タンク30の後端部周面、すなわち、液体タンク30の塗布具本体20からの露出部に凹凸部等からなる滑り止め部32を設けることで指のすべりを防止して、指で容易に液体タンク30をつかみ、引き抜きを容易としている。なお、図12(a)〜(d)中、33は内先軸50との固着用の螺子である。
【0021】
液体タンク30がアルミニウム等の金属の場合は、図12(a)に示すように、機械加工により複数の溝をいれることにより滑り止め部32を設けることができる。
また、液体タンクが樹脂の成形品の場合は、図12(b)〜(d)に示すように、成形時に適当な凹凸部等からなる滑り止め部32を設けることができる。同図(b)は、液体タンク30後端に四角形の凹部を複数間隔をあけて設けた例である。同図(c)は、ブロー金型パーティング線上で一部面ソギを行い、面ソギ以外の所に四角形の凹部を二つづつ両面に設けた例である。同図(d)は、ブロー金型パーティング線上に面ソギを行い、その面ソギより浅い深さで四角形の凹部を設けた例である。
なお、図では示さないが、凹凸部等により滑り止め部を構成するものであれば、他の形状、例えば、円形状、楕円形状等の凹部等であってもよいものである。
【0022】
図13(a)〜(d)は、各々内先軸50の突部53の好ましい実施態様等である。図中、(b)〜(d)は、(a)の拡大図であり、(b)は突部53の端面側が90°(凸部)の場合、(c)は突部53の端面側がテーパー状の場合であり、(d)は突部53の端面側が円弧(R)状の場合である。
内先軸50の突部53と塗布具本体20の突部27の乗り越える力により、液体タンク30交換時の離脱力を設定する場合に、内先軸50の突部53の端面側が90°(同図(b)〕の場合は、このエッジが塗布具本体20の突部27にあたり、液体タンク30を引き抜くわずかの傾きや塗布具本体20の突部へのくいつきにより引き抜く力が大きくなることがある。これを防ぐために、本例では、内先軸50外周の突部53の端面側を円弧(R)状、又はテーパー状にすることでエッジによるくいつきを防ぎ、引き抜く力をより安定化することができる。
【0023】
上述のように、内先軸50の外周部突部53の形状を図13に示すように、内先軸50の突部53を最大径部よりテーパー状又は円弧(R)状とした場合は塗布具本体20との液体タンク30の抜力が容易に安定することとなる。
容易に脱着させ、かつ、充分な保持力をもつためには、内先軸50の突部53と塗布具本体20の突部27のしめ代による液体タンク30の抜力を安定化させることが重要であり、激しく寸法を保持する必要があるが現実には難しい。
そこで、この部分に、すなわち、上述の種々の態様の突部53、塗布具本体20の内周面に潤滑性のある液体、例えば、シリコーン油、鉱油、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、グリセリン、ラノリン、ワセリン、パーフルオロカーボン等の難揮発性液体を、吹き付け、又は、ブラシ塗布等に塗布し潤滑膜を設けて、この接触面における摩擦係数を低下せしめることにより安定した液体タンク30の着脱力が得られ、また、前記潤滑性液体を、揮発性溶剤に溶解後塗布して、溶剤を揮発させて潤滑膜を得ることもできる。
【0024】
本発明の液体塗布具は、上述のように構成され、使用されるものであるが、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の態様に設計変更等できるものである。
例えば、前記実施例において、液体タンク30をカ−トリッジタイプとして説明したが、図14(a)〜(c)の液体塗布具Bに示すように、塗布具本体20の突部27及び内先軸50の突部53をエッジを各々90°とした凸形状とし、液体タンク30を挿着した後は、内先軸50の突部53が突部27を乗り越えることができない、固定式(使い捨て方式)の液体タンク30としてもよい。
また、その他の固定式としては、図15の液体塗布具Cに示すように、塗布具本体20の先端開口部からバルブ装置60を取り付けた液体タンク30、液体導入管22、先具24、塗布部材21を取り付ける構造としてもよい。この場合、先具24は塗布具本体20の先端開口部に直接螺合により取り付けられると共に、固定部材29により液体導入管22が固定される点で上記図15に示した実施例と異なるものである。
【0025】
また、本発明の液体塗布具は、塗布具本体20の突部27,28及び内先軸50の突部53等の構造を要旨とするものであるので、これらの構造以外の塗布部材21、液体導入管22、バルブ部材40の構造、形状等は何等限定されるものではない。
例えば、塗布具本体20の塗布部材21をスポンジ体、又は、筆ペンタイプとしてもよく、液体タンク30に収容された液体を塗布具本体20の塗布部材21により被塗布物又は人体等に塗布、筆記できるものであれば、塗布部材21は何等限定されるものではない。また、液体導入管22の後端部を切り欠き部22cとしたが、従来技術(実開昭1−122887号公報)で開示の液体導入管のように切り欠き部を設けずに、中間に液体導入口を設けてもよいものである。
さらに、液体タンク30に収容される液体は、マニュキア液等の液体化粧料以外にも、液体靴墨液、液体のり、筆記具用のインキ液、液体塗料、液状薬剤、若しくはこれらのエアゾールタイプのものであってもよく、当該液体は特に限定されるものではない。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、内先軸の外周部に突部を設けると共に、該内先軸の外周突部の後端側となる塗布具本体の内周部に突部を設け、前記内先軸突部の外径寸法をD1、前記塗布具本体の突部の内径寸法をD2、前記液体タンクの外径寸法をD3としたときに、D1〜D3は、次式D1>D2>D3を満足し、かつ、前記塗布具本体内周部に設けた突部の後方から後端部までには、塗布具本体の内周部に更に少なくとも1以上の突部が設けられることとなるので、塗布具本体と液体タンクのクリアランスを最小限にしても、液体タンクのノック動作に支障を招来することなく円滑に操作できると共に、液体タンクに固着したバルブ装置の弁口を開口して液体タンクから液体導入管を介して塗布部材へ液体を供給することができ、また、液体タンクの振れを防止でき、しかも、液体タンクは塗布具本体から簡単に抜け落ちることもなく、さらに、製品の公差に影響されず、生産性の効率化を達成することができる液体塗布具が提供される。
また、内先軸の外周部及び塗布具本体の内周部の各突部の何れか一方が内先軸の外周部又は塗布具本体の内周部に複数個所定間隔ごとに設けることにより、並びに、内先軸の突部を、最大径部より後端側方向に塗布具本体の内側にテーパー状又は円弧状の突部を設けることにより、液体タンクの引き抜く力をより安定化することができる利点を有する。
さらに、前記内先軸の突部及び前記塗布具本体の内周面に、潤滑性を有する潤滑膜を設けることにより更に使用性の向上及び液体タンクの引き抜く力をより安定化することができる利点を有する。
さらにまた、前記液体タンクの後端部周面に、滑り止め部を設けることにより、指のすべりを防止して、指で容易に液体タンクをつかみ、引き抜きを容易にすることができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の液体塗布具の一例を示す縦断面図、(b)は液体塗布具本体の後方側内周部を示す部分縦断面図である。
【図2】図1の部分拡大縦断面図である。
【図3】(a)は本発明で用いる液体導入管の一例を示す縦断面図、(b)はその側面図、(c)はその右側面図、(d)はその斜視図である。
【図4】(a)は本発明で用いるバルブ部材の一例を示す縦断面図、(b)はその側面図、(c)はその使用状態を示す縦断面図、(d)はその使用状態を示す側面図である。
【図5】(a)は本発明で用いるバルブ部材の弁棒の一例を示す縦断面図、(b)はその側面図である。
【図6】(a)は本発明で用いるバルブ部材の弁棒の他例を示す縦断面図、(b)はその側面図である。
【図7】(a)は本発明で用いる塗布具本体の一例を示す部分縦断面図、(b)はその横断面図である。
【図8】(a)は本発明で用いる塗布具本体の他例を示す部分縦断面図、(b)はその横断面図である。
【図9】図1の要部を示す部分拡大縦断面図である。
【図10】本発明の液体塗布具の使用前の状態の一例を示す縦断面図である。
【図11】本発明の液体塗布具の使用状態の一例を示す縦断面図である。
【図12】(a)〜(d)は本発明で用いる液体タンクの好ましい実施態様を示す各正面図及び横断面態様で示す各側面図である。
【図13】(a)は本発明の液体塗布具の使用前の状態の一例を示す縦断面図、(b)〜(d)はその要部を示す部分縦断面図である。
【図14】(a)は本発明の液体塗布具の他例を示すものであり、液体タンクが取り外すことができない固定式の液体塗布具の一例を示す縦断面図、(b)は、その要部拡大断面図、(c)はその塗布具本体の縦断面図である。
【図15】本発明の液体塗布具の他例を示すものであり、液体タンクが取り外すことができない固定式の液体塗布具の他例を示す縦断面図である。
【図16】従来の液体塗布具の一例を示す縦断面図である。
【図17】従来の液体塗布具の他例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
A 液体塗布具
20 塗布具本体
21 塗布部材
22 液体導入管
27 突部
30 液体タンク
40 バルブ部材
50 内先軸
53 突部
60 バルブ装置
Claims (5)
- 先端に塗布部材を有すると共に、該塗布部材に連通する液体導入管を有する塗布具本体と、該塗布具本体の内部に収納される液体を収容した液体タンクと、該液体タンクの先端開口部にバルブ部材を内先軸により固着したバルブ装置とを備え、上記内先軸の開口部を前記塗布具本体の液体導入管に装着して、前記液体タンクを軸方向に移動自在とし、該液体タンクのノック操作により前記バルブ装置の弁口を開口して液体タンクから液体導入管を介して塗布部材へ液体を供給するように構成した液体塗布具において、前記内先軸の外周部に突部を設けると共に、該内先軸の突部の後端側となる前記塗布具本体の内周部に突部を設け、かつ、前記内先軸の突部の外径寸法をD1、前記塗布具本体の突部の内径寸法をD2、前記液体タンクの外径寸法をD3としたときに、D1〜D3は、次式D1>D2>D3を満足し、かつ、前記塗布具本体内周部に設けた突部の後方から後端部までには、塗布具本体の内周部に更に少なくとも1以上の突部が設けられたことを特徴としてなる液体塗布具。
- 前記内先軸の外周部及び塗布具本体の内周部の各突部は、何れか一方が内先軸の外周部又は塗布具本体の内周部に複数個所定間隔ごとに設けられた請求項1記載の液体塗布具。
- 前記内先軸の突部は、最大径部より後端側方向に塗布具本体の内側にテーパー状又は円弧状の突部が設けられた請求項1又は2記載の液体塗布具。
- 前記内先軸の突部及び前記塗布具本体の内周面には、潤滑性を有する潤滑膜が設けられた請求項1〜3の何れか一つに記載の液体塗布具。
- 前記液体タンクの後端部周面には、滑り止め部が設けられた請求項11〜4の何れか一つに記載の液体塗布具。
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