JP3627080B2 - 多面体粒子からなるメタリック調顔料 - Google Patents
多面体粒子からなるメタリック調顔料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3627080B2 JP3627080B2 JP02173796A JP2173796A JP3627080B2 JP 3627080 B2 JP3627080 B2 JP 3627080B2 JP 02173796 A JP02173796 A JP 02173796A JP 2173796 A JP2173796 A JP 2173796A JP 3627080 B2 JP3627080 B2 JP 3627080B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- metallic
- transparent glass
- glass
- powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プラスチック成形品の成形加工時に発生し易いウエルドを防止し、メタリック感を付与できる顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタリック調の外観をもつプラスチック成形品は、アルミフレーク,マイカ,パールマイカ,雲母状酸化鉄,ガラスフレーク,ステンレスフレーク等のメタリック調顔料を使用して製造されている。たとえば、塗布法では、メタリック調顔料を塗料に配合し、この塗料を成形品の表面に塗布している。溶融成形法では、メタリック調顔料を樹脂に配合したコンポジットを溶融成形している。
塗布法では、複雑な塗装工程が必要とされることから、手数及びコストがかかる。これに対し、溶融成形法は、塗装工程を不要にすることから好ましい方法であるものの、塗装法に比較して奥行のある高級なメタリック調の成形品を得ることが難しい。溶融成形法で高級なメタリック調の成形品を得るためには、メタリック調顔料の添加量を多くする必要があり、樹脂本来の性質が損なわれ、分散性等,塗布性等に悪影響を及ぼすことになる。その上、メタリック調顔料の混合量を多くするほど、プラスチック成形時にウエルドが発生し易くなり、製品の外観が著しく損なわれる。
ところで、特開平4−359937号公報,特開平5−1710号公報,特開平5−179174号公報,特開平5−320588号公報等に示されているように、キラメキ感の強い新規なメタリック調顔料が次々と開発されている。これらメタリック調顔料は、何れも平滑な表面をもつガラスフレークに無電解めっき,真空蒸着,スパッタリング等により金,銀,ニッケル,窒化チタン等の薄膜をコーティングすることにより製造されている。何れも優れたメタリック感を付与できるものの、ウエルド発生の防止には全く効果がなく、プラスチックの溶融成形法には使用できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ウエルドの発生防止に効果があるものとして、平均粒径35μm〜1mm,平均アスペクト比1/8〜1の光沢粒子や金属粒子が特公平4−27932号公報,特公平4−55462号公報,特公平6−99592号公報,特公平6−99594号公報等で紹介されている。また、特開昭62−156164号公報では、光沢のあるコーティングが施されたビーズ材もウエルドの発生防止に効果があるものとして紹介されている。
しかし、これらの添加材は、何れも実際にはウエルドの発生防止やメタリック感の付与に関し十分な性能をもっていない。そのため、十分なメタリック感を付与するためには樹脂中への添加量を多くせざるをえず、結果としてウエルドの発生が助長される。逆に添加量を少なくすると、ウエルドは発生しにくくなるが、メタリック感をほとんど付与できなくなる。そのため、粒子の形状や光沢を付与するためのコーティング技術について、より一層の改良が求められている。
本発明は、このような要求に応えるべく案出されたものであり、角張った多面体粒子に金属をコーティングすることにより、溶融成形時のウエルドを防止し、優れたメタリック感を付与できる新規な添加材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のメタリック調顔料は、その目的を達成するため、平均粒径が10〜300μmで、最短径/最長径の平均アスペクト比が1/3〜1の角張った多面体粒子の表面に、厚み100〜1,000Åの金属コーティングを施していることを特徴とする。
多面体粒子としては、たとえば元素ガラス,水素結合ガラス,酸化物ガラス,フッ化物ガラス,塩化物ガラス,硫化物ガラス,炭酸塩ガラス,硝酸塩ガラス,硫酸塩ガラス等のガラスが使用できる。価格の面からすると、珪酸ガラス,珪酸アルカリガラス,ソーダ石灰ガラス,鉛ガラス,バリウムガラス,ホウ珪酸ガラス等の酸化物ガラスを機械粉砕したものが好ましい。この多面体粒子の表面に、スパッタリング法等によってAu,Ag,Cu,Al又はこれらの合金をコーティングする。
【0005】
【実施の形態】
多面体粒子は、平均粒径が10〜300μmで、且つ1/3〜1の平均アスペクト比をもつものが使用される。平均粒径が10μmに満たないと、金属コーティングを施した後で色調が灰黒色になり、ほとんどメタリック感を付与できない。これは、反射平滑面が不足することに原因があるものと推察される。逆に、300μmを超える平均粒径では、混合量を相当に多くしないと、きめ細かいメタリック感を付与できない。また、コスト的にも高いものとなる。一般的には、50〜150μmの平均粒径が最も好ましい。
多面体粒子の形状は、ウエルドの発生防止及びメタリック感の両方に影響を及ぼす重要なファクターである。ウエルドの発生を防止するためには、粒子の方向性を無くして樹脂の流動による粒子の配向を無くし、且つどの方向から見ても粒子が同様に光を反射することが必要である。球状やビーズ状の粒子は、ウエルドの発生防止及びメタリック感の向上の何れにおいても有効でない。
【0006】
この点、本発明では、粒子の平均アスペクト比を1/3〜1としている。平均アスペクト比が1/3未満であると、粒子が配向し易くなるため、配向の方向によって光の反射量が異なり、ウエルドの発生を防止できない。また、どの方向からも同様に光が反射するように、複数の光反射面を複数もった多面体であることが必要とされる。このような光反射面を2面以上,好ましくは4面以上もつ多面体粒子が有効である。しかし、光反射面が12面以上になると、一つ一つの面の面積が小さくなり、十分なメタリック感が得られない場合がある。したがって、光反射面は、2〜12面,好ましくは4〜12面がよい。光反射面は、特に決まった形状に特定されるものでないが、十分なメタリック感を得るためにはそれぞれの面が光を反射できるように平滑な面であることが好ましい。
【0007】
多面体粒子としてガラス粉末を使用する場合には、ガラス粉末をボールミル,ジェットミル,アトライター,サンドミル,サンプルミル等で機械粉砕した後、フルイによって所定粒径の粉末を分級する。ガラス粉末の粉砕に際しては、ガラス粒子の表面をなるべく傷付けることなく、角が丸くなった球状にならず、しかも所定粒径の粉末の歩留りが高いことが重要である。そこで、本発明に好適な多面体粒子を製造するためには、機械的粉砕及びフルイによる分級を繰返し連続して行う方法が採用される。すなわち、所定の大きさに粉砕された粉末を可能な限り早く粉砕機から取り出すとき、ガラス粉末の表面が疵付きにくく、角も丸くならず、しかも所定粒径の粉末が歩留り良く得られる。
多面体粒子の表面にコーティングされる金属は、均一な膜厚のコーティングが可能であれば材質に制約はなく、Au,Ag,Cu,Alまたはこれらの合金が使用される。なかでも、Agが最も優れた光反射特性を示す。
【0008】
金属コーティングには、無電解めっき,真空蒸着,スパッタリング等が採用可能である。なかでも、本発明者等が開発した粉末スパッタリング法が最適である。一般に、コーティングが厚くなるほど、表面の凹凸が大きくなり、光輝性が低下する。たとえば、無電解めっきでは1,000Å以上の厚みにコーティングしないと、粉末の表面を均一に被覆できない。
他方、粉末スパッタリング法では、1,000Å以下でも粉末の表面全体を均一に被覆できるので、より優れた光輝性を付与することが可能となる。その結果、たとえばAgのコーティング量を少なくすることができ、製造コストの低減が図られる。粉末スパッタリング法で少量のAgで多面体粒子の表面を均一に被覆できる理由は、プラズマ状態まで励起されたAg原子が多面体粒子の表面に高速で衝突する現象を繰り返すことから、Ag皮膜形成時に核発生密度が極めて密になることにあると推察される。
【0009】
これに対し、無電解めっきでは、前処理として多面体粒子の表面を予めPd等で活性化処理している。Pdが付着した箇所は、無電解めっき時に皮膜形成の核発生点になる。しかし、物理的な吸着現象によってPdが付着することから、Pdの付着密度は、粉末スパッタリング法でプラズマ状態に励起されたAg原子の衝突密度に比較すると相当に小さいものと推察される。その結果、形成されたAgコーティングは、粉末スパッタリング法に比較して均一性に劣る。
多面体粒子表面に粉末スパッタリング法で金属をコーティングするときには、たとえば本発明者等が開発した粉末収容回転容器を回転させて流動化した粉末に金属をスパッタリングする装置(特開平2−153068号公報),繰り返される粉末の落下流に金属をスパッタリングする装置(特開昭62−250172号公報)等が使用される。
スパッタリング法によってガラスフレークの表面を金属で均一に被覆した後、塗料中の分散性向上,樹脂との密着性改善及びコーティング皮膜の変色防止や耐食性向上等のために、ステアリン酸,オレイン酸等の各種脂肪酸やベンゾトリアゾール,トリアジンチオール等の各種キレート化剤又は各種カップリング剤で表面処理しても良い。カップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,チタン系カップリング剤,ジルコニア系カップリング剤,アルミ系カップリング剤等が挙げられる。
金属コーティングを施した多面体粒子は、たとえば熱可塑性樹脂に対して0.1重量%以上,好ましくは0.5重量%以上の割合で混合される。この混合量が少なすぎると、奥行のある高級なメタリック感が得られ難くなる。混合量の上限は、特に制限されるものでないが、樹脂の種類,要求される成形品の物性等によって適宜設定される。通常は、熱可塑性樹脂に20重量%まで,好ましくは5重量%まで多面体粒子が配合される。
【0010】
多面体粒子が配合される樹脂としては、成形可能な熱可塑性樹脂である限り、特に材質に制約を受けるものではない。たとえば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ABS,AES,AS,アクリル,ポリスチレン,ポリメチルペンテン,ポリアミド,ポリエチレンテレフタレート,ポリアリレート,ポリアセタール,ポリカーボネート,ポリフェニレンエーテル,ポリスルホン,ポリフェニレンスルフィド,ポリエーテルサルホン,ポリブタジエン等や、これらポリマーの共重合体,混合物,変性物等がある。特に、AS樹脂,アクリル,ポリスチレン,ポリカーボネート等の透明性の高い樹脂が好ましい。染料や顔料によって着色された樹脂も使用できる。なお、少量のカーボンブラックやフタロシアニンブルーによって着色するとき、更に深みのあるメタリック調を付与できる。
多面体粒子が配合された樹脂は、タンブラー,ブレンダー,ナウターミキサー,バンバリーミキサー,混練ロール等で混合され、押出し機,射出成形機等で所定形状に溶融成形される。このとき、ウエルド防止効果及びメタリック感を損なわない範囲で、安定剤,分散剤,紫外線吸収剤,離型剤等を添加しても良い。
【0011】
【実施例】
実施例1:
ソーダ石灰ガラス質で平均粒径10μm,平均アスペクト比1/2の透明ガラス粒子に、図1の粉末スパッタリング装置を使用して100Å厚みになるようにAuをコーティングした。この粉末スパッタリング装置は、内径200mm,軸方向長さ200mmの回転ドラム1を2本のロール2で支持し、ロール2の何れか一方をモータ3で回転される駆動ロールとしている。回転ドラム1の内部には、2個のスパッタリング源4が配置されている。スパッタリング源4は、Au99.9重量%のターゲットを使用した周波数13.56MHz,出力1.5KWのマグネトロンを備えており、投入した透明ガラス粒子5にAuがスパッタリングされる。
【0012】
回転ドラム1の上方には、外周に加熱コイル6を備えた減圧処理室7が配置されている、減圧処理室7の底部は、バルブ8を備えた供給管9で回転ドラム1に接続されている。バルブ8より下側の供給管9の内部にArガス導入管10が挿入されている。Arガス導入管10は、二重管構造をもっており、回転ドラム1の側面から内部に挿入され、先端が回転ドラム1の底部に延びている。供給管9のバルブ8より下側に分岐管11が設けられており、分岐管11の先端が流体ジェットミル12に接続されている。流体ジェットミル12の出側は、循環管13を経て減圧処理室7の上部に接続されている。分岐管11及び循環管13にはバルブ14及び15がそれぞれ設けられており、循環管13に固気分離装置16が接続されている。
【0013】
回転ドラム1に透明ガラス粒子5を100g投入し、減圧処理室7を3.0×10−3Paに減圧した後、Arガス導入管10からArガスを15cm3 /分の流量で導入し、透明ガラス粒子5を分岐管11,流体ジェットミル12及び循環管13を経て減圧処理室5に吸引移送した。そして、減圧処理室7で加熱コイル6により200度に30分間加熱し、透明ガラス粒子5を乾燥,脱ガスした。次いで、回転ドラム1の雰囲気をArガスで完全に置換した後、減圧処理室7の透明ガラス粒子5を供給管9から回転ドラム1の内部に落下させ、回転ドラム1を5rpmの回転速度で回転させながら、3.0×10−1Paの減圧下でスパッタリング源4によりスパッタリングした。
10分後にスパッタリングを中止し、減圧処理室7を減圧すると共に、Arガス導入管10からArガスを回転ドラム1に導入し、透明ガラス粒子5を流体ジェットmm12経由で減圧処理室7に吸引返送し、スパッタリング中に塊状化した透明ガラス粒子5を粒状にほぐした。減圧処理室7に返送された透明ガラス粒子5には、厚み10ÅのAuが被覆されていた。このスパッタリング操作を10回繰り返すことにより、Auの被覆厚みを100Åにした後、固気分離装置16から回収した。
【0014】
実施例2:
実施例1と同様な手順で、ソーダ石灰ガラス質で平均粒径50μm,平均アスペクト比1/1.5の透明ガラス粒子の表面にCuを300Åの厚みになるようにコーティングした。
実施例3:
実施例1と同様な手順で、ソーダ石灰ガラス質で平均粒径100μm,平均アスペクト比1/3の透明ガラス粒子の表面にAgを500Åの厚みになるようにコーティングした。Agコーティングされた透明ガラス粒子の表面を電子顕微鏡顕微鏡で観察した結果を、倍率を変えて図2〜4に示す。
実施例4:
実施例1と同様な手順で、ソーダ石灰ガラス質で平均粒径150μm,平均アスペクト比1の透明ガラス粒子の表面に真鍮を700Åの厚みになるようにコーティングした。
実施例5:
実施例1と同様な手順で、ソーダ石灰ガラス質で平均粒径300μm,平均アスペクト比1の透明ガラス粒子の表面にAlを900Åの厚みになるようにコーティングした。
【0015】
比較例1:
実施例1と同様な手順で、ソーダ石灰ガラス質で平均粒径5μm,平均アスペクト比1の透明ガラス粒子の表面にAgを50Åの厚みになるようにコーティングした。
比較例2:
実施例1と同様な手順で、ソーダ石灰ガラス質で平均粒径400μm,平均アスペクト比1/5の透明ガラス粒子の表面にAgを2,000Åの厚みになるようにコーティングした。
比較例3:
ソーダ石灰ガラス質で平均粒径100μm,平均アスペクト比1の透明ガラス粒子の表面に、50Åの厚みになるようにAgの無電解めっきを施した。無電解めっきでは、塩化第一錫20g/l,塩酸20g/lを含む水溶液1リットルに透明ガラス粒子1kgを投入し、60℃で約20分間撹拌するセンシタイジングを行った後、脱イオン水で透明ガラス粒子を十分洗浄した。次いで、塩化パラジウム1g/l,塩酸10g/lを含む水溶液1リットルに透明ガラス粒子を投入し、室温で約20分間撹拌した。このアクチベーション処理後、再び脱イオン水で洗浄した後、次の2種類の溶液を使用して無電解Agめっきを行った。
【0016】
(1)Agアンモニア溶液の調製:
脱イオン水50mlに硝酸銀4gを加えて溶解し、これに脱イオン水50mlに水酸化カリウム2gを溶解させた溶液を混合した。得られた溶液は、次第に褐色になる傾向を示した。更に、水酸化アンモニウムを約40ml加え、溶液の色が透明になるまで撹拌した。
(2)還元溶液の調製:
脱イオン水100mlに食卓砂糖9gを加えて溶解した。この溶液に濃硝酸約2mlを加え、得られた溶液を更に30分間沸騰させることにより食卓砂糖を転化糖に変えた。そして、溶液を室温まで冷却することにより還元溶液を調製した。
銀アンモニア溶液150ml中に前処理済み透明ガラス粒子1Kgを投入し、室温で浴撹拌しながら25滴/分の緩慢な速度で還元溶液110mlを添加することにより、透明ガラス粒子に無電解銀めっきを施した。銀めっき終了後、透明ガラス粒子を十分に水洗し、乾燥した。これにより、厚み50ÅのAg皮膜が透明ガラス粒子の表面に形成された。
【0017】
比較例4:
比較例3と同様にして、ソーダ石灰ガラス質で平均粒径100μm,平均アスペクト比1の透明ガラス粒子の表面に、厚みが2,000ÅとなるようにAgの無電解めっきを施した。
以上の各例で得られたサンプルを使用して、ポリスチレン樹脂(電気化学工業株式会社製 デンカスチロールGP−1)98.9重量%,各例で得られたサンプル1.0重量%及び染色顔料(東洋インキ株式会社製 リオノールブルー)0.1重量%の組成をもつコンポジションを調合した。このコンポジションを、押出し機(ナカタニ株式会社製 VSK−30)によりシリンダー温度200℃で押し出し、ペレット化した。このペレットから、射出成形機(住友重機械工業株式会社製 ネスタール・サイキャップ480/150)によりシリンダー温度200℃,金型温度50℃で、厚み2mm,幅50mm,長さ50mmの試験板を成形した。
【0018】
得られた試験板のウエルド防止性及びメタリック感を目視観察した。表1の観察結果にみられるように、本発明に従ったガラス粒子を配合したものでは、ウエルド防止性及びメタリック感の双方に優れていた。これに対し、平均粒径が小さい粒子に薄くAgコーティングした透明ガラス粒子を配合した比較例1では、ウエルド防止性及びメタリック感の何れも劣っていた。また、平均粒径が大きい粒子に厚くAgコーティングした透明ガラス粒子を配合した比較例2では、メタリック感が良好であるものの、ウエルドが多発した。無電解Agめっきしたガラス粒子を配合したものでは、比較例3と比較例4との対比から明らかなようにAg皮膜が厚くなるとメタリック感が向上したが、何れの場合でもウエルド防止性が劣っていた。
【0019】
【0020】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のメタリック調顔料は、熱可塑性樹脂等に配合され、溶融成形法で成形品を製造する際にウエルドを防止し、優れたメタリック調の表面を成形品に付与する。そのため、バンパー,ラジエータグリル,マーク,ホイールカバー,ドアミラー,ドアハンドル等の自動車部品用プラスチック成形品や、カメラ,OA機器,電気カミソリ,ヘアドライヤー,テレビジョン,携帯電話,オーディオ機器,エアコン,ユニットバス等の家電製品用射出成形品等を製造する広範囲な分野で使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した粉末スパッタリング装置
【図2】実施例3でAgコーティングした透明ガラス粒子表面の電子顕微鏡写真(125倍)
【図3】実施例3でAgコーティングした透明ガラス粒子表面の電子顕微鏡写真(600倍)
【図4】実施例3でAgコーティングした透明ガラス粒子表面の電子顕微鏡写真(1250倍)
【符号の説明】
1回転ドラム 2:ロール 3:モータ 4:スパッタリング源
5:透明ガラス粒子 6:加熱コイル 7:減圧処理室 8:バルブ
9:供給管 10:Arガス導入管 11:分岐管 12:流体ジェットミル 13:循環管 14:バルブ 15:バルブ 16:固気分離装置
Claims (3)
- 平均粒径が10〜300μmで、最短径/最長径の平均アスペクト比が1/3〜1の角張った多面体粒子の表面に、厚み100〜1,000Åの金属コーティングを施しているメタリック調顔料。
- 請求項1記載の角張った多面体粒子が機械粉砕ガラスであるメタリック調顔料。
- 請求項1記載の金属コーティングがAu,Ag,Cu,Al又はこれらの合金であるメタリック調顔料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02173796A JP3627080B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 多面体粒子からなるメタリック調顔料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02173796A JP3627080B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 多面体粒子からなるメタリック調顔料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09194630A JPH09194630A (ja) | 1997-07-29 |
JP3627080B2 true JP3627080B2 (ja) | 2005-03-09 |
Family
ID=12063398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02173796A Expired - Fee Related JP3627080B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 多面体粒子からなるメタリック調顔料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3627080B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7754805B2 (en) | 2005-05-11 | 2010-07-13 | Lg Chem, Ltd. | Polymer resin composition and method of preparing the same |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4727048B2 (ja) * | 2001-02-02 | 2011-07-20 | 日本板硝子株式会社 | 光沢顔料、ならびにそれを含有する塗料組成物、樹脂成形品、化粧料およびインキ組成物 |
JP2005105253A (ja) * | 2003-09-11 | 2005-04-21 | Maruo Calcium Co Ltd | メタリック顔料及びそれを配合してなる合成樹脂組成物 |
DE102005018246A1 (de) * | 2005-04-19 | 2006-10-26 | Schott Ag | Glas- oder Glaskeramik-Artikel mit dekorativer Beschichtung |
KR100789244B1 (ko) * | 2005-05-11 | 2008-01-02 | 주식회사 엘지화학 | 고분자 수지 조성물 및 그의 제조방법 |
-
1996
- 1996-01-12 JP JP02173796A patent/JP3627080B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7754805B2 (en) | 2005-05-11 | 2010-07-13 | Lg Chem, Ltd. | Polymer resin composition and method of preparing the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09194630A (ja) | 1997-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6997982B2 (en) | Pigment with a metallic luster | |
CN108659346A (zh) | 一种无流痕低熔接痕的免喷涂塑料及其制备方法 | |
JP3627080B2 (ja) | 多面体粒子からなるメタリック調顔料 | |
JPH0299170A (ja) | 結晶性熱可塑性樹脂成形品の静電塗装方法並びに塗装プラスチックス成形品 | |
JP3464370B2 (ja) | パール調顔料の製造法 | |
CN103770270A (zh) | 具有特殊美学效果的免喷涂塑胶外壳成型方法 | |
CN108641272A (zh) | 一种金属银免喷涂abs材料及其制备方法 | |
JP2005139292A (ja) | 抗菌性樹脂組成物及び抗菌性製品 | |
JP5183002B2 (ja) | メタリック顔料組成物、塗料組成物、インキ組成物、樹脂組成物、ゴム組成物およびメタリック顔料組成物の製造方法 | |
JP4886444B2 (ja) | 流動性組成物及びそれを用いて形成した電極、配線パターン、塗膜並びにその塗膜を形成した装飾物品 | |
CN111732824B (zh) | 一种超陶瓷质感pc材料及其制备方法 | |
JP4369013B2 (ja) | 雲母粉、及び雲母粉を含む組成物 | |
JP2008546853A (ja) | 高分子樹脂組成物及びその製造方法 | |
JPH09194738A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3456252B2 (ja) | 射出成形又は射出圧縮成形用合成樹脂組成物及び樹脂成形品の製造方法 | |
JP2000086889A (ja) | メタリック調ポリアミド樹脂組成物 | |
WO2004026970A1 (ja) | 樹脂添加用光沢顔料並びにそれを含む樹脂組成物及び樹脂成形体 | |
JPH10259316A (ja) | 耐候性の優れた高光輝性メタリック顔料 | |
JP3171085B2 (ja) | 合成樹脂成形品 | |
JP2000071274A (ja) | 樹脂成形品 | |
EP0360513A2 (en) | Production process of pigment | |
JP2000017194A (ja) | 導電性粉末およびそれを使用した塗料、塗膜、樹脂組成物、樹脂成形体および接着剤 | |
US6143815A (en) | Resin composition and resin molded product | |
CN113480827A (zh) | 仿金属效果塑料的制备方法 | |
JP2006096953A (ja) | 金属被覆炭酸カルシウム粉末、顔料および樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040817 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041110 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041122 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |