JP4727048B2 - 光沢顔料、ならびにそれを含有する塗料組成物、樹脂成形品、化粧料およびインキ組成物 - Google Patents

光沢顔料、ならびにそれを含有する塗料組成物、樹脂成形品、化粧料およびインキ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光沢顔料、ならびにそれを含有する塗料組成物、樹脂成形品、化粧料およびインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車やオートバイなどの外装用塗装、家電製品または雑貨類には、外観の高級感を高めるため、光輝性が高く美粧性に優れたものが広く利用されてきた。この光輝性に最も寄与しているのが、光沢顔料である。光沢顔料は、現在では同様の目的で、インキ組成物や化粧料にも配合されている。
【0003】
光沢顔料としては、鱗片状のアルミニウム粉体、金属被覆雲母片粒子、金属被覆鱗片状ガラス、酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物で被覆された雲母片、酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物で被覆された鱗片状ガラス、グラファイト粒子またはα―酸化鉄結晶粒子を主成分とする酸化鉄粒子などが一般に利用されている。
【0004】
また、米国特許第5753371号公報には、Cガラス組成のフレーク状粒子を基材とし、その基材の表面を屈折率の高い酸化鉄やルチル型二酸化チタンで被覆したパール調光沢顔料が記載されている。なお、この特許には、Cガラス組成はAやEガラス組成(ソーダ石灰ガラス)より化学的に安定であり、酸性環境下でコーティングを施す場合、ガラス基材はCガラス組成でなければならないと記載されている。さらには、AもしくはEガラス組成では、光沢顔料として十分な光輝性が発揮されず、このような化学的安定性に寄与している成分はZnOであるとも述べている。参考までに、A、CおよびEガラス組成を下記「表1」に示す。
【0005】
【表1】
Figure 0004727048
【0006】
特開平3―239769号公報および特開平5―1248号公報には、鱗片状ガラスの表面を銀またはニッケルで被覆したフレーク状粒子を光沢顔料として含有する塗料が記載されている。このフレーク状粒子は、ケイ素酸化物を主成分とし、その他酸化アルミニウム、酸化カルシウムおよび酸化ホウ素などからなる。
【0007】
特開平8―109340号公報および特開平9―176515号公報には、鱗片状ガラスの表面を金属または金属酸化物で被覆した光沢顔料、ならびにこの光沢顔料と合成樹脂を混練、成形した樹脂組成物が記載されている。この樹脂組成物は、ウエルドラインマークなどの表面の欠陥がなく、かつ、光輝性豊かな美装外観を有する。なお、この光沢顔料は、上記特開平3−128769号公報の光沢顔料と同様の構成である。
【0008】
特許第2889837号公報には、合成マイカ上に金属酸化物を被覆し微粉化して表面を平滑にした光沢顔料、ならびにこの光沢顔料を配合したインキ組成物と化粧料が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の技術には、つぎのような問題があった。
上記各種光沢顔料の基材がガラスの場合は、その組成成分に環境や人体に有害な影響を与えるおそれのある物質が含まれている。そのため、これらの光沢顔料を化粧料として肌に付着させることは好ましくない。同様に、これらの光沢顔料を含有する塗料組成物や樹脂成形品が廃棄された場合は、環境への影響が無視できない。
【0010】
一方、基材がマイカの場合は、その劈開性のため、光沢顔料の表面に段差が生じ易く、その光輝性が弱いという問題がある。
【0011】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。その目的とするところは、環境や人体に有害な影響を与えるおそれのある物質を含まないガラス基材を使用して、安全性が高く、かつ、優れた光輝性を発揮する光沢顔料を提供することにある。さらには、この光沢顔料を適宜峻別して、塗料組成物、樹脂成形品、化粧料およびインキ組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の光沢顔料は、重量%で表示して以下に示す組成成分含有率を有し、ホウ素(B)、フッ素(F)および亜鉛(Zn)を実質上含有しないボロンフリーEガラスであるガラス基材を、金属または金属化合物で被覆したものである。
SiO 2 55〜67%
Al 2 3 5〜15%
CaO 17〜25%
MgO 0〜6%
Na 2 O+K 2 0〜5%
TiO 2 0〜2%
【0015】
請求項に記載の発明の光沢顔料は、請求項1に記載の発明において、ガラス基材がフレーク状ガラスのものである。
【0016】
請求項に記載の発明の塗料組成物は、平均厚さ0.1〜7μm、平均粒径10〜600μmである請求項に記載の光沢顔料を含有するものである。
【0017】
請求項に記載の発明の樹脂成形品は、平均粒径0.01〜2mmである請求項に記載の光沢顔料を含有するものである。
【0018】
請求項に記載の発明の化粧料は、金属酸化物で被覆され、かつ、平均粒径5〜300μmである請求項に記載の光沢顔料を含有するものである。
【0019】
請求項に記載の発明のインキ組成物は、平均厚さ0.1〜2μm、平均粒径5〜90μmである請求項に記載の光沢顔料を含有するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
光沢顔料は、ガラス基材の表面を金属または金属化合物で被覆したものであり、そのガラス基材が環境や人体に悪影響を与えるおそれのある物質を実質的に含有しないものである。ここで、環境や人体に悪影響を与えるおそれのある物質とは、ホウ素、フッ素および亜鉛である。ホウ素またはフッ素は、水と容易に反応して、ホウ酸またはフッ酸になる。ホウ酸は、粘膜から吸収されて、肝中毒を引き起こし、また骨を溶かす作用もある。フッ酸は、極めて毒性が強く,皮膚に触れると激しい痛みを生じさせ,さらに内部組織に浸透して細胞を腐食させる。また、肺から吸収されると、「肺水腫」などの重い呼吸麻痺を引き起こす。亜鉛は、通常亜鉛酸化物として存在し、皮膚や粘膜を刺激するとともに、吸引されると「金属煙熱」を引き起こし、「気管支炎」や「肺炎」の原因となる。
【0021】
一方、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)およびナトリウム(Na)は、環境や人体に安全な成分である。
【0022】
なお、「実質上含有しない」とは、ガラスの組成成分として意識的に添加しないことを意味し、客観的には組成成分含有率(酸化物換算)で0.01重量%以下の場合をいう。
【0023】
ホウ素、フッ素および亜鉛を実質的に含有しないガラスとしては、たとえばAガラス(ソーダ石灰ガラス)、耐アルカリガラス、高強度ガラス、石英ガラス、ボロンフリー無アルカリガラス、ボロンフリーEガラスなどが挙げられる。なお、ボロンフリーEガラスとは、従来のEガラス組成成分から三酸化二ホウ素(B2O3)を除いたものである。
【0024】
また、ガラス基材は、その組成成分として二酸化ケイ素を55重量%以上含有する必要がある。二酸化ケイ素の含有率が55重量%未満であると、ガラス構造を形成することが困難になる。
【0025】
ここで、参考までに高強度ガラスの組成成分含有率を下記「表2」に、ボロンフリーEガラスを下記「表3」に示す。なお、ボロンフリーEガラスには、二酸化チタン(TiO2)、三酸化二鉄(Fe2O3)を少量含有しているものもある。
【0026】
【表2】
Figure 0004727048
【0027】
【表3】
Figure 0004727048
【0028】
ガラス基材の形状は、とくに限定されるものではなく、粉体や鱗片状など公知の形状でよい。しかし、光沢顔料の使用目的が製品の光輝性の向上にある場合は、比表面積が大きく、かつ、表面平滑性が高い鱗片状が好ましい。
【0029】
ガラス基材が鱗片状の場合、塗料や樹脂成形品などの用途毎に、光沢顔料の大きさの好適範囲は異なる。しかし、概略すれば、光沢顔料は平均粒径0.005〜2mm、平均厚さ0.1〜600μmであることが好ましい。この平均粒径が2mmを越える場合は、加工過程において割れが生じ易くなり、一方0.005mm未満になると、上記光輝性を向上させる効果が著しく低下する。また、その平均厚さが0.1μm未満の場合は破砕され易くなり、一方30μmを越えると単位量当たりの粒子数が少なくなり、製品の光輝性を向上させる効果が低下する。
【0030】
鱗片状のガラス基材の製造方法としては、つぎのものが知られている。ガラス原料を所定温度で熔融させ、これをブローして延伸薄膜化を行って円筒状に成形し、冷却固化させた後、粉砕、分級の各処理を施して、所定の厚さおよび粒度のガラス基材を得る方法(以下「ブロー法」と称す)である(実開昭59−69930号公報、特開平6−329429号公報)。その他、熔融ガラスをシート状に延伸して薄膜化する方法やビーズ状の熔融ガラスを遠心力により板状化する方法も知られている(特表平2−503669号公報)。これらの製造方法は、いずれも実用化されているが、鱗片状のガラス基材の厚さを自由に調整できるブロー法がとくに好ましい。
【0031】
ガラス基材は、この発明の目的を害しないように、人体や環境に無害な金属たとえば金、白金、チタンまたはアルミニウム、ならびにそれらの化合物などで被覆される。これらの中でも、コスト、品質などに優れているアルミニウム、チタン、鉄およびそれらの化合物が好ましい。一方、ニッケル(Ni)やその化合物は、皮膚に付着すると、汗などで溶解して、皮膚炎を引き起こす。このように金属や金属化合物で被覆されることにより、ガラス基材の耐薬品性や耐水性が向上し、光沢顔料の光輝性が長期間維持されるようになる。
【0032】
被覆材が金属の場合、その膜の平均厚さは0.005〜2μmが好ましい。この厚さが0.005μm未満の場合は、金属本来の光沢が著しく減少し、光沢顔料の光輝性が著しく減少する。一方、この厚さが2μmを越えると、光輝性が向上し難くなり、コスト的に問題となる。
【0033】
また、被覆材が金属化合物の場合、一般にその膜の平均厚さは0.02〜0.8μmが好ましい。この金属化合物の被膜は、厚くなるにしたがって、反射光を無彩色から有彩色へ変化させる。たとえば、その材料がルチル型二酸化チタンの場合、反射光は約0.05μmではシルバー色、約0.14μmでは赤紫色、0.2μm程度では黄緑色となる。これは、被膜表面とガラス基材表面の反射光が干渉して干渉色を呈するからである。そのため、被覆材はガラス基材より屈折率の高いものが好ましい。ガラス基材より屈折率の高いもので被覆することにより、前記干渉色がより鮮明になるからである。ガラス基材の屈折率は1.5〜1.6程度であることから、金属化合物は屈折率2.0〜3.0のものが好ましい。ちなみに、アナターゼ型二酸化チタンの屈折率は約2.5、ルチル型二酸化チタンの屈折率は約2.7である。二酸化チタンの被膜厚さは、0.01〜1μmが好ましく、さらには0.02〜0.7μmが好適である。これが0.01μm未満の場合は十分な光沢が得られず、一方1μmを越えると経済性が損なわれる。
【0034】
ガラス基材上に金属または金属化合物の被膜を成形する方法は、とくに限定されるものではなく、公知の無電解めっき法や粉末スパッター法などを用いることができる。これらの方法は、特開平2―58582号公報、特開昭60―86177号公報に記載されている。その他の方法として、液相法またはゾルゲル法で金属水酸化物の被膜をガラス基材上に成形し、加熱処理して脱水させ金属酸化物の被膜を成形する方法が米国特許第5753371号公報に記載されている。
【0035】
本発明者は、米国特許第5753371号の方法をさらに発展させ、つぎの方法を開発した。すなわち、前処理操作として、所定の鱗片状のガラス基材を塩酸水溶液中で塩化スズ(SnCl2)により表面処理した後、ヘキサクロロ白金酸で処理する。この前処理済みのガラス基材をpH約1.0に調整した塩酸酸性水溶液に加え、そのスラリー液の温度を75℃に昇温してから、pH1.0を保ちつつTiCl4水溶液を注加し、所定の干渉色に達したら反応を終了させる。この反応生成物を濾過水洗して、所定の温度たとえば600℃で加熱焼成する方法である(以下、この方法「p液相法」という)。このp液相法によれば、米国特許5753371号で解決できなかったCガラス組成以外のガラス基材に対しても、十分な光輝性を発揮する被膜を成形することができる。なお、このp液相法では、安全性の面から表面処理剤として塩化スズではなく鉄化合物を使用することが好ましい。
【0036】
光沢顔料の耐久性や耐光性を向上させるため、金属または金属化合物の被膜の上にさらに保護膜を成形してもよい。この保護膜は、二酸化ケイ素を主成分とするものが好ましい。また、必要に応じて保護膜の表面をシランカップリング材などでコーティングしてもよい。これらの具体的手段は、特開昭62―91567号公報、特開平1―292067号公報、特開平7―268241号公報または米国特許5436077号公報などに記載されている。
【0037】
塗料組成物には、光沢顔料、ビヒクル成分および溶剤を主成分とする液状塗料、あるいはこれらのうち溶剤を含まない粉体塗料がある。そして、液状塗料には、有機溶液型、ハイソリッド型、非水分散液型、水溶液型または水分散型がある。これらの塗料組成物は、公知の方法により製造される。塗料組成物には、平均厚さ0.1〜7μm、平均粒径10〜600μmの光沢顔料が適している。この粒径が600μmを越える場合は光沢顔料が破砕され易く、一方10μm未満であると塗装の光輝性が不十分になり易い。また、その平均厚さが0.1μm未満の場合は、塗料を撹拌するだけで光沢顔料が破砕されるようになり、一方7μmを越えると、塗膜表面の平滑性が低下し仕上がりの外観が悪くなる。ビヒクル成分としては、ベース樹脂と架橋材を主成分とする架橋硬化性樹脂組成物が好ましい。また、ベース樹脂としては、架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはアルキド樹脂などを使用することができる。架橋剤としては、メチロール化および/またはアルキルエーテル化メラミン樹脂や尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック化物を含む。)が好ましい。なお、ベース樹脂には、自己硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用してもよい。溶剤としては、各種の塗料用有機溶剤や水を使用してもよい。
【0038】
塗料組成物における光沢顔料の含有量は、ビヒクル成分100重量部(固形分)に対して0.1〜30重量部が好ましい。この含有量が0.1重量部未満の場合は、塗料として十分な光輝性が発揮されず、一方30重量部を越えると、塗膜形成性などが損なわれるおそれがある。
【0039】
樹脂成形品は、熱可塑性樹脂を母材として、平均厚さ0.01〜2mmの光沢顔料を含有するものである。また、必要に応じて可塑剤、安定剤、紫外線吸収材、難燃剤、着色顔料、特性向上剤およびメタリック顔料(たとえば、アルミニウム顔料、酸化鉄顔料)などを光沢顔料の光輝性を阻害しない程度に含有してもよい。樹脂成形品に含有させる光沢顔料は、その形状をとくに限定されるものではないが、反射光の指向性を高めるため、その一面が鏡のように平滑であることが好ましい。鱗片状の場合、光沢顔料は平均粒径0.01〜2mm、平均厚さ0.5〜30μmであることが好ましい。その平均粒径が2mmを越える場合は、樹脂マトリックスに混練される際に光沢顔料が破砕され易くなる。一方、0.01mm未満になると樹脂成形品の光輝性が著しく低下する。また、光沢顔料が樹脂マトリックス中で均一に分散してウエルドラインマークが形成されないように、光沢顔料は粒度分布のばらつきが小さいほど好ましい。
【0040】
熱可塑性樹脂の種類は、とくに制限されるものではない。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリスチレン、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂、AS(アクリロニトリルスチレン)樹脂、AES(アクリロニトリルEDPMスチレン)樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタールもしくはポリカーボネート、あるいはこれらのポリマーの共重合体、混合物または変性物などが挙げられる。とくに、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂またはポリカーボネート樹脂などの透明性の高い樹脂が好ましい。
【0041】
樹脂成形品は、上記各種材料を所定の割合で、タンブラー、ナウターミキサー、ブレンダーまたは押出し機などで混合され、射出成形(キャビティー内へ溶融樹脂を射出後、ガスノズルから窒素ガスなどを溶融樹脂中へ送り込み、射出成形する方法や多層射出成形方法も含む)、押出し成形(多層押出し成形方法も含む)または射出圧縮成形などの方法により成形される。
【0042】
化粧料には、フェーシャル化粧料、メーキャップ化粧料、ヘア化粧料など幅広い範囲の化粧料が含まれる。光沢顔料は、ファンデーション、粉白粉、アイシャドー、ブラッシャー、化粧下地、ネイルエナメル、アイライナー、マスカラ、口紅、ファイシーパウダーなどのメーキャップ化粧料にとくに適している。光沢顔料は、化粧料の用途に応じて、疎水化処理が施される場合がある。疎水化処理の方法は、第一にメチルハイドロジェンポリシロキサン、高粘度シリコーンオイルまたはシリコーン樹脂などのシリコーン化合物による処理方法、第二にアニオン活性剤またはカチオン活性剤などの界面活性剤による処理方法、第三にナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、テフロンまたはポリアミノ酸などの高分子化合物による処理方法、第四にパーフルオロ基含有化合物、レシチン、コラーゲン、金属石鹸、親油性ワックス、多価アルコール部分エステルまたは完全エステルなどによる処理方法、第五にこれらを複合した処理方法が挙げられる。ただし、一般に粉末の疎水化処理に適用できる方法であれば、上記の方法に限定されるものではない。
【0043】
化粧料に使用される光沢顔料は、その形状をとくに限定されるものではないが、平均粒径が5〜300μmである必要がある。この平均粒径が5μm未満の場合は化粧料の光輝性が不十分になり、一方300μmを越えると光沢顔料の粒子が目立ち過ぎ、仕上がり感が不自然なものになる。また、平均厚さ0.1〜2.5μm、平均粒径5〜300μmの鱗片状であることが好適である。この平均厚さが0.1μm未満の場合は、材料の配合混練の際に光沢顔料が破砕され易く、一方2.5μmを越えると、化粧料にざらつき感が生じる。また、そのアスペクト比が10未満の場合は、化粧料の肌での伸びやフィット感が悪化し、一方500を越えると、肌上でののりが悪化しざらざら感が強くなる。
【0044】
化粧料には、通常化粧料に用いられる他の材料を必要に応じて適宜配合することができる。たとえば、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸バリウム、硫酸バリウム、珪酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化ホウ素もしくはセラミックパウダーなどの無機粉体、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリ四フッ化エチレンパウダー、ジスチレンベンゼンポリマーパウダー、エポキシパウダー、アクリルパウダーもしくは微結晶性セルロースなどの有機粉体、酸化チタン酸化亜鉛などの無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)もしくはチタン酸鉄などの無機赤色系顔料、γ―酸化鉄などの無機褐色系顔料、黄酸化鉄もしくは黄土などの無機黄色系顔料、黒酸化鉄もしくはカーボンブラックなどの無機黒色系顔料、マンゴバイオレットもしくはコバルトバイオレットなどの無機紫色系顔料、チタン酸コバルトなどの無機緑色系顔料、群青や紺青などの無機青色系顔料、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔もしくは着色酸化チタン被覆雲母などのパール顔料、アルミニウムパウダーやカッパーパウダーなどの金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号および青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号のバリウムもしくはアルミニウムレーキなどの有機顔料、クロロフィルやβ―カロチンなどの天然色素、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オケゾライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、2―エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2―エチルヘキシル、ミリスチン酸2―オクチルドデシル、ジー2―エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボガド油、ミツロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ミンク油もしくはラノリンなどの各種炭化水素、シリコーン油、高級脂肪酸、油脂類のエステル類、高級アルコールもしくはロウなどの油性成分、アセトン、トルエン、酢酸ブチルもしくは酢酸エステルなどの有機溶剤、アルキド樹脂もしくは尿素樹脂などの樹脂、カンファやクエン酸アセチルトリブチルなどの可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、アルコールまたは増粘剤などが挙げられる。
【0045】
化粧料の形態は、とくに限定されるものではなく、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液状、乳液状またはクリーム状など公知の各種形態にすることができる。
【0046】
インキ組成物には、油性インキ、水性インキまたは水性ゲルインキなど種々のタイプがある。インキ組成物は、インキ被膜形成性成分100重量部に対し、光沢顔料を0.1〜100重量部含有することが好ましい。インキ組成物に用いられる光沢顔料は、平均厚さ0.1〜2μm、平均粒度5〜90μmの鱗片状である必要がある。平均粒径が5μm未満の場合は、筆跡や印刷面の光輝性が著しく低くなる。一方、90μmを越えると、光沢顔料が溶剤に配合される際に割れ易くなり、また印刷表面が荒れ仕上がりが悪くなる。平均厚さが2μmを越える場合は筆記具のインキ詰まりが起き易くなり、一方0.1μm未満になると光沢顔料が割れて、筆跡や印刷面の光輝性が低下し易くなる。
【0047】
インキ組成物の被膜形成性成分は、とくに制限されるものではなく、慣用されているものを適宜選択して用いることができる。被膜形成性成分としては、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂もしくはポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂、ロジンやギルソナイトなどの天然樹脂、セルロース誘導体やアリルでんぷんなどの高分子化合物、またはあまに油、しなきり油もしくは大豆油などの油脂類などが挙げられる。これら被膜形成性成分は、使用目的に応じて適宜組み合わせて用いることができる。
【0048】
インキ組成物は、インキ被膜形成性成分100重量部に対し光沢顔料を0.1〜100重量部含有することが好ましい。光沢顔料の含有量が0.1重量部未満の場合は、筆跡や印刷面の光輝性が乏しくなり所望の意匠性が得られ難い。一方、100重量部を越えると、インキの粘度が高まり流動性が損なわれ、印刷の作業性に問題が生じて実用性が低下する。
【0049】
インキ組成物に使用される溶剤は、とくに限定されるものではない。たとえば、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類、オレフィン類、シクロオレフィン類、ナフサ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールもしくはn−ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類、ジメチレンクロリドやトリクロロエチレンなどの塩素系化合物、グリコールモノエチルエーテルやグリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、グリコールモノメチルエーテルアセテートやグリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールモノエーテルモノエステル類または水などが挙げられる。
【0050】
インキ組成物には、意匠性を高めるために、従来から使用されている着色顔料を添加してもよい。インキ組成物は、上述の被膜形成性成分、光沢顔料、溶剤類および着色顔料のほか、必要に応じてワックス、可塑剤、界面活性剤、分散剤、揺変性付与剤、消泡剤または防錆剤などが配合される場合もある。インキ組成物は、溶剤型、水溶型(水性ゲル型を含む)エマルジョン型などいずれのタイプでもよい。また、インキ組成物は、公知の方法により製造される。
【0051】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、この発明をさらに具体的に説明する。
【0052】
(製造例I〜VI)
下記「表4」に記載の高強度ガラス、ボロンフリーEガラスおよびAガラスの各ガラス組成成分含有率となるように通常のガラス原料を配合し、バッチを調合した。このバッチを各熔融温度以上に加熱し熔融させ、その後冷却固化させて、ペレットを製造した。つづいて、実開昭59―69930号公報に記載の装置を用いて、このペレットを加熱熔融し、厚さ約1μmおよび約5μmのガラスフィルムに成形し、粉砕、分級して、鱗片状のガラス基材を得た。各ガラス基材の形状について、平均厚さを光学顕微鏡―画像解析法で、平均粒径をレーザー散乱法で測定した。その結果を、下記「表4」に記載する。
【0053】
【表4】
Figure 0004727048
【0054】
(実施例1)
簡易型金スパッタリング装置(日本電子(株)製 JFC−100型)を用いて、上記製造例Iのガラス基材(No.I)に金の被膜を成形し、光沢顔料を製造した。まず、No.Iのガラス基材2gを小皿に取り装置の極板近くに置き、1kV,10mAの条件で途中数回真空を解除して小皿の中をかき混ぜ、通算4時間スパッタリングを行った。その結果、キラキラと強い金色の反射光を放つ光沢顔料(金推定付着量10nm)が得られた。この光沢顔料について、その光輝性を5人の検査官による目視での官能試験で評価した。また、光学顕微鏡(オリンパス光学工業(株)製 BH−2型)を用いて観察したところ、金被膜の被覆状態は均一で斑がないことが判った。これらの条件および評価を、下記「表5」に示す。
【0055】
(実施例2〜6)
No.II〜VIのガラス基材を用いること以外は、実施例1と同様にして光沢顔料を製造した。また、これらの光沢顔料について、同様の方法で評価した。その結果を、下記「表5」に併せて記載する。
【0056】
【表5】
Figure 0004727048
【0057】
(実施例7)
No.Iのガラス基材上にp液相法で被膜を成形して、光沢顔料を製造した。まず、精製水10Lに希塩酸を加えてpH2.5に調整した溶液に、No.Iのガラス基材1kgを撹拌しながら加えた。つづいて、40重量%塩化鉄水溶液12mLと10重量%塩化亜鉛水溶液80mLを加え、10分間撹拌した。その後、35重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH3に調整し、76℃まで加熱した。さらに、希塩酸を加えpH1.5に調製し維持しつつ、35重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えスラリー溶液とした。このスラリー溶液に、40重量%四塩化チタン水溶液を1L/hrで滴下し、二酸化チタンまたはその水酸化物をガラス基材上に析出させた。二酸化チタン析出層が目的の干渉色を示すところで四塩化チタン水溶液と水酸化ナトリウムの滴下を止めた。被膜が形成されたガラス基材を濾過し、これを自然乾燥させて光沢顔料を得た。そして、光沢顔料の一部を取り出し、600℃で加熱処理した。ここで、加熱処理前の光沢顔料を「光沢顔料A」、加熱処理後の光沢顔料を「光沢顔料B」と以後表記する。光沢顔料AおよびBは、どちらも緑色で高い光輝性を示した。また、光沢顔料AおよびBに対して、実施例1と同様にして光輝性を評価した。さらに、X線回折装置(XD―D1型、島津製作所社製)を用いて光沢顔料AおよびBの被膜の結晶型を測定したところ、どちらもルチル型であることが確認された。光沢顔料Bの断面および表面について、電子顕微鏡(S―4500型、日立製作所社製)で観察した結果、ガラス基材上に被膜が均一かつ緻密に形成されていることが確認された。また、光沢顔料Bの被膜の厚さは、0.20〜0.22μmであった。これら測定の結果を、下記「表6」に記載する。
【0058】
(実施例8〜10)
No.II〜IVのガラス基材を用いること以外は、実施例7と同様にして光沢顔料Aおよび光沢顔料Bを製造した。その結果を、下記「表6」に併せて示す。
【0059】
【表6】
Figure 0004727048
【0060】
(実施例11)
実施例1で製造した光沢顔料を用いて塗料組成物を製造した。まず、トルエン8.4重量部に実施例1の光沢顔料0.8重量部を加えて撹拌し、均一に分散させた。この分散液に熱硬化アクリル樹脂ワニス(三井東圧化学株式会社製 アルマテックス448―0 樹脂固形分48重量%、溶剤〔トルエン46.8重量%、n−ブタノール2.6重量%、メチルイソブチルケトン2.6重量%〕52重量%)59.0重量部、メラミン樹脂ワニス(三井東圧化学株式会社製 ユーバンー20N―60 樹脂固形分60重量%、溶剤〔キシレン24重量%、n−ブタノール16重量%〕40重量%)11.8重量部および溶剤(トルエン/n−ブタノール=65/35(重量比)混合溶剤)14.5重量部を加えてディスパーで30分間撹拌した。さらに、この溶液に塗料用シンナー(日本ペイント株式会社製 ニッペ298)を加えて希釈し、20℃において粘度が#4フォードカップで14秒となるように調整して塗料組成物を得た。
【0061】
この塗料組成物をスプレーガンで中塗り鋼板(長さ400mm、幅240mm、厚さ0.8mm)に吹き付けて、乾燥膜厚換算15μmの塗装膜を形成した。この塗装膜の上にウエットオンウエットでクリアー塗料(日本ペイント株式会社製 スーパーラック0−128M−1 アクリル・メラミン樹脂系塗料)を塗布し、140℃で20分間加熱して硬化塗膜を成形した。なお、塗装膜の硬化膜厚は15μmであり、クリアー塗膜の硬化膜厚は36μmであった。この塗装板を目視観察したところ、その光輝性は極めて強く、かつ、光沢顔料が塗装膜中に立体的に観察された。これらの条件および観察結果を、下記「表7」に示す。なお、表7に記載の光輝性および奥行き感の「○、△、×」は、つぎの基準に基づき評価したものである。試験官5人で官能試験を行い、比較例1を基準として、これと同等ならば△、劣る場合は×、優れる場合は○とする。
【0062】
(実施例12〜15)
実施例1の光沢顔料の代わりに実施例3,5,7または9で製造したものを使用し、その含有量を下記「表7」のように変更した以外は、実施例11と同様にして塗装板を得た。これらの条件および観察結果を、下記「表7」に併せて示す。
【0063】
(比較例1)
実施例1の光沢顔料の代わりにルチル型パールマイカを使用した以外は、実施例11と同様にして塗装板を得た。これらの条件および観察結果を、下記「表7」に併せて示す。このルチル型パールマイカは、平均厚さ0.4μm、平均粒径40μm、アスペクト比100、反射色シルバーの市販品である。
【0064】
【表7】
Figure 0004727048
【0065】
(実施例16)
実施例1で製造した光沢顔料を用いて樹脂成形品を製造した。ポリスチレン樹脂(三菱化学株式会社製 ダイヤレックスHF−77)100重量部に、実施例1の光沢顔料を2重量部加えて混合した。この混合物を射出成形機(住友重機械工業株式会社製 プロマット80/40)を用いて、下記成形条件で平板(5×75×3mm)状に射出成形した。
【0066】
Figure 0004727048
【0067】
この成形板の外観を自然光下で目視観察した結果、樹脂中の光沢顔料の分散状態は良好で、くすみがなく、奥行き感のある光輝性の強い外観であった。この条件と観察結果を下記「表8」に示す。なお、表8に記載の光輝性と奥行き感に関しては、実施例11と同様の基準を採用した。
【0068】
(実施例17〜23)
実施例1の光沢顔料の代わりに実施例2〜8で製造したものを使用し、その含有率を下記表8に変更した以外は、実施例16と同様にして平板状樹脂成形品を製造した。なお、上記実施例7および8の光沢顔料は、光沢顔料Bである。これら条件と観察結果を、下記「表8」に併せて示す。
【0069】
(比較例2)
実施例1の光沢顔料の代わりにルチル型パールマイカを使用した以外は、実施例16と同様にして平板状樹脂成形品を製造した。これら条件と観察結果を、下記「表8」に併せて示す。
【0070】
【表8】
Figure 0004727048
【0071】
(実施例24)
下記の材料からなる化粧料すなわちパウダーファンデーションを製造した。
【0072】
[材料割合]
(1) 酸化チタン 7
(2) タルク 20
(3) 白雲母 3
(4) 実施例7の光沢顔料B 55
(5) ナイロンパウダー 2
(6) 赤色酸化鉄 0.5
(7) 黄色酸化鉄 1
(8) 黒色酸化鉄 0.1
(9) シリコーンオイル 1
(10)パルミチン酸2―エチルヘキシル 9
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 1
(12)防腐剤 0.3
(13)香料 0.1 (単位:重量%)
【0073】
上記材料(1)〜(8)について、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、この混合物に上記材料(9)〜(13)を予め加熱溶解させ混合したものを添加し、その後パルペライザーで粉砕した。さらに、この混合物を直径5.3mmの中皿に吐出し、160kg/cm2の圧力で押圧成形し、パウダーファンデーションを製造した。この化粧料に関し、肌への伸び、密着性、滑らかさおよび光輝性について、つぎの官能試験を行った。女性パネラー( 12名 )に通常の使用方法で化粧してもらい、上記各官能試験項目について、5;非常に良い、4;良い、3;普通、2;やや悪い、1;悪い の5段階で評価してもらった。各項目について、その平均点が4以上の場合が○、3〜4が△、3未満を×として評価した。この官能試験結果を、下記「表9」に示す。
【0074】
(実施例25)
化粧料の材料として、上記(4)実施例7の光沢顔料Bの代わりに(4)実施例9の光沢顔料Bを使用した以外は、実施例24と同様にしてパウダーファンデーションを製造した。この化粧料について、実施例24と同様の官能試験を行った。その結果を下記「表9」に併せて示す。
【0075】
(比較例3)
化粧料の材料として、上記(4)実施例7の光沢顔料Bの代わりに(4)アナターゼ型パールマイカを使用した以外は、実施例24と同様にしてパウダーファンデーションを製造した。この化粧料について、実施例24と同様の官能試験を行った。その結果を下記「表9」に併せて示す。
【0076】
【表9】
Figure 0004727048
【0077】
(実施例26)
グラビアインキメジウム100重量部に対し実施例1の光沢顔料15重量部を加え、十分に混合してグラビアインキを製造した。このインキを用いた印刷紙面について、5人の検査官による目視での官能試験を行った。5人の検査官の総合意見として、この印刷紙面は彩色豊かで高級感に満ちた仕上がりと判断された。
この結果を、下記「表10」に示す。
【0078】
(実施例27〜30)
実施例1の光沢顔料の代わりに実施例3、5、7および9のものを使用したこと以外は、実施例26と同様にしてグラビア印刷紙面を得た。なお、前記実施例7および9の光沢顔料は、光沢顔料Bを使用した。これらグラビア印刷紙面を実施例26と同様にして観察した。その結果を下記「表10」に併せて記載する。
【0079】
(比較例4)
実施例1の光沢顔料の代わりにルチル型パールマイカを使用した以外は、実施例26と同様にしてグラビア印刷紙面を得た。このグラビア印刷紙面を実施例26と同様にして観察した。その結果を下記「表10」に併せて記載する。
【0080】
【表10】
Figure 0004727048
【0081】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されていることから、つぎのような効果を奏する。
【0082】
請求項1に記載の発明の光沢顔料は、その組成成分に環境や人体に有害な影響を与えるおそれのある物質が含まれていないので、製造段階で環境を汚染することがなく、かつ、直接人体に触れる用途にも安心して利用できる。また、ガラス基材がEガラス組成から三酸化二ホウ素(B 2 3 )を除いたものであるので、Eガラス組成のガラス基材を製造する装置をそのまま利用することができる。
【0085】
請求項に記載の発明の光沢顔料は、請求項1の発明の効果に加えて、ガラス基材がフレーク状ガラスであるので、塗料のライニング材、樹脂成形品の補強材または光輝性を求められる化粧材料もしくはインキ材料として利用することができる。
【0086】
請求項に記載の塗料組成物は、平均厚さ0.1〜7μm、平均粒径10〜600μmの請求項の光沢顔料を含有するので、その塗布性が低下することなく、高い光輝感を呈することができる。
【0087】
請求項に記載の樹脂成形品は、平均粒径0.01〜2mmの請求項の光沢顔料を含有するので、射出成形性および寸法安定性が低下することなく、高い光輝感を呈することができる。
【0088】
請求項に記載の化粧料は、金属酸化物で被覆され、かつ、平均粒径5〜300μmの請求項の光沢顔料を含有するので、仕上がり感が自然で、多彩な色調と高い光輝感を呈することができる。
【0089】
請求項に記載のインキ組成物は、平均厚さ0.1〜2μm、平均粒径5〜90μmの請求項の光沢顔料を含有するので、流動性が損なわれることなく、筆跡や印刷紙面に高い意匠性を付与することができる。

Claims (6)

  1. 重量%で表示して以下に示す組成成分含有率を有し、ホウ素(B)、フッ素(F)および亜鉛(Zn)を実質上含有しないボロンフリーEガラスであるガラス基材を、金属または金属化合物で被覆した光沢顔料。
    SiO 2 55〜67%
    Al 2 3 5〜15%
    CaO 17〜25%
    MgO 0〜6%
    Na 2 O+K 2 0〜5%
    TiO 2 0〜2%
  2. 上記ガラス基材がフレーク状ガラスである請求項1に記載の光沢顔料。
  3. 平均厚さ0.1〜7μm、平均粒径10〜600μmである請求項に記載の光沢顔料を含有する塗料組成物。
  4. 平均粒径0.01〜2mmである請求項に記載の光沢顔料を含有する樹脂成形物。
  5. 金属酸化物で被覆され、かつ、平均粒径5〜300μmである請求項に記載の光沢顔料を含有する化粧料。
  6. 平均厚さ0.1〜2μm、平均粒径5〜90μmである請求項に記載の光沢顔料を含有するインキ組成物。
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