JP3626434B2 - 折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置における閉止キャップ - Google Patents

折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置における閉止キャップ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は折り畳み式計算機、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、ワードプロセッサーなどの折り畳み機器にあって、その機器本体に開閉自在なるよう枢着されたカバーを、閉成時と任意の開成角度とで夫々の状態を保持でき、しかも適度の力で当該保持状態を解除することのできる開閉保持用ヒンジ装置に係嵌されるヒンジとしての係嵌組成体に対し、これを隠蔽することで外観をよくすると共に、係嵌組成体のヒンジ構成部材へ塵埃等が進入することを阻止することのできる閉止キャップに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
前掲携帯電話機などにあって、その機器本体を閉成しているカバーが不本意に開成したり、開成時のカバーが使用中に閉成してしまったりすることを防止するのに、係止爪やマグネットなどを用いる旧来のロック手段によるときは、デザイン、実装上の制約、コスト高や操作性などの諸点で満足すべき結果が得られていない。そこで当該欠陥を解消するため、既に特開平7−11831号公報に記載の提案がなされている。
【0003】
上記提案のものは、図7ないし図10によって以下説示するような構成を有している。すなわち図7と図8により理解される通り、機器本体1とカバー2とが、ヒンジ3によって任意の開成角度α゜だけ開閉自在に枢着され、当該ヒンジ3は機器本体1に固設の本体ヒンジ筒1aと、カバー2に固設のカバーヒンジ筒2aとを具備し、図8の如く本体ヒンジ筒1aの本体当接端面1bとカバーヒンジ筒2aのカバー当接端面2bとは、カバー2の開閉に際し摺接自在となっている。
【0004】
そして、本体ヒンジ筒1aには、回転止め状態にして軸線方向へはスライド自在なるよう固定ディスク4が内嵌され、このために本体ヒンジ筒1aの内周面に設けたガイドリブ1cに、固定ディスク4のガイド溝4aが係合されている。一方カバーヒンジ筒2aには、これまた回転止め状態で可動ディスク5が内嵌され、このために図示例ではカバーヒンジ筒2a奥行内面における溝2cに、可動ディスク5の端面に形成したリブ5aが係合されている。
【0005】
さらに、当該従来例では上記固定ディスク4の固定突き合せ端面4bと、可動ディスク5の可動突き合せ端面5bの何れか一方、図示例では固定突き合せ端面4bに、図9(A)(C)および図10により理解される通り、係嵌凹所6が複数個(3個)、所定の周角度位置N1、N2、N3(カバー2の開成角度α゜によって決定される位置)にあって設けられており、他方すなわち図示例では図9(B)(D)と図10に開示の如く、上記の係嵌凹所6に対して図10ではコイルスプリング7に基づく弾力により係合することになる複数個(2個)の係嵌凸部8が、所定の周角度位置P1、P2にあって可動突き合せ端面5bから突出されている。
【0006】
ここで上記のコイルスプリング7は図10に示されている通り、固定ディスク4の固定突き合せ端面4bとは反対側にあって、外向きに開口された収納空洞4cに収納されていると共に、本体ヒンジ筒1aの外側から挿入した螺杆9を、コイルスプリング7から固定ディスク4そして可動ディスク5を貫通して、その螺部先端9aをカバーヒンジ筒2aの底部2dに刻設した螺止孔2eに螺着させるようにしている。ここで図中9bは螺杆9の頭部を示している。
このため、コイルスプリング7は、その弾力により固定ディスク4を可動ディスク5側へ弾圧して、これにより係嵌凹所6に係嵌凸部8が係合することで、固定突き合せ端面4bが可動突き合せ端面5bに対して圧接することになる。
【0007】
従って、図10から理解されるように、カバー2を開動させることで、カバーヒンジ筒2aと共に可動ディスク5が回動すると、その可動突き合せ端面5bから突設されている係嵌凸部8が、図9(E)に示す如く係嵌凹所6から円周方向へ脱出し、この際、コイルスプリング7の弾力に抗して固定ディスク4が、図10の左側へ移動することとなり、係嵌凸部8の先端部が、固定突き合せ端面4b上を摺動して円周方向へ回動することになる。
【0008】
このため、図9にあって可動ディスク5の前記周角度位置P1、P2における係嵌凸部8が、カバー2の閉止状態では、固定ディスクの周角度位置N1、N2における係嵌凹所6に係嵌されているが、当該カバー2を開成角度α゜だけ開成した際には、上記一対の係嵌凸部8が、夫々周角度位置N3、N1の周角度位置における係嵌凹所6に、その係嵌を切り替え得ることになる。
【0009】
以上の如く構成することで、当該従来例によるときは、係止爪やマグネットによるロックに比し、カバー2が機器本体1に対し閉時および開時にあって、不本意に回動してしまうことがないようにすることができ、またカバー2を必要に応じ簡易に開閉操作でき前掲旧来例の欠陥を大幅に改善することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように上記従来のヒンジ装置によるときは、望ましい効果を発揮し得ることになるが、前掲図8等によって理解される通り、これを組み付けるためにはカバー2内のカバーヒンジ筒2a内に可動ディスク5を係合して、溝2cにリブ5aを係嵌し、一方機器本体1の本体ヒンジ筒1aには固定ディスク4を嵌合して、ガイドリブ1cにガイド溝4aを係嵌する。さらにコイルスプリング7を固定ディスク4に嵌装した後、螺杆9をコイルスプリング7に挿通することで当該螺杆9の螺部9aを、カバーヒンジ筒2aの底部2dに刻設した螺止孔2eに螺着することで、当該螺杆9の頭部9bによってコイルスプリング7の押縮による弾力により固定ディスク4を押圧し、これによりその固定突き合わせ端面4bを、可動ディスク5の可動突き合わせ端面5bに圧接するといった組み付け作業を行わねばならない。
【0011】
そこで、順次第2(可動)ディスク、摺動ディスク、コイルスプリングに貫通して第1(固定)ディスクに装入した軸杆を、抜け止め状態にて固定してしまうことで、コイルスプリングの弾力によって上記の摺動ディスクを第2(可動)ディスクに弾接させ、摺動ディスクと第1(固定)ディスクにおけるスライド用溝の奥端縁との間に離間空所を形成しておくことで、第2部材(カバー)の開閉動に際して軸線方向へ移動されることとなる摺動ディスクが、上記の離間空所内で移動可能となるように一体化してなるヒンジとしての係嵌組成体を、予め構成しておくようにする。
そしてこの係嵌組成体を第1部材(機器本体)の第1(固定)ディスクと、第2部材(カバー)の第2(可動)ディスクとを、軸合わせ状態において嵌合するだけで、第1(固定)ディスクと第2(可動)ディスクに嵌合された当該係嵌組成体が、その第2ディスクを第2ヒンジ筒に対して抜け止め状態にて係止され、これにより第1部材と第2部材との開閉自在なる枢着状態が確保され、かくして折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジにつき、その組み立ての作業性を大幅に向上させることができる。
【0012】
さて本願に係る請求項1にあっては、上記の如きヒンジとしての係嵌組成体につき、これを第1部材の第1ヒンジ筒と、第2部材の第2ヒンジ筒とに嵌装係止するようにして構成した折り畳み式機器の開閉用ヒンジ装置に関し、当該係嵌組成体が収納されている第1部材の第1ヒンジ筒における開放された端口に嵌装することにより、外観をよくすると共に上記の係嵌組成体への塵埃浸入を阻止し、かつ上記の開放端口から不本意に抜け出してしまうことがなく、しかも係嵌組成体の回動と共動してしまうことのない閉止キャップを提供しようとするのが、その目的である。
そして、さらに請求項2によるときは上記の請求項1において、当該閉止キャップの外側板部と内側係止板部との間に形成の係嵌口から挿入した係嵌組成体のワッシャーを係嵌空所に挿入することで、上記請求項1に記載の目的をより効果的に達成しようとしている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、請求項1によるときは、第1部材の第1ヒンジ筒と、第2部材の第2ヒンジ筒とに、ヒンジとしての係嵌組成体を嵌挿係止することにより、上記の第1、第2部材を所定の方向へ折り畳み可能にすると共に、閉成時と所要開成角度とにあって夫々の状態を保持自在とした折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置における閉止キャップであって、この閉止キャップは、前記第2部材と共転する係嵌組成体の軸杆における前記第1ヒンジ筒内に突出して端部に配設されたワッシャーに対して、当該ワッシャーが回転自在にして、かつ軸線方向への抜出阻止されるように係嵌されると共に、前掲第1ヒンジ筒に非回動状態にて内装されていることを特徴とする折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置における閉止キャップを提供しようとしている。
【0014】
そして、請求項2では上記した請求項1の閉止キャップにおいて、外側板部と内側係止板部との間にあって、係嵌口の開成された係嵌空所が離間形成され、係嵌組成体の外側端に当接して軸杆の端部に設けられたワッシャーを、上記係嵌口から係嵌空所に回動自在なるよう挿入することにより、当該ワッシャーから上記の内側係止板部が抜け止め状態にて係嵌被装されるようにしたことを、その内容としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に関し、まず図1〜図6によって折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置につき以下詳記すると、図1の(A)によって理解される通り、折り畳み式機器の第1部材Aにおける一端縁部にあって突設された第1ヒンジ筒10と、第2部材Bの一端縁部にあって突設された第2ヒンジ筒11と、これらの第1ヒンジ筒10と第2ヒンジ筒11とに嵌入係止される係嵌組成体Cとによって構成されている。ここで図示例では第1部材Aが機器本体であり、第2部材Bは機器本体に対して開閉自在であるカバーを選定しているが、もちろん、これとは逆に第1部材Aをカバーとし、第2部材Bを機器本体として特定するようにしてもよい。
【0016】
上記の第1ヒンジ筒10と第2ヒンジ筒11とは、既知の通り同一軸線上にあって、第1ヒンジ筒10の第1当接端周縁10aと、第2ヒンジ筒11の第2当接端周縁11aとが摺接自在であり、これまた前記従来の如く上記の第1ヒンジ筒10には、図1(B)そして図3で理解される通り、回転止め状態で係嵌組成体Cの第1ディスク12が内嵌され、第2ヒンジ筒11には、これまた回転止め状態で第2ディスク13が夫々内嵌されている。
さらに、これまた従来例と同じく第1ディスク12の第1突き合わせ端面12aと、第2ディスク13の第2突き合わせ端面13aの何れか一方に、係嵌凹所13bを所定の周角度位置にあって複数個だけ設け、他方には上記係嵌凹所13bに対して、コイルスプリング14による弾力により係合する複数の係嵌凸部12bが設けられ、第1、第2部材A、Bの閉時と開時にあって、上記係嵌凸部12bの係嵌凹所13bへの係嵌を、他の係嵌凹所13bへ切り替えるようにした開閉保持用ヒンジ装置に係るものである。
【0017】
本発明では上記の如き開閉保持用ヒンジ装置にあって、上記した第1ディスク12は筒状本体12Aと、その側端縁12cに欠設したスライド用溝12dに内嵌して、軸線方向へスライド自在に嵌装した摺動ディスク12Bとからなり、当該摺動ディスク12Bには図示の如く前記の係嵌凸部12bか、図示されていない係嵌凹所13bを設けると共に、前記第2ディスク13には抜け止め弾性爪13cを設けるようにする。
さらに本発明に係る係嵌組成体cにあっては、順次上説の第2ディスク13、第1ディスク12における摺動ディスク12Bそしてコイルスプリング14に貫通して、さらに第1ディスク12における筒状本体12Aに装入した軸杆15を、抜け止め状態にて固定することにより、上記のコイルスプリング14の弾力によって、前記の摺動ディスク12Bにおける第1突き合わせ端面12aを第2ディスク13の第2突き合わせ端面13aに弾接させるのである。
【0018】
上記の弾接により摺動ディスク12Bと前記したスライド用溝12dの奥端縁12eとの間にあって、係嵌凸部12bと同等長以上の離間空所Sが、図1(B)において明示の如く形成されることで、これまで説示して来た係嵌組成体Cが構成されることになる。
ここで上記の構成説明中にあって、前記の第1ヒンジ筒10に対する筒状本体12Aの回転止め状態による嵌合のため、図示例では第1ヒンジ筒10の内周面に軸線方向へ対設したガイドリブ10bに対して、筒状本体12Aの外周面に軸線方向へ対設したガイド溝12fを係嵌するようにしてある。
【0019】
さらに軸杆15につき詳記すると、これは第2ディスク13、摺動ディスク12B、コイルスプリング14そして第1ディスク12の筒状本体12Aを一体に軸装することになるが、図示例では頭部15aから連設された回り止め基端部15bと、さらに連設の棒状部15c、そして当該棒状部15cに連設の細成先端部15dとからなり、これにより棒状部15cには先端受承縁15eが形成されている。
そして上記の回り止め基端部15bは、前記第2ディスク13に貫設された回り止め軸孔13dに嵌合されることで、第2部材Bを開閉動させれば第2ヒンジ筒11と共に第2ディスク13も回動することになり、この際図示例では回り止め基端部15bと回り止め軸孔13dとは四角形に形成されている。
【0020】
さらに上記軸杆15の細成先端部15dには、第1ディスク12の筒状本体12Aにおける端縁に当接してワッシャー16が被嵌されており、当該細成先端部15dの端末を、かしめることにより、当該ワッシャー16を棒状部15cの前記した先端受承縁15eに押当固定するようにしてある。
【0021】
次に第2ディスク13としては図1ないし図3の如く、係嵌凹所13bまたは係嵌凸部12bを設けた基板部13Aと、これから突設されている弾性爪部13Bとから構成されており、この弾性爪部13Bには、一対の可変腕13eが先細りのテーパ面13fを備えて突設されていると共に、上記先細りのテーパ面13fの基端側に前記の抜け止め弾性爪13cが形成されている。そして図6に示されている第2ディスク13にあっては4箇の可変腕13eが突設され、上記の弾性爪部13Bが角形に形成されているのに対し、割筒状に構成されている。
【0022】
また図示例では前記の第2ヒンジ筒11に、角形とした回り止め筒軸口11bが側壁11cに開口されており、第2ディスク13がヒンジ筒11に対して前記の如き係嵌組成体cの嵌装操作により内装されることで、第2ディスク13の先細りのテーパ面13fをもった可変腕13eが縮径状態となって、上記の回り止め筒軸口11bに嵌入して行き貫通状態となって縮径状態が復原することにより、抜け止め弾性爪13cが、上記の側壁11cにおける外壁面に係止されることになる。
従って図示例によるときは上記の基板部13Aと弾性爪部13Bにおける抜け止め弾性爪13cとの間にあって、第2ヒンジ筒11の側壁11cから軸心側へ突設されて、前記回り止め筒軸口11bの開口されている抜け止め周縁部11dが挟持されるようになっており、このことで係嵌組成体cは、連装された第1ヒンジ筒10と第2ヒンジ筒11とにわたって脱落することなく確実に内装されることになる。
【0023】
従って図示例では第2部材Aを第1部材Bに対して開閉動させることで、前記の従来例と同様にして第2ヒンジ筒11の回動と共に第2ディスク13を回動させ、これによりコイルスプリング14の弾力に抗して、係嵌状態にあった係嵌凹所13bと係嵌凸部12bとの係合を解き、係嵌凸部12bが第2ディスク13の第2突き合わせ端面13aと摺動することになり、この際摺動ディスク12Bは図1(B)の右方へ移動するが、離間空所Sの設定により支障なく当該移動が行われ、第2部材Bは閉成状態の保持から開成状態の保持位置に切り替えられることになる。
【0024】
さて、本発明にあっては上説の如きヒンジとしての係嵌組成体Cにあって、その第1ディスク12における筒状本体12Aの側端部を、閉止キャップ17によって閉成することにより、外観をよくすると共に、係嵌組成体Cへの塵埃侵入を阻止するようにしている。
すなわち、本願の請求項1における閉止キャップ17は、前説により理解される通り第1部材Aの第1ヒンジ筒10と、第2部材Bの第2ヒンジ筒11とに、ヒンジとしての前記の如き係嵌組成体Cを嵌装係止することにより、上記の第1、第2部材A、Bを所定の方向へ折り畳み可能にすると共に、開成時と所要開成角度とにあって夫々の状態を保持自在とした折り畳み式機器における開閉保持用ヒンジ装置に用いられるものである。
【0025】
そしてこの閉止キャップ17なるものは、図1、図3によって理解される通り、前記した第2部材Bの回動と共転することになる上記係嵌組成体Cの軸杆15にあって、その第1ヒンジ筒10内へ突出している端部に配設の前記したワッシャー16に対して、次のように係嵌されている。
すなわち、当該係嵌の構成は、上記ワッシャー16が第2部材Bの開閉動により回動自在にして、かつ軸杆15の軸線方向への閉止キャップ17の抜出が阻止されるようになっていると共に、この閉止キャップ17は、第1ヒンジ筒10に非回動状態となるよう内嵌されているのである。
従って当然のことながら、軸杆15が回動しても、当該回動によって閉止キャップ17が共転してしまうことなく静止状態のまま第1ヒンジ筒10から抜出してしまうことなしに嵌合されることとなり、この結果ヒンジとしての係嵌組成体C内へ塵埃が侵入することなく、しかも良好な外観を保持することが可能となる。
【0026】
次に上記閉止キャップ17に係る請求項2につき以下説示すると、特に図3によって理解される通り前記請求項1の構成において、外側板部17aと内側係止板部17bとの間に、周方向へ係嵌口17cの開成された係嵌空所17dが、離間形成されている。そして係嵌組成体Cの外側端に当接して軸杆15の端部に設けられている前記のワッシャー16を、上記の係嵌口17cから係嵌空所17dに、回動自在なるよう挿入することにより、このワッシャー16から上記の内側係止板部17bが、抜け止め状態にて係嵌被装されるようにしている。
従って、当然のことながら請求項2の閉止キャップ17によるときには、第2部材Bの開閉動に伴い回動する係嵌組成体Cのワッシャー16は、閉止キャップ17の係嵌空所17d内にあって、閉止キャップ17とは無関係に回動し、このため第1部材Aの第1ヒンジ筒10における非回転の抜け止め内嵌状態を保持することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上のようにして構成されていることから、ヒンジとしての係嵌組成体を、第1、第2部材の夫々第1、第2ヒンジ筒に嵌装係止するようにすればよい折り畳み式機器における開閉用ヒンジ装置にあって、係嵌組成体が収納される第1部材の第1ヒンジ筒における開放された端口に、閉止キャップを嵌装することで、外観を美麗にし得ると共に、各種部材を包含する係嵌組成体へ塵埃の侵入することを阻止することができる。
そして当該閉止キャップと軸杆におけるワッシャー部分との適切なる係嵌構成により、当然上記した開放端口から不本意に抜け出すことのない、しかも係嵌組成体が回動しても閉止キャップは共動しない閉止キャップを提供することが可能となる。
【0028】
さらに請求項2では、上記の請求項1にあって閉止キャップの外側板部と内側係止板部との間に形成した係嵌口から、前掲ワッシャーを係嵌空所に係挿可能に構成したので、上記請求項1につき記載の目的を確実に達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閉止キャップを備えた折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置を示し、(A)はその一実施態様を示す分解略示斜視図、(B)はその組立完成時における縦断正面図で、(C)は係嵌組立体を示した分解斜視図である。
【図2】図1(B)に係る組立完成時の第2ヒンジ筒を示した端面図である。
【図3】図1(B)に係る係嵌組立体の横断平面図である。
【図4】本発明に係る係嵌組成体の一部品である第2ディスクを示し、(A)はその正面図、(B)はその右側面図、(C)はその背面図で(D)はその上面図である。
【図5】本発明に係る係嵌組成体の一部品である摺動ディスクを示し、(A)はその正面図、(B)はその右側面図、(C)はその背面図で(D)はその上面図である。
【図6】第2ディスクの他実施例を示した斜視図である。
【図7】従来の折り畳み式機器の開成状態を示した斜視図である。
【図8】同上図7の分解斜視図である。
【図9】(A)は図8の構成部材である固定ディスクの固定突き合わせ端面図、(B)は可動ディスクを示す可動突き合わせ端面図、(C)は(A)のC−C線断面図、(D)は(B)のD−D線断面図、(E)は(C)の固定ディスクと(D)の可動ディスクの係嵌離脱途上を示す縦断面図である。
【図10】図9の構成部材による従来のヒンジ装置を示した縦断正面図である。
【符号の説明】
10 第1ヒンジ筒
11 第2ヒンジ筒
15 軸杆
16 ワッシャー
17 閉止キャップ
17a 外側板部
17b 内側係止板部
17c 係嵌口
17d 係嵌空所
A 第1部材
B 第2部材
C 係嵌組成体

Claims (2)

  1. 第1部材の第1ヒンジ筒と、第2部材の第2ヒンジ筒とに、ヒンジとしての係嵌組成体を嵌挿係止することにより、上記の第1、第2部材を所定の方向へ折り畳み可能にすると共に、閉成時と所要開成角度とにあって夫々の状態を保持自在とした折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置における閉止キャップであって、この閉止キャップは、前記第2部材と共転する係嵌組成体の軸杆における前記第1ヒンジ筒内に突出して端部に配設されたワッシャーに対して、当該ワッシャーが回転自在にして、かつ軸線方向への抜出阻止されるように係嵌されると共に、前掲第1ヒンジ筒に非回動状態にて内装されていることを特徴とする折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置における閉止キャップ。
  2. 外側板部と内側係止板部との間にあって、係嵌口の開成された係嵌空所が離間形成され、係嵌組成体の外側端に当接して軸杆の端部に設けられたワッシャーを、上記係嵌口から係嵌空所に回動自在なるよう挿入することにより、当該ワッシャーから上記の内側係止板部が抜け止め状態にて係嵌被装されるようにした請求項1記載の折り畳み式機器の開閉保持用ヒンジ装置における閉止キャップ。
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