JPWO2006011391A1 - ヒンジ装置及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、回動が円滑に行え、かつ開角度を180°以上に展開し保持することができるヒンジ装置及びそれを用いた電子機器を提供することを課題とし、円板状のキャッチ8と衝合して回転可能に取り付けられたディスク4を有するヒンジ装置において、キャッチには、半径方向に係合溝部を設ける一方、所定の中心角度上に係合凸部を設け、ディスクには、円板面部の中心との間隔が一定の円弧形状で中心角度180°を越える範囲に亘る第一の案内路24を設ける一方、第一の案内路の内側に設けた一端部と第一の案内路の一端部に近接して設けた他端部を有し、これら両端部の間を中心との間隔が次第に広くなる円弧形状のガイド溝が形成された第二の案内路26を設け、第一の案内路に係合凸部と係合する一の係合凹部28を、また第二の案内路に係合溝部に保持される球体と係合する他の係合凹部32をそれぞれ設けた構成である。

Description

本発明は、ヒンジ装置及びそれを用いた折畳式の電子機器に関する。
使用時には操作部或いは表示部としての十分な広さを確保し、未使用時には折り畳んで携帯に便利な折畳式の電子機器では、筐体としての回動部(表示部)と本体部(操作部)との間にヒンジ装置を用い、本体部に対して回動部を回動自在に連結している。このようなヒンジ装置を用いた電子機器は、回動部を展開したとき或いは閉塞したときに、回動部が不意に開閉しないように固定する構造が採用されている。
特許文献1に示されるように、上記固定構造を採用したヒンジ装置は図11に示すように、ディスク82、キャッチ84により回動機構が構成される。上記ディスク82は、案内路の中心に対して対称な位置に係合凹部86が形成されている。また、キャッチ84は基板部の上下の部位にそれぞれ係合凸部88が設けられ、コイルバネ85により付勢されている。
ここで、上記係合凸部88が係合凹部86に侵入してその中央部に向かう途中で、回動部の閉塞、或いは展開(開角度は160°)が終了して係合凸部88の侵入が停止するように構成する。このとき、係合凹部86の途中まで滑り込んだ係合凸部88は、コイルバネ85の付勢力により、係合凹部86の中心部へと移動する作用が生じ、これにより回動部に所定のトルクが加えられ、所謂吸い込みの作用を発生させている。この吸い込みの作用により、回動体は閉塞状態(開角度0°)、展開状態(開角度180°)においても、ガタツクことなく安定した固定状態の維持が可能である。
一方、折畳式の電子機器は、個別の用途に応じて展開角度を180°或いはそれ以上に展開させるものがある。この場合、上記ヒンジ装置では回動部の閉塞位置(開角度0°)及び展開位置(開角度180°)で、回動部を保持固定させるのは困難である。これに対して、特許文献2、特許文献3のヒンジ装置が開示されている。これらのヒンジ装置は、何れも展開角度が180°或いは180°以上の角度まで展開を可能にしたものである。
特許文献2に記載のヒンジ装置は図12に示すように、可動ディスクの突き合せ端面に、相互に異径配置である第1係嵌凹所対92としての第1始点、第1終点係嵌凹所93と、相互に異径配置である第2係嵌凹所対94としての第2始点、第2終点係嵌凹所95とを形成し、他方には第1、第2球体により第1、第2係嵌凸部を形成し、これら第1、第2球体は径方向に変動しながら第1弧凹面案内路96と第2弧凹面案内路97とを転動し、可動ディスクの回転操作を行わせるものである。また、特許文献3に記載のヒンジ装置は、係嵌凹所相互、係嵌凸部相互を回転軸心から相互に異径である所要周角度位置に設定することによって、カバーの機器本体に対する開成角度を180°以上の大きな角度に設定する要請に対処するものである。
特開2003−120656公報 特開平11−50727号公報 特開平10−317779号公報
しかし、特許文献2に記載のヒンジ装置は、第1、第2の球体が常に可動ディスクの回転軸心から相互に略同長の離間距離が保持されるが、第1、第2の球体は共に回転軸心からの距離が同様に拡大或いは縮小する方向へ移動するため、回転トルクが回動角度に伴って変動するという問題がある。また、特許文献3に記載のヒンジ装置は、回動ディスクが支持されている大半径の位置と、同小半径の位置とが、回転軸心を基準として偏倚位置にあるため、回動ディスクの回転が円滑に行えないという問題がある。また、ヒンジ装置に十分な回動トルクを持たせ、操作性を向上させることが望まれている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、回動が円滑に行え、かつ開角度を180°以上に展開し保持することができるヒンジ装置及びそれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
以上の技術的課題を解決するため、本発明は、図1等に示すように、筒状部材12,112の内部に設けた付勢手段10に抗して軸方向に摺動自在にかつ回転不能に嵌合された円板状のキャッチ8と、筒状部材の外部に配置されキャッチと衝合して回転可能に取り付けられた円板状のディスク4と、上記筒状部材、付勢手段、キャッチ及びディスクを連結する軸体14,114とを有し、電子機器の本体部と回動部との一方に上記筒状部材を固定しかつ他方に上記ディスク4を固定して、上記本体部と回動部とを開閉可能に連結するヒンジ装置において、上記キャッチ8には、上記ディスク4と向い合う円板面部に、中心から半径方向に係合溝部46を設ける一方、この係合溝部46に対して180°より狭い中心角度上に係合凸部を設け、上記ディスク4には、上記キャッチ8と向かい合う円板面部に、この円板面部の中心との間隔が一定の円弧形状で中心角度180°を越える範囲に亘る第一の案内路24を設ける一方、上記第一の案内路24の内側に設けた一端部と上記第一の案内路の一端部に近接して設けた他端部を有し、これら両端部の間を中心との間隔が次第に広くなるとともに上記第一の案内路24と同じ中心角度に亘って設けられる円弧形状のガイド溝が形成された第二の案内路26を設け、上記第一の案内路24の一端部に上記係合凸部と係合する一の係合凹部28を、また上記第二の案内路26の一端部に上記係合溝部46に保持される球体6と係合する他の係合凹部32をそれぞれ設け、上記回動部の閉位置において、上記付勢手段の付勢力により上記係合凸部及び球体6と上記各係合凹部28との係合状態が維持されて上記回動部を保持固定する一方、この回動部の180°以上の開位置において、上記付勢手段の付勢力により上記係合凸部及び球体との係合状態が維持されて回動部を保持固定する構成である。
本発明に係るヒンジ装置は、上記キャッチ8の円板面部に係合穴部48を設け、この係合穴部に回転自在に球体6を配置しかつこの球体の一部を突出させて上記係合凸部を形成した構成である。
本発明に係るヒンジ装置は、上記キャッチの係合凸部を所定の曲率半径の凸球面状に形成する一方、上記一の係合凹部28を上記係合凸部の曲率半径より大きな曲率半径の凹球面状に形成し、また上記他の係合凹部32を上記球体の曲率半径以上の曲率半径の凹球面状に形成した構成である。
本発明に係るヒンジ装置は、上記第一の案内路24の他端部及び上記第二の案内路26の他端部に、それぞれ上記係合凸部の曲率半径より大きな曲率半径の凹球面状の保持凹部31,35を設けた構成である。
本発明に係るヒンジ装置は、上記軸体114と上記筒状部材112の底部との間に、上記軸体に対する上記筒状部材の相対回動を摩擦により制動する摩擦プレート110を介在させた構成である。
本発明に係るヒンジ装置は、上記筒状部材112内に、この筒状部材とともに回動する第一の摩擦板106、及びこの第一の摩擦板に圧接し上記軸体とともに回動する第二の摩擦板108を介在させ、上記軸体に対する上記筒状部材の相対回動を摩擦により制動する構成である。
本発明に係る電子機器は、操作部を有する上記本体部18、又は表示部を有する上記回動部16の一方側に上記ディスク4を固定させる一方、他方側に上記筒状部材12を固定させた上記何れかに記載のヒンジ装置を用い、上記係合凸部が上記係合凹部に侵入する途中において上記回動部が閉塞するように取り付け、この回動部を閉じた状態においても上記付勢手段により回動部に閉方向にトルクが加わるように構成したものである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明に係るヒンジ装置によれば、半径方向に係合溝部がまた所定の中心角度上に係合凸部が設けられたキャッチ、及び第一の案内路、第二の案内路が設けられキャッチに対して回動可能なディスク等を有する構成を採用したから、回動部が閉位置及び開角度180°或いは180°以上の開位置で保持固定が行なえ、かつ回動部の開閉時において十分なトルクが得られるとともに比較的一定した開閉トルクが得られ、併せて吸い込みの作用により回動部の開閉にメリハリ感が与えられるという効果を奏する。
また、キャッチの係合凸部として係合穴部に回転自在に球体を設け、この球体の一部を係合凸部として突出させた構成としたから、ディスクの係合凹部への侵入脱出が滑らかに行え、かつ付勢手段により回動部に適度な開閉トルクが得られるという効果がある。
本発明に係るヒンジ装置によれば、軸体と筒状部材の底部との間に摩擦プレートを介在させ、或いは筒状部材内に第一の摩擦板、及び第二の摩擦板を介在させ、軸体に対する筒状部材の相対回動を摩擦により制動する構成としたから、回動部の各操作位置において大きな静止摩擦が得られ、回動部が安定して保持固定され、また回動部の開閉途中においても十分な開閉トルクが得られ、所望する開閉位置に回動部を停止保持することが可能であり、操作性に優れるという効果がある。
本発明に係る電子機器によれば、回動部が閉位置及び開角度180°或いは180°以上の開位置で保持固定が安定して行なえて良好な操作性が得られ、かつ回動部の開閉時において十分なトルクが得られるとともに比較的一定した開閉トルクが得られ、併せて吸い込みの作用により回動部の開閉にメリハリ感が与えられるという効果を奏する。
本発明の第一の実施の形態に係るヒンジ装置の分解斜視図である。 ヒンジ装置のディスクにつき、(a)は内側面を、(b)はA−A線断面を、(c)はB−B線断面を、(d)はC−C線断面を示す図である。 ヒンジ装置のキャッチにつき、(a)は外側面を、(b)はD−D線断面を、(c)はE−E線断面を示す図である。 実施の形態に係るヒンジ装置の、(a)は軸方向の断面を、(b)はF−F線断面を、(c)はG−G線断面を示す図である。 実施の形態に係るヒンジ装置の斜視図を示す。 実施の形態に係り、キャッチとディスクとの関係を示す図であり、(a)は閉塞位置、(b)は第一の操作位置、(c)は第二の操作位置における状態を示す。 実施の形態に係るヒンジ装置を用いた電子機器を示す図である。 第二の実施の形態に係るヒンジ装置の分解斜視図である。 第二の実施の形態に係るヒンジ装置の断面を示す図である。 他の実施の形態に係るヒンジ装置の断面を示す図である。 従来例に係るヒンジ装置の部分分解斜視図を示す。 従来例に係るヒンジ装置の可動ディスクを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は第一の実施の形態に係り、折畳式のゲーム機或いは携帯電話機等の電子機器に用いられるヒンジ装置2の分解斜視図を示したものである。このヒンジ装置2は、ディスク4、2個の球体6、キャッチ8、コイルバネ10、筒状部材12、及び軸体14等を構成部材としている。これら部材の内、主にディスク4、球体6及びキャッチ8によってカム機構が構成される。また、このヒンジ装置2の外観形状は、ディスク4、筒状部材12及び軸体14で構成されている。
上記ディスク4及びキャッチ8は鋼材(SPCC)又はステンレス鋼などの金属製からなっている。球体6は鋼球、コイルバネ10は鋼材、軸体14はアルミキルド鋼製(SWCH12A)、又は鋼材等の金属製からなる。筒状部材12はPOM、ABS等の合成樹脂製、又は焼結、MIM(金属射出成形)により成形された材料からなる。また、ディスク4、キャッチ8及び軸体14には無電解Niメッキ又はNiメッキ等の表面処理が行われている。
ここで各構成部材について説明する。上記ディスク4は図2に示すように、小判状の基部20の中心部に六角の角孔22が設けられている。上記基部20の表面部21の略左側部位には、中心との間隔が一定(同一半径)の円弧状の第一の案内路24が形成されている。また基部20の略右側部位には、上記第一の案内路24の内側に設けた一端部から、中心との間隔が次第に広くなるとともに、他端部が上記第一の案内路24の一端部に近接した状態の円弧状(螺旋曲線状)の第二の案内路26が設けられている。
上記第一の案内路24の一端部には、球体6が係止する係合凹部28が、また他端部近傍には球体6が突入保持される第一の保持凹部30が、他端部には第二の保持凹部31が設けられている。上記係合凹部28と第一の保持凹部30とは180°より狭い中心角度の隔たりがあり、この第一の保持凹部30と第二の保持凹部31とは数10°程度の隔たりがある。
一方、上記第二の案内路26の一端部は、第一の案内路24の他端部の内側に入り込む状態で位置し、ここには球体6が係止する係合凹部32が設けられている。また第二の案内路26の他端部は、第一の案内路24の一端部の延長上の近傍に設けられ、この他端部近傍には球体6が突入保持される第一の保持凹部34が、他端部には第二の保持凹部35が設けられている。上記係合凹部32と第一の保持凹部34とは180°より狭い中心角度の隔たりがあり、この第一の保持凹部34と第二の保持凹部35とは数10°程度の隔たりがある。また上記第二の案内路26にはガイド溝が形成され、このガイド溝の溝方向と直交する断面は円弧状であり、この円弧の半径は上記球体6の半径より少し大きく形成されている。一方、第一の案内路24は表面部21とは面一に形成されている。
図2に示すように、上記係合凹部28は上記球体6の曲率半径よりも大きい曲率半径の凹球面状で、この球体6の曲率半径の半分程度の深さの凹部である。また、この係合凹部28と第一の案内路24との間は滑らかな凸曲面状に形成されている。上記係合凹部32は球体6の曲率半径と同様の曲率半径の凹球面状で、この球体6の曲率半径の半分程度の深さの凹部である。また、上記係合凹部32と第二の案内路26との間はこの係合凹部32の曲率半径よりも少し大きい曲率半径の凸曲面状に形成されている。
また、上記第一の保持凹部30及び第二の保持凹部31は、上記球体6の曲率半径より少し大きな曲率半径の凹球面状で、各保持凹部と各案内路との間は凸曲面状に形成されており、第一の保持凹部34及び第二の保持凹部35についても略同様な形状である。
上記キャッチ8は図3に示すように、円板の上下部に嵌合部40,41が形成された形状の基板部38を有し、この基板部38の中央には円形の孔部42が設けられている。そして、上記嵌合部40,41には、それぞれ基板部38から軸方向内向きに突出した嵌合突起44,45が形成されている。また基板部38の外向きの面部には、上記孔部42から、嵌合部40の右寄りの部位にかけて直線状の係合溝部46が形成されている。この係合溝部46の溝方向と直交する断面形状は円弧状(円の一部)であり、この半径は球体6の半径より大きく形成されている。また、係合溝部46の溝の深さは一定であり、外側端部のコーナは凹球面状の丸みが形成されている。
またキャッチ8には、上記係合溝部46とは180°よりも狭い角度の中心線上の上記嵌合部41の右寄りの部位に、係合穴部48が形成されている。この係合穴部48は、開口部が円形で底に向かうに従って内向きに緩やかに傾斜(5°程度)した筒状の穴である。この係合穴部48の底面は平坦でここにグリース等の潤滑材が加えられ、穴内には上記球体6がその一部を突出させた状態で回転自在に配置される。なお、この球体6に代えて、キャッチ8の係合穴部48の位置に、凸部(例えば凸球面部)を形成することとしてもよい。このとき、キャッチ8の面部に球体6の一部を固定状態に埋設配置して凸部を形成することでもよい.
コイルバネ10は圧縮ばねであり、キャッチ8を付勢する。筒状部材12は図1に示すように、一端側には中心部に貫通孔50が設けられた底部51が形成され、他端側は開放口が形成された筒状の容器である。この開放口の上下の部位には、それぞれ軸方向に平行形状に切り込んだ嵌合凹部54,55が形成されている。また、筒状部材12の外部左右の部位には、それぞれ軸方向に嵌合凸条部56,57が形成されている。
軸体14は図1に示すように、円板状の頭部60と軸部62からなる。この軸部62には頭部60寄りの位置から順に、断面が円形状の大径軸部64、中径軸部65、小径軸部66が形成され、先端部には断面が六角形状の角軸部67が形成されている。
上記ヒンジ装置2の組み付けに際しては、図4に示すように、筒状部材12内にコイルバネ10を収納し、このコイルバネ10の他端部をキャッチ8に当接させた状態で、キャッチ8の嵌合部40,41(嵌合突起44,45)を筒状部材12の嵌合凹部54,55に嵌合させる。このとき、嵌合突起44,45は基板部38から突出形成されていることから、コイルバネ10の付勢力の作用を受けない状態で、嵌合突起44,45を嵌合凹部54に嵌合させることができるので、組み付けが容易に行える。そして嵌合凹部54,55は一定幅に切り欠かれており、キャッチ8の嵌合部40,41は嵌合凹部54,55内を軸方向に移動自在である。
さらに、筒状部材12の底部51の貫通孔50から軸体14の軸部62を挿入し、コイルバネ10及びキャッチ8を挿通させ、キャッチ8とディスク4との間に2個の球体6を介在させてディスク4の角孔22に角軸部67を挿通する。このとき一の球体6をキャッチ8の係合穴部48に、他の球体6を係合溝部46に配置し、各球体6をそれぞれ第一の案内路24の第一の保持凹部30と第二の案内路26の第一の保持凹部34とに保持係合させて位置合わせする。そして、ディスク4から突出した軸体14の角軸部67の先端部をかしめてディスク4を固定し、ヒンジ装置2を組み立てる。
図5に示すように、このヒンジ装置2の外観は小判形状のディスク4と筒状部材12によって形成され、このディスク4を電子機器の一方の筐体(例えば回動部16)に嵌合固定させ、併せて筒状部材12の嵌合凸条部56,57を他方の筐体(例えば本体部18)に嵌合固定させて使用する。
上記ヒンジ装置2は図1及び図4に示すように、軸体14の角軸部67には、ディスク4の角孔22が嵌合され、ディスク4は軸体14と一体に回動する。一方、軸体14の大径軸部64には筒状部材12の貫通孔50が、中径軸部65にはコイルバネ10が、小径軸部66にはキャッチ8の孔部42が挿通しており、これら筒状部材12、コイルバネ10及びキャッチ8は軸体14の回動に対してフリーである。また、キャッチ8は筒状部材12に嵌合しており、キャッチ8と筒状部材12とは一体に回動する。
一方、図4(a)(b)(c)に示すように、コイルバネ10によりキャッチ8は常にディスク4方向に付勢され、ディスク4の回動に伴い、キャッチ8の係合穴部48内の球体6はディスク4の係合凹部28、第一の保持凹部30、及び第二の保持凹部31への侵入及び脱出を繰り返すカム機構を形成し、キャッチ8の係合溝部46内の球体6は、この係合溝部46を往復移動するとともにディスク4の係合凹部32、第一の保持凹部34、及び第二の保持凹部35への侵入及び脱出を繰り返すカム機構を形成する。したがってこのヒンジ装置は、上記カム機構を介して、筒状部材12に対してディスク4が回動する構成となる。
ここで、上記ヒンジ装置2の基本的動作について説明する。このヒンジ装置2は、電子機器の回動部16の開角度が0°(閉塞位置)、開角度が180°より狭い角度(第一の操作位置)、及び開角度が180°(第二の操作位置)の各位置で、保持固定されるように構成されている。図6は、上記各位置におけるキャッチ8に保持される球体6と、ディスク4との関係を示したものであり、(a)はヒンジ装置の閉塞位置、(b)は第一の操作位置、(c)は第二の操作位置、の各位置における状態を示す。
またヒンジ装置2は、ディスク4の第一の案内路24と第二の案内路26とが連続的に形成される構成であるため、第一の案内路24の始端(開角度0°)となる係合凹部28と、第二の案内路26の始端となる係合凹部32とは、所定の中心角度(180°より大きな角度)隔てた位置に設けている。そして、第一の案内路24上に形成される係合凹部28と第一の保持凹部30とがなす中心角度は180°より狭い角度、第一の保持凹部30と第二の保持凹部31とがなす中心角度は数10°程度の角度である。上記180°より狭い角度としたのは、後述する吸い込み作用を得るために若干の角度の余裕を持たせたものである。
また第一の案内路24は半径が一定であるため、ここを移動する球体6は、キャッチ8の固定位置である係合穴部48に保持される。この第一の案内路24の半径を一定とすることにより、第一の案内路24をディスク4の円板面一杯に大きな半径で形成することができ、ヒンジとして一定した回転トルクを得ることができ、また高い回転トルクが得られる。
一方、第二の案内路26上に形成される係合凹部32と第一の保持凹部34とがなす中心角度についても180°より狭い角度とし、第一の保持凹部34と第二の保持凹部35とがなす角度は数10°程度とした。ここで、第二の案内路26は螺旋形状であり場所によって中心からの間隔が異なるため、キャッチ8の係合溝部46に保持される球体6は、第二の案内路26のガイド溝を移動するとともに、第二の案内路26の移動に応じて係合溝部46内を往復移動する。
さらにこの実施の形態では、上記各球体6がそれぞれ係合凹部28,32に侵入してその凹球面状の中央部に向かう途中で、回動部16の閉塞が終了して球体6の侵入が停止するように構成する。このとき、係合凹部28,32の途中まで滑り込んだ球体6は、コイルバネ10の付勢力により、係合凹部32の中心部へと移動する作用(吸い込み作用)が生じ、これにより回動部16に閉じる向きのトルクが加わるので、回動部16がガタツクことなく閉塞状態が維持される。
折畳式の電子機器15は、図7に示すように表示画面17等が設けられた回動部16と、操作キー19等が設けられた本体部18とを有している。上記のヒンジ装置2をこの電子機器に取り付ける場合には、電子機器の外側からヒンジ装置2をディスク4を先にして差し込み、内側の回動部16に設けたヒンジ装着用の穴部72にヒンジ装置2のディスク4を嵌合固定するとともに、本体部18に設けた筒状部70に筒状部材12の嵌合凸条部56,57を嵌合固定させる。通常、電子機器の本体部18と回動部16の左右の連結部にそれぞれヒンジ装置2を取り付ける。なお、ヒンジ装置2は回転の方向性があるため、電子機器の左右のヒンジ装置を対称形態に取付ける場合には、これらヒンジ装置は対称形状の構造(対称形状のディスク及びキャッチ)に形成する必要がある。
さて、上記ヒンジ装置2を装着した電子機器15は、回動部16を手で開くと上記カム機構が作動し、回動部16とともにディスク4が回動する。このディスク4の回動に伴い、キャッチ8に保持された両球体6はディスク4の係合凹部28,32の係止から抜け出し、ディスク4の各案内路24,26を摺動する。上記球体6が係合凹部28,32から抜け出す間は、回動部16には所定のトルクが加わっており、これに抗して回動部を開くことになる。やがて、回動部16が第一の操作位置に至ったときには、両球体6は、それぞれ第一の保持凹部30,34に突入し、コイルバネ10の付勢力によりこの位置で回動部16が保持固定される。
必要に応じて、操作者はこの位置で電子機器の操作が可能であり、本体部18に設けられたキーの操作を行うことができる。さらに回動部16を開くと、開角度180°(回動部16と本体部18とは平行状態)の第二の操作位置に至り、両球体6は、それぞれ第二の保持凹部31,35に突入しこの位置で回動部16が保持固定される。操作者はこの位置においても電子機器の操作が可能である。
回動部16を閉じる際にも、上記開操作時と同様に回動部16に加わるトルクに抗して回動部16を閉操作する。そして、回動部16の閉移動とともにディスク4は回動し、キャッチ8に保持された各球体6はディスク4の第二の保持凹部31,35から抜け出し、それぞれ第一の保持凹部30,34に突入し、回動部16はこの位置で一度保持固定される。
さらに回動部16を閉じると、キャッチ8に保持された各球体6はディスク4の第一の保持凹部30,34から抜け出し、それぞれ第一の案内路24、第二の案内路26を摺動する。やがて、回動部16が閉塞すると同時に、コイルバネ10に付勢されるキャッチ8に保持された各球体6はそれぞれ係合凹部28,32に侵入する。このとき、各球体6がそれぞれ係合凹部28,32の凹球面に滑り込む勢いにより、吸い込みの作用とともにクリック感が得られる。上記回動部16の閉塞時に、各球体6の侵入が途中で停止するように構成すると、回動部16を閉じた状態においても、なお回動部16には閉方向にトルクが加わるので、回動部16がガタついたり不意に開いたりせず、安定して閉塞状態を維持する。
従って上記実施の形態に係るヒンジ装置及びこれを用いた電子機器によれば、回動部が開角度180°或いは180°以上の開位置で保持固定が行なえ、かつ回動部の開閉時において十分なトルクが得られるとともに比較的一定した開閉トルクが得られ、併せて吸い込みの作用により回動部の開閉にメリハリ感が与えられ、また電子機器の操作性にも優れる。
図8は第二の実施の形態に係るヒンジ装置102の分解斜視図を示したものである。このヒンジ装置102についても、上記ヒンジ装置2と同様に折畳式のゲーム機或いは携帯電話機等の電子機器に用いられる。このヒンジ装置102は、相対回動する部位の摩擦力(動摩擦及び静止摩擦)を高めることで、折畳式の電子機器15に1個のみ使用する形態を可能とし、またその場合であっても高い開閉トルク及び操作位置からの移動を妨げる静止トルクが得られるようにしたものである。勿論、ヒンジ装置102を2個使って、より高い開閉トルクを得ることは何らさしつかえない。なお、このヒンジ装置102のカム機構などの基本的な形態、部材及び材料は上記ヒンジ装置2と同様であり、両者の共通する部材については同じ符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
上記ヒンジ装置102は、図8に示すようにディスク4、2個の球体6、キャッチ8、コイルバネ10、第一の摩擦板106、第二の摩擦板108、筒状部材112、摩擦プレート110及び軸体114等を構成部材としている。これら部材の内、主にディスク4、球体6及びキャッチ8によってカム機構が構成される。また、このヒンジ装置102の外観形状は、ディスク4、筒状部材112及び軸体114で構成されている。
上記第一の摩擦板106及び第二の摩擦板108は、燐青銅又は鋼(SPCC、SUS)などの金属、焼結材などの多孔質素材、合成樹脂(カーボン、ガラス繊維入り等)からなる。特に、摩擦板106,108の一方を燐青銅、他方を燐青銅より硬質の鋼で形成すれば好適な摩擦力を有する摩擦機構が形成できる。燐青銅は、耐磨耗性、粘性、機械的強度に優れており摩擦板として良好である。また、筒状部材112はPOM、ABS等の合成樹脂製、又は焼結、MIM(金属射出成形)により成形された材料からなる。摩擦プレート110は、摩擦抵抗の高いコルクシート、硬質ゴム、焼結材などの多孔質材、合成樹脂、燐青銅などの金属等からなる。軸体114はアルミキルド鋼製(SWCH12A)、又は鋼材等の金属製からなる。
ここで各構成部材について説明する。上記ディスク4、球体6、キャッチ8、及びコイルバネ10は上記実施の形態で説明した通りである。上記第一の摩擦板106は、円板状の基板部122、この基板部の上下部に形成された嵌合部120,121、及び基板部の中央に設けられた円形の孔部124からなる。上記第二の摩擦板108は、円板状の基盤部、この基板部の中央に形成された四角形状の角孔126からなる。これら、第一の摩擦板106及び第二の摩擦板108は基板部同士が当接し、かつ所定の摩擦力を有して相対回動する。摩擦プレート110は円板状で、中央に円形の孔部127が設けられている。
上記筒状部材112は、筒部128の一端側には中心に貫通孔50が設けられた底部51が形成され、他端側は開放口130が形成された筒状の容器である。この開放口130の上下の部位には、それぞれ軸方向に平行状に切り込んだ嵌合凹部54,55が形成され、さらに底部51の方向に向けて筒部128の内面部が溝状に窪んだ嵌合溝部134,135が形成されている。また、筒部128の外部左右の部位には、それぞれ軸方向に嵌合凸条部56,57が形成されている。
上記軸体114は、円板状の頭部60と軸部62からなる。この軸部62には頭部60寄りの位置から順に、断面が円形状の第一の軸部136、断面が四角形状の第一の角軸部137、断面が円形状の第二の軸部138、及び先端部には断面が六角形状の第二の角軸部139が形成され、これらの各軸部の境界には段差部が設けられ、先端側の軸部ほど径が細く形成されている。上記第一の角軸部137の断面は、正方形の角部が丸みを帯びた形状である。
上記ヒンジ装置102の組み付けに際しては、図9に示すように、筒状部材112内に第二の摩擦板108、第一の摩擦板106及びコイルバネ10を収納する。このとき、第一の摩擦板106の嵌合部120,121はそれぞれ筒状部材112の嵌合溝部134,135に突入し嵌合する。なお、ここでは一組の第一の摩擦板106及び第二の摩擦板108からなる摩擦機構を採用しているが、さらに二組以上の摩擦機構を設けて高摩擦力化を図り制動を強化することとしてもよい。
コイルバネ10は、一端部を上記第一の摩擦板106に当接させる一方、他端部をキャッチ8に当接させた状態で、キャッチ8の嵌合部40,41を筒状部材112の嵌合凹部54,55に嵌合させる。
そして、摩擦プレート110を軸体114に挿通させ、この軸体114の軸部62を筒状部材112の底部51の貫通孔50から挿入し、さらにコイルバネ10及びキャッチ8を挿通し、キャッチ8とディスク4との間に2個の球体6を介在させてディスク4の角孔22に挿通する。ここで、ディスク4から突出した軸体14の第二の角軸部139の先端部をかしめてディスク4を固定し、コイルバネ10が所定の付勢力を維持した状態でヒンジ装置102を組み立てる。
このとき、軸体114の頭部60の裏面部140と筒状部材112の底部51との間に、摩擦プレート110が密接した状態で介在される。また、軸体114の第一の軸部136は、筒状部材112の貫通孔50に回転可能に挿通され、第一の角軸部137は、第二の摩擦板108の角孔126に嵌入するとともに第一の摩擦板106に回転可能に挿通している。さらに、軸体114の第二の軸部138は上記キャッチ8の孔部42に回転可能に挿通し、第二の角軸部139は上記ディスク4の角孔22に嵌入している。
このため、軸体114、第二の摩擦板108及びディスク4は一体化して第一の回動体を形成し、また筒状部材112、第一の摩擦板106及びキャッチ8は一体化して第二の回動体を形成し、この第一の回動体は第二の回動体に対して相対回動可能である。ここでコイルバネ10の付勢力により、第一の摩擦板106と第二の摩擦板108同士は圧接して摩擦による制動機構を形成し、これにより所定の摩擦力(動摩擦及び静止摩擦)を伴って相対回動し、第一の摩擦板106と第二の摩擦板108との間に所定の回動トルク(摩擦トルク)を発生させる。
また、第二の摩擦板108と筒状部材112の底部51の内面部とは圧接し、所定の摩擦力を伴って相対回動する。また、上記摩擦プレート110は、軸体114と筒状部材112との間にフリーな状態で介在し、軸体114と筒状部材112との間に所定の回動トルク(摩擦トルク)を発生させている。なお、ヒンジ装置102として所定の回動トルクを得るために、第一の摩擦板106と第二の摩擦板108とからなる摩擦機構、或いは摩擦プレート110からなる摩擦機構の何れか一方のみを採用することとしてもよい。
上記ヒンジ装置102は、外観が小判形状のディスク4と筒状部材112によって形成され、このディスク4を図7に示す電子機器15の一方の筐体(例えば回動部16)に嵌合固定させ、併せて筒状部材112の嵌合凸条部56,57を他方の筐体(例えば本体部18)に嵌合固定させて使用する。この場合、ヒンジ装置102の回動体には高い摩擦力(動摩擦及び静止摩擦)が発生して、十分な回動トルク(摩擦トルク)が得られるため、電子機器の筐体には一個のみを装着して使用する。たとえば、電子機器の本体部と回動部の左右の連結部の一方にヒンジ装置102を取り付け、他方にはピンと軸受けからなるフリー回動可能な部材を取り付ける。
さて、上記ヒンジ装置102を装着した折畳式の電子機器15の基本的な開閉動作は、上記ヒンジ装置2を装着したものと同様であり、回動部16を手で開くとディスク4とキャッチ8からなるカム機構が作動し、回動部16とともにディスク4が回動する。このディスク4の回動に伴い、キャッチ8に保持された両球体6はディスク4の係合凹部28,32の係止から抜け出し、ディスク4の各案内路24,26を摺動する。上記球体6が係合凹部28,32から抜け出す間は、回動部16には所定のトルクが加わっており、これに抗して回動部を開くことになる。
やがて、回動部16が第一の操作位置に至ったときには、両球体6は、それぞれ第一の保持凹部30,34に突入し、コイルバネ10の付勢力によりこの位置で回動部16が保持固定される。必要に応じて、操作者はこの位置で電子機器の操作が可能であり、本体部18に設けられたキーの操作を行うことができる。さらに回動部16を開くと、開角度180°(回動部16と本体部18とは平行状態)の第二の操作位置に至り、両球体6は、それぞれ第二の保持凹部31,35に突入しこの位置で回動部16が保持固定される。操作者はこの位置においても電子機器の操作が可能である。
ここで、ヒンジ装置102を装着した電子機器15は、上記第一の摩擦板106と第二の摩擦板108とからなる摩擦機構、及び摩擦プレート110からなる摩擦機構の作用により、第一及び第二の操作位置において大きな静止摩擦が得られ、回動部16が安定して保持固定される。また、ヒンジ装置102の大きな動摩擦により、回動部16の開閉途中においても十分な開閉トルクが得られ、所望する開閉位置に回動部16を停止保持することができ、この位置で電子機器の操作が可能である。回動部16を閉じる際には、上記開操作時と同様に回動部16に加わる回動トルクに抗して回動部16を閉操作する。
従って上記実施の形態に係るヒンジ装置及びこれを用いた電子機器によれば、回動部が開角度180°等の操作位置で保持固定が確実に行なえ、かつ回動部の開閉時において高い回動トルクが得られるとともに、開閉途中の任意の位置での回動部の保持固定が行えて自由な操作位置での操作が的確に行え、併せて吸い込みの作用により回動部の開閉にメリハリ感が与えられ、操作性及び機能性に優れる。
図10は、他の実施の形態に係るヒンジ装置152の断面を示したものである。このヒンジ装置152についても、上記ヒンジ装置2と同様に折畳式のゲーム機或いは携帯電話機等の電子機器に用いられる。このヒンジ装置152は、軸体とコイルバネとの間の摩擦力(動摩擦及び静止摩擦)を高めることで、電子機器に回動部の開閉トルク及び操作位置に保持する静止トルクが得られるようにしたものである。またこのヒンジ装置152は、電子機器に1個のみを装着することでも十分機能を発揮する。なお、このヒンジ装置182のカム機構などの基本的な形態、部材及び材料は上記ヒンジ装置2,102と同様であり、両者の共通する部材については同じ符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
上記ヒンジ装置152は、ディスク4、2個の球体6、キャッチ8、コイルバネ160、筒状部材12、摩擦プレート110及び軸体14等を構成部材としている。これら部材の内、主にディスク4、球体6及びキャッチ8によってカム機構が構成される。上記コイルバネ160は、螺旋状のバネ及びこのバネの一端部が圧縮方向に突出形成された係止突起162を有している。また、コイルバネ160の最短の内径は、上記軸体14の中径軸部65の外径と略同程度に形成し、所定の押圧力を伴ってこのコイルバネ160を上記中径軸部65に嵌め込む。これにより、コイルバネ160は中径軸部65に圧接した状態になる。一方、上記筒状部材12には、底部51の内側に軸方向に係止穴164が設けられている。
上記ヒンジ装置152の組み付け時には、筒状部材12内にコイルバネ160を収納する際、このコイルバネ160の一端部の係止突起162を筒状部材12の係止穴164に突入係止させる。このコイルバネ160は、他端部をキャッチ8に当接させた状態で、キャッチ8の嵌合部を筒状部材12の嵌合凹部54,55に嵌合させる。
さらに、軸体14に上記摩擦プレート110を嵌め、筒状部材12の底部51の貫通孔50から軸体14の軸部62を挿入し、上記コイルバネ160及びキャッチ8を挿通させ、キャッチ8とディスク4との間に2個の球体6を介在させてディスク4の角孔に挿通する。そして、軸体14の先端部をかしめてディスク4を固定し、コイルバネ160が所定の付勢力を維持した状態でヒンジ装置152を組み立てる。
このとき、軸体14の頭部60の裏面部140と筒状部材12の底部51との間に、摩擦プレート110が密接した状態で介在される。また、軸体14の中径軸部65にはコイルバネ160が密接され、コイルバネ160で軸体14の一部を締め付ける状態で配置される。そして、軸体14に対してコイルバネ160は筒状部材12とともに相対回動し、このとき軸体14とコイルバネ160との間には摩擦力(動摩擦及び静止摩擦)が生じる。この摩擦力により、ヒンジ装置152には制動作用として回動トルク(摩擦トルク)が発生する。また、上記摩擦プレート110は、軸体14と筒状部材12との間にフリーな状態で介在し、軸体14と筒状部材12との間に所定の回動トルク(摩擦トルク)を発生させる。
上記ヒンジ装置152を装着した折畳式の電子機器15の基本的な開閉動作は、上記ヒンジ装置2を装着したものと同様であり、回動部16を手で開くとディスク4とキャッチ8からなるカム機構が作動し、回動部16とともにディスク4が回動する。
ここで、ヒンジ装置152を装着した電子機器は、上記軸体14とコイルバネ160との間の摩擦作用により、各操作位置において大きな静止摩擦が得られ、回動部16が安定して保持固定される。また、ヒンジ装置152の大きな動摩擦により、回動部16の開閉途中においても十分な開閉トルクが得られ、所望する開閉位置に回動部16を停止保持することができ、この位置で電子機器の操作が可能である。回動部16を閉じる際にも、上記開操作時と同様に回動部16に加わるトルクに抗して回動部16を閉操作する。従ってこの実施の形態に係るヒンジ装置及びこれを用いた電子機器によれば、回動部の開閉時において高い回動トルクが得られるとともに、自由な操作位置での操作が的確に行え、併せて回動部の開閉にメリハリ感が与えられ、操作性及び機能性に優れる。
符号の説明
4 ディスク
6 球体
8 キャッチ
10 付勢手段(コイルバネ)
12,112 筒状部材
14,114 軸体
16 回動部
18 本体部
24 第一の案内路
26 第二の案内路
28 一の係合凹部
32 他の係合凹部
46 係合溝部
106 第一の摩擦板
108 第二の摩擦板
110 摩擦プレート

Claims (7)

  1. 筒状部材の内部に設けた付勢手段に抗して軸方向に摺動自在にかつ回転不能に嵌合された円板状のキャッチと、
    上記筒状部材の外部に配置されキャッチと衝合して回転可能に取り付けられた円板状のディスクと、
    上記筒状部材、付勢手段、キャッチ及びディスクを連結する軸体とを有し、
    電子機器の本体部と回動部との一方に上記筒状部材を固定しかつ他方に上記ディスクを固定して、上記本体部と回動部とを開閉可能に連結するヒンジ装置において、
    上記キャッチには、上記ディスクと向い合う円板面部に、中心から半径方向に係合溝部を設ける一方、この係合溝部に対して180°より狭い中心角度上に係合凸部を設け、
    上記ディスクには、上記キャッチと向かい合う円板面部に、この円板面部の中心との間隔が一定の円弧形状で中心角度180°を越える範囲に亘る第一の案内路を設ける一方、上記第一の案内路の内側に設けた一端部と上記第一の案内路の一端部に近接して設けた他端部を有し、これら両端部の間を中心との間隔が次第に広くなるとともに上記第一の案内路と同じ中心角度に亘って設けられる円弧形状のガイド溝が形成された第二の案内路を設け、上記第一の案内路の一端部に上記係合凸部と係合する一の係合凹部を、また上記第二の案内路の一端部に上記係合溝部に保持される球体と係合する他の係合凹部をそれぞれ設け、
    上記回動部の閉位置において、上記付勢手段の付勢力により上記係合凸部及び球体と上記各係合凹部との係合状態が維持されて上記回動部を保持固定する一方、この回動部の180°以上の開位置において、上記付勢手段の付勢力により上記係合凸部及び球体との係合状態が維持されて回動部を保持固定することを特徴とするヒンジ装置。
  2. 上記キャッチの円板面部に係合穴部を設け、この係合穴部に回転自在に球体を配置しかつこの球体の一部を突出させて上記係合凸部を形成したことを特徴とする請求の範囲第1項記載のヒンジ装置。
  3. 上記キャッチの係合凸部を所定の曲率半径の凸球面状に形成する一方、上記一の係合凹部を上記係合凸部の曲率半径より大きな曲率半径の凹球面状に形成し、また上記他の係合凹部を上記球体の曲率半径以上の曲率半径の凹球面状に形成したことを特徴とする請求の範囲第1項又は請求の範囲第2項記載のヒンジ装置。
  4. 上記第一の案内路の他端部及び上記第二の案内路の他端部に、それぞれ上記係合凸部の曲率半径より大きな曲率半径の凹球面状の保持凹部を設けたことを特徴とする請求の範囲第2項又は請求の範囲第3項記載のヒンジ装置。
  5. 上記軸体と上記筒状部材の底部との間に、上記軸体に対する上記筒状部材の相対回動を摩擦により制動する摩擦プレートを介在させたことを特徴とする請求の範囲第1項乃至請求の範囲第4項の何れかに記載のヒンジ装置。
  6. 上記筒状部材内に、この筒状部材とともに回動する第一の摩擦板、及びこの第一の摩擦板に圧接し上記軸体とともに回動する第二の摩擦板を介在させ、上記軸体に対する上記筒状部材の相対回動を摩擦により制動することを特徴とする請求の範囲第1項乃至請求の範囲第5項の何れかに記載のヒンジ装置。
  7. 操作部を有する上記本体部、又は表示部を有する上記回動部の一方側に上記ディスクを固定させる一方、他方側に上記筒状部材を固定させた請求の範囲第1項乃至請求の範囲第6項の何れかに記載のヒンジ装置を用い、
    上記係合凸部が上記係合凹部に侵入する途中において上記回動部が閉塞するように取り付け、この回動部を閉じた状態においても上記付勢手段により回動部に閉方向にトルクが加わるように構成したことを特徴とする電子機器。
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