JP3626384B2 - システムフロア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフィス内に設置される各種電子機器に接続するための電力ケーブル、信号ケーブル等のケーブルを床下に配線施工するためのシステムフロアに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の電子機器が設置されるオフィスの床に用いられるシステムフロアは、基礎床面上に分散配置された支柱により、複数のユニットフロアパネルが支持され、基礎床面との間に空間が形成され、この空間内に多数のケーブルを配線するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなシステムフロアはその構造上、地震に対する安全性が低く、建物が倒壊しない程度の地震すなわち、「耐震クラスB」程度の地震であっても、システムフロアの受ける影響は極めて大きく、フロア上に設置される各種の電子機器情報・通信機器あるいは事務机が受ける損傷は極めて大きくなる。したがって、建物の耐震設計とは別に、システムフロア自体の耐震・免震設計に対する要求が高まりつつある。
【0004】
本発明は、上記の要請にこたえるために、簡単な構造で安価に製造および施行が可能な免震タイプのシステムフロアを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のシステムフロアは、基礎床面との間にケーブル配線用の空間を形成するシステムフロアであって、前記基礎床面上の少なくとも一部に形成された滑り面と、この滑り面上に滑動可能に配置され、ほぼ正方形で、コンセントやケーブル引き出し部品等が嵌合設置可能な枠体及びこの枠体の周囲4辺に形成された台座部を有する複数の支柱と、これら支柱の前記台座部のそれぞれに端部が固定されることにより相互に連結され、前記基礎床面との間に前記空間を介してフロア面を構成する複数のパネルとを具備することを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態であるシステムフロアの一部の構成を示す斜視図である。
【0032】
図において、建物の基礎床面10上に、ほぼ正方形の滑り板11が等間隔に配置され、基礎床面10に接着あるいはボルト等機械的な固定方法によって固定される。滑り板11の材質としては、ステンレス鋼板、クロムその他の硬質メッキを施した鋼板、テフロン材を含有する樹脂コーティング板、またはテフロン材を含有する樹脂板を用い、後述する支柱脚との摩擦係数を小さくするために、これらの表面を研磨して滑らかなすべり面を形成する。
【0033】
支柱12は各滑り板11のほぼ中央に1個ずつ、滑動可能に載置される。支柱12はその上端部周囲に4辺の段差部からなる台座部20を備えており、この台座部20には、ほぼ正方形のパネル14の角部が載置固定される。すなわち、1つの支柱12の台座部20には、角部が切除された4枚のパネルの端部が台座部20の4辺の段差部に載置され、固定される。この場合、支柱12は軽量で硬いアルミダイキャストや、亜鉛アルミ合金あるいはプラスチックにより構成する。
【0034】
パネル14は床面全体に敷設され全体として一つのフロアを形成する。このパネル14により形成される全体として単一のフロアの周囲には、部屋の壁あるいは壁に沿って設けられた固定床あるいは柱との間にフロア全体が水平方向に滑り移動可能な隙間が確保されている。
【0035】
パネル14は、例えば1辺が500mmの正方形で構成するが、図1の隣接する2枚のパネル14を合わせた大きさの、500mm×1000mmの長方形のパネルとしてもよい。この場合、長方形のパネル板の各長辺の中央部に三角形の切込みを形成し、この部分を支柱12の台座部20に載置してもよい。
【0036】
一方、滑り板11は、通常のビル等の家屋の耐震構造を考慮して、支柱12の滑り変位が少なくも±10センチの範囲で可能とする、例えば400mm×400mmの面積とする。この面積は小さいほどコスト面では有利であるが、これより大きな面積の滑り板11を用いてもよいことはいうまでもない。すなわち、滑り板11の面積の最大値は、各滑り板11の隙間をゼロとし、基礎床面10の全面に1枚の滑り板11を敷き詰める場合である。この場合、滑り板11のコストの上昇が懸念されるが、材料あるいは加工方法の改良により、低コストの滑り板11を用いることも可能である。また、基礎床面10自体に表面研磨を行い、滑り板11と同等な滑り面を形成することにより、滑り板11を省略することができる。
【0037】
図2は図1に示した支柱12を拡大して示す図である。
【0038】
支柱12は、ほぼ正方形の枠体19の4つの外周辺にパネル14の端部を乗せて固定するための台座部20が形成されている。台座部20の4個の角部は下方に延長され、その端部にはほぼ水平な底面22が形成されている。支柱12の底面22にはそれぞれ支柱脚21がボルト・ナットにより取り付けられている。また、枠体19の開口部には蓋23が設けられ、この蓋23の上面は台座部20に載置されるパネル14の上面とほぼ同一平面となる。この蓋23の代わりに、枠体19の開口部にはオフィスの配線に供されるコンセントやケーブル引き出し部品等を嵌合設置してもよい。なお、コンセントやケーブル引き出し部品は枠体19の開口部に限定されず、各パネル14に切欠き部を設け、そこに取り付けても良い。
【0039】
各パネル14の四隅は、図1に示すように、台座部20の形状に合わせ三角形状に切除されている。この三角形状に切除された端部が台座部20上に設置された後、ボルト24によって固定される。したがって、複数のパネルは一体になって水平移動するように、支柱12を介して連結されている。ただし、パネルの固定構造、方法は他の方法でも良い。この様に、パネル14が支柱12により連結されることによって、床全体が一体となって滑り移動する状態が形成される。なお、パネル14を台座部20へ固定する際には、床の水平度確保や均一荷重確保に支障をきたさないよう、固く締め付けるのではなく、少なくとも、水平方向に拘束し、上下方向はある程度フリーな固定構造とする。
【0040】
上記の構成により、支柱12の台座部20上に敷設された全てのパネル14はそれぞれ4隅の支柱12によって連結される。こうして、基礎床面とパネル14との間に空間を形成し、この空間に電源ケーブルや信号ケーブル等のケーブルを配線することが出来る。
【0041】
この配線されたケーブルは図14に示すように、ケーブルの少なくとも滑り板11と接する部分には、摩擦係数が非常に小さい材質で構成するか、摩擦係数の小さい材質からなる、例えばテフロンシートあるいはテープを巻き付けることよって更に滑り効果が期待できる。特に、地震時にフロアパネル全体が滑る場合、配線されたケーブルの摩擦によりフロアパネルの動きが拘束または阻害されないようにすることが好ましい。また、ケーブルの配線は地震発生時にケーブルによってフロアの滑りを拘束しないように、少なくも最大すべり変位に等しい長さのたるみを持たせる必要が有る。
【0042】
図3は、図2に示す滑り支柱脚21の支柱底面22への取り付け構造を示す部分断面図であり、図4はこの部分を分解して示す図である。
【0043】
各支柱底面22のほぼ中央には孔220が設けられており、この孔220に支柱脚21の軸部210が挿入される。支柱脚21は軸部210の下端に直径がほぼ30mm、厚さがほぼ12mmの円板部230を有している。この円板部230の底面は図1に示した滑り板11上に滑り移動可能に接触する滑り面が形成されている。弾性体のゴムパッド30は支柱脚21の円板部230の上面と支柱底面22との間に挿入されるもので、各支柱12の支持荷重の均一化を図るとともに、敷設されるパネル14の上下動を防止するクッション効果を発揮する。ゴムパッド30はある程度の柔らかさが必要であるため、天然ゴムや合成ゴム、例えば、ウレタン系ゴムやシリコン系ゴム等を使用する。
【0044】
そして、支柱脚21の軸部210の上端部にはボルト状のネジが切られており、ゴムパッド30、支柱底面22、リング31を挟み、ナット32によって締めつけ固定される。なお、ナット32による固定は、それに限定されるものではなく、容易に外れない構造であればどのような固定手段を用いても良い。しかし、その固定もパネル14と同様に水平方向を拘束し、上下方向は荷重なじみを持った固定構造が望ましい。
【0045】
支柱脚21の材質は、黄銅、または鉄、または硬質メッキ(例えばクロムメッキ仕上げ)の鉄で構成することが望ましい。この場合、滑り板11と接触する面の周辺は勾配(面取り)や曲面を形成すると、よりなめらかな滑り効果が生まれる。支柱脚21は支柱12の底面22に対して容易に着脱できるため、支柱脚21を異なる材料の支柱脚21に交換することにより、滑り板11との間の摩擦係数を容易に調整することができる。
【0046】
図5は、支柱脚21の他の実施形態を示すもので、支柱脚21をプラスチック、鉄、または硬質メッキ仕上げの鉄等の材質で構成して、その円板部230の底面にテフロン系摩擦材、またはテフロンを含有するプラスチック材、または油分とカーボンを含有するプラスチック材、固体潤滑剤を含有するプラスチック等の素材からなる摩擦材50を貼付したものである。この様に、支柱脚21の底面に滑り板11との動摩擦係数の小さい材質あるいは支柱脚21とは異なる摩擦材50を貼付するだけで、滑り板11との間の摩擦係数を容易かつ安価に調整することができる。従って、既存のフロアを免震フロアにリニューアルする場合、この支柱脚構造を採用することにより簡単且つ安価に実施することが出来る。
【0047】
また、この摩擦材50も滑り板11と接触する面の周辺はわずかな勾配(面取り)や曲面を形成すると更になめらかな滑り効果が期待できる。
【0048】
以上のように構成された本発明のシステムフロアは、システムフロアが敷設された建物が地震により水平方向の振動を生じたとき、フロアを支持する支柱12が滑り板11上を水平方向に滑り移動し、これによってシステムフロア全体が水平方向に滑り移動する。したがって地震による水平方向の振動は吸収、緩和され、システムフロア上の各種の電子機器や机等の設備が倒壊あるいは損傷を受けることを防止することができる。
【0049】
ところで、このような免震効果を十分に発揮するためには、システムフロアの滑り移動が適度な範囲内で生ずることが重要である。すなわち、滑り移動が小さすぎる場合には、システムフロアの水平方向の移動が十分に行われない結果、地震による水平方向の振動が十分に吸収されないため、フロア上の設備が倒壊したり、相互に衝突して損傷を受ける結果となる。逆に、滑り移動が大きすぎる場合には、システムフロアの水平方向の移動が大きくなり、部屋の壁に衝突し、これによってフロア上の設備に衝撃を与え、同様な結果をもたらすことになる。
【0050】
かかるシステムフロアの移動範囲は、滑り板11と支柱12の接触底面の動摩擦係数により決定されるため、この動摩擦係数を適切な値に設定することが重要となる。本発明者は、システムフロアのモデルを用いて後述するような各種の実験を重ねた結果、この滑り板11と支柱12の接触底面の動摩擦係数(図4の場合は、滑り板11と滑り支柱脚21の接触底面との動摩擦係数、また、図5の場合は、滑り板11と滑り支柱脚21の底面に貼付された摩擦材50との動摩擦係数)は0.09から0.25の範囲がもっとも有効な値であることを確認することが出来た。
【0051】
以下この動摩擦係数の選定のために行った試験について説明する。先ず、4枚の1辺が500mmの正方形のパネル14と1辺が400mmの正方形の滑り板11および9個の支柱12を用いて図1に示すようなモデルシステムフロアを構築した。このモデルを用いて静加力試験を行った。静加力試験は、モデルシステムフロアの一体化されたパネル14からなるフロア部に、油圧アクチュエータにより、1次元方向に正逆向きの力を加えて、往復滑り移動を生じさせ、その時の支柱12の底面と滑り板11間の動摩擦係数を測定した。フロア部に対する正方向および負方向の加力は4回繰り返され、±50mmの範囲の滑りを生じさせた。この時のパネル14の滑り移動速度は、0.5mm/secとした。図6はこの試験結果を示す表およびグラフである。試験条件としては、テフロン系摩擦材とステンレス板をそれぞれ支柱12の底面と滑り板11として用い、フロア上には縦560mm、横450mm、高さ1200mmの直方体状の金属ケースを載せ、4枚のパネル14の重さを含めて193.5Kgの荷重を9個の支柱12に加えた状態で試験を行った。なお、滑り移動は金属ケースの短辺に平行な方向に生じさせた。
【0052】
測定結果は、すべり変位が±10cmの範囲において測定された動摩擦力および動摩擦係数の平均値が表中に示されている。また、この時の動摩擦力−すべり変位曲線がグラフで示されている。表中の▲1▼〜▲4▼は、正方向あるいは負方向の加力回数を示している。例えば、正方向▲1▼は1回目の正方向の加力を意味している。
この静加力試験の結果から、上記のシステムフロアモデルの動摩擦係数は約0.09であることが判明した。
【0053】
図7は、図6と同様な静加力試験による結果を示す表およびグラフで、図6の場合とは試験条件が異なっている。すなわち、図7では、支柱脚21底面の摩擦材50に黄銅を使用し、滑り板11にクロムメッキ鋼板を用い、フロア上にはおもりを載せ、全体の荷重を60.3Kgとした。この条件下での動摩擦係数は0.25であることが判明した。なお、ここで得られた動摩擦係数はフロア上に金属ケースを載せた場合とほぼ同じであった。
【0054】
図8は、図6に示した本発明のシステムフロアの免震特性を測定するための振動試験の結果を示す表およびグラフである。この試験は上述した本発明のシステムフロアモデルをその基礎床面(図1の10)を含めて加振機上に固定し、加振機による正弦20波加振時のフロア上の特定部分の最大応答加速度を測定するものである。図8は横軸に入力最大加速度を示し、縦軸にフロア上の特定部分の応答加速度を示している。同図の白丸によるプロットは、金属ケース頂部における応答加速度を示し、三角で示すプロットはフロア面中央部における応答加速度を示している。また、黒丸によるプロットは、比較例として、本発明が適用されない通常のシステムフロア、すなわち、非免震システムフロアを用いた場合の、金属ケース頂部における応答加速度を示したものである。
【0055】
また、図9は、図7に示した本発明のシステムフロアの免震特性を同様な振動試験により測定した結果を示す表およびグラフである。
【0056】
図8および図9から明らかなように、非免震構造のシステムフロアの場合、入力加速度が約4m/sec2を超えると急激な応答加速度を示しており、フロア上に設置した筐体が転倒することが確認された。一方、本発明の免震構造のシステムフロアでは入力加速度が4m/sec2を超えても大幅に増幅せず、ほぼ一定の応答加速度を示しており、その免震効果は明らかである。
【0057】
さらに、発明者らは上記本発明のシステムフロアにおける動摩擦係数として、0.09から0.25の範囲がもっとも有効な値であることを地震応答解析手法を用いたシミュレーションにより確認した。このシミュレーションは、7階建てのビルディングモデルとこのビルディングの各階において設置される本発明のシステムフロアモデルとを結合した解析モデルを用い、この解析モデルに過去に世界の各地で実際に観測された大地震波形を適用して地震応答解析を行った。この際、本発明のシステムフロアの動摩擦係数として、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25を選定し、これらをパラメータとして解析を行った。また、地震波形としては、アメリカで発生したEl Centro地震、Taft地震、日本で発生した十勝沖地震、兵庫県南部地震の加速波形を用いた。図10および図11は、地震波として、最大加速度が2.5m/sec2 のEl Centro地震波形を用いた解析結果を示すグラフで、横軸にビルディングの各階を示し、縦軸に各階におけるシステムフロアの最大変位と最大化速度を、動摩擦係数をパラメータとしてそれぞれ示している。
【0058】
図10において、動摩擦係数が0.05の場合、3階におけるシステムフロアの最大変位は10cmで、本発明のシステムフロアにおいて設定された±10cmの設計範囲内にはいるが、3階以上の階においては、大幅に超過する。そして動摩擦係数が0.1以上の場合、6階以上の階で設計範囲を超えるが、全体的には適用可能であることが理解できる。
【0059】
また、図11においては、動摩擦係数が大きくなると、システムフロアの応答加速度は増加し、動摩擦係数が0.25になると、システムフロアの応答加速度は、日本においてコンピュータの耐震基準として定められている許容加速度である、2.5m/sec2 に到達する。したがって、0.25以上の動摩擦係数は望ましくないことが理解できる。なお、他の地震波形を用いた場合も、最大加速度が同じ2.5m/sec2 であれば、ほぼ同様な結果が得られることが確認された。
【0060】
このように、シミュレーションの結果は、動摩擦係数として、0.09から0.25の範囲がもっとも有効な値であることを示している。
次に、図12は、本発明に用いられる支柱の他の実施形態を示す斜視図である。この支柱60は図2に示した支柱12を対角線方向に半分に切った形状を有する。すなわち、支柱60は3つの支柱脚61と3つの支柱底面部62を持つ構成となる。そして2つの支柱60が合体して図2の支柱12と同様な構造を形成する。この際、2つの支柱が分離しないように上面は結合リング63が嵌め込まれ、その上をさらに蓋(図2の23に相当)によって覆う。
【0061】
図13は本発明に適用される支柱のさらに他の実施形態を示す斜視図である。この支柱70は円柱状の本体71の上端および下端に本体71の水平断面より大きな面積の円盤72、73を水平に固定した構造を有している。上部円板72の上面には、円板の中心から半径方向に4本のストライプ状突起74が互いに直交するように延長固定されている。また、隣接する2本のストライプ状突起74の間の円板72の上面には、円柱状の突起75が植設されている。そしてこれらストライプ状突起74のうちの隣接する2本の突起74の間には、破線で示すように、パネル14の角部が載置され、円柱状の突起75がパネル14に設けられた固定孔76に嵌合して、パネル14の水平方向の移動を阻止するように固定する。 他方、支柱70の下部円板73には複数個の孔77が開けられ、これらの孔77を介して図4あるいは図5に示した支柱脚21が取り付けられる。これらの支柱70は、図1に示したように、フロアの基礎床面に敷設された滑り板11上に載置される。従来タイプのシステムフロアを免震タイプにリニューアルすることが出来る。
【0062】
本発明における支柱は、上記の実施形態に示した形状・構造に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態においては、支柱20、70の底面に支柱脚21を固定したが、支柱自体の材質として0.09から0.25の範囲の動摩擦係数を有する材料を用いることにより、支柱脚21を省略することが可能である。また、この場合、支柱の底面に上記の範囲の動摩擦係数を有する材質で出来た摩擦部材50を固着することによって、支柱自体に特別な動摩擦係数を有する材質を用いることなく必要な動摩擦係数を有する支柱20、70を得ることができる。また、図3に示されるゴムパッド30を支柱脚21を用いることなく、直接支柱20の底面22に固着し、ゴムパッド30の底面に、テフロン固体潤滑材またはこれを含有するプラスチックをシート状にコーティングし、あるいは一体成形することにより、簡単な構造の支柱脚を得ることもできる。
【0063】
すなわち、本発明の説明において、「支柱脚」とは、支柱の底面に固定され、滑り板との間の動摩擦係数を調整するために支柱の底面に付加される部材を意味するものとし、必ずしも図4あるいは図5に示された構造に限定されるものではない。
【0064】
次に、本発明のシステムフロアを多数階を有する建物の各階に敷設する場合の実施形態について説明する。
【0065】
比較的高い建物構造において適用する場合、建物全体のシステムフロアに適用される摩擦係数の設定は、上記の測定値に従い0.09〜0.25の範囲内の値を選定するが、建物の階数に応じて異なる摩擦係数を選定する。
【0066】
即ち、前述したように、地震の際のシステムフロアの最大相対変位は建物の下層階では小さく、上層階になるにしたがって大きくなる。他方、システムフロアの支柱と滑り板との動摩擦係数は、小さな値の場合には滑り変位量が大きく、大きな値の場合には滑り変位量小さくなる。このため、建物の低階部には0.09に近い小さい値を採用し、中階部には中間程度の摩擦係数を採用し、そして上層階ではすべり量を抑えるため、0.25に近い比較的大きい摩擦係数を採用する。
【0067】
なお、すでに説明したように、支柱側に用いる比較的小さい摩擦材としてはテフロン材等を使用し、中程度の摩擦材としてはテフロンやカーボン等を含有する樹脂材を使用し、比較的大きな摩擦材としては黄銅等を使用することにより上記効果をより確実に奏することが出来る。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構造で安価なコストにより、免震構造のシステムフロアを実現することができる。すなわち、本発明のシステムフロアは、地震の際の振動に対して、フロア全体を適度に滑り変位させて衝撃を吸収する。その結果、フロア面を構成する各パネルが相互に衝突して迫り上り、破壊されることを防ぐことが出来る。また、フロア上に設置されているオフィスの事務机、書類ケース、電子・情報処理機器等の転倒を防ぐことができる。
【0069】
また、簡単且つ安価で施工性の良い免震フロア構成により、新規施工はもとより、リニューアル施工においても簡単に施工できる。さらに、支柱の枠体にコンセントやケーブル引き出し部品等を嵌合設置すれば、身近な支柱から、基礎床面との間の配線を取り出せるので、配線作業に対する利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるシステムフロアの一部の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す支柱の拡大図である。
【図3】図1あるいは図2に示す支柱底面への支柱脚の取付構造を示す部分断面図である。
【図4】図3に示す取付構造を分解して示す部品展開図である。
【図5】本発明のシステムフロアに用いられる支柱脚の他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明のシステムフロアに対する静加力試験の結果を示す図である。
【図7】同じく本発明のシステムフロアに対する異なる条件下での静加力試験の結果を示す図である。
【図8】本発明のシステムフロアに対する振動試験の結果を示す図である。
【図9】同じく本発明のシステムフロアに対する異なる条件下での振動試験の結果を示す図である。
【図10】本発明のシステムフロアを多階層の建物に設置した際の、各階層における免震特性をシミュレーションにより解析した結果を示すグラフである。
【図11】同じく本発明のシステムフロアを多階層の建物に設置した際の、各階層における他の免震特性をシミュレーションにより解析した結果を示すグラフである。
【図12】本発明のシステムフロアに使用する支柱の他の実施形態示す斜視図である。
【図13】本発明のシステムフロアに使用する支柱のさらに他の実施形態示す斜視図である。
【図14】本発明のシステムフロアを用いて配線されるケーブルの構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10…基礎床面
11…滑り板
12、60、70…支柱
14…パネル
20…台座部
21、61、64…支柱脚
22…支柱底面部
30…ゴムパッド
31…リング
32…ナット
50…摩擦材
Claims (1)
- 基礎床面との間にケーブル配線用の空間を形成するシステムフロアであって、
前記基礎床面上の少なくとも一部に形成された滑り面と、
この滑り面上に滑動可能に配置され、ほぼ正方形で、コンセントやケーブル引き出し部品等が嵌合設置可能な枠体及びこの枠体の周囲4辺に形成された台座部を有する複数の支柱と、
これら支柱の前記台座部のそれぞれに端部が固定されることにより相互に連結され、前記基礎床面との間に前記空間を介してフロア面を構成する複数のパネルと
を具備することを特徴とするシステムフロア。
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