JP3626240B2 - ダビング装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、第1の記録媒体からの再生データを第2の記録媒体にダビング記録することのできるダビング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年ディスクなどの各種記録媒体を用いて一般音楽用途としての再生/録音に用いられている。特にコンパクトディスク(以下CD)は広く普及しており、音楽再生用のCDプレーヤも各種開発されている。
またユーザーが音楽データ等を記録することのできるデータ書き換え可能な光磁気ディスクが知られており、例えばミニディスク(以下MD)を用いた記録再生システムとして実用化されている。
【0003】
さらに、MDに対応した記録再生装置部とCDに対応した再生装置部を一体化して1つの複合機器としたものを構築することも考えられており、このようにすればCDを用いた再生やMDを用いた録音/再生が楽しめるとともに、例えばCDからMDへのダビング録音なども容易に行なうことができるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、MD記録再生装置部とCD再生装置部を一体化した機器でダビング録音を行なうことについて考えると、外乱やCD上の傷などの影響によりCD側での再生音声データの連続性がとぎれた状態になった場合(いわゆる音とび状態)、MD側で録音される音声データについても音とび状態のまま録音されることになり、甚だ不都合なものとなってしまう。
例えばダビング時にこのようなCD側での音とびが発生した場合でも、ユーザーがダビング中にずっと音声をモニタしていない限りは、ダビング録音がうまくいかなかったことを知ることができず、後になってMD側を再生してみて初めてダビング失敗に気づくことになってしまう。
【0005】
なお、再生音声の音とびは、例えば外乱やディスク上の傷の影響によりトラッキングサーボやフォーカスサーボが外れてしまうことに起因するものである。つまり、サーボが外れてデータが読み出せなかったなかった場合、CD再生装置部ではすぐにサーボを復帰させ、再生を再開するわけであるが、この復帰までの時間は音声データとしては無音状態となり、これが音とびとして聞こえるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような音とびによるダビング失敗を解消することを目的とするものである。
【0007】
このため、第1の記録媒体からデータを再生する再生手段と、再生手段により再生されたデータを第2の記録媒体に記録する記録手段と、再生手段により再生されたデータのアドレスの連続性を判別するアドレス連続判別手段と、アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続と判別された場合、当該アドレス不連続の発生原因を検出する検出手段と、再生手段による再生動作に必要なサーボ動作を実行するサーボ手段と、サーボ手段におけるサーボゲイン特性を可変するサーボゲイン特性可変手段と、第1の記録媒体からの再生データを第2の記録媒体に記録するダビング動作時に、アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続と判別された場合、検出手段による検出結果に基づきサーボゲイン特性可変手段によってサーボゲインを可変するとともに、少なくともアドレス不連続地点を含むデータの再生動作を再実行させ、当該再実行が行われる際に、アドレス連続判別手段により再びアドレス不連続が判別された場合は、当該アドレス不連続地点を含むトラック番号を記憶し、ダビング動作終了時に第2の記録媒体において、当該記憶されたトラック番号のトラックデータを消去処理させる制御手段とを備えるようにする。
【0008】
再生部が、第1の記録媒体から読み出されたデータを一旦記憶手段に蓄積し、所定タイミングで読み出して記録部に供給するように構成されている場合は、制御手段は、アドレス不連続地点を含むデータの再生動作の再実行制御を行なった場合に、その再実行による再生データを用いて、記憶手段内でアドレスの連続したデータを形成して記録部に供給することで、アドレスの連続したデータが記録部において第2の記録媒体に記録されるようにする。
あるいは制御手段は、アドレス不連続地点を含むデータの再生動作の再実行が行なわれる際に、その再実行開始位置を、アドレス不連続地点を含むトラックの先頭位置に制御するとともに、記録部における記録動作を、記録中のトラックの先頭位置から再開させるように制御することで、アドレスの連続したデータが記録部において第2の記録媒体に記録されるようにする。
そして制御手段は、このようなリトライ動作を行なってもアドレス不連続地点が解消されなかった場合は、そのトラックをダビング失敗として消去できるようにする。
【0009】
また、再生手段により第1の記録媒体から再生されたデータを蓄積する蓄積手段をさらに設け、制御手段は、アドレス不連続地点を含むデータの再生動作の再実行制御を行った場合に、当該再実行による再生データを用いて記憶手段においてアドレスの連続したデータを形成し、当該アドレスの連続したデータを記録手段に供給する。
また、制御手段は、アドレス不連続地点を含むデータの再生動作の再実行が行われる際に、その再実行開始位置を、アドレス不連続地点を含むトラックの先頭位置に制御するとともに、記録手段における記録動作を記録中のトラックの先頭位置から再開させるように制御する。
【0010】
また、検出手段は、第1の記録媒体における欠陥を検出する欠陥検出手段であり、制御手段は、アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続が判別され、かつ検出手段によって第1の記録媒体における欠陥が検出された場合、サーボゲイン特性可変手段によりサーボゲインを低下させるようにする。
さらに、検出手段は、第1の記録媒体に加えられる振動を検出する振動検出手段であり、制御手段は、アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続が判別され、かつ検出手段によって第1の記録媒体に加えられる振動が検出された場合、サーボゲイン特性可変手段によりサーボゲインを増大させるようにする。
【0011】
また、第1の記録媒体から再生されたデータを音声として出力するスピーカ手段と、スピーカ手段からの音声出力レベルを検出する音声レベル検出手段とを備え、制御手段は、アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続が判別され、かつ音声レベル検出手段による検出値が設定値を越える場合、サーボゲイン特性可変手段によりサーボゲインを増大させるようにする。
また、制御手段は、複数のトラックの上記ダビング動作が終了した後、記憶されたトラック番号のトラックデータの消去処理を実行するようにする。
また、記憶されたトラック番号のトラックデータの消去処理は、ダビング動作終了時に自動的に行われるようにする。
また、記憶されたトラック番号のトラックデータの消去処理は、ユーザによる操作に基づき行われるようにする。
【0012】
【作用】
再生時の音とびを防止するためには、サーボ外れが生じないようにすることが有効な手段となる。
ここで、振動やショックなどの外乱やディスクの面振れ、偏芯に対してサーボが外れないようにするには、サーボ系におけるサーボゲインの低域を上げることが好適である。例えば300Hz近辺のゲインを上げることで、サーボ動作が外乱に追従しないようにすることができる。
【0013】
またディスク上の傷(ディフェクト)に起因するサーボ外れが生じないようにするには例えば1KHz近辺のゲインを下げることで、サーボ動作が傷に追従しないようにすることができる。
このため、音飛びが発生したような場合は、その原因に応じてサーボゲインを可変し、再生リトライすることで、音とびのない再生データを得ることができる。また、再生リトライ動作に応じて再生データの連続性を整えたり、記録部の動作を制御することで、第2の記録媒体にはアドレスの連続した(つまり音とびのない)データを記録することが可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明のダビング装置の実施例を次のように説明する。なお、実施例のダビング装置はCD再生装置部とMD記録再生装置部が一体形成され、CDからMDへのダビング録音が可能とされるものとしている。
I.第1の実施例
1.ダビング装置の全体構成
2.CD部の構成
3.MD部の構成
4.ダビング時のディフェクト対応処理
5.ダビング時のショック対応処理
6.ダビング時の音とび予防処理
7.ダビング終了後の処理
II.第2の実施例
1.CD部の構成
2.リトライ処理
【0015】
I.第1の実施例
1.ダビング装置の全体構成
図1は実施例のダビング装置の全体構成を示すものである。このダビング装置はCDプレーヤ部(以下、CD部)2と、MDプレーヤ/レコーダ部(以下、MD部)3が同一筺体内に配された複合機器とされ、CDの再生と、MDへの録音及び再生が実行できる機器としている。
CD部2及びMD部3における各種動作制御や、CD部2、MD部3からの再生音声出力系、及びMD部3への録音信号の供給系の各部の動作は、マイクロコンピュータによって形成されるシステムコントローラ1によって制御される。
システムコントローラ1は各部に対して所要の動作制御を行なうための各種制御信号CNTを供給する。
【0016】
CD部2はシステムコントローラ1からの制御信号CNTに基づいて装填されているCDの再生動作が行なわれる。この再生動作のためにシステムコントローラ1は制御信号CNTとして再生命令、停止命令、一時停止命令、アクセス命令、サーボ系制御命令などをCD部2に供給することになる。
CD部2からの再生音声信号SOUTCは端子29から出力され、ファンクション切換回路6のTCD端子に供給される。
CD部2における再生動作時には、CD部2からシステムコントローラ1に対して、TOC(目次情報)やサブコードなどとして抽出されるアドレスその他の管理情報SGが供給される。システムコントローラ1はこの管理情報SGにより再生するトラックのアドレスや現在のアドレス(時間情報)等を知ることができる。
【0017】
また詳しくは後述するが、CD上の傷による信号エラーを検出するディフェクト検出信号DF、外部振動による信号エラーを検出するショック検出信号SD、及び読み出された音声データのレベルを検出するオーディオレベル情報ALVもシステムコントローラ1に供給される。
【0018】
MD部3はシステムコントローラ1からの制御信号CNTに基づいて装填されているMDの再生動作や、MDに対する録音動作が行なわれる。この録音/再生動作のためにシステムコントローラ1は制御信号CNTとして録音命令、再生命令、停止命令、一時停止命令、アクセス命令、サーボ系制御命令などをMD部3に供給することになる。
MD部2からの再生音声信号SOUTMは端子43から出力され、ファンクション切換回路6のTMD端子に供給される。
またMD部2で録音を実行する際には、録音すべき音声信号は端子44からMD部2に入力されることになる。
【0019】
MD部3における録音/再生動作時には、MD部3からシステムコントローラ1に対して、TOC(目次情報)やアドレス情報、各部のステイタス情報その他の管理情報SGが供給される。システムコントローラ1はこの管理情報SGにより再生するトラックのアドレスや現在のアドレス(時間情報)、さらに録音するエリアのアドレス等を知ることができる。
また録音動作時に録音データとして入力された音声データのレベルを検出するオーディオレベル情報ALVもシステムコントローラ1に供給される。
【0020】
CD部2に再生動作を実行させている際には、システムコントローラ1はファンクション切換回路6をTCD端子に接続させる。このためCD部2からの再生音声信号SOUTCはファンクション切換回路6を介してD/A変換器7に供給され、アナログ音声信号とされる。そして音量調節部8を介してパワーアンプ9で増幅され、スピーカ部10から再生音声として出力される。
【0021】
またMD部3に再生動作を実行させている際には、システムコントローラ1はファンクション切換回路6をTMD端子に接続させる。このためMD部3からの再生音声信号SOUTMはファンクション切換回路6を介してD/A変換器7に供給され、アナログ音声信号とされる。そして音量調節部8を介してパワーアンプ9で増幅され、スピーカ部10から再生音声として出力される。
【0022】
音量調節部8は例えば電子ボリュームにより形成されており、システムコントローラ1からの制御信号CNTにより抵抗値、即ちボリュームレベルが可変設定される。従ってシステムコントローラ1は現在の音量出力レベルを常に把握していることができる。
【0023】
MD部3で録音を行なう際には、録音すべき音声信号は端子11から入力され、A/D変換器12でデジタルデータに変換される。そのデジタルデータは録音モード切換回路13のTAI端子に供給される。
またCD部2の再生動作とMD部3の録音動作を同時に実行することで、CDからMDへのダビング録音を行なうことができるようにするために、CD部2からの再生音声信号SOUTCは録音モード切換回路13のTDB端子にも供給されるようにしている。
【0024】
そしてシステムコントローラ1は録音モードに応じて録音モード切換回路13の切換制御を行なう。つまり、外部からの入力音声信号についての録音を行なう場合は録音モード切換回路13にTAI端子を選択させ、一方CDからMDへのダビング録音を行なう場合は録音モード切換回路13をTDB端子を選択させる。
そして録音モード切換回路13を介して出力されたデジタル音声データが端子44からMD部3に入力され、MD部3で所定のエンコード処理が行なわれてMDに録音されることになる。
【0025】
表示部4はシステムコントローラ1の制御により所要の表示動作を行なう。例えばCD部2やND部3での再生中/録音中にトラックナンバや進行時間の表示を行ない、また動作モードなどの表示を行なう。
操作部5にはCD部2やMD部3に対する各種操作や、モード切換等をユーザーが実行できるように各種操作キーが設けられている。
操作部5の操作情報はシステムコントローラ1に入力され、システムコントローラ1は操作情報と、内部ROMに記憶された動作プログラムに応じて各種の制御動作を実行することになる。
【0026】
2.CD部の構成
CD部2の構成を図2に示す。
音声データの再生専用メディアとなるCD90はCD部2内に装填される。このCD90は、再生時にスピンドルモータ21により回転駆動される。そして光学ヘッド22はCD90に対してレーザ光を照射することで、その反射光からCD90にピット形態で記録されているデータを抽出する。
【0027】
このため、光学ヘッド22はレーザ出力手段としてのレーザダイオードや、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。また光学ヘッド22内でレーザ出力端となる対物レンズは図示しない2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されており、さらに光学ヘッド22全体はスレッド機構23によりディスク半径方向に移動可能とされている。
なお、スピンドルモータ21や光学ヘッド22、スレッド機構23などが搭載されたプレートはインシュレータ24を介してシャーシに固定されていることで或る程度の外部振動の影響をキャンセルすることができるようにされている。
【0028】
CD再生動作によって、光学ヘッド22によりCD90から検出された情報はRF処理部25に供給される。RF処理部25は供給された情報の演算処理により、再生RF信号(EFM信号)、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号等を抽出する。そして、抽出された再生RF信号はデコーダ部28に供給される。また、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号はサーボ回路26に供給される。
さらにRF処理部25は後述する検出動作によりディフェクト検出信号DF、ショック検出信号SDを生成し、ダビング装置1に対して出力する。
【0029】
サーボ回路9にはRF処理部25からのトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEの他、システムコントローラ1からの制御信号CNTとしてスピンドルキック信号、スピンドルブレーキ信号、フォーカスサーチ指令、フォーカスサーボオン指令、トラッキングサーボオン指令、トラックジャンプ指令、アクセス指令、サーボゲイン制御信号等が供給される。またデコーダ部28では再生RF信号から再生クロックを発生させるが、これを基準クロックと比較してスピンドルエラー信号SPEが生成される。このスピンドルエラー信号SPEもサーボ回路26に供給される。
【0030】
サーボ回路26はこれらの信号に基づいてフォーカス駆動信号FD、トラッキング駆動信号TD、スレッド駆動信号SLD、スピンドル駆動信号SPDを発生させ、サーボドライバ部27に供給する。
サーボドライバ部27ではフォーカス駆動信号FD、トラッキング駆動信号TDにより2軸機構のドライブコイルを駆動し、またスレッド駆動信号SLDをスレードモータに印加してスレッド機構23を制御する。2軸機構及びスレッド機構23の動作によりフォーカス及びトラッキング制御や、アクセス動作が実現される。
またサーボドライバ部27がスピンドル駆動信号SPDをスピンドルモータに印加することで、スピンドルモータ21が一定線速度(CLV)で回転駆動されることになる。
なお、各サーボ系におけるサーボゲイン特性はシステムコントローラ1からの制御信号CNTに基づいて可変制御される。
【0031】
再生RF信号はデコーダ部28でEFM復調、CIRC等のデコード処理されることで、16ビット量子化、44.1KHz サンプリングの、いわゆるデジタルオーディオ信号の状態に復調される。このデジタルオーディオ信号が、CD部2の端子29からの再生音声信号SOUTCとして、前述したようにファンクション切換回路6のTCD端子及び録音モード切換回路13のTDB端子に供給される。
またデコーダ部28ではCD90から読み込まれるTOC情報、サブコード情報も抽出されるが、これらの管理情報SGはシステムコントローラ1に供給される。またデコーダ部28では再生音声信号のレベルを検出し、オーディオレベル情報ALVとしてシステムコントローラ1に対して出力する。
【0032】
ここで、RF処理部25におけるディフェクト検出信号DF、ショック検出信号SDの生成動作例を説明する。
CD90に傷があった場合や、外部振動などによりトラックジャンプが生じてしまった場合、再生RF信号上には、図4(a)に示すような振幅の急激な立下りが観測されることになる。この再生RF信号の変化が再生音声としては音とびとして表われることになる。
またこれに伴いフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEも図4(b)(c)に示すように大きく変化する。
この再生RF信号、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEの変化を検出することで、図4(d)のような傷等の検出信号を得ることができる。
【0033】
ここで、このような再生RF信号、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEの変化は、CD90に傷があった場合と、外部振動などによりトラックジャンプが生じた場合のいづれの場合でも観測されるわけであるが、傷の場合と外部振動の場合とでは再生RF信号変動の周波数帯域が異なるものとなっている。即ち、傷による変動は1KHz近辺の周波数帯域にあらわれ、一方、外部振動により変動は300Hz近辺の周波数帯域にあらわれる。
【0034】
そこで、再生RF信号やトラッキングエラー信号TEを300Hzを中心周波数としたバンドパスフィルタに注入し、その出力について図4のような変動を検出し、図4(d)の検出信号を生成すれば、それを外部振動の検出情報となるショック検出信号SDとすることができる。
また、再生RF信号やトラッキングエラー信号TEを1KHzを中心周波数としたバンドパスフィルタに注入し、その出力について図4のような変動を検出し、図4(d)の検出信号を生成すれば、それを傷検出情報となるディフェクト検出信号DFとすることができる。
なお、検出方法はこれ以外にも各種考えられる。
【0035】
3.MD部の構成
MD部3の構成を図3に示す。
音声データの記録/再生メディアとなるMD91はMD部3内に装填される。このMD91は、記録/再生時にスピンドルモータ31により回転駆動される。光学ヘッド32はMD91に対して記録/再生時にレーザ光を照射することで、記録/再生時のヘッドとしての動作を行なう。即ち記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力をなし、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力をなす。
【0036】
このため、光学ヘッド32にはレーザ出力手段としてのレーザダイオードや、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。そしてレーザ出力端となる対物レンズは2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されており、また、光学ヘッド32全体はスレッド機構33によりディスク半径方向に移動可能とされている。
また、磁気ヘッド46はMD91を挟んで光学ヘッド32と対向する位置に配置されている。この磁気ヘッド46は供給されたデータによって変調された磁界を光磁気ディスクに印加する動作を行なう。
磁気ヘッド46は光学ヘッド32とともにスレッド機構33によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0037】
なお、スピンドルモータ31や光学ヘッド32、スレッド機構33などが搭載されたプレートはインシュレータ34を介してシャーシに固定されていることで或る程度の外部振動の影響をキャンセルすることができるようにされている。
【0038】
再生動作によって、光学ヘッド32によりMD91から検出された情報はRF処理部35に供給される。RF処理部35は供給された情報の演算処理により、再生RF信号(EFM信号)、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、グルーブ情報(MD91にプリグルーブ(ウォブリンググルーブ)として記録されている絶対位置情報)等を抽出する。そして、抽出された再生RF信号はエンコーダ/デコーダ部38に供給される。また、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号はサーボ回路36に供給され、グルーブ情報はアドレスデコーダ39に供給されて復調される。グルーブ情報からデコードされたアドレス情報、及びデータとして記録されエンコーダ/デコーダ部38でデコードされたアドレス情報などは管理情報SGとしてシステムコントローラ1に対して出力される。
【0039】
サーボ回路36にはRF処理部35からのトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEの他、システムコントローラ1からの制御信号CNTとしてスピンドルキック信号、スピンドルブレーキ信号、フォーカスサーチ指令、フォーカスサーボオン指令、トラッキングサーボオン指令、トラックジャンプ指令、アクセス指令等が供給される。またエンコーダ/デコーダ部38では再生RF信号から再生クロックを発生させるが、これを基準クロックと比較してスピンドルエラー信号SPEが生成される。このスピンドルエラー信号SPEもサーボ回路36に供給される。
【0040】
サーボ回路36はこれらの信号に基づいてフォーカス駆動信号FD、トラッキング駆動信号TD、スレッド駆動信号SLD、スピンドル駆動信号SPDを発生させ、サーボドライバ部37に供給する。
サーボドライバ部37ではフォーカス駆動信号FD、トラッキング駆動信号TDにより2軸機構のドライブコイルを駆動し、またスレッド駆動信号SLDをスレードモータに印加してスレッド機構33を制御する。2軸機構及びスレッド機構33の動作によりフォーカス及びトラッキング制御や、アクセス動作が実現される。
またサーボドライバ部37がスピンドル駆動信号SPDをスピンドルモータに印加することで、スピンドルモータ31が一定線速度(CLV)で回転駆動されることになる。
【0041】
再生RF信号はエンコーダ/デコーダ部38でEFM復調、CIRC等のデコード処理され、メモリコントローラ40によって一旦バッファRAM41に書き込まれる。なお、光学ヘッド32によるMD91からのデータの読み取り及び光学ヘッド32からバッファRAM41までの再生データの転送は1.41Mbit/secで行なわれる。
【0042】
バッファRAM41に書き込まれたデータは、再生データの転送が0.3Mbit/sec となるタイミングで読み出されエンコーダ/デコーダ部42に供給される。メモリコントローラ40はシステムコントローラ1からの動作制御信号CNTに基づいてバッファRAM41の書込/読出動作を実行する。
またMD91から読み込まれたTOC情報はバッファRAM41に記憶されることになるが、このバッファRAM41に保持されたTOC情報や、バッファRAM41におけるデータ蓄積量その他のステイタス情報となる管理情報SGはシステムコントローラ1に供給される。
【0043】
エンコーダ/デコーダ部42では、バッファRAM41から読み出されたデータに対して、変形DCT処理による音声圧縮に対するデコード処理等の再生信号処理を施し、16ビット量子化、44.1KHz サンプリングの、いわゆるデジタルオーディオ信号の状態に復調される。このデジタルオーディオ信号が、MD部3の端子43からの再生音声信号SOUTMとして、前述したようにファンクション切換回路6のTMD端子に供給される。
【0044】
MD91に対して録音動作が実行される際には、上述のように録音モード切換回路13を介してデジタル音声信号が端子44に供給されることになる。
端子44に供給された記録信号はエンコーダ/デコーダ部42に供給され、音声圧縮エンコード処理を施される。即ち変形DCT処理により約1/5のデータ量に圧縮される。
なおこのときエンコーダ/デコーダ部42は、入力された録音信号の音量レベルを検出し、オーディオレベル情報ALVとしてシステムコントローラ1に供給することができる。
【0045】
エンコーダ/デコーダ部42において圧縮された記録データはメモリコントローラ40によって一旦バッファRAM41に書き込まれ、また所定タイミングで読み出されてエンコーダ/デコーダ部38に送られる。
そしてエンコーダ/デコーダ部38でCIRCエンコード、EFM変調等のエンコード処理された後、磁気ヘッド駆動回路45に供給される。
磁気ヘッド駆動回路45は、エンコード処理された記録データに応じて、磁気ヘッド46に磁気ヘッド駆動信号を供給する。つまり、MD91に対して磁気ヘッド46によるN又はSの磁界印加を実行させる。また、このときシステムコントローラ1は光学ヘッド32に対して、記録レベルのレーザ光を出力するように制御信号CNTを供給する。
【0046】
4.ダビング時のディフェクト対応処理
以上のように構成された本実施例の録音装置においてCD90からMD91にダビング録音を行なっている場合に、CD90上の傷に起因する再生エラーが生じたときの処理について説明する。
CD90上に傷があった場合、その傷により再生RF信号が図4で説明したように乱れ、これによって音とびが発生する。ダビング時にはその再生音声がMD91に録音されているため、CD90側の傷で再生音声に音とびが発生すると、それがそのままMD91に録音されてしまい、つまり適正な音声のダビングがなされないものとなってしまう。
【0047】
傷による音とび、即ちトラッキング外れやフォーカス外れ等を防止するには、サーボゲインを下げることが有効であるが、サーボゲインは通常状態で安定した再生動作が実行されるように設定されているため、常にサーボゲインを下げたままにしておくと、通常状態でのサーボ動作が不安定になる。そこで、本実施例ではシステムコントローラ1が図6の処理により傷に対応する動作制御を行なうようにしている。
【0048】
CD部2における再生を行ない、かつMD部3で録音動作を実行するダビング中においては、システムコントローラ1はサーボ回路26に対してノーマル状態のサーボゲインを設定制御している(F101)。ノーマル状態のサーボゲイン特性及び位相特性は例えば図5の▲1▼のように設定される。
そしてシステムコントローラ1はデコーダ部28から得られるサブコード情報から、CD90の再生データのアドレスの連続性を監視している(F102)。
傷や外乱などにより音とびが発生する場合は、再生データのアドレス上ではアドレスの不連続として検出される。
【0049】
アドレス不連続が検出されたら、システムコントローラ1はディフェクト検出信号DFが得られたか否かを判別する(F103)。ここでディフェクト検出信号DFが得られた場合には、その音とびはCD90上の傷に起因したものと判断できる。そこでサーボ回路26に対してサーボゲインを例えば図5の▲3▼に示すようにダウンさせる指令をおくり(F104)、サーボゲインを下げた状態で再生のリトライ動作を実行させる(F105)。
【0050】
リトライ動作については図9に示されるが、基本的にはアドレス不連続が発生したポイントを含む位置の再生動作をやり直させることになる。また同時にMD部3において録音動作が行なわれており、このときアドレスが不連続な音声データが録音された状態になっているため、このリトライ処理とはMD部3の録音リトライも実行することになる。
なおステップF103でディフェクト検出信号DFが得られなかった場合は、他の原因に起因する音とびであると判断して、そのままリトライ動作に入る (F103→F105) 。ただし、外乱等に起因する音とびである場合については図7で後述する。
【0051】
ステップF105のリトライ処理例を図9で説明する。図9(a)はCD部2に対する処理、図9(b)はMD部3に対する処理を示している。
まずCD部2に対しては、システムコントローラ1は光学ヘッド22を、アドレス不連続が発生した箇所が含まれるトラック(曲)の先頭位置にアクセスさせる(F401)。
一方、このときMD部3に対しても、録音動作を中断させ、光学ヘッド32及び磁気ヘッド46を、現在録音中であったトラック、つまり音とびが発生した曲の録音部分の先頭位置にアクセスさせる(F411)。
【0052】
そしてCD部2ではトラックの先頭位置から再生を開始させ(F402)、またMD部3ではトラックの先頭位置からの録音を実行させる(F412)。
つまり、CD側で音とびが発生したトラックについて、その曲の始めからダビングをやり直させることになる。
【0053】
このようにリトライ動作が進んでいき、音とびが発生した箇所について、今度は音とびが検出されなかったら (F403→YES,F413→YES)、リトライ成功として、通常の処理に戻り、そのままダビング動作を続行する。即ち図6の処理ではステップF101に戻ってサーボゲインをノーマル状態に戻し、ダビングを続行することになる。
【0054】
ところが、このリトライ動作によっても再びアドレス不連続、つまり音とびが発生した場合は、システムコントローラ1はそのトラックのトラックナンバを記憶し (F403→F404) 、CD部2に対しては光学ヘッド22を次のトラックの先頭位置にアクセスさせ(F405)、その位置からCD90の再生動作を続行させる。またMD部3に対しては、そのまま録音を続行するが、CD部2の光学ヘッド22のアクセスに伴って、そのタイミング以降は供給される音声データを次のトラックとして録音管理することになる。
【0055】
このように処理により、CD90上の傷に起因して音とびが発生した場合は、サーボゲインが下げられてリトライ動作が実行されることになり、これによりリトライ時のCD部2の再生動作としては傷に追従しにくいものとなって音とびのない再生データを抽出する可能性は著しく高いものとなる。従ってダビングの失敗がそのままMD91上に残されることは滅多になくなる。
【0056】
5.ダビング時のショック対応処理
また本実施例の録音装置においてはCD90からMD91にダビング録音を行なっている場合に、CD90に加えられた外部振動、ディスク面振れ、偏芯などに起因する再生エラーが生じたときもリトライ動作によりダビング失敗を解消するようにしている。
外部振動などにより再生RF信号が図4で説明したように乱れると、これによって音とびが発生する。そしてダビング時にはその再生音声がMD91に録音されているため、外部振動で再生音声に音とびが発生すると、それがそのままMD91に録音されてしまい、つまり適正な音声のダビングがなされないものとなってしまう。
【0057】
傷による音とびの場合とは逆に、外部振動等に起因するトラッキング外れ、フォーカス外れ等を防止するには、サーボゲインを上げることが有効である。
例えばインシュレータ24の作用により外部振動の高域成分は減衰されるとすると、外部振動に対してはフォーカスサーボ及びトラッキングサーボの低域ゲインを上げることが有効である。また面振れにはフォーカスサーボの低域ゲインを上げること、偏芯にはトラッキングサーボの低域ゲインを上げることが有効である。
【0058】
そこで、本実施例ではシステムコントローラ1が図7の処理により外部振動等に対応する動作制御を行なうようにしている。
CD部2における再生を行ない、かつMD部3で録音動作を実行するダビング中においては、システムコントローラ1はサーボ回路26に対してノーマル状態のサーボゲインを設定制御している(F201)。ノーマル状態のサーボゲイン特性及び位相特性は例えば図5の▲1▼のように設定される。
【0059】
そしてシステムコントローラ1はデコーダ部28から得られるサブコード情報から、CD90の再生データのアドレスの連続性を監視している(F202)。上述のとおり、傷や外乱などにより音とびが発生する場合は、再生データのアドレス上ではアドレスの不連続として検出される。
アドレス不連続が検出されたら、システムコントローラ1はショック検出信号SDが得られたか否かを判別する(F203)。ここでショック検出信号SDが得られた場合には、その音とびは外部振動等に起因したものと判断できる。そこでサーボ回路26に対してサーボゲインを例えば図5の▲2▼に示すようにアップさせる指令をおくり(F204)、サーボゲインを上げた状態で再生のリトライ動作を実行させる(F205)。リトライ動作については図9で説明したとおりである。
【0060】
つまり本実施例では外部振動等に起因して音とびが発生した場合は、サーボゲインが上げられてリトライ動作が実行されることになり、これによりリトライ時のCD部2の再生動作としては外部振動に追従しにくいものとなって音とびのない再生データを抽出する可能性は著しく高いものとなる。従ってこの場合もダビングの失敗がそのままMD91上に残されることは滅多になくなる。
【0061】
6.音とび予防処理
ところで、本実施例のような複合機器で、スピーカ10も同一筺体内に形成されている場合は、スピーカ出力音圧による振動が、CD90の再生動作に対する外部振動として影響を与えてしまう。例えばかなりの大音量が出力された場合、それによってCD部2でトラッキング外れが発生し音とびが生じてしまうことが考えられる。そこで、本実施例ではダビング中やCD再生中において図8のような音とび予防処理を実行するようにしている。
【0062】
ダビング動作などでCD部2での再生動作が実行されている間、システムコントローラ1はデコーダ部28もしくはエンコーダ/デコーダ部42からのオーディオレベル情報ALVを逐次検出している(F301)。
またシステムコントローラ1は、操作部5からの操作に応じて音量調節部8における抵抗値の制御を行なっており、即ち音量調節部8における現在の抵抗値を常に把握している。このため、現在のオーディオレベル情報ALVと音量調節部8における抵抗値から、その時点でのスピーカ出力レベルSPLを算出できる(F302)。
【0063】
スピーカ出力レベルSPLを算出したら、そのスピーカ出力レベルSPLと予め決めておいた設定値と比較する(F303)。そしてスピーカ出力レベルSPLが設定値を越えていなければ特に大音量出力がなされないレベルであるとしてサーボゲインはノーマル状態(図5の▲1▼)に設定する(F305)。ところがスピーカ出力レベルSPLが設定値を越える場合は、そのときの振動が外部振動として無視できない状態になることを予測して、サーボゲインを図5の▲2▼のようにアップさせ、光学ヘッド22で振動によるトラッキング外れ、フォーカス外れ等が起こりにくいようにする。
このような音とび予防処理により、ダビング失敗はより有効に解消されることになる。
【0064】
7.ダビング終了後の処理
以上の図6〜図9で説明したように、本実施例ではダビング時において傷や外部振動による音とびが発生した場合にサーボゲインを変化させたうえでリトライ動作を実行することや、スピーカ出力音圧による音とびを予防する処理が行なわれることで、ダビング失敗を殆どなくすことができるが、場合によってはCD90における非常に大きな傷などで、サーボゲインを変化させたうえでのリトライ動作によっても音とびが発生してしまう場合がある。
【0065】
図9のリトライ動作において説明したように、このような場合システムコントローラ1はリトライ失敗したトラックのトラックナンバを記憶し、次のトラックのダビングに移行するようにしているが、このような事態に対処するためのダビング終了後の処理について2通りの例を図10、図11で説明する。
【0066】
リトライ動作によっても音とびが解消できなかったトラック(楽曲)については、ダビング終了時点で、そのリトライ動作を実行した曲の一部がMD91に録音されたままとなっている。つまりダビング失敗した曲がそのままMD91に残されている。
そこで図10の処理例では、このようなダビング失敗した曲を自動的に削除するようにしている。
【0067】
即ちダビング終了時点でシステムコントローラ1は内部RAMを確認し、リトライ失敗したトラックのトラックナンバが記憶されているか否かを確認する(F501,F502) 。そしてリトライ失敗したトラックが存在した場合は、そのようなトラックは全て消去するようにしている(F503,F504) 。なお、消去をした際には、その旨を表示部4に表示し、ユーザーにダビング失敗した曲があったことを認識させる。
ミニディスクシステムにおいては、録音されたトラックの管理は、ユーザーTOCといわれる管理情報において行なわれており、ユーザーTOCに各トラックナンバに対応するMD91上のアドレスが記されている。従ってトラック消去はU−TOCデータの所要箇所の更新動作を行なうのみでよい。
【0068】
次に図11の処理例では、ダビング失敗した曲についてはユーザーに消去の可否を選択させるようにしている。
即ちダビング終了時点でシステムコントローラ1は内部RAMを確認し、リトライ失敗したトラックのトラックナンバが記憶されているか否かを確認する(F601,F602) 。そしてリトライ失敗したトラックが存在した場合は、そのようなトラックについて1つづつ表示部4で提示し、そのトラックを消去するか否かをユーザーに選択させる(F603,F604) 。そして或るトラックが提示された際にユーザーは、そのトラックを残しておきたければ保存操作を行ない、一方、消去したければ消去操作を行なう(F605)。そして消去操作が行なわれた場合のみシステムコントローラ1はそのトラックを消去すべくユーザーTOCを更新する(F606)。
【0069】
リトライ失敗したトラックが複数存在した場合は、1トラックづつこのような処理を行ない、全てのリトライ失敗トラックにたいして処理が終った場合、もしくはもとからリトライ失敗したトラックが存在しなかった場合に、ステップF603から処理を終了することになる。
【0070】
図10の例ではダビング失敗したトラックは自動的に消去されるため、ダビング終了したあとユーザーにとっては何の操作をしなくとも、MD91の録音内容の整理がなされるという利点がある。
一方図11の例ではユーザーの意志を確認できるため、ユーザーの都合に応じたMD91の録音内容の整理が行なわれるという利点がある。
【0071】
II.第2の実施例
1.CD部の構成
次に本発明の第2の実施例を説明する。なおこの実施例は上記第1の実施例とCD部2の構成において異なる点があるものであり、他の構成部位は同一とし、重複説明を省略する。
【0072】
この実施例のでのCD部2の構成は図12に示される。このCD部2において前述した図2のCD部2と異なる点は、デコーダ部28の出力がメモリコントローラ50を介して一旦バッファRAM51に記憶され、所定タイミングで読み出されて端子29から再生音声信号SOUTCとして出力される点である。
このバッファRAM51は、図3のMD部3におけるバッファRAM41と同様の機能のものであり、即ち耐震機能を向上させるためのものである。
つまり、CD90からの再生データは高速レートで読み出されてバッファRAM41に書き込まれ、低速レートで読み出されて出力されることにより、常時或る程度の再生データ量が蓄積され、これによってトラッキング外れなどが発生しても再生音声信号SOUTCとしては音とびが発生しないようにしているものである。
【0073】
この実施例でもサーボゲインの処理については上記第1の実施例と同様である。ただし、ダビング時のリトライ処理については、バッファRAM51を備えることによりCD部2側の処理のみでよいことになる。つまり、図6、図7の処理によってリトライ処理を実行する際にも、MD部3側については特別なリトライ制御を行なわずに、そのまま録音動作を続けさせておけばよい。
【0074】
2.リトライ処理
この実施例のリトライ動作処理を図13に示す。
図6のステップF105もしくは図7のステップF205としてリトライ処理を行なう場合は、システムコントローラ1はCD部2に対して、光学ヘッド22を、アドレス不連続が発生した箇所の少し前のアドレス位置にアクセスさせる(F701)。例えばアドレス不連続箇所の直前位置とすればよい。
そしてその位置から再生を開始させ(F702)、再生データをバッファRAM51に蓄積していく。
【0075】
そしてバッファRAM51内で蓄積されていたデータ(リトライ前のデータ)と繋ぎあわせる。即ち、リトライ動作によりアドレス不連続箇所が正確に読み込めた場合は、バッファRAM51内でデータを適正につなぐことができ、読出タイミングに至ったら、そのデータが出力されていく(F704,F705) 。
【0076】
つまりこの場合、アドレス不連続が生じた場合は、バッファRAM51内においてその出力タイミングに至る前のリトライ再生動作で不連続点が解消されるものとなり、CD部2からの出力音声信号SOUTCとしては、もとからアドレス不連続が生じていなかった場合と同様の状態となっている。
従ってMD部3では供給された音声データをそのまま録音処理していればよく、特別なリトライ動作は不要となる。
【0077】
なお、リトライ動作によってもアドレス不連続が解消されなかった場合は、MD91において音とびが発生した曲が録音されてしまうことになるが、この場合はステップF706でそのトラックナンバを記憶するようにしておく。
そして第1の実施例において説明したダビング終了後の処理として、そのトラックを自動的に消去したり、もしくはユーザーの判断に応じて消去か保存を行なうようにすればよい。
【0078】
以上CDプレーヤ部とMDプレーヤレコーダ部を備えたダビング装置としての第1、第2の実施例を説明したが、本発明は実施例のCDプレーヤ部やMDプレーヤレコーダ部の構成や、システムコントローラの処理方式に限定されず、各種変形例が考えられることはいうまでもない。
また本発明のダビング装置としては、MDプレーヤ部とMDレコーダ部を備えた装置、DATプレーヤ部とMDレコーダ部を備えた装置など、他の形態でも実現できる。
またスピーカ出力レベルを音圧センサで検出して、音とび予防処理をしてもよい。
また外部振動をGセンサなどを用いて検出し、傷か外乱かの判別を行うようにしてもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のダビング装置は、ダビング動作時に、第1の記録媒体の再生動作についてアドレス連続判別手段によってアドレス不連続が判別された場合に、サーボゲイン特性可変手段によってサーボゲイン特性を変化させるとともに、少なくともアドレス不連続地点を含むデータの再生動作を再実行させ、その再実行による再生データを用いて、アドレスの連続したデータが、記録部において第2の記録媒体に記録されるように制御を行なうようにしているため、外部振動や傷などにより再生エラーが生じても、殆どの場合はそれが録音側にそのままのこされてダビング失敗となることが解消されるという効果がある。
【0080】
特に再生部が、第1の記録媒体から読み出されたデータを一旦記憶手段に蓄積し、所定タイミングで読み出して記録部に供給するように構成されている場合は、アドレス不連続地点を含むデータの再生動作の再実行制御を行なって記憶手段内でアドレスの連続したデータを形成して記録部に供給することで、ダビング失敗を適切に解消できる。
また、アドレス不連続地点を含むデータの再生動作の再実行が行なわれる際に、その再実行開始位置を、アドレス不連続地点を含むトラックの先頭位置に制御するとともに、記録部における記録動作を、記録中のトラックの先頭位置から再開させるように制御することでも、ダビング失敗を適切に解消できる。
また、もしこのようなリトライ動作を行なってもアドレス不連続地点が解消されなかった場合は、そのトラックをダビング失敗として消去できるようにすることで、録音した記録媒体における内容整理が容易に実行できるという効果も生ずる。
【0081】
また再生部には、再生している第1の記録媒体上における欠陥を検出することのできる欠陥検出手段を備えるようにし、制御手段は、アドレス連続判別手段によってアドレス不連続が判別され、かつ欠陥検出手段によって第1の記録媒体上の欠陥の存在が検出された場合は、サーボゲイン特性可変手段に対してサーボゲインを低下させるように制御を行なうことで、傷などの欠陥による音とびでダビング失敗となることを有効に防止できる。
【0082】
また再生部には、再生中の第1の記録媒体に加えられる振動を検出することのできる振動検出手段を備えるようにし、制御手段は、アドレス連続判別手段によってアドレス不連続が判別され、かつ振動検出手段によって第1の記録媒体に対して振動が加えられた状態が検出された場合は、サーボゲイン特性可変手段に対してサーボゲインを増大させるように制御を行なうことで、外部振動等による音とびでダビング失敗となることを有効に防止できる。。
【0083】
またスピーカ手段からの音声出力レベルの検出値に応じて、サーボゲイン特性可変手段に対してサーボゲイン特性を変化させる制御を行なうようにすることで、スピーカ出力による振動での音とびの発生を予防でき、これもダビング失敗の解消に有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のダビング装置のブロック図である。
【図2】第1の実施例のダビング装置のCD部のブロック図である。
【図3】実施例のダビング装置のMD部のブロック図である。
【図4】実施例のダビング装置のショック検出及びディフェクト検出の説明図である。
【図5】実施例のダビング装置のサーボゲイン特性の説明図である。
【図6】実施例のダビング装置のディフェクト対応処理のフローチャートである。
【図7】実施例のダビング装置のショック対応処理のフローチャートである。
【図8】実施例のダビング装置の音とび予防処理のフローチャートである。
【図9】第1の実施例のダビング装置のリトライ処理のフローチャートである。
【図10】実施例のダビング装置のダビング終了時処理のフローチャートである。
【図11】実施例のダビング装置のダビング終了時処理のフローチャートである。
【図12】第2の実施例のダビング装置のCD部のブロック図である。
【図13】第2の実施例のダビング装置のリトライ処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 システムコントローラ
2 CD部
3 MD部
4 表示部
5 操作部
22,32 光学ヘッド
25,35 RF処理部
26,36 サーボ回路
28 デコード部
38 エンコード/デコード部
40,50 メモリコントローラ
41,51 バッファRAM
42 エンコード/デコード部
46 磁気ヘッド
Claims (9)
- 第1の記録媒体からデータを再生する再生手段と、
上記再生手段により再生されたデータを第2の記録媒体に記録する記録手段と、
上記再生手段により再生されたデータのアドレスの連続性を判別するアドレス連続判別手段と、
上記アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続と判別された場合、当該アドレス不連続の発生原因を検出する検出手段と、
上記再生手段による再生動作に必要なサーボ動作を実行するサーボ手段と、
上記サーボ手段におけるサーボゲイン特性を可変するサーボゲイン特性可変手段と、
上記第1の記録媒体からの再生データを第2の記録媒体に記録するダビング動作時に、上記アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続と判別された場合、上記検出手段による検出結果に基づき上記サーボゲイン特性可変手段によってサーボゲインを可変するとともに、少なくともアドレス不連続地点を含むデータの再生動作を再実行させ、当該再実行が行われる際に、上記アドレス連続判別手段により再びアドレス不連続が判別された場合は、当該アドレス不連続地点を含むトラック番号を記憶し、上記ダビング動作終了時に上記第2の記録媒体において、当該記憶されたトラック番号のトラックデータを消去処理させる制御手段とを備えるダビング装置。 - 上記再生手段により上記第1の記録媒体から再生されたデータを蓄積する蓄積手段をさらに設け、
上記制御手段は、アドレス不連続地点を含むデータの再生動作の再実行制御を行った場合に、当該再実行による再生データを用いて上記記憶手段においてアドレスの連続したデータを形成し、当該アドレスの連続したデータを上記記録手段に供給することを特徴とする請求項1記載のダビング装置。 - 上記制御手段は、アドレス不連続地点を含むデータの再生動作の再実行が行われる際に、その再実行開始位置を、アドレス不連続地点を含むトラックの先頭位置に制御するとともに、上記記録手段における記録動作を記録 中のトラックの先頭位置から再開させるように制御することを特徴とする請求項1記載のダビング装置。
- 上記検出手段は、上記第1の記録媒体における欠陥を検出する欠陥検出手段であり、
上記制御手段は、上記アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続が判別され、かつ上記検出手段によって第1の記録媒体における欠陥が検出された場合、上記サーボゲイン特性可変手段によりサーボゲインを低下させることを特徴とする請求項1記載のダビング装置。 - 上記検出手段は、上記第1の記録媒体に加えられる振動を検出する振動検出手段であり、
上記制御手段は、上記アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続が判別され、かつ上記検出手段によって第1の記録媒体に加えられる振動が検出された場合、上記サーボゲイン特性可変手段によりサーボゲインを増大させることを特徴とする請求項1記載のダビング装置。 - 上記第1の記録媒体から再生されたデータを音声として出力するスピーカ手段と、
上記スピーカ手段からの音声出力レベルを検出する音声レベル検出手段とを備え、
上記制御手段は、上記アドレス連続判別手段によってアドレスの不連続が判別され、かつ上記音声レベル検出手段による検出値が設定値を越える場合、上記サーボゲイン特性可変手段によりサーボゲインを増大させることを特徴とする請求項1記載のダビング装置。 - 上記制御手段は、複数のトラックの上記ダビング動作が終了した後、上記記憶されたトラック番号のトラックデータの消去処理を実行することを特徴とする請求項1記載のダビング装置。
- 上記記憶されたトラック番号のトラックデータの消去処理は、上記ダビング動作終了時に自動的に行われることを特徴とする請求項7記載のダビング装置。
- 上記記憶されたトラック番号のトラックデータの消去処理は 、ユーザによる操作に基づき行われることを特徴とする請求項7記載のダビング装置。
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