JP3625239B2 - 液相拡散接合による管の接合方法 - Google Patents

液相拡散接合による管の接合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接合対象の相対する金属管の端面間に非晶質金属を介在させて突き合わせ、加熱するとともに非晶質金属を管端面で押圧することによって、相対する管を拡散接合する液相拡散接合による管の接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば一般鋼管の接合方法としては、従来、各種の溶接方法が一般に適用されているが、近年、溶接方法に代わって液相拡散接合方法の適用が検討されている。
この液相拡散接合方法は、接合しようとする材料の間に箔、粉末、あるいはメッキ等の形態で被接合材よりも融点の低い共晶組成を有する合金を介在させて加圧し、挿入合金の液相線直上の温度に接合部を加熱することによってこの合金を溶融、等温凝固させる接合法であり、固相接合法の1種と考えられている。
【0003】
この液相拡散接合方法は、比較的低い加圧力で短時間で強固な接合部が得られるものであり、従来からステンレス鋼、高ニッケル鋼等の合金鋼の接合、あるいはこれらの合金鋼と炭素鋼の接合に広く用いられているものであるが、最近では、一般鋼を対象とした接合方法としても適用が試みられており、中でも各種の鋼管の接合方法として注目されてきている。
【0004】
この液相拡散接合方法は、接合材層が接合対象の管外周面より外方に盛り上がらない接合を可能とするため、例えば、地中に打ち込まれる鋼管杭を得るための接合方法としても好適である。
この液相拡散接合方法においては、接合材として非晶質金属(箔)が用いられており、液相拡散接合に際しては突き合わせ端面を隙間なく接触させ、軸心が平行で一致するように調心する必要がある。
【0005】
これら管端面の調心は、一般の溶接方法の場合に比較してはるかに高い精度で行われる必要がある。
(参考技術 日本機機械学会 第1回材料、材料加工技術講演会講演論文 509 「アモルファス接合システム」1993年11月19日 P329)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上記のような要請に応えられる調心手段がなく、調心作業負担が大きく、また、図10に示すような接合対象の管PaとPbの管端の突き合わせ面において、目違いaや図11に示すような管PaとPbの管端の突き合わせ面において、軸心ずれbが生じ、切り欠き効果により、調心精度が十分ではなく、引張軸力、あるいは曲げ負荷時の接合部強度が低下するという問題や、接合面に間隙を生じ、十分な接合材による液相の浸透が接合面全体に対して十分に得られず、強固な接合部が得られないという問題を生じることがあり、液相拡散接合の長所を十分に享受できないことが多かった。
【0007】
本発明は、金属管を液相拡散接合方法により接合する場合に、目違いや段差、軸心のずれの発生を簡易な調心手段で極力最小化して、強固な接合部を容易に安定確保できる、液相拡散接合による管の接合方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の発明は、接合対象の相対する管端面間に非晶質金属を介在させ、加熱するとともに非晶質金属を管端面で押圧する管の液相拡散接合方法において、管の外径より大径のスリーブを用い、このスリーブ内に、相対する管の管端部をスリーブ内面に接触させながら挿入して突き合わせ、加熱すると同時に管端面を介して非晶質金属を押圧し、管端面と非晶質金属を密着させることによって、調心性を高めながら相対する管端面を液相拡散接合することを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
【0009】
第二の発明は、接合対象の相対する管端面間に非晶質金属を介在させ、加熱するとともに非晶質金属を管端面で押圧する管の液相拡散接合方法において、管の外径より大径のスリーブを用い、このスリーブ内に、予め加熱した相対する管の管端部をスリーブ内面に接触させながら挿入して突き合わせ、同時に管端面を介して非晶質金属を押圧し、管端面と非晶質金属を密着させることによって、調心性を高めながら相対する管端面を液相拡散接合することを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
【0010】
第三の発明は、第一の発明において、用いるスリーブが、管の熱膨張係数より小さい熱膨張係数を有するものであることを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
第四の発明は、第一の発明または第三の発明において、用いるスリーブが、熱膨張を吸収しスリーブ内径の拡張を抑制するスリットを有するものであることを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
【0011】
第五の発明は、第一の発明〜第四の発明において、接合対象の管をスリーブ内に挿入した状態で管端部を加熱して圧縮力を付与し、該管端部を増肉してスリーブ内面に密に接触させて液相拡散接合することを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
第六の発明は、第一の発明〜第5の発明において、用いるスリーブが円周方向で分割されており、接合対象の管に対して着脱自在なものであることを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
【0012】
第七の発明は、第一の発明〜第六の発明において、用いるスリーブが、両端側から中央部側に縮径されたものであり、このスリーブの両端側から接合対象の管端部を圧入し、管端面に面圧を付与することを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
第八の発明は、第一の発明〜第七の発明において、用いるスリーブが、溶融した非晶質金属と接触しないように内面の円周方向に凹状溝を形成したものであることを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
【0013】
第九の発明は、第一の発明〜第七の発明において、用いるスリーブ内面と接合部外表面間に、溶融した非晶質金属を接着しない材料を介在させて液相拡散接合することを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
第十の発明は、第一の発明〜第九の発明において、用いるスリーブが加熱装置を内蔵したものであることを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属管を液相拡散接合方法により接合する場合に、目違いや段差、軸心のずれの発生を極力最小化して、強固な接合部を安定確保するために、接合対象の管より大径のスリーブを用い、このスリーブ内に、相対する管端部を挿入して調心(目違いや段差、軸心のずれを修正することを総称して以下「調心」と称する。)しながら突き合わせることができるようにしたことを特徴とするものである。
すなわち、接合対象の管端部を、スリーブ内にその内面をガイド面として作用させながら挿入して突き合わせ、液相拡散接合の際に軸方向の圧縮応力または加熱により、半径方向に膨張してスリーブ内面に密に接触することにより、接合対象の管の端面間において、調心が簡易にかつ精度よく実現できるようにしたものである。
【0015】
管と管とを液相拡散接合により接合する際の施工上の重要課題は、前記したように相対する管の端面間に目違いや段差、軸心のずれがない状態で、非晶質金属を介在させた接合面に間隙がなく、面圧を負荷して管端面と非晶質金属の密着性を十分に確保することである。
したがって、接合対象の相対する管の外径を、接合面でできるだけ限り一致させ、目違いや段差をなくすとともに軸心が平行で一致するようにすることが望ましい。
第一の発明では、これらの条件を満足させるための基本構成を要件とするものである。
【0016】
図1(a)は、第一の発明による管の液相拡散接合例の基本形を概念的に示したもので、ここには、接合対象の管1aと1bの管端部をスリーブ2内に挿入し、管1aと管1bの管端を、非晶質金属(箔)3を介してスリーブ2内で突き合わせた状態を示しており、この状態で、スリーブの外側に配設した加熱装置4により接合部を900〜1200℃に加熱しながらクランプ機構5cと圧縮応力付与機構5pを備えた押圧装置5で矢印方向に圧縮応力を付与して、非晶質金属3を溶融して管1aと1bを接合するように構成されたものが示されている。
【0017】
加熱装置(手段)4としては、各種考えられるが、接合部を簡易に均一加熱できる誘導加熱装置、通電加熱装置、電熱ヒーター等の電気加熱装置が適性が高く、スリーブ2の外周に配設するのが一般的と言えるが、スリーブ2に内蔵させたり、スリーブ自体を発熱体として用いてもよい。
加熱温度は、非晶質金属3が溶融し、接合対象の管の特性が低下しない範囲で、管の材質、非晶質金属の種類、接合部に要求される特性等を考慮して選択するが、通常の場合は900〜1200℃である。
接合部での圧縮応力負荷は通常の場合1〜100MPa(メガパスカル)で十分であり、そのための押圧装置5は、クランプ機構5cと圧縮応力付与機構5pを備えた簡易な構造のものを用いて十分である。
【0018】
スリーブ2は、金属、セラミックス、あるいはサーメット等で、上記加熱温度、圧縮応力負荷領域で容易に変形、破壊しないものが適性がある。
接合完了後、スリーブは、そのまま補強材として使うことも可能であるし、コスト削減、外面平坦化を目的に除去してもよい。
【0019】
第二の発明では、図1(b)に示すように、スリーブ内に挿入前に接合端面を含む管端部を予め900〜1200℃に加熱しておき、スリーブ内に挿入し、非晶質金属、および母材(管端部)を液相拡散に十分な温度に保ったまま、接合面を加圧することにより、調心された状態で接合が完了する。
かかる接合方法においては、加熱部を冷却後、熱収縮により比較的容易にスリーブを除去することもできる。
管端部のみの加熱により、加熱装置、加熱方法の選択肢が広がるメリットがある。
【0020】
第三の発明では、スリーブ2の熱膨張係数を管1a,1bの熱膨張係数より小さく選択することにより、圧縮応力負荷による接合部(突き合わせ管端部を指し以下「接合部」という。)の半径方向の拡径に加え、管とスリーブの半径方向熱膨張差により、接合部(管端部)の外周面がスリーブ2内面に接触しやすく、大きな圧縮応力を負荷することなく調心を可能とする。
この場合、スリーブ2の熱膨張係数は、接合部の熱膨張係数より小さければよい。
【0021】
第四の発明では、図2に示すように、例えば接合対象の管と同系の材質からなるスリーブ2を用いる場合、スリット2s付きスリーブを用いることにより、スリーブの温度の上昇を接合部の温度の上昇より小さくして、接合部とスリーブ2の半径方向熱膨張差により、接合部外周面がスリーブ2内面に接触しやすく、大きな圧縮応力を負荷することなく調心を可能とする。
スリット2sは、円周方向、軸方向何れの方向に形成してもよい。このスリットによるトータル空間はスリーブ2に要求される強度と材質を考慮して接合対象の管の熱膨張係数、加熱温度等、圧縮応力等の条件を考慮して決めることができる。
【0022】
第五の発明では、図4に示すように、非晶質金属3を液相拡散させるために900〜1200℃の温度領域で、加熱装置5により加熱した際、圧縮応力負荷を大きめにして非晶質金属3を接合端面に密着させ、管1a,1bの端部の熱間据え込み成形を行うことで管端部を増肉し、この増肉部1zの外周面をスリーブ2の内面に密に接触させることにより、調心を可能とする。
【0023】
第六の発明では、図3に示すように、スリーブ2を周方向に2aと2bに分割して接合部に対して着脱自在とし、液相拡散接合終了後、スリーブ2を接合部から取り外す作業を容易にする。
また、スリーブ2を分割し、このスリーブの内径を調節自在にすることによって圧縮応力負荷を調節することもでき、相対する管端面を突き合わせてからスリーブを装着することにより、管端部を一体スリーブに挿入する場合より、圧縮応力負荷を大幅に小さくすることができる。
また、接合される管端部にスリーブを嵌合後、管端面を密着させることにより自動調心効果が得られる。
ここでは、スリーブを2分割した場合を示しているが、3〜4分割してもよい。
【0024】
第七の発明では、第一の発明〜第六の発明において、図5(a)に示すように、用いるスリーブ2が、両端側から中央部側に縮径したものを用いるものであり、このスリーブの両端側から接合対象の管1a,1bの端部を矢印方向から圧入して、図6(a)に示すように管端部を縮径させ、管端面に面圧を付与して加熱することにより、スリーブ2内面に沿った形状に成形することができ、真円度によらず、目違いを著しく軽減し(調心)、加熱して非晶質金属3による液相拡散接合を行うことができる。
【0025】
中央部を縮径していないスリーブを用いた場合よりさらに調心性を高めることができる。
縮径による残留応力は、接合時の加熱によって解放することができる。
なお、管の特性を損なわないための縮径量は、管の外径に対して0〜2.5%、より好ましくは0%〜0.5%の範囲である。
【0026】
また、図5(b)、図6(b)に示すように、第2の発明を適用して、予め加熱され膨張した相対する管の管端部1pを中央部が縮径されたスリーブの両側から圧入して、熱間状態で据え込みを行うようにしてもよい。
この場合には、管端部1pを膨張した状態で圧入することになるが、熱間状態であるため、管端部1pが容易に縮径されるので、圧入荷重を軽減することができる。
【0027】
中央部で縮径していないスリーブを用いる場合は、スリーブの内径を管の外径より大きくしているため、前記図1(b)の場合では、接合が完了後の接合部の外径は、冷却後においても管の外径より大きくなる場合が多い。
しかし、中央部が縮径しているスリーブを用いることにより、接合部の外径の拡大を考慮した縮径量を選択すれば、管の外径に近い外径の接合部を容易に得ることができる。
管端部を予め加熱しておく場合の液相拡散接合では、拡散温度には管端部1pの潜熱を利用するため、加熱幅は十分確保しておく必要がある。
非晶質金属は加熱時から接合面に付着させておく方法もあるが、加熱により非晶質金属自身が酸化し、十分な拡散接合が行われないため、例えば図5(b)に示すように、スリーブ2の中央部に非晶質金属3を挟み込んで両側から加熱した管端部の接合面を密着させる方法が有効である。
【0028】
第八の発明では、第一の発明〜第七の発明において、図7に示すように、用いるスリーブ2が溶融状態の非晶質金属3と接着する懸念がある材料で形成されている場合に、接合部近傍の内面に凹状の溝6を形成して、スリーブ2と溶融状態の非晶質金属3が接触して接着するのを防止する。
【0029】
第九の発明は、第一の発明〜第七の発明において、図8に示すように、用いるスリーブ2内面と接合部外表面間に溶融した非晶質金属3を接着しない材料7(例えばセラミックス等)を介在させて、スリーブ2と溶融状態の非晶質金属3が接着するのを防止する。
この場合の介在とは、溶融した非晶質金属を接着させない材料をスリーブに被覆(含む塗装、接着)したり、固体状にして嵌め込む等を意味する。
この材料7は、溶融した非晶質金属3を接着させない材料の外側に加熱装置5として誘導加熱装置を配設する場合は、加熱特性を阻害しない導電性のあるものが好ましい。
【0030】
第十の発明は、第一の発明〜第九の発明において、図9に示すように、例えば電気加熱装置8を内蔵したスリーブを用い、構造を簡易にするものである。
この第十の発明を第二の発明で適用する場合は、加熱されてからスリーブに挿入した管端部の温度が液相拡散接合のための最適温度以下にならないように、保温または昇温のために有効である。
【0031】
なお、本発明でいう液相拡散接合とは、接合面において50%以上が液相拡散接合であることを意味し、拡散ろう付け接合をも含むものである。
また、本発明は、各種の金属管を接合対象とし、接合材として主として非晶質金属箔を用いるものであるが、箔を積層して用いることもあり、その種類、形状や、管端面の接合面(開先)形状を特定するものではない。
【0032】
【実施例】
本発明の各発明の実施例について以下に説明する。実施条件および実施結果を表1および表2に示した。ここでは、実施結果の評価は接合部の引張破断強度(kN)で表す。
なお、この各実施例では、加熱装置として誘導加熱装置を用いた。
【0033】
【表1】
Figure 0003625239
【0034】
【表2】
Figure 0003625239
【0035】
表1において、No.1〜4は、第一の発明の実施例である。特に慎重な調心を行わないで接合した場合では、接合部の引張破断強度は2600〜3200kNにばらついたが、第一の発明の実施例では接合部の引張破断強度を3080〜3250kNと、高位で安定させることができた。
【0036】
No.5,6は第三の発明の実施例である。ここではスリーブ材として9%Cr鋼を用いて、接合対象の管の熱膨張係数差を−2×10−6にしており、1200℃の加熱によって直径で0.5mmの間隙を埋める効果があり、圧入荷重(圧縮応力負荷)をかなり小さくしても接合部の外周面とスリーブ内面に接触させることができ、調心性を高めて接合部の引張破断強度を3150〜3190kNと高位で安定させることができた。
【0037】
No.7,8は第四の発明の実施例である。ここでは、スリーブにスリットを設けて、加熱した場合のスリーブの温度上昇を小さくして、接合部の熱膨張より小さくすることができ、圧入荷重(圧縮応力負荷)をかなり小さくしても接合部の外周面とスリーブ内面に接触させることができ、調心性を高めて接合部の引張破断強度を3130〜3300kNと高位で安定させることができた。
【0038】
No.9〜10は、第六の発明の実施例であり、No.9では管を突き合わせ後にスリーブを装着することができ、圧入の際の管とスリーブ管の間の摩擦抵抗を軽減することができ、一体スリーブの場合よりかなり小さい圧入荷重で調心し接合することができ、接合部の引張破断強度も3100kNと高位で安定させることができた。
【0039】
また、No.10ではスリーブを管端部に嵌合後、接合面(管端面)を密着させた例であるが、同じく接合部の引張破断強度は3120kNと高位で安定させることができた。
なお、No.9〜10では、スリーブを円周方向に2分割し、管端部に対して容易に着脱自在としており、一体スリーブの場合に比し、接合終了後にスリーブを管端部から容易に取り外すことができた。
【0040】
No.11,12は第五の発明の実施例である。ここでは、接合対象の管端部をスリーブ内で高めの加熱温度にするとともに圧入荷重を大きくして接合部を6mm増肉して、スリーブ内での調心性を確保し、あわせて接合部の引張破断強度を4210〜4250kNと大幅に高めることができた。
【0041】
No.13〜22は第七の発明の実施例である。No.13〜19はスリーブ中央部での最大縮径量xを0.2〜0.5%の範囲にした場合で、管の特性を損なうことなく比較的小さい圧入荷重で調心して液相拡散接合することができ、接合部の引張破断強度を3050〜3450kNと高位で安定させることができた。
【0042】
しかし、スリーブ中央部での最大縮径量を1.2%にしたNo.20〜22の場合では、圧入荷重に依存するが、接合部の引張破断強度は低下する傾向があった。
これは、据え込みにより、接合される管端面が傾くため、非晶質金属による接合面の全域にわたって、十分な接触が得られなかったためである。
【0043】
なお、上記の実施例においては、スリーブと接合材である非晶質金属との接触があり、接合強度の低下には直結しない程度であるが、接触部分でスリーブと非晶質金属間で軽度の接着が認められた。
【0044】
そこで、上記各実施例(No.1〜22)において、第八の発明を適用し、スリーブを、溶融状態の非晶質金属部分が位置する部分に円周方向に連続する凹状溝を形成したスリーブで代替して液相拡散接合を実施した。
その結果、引張破断強度にはほとんど変化がなく、スリーブと非晶質金属との接着は全く認められず、接合終了後のスリーブ除去作業負担を軽減することができた。
【0045】
また、上記の各実施例(No.1〜22)において、第九の発明を適用し、スリーブを、溶融状態の非晶質金属との接触部に、窒化珪素系のスリーブを嵌め込んで形成したスリーブで代替し液相拡散接合を実施した。
その結果、引張破断強度には殆ど変化がなく、スリーブと非晶質金属との接着は全く認められず、接合終了後のスリーブ除去作業負担を軽減することができた。
【0046】
No.23,24は第二の発明の実施例で、管端部を1250℃に加熱後、スリーブに挿入し、圧縮力による半径方向の拡管によりスリーブ内面に管端部外面を押し付け調心したもので、接合部の破断強度が高位に確保できている。
No.25,26は第二の発明を適用した第七の発明の実施例で、管端部を1250℃に加熱後、テーパースリーブに圧入したものである。ここで最大縮径量のマイナス表示は常温の管の外径より大きいことを意味する。
加熱により管端部は熱膨張しており、縮径量−1.0%は実際の縮径量で0.4%に相当する。何れも接合部の破断強度を高位に確保できている。
【0047】
なお、No.11〜No.22、No.25、No.26の場合でも、No.9〜10の場合と同様、スリーブを円周方向に2分割し、管端部に対して容易に着脱自在としており、一体スリーブの場合に比し、接合終了後にスリーブを管端部から容易に取り外すことができた。
上記のように、本発明を適用した場合には、調心性を十分に確保することができ、接合部の引張破断強度高位で安定確保することができる。
【0048】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、炭素鋼の他、ステンレス鋼、その他の合金鋼からなる金属管を接合対象とする液相拡散接合に適用できるものであり、液相拡散接合条件(加熱温度、圧縮応力負荷、接合面形状等)、スリーブ、加熱装置、押圧装置等の接合装置構成等については、接合対象管の材質および特性、非晶質金属の材質、要求される接合部特性等に応じて、本発明の範囲内で変更されるものである。
【0049】
【発明の効果】
本発明においては、管を液相拡散接合方法により接合する場合に、接合対象の管端部を、その外径より大径のスリーブ内に挿入して、このスリーブ内で接合面に非晶質金属を介在させて加熱、加圧するものであり、その際、相対する管の端部外面をスリーブ内面に密に接触させることで、容易に調心することがができ、目違いや段差、軸心のずれの発生を極力最小化して、強固で、形状性の良好な接合部を容易に安定確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は本発明を実施するための液相拡散接合例を概念的に示す側断面説明図、(b)図は本発明をの実施例するための他の液相拡散接合例(加熱方法例)を概念的に示す側断面説明図。
【図2】本発明の実施に用いられるスリーブのスリット構造例を概念的に示す平面説明図。
【図3】本発明の実施に用いられるスリーブの構造例(分割スリーブ例)を概念的に示す説明図で、(a)図は側面説明図、(b)図は正面説明図。
【図4】本発明の実施例で、スリーブ内で管端部を増肉する調心例を概念的に示す側断面説明図。
【図5】(a)図は本発明の実施例で、中央部縮径スリーブによる調心方法例を概念的に示す側断面説明図、(b)図は中央部縮径スリーブによる他の調心方法例(加熱方法例)を概念的に示す側断面説明図。
【図6】(a)図は図5(a)図の中央縮径スリーブを用いた管端部の縮径による調心方法による調心状態例を概念的に示す側断面説明図、(b)図は図5(b)図の中央縮径スリーブを用いた管端部縮径による調心方法による調心状態例を概念的に示す側断面説明図。
【図7】本発明の実施に用いられるスリーブでの非晶質金属との接着防止構造例(凹状溝形成)を概念的に示す側断面説明図。
【図8】本発明の実施に用いられるスリーブでの非晶質金属との接着防止構造例(被接着性材料を介在)を概念的に示す側断面説明図。
【図9】本発明の実施に用いられるスリーブの構造例(ヒーター内蔵)を概念的に示す側断面説明図。
【図10】管と管の接合面における目違いの状態を示す側断面説明図。
【図11】管と管の接合面における軸心ずれの状態を示す側断面説明図。
【符号の説明】
1a,1b 管
2 スリーブ
2s スリット
2a,2b 分割スリーブ
3 非晶質金属
4 加熱装置
5 押圧装置
5c クランプ機構
5p 圧縮応力付与機構
6 凹状溝
7 非接着性材料
8 電気加熱装置
1p 加熱した管端部
1z 増肉部

Claims (10)

  1. 接合対象の相対する管端面間に非晶質金属を介在させ、加熱するとともに非晶質金属を管端面で押圧する管の液相拡散接合方法において、管の外径より大径のスリーブを用い、このスリーブ内に、相対する管の管端部をスリーブ内面に接触させながら挿入して突き合わせ、加熱すると同時に管端面を介して非晶質金属を押圧し、管端面と非晶質金属を密着させることによって、調心性を高めながら相対する管端面を液相拡散接合することを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
  2. 接合対象の相対する管端面間に非晶質金属を介在させ、加熱するとともに非晶質金属を管端面で押圧する管の液相拡散接合方法において、管の外径より大径のスリーブを用い、このスリーブ内に、予め加熱した相対する管の管端部をスリーブ内面に接触させながら挿入して突き合わせ、同時に管端面を介して非晶質金属を押圧し、管端面と非晶質金属を密着させることによって、調心性を高めながら相対する管端面を液相拡散接合することを特徴とする液相拡散接合による管の接合方法。
  3. スリーブが、管の熱膨張係数より小さい熱膨張係数を有するものであることを特徴とする請求項1記載の液相拡散接合による管の接合方法。
  4. スリーブが、熱膨張を吸収しスリーブ内径の拡張を抑制するスリットを有するものであることを特徴とする請求項1または3に記載の液相拡散接合による管の接合方法。
  5. 接合対象の管をスリーブ内に挿入した状態で管端部を加熱して圧縮力を付与し、該管端部を増肉してスリーブ内面に密に接触させて液相拡散接合することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の液相拡散接合による管の接合方法。
  6. 用いるスリーブが円周方向で分割されており、接合対象の管に対して着脱自在なものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の液相拡散接合による管の接合方法。
  7. スリーブが、両端側から中央部側に縮径されたものであり、このスリーブの両端側から接合対象の管端部を圧入し、管端面に面圧を付与することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の液相拡散接合による管の接合方法。
  8. スリーブが、溶融した非晶質金属と接触しないように内面の円周方向に凹状溝を形成したものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の液相拡散接合による管の接合方法。
  9. スリーブ内面と接合部外表面間に、溶融した非晶質金属を接着しない材料を介在させて液相拡散接合することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の液相拡散接合による管の接合方法。
  10. スリーブが加熱装置を内蔵したものであることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の液相拡散接合による管の接合方法。
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