JP2000257123A - 連結送水管設備ならびに屋内消火栓設備 - Google Patents

連結送水管設備ならびに屋内消火栓設備

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JP2000257123A
JP2000257123A JP11101611A JP10161199A JP2000257123A JP 2000257123 A JP2000257123 A JP 2000257123A JP 11101611 A JP11101611 A JP 11101611A JP 10161199 A JP10161199 A JP 10161199A JP 2000257123 A JP2000257123 A JP 2000257123A
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welding
pipe
steel pipe
stainless steel
carbon steel
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JP11101611A
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Atsushi Matsumoto
淳 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来と同等以上の強度及び耐食性を溶接によ
り容易に実現することが可能で、かつその寿命が長く、
さらには廃棄処分が容易な連結送水管設備、特に消防用
連結送水管設備、ならびに屋内消火栓設備を提供する。 【解決手段】 肉厚2〜4mmのステンレス鋼管の端部
どうしを、TIG法により連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の金属管を溶
接により連結してなる連結送水管設備、特に消防用設備
において使用される連結送水管ならびに屋内消火栓設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の金属管を連結して送水管と
して使用する場合には、 各金属管の端部に溶接によりフランジを取り付けた上
でそれらを連結する方法(フランジ接合法) 又は、 各金属管の端部どうしを直接溶接により連結する方法
(直接溶接法) が一般的である。
【0003】フランジ接合法においては、例えば金属管
2本を連結する場合、それぞれの片側端部にフランジを
取り付けるために、溶接を計2回行う必要がある。それ
に対して直接溶接法の場合には、2本の金属管の片側端
部どうしを突き合わせて1回の溶接を行うだけでよく、
また、仕上がり後の美観及び省スペース性においても優
れているため、より望ましい方法であるとされている。
【0004】消防設備において使用される連結送水管設
備ならびに屋内消火栓設備については、炭素鋼鋼管を上
記直接溶接法、より具体的にはTIG法や被覆アーク溶
接包により連結して使用することが一般的である。その
際に使用する炭素鋼管の材質、肉厚等については消防法
において以下のように規定されている。
【0005】すなわち消防法施行規則第31条において
「日本工業規格G3442、G3452、若しくはG3
454に適合する管又はこれらと同等以上の強度、耐蝕
性及び耐熱性を有する管を使用すること。ただし、配管
の設計送水圧力(ノズルの先端における放水圧力が6重
量キログラム毎平方センチメートル以上となるように送
水した場合における送水口における圧力をいう。)が1
0重量キログラム毎平方センチメートルを超える場合に
は、日本工業規格G3454に適合する管のうち呼び厚
さでスケジュール40以上のものに適合するもの又はこ
れと同等以上の強度、耐蝕性及び耐熱性を有する管を用
いなければならない。」、と定められており、実際の施
工においては上記規定に従って材料の選定を行う。
【0006】ここで、「スケジュール××」と表される
「スケジュール番号」は、管において一定の強度を満た
す肉厚を表す規格であり、上記日本工業規格(JIS)
G3454(圧力配管用炭素鋼鋼管)における「スケジ
ュール40」とは、例えば径100A規格の配管の場
合、肉厚6mmに相当する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記規則に従って施工
された送水管設備が十分な強度を有していることはいう
までもない。しかし、施工当初はそのように十分な強度
を有していても、経年劣化の問題は避けられない。すな
わち炭素鋼鋼管の腐食速度は0.1〜0.2mm/年程
度であるといわれており、炭素鋼鋼管の腐食進行により
管の肉厚が徐々に減少するとともに炭素鋼鋼管の強度が
徐々に低下し、ついには規定された最低限の強度を下回
ってしまうという現象は避けられない。
【0008】また、赤錆堆積部においては上記腐食速度
の数倍の速度で孔食が進行するといわれている。このよ
うな現象を防止するためにはポリ燐酸ナトリウム及び珪
酸ナトリウム系のインヒビターの使用が有効であるとさ
れているが、消防用連結送水管設備ならびに屋内消火栓
設備を通る上水に対して通常添加される2〜5ppm程
度では、図13に示されるごとく効果は殆ど見られな
い。
【0009】従って、上記送水管設備はおよそ5〜10
年で交換が必要であった。このような交換には多大の費
用及び手間がかかることから、その交換期間をより長期
化することが望まれている。
【0010】そこで、上記炭素鋼鋼管の外周に塩化ビニ
ルをライニングし、腐食を防いで送水管設備の寿命を長
期化する方法が、特に地中埋設管において採用されてい
る。しかし、このようにライニングを施した炭素鋼鋼管
においてもいずれは交換及び廃棄の時期が訪れ、その際
の処分方法が問題となる。ライニングを施していない炭
素鋼鋼管であれば、その損傷の程度によりリサイクル又
はそのまま完全廃棄処分とするいずれにおいても大きな
問題は発生しない。ところが、ライニングを施した炭素
鋼鋼管については、ライニング材料の塩化ビニルが、特
に近年ダイオキシンの発生原因として問題となってお
り、容易に処分することは不可能である。
【0011】ところで、ある一定以上の強度を有し、上
記消防法規則を満足する炭素鋼鋼管とは必然的に、上述
のごとくある一定以上の肉厚を有する炭素鋼鋼管であ
る。例えば先述のとおり、JISG3454(圧力配管
用炭素鋼鋼管)を用いた直径100mm配管の場合、肉
厚6mmの肉厚が必要である。
【0012】一方、このような炭素鋼鋼管を連結する場
合において溶接の必要があることについても先述のとお
りであるが、その溶接作業における溶接性は、被溶接物
の肉厚によって大きく左右される。鋼管の突合溶接を行
う際には、被溶接物(鋼管)の肉厚がほぼ3mmを超え
ると1パスで溶接を完了することは困難となり、2パス
以上の溶接を行う必要が生じてくる。従って上述のよう
な肉厚6mmの炭素鋼鋼管どうしを十分な強度を持って
溶接するためには、2パス以上の溶接を行う必要があ
り、作業効率が悪かった。また、溶接パス数が多いほど
その溶接部における欠陥発生率が高くなることは周知の
事実であり、そのような欠陥の発生を防止するためには
各種表面処理、特に2パス以降はブラッシング等の下地
(前パス溶接部)処理を十分に行う必要があり、この点
でも非効率的であった。すなわち、強度の確保という側
面からは金属管の肉厚を大とする方が望ましい一方で、
溶接性の側面から見れば肉厚を大とすることは望ましく
ないという矛盾があり、この点に関する問題解決が望ま
れていた。
【0013】そこで本発明の目的は、従来と同等以上の
強度及び耐食性を溶接により容易に実現することが可能
で、かつその寿命が長く、さらには廃棄処分が容易な連
結送水管設備特に消防用連結送水管設備、ならびに屋内
消火栓設備を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の連結送水管設備は、金属管の端部どうしを溶
接により連結する連結送水管設備であって、上記金属管
が肉厚2〜4mmのステンレス鋼管からなることを特徴
とする。これにより、TIG法により金属管どうしを容
易かつ効率的に連結することが可能である。また、従来
とほぼ同等の強度を得、また、耐食性に優れることから
長期間経過後も強度は低下しない。また、廃棄処分が容
易である。
【0015】また本発明の消防用連結送水管設備は、金
属管の端部どうしを溶接により連結する消防用連結送水
管設備であって、上記金属管が肉厚2〜4mmのステン
レス鋼管からなることを特徴とする。これにより、TI
G法により金属管どうしを容易かつ効率的に連結するこ
とが可能である。また、従来とほぼ同等かつ消防法によ
る規定以上の強度を得、また、耐食性に優れることから
長期間経過後も強度は低下しない。また、廃棄処分が容
易である。
【0016】また本発明の屋内消火栓設備は、金属管の
端部どうしを溶接により連結して得られる屋内消火栓設
備であって、上記金属管が肉厚2〜4mmのステンレス
鋼管からなることを特徴とする。これにより、TIG法
により金属管どうしを容易かつ効率的に連結することが
可能である。また、従来とほぼ同等の強度を得、また、
耐食性に優れることから長期間経過後も強度は低下しな
い。また、廃棄処分が容易である。
【0017】本発明においては、従来の炭素鋼鋼管に替
えてステンレス鋼管による連結送水管設備を提供する。
ステンレス鋼が高強度、及び高耐食性を有することは周
知であるが、そのような特性を十分に検討したうえで連
結送水管設備特に消防設備用連結送水管設備、ならびに
屋内消火栓設備に適用した例は今までなかった。
【0018】特に本発明は、従来の炭素鋼鋼管に比べて
薄肉のステンレス鋼を使用した点に特徴を有し、その肉
厚を2〜4mmの範囲とすることにより、従来とほぼ同
等かつ消防法規則に十分合致する強度を備えた消防用連
結送水管設備ならびに屋内消火栓用設備を得るという結
論に達した。また特に重要なことには、そのようなステ
ンレス鋼を用いることにより溶接作業が1パスで完了
し、連結作業が容易かつ確実となるという知見をも同時
に得た。以下に、その詳細を記述する。
【0019】まずステンレス鋼の機械的性質について考
察すると、代表的なステンレス鋼であるSUS304鋼
板は炭素鋼板の約1.5倍程度の比強度を有することが
一般的に知られている。鋼管について見ると、図1中の
表に示すごとく、従来使用されていたスケジュール40
相当の炭素鋼鋼管、例えば管径及び肉厚がΦ114.3
×t6.0/mmのJIS G3454圧力配管用炭素
鋼鋼管においては、引張強さについては370N/mm
以上、伸びについては27%以上、耐力については2
15N/mm以上を規格値としている。一方、ステン
レス鋼管について見ると、例えばスケジュール10相
当、φ114.3×t3.0/mmのJIS G345
9(SUS304TP)の規格値は、引張強さが520
N/mm以上、伸びが32%以上、耐力が205N/
mm以上とされており、上記JIS G3454炭素
鋼鋼管にほぼ匹敵する。また、JIS G3448(S
US304TPD)においては、さらに薄肉のφ11
4.3×t2.0/mm鋼管における規格値が、上記J
IS G3454炭素鋼鋼管にほぼ匹敵する。
【0020】一方、ステンレス鋼管について見ると、例
えばスケジュール10相当、φ114.3×t3.0/
mmのJIS G3459(SUS304TP)の規格
値は、引張強さが520N/mm以上、伸びが32%
以上、耐力が205N/mm以上とされており、上記
JIS G3454炭素鋼鋼管にほぼ匹敵する。また、
JIS G3448(SUS304TPD)において
は、さらに薄肉のφ114.3×t2.0/mm鋼管に
おける規格値が、上記JIS G3454炭素鋼鋼管に
ほぼ匹敵する。すなわちステンレス鋼管の機械的特性、
特に引張強さや伸びは炭素鋼鋼管に比べて優れており、
強度及び靱性に優れた材料であることがわかる。
【0021】従って、従来の炭素鋼鋼管に代えてステン
レス鋼管を使用する場合にはより薄肉のものを用いても
良いと考えられ、材料によって多少の差はあっても肉厚
がほぼ2mm以上のものであれば、従来の炭素鋼鋼管に
ほぼ相当する機械的特性を示すものと予測される。
【0022】そこで、上述の各金属管のうち、 管径Φが114.3、肉厚tが6.0mmのJIS
G3454圧力配管用炭素鋼鋼管 管径Φが炭素鋼鋼管と同寸法で肉厚tが3mmのJI
S G3459(SUS304TP)ステンレス鋼管 管径Φが炭素鋼鋼管と同寸法で肉厚tが2mmのJI
S G3448(SUS304TPD)ステンレス鋼管 について実際に引張試験を行った。その結果を図1に併
記したが、及びのステンレス鋼管は引張強さ及び伸
びに優れており、また、耐力においてはの炭素鋼鋼管
に若干劣るもののほぼ同等であり、実際に炭素鋼鋼管に
匹敵する機械的特性を示すことがわかった。
【0023】ここでさらに検討を進めるために、今度は
配管の強度を示す指標である最大許容圧力及び破壊圧力
について考察する。最大許容圧力P1及び破壊圧力P2
はいずれも、許容応力S、継手効率η、管の肉厚t、及
び管の径Dを用いて以下の
【式1】、
【式1】 により求めることが可能な値である。なお許容応力S
は、最大許容圧力P1についてはJIS規格に倣って引
張強さの規格値下限値の1/4の値を用いて計算し、ま
た、破壊圧力P2については引張強さの規格値下限値を
そのまま用いて計算する。また、継手効率ηについて
は、最大許容圧力P1では0.85、破壊圧力P2にで
は0.85とする。
【0024】図1に示した規格の炭素鋼鋼管、及びステ
ンレス鋼管のうち実際に引張試験を行ったものについ
て、各計算値を図2の表に示すとともに、実測値をもと
に同様に求めた値を図2に併記した。
【0025】また、実際に内圧バースト試験装置を使用
して昇圧時間約20分、試験温度20℃において水圧バ
ースト試験を行い、得られた破壊圧力の実測値を図2の
表に併記し、破壊後の概観を図3〜5にそれぞれ示し
た。この実測値はいずれも計算値以上であり、特にJI
S G3459(SUS304TP)については計算値
を大きく上回った。これは、当該材料が熱処理材である
ことから、圧力上昇による加工硬化が起こったものと考
えられる。
【0026】図2の表によりステンレス鋼管と従来の炭
素鋼鋼管とを比較すると、最大許容圧力及び破壊圧力と
もにステンレス鋼管の方が劣っていることがわかる。し
かし、消防用連結送水管設備ならびに屋内消火栓設備の
設計送水圧力は最大でもほぼ20kgf/mm程度と
考えられることから、上記ステンレス鋼管の最大許容圧
力は十分大であるといえる。従って、上記最大許容圧力
から求められる破壊圧力に関しても、この値で十分大で
あるといえる。
【0027】さらに検討を進めるために、今度は上記各
材料を用いた場合の強度に対する経年劣化の影響につい
て考察する。一般的に、従来の炭素鋼鋼管の腐食速度は
0.1〜0.2mm/年程度であると考えられる。従っ
て、腐食の進行に伴って管の肉厚が減少し、強度が低下
していく。そこで、前述の炭素鋼鋼管について再び
【式1】を用いて10年後、20年後における最大許容
圧力及び破壊圧力計算すると図6に示したような値とな
り、特に最大許容圧力に関してはその低下が著しく、ほ
ぼ20年後には交換が必要となる。さらに、実際には赤
錆堆積による孔食の進行等も考慮し、より早期段階での
交換が必要であると考えられる。
【0028】一方、ステンレス鋼に関しては、上水の通
水において腐食は殆ど問題にならない程度ものものであ
ると考えられ、その強度は長期間にわたってほぼ一定の
値のままであることが予測される。さらにステンレス鋼
管に関しては、赤錆防止用インヒビター(ポリ燐酸ナト
リウム及び珪酸ナトリウム系インヒビター)の使用は不
要であるばかりか、却って腐食を進行させる要因ともな
りかねないことから添加を行わない方が望ましく、コス
トの低下に寄与する。
【0029】図6によりステンレス鋼管と従来の炭素鋼
鋼管とを比較すると、当初は炭素鋼鋼管の方が強度に優
れているが、腐食の進行に伴って強度が低下していき、
特に最大許容圧力については10年後以降ではステンレ
ス鋼管とほぼ同等となり、それ以降は劣っていくことが
わかる。
【0030】従って、ほぼ厚さ2mm以上のステンレス
鋼を消防用連結送水管設備に対して適用すれば、消防法
の強度基準を十分に満たすとともに、上記送水管設備の
寿命を長期化することができる。
【0031】次に、ステンレス鋼管の溶接性について見
ると、ステンレス鋼管のTIG溶接において、肉厚が約
4mm以下であれば1パスで十分に連結がなされること
が一般的に知られている。そこで本発明において使用す
るステンレス鋼管の肉厚は、4mm以下とすることが望
ましいと考えられる。このようにすれば、1パスで連結
が完了し、またこの場合には自動溶接装置を使用するこ
とが可能となり、作業効率の大幅な向上が実現される。
また、溶接部における欠陥発生の可能性が低くなり、製
品の信頼性の向上に寄与する。
【0032】以上のことより、肉厚2〜4mmのステン
レス鋼管を溶接して得られる連結送水管設備は、従来と
同等の強度を有するとともに溶接性にも優れると考えら
れる。また、耐食性に優れているので耐用年数が長く、
特別なライニング等を必要としないので廃棄処分も容易
であると考えられる。従って、特に消防用連結送水管設
備ならびに屋内消火栓設備として最適である。
【0033】
【実施例】(実施例1)本発明の実施例について以下に
説明する。100A,Sch(スケジュール)10規格
のSUS304TPA鋼管について、TIG溶接による
突合溶接を行った。溶接は自動溶接機による1パス溶接
とし、溶接後、その溶接部断面を顕微鏡により観察し
た。図7(a)に溶接部の外観写真を、(b)に断面写
真を示し、また(c)〜(e)にはそれぞれビード部、
熱影響部、及び母材の組織写真を示した。外観及び断面
の観察により、管どうしが十分に連結されていることが
わかった。また、熱影響部の結晶粒界にわずかに炭化物
の析出が観察されるものの、各部の組織はほぼ均一であ
った。
【0034】(実施例2)実施例1と同一の材料によ
り、手動溶接による1パス溶接を行い、同様に観察を行
った。その結果を図8に示す。実施例1と同様に、溶接
により管どうしが十分に連結されていることがわかっ
た。また、熱影響部の結晶粒界にに析出した炭化物が実
施例1よりもやや多いものの、各部の組織はいずれも均
一であることが明らかとなった。
【0035】(比較例1)次に比較例として、100
A、Sch40規格のSUS304TPA鋼管について
TIG溶接を行った。溶接は手動溶接による3パス溶接
とし、各パス終了時にはブラッシングを施した。溶接終
了後、実施例1及び2と同様に溶接部の観察を行った結
果を図9に示す。この場合も溶接による連結は十分にな
され、特に溶接欠陥は観察されなかった。また、各部の
組織は均一であった。しかし、3パス溶接を行っている
ため、ビード部組織は各パス毎の境界がはっきり観察さ
れた。
【0036】(比較例2)比較例1と同一の材料によ
り、手動溶接による3パス溶接を行った。ただし、各パ
ス終了時のブラッシングは行わなかった。溶接終了後、
同様に溶接部の観察を行った結果を図10に示す。ブラ
ッシングを行わなかったにも関わらず、この場合も溶接
による連結は十分になされ、特に溶接欠陥は観察されな
かった。また、各部の組織は均一であった。しかし、3
パス溶接を行っているため、ビード部組織は各パス毎の
境界がはっきり観察された。
【0037】(比較例3)100A、Sch10の炭素
鋼鋼管についてTIG溶接を行った。溶接は手動溶接に
よる1パス溶接とした。溶接終了後、実施例1及び2と
同様に溶接部の観察を行った結果を図11に示す。この
場合も溶接による連結は十分になされ、特に溶接欠陥は
観察されなかった。ただし、ビード部、熱影響部、及び
母材部の各組織には違いが認められた。また、ビード
部、及び熱影響部の結晶粒界への炭化物の析出が顕著で
あった。
【0038】(比較例4)150A、Sch80の炭素
鋼鋼管について、TIG溶接を行った。溶接は手動溶接
による2パス溶接とし、1パス終了後にはブラッシング
を行った。溶接終了後、実施例1及び2と同様に観察を
行った結果を図12に示す。この場合も溶接による連結
は十分になされ、特に溶接欠陥は観察されなかった。こ
の場合も溶接による連結は十分になされ、特に溶接欠陥
は観察されなかった。ただし比較例3と同様に、ビード
部、熱影響部、及び母材部の各組織には違いが認められ
たビード部、熱影響部、及び母材部の各組織には違いが
認められた。また、特に1層目のビード部、及び熱影響
部の結晶粒界への炭化物の析出が顕著であった。
【0039】上記各実施例及び比較例においては、いず
れも管どうしの連結は十分になされ、溶接部においては
特に欠陥は生じなかった。しかし、比較例1〜3のよう
に複数回のパスによる溶接を行うことは、作業効率上好
ましくない。また、ここでは特に欠陥が発生しなかった
ものの、パス数を多くするほど欠陥の発生する確率は上
昇することから、実施例1及び2のように、薄肉の管ど
うしを1パス溶接で連結することが望ましい。特に実施
例1のように自動溶接により連結を行えば、作業効率は
著しく上昇する。
【0040】また、比較例1及び2ではビード部におい
て各パス毎の境界が観察された。また、比較例3及び4
における炭素鋼鋼管の溶接部組織は実施例1及び2に比
較して均一性に劣っていた。これら組織の不均一性が強
度や耐腐食性に対して与える影響は向上に寄与すること
は周知の事実であるから、この点でも実施例1及び2の
ように、薄肉のステンレス鋼管どうしを1パス溶接する
ことにより連結することが望ましい。
【0041】
【発明の効果】以上のことより、本発明によれば、従来
と同等以上の強度、及び食性を溶接により容易に実現す
ることが可能で、かつその寿命が長く、さらには廃棄処
分が容易な連結送水管設備、特に消防用連結送水管設
備、ならびに屋内消火栓設備を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 炭素鋼鋼管及びステンレス鋼管の機械的性質
を示す表である。
【図2】 炭素鋼鋼管及びステンレス鋼管の強度を示す
表である。
【図3】 各金属管の破壊後の概観を示す図である。
【図4】 金属管の破壊後の概観を示す図である。
【図5】 金属管の破壊後の概観を示す図である。
【図6】 炭素鋼鋼管及びステンレス鋼管の経年劣化に
よる強度の変化を示す表である。
【図7】 本発明第一の実施例における観察写真であ
る。
【図8】 本発明第二の実施例における観察写真であ
る。
【図9】 第一の比較例における観察写真である。
【図10】 第二の比較例における観察写真である。
【図11】 第三の比較例における観察写真である。
【図12】 第四の比較例における観察写真である。
【図13】 水へのインヒビター添加による炭素鋼の防
食効果を示す図である。
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月23日(1999.6.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】消防設備において使用される連結送水管設
備ならびに屋内消火栓設備については、炭素鋼鋼管を上
記直接溶接法、より具体的にはTIG法や被覆アーク溶
接法等により連結して使用することが一般的である。そ
の際に使用する炭素鋼鋼管の材質、肉厚等については消
防法において以下のように規定されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】まずステンレス鋼の機械的性質について考
察すると、代表的なステンレス鋼であるSUS304鋼
鈑は炭素鋼鈑の約1.5倍程度の比強度を有することが
一般的に知られている。鋼管について見ると、図1中の
表に示すごとく、従来使用されていたスケジュール40
相当の炭素鋼鋼管、例えば管径及び肉厚がΦ114.3
×t6.0/mmのJIS G3454圧力配管用炭素
鋼鋼管においては、引張強さについては370N/mm
以上、伸びについては27%以上、耐力については2
15N/mm以上を規格値としている。一方、ステン
レス鋼管について見ると、例えばスケジュール10相
当、Φ114.3×t3.0/mmのJIS G345
9(SUS304TP)の規格値は、引張強さが52
0N/mm以上、伸びが32%以上、耐力が205N
/mm以上とされており、上記JIS G3454炭
素鋼鋼管にほぼ匹敵する。また、JIS G3448
(SUS304TPD)においては、さらに薄肉のΦ1
14.3×t2.0/mm鋼管における規格値が、上記
JIS G3454炭素鋼鋼管にほぼ匹敵する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】すなわち、ステンレス鋼管の機械的特性、
特に引張強さや伸びは炭素鋼鋼管に比べて優れており、
強度及び靭性に優れた材料であることがわかる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】そこで、上述の各金属管のうち、 管径Φが114.3mm、肉厚tが6.0mmの
JIS G345 4圧力配管用炭素鋼鋼管 管径Φが炭素鋼鋼管と同寸法で肉厚tが3.0m
のJIS G3 459(SUS304TP)ステ
ンレス鋼管 管径Φが炭素鋼鋼管と同寸法で肉厚tが2.0m
のJIS G 448(SUS304TPD)ステ
ンレス鋼管 について実際に引張試験を行った。その結果を図1に併
記したが、及びのステンレス鋼管は引張強さ及び伸
びに優れており、また、耐力においてはの炭素鋼鋼管
に若干劣るもののほぼ同等であり、実際に炭素鋼鋼管に
匹敵する機械的特性を示すことがわかった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】また、実際に内圧バースト試験装置を使用
して昇圧時間約20分、試験温度20℃において水圧バ
ースト試験を行い、得られた破壊圧力の実測値を図2の
表に併記し、破壊後の概観を図3〜5にそれぞれ示し
た。この実測値はいずれも計算値以上であり、特にJI
S G3459(SUS304TP)については計算
値を大きく上回った。これは、当該材料が熱処理材であ
ることから、圧力上昇による加工硬化が起こったものと
考えられる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図13】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属管の端部どうしを溶接により連結して
    得られる連結送水管設備であって、上記金属管が肉厚2
    〜4mmのステンレス鋼管からなることを特徴とする連
    結送水管設備。
  2. 【請求項2】金属管の端部どうしを溶接により連結して
    得られる消防用連結送水管設備であって、上記金属管が
    肉厚2〜4mmのステンレス鋼管からなることを特徴と
    する消防用連結送水管設備。
  3. 【請求項3】金属管の端部どうしを溶接により連結して
    得られる屋内消火栓設備であって、上記金属管が肉厚2
    〜4mmのステンレス鋼管からなることを特徴とする屋
    内消火栓設備設備。
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