JP3624881B2

JP3624881B2 - サテライト型印刷機のシート反転装置

Info

Publication number: JP3624881B2
Application number: JP2001386030A
Authority: JP
Inventors: 正之岩本
Original assignee: 株式会社篠原鉄工所
Priority date: 2001-12-19
Filing date: 2001-12-19
Publication date: 2005-03-02
Anticipated expiration: 2021-12-19
Also published as: DE10230411A1; DE10230411B4; US6698350B2; US20040000749A1; JP2003182028A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、枚葉印刷のためのサテライト型印刷機に関し、特に、そのシート反転装置に関する。
【０００２】
【発明の背景】
多数の（例えば４色分の）印刷ユニットを、大径の共通圧胴を中心にしてサテライト状に配設して成るサテライト型印刷機が知られているが、このサテライト型印刷機は、多品種少量印刷という印刷市場のニーズに応えるカラー印刷機として、新生面を開いている。
【０００３】
【従来の技術】
特開平８−２４４１９５号公報にあっては、複数のサテライト型印刷機の間をシート反転装置によって連結した技術が開示されており、これにより、第１のサテライト型印刷機でシートの表面に４色カラー印刷を行い、シートを表裏反転した後、第２のサテライト型印刷機でシートの裏面にも４色カラー印刷を施すことができる。
ちなみに、多数の印刷ユニットを直列に連結配置して成る従来の印刷機の中途にシート反転装置を介在させる技術は、例えば特開昭６２−１６９６４５号公報によって、既に十分に知られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記した特開平８−２４４１９５号公報に開示されたサテライト型印刷機は、確かにシートの表裏両面がワンパスで印刷可能であるものの、あくまでも２台のサテライト型印刷機を前提としているので、設備が巨大化し、加えて印刷仕様の切換も融通が利きにくい。
また、従来の直列型印刷機のシート反転装置は、シートの反転動作が必要とされない片面印刷時にもシートの搬送経路となるので、その分、シートのくわえ替え等による見当誤差の原因と成る傾向がある。
【０００５】
本発明は上記した問題に鑑みてなされ、進歩したサテライト型印刷機のシート反転装置を提供するもので、その目的は、１台のサテライト型印刷機自体で、シートの表裏両面印刷を可能にすること、また、シートの反転動作が不要な場合には、シートの搬送経路に関係せず、従って、見当誤差等の原因とはならないシート反転装置を得ることにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
そしてこのために、本発明に係るシート反転装置は、共通圧胴（１）を中心にしてサテライト状に配設された多数の印刷ユニット（９）の中途に、複数のチェーングリッパ手段（１５）、（１７）を略平行に設け、かつ、これらのチェーングリッパ手段（１５）、（１７）を反転胴（１６）によって連結したことを特徴とする。
【０００７】
【作用】
第１のチェーングリッパ手段（１５）が共通圧胴（１）からシート（３）の前縁を受け取り、共通圧胴（１）から離間する方向にシート（３）を搬送する。
搬送途中で、シート（３）の後縁が反転胴（１６）によってくわえられ、反転胴（１６）の回転とともにシート（３）の表裏が反転される。
そしてシート（３）は、第２のチェーングリッパ手段（１７）によって共通圧胴（１）の方向に戻されて、共通圧胴（１）に受け渡される。
【０００８】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例につき詳細に説明する。図１は、本発明に係るシート反転装置を備えたサテライト型印刷機の一実施例を示す概略説明図、図２から図４までは、シート反転装置のうちの第１のチェーングリッパ手段及び反転胴を示す動作説明図、図５及び図６は、反転胴及び第２のチェーングリッパ手段を示す動作説明図、図７は、シート反転装置の休止状態を示す動作説明図、図８は、紙寸に対応した反転胴の移動を示す動作説明図である。
【０００９】
図１の中央には、大径の共通圧胴（１）が示されており、この共通圧胴（１）は、印刷機の１対のサイドフレーム（２）間に回転自在に支承され、図示しないモータにより駆動される。共通圧胴（１）は、図２以下に示すように、シート（３）の端部をくわえるくわえ爪（４）を有し、上流側の給紙装置（５）の給紙胴（６）からシート（３）を受け取り、所要の印刷を行った後、下流側の排紙装置（７）のデリバリーチェーン（８）にシート（３）を引き渡すためのベースとなる。
【００１０】
共通圧胴（１）を中心にして、４組の印刷ユニット（９）がサテライト状に配設されている。これらの印刷ユニット（９）は、オフセット印刷を行うために、刷版を取り付けた版胴（１０）及び絵柄を転写するブランケット胴（１１）を有しており、加えて版胴（１０）にはインキ装置（１２）及び湿し水装置（１３）が付設されている。
【００１１】
これらの印刷ユニット（９）は共通圧胴（１）を中心にしてサテライト状に配設されているが、その版胴（１０）の直径に対して共通圧胴（１）の直径は整数倍（例えば４倍）とされている。その理由は、図示しないモータによって駆動される共通圧胴（１）の回転に調速して、これらの印刷ユニット（９）に順次各色の重ね刷りを行わせるためである。
【００１２】
共通圧胴（１）の回転方向（図１では反時計回り）を基準にして、第２の印刷ユニット（９）と第３の印刷ユニット（９）との間に、本発明に係るシート反転装置（１４）が配設されている。このシート反転装置（１４）は、シート搬送経路の上流側から下流側に、第１のチェーングリッパ手段（１５）、反転胴（１６）、そして第２のチェーングリッパ手段（１７）から構成されている。
【００１３】
第１のチェーングリッパ手段（１５）の具体的構成は、前記した排紙装置（７）のデリバリーチェーン（８）を想起しながら、理解されるとよい。
すなわち、共通圧胴（１）の胴周側及びそれと直上の側に１対のスプロケットホイール（１８）、（１９）がそれぞれ図面に垂直な方向に間隔を置いて２組用意されて、印刷機のサイドフレーム（２）によって回転自在に支承されている。
胴周側／直上側のスプロケットホイール（１８）、（１９）の間にはチェーン（２０）が巻回されており、（図面に垂直な方向に間隔を置いて存在する他の組のスプロケットホイール間にも同様にチェーンが巻回されているので、）チェーン（２０）間に差し渡された、図示しない支持バーにグリッパ（２１）が適宜間隔で配設されている。
【００１４】
第１のチェーングリッパ手段（１５）のチェーン（２０）の走行及びグリッパ（２１）の開閉は、印刷機本体からの駆動力を受けて調時的になされる。
また、チェーン（２０）の長さ方向に対するグリッパ（２１）の配置ピッチは、共通圧胴（１）のくわえ爪（４）の配置ピッチを基準にして決定される。
なお、図２等に示す通り、チェーン（２０）の走行方向は図面の時計回り、すなわち、共通圧胴（１）のくわえ爪（４）からシート（３）の前縁を受け取って、共通圧胴（１）の胴周から一旦遠ざかっていく方向である。
【００１５】
シート反転装置（１４）を構成する反転胴（１６）は、各々略平行に走行する第１と第２のチェーングリッパ手段（１５）、（１７）に挟まれた位置に配設されており、その胴周には旋回可能な反転グリッパ（２２）が設けられている。
シート（３）のヘリをくわえたり、また、放したりするために１組の爪が開閉され、かつ、旋回軸（２３）を中心にして姿勢制御のために旋回される反転グリッパ（２２）の構成は、従来の直列型印刷機のシート反転装置において既に十分に知られている。
【００１６】
反転胴（１６）はサイドフレーム（２）の間に回転自在に支承されているが、図８に示すように、シート（３）の寸法（進行方向の長さ）が変化するのに応じて、第１及び第２のチェーングリッパ手段（１５）、（１７）と平行な方向に、共通圧胴（１）から離間または接近するように移動可能とされている。
具体的には、反転胴（１６）の支持部分（胴軸の軸受）を、いわゆるアリ溝構造によってサイドフレーム（２）と連結しておき、紙寸変化に応じてスライド調整可能とすることができる。
なお、反転胴（１６）の回転駆動は、後述の第２のチェーングリッパ手段（１７）が印刷機本体から駆動力を受けるので、その駆動力を更にもらい受けることによってなされる。
【００１７】
第２のチェーングリッパ手段（１７）は、構造的には第１のチェーングリッパ手段（１５）と全くパラレルなものであり、図５に示すように、胴周側及び直上側のスプロケットホイール（２４）、（２５）間にチェーン（２６）が巻回されており、（図面に垂直な方向に間隔を置いて存在する他の組のスプロケットホイール間にも同様にチェーンが巻回されているので、）チェーン（２６）間に差し渡された、図示しない支持バーにグリッパ（２７）が適宜間隔で配設されている。チェーンの走行も、同様に図面の時計回りであるが、シート（３）をくわえて共通圧胴（１）に接近する方向に搬送する役割が本質的なものとなる。
【００１８】
なお、図７に示すように、シート（３）を反転させる必要のない片面印刷の場合には、第１及び第２のチェーングリッパ手段（１５）、（１７）の胴周側のスプロケットホイール（１８）、（２４）を、いわゆる胴抜きによって共通圧胴（１）から離間させたり、またはこれらのスプロケットホイール（１８）、（２４）の回転を停止させることにより、共通圧胴（１）のくわえ爪（４）によって搬送されるシート（３）に何等干渉しない状態にすることができる。
【００１９】
次に、上記構成の作用について説明する。シート（３）の表裏を反転させる両面印刷において、第１及び第２の印刷ユニット（９）によって表面に２色刷りがなされたシート（３）は、共通圧胴（１）のくわえ爪（４）によってその前縁をくわえられて、図２に示すように、第１のチェーングリッパ手段（１５）の胴周側のスプロケットホイール（１８）と共通圧胴（１）との対接点に到達する。
そして、シート（３）の前縁が第１のチェーングリッパ手段（１５）のグリッパ（２１）に受け取られ、チェーン（２０）の走行とともに共通圧胴（１）から離間する方向に搬送される。
【００２０】
シート（３）は、チェーン（２０）に沿って鉛直方向に搬送され、図３に示すように、後縁が反転胴（１６）との対接点に到達した時、反転胴（１６）の反転グリッパ（２２）によってくわえられる。
そして、図４に示すように、反転胴（１６）自体の回転に連れて、シート（３）の後縁をくわえた反転グリッパ（２２）も旋回するので、シート（３）の表裏が反転されることとなる。
【００２１】
そして、図５に示すように、反転胴（１６）と第２のチェーングリッパ手段（１７）との対接点において、シート（３）のヘリ（後縁であった方）が第２のチェーングリッパ手段（１７）のグリッパ（２７）に引き渡される。
第２のチェーングリッパ手段（１７）は、その本質的な役割としてシート（３）を共通圧胴（１）に接近する方向に導き、図６に示すように、共通圧胴（１）とスプロケットホイール（２４）との対接点において、くわえ爪（４）にシート（３）のヘリを引き渡す。
【００２２】
なお、この後再び共通圧胴（１）によって搬送されるシート（３）の裏面には、第３及び第４の印刷ユニット（９）により印刷が施され、結局、表面２色／裏面２色の両面印刷が完了する。
なお、紙寸に応じて、第１及び第２のチェーングリッパ手段（１５）、（１７）と略平行に反転胴（１６）を移動させることは、既に図８とともに説明した通りである。
また、シート（３）の反転を要しない片面印刷の場合に、本発明に係るシート反転装置（１４）をシート（３）の搬送とは無関係の状態におくことについても、図７とともに説明済みである。
【００２３】
【発明の効果】
本発明に係るシート反転装置によれば、共通圧胴（１）を中心にしてサテライト状に配設された多数の印刷ユニット（９）の中途に、胴周側から直上に伸びる複数のチェーングリッパ手段（１５）、（１７）を設け、かつ、これらのチェーングリッパ手段（１５）、（１７）を反転胴（１６）によって連結したことにより、１台のサテライト型印刷機によって、例えば表面２色／裏面２色の両面印刷が可能となる。
また、シートの反転が不要な片面印刷の場合には、シートの搬送経路に何等干渉せず、従って、見当精度に優れた印刷が可能となる。
更に、印刷されるシートの寸法が変化しても、それに対応した調整がきわめて容易に行えるシート反転装置とすることができる。
以上のように、本発明に係るシート反転装置は、その構成からしてきわめてユニークなものであり、印刷技術の向上に大きく資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るシート反転装置を備えたサテライト型印刷機の一実施例を示す概略説明図である。
【図２】シート反転装置のうちの第１のチェーングリッパ手段及び反転胴を示す動作説明図である。
【図３】シートの後縁を反転胴の反転グリッパがくわえた状態を示す動作説明図である。
【図４】反転胴の回転とともにシートが反転される状態を示す動作説明図である。
【図５】シート反転装置のうちの第２のチェーングリッパ手段を主として示す動作説明図である。
【図６】シートのヘリが再び共通圧胴に受け渡される状態を示す動作説明図である。
【図７】シート反転装置がシート搬送に関与しない状態を示す動作説明図である。
【図８】紙寸に対応して反転胴が位置調整された状態を示す動作説明図である。
【符号の説明】
１共通圧胴
３シート
４くわえ爪
９印刷ユニット
１４シート反転装置
１５第１のチェーングリッパ
１６反転胴
１７第２のチェーングリッパ
２１グリッパ
２２反転グリッパ
２７グリッパ

Claims

大径の共通圧胴（１）を中心にして、給紙装置（５）と排紙装置（７）との間に多数の印刷ユニット（９）をサテライト状に配設して成るサテライト型印刷機において、
表面印刷を行う印刷ユニット（９）と裏面印刷を行う印刷ユニット（９）との中間に設けられ、前記共通圧胴（１）の表面に沿って搬送されているシート（３）の前縁を受け取って、該シート（３）を共通圧胴（１）から離間する方向に搬送する第１のチェーングリッパ手段（１５）と、該第１のチェーングリッパ手段（１５）によって搬送されているシート（３）の後縁をくわえて、自身の回転動作と共にシート（３）の表裏を反転させる反転胴（１６）と、該反転胴（１６）からシート（３）を受け取り、前記共通圧胴（１）に接近する方向に搬送してシート（３）を共通圧胴（１）に受け渡しする第２のチェーングリッパ手段（１７）と、を有するシート反転装置。
第１と第２のチェーングリッパ手段（１５）、（１７）のシート搬送経路が略平行であり、反転胴（１６）が両手段（１５）、（１７）の間に移動可能に配設されており、シート（３）の長さに応じて該反転胴（１６）が両手段（１５）、（１７）のシート搬送経路と平行に移動する請求項１記載のシート反転装置。