JP3624289B2 - ポンプ振動監視方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポンプの原動機加振力、流体加振力等によるポンプ運転時の振動を防止あるいは減少させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
振動予知のためには振動値のみを監視する方法が採られることが多い。例えば特開10−176950号公報記載の「振動監視装置」では、振動監視の対象となる装置の振動について過去から現在までの振動状態の変化を初期の振動値に対する相対値で視覚的に認識できるよう表示する振動監視装置をキャンドモーターポンプに適用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ポンプ運転時の振動を予知・防止するための従来技術の振動値のみを監視する方法では、初期の振動測定値との相対比較で判定するしかなく、共振により振動が大きくなるまで感知できない。このため、共振により過大な振動が生ずるおそれがあった。
【0004】
本願発明の目的は、共振により振動が大きくなるまえに、ポンプ運転時の過大な振動を予知・防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るポンプの振動を予知し防止する方法及び装置の基本的な部分は次の二つから成る。
【0006】
その一つは、ポンプの複数箇所、例えばケーシングやその支持構造物、原動機支持構造物、ベンド管部の、立軸方向及び水平方向の振動と、配管あるいはケーシングの内部流体の圧力を計測し、通常の共振関係(加振振動数=固有振動数)だけでなく、パラメトリック励振の発生条件を監視することにより、振動発生を予知、警告することである。
【0007】
他の一つは、ポンプ運転条件及び上記計測・監視データを保存しておき、連続運転時や運転条件変更時に参照可能とすることである。
【0008】
パラメトリック励振の発生条件の一つは、立軸方向の加振振動数fvが、水平方向の固有振動数fhnの2倍の振動数の近傍にあることであり、具体的には水平方向の固有振動数fhnの2倍の振動数を含んで設定される警報領域にあることである。警報領域の幅は、立軸方向の振動の加速度の大きさに応じて設定する必要はある。
【0009】
パラメトリック励振の発生条件の他の一つは、ポンプ内部の水の圧力変動に起因する加振振動数fpが、水平方向の固有振動数fhnの2倍の振動数の近傍にあることであり、具体的には水平方向の固有振動数fhnの2倍の振動数を含んで設定される前記警報領域にあることである。
【0010】
パラメトリック励振の発生条件のさらに他の一つは、立軸方向の固有振動数fvnが、水平方向の固有振動数fhnに対して、0.975≦2fhn/fvn≦1.025の条件を満たし、かつ、水平方向の加振力の加振振動数fh ≒fhn(fhがfhnの±5%の範囲内)または立軸方向の加振力の加振振動数fv≒fvn(fv がfvn の±5%の範囲内)の条件が満たされることである。
【0011】
前記各加振振動数、固有振動数は、ポンプの複数箇所に取りつけた加速度計で計測した立軸方向や水平方向の振動のデータの周波数分析結果、ポンプの複数箇所に取りつけた圧力計で計測したポンプ内の水の圧力変動のデータの周波数分析結果に基いて算出できる。
【0012】
算出された前記各加振振動数、固有振動数に基いて、前記パラメトリック励振の発生条件のいずれかが成立するかどうかを判断する。前記パラメトリック励振の発生条件のいずれかが成立すると判断されたら、振動増大の危険性ありとして警報を出力する。また、警報出力に併せて、ポンプ運転条件の変更を指示する制御信号を出力する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るポンプ設備を示す断面図で、図示のポンプ設備は、建屋7に形成された吸込水路13と、この吸込水路13の水を排水するポンプ系32と、ポンプ系32に付属して設けられた制御部を含んで構成されている。
【0014】
ポンプ系32は、吸込水路13の水面下に回転軸を上下方向にし吸込口12を下方に向けて配置されたポンプ部1と、ポンプ部1の上側にポンプ部1と同心状に結合された円筒状の吐出側ケ−シング5と、吐出側ケ−シング5の上側に結合されたベンド管11と、ベンド管11の下流端に軸線を水平にして結合された吐出弁8と、吐出弁8の出側に接続された吐出配管9と、ベンド管11の上部に結合された原動機台10と、原動機台10に設置され前記ポンプ部1と上下方向に配置された駆動軸4で結合されてポンプ部1を駆動する減速機3及び原動機2と、吐出側ケ−シング5の外周に固着されてポンプ系全体を建屋7に結合して支持する支持構造物6と、を含んで構成されている。すなわち、ポンプ系32は、水路水面と垂直方向に水を吸込む立軸ポンプからなっている。
【0015】
制御部は、図2に示すように、ポンプ系32に装着された加速度計15〜23及び圧力計24〜26と、加速度計15〜23及び圧力計24〜26に接続されたA/D変換器27と、A/D変換器27に接続されたFFTアナライザ28と、FFTアナライザ28に接続された演算・表示・保存・参照部29と、演算・表示・保存・参照部29に接続されたポンプ制御装置31と、を含んで構成され、ポンプ制御装置31は、ポンプ系32に接続されて原動機2及び減速機3を介してポンプ部1を駆動し、制御する。演算・表示・保存・参照部29は、インターネット30に接続されている。ポンプ制御装置31は、図示されていない入出力装置を介して入力されるポンプ系の運転管理者の操作指示による他、図示されていないセンサの信号を入力として生成される内装された制御プログラムによる自動制御信号、演算・表示・保存・参照部29から入力される制御信号、インターネット30を介して入力される制御信号等により、ポンプ系32の運転や吐出弁8の開度を制御する。
【0016】
振動検出手段である加速度計15、16、17、18、21、22は、管の軸方向と周方向の加速度成分を連続的に計測するもので、同じく振動検出手段である加速度計19、20は、支持構造物6の上面の互いに同じ高さの位置に設置され、上下方向の加速度成分を連続的に計測するものである。振動検出手段である加速度計23は、原動機2の上面中央に設置され、立軸方向の振動の加速度成分を計測する。加速度計15、17、21は、それぞれ上下方向の高さ(駆動軸をz軸としたとき、z軸方向の位置)が異なる、吸込口12、吐出側ケ−シング5、原動機台10の外周面にに設置され、いずれも管の上下の中心軸(z軸)を含むx−z面の面内の軸方向加速度とx−z面に直交する周方向の加速度を測定するように配置されている。加速度計16、18、22は、それぞれ吸込口12、吐出側ケ−シング5、ベンド管11の外周面のそれぞれ対応する加速度計15、17、21と同じ高さに設置され、いずれも管の上下の中心軸(z軸)を含むy−z面(前記x−z面と直角に交わる面)の面内の軸方向加速度とy−z面に直交する周方向の加速度を測定するように配置されている。また、加速度計19はx−z面の面内の加速度を測定するように配置され、加速度計20は、y−z面の面内の加速度を測定するように配置されている。つまり、加速度計15、17、19、21と加速度計16、18、20、22は、管の上下の中心軸(駆動軸つまりz軸)を原点とするx−y平面上で、90度ずれた位置に配置されている。
【0017】
圧力検出手段である圧力計24は、加速度計15とほぼ同位置に設けられ吸込側の変動圧力を連続的に計測するもので、同じく圧力検出手段である圧力計25、26は、加速度計17、22とほぼ同位置に設けられて吐出側の変動圧力を計測する。
【0018】
加速度計15〜23及び圧力計24〜26とA/D変換器27とFFTアナライザ28と演算・表示・保存・参照部29で、計測データ処理システムが構成されている。
【0019】
以下、上記構成の実施の形態の動作について説明する。ポンプ運転時に、図2に示す計測データ処理システムにより、加速度計15〜23と圧力計24〜26の信号をA/D変換器27でデジタル化した後、FFTアナライザ28を用いてフーリェスペクトルを計算し、圧力変動の周波数を求める。また、圧力信号を入力、振動値を応答として周波数応答関数(振幅比と位相)をFFTアナライザ28を用いて求める。図6にフーリェスペクトルの例を示し、図7に周波数応答関数の例を示す。
【0020】
演算・表示・保存・参照部29では、FFTアナライザ28から出力されるフーリェスペクトルや周波数応答関数を用いて、まず立軸方向の振動モードの固有振動数を決定する。軸方向の加速度成分を計測する複数の加速度信号の周波数応答関数から、共通するピークの周波数を選び、圧力との位相が±90゜に近い場合、管系の立軸方向の固有振動数fvnと決定する。圧力との位相が±90゜に近いことは、共振していることを意味する。立軸方向の振動モードであることの判定には、支持構造物に設けた加速度計19、20の信号の周波数応答関数やフーリェスペクトルの共通するピークの周波数の振幅値(絶対値)がほぼ同等の大きさであることが有力な根拠となる。
【0021】
演算・表示・保存・参照部29は、同様に、周方向の加速度成分を計測する複数の加速度信号を図1におけるx−z面或はy−z面の成分に分け、それぞれの周波数応答関数から共通するピークの周波数を選び、圧力との位相が±90゜に近い場合、管系のx−z面或はy−z面内の水平方向の固有振動数fhnと決定する。管系の水平方向の振動モードであることの判定には、支持構造物に設けた加速度計19、20の信号の周波数応答関数やフーリェスペクトルの共通するピークの周波数のスペクトル値がどちらか一方が卓越して大きく他方はゼロに近いことが有力な根拠となる。加速度計19、20の信号から得られた結果のうち、大きい方が含まれる面内で管系が水平方向に振動するモードとなる。
【0022】
演算・表示・保存・参照部29は、次に、軸方向の加速度成分を計測する複数の加速度信号のフーリェスペクトルから、共通するピークの振動数を選び、管系の立軸方向の加振力の加振振動数fvを決定する。立軸方向の強制振動成分であることの判定には、支持構造物に設けた加速度計19、20の信号のフーリェスペクトルの共通するピークの振動数のスペクトル値がほぼ同等の大きさであることが有力な根拠となり、この振動数で立軸方向に加振される。
【0023】
同様に演算・表示・保存・参照部29は、周方向の加速度成分を計測する複数の加速度信号のフーリェスペクトルのピークを求め、図1におけるx−z面或はy−z面の成分に分けて、それぞれの面内の水平方向の加振力の加振振動数fhを決定する。管系の水平方向の強制振動成分であることの判定には、支持構造物に設けた加速度計19、20の信号のフーリェスペクトルの共通するピークの周波数のスペクトル値がどちらか一方が卓越して大きく他方はゼロに近いことが有力な根拠となる。大きいほうが含まれる面内で管系が水平方向に加振される。
【0024】
これらの加振力は原動機、ポンプ、減速機等から生ずる。
【0025】
圧力計の信号のフーリェスペクトルから、変動圧力による加振振動数fpが得られる。
【0026】
演算・表示・保存・参照部29は、次に、加振振動数と固有振動数の関係を監視して、共振の恐れがある時警告を出す。一般の共振現象である加振振動数と固有振動数が一致する場合は、当然のことである。ここでは、特に以下の場合について判定し、必要に応じ警告信号を出力する。まず、立軸方向の加振振動数fvがx−z面或はy−z面内の水平方向の固有振動数fhn のほぼ2倍になると、水平方向の振幅が大きくなる恐れがある。これはパラメトリック励振現象と呼ばれる。パラメトリック励振現象の模式図を図4に示す。水平方向の振動1周期の間に軸方向の振動が2周期生ずる。すなわち、立軸方向の振動数が水平方向の固有振動数のほぼ2倍になっている。立軸ポンプでこの条件を満たす立軸方向の加振振動数が加わると水平方向の振動が生じやすいことになる。この条件を満たす場合、警告を発し回転数を変更してこの危険な条件を変更することを指示する。立軸方向の加振源としては上述の原動機、ポンプ、減速機等がある。
【0027】
この場合のパラメトリック励振が生じる恐れの多い立軸方向の加振振動数fvの範囲は、x−z面或はy−z面内の水平方向の固有振動数fhn の2倍の周波数を中心にした領域であるが、領域の広さは、立軸方向の加速度に関連している。図8は、立軸方向の振動の加速度の大きさを縦軸に取り、立軸方向の加振振動数fvを横軸にとって、パラメトリック励振が生じる危険性のある立軸方向の加振振動数領域(警報領域)を、曲線Aの内側として示している。すなわち、立軸方向の振動の加速度が小さければ、パラメトリック励振が生じる危険性のある立軸方向の加振振動数fvの範囲も狭まる。したがって、パラメトリック励振が生じる危険性のある立軸方向の加振振動数fvの領域の広さは、実際のプラントの、立軸方向の振動の加速度のレベルに応じて、前記x−z面或はy−z面内の水平方向の固有振動数fhn の2倍の周波数の両側に設定するのが望ましい。
【0028】
図8の場合、対象のポンプ系に生じる立軸方向の振動の加速度のレベルを考慮して、パラメトリック励振が生じる危険性のある立軸方向の加振振動数fvの範囲、すなわち警報領域が、2fhn−2fhn×0.05≦fv≦2fhn+2fhn×0.05に設定されている。立軸方向の加振振動数fvがこの警報領域にあるときは、振動増大の危険性を示す警報を出力し、ポンプ系の運転管理者に対応を促すか、前記図2に示すポンプ制御装置31により、運転条件を変更することになる
また、変動圧力の振動数をfpとするとベンド管11の立軸方向加振力の振動数がfpとなる。立軸方向加振力の振動数fpがx−z面或はy−z面内の水平方向の固有振動数fhn のほぼ2倍(2fhn−2fhn×0.05≦fp≦2fhn+2fhn×0.05)になると、パラメトリック励振現象により立軸方向加振によって水平方向の振幅が大きくなる恐れがある。この条件を満たす場合、演算・表示・保存・参照部29は、警告信号を発し、ポンプ回転数を変更してこの危険な状態を惹起している運転条件を変更することを指示する。ここでいう運転条件は、図5に示されているように、ポンプ吐出流量、ポンプ回転数、ポンプ吐出圧力、吸込み水位の組合せであり、これらの値を少なくとも一つ変えることで振動状態が変化し、前記危険な状態を回避することができる。
【0029】
更に、加振振動数fe(fh,fv)と立軸方向固有振動数fvn、水平方向固有振動数fhnの間の関係をチェックする。fvn ≒2fhn(0.975≦2fhn/fvn≦1.025)の内部共振条件を満たし、且つfh≒fhn(fhがfhnの±5%の範囲内)またはfv≒fvn(fvがfvn の±5%の範囲内)の時、小さい加振力でパラメトリック励振が発生する恐れがある。この条件を満たす場合、演算・表示・保存・参照部29は警告信号を発し、ポンプ回転数を変更してこの危険な状態を惹起している運転条件を変更することを指示する。
【0030】
上述の手順の流れを図3のフローチャートに示す。演算・表示・保存・参照部29は、図3に示す演算処理を予め定められている時間間隔で実行し、パラメトリック励振による振動増大の恐れがないかどうかを判定する。連続運転時や運転条件変更時には、加振振動数と固有振動数を演算・表示・保存・参照部29により表示し、上記の振動数関係により不安定振動発生の危険性の有無判定を行い、パラメトリック励振の条件を満たす場合、警告信号を発し、ポンプ制御装置31によりポンプ回転数を変更するなどの対応をして安定条件下の運転モードにする。
【0031】
演算・表示・保存・参照部29としてパソコンを使用し、このパソコンをインターネット30に接続して前記フーリェスペクトルや周波数応答関数、さらには前記fh,fv、fhn,fvnをインターネット30に接続した端末から読み出せるようにすることにより、関係者は遠隔地から振動状態を参照し、パラメトリック励振の条件を満たす場合、警告を発し、ポンプ制御装置31により回転数変更などの対応処置ができる。
【0032】
上記実施の形態のポンプ設備は、吸込水位、回転数、流量、吐出圧力などの条件を変えて運転される場合がある。このため、図5に示すようにポンプ吐出流量、ポンプ回転数、吐出圧力、吸込水位等の運転条件を、前記ポンプ制御装置31を介して、演算・表示・保存・参照部29に、所定の時間間隔で取りこんで記憶格納するとともに、それら運転条件のデータを取りこむ各時点での、前記各加振振動数及び固有振動数ならびに警報出力の有無を併せて記憶格納しておき、連続運転時や運転条件変更時に参照することにより、振動発生を予知し、防止することができる。また、演算・表示・保存・参照部29にパソコンを使用し、このパソコンをインターネット30に接続して前記図5に示すデータをインターネット30に接続した端末から読み出せるようにすることにより、関係者が離れた場所から過去及び現在の運転条件と振動の関係を参照するための装置を提供できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、広範囲の運転状態の立軸ポンプの振動増大を予知・防止あるいは減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るポンプ設備を示す側面図である。
【図2】図1に示す実施の形態における計測データ処理システムの要部構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す実施の形態における計測データ処理システムの演算処理の流れを示す手順図である。
【図4】図1に示す実施の形態における水平方向振動と立軸方向振動の振動数関係の例を示す概念図である。
【図5】図1に示す実施の形態において採取され格納される運転条件と加振振動数及び固有振動数のデータを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態によるフーリエスペクトルの例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態による周波数応答関数の例を示す図である。
【図8】パラメトリック励振の恐れのある周波数領域の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ポンプ部
2 原動機
3 減速機
4 駆動軸
5 吐出ケ−シング
6 支持構造物
7 建屋
8 吐出弁
9 吐出配管
10 原動機台
11 ベンド管
12 吸込口
13 吸込水路
14 水表面
15〜23 加速度計
24〜26 圧力計
27 A/D変換器
28 FFTアナライザ
29 演算・表示・保存・参照部
30 インターネット
31 ポンプ制御装置
32 ポンプ系

Claims (11)

  1. 上下方向に配置された駆動軸を備え、水面下に位置する吸込み口から水面と垂直の方向に水を吸込む立軸ポンプを有してなるポンプ系の振動監視方法であって、ポンプ立軸方向の加振振動数を検出して監視し、検出したポンプ立軸方向の加振振動数が、ポンプ水平方向の固有振動数の2倍の振動数を含む予め定めた警報領域にあるとき、振動増加の危険性を警報するものとし、
    ポンプ運転中に、ポンプ水平方向の固有振動数を検出し、前記警報領域は、検出されたポンプ水平方向の固有振動数に基いて設定されることを特徴とするポンプ系の振動監視方法。
  2. 上下方向に配置された駆動軸を備え、水面下に位置する吸込み口から水面と垂直の方向に水を吸込む立軸ポンプを有してなるポンプ系の振動監視方法であって、加振力の振動数を検出するとともに、ポンプの立軸方向の固有振動数fvn及び水平方向の固有振動数fhnを検出し、立軸方向の固有振動数fvnが水平方向の固有振動数fhnに対して、0.975≦2fhn/fvn≦1.025の関係にあり、かつ、加振力の振動数が立軸方向或いは水平方向の固有振動数に近くなったとき、振動増加の危険性を警報するポンプ系の振動監視方法。
  3. 回転の駆動軸を上下方向にし、吸込み口を水面下に位置させて設置され、水面と垂直の方向に水を吸込む立軸ポンプを有してなるポンプ系の振動監視方法であって、ポンプ上下方向高さの異なる複数箇所それぞれで、上下方向の振動と、互いに直交する水平2方向の振動を計測するとともに、ポンプの少なくとも2箇所でポンプ内部の水の圧力変化を計測し、計測した信号のそれぞれを周波数分析して立軸方向の加振振動数を検出、監視し、立軸方向の加振振動数がポンプ水平方向の固有振動数の2倍の振動数を含む予め定めた警報領域にあるとき、振動増加の危険性を警報する手順を含んでなるポンプ系の振動監視方法。
  4. 回転の駆動軸を上下方向にし、吸込み口を水面下に位置させて設置され、水面と垂直の方向に水を吸込む立軸ポンプを有してなるポンプ系の振動監視方法であって、ポンプ上下方向高さの異なる複数箇所それぞれで、上下方向の振動と、互いに直交する水平2方向の振動を計測するとともに、ポンプの少なくとも2箇所でポンプ内部の水の圧力変化を計測し、計測した信号のそれぞれを周波数分析して圧力変動の振動数を検出、監視し、圧力変動の振動数がポンプ水平方向の固有振動数の2倍の振動数を含む予め定めた警報領域にあるとき、振動増加の危険性を警報する手順を含んでなるポンプ系の振動監視方法。
  5. 請求項3又は4に記載のポンプ系の振動監視方法において、ポンプ運転中に、計測した前記信号を周波数分析してポンプ水平方向の固有振動数を検出し、前記警報領域は、検出されたポンプ水平方向の固有振動数に基いて設定されることを特徴とするポンプ系の振動監視方法。
  6. 回転の駆動軸を上下方向にし、吸込み口を水面下に位置させて設置され、水面と垂直の方向に水を吸込む立軸ポンプを有してなるポンプ系の振動監視方法であって、ポンプ上下方向高さの異なる複数箇所それぞれで、上下方向の振動と、互いに直交する水平2方向の振動を計測するとともに、ポンプの少なくとも2箇所でポンプ内部の水の圧力変化を計測し、計測した信号のそれぞれを周波数分析して加振力の振動数を検出するとともに、ポンプの立軸方向の固有振動数fvn及び水平方向の固有振動数fhnを検出し、立軸方向の固有振動数fvnが水平方向の固有振動数fhnに対して、0.975≦2fhn/fvn≦1.025の関係にあり、かつ、加振力の振動数が立軸方向或いは水平方向の固有振動数に近くなったとき、振動増加の危険性を警報するポンプ系の振動監視方法。
  7. 回転軸を上下方向にして設置されたポンプと、このポンプの下面に結合され下方に向かって開口する吸込み口と、前記ポンプの上面に軸線を上下方向にして結合された円筒状の吐出ケーシングと、前記吐出ケーシングの上端部に結合されたベンド管と、前記ベンド管上面に取りつけられた原動機支持構造物と、前記吐出ケーシングの内部に軸線を上下方向にして配置され、下端が前記ポンプの回転軸に結合された駆動軸と、前記原動機支持構造物に取りつけられた減速機を介して前記駆動軸を回転駆動する原動機と、前記吐出ケーシングの外周に結合されて、少なくとも前記ポンプ、原動機、減速機、吐出ケーシング、ベンド管の重量をポンプ据付座に伝達する支持構造物と、を有してなるポンプ系の振動監視方法であって、前記吐出ケーシング、支持構造物、原動機支持構造物及びベンド管のうちの複数箇所で立軸方向及び互いに直交する水平2方向の振動を計測し、前記吐出ケーシング、吸込み口、及びベンド管のうちの少なくとも2箇所で内部の流体の圧力変化を計測し、計測結果として出力された信号を周波数分析して立軸方向の加振振動数を検出して監視し、立軸方向の加振振動数が水平方向の固有振動数の2倍の振動数を含む予め定められた警報領域にあるとき、振動増加の危険性を警報するポンプ系の振動監視方法。
  8. 回転軸を上下方向にして設置されたポンプと、このポンプの下面に結合され下方に向かって開口する吸込み口と、前記ポンプの上面に軸線を上下方向にして結合された円筒状の吐出ケーシングと、前記吐出ケーシングの上端部に結合されたベンド管と、前記ベンド管上面に取りつけられた原動機支持構造物と、前記吐出ケーシングの内部に軸線を上下方向にして配置され、下端が前記ポンプの回転軸に結合された駆動軸と、前記原動機支持構造物に取りつけられた減速機を介して前記駆動軸を回転駆動する原動機と、前記吐出ケーシングの外周に結合されて、少なくとも前記ポンプ、原動機、減速機、吐出ケーシング、ベンド管の重量をポンプ据付座に伝達する支持構造物と、を有してなるポンプ系の振動監視方法であって、前記吐出ケーシング、支持構造物、原動機支持構造物及びベンド管のうちの複数箇所で立軸方向及び互いに直交する水平2方向の振動を計測し、前記吐出ケーシング、吸込み口、及びベンド管のうちの少なくとも2箇所で内部の流体の圧力変化を計測し、計測結果として出力された信号を周波数分析して圧力変動の振動数を検出して監視し、圧力変動の振動数が水平方向の固有振動数の2倍の振動数を含む予め定められた警報領域にあるとき、振動増加の危険性を警報するポンプ系の振動監視方法。
  9. 請求項またはに記載のポンプ系の振動監視方法において、ポンプ運転中に、計測結果として出力された前記信号を周波数分析してポンプ水平方向の固有振動数を検出し、前記警報領域は、検出されたポンプ水平方向の固有振動数に基いて設定されることを特徴とするポンプ系の振動監視方法。
  10. 回転軸を上下方向にして設置されたポンプと、このポンプの下面に結合され下方に向かって開口する吸込み口と、前記ポンプの上面に軸線を上下方向にして結合された円筒状の吐出ケーシングと、前記吐出ケーシングの上端部に結合されたベンド管と、前記ベンド管上面に取りつけられた原動機支持構造物と、前記吐出ケーシングの内部に軸線を上下方向にして配置され、下端が前記ポンプの回転軸に結合された駆動軸と、前記原動機支持構造物に取りつけられた減速機を介して前記駆動軸を回転駆動する原動機と、前記吐出ケーシングの外周に結合されて、少なくとも前記ポンプ、原動機、減速機、吐出ケーシング、ベンド管の重量をポンプ据付座に伝達する支持構造物と、を有してなるポンプ系の振動監視方法であって、前記吐出ケーシング、支持構造物、原動機支持構造物及びベンド管のうちの複数箇所で立軸方向及び互いに直交する水平2方向の振動を計測し、前記吐出ケーシング、吸込み口、及びベンド管のうちの少なくとも2箇所で内部の流体の圧力変化を計測し、計測結果として出力された信号を周波数分析して加振力の振動数を検出するとともに、ポンプの立軸方向の固有振動数fvn及び水平方向の固有振動数fhnを検出し、立軸方向の固有振動数fvnが水平方向の固有振動数fhnに対して、0.975≦2fhn/fvn≦1.025の関係にあり、かつ、加振力の振動数が立軸方向或いは水平方向の固有振動数に近くなったとき、振動増加の危険性を警報するポンプ系の振動監視方法。
  11. 請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のポンプ系の振動監視方法において、前記ポンプの吐出流量、回転数、吐出圧力、吸込み水位を含む運転条件を所定の時間間隔で取りこんで記憶格納するとともに、前記運転条件を取りこむ各時点での前記決定した各加振振動数と固有振動数および警報出力の有無を記憶格納し、ポンプ運転条件変更時には、変更後の運転条件での警報出力の有無を格納記憶している前記データに基いて判定するよう構成されていることを特徴とするポンプ系の振動監視方法。
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