JP3623780B2 - ごみ焼却施設における白煙防止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業廃棄物や一般廃棄物を焼却するごみ焼却施設、特に中小規模の産業廃棄物焼却処理施設における白煙防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ごみ焼却施設の排ガス処理設備は、ダイオキシン対策のために電気集じん器方式からバグフィルタ方式へと変更され、それに伴ってバグフィルタに導入される排ガスの温度は、濾布の耐熱温度の制約や除去効率等の点から、以前の約300℃から170〜200℃へと大幅に低下した。
【0003】
そのため、外気温度及び湿度が低下する時間帯及び季節には、従来にも増して排ガス中に含有される水分が白煙と化して周辺住民のひんしゅくを買うために、中小規模施設に多い水噴射式ごみ焼却施設、あるいは湿式洗煙装置を備えた施設には白煙防止装置が不可欠なものとなった。
【0004】
図4は、従来の白煙防止装置を含むごみ焼却施設のうち、竪型焼却炉で水噴射式ガス冷却装置を備えた施設を代表例として、該施設における排ガス及び空気に関する概略フローを示す。
【0005】
まず、太線で示す排ガスの流れに沿って説明する。
【0006】
図4において、投入ホッパa1 から竪型焼却炉a内に投入された、水分を含むごみの燃焼によって発生した800〜950℃の燃焼ガスb1 は、水噴射式ガス冷却装置cへの冷却水c1 によって450℃前後まで冷却された高温排ガスb2 となり、次いで、余熱利用設備を構成する燃焼用空気予熱器d1 、温水用空気加熱器d2 、及び白煙防止(以下、白防と略称する。)用空気加熱装置eに流入する。この白防用空気加熱装置eは、複数基(図示例では4基)の空気加熱器e1 〜e4 で構成されている。
【0007】
ここで高温排ガスb2 は、燃焼用空気予熱器d1 及び、温水用空気加熱器d2 において後述の熱交換を行い、350〜400℃まで温度降下した中温排ガスb3 となり、続いて、白防用空気加熱装置eを通過することにより、さらに170〜200℃まで減温された減温排ガスb4 となり、バグフィルタfに導入されて、150〜180℃で水分30〜40%の中温多湿の処理ガスb5 となって誘引通風機gに吸引されて混合煙道hに到達する。
【0008】
次に、細い実線で示す空気の流れに沿って説明すると、燃焼用空気d11は、押込送風機d12により、図示しないごみピット部から常温で吸引され、燃焼用空気予熱器d1 で昇温された燃焼空気d13となり、竪型焼却炉aの下方の灰層a2 部及び中部の火炎層a3 から炉内に送入される。
【0009】
また、温水用空気加熱器d2 により加熱された空気d21は、温水用送風機d22によって、温水用空気加熱器d2 と温水貯槽d23との間を循環して、温水貯槽d23内の温水を昇温させる。
【0010】
さらに、白防用空気送風機e51によって吸引された、常温で水分率が低い白防冷空気e52は、白防用空気加熱装置eで加熱されて160〜180℃の中温低湿の白防温空気e53となって混合煙道hに送られ、上述の中温多湿の処理ガスb5 と混合して、白煙が発生しない状態である例えば水分15〜17%程度の清浄ガスjとなり、図示しない煙突から大気中に放出される。
【0011】
ここで、ごみ焼却施設に搬入されるごみは収集地区や季節により可燃分や水分の割合が異なり、特に、産業廃棄物は高発熱量物や難燃物・不燃物の混入割合が大きく変化して性状にばらつきが多いために、焼却状況は時々刻々と変動し、各調節機能を働かせても、発生する燃焼ガスb1 の温度及び量を完全に一定化することはできない。
【0012】
この燃焼ガスb1 の変動の上に、燃焼状況調節のための燃焼用空気予熱器d1 の吸収熱量変動と、間歇的に増減する温水用空気加熱器d2 の熱負荷変化が加わるために、各排ガスb2 〜b5 の温度及びガス量は変動を続けるのが常である。
【0013】
しかし、バグフィルタfの耐熱性及び除去性能の関係から、減温排ガスb4 のガス量が変動しても、バグフィルタfの入口ガス温度は略一定にすることが望ましいため、ガス冷却装置cでの吸収熱量あるいは白防冷空気e52の送風量を調節して対処するようになされている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、ごみ焼却施設に搬入されるごみの性状は季節や時間によって大きく変動するとともに、投入ホッパa1 から焼却炉aに投入されるごみの発熱量などもその都度大きく変化している。
【0015】
これに伴って焼却炉aへの燃焼空気d13の供給量と温度及び、煙突に排出される処理ガスb5 の量と温度なども大きく異なるとともに、外気条件も季節や時間と共に変動するため、上述の処理ガスb5 を加熱するための白防用空気加熱装置eの容量は、最悪の状況変動に対応できるものにする必要があり、常時はフル稼働しない大容量の物を設置せざるを得ないことになり、特に中小規模の産廃焼却処理施設には重い負担になっていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のごみ焼却施設における白煙防止方法は、ごみ焼却炉の下流に、ガス冷却装置と燃焼用空気予熱器と白煙防止用空気加熱装置を備え、水噴射や熱交換により減温された排ガスをバグフィルタで浄化したのち、混合煙道を介して煙突から放出する産業廃棄物や一般廃棄物を焼却するごみ焼却施設における白煙防止方法であって、
ごみ焼却施設周辺の外気温度と外気湿度を計測し、これらの外気条件に基づいて目標排ガス温度を算出し、煙突から排出される清浄ガスの単位時間平均温度が前記目標排ガス温度未満であることに応答して、前記燃焼用空気加熱器で昇温されてから炉内に送入される燃焼空気の供給量を段階的に数%ずつ絞り込んだのち、ごみ供給量を逓減し、前記排ガスの発生量を減少させることにより、前記混合煙道に送入される前記白煙防止用空気加熱装置で昇温された白防空気の前記清浄ガス中に占める相対比率が向上するよう制御することを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明のごみ焼却施設における白煙防止方法は、バグフィルタ下流の排ガス中のCO濃度を計測し、その単位時間平均値が50ppm以下であるとともに、バグフィルタ入口で計測した排ガス温度が規定値未満であることに応答して、ガス冷却装置に供給する冷却水の供給量を段階的に減少させてバグフィルタ入口の排ガス温度を上昇させることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の請求項1に係るごみ焼却施設における白煙防止方法の制御系の概略を示すブロックフロー図であり、図2は同じく請求項2に係る制御系の概略を示すブロックフロー図である。
【0020】
なお、ごみ焼却施設の全体構成については、図4に述べた従来技術と同様であり、同一気体及び液体に対しては同一符号を付し、詳細説明は省略する。
【0021】
図1において、大気中の温度及び相対湿度を計測(ステップS1)することにより、既知の白煙防止線図、例えば図3に示すような白煙防止線図と照合して、白煙防止限界関数を算出(ステップS2)して目標排ガス温度を計算し(ステップS3)、煙突から排出される清浄ガスjの単位時間平均温度と比較する(ステップS4) 。
【0022】
この比較の結果、清浄ガスjの単位時間平均温度が上記目標排ガス温度(計算値)よりも高ければ、そのまま運転を継続する(ステップS5)が、低ければ、まず灰層a2 及び火炎層a3 に供給する燃焼空気d13の供給量を段階的に数%ずつ絞り込むことにより発生する燃焼ガスb1 を低減させ(ステップS6)、続いて投入ホッパa1 からのごみ供給量を逓減させて(ステップS7)燃焼ガスb1 をさらに減少させることにより、後続の各排ガスb2 〜b5 のガス量を減少させる。
【0023】
この一連の操作により、減量された処理ガスb5 に対して一定量を供給し続ける低湿度の白防温空気e53の比率が高くなって、清浄ガスjの水分率が降下するため白煙の発生を防止できる。
【0024】
なお、上述の操作による焼却量の不足分については、気象条件回復後または、操業時間延長によって補うものとする。
【0025】
次に、図2において、清浄ガスjの単位時間平均温度が目標排ガス温度よりも低い場合に(ステップS4) 、減温排ガスb4 の温度が規定値(例えば170℃)よりも低ければ(ステップS11)、ダイオキシン類発生防止の目安である、処理ガスb5 中のCO濃度の単位時間平均値が50ppm以下であるという条件範囲内で(ステップS12)、減温排ガスb4 の温度を規定値まで上昇させるために、冷却水c1 の供給量を段階的に減少させる(ステップS13)ことにより高温排ガスb2 の温度を上昇せしめてバグフィルタfの入口温度を上昇させ、なおかつ清浄ガスjの温度が目標排ガス温度より低い場合には、ステップS6に戻って燃焼ガスb1 の低減を計ることにより白煙発生を防止することができる。
【0026】
上述の各操作は、天気予報などの大気条件の予測により、事前に準備するのが望ましいが、コンピュータの処理プログラムによって即応させてもよい。
【0027】
なお、焼却炉aを竪型焼却炉で説明したが横型ストーカ式焼却炉でも差し支えなく、またガス冷却装置cを水噴射式で説明したが廃熱ボイラ冷却式に適用しても差し支えない。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のごみ焼却施設における白煙防止方法によれば、通常予想される範囲内の気象条件に対応可能な、あるいは経済的限度を考慮した白防用空気加熱装置を設備し、それ以上に気象条件が悪化した場合には、ごみ焼却量を低減する方式であるために、経済的な設備費に納めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のごみ焼却施設における白煙防止方法の制御系の概略を示すブロックフロー図である。
【図2】同じく本発明のごみ焼却施設における白煙防止方法の制御系の概略を示すブロックフロー図である。
【図3】白煙防止線図の一例を示す図である。
【図4】従来の白煙防止装置を含むごみ焼却施設における排ガス及び空気に関する概略フローを示す図である。
【符号の説明】
a 竪型焼却炉
c 水噴射式ガス冷却装置
c1 冷却水
d13 燃焼空気
f バグフィルタ
Claims (2)
- ごみ焼却炉の下流に、ガス冷却装置と燃焼用空気予熱器と白煙防止用空気加熱装置を備え、水噴射や熱交換により減温された排ガスをバグフィルタで浄化したのち、混合煙道を介して煙突から放出する産業廃棄物や一般廃棄物を焼却するごみ焼却施設における白煙防止方法であって、
ごみ焼却施設周辺の外気温度と外気湿度を計測し、これらの外気条件に基づいて目標排ガス温度を算出し、煙突から排出される清浄ガスの単位時間平均温度が前記目標排ガス温度未満であることに応答して、前記燃焼用空気加熱器で昇温されてから炉内に送入される燃焼空気の供給量を段階的に数%ずつ絞り込んだのち、ごみ供給量を逓減し、前記排ガスの発生量を減少させることにより、前記混合煙道に送入される前記白煙防止用空気加熱装置で昇温された白防空気の前記清浄ガス中に占める相対比率が向上するよう制御することを特徴とするごみ焼却施設における白煙防止方法。 - バグフィルタ下流の排ガス中のCO濃度を計測し、その単位時間平均値が50ppm以下であるとともに、バグフィルタ入口で計測した排ガス温度が規定値未満であることに応答して、ガス冷却装置に供給する冷却水の供給量を段階的に減少させてバグフィルタ入口の排ガス温度を上昇させることを特徴とする請求項1記載のごみ焼却施設における白煙防止方法。
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