JP3623590B2 - 加硫金型の清浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、排気部をもつ真空処理槽と、該処理槽内部でプラズマを生成する少なくとも一方の電極と、プラズマ生成のための反応ガスを導入する導入部と、プラズマによる清浄対象の加硫金型を支持する支持体とを備える加硫金型の清浄装置に関し、特に所定配合になるエラストマ又はこのエラストマと補強材との複合部材を繰り返し加硫成形する加硫金型に形成される加硫残滓を有利に清浄し得る清浄装置に関し、ここに加硫残滓とはエラストマ、とりわけゴムに配合したカーボンブラック、硫黄、亜鉛華などを配合した未加硫ゴム組成物に高温度下で加硫成形を繰り返し施すことにより、この組成物からガス化した物質が不可避的に加硫金型のキャビティ表面に密着してこびり付いた堆積物を言う。
【0002】
【従来の技術】
加硫金型には各種のエラストマ乃至補強材を有するエラストマ物品を加硫成形するものがあり、ここでは代表としてゴムタイヤの加硫成形用金型につき以降述べる。タイヤ用加硫金型にも各種のものが知られていて、二つの典型例のその一の例は上下二つ合わせモールドであり、その二の例はいわゆる割りモールドである。特に後者について触れると、割りモールドはその円周に沿って多分割、例えば9分割したセグメントと、これらセグメントと係合してタイヤのサイドウォール部とビード部との外側表面を形成する部材など多数個の部材とを有し、モールドは非稼働位置と稼働位置との間で各セグメント相互間及び各セグメントと各部材との相互間で離合乃至摺動を繰り返す構成を有する。
【0003】
上記二つの例の加硫金型は何れも内側部分にタイヤのトレッドゴムに各種の溝やサイプ(スリット)からなるパターンを形成するためのリブ(溝形成用)や薄板金属片(サイプ形成用)を内側に備えていて、そのうちリブは金型の内側金属、慣例としてアルミニューム合金と一体に造り込むか、もしくは別途製造して内側金属に離脱自在に取付けるかして薄板金属片と共に内周面を形成する。従って加硫金型は場合により、特に割りモールドの場合各部材を合わせて数百個程度のピースから構成されることもある。
【0004】
また加硫成形の際、加硫金型の内周面と未加硫タイヤとの間に抱き込んだエアーを有効に排出するため一般にはベントホールと呼ぶ小穴を多数設けるが、特に割りモールドでは、稼働位置にて隣り合うセグメント相互間及び各セグメントと各部材との間、リブを別途取付けたセグメントでは内側金属とリブとの間には約80μm程度の隙間が存在し、この隙間が加硫成形の際に未加硫タイヤと割りモールド内側面との間に抱き込んだエアーを排出するエアーベント機能を果たし、よって割りモールドはいわゆるスピュウレスタイプの金型を形成し得る利点を有する。
【0005】
一方、先に触れた加硫残滓は加硫中のタイヤと直接接触する、セグメントの内面及びセグメントと係合する部材内面に主として形成される一方、従として未加硫タイヤから発生するガスが入り込むエアーベント部分の隙間や時にベントホールにも形成される。残滓の付着量又は厚さは加硫成形の回数の増加と共に増加し、ある程度の厚さに成長した加硫残滓は加硫後のタイヤ品質に悪影響を及ぼすため、所定の加硫成形回数を経た加硫金型には残滓を除去する清浄作業を施すことが必要となる。
【0006】
清浄作業方法の代表例として、ショットブラスト法及び液体洗浄法が知られていて、ショットブラスト法は加硫残滓が付着した金型の内側表面にプラスチックビーズを高圧ガスと共に吹き付けて洗浄する方法であり、また液体洗浄法は塩酸、硫酸及び硝酸などの強酸溶液、又はカセイソーダなどの強アルカリ溶液、或いはアミン系有機アルカリ溶液を用いて洗浄を施す方法である。
【0007】
ショットブラスト法はビーズが直接当たる部分の清浄は充分である一方、多数個のベントホールやタイヤのサイプ形成用金属薄板片にはビーズが直接当たる機会が少ないため加硫残滓の除去は不十分になる。特に割りモールドの場合、隣り合うセグメント相互間の対向表面、取付けリブの場合はその隙間、そしてベントホールの表面に形成された加硫残滓の除去は不可能であるばかりか、これらの対向表面、隙間及びベントホールに破砕したプラスチック片が詰まる傾向があり、エアー排出機能が大幅に損なわれ、かつはみ出しゴムが付着し勝ちである。その際には多数個のピースを分解清浄して再度組み立て直す大変な作業を必要とすることになる。
【0008】
さらにショットブラスト法は、エッジ部分には変形バリが発生して、割りモールドの場合なら隙間が狭く成り過ぎる傾向を有し、そのときは余分なバリ取り作業を必要とし、また度重なる清浄作業により加硫金型の内周面形状は当初形状から大きく変わるため、交換を余儀なくされる。
【0009】
これに対し液体洗浄法は上述したショットブラスト法で除去不可能部分の加硫残滓を除去できる点で優れた方法である反面、強酸溶液又は強アルカリ溶液を用いた場合、金属、特に金型内側がアルミニウム合金の場合、腐食作用が強く、時には交換を要するほどであるため好ましくなく、またアミン系有機アルカリ溶液を用いたとしても、上記不具合は回避されるものの、この溶液は第4類、第3石油類の危険物に該当するため特別な安全対策手段を講じる必要がある上、溶液自体のコストが高いなどの不利を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本出願人は、加硫金型に損傷を与えることなく加硫残滓の有利な清浄を可能とし、しかも作業の安全性の確保と作業性の向上とを実現し得る清浄方法をすでに特開平6−285868号公報にて提案した。この方法は加硫残滓の清浄が必要な加硫金型をプラズマ環境下に曝し、こびり付いた残滓を灰化することによる清浄方法である。
【0011】
しかしこの方法では真空処理槽内に横置きで装入した加硫金型を挟む上下に電極板を配置してプラズマを生成させるか又は金型を一方の電極とし金型を覆う電極板との間にプラズマを生成させるか、乃至は処理槽外部から処理槽内にプラズマを導入させるかなど、何れの方法であっても処理槽内の広い空間部分にプラズマを分布させるのでプラズマ密度の低下は不可避であり、従って清浄処理に多くの時間を要し、さらに使用電力当りの処理効率が低いなど、上記公報による提案は作業能率及びコストの点で一層の改善が必要であることが分かった。
【0012】
従ってこの発明の目的は、上述したプラズマによる清浄上の不利な点をさらに有利に改善することを目指し、異常放電などの不具合を伴うことなく、加硫金型に形成された残滓部分にのみプラズマを作用させることにより短時間で、かつより低コストで残滓灰化が可能な加硫金型の清浄装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明による加硫金型の清浄装置は、排気部をもつ真空処理槽と、該処理槽内部でプラズマを生成する少なくとも一方の電極と、プラズマ生成のための反応ガスを導入する導入部と、プラズマによる清浄対象の加硫金型を支持する支持体とを備える加硫金型の清浄装置において、
上記一方の電極を先端に接続して処理槽内に突出させる、高周波電源からの電力供給管を備え、
上記電極は電力供給管の縦軸線周りに二重に区画した中空部を有すると共に、上記支持体上の清浄位置にて他方の電極を形成する加硫金型の内周面と揃って対向する外周面を有し、二重中空部のうち内側中空部は密閉構成を有し、外側中空部は内側中空部と相互に密閉関係を保持する一方、電極外部に連通する多数個の小孔を備え、
処理槽外部から延びて電極外側中空部に開口する反応ガス導入管と、同様に処理槽外部から延びて電極内側中空部に開口する冷却媒体の供給管及び排出管とを備え、
かつ電力供給管の外側表面及び一方の電極の上下表面を掩う絶縁体及び清浄位置の加硫金型の上側表面近傍を覆う絶縁体と、
電力供給管、一方の電極の上側及び加硫金型の上側それぞれの絶縁体の外側表面を掩うシールド材と、
加硫金型のシールド材の外端縁から延びて加硫金型の外周面を包囲する筒状シールド材とを備えることを特徴とする。
【0014】
この発明の好適実施では、 反応ガス導入管、冷却媒体の供給管及び排出管をそれぞれ上記電力供給管内部に収容し、
上記処理槽は相互に分離自在で、かつ相互にシール可能な上部槽及び下部槽を有し、下部槽側に加硫金型の支持体を配置し、
上記一方の電極が、その外周側に多数個の縦配列フィンを備え、隣り合うフィンが形成する溝の底部に小孔を有する。
【0015】
またこの発明の変形例では、処理槽の少なくとも上部槽が金属から成り、該上部槽内面に加硫金型の上側絶縁体を固着し、この金型絶縁体に一方の電極及び電力供給管それぞれの絶縁体を合体させ、合体させた絶縁体の外周面を上部槽の上部に固着して成り、上記金型絶縁体の下側表面が清浄位置における加硫金型の上側表面近傍に位置する。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明による好適実施例を図1に基づき以下詳細に説明する。
図1は清浄装置の縦中心軸線を含む平面による要部断面図である。図1において、清浄装置1は、下部に排気部3を備える真空処理槽(以降処理槽という)2と、処理槽2内部でプラズマを生成する一方の電極4と、二点鎖線で示す清浄対象の加硫金型6を支持する支持体5を有する。このタイプの処理槽2は上部槽2−1と下部槽2−2とで構成し、上下槽2−1、2−2はそれぞれのフランジ2−1f、2−2fで互いに十分なシール状態で結合し、かつ互いに分離自在である。支持体5上で清浄位置の加硫金型6(二点鎖線にて示す)を固定支持した状態で、処理槽2は真空ポンプ(図示省略)により排気部3を介し後述する真空圧まで排気する。
【0017】
上部槽2−1の上方から処理槽2内部に向かって延び、後述する高周波電源に接続された電力供給管7を設け、この供給管の先端に一方の電極4を導通可能に接続、固着して処理槽2内部に突出させる。電極4は電力供給管7の縦軸線周りに二重に区画した中空部8、9を有し、一方の電極4の外周面4sは図1に示す、他方の電極を形成する加硫金型6の内周面6sと揃って対向し、一方の電極(以下単に電極という)4の外周面の最外側を通る面は円筒状をなし、加硫金型6の内周面6sとほぼ同心である。なお加硫金型6は内周面及び外周面共に環状をなす。
【0018】
ここに上記の揃って対向するとは、電極4の外周面高さが加硫金型6の内周面6s、すなわち清浄対象面の高さとほぼ同等であることを指し、好適には対象金型のうちの最大高さと同等とする。電極4の二重中空部のうち内側中空部8は処理槽2内と外気とに対して完全な密閉構造を有し、外側中空部9は内側中空部8と相互に密閉関係を保持する構造を有する一方、加硫金型6の内周面6sと対向する側には多数個の外部に連通する小孔9hを設ける。
【0019】
処理槽2外部から延びて電極4の外側中空部9に開口する反応ガス導入管10を配置し、同様に処理槽2外部から延びて電極4の内側中空部8に開口する2本の冷却媒体の供給管11及び同媒体の排出管12を配置する。ここに冷却媒体は、例えば冷却水や冷却油が適合し、この媒体を強制供給循環させる。またこの例では電力供給管7の中空部に反応ガス導入管10、冷却媒体の供給管11及び同媒体の排出管12を収容する。
【0020】
電力供給管7の外側表面を絶縁体13にて掩うと共に電極4の上下表面も絶縁体14、15にて掩うものとする。同時に絶縁体14、15に連結する形態で加硫金型6の上側表面をそこから僅か上方に離れた距離で覆う絶縁体16を設ける。絶縁体16の外端縁は加硫金型6の最大外径よりやや大きい外径を有する。なお絶縁体13、14、15、16の材質は、例えばテフロンやセラミックスなど、なかでもアルミナが適合する。
【0021】
さらに絶縁体15を除く他の絶縁体13、14、16の外側表面を掩うシールド材17、18、19を配設する。各シールド材をステンレス鋼やアルミニウムなどの金属製として相互に導電性をもたせて強固に連結し、その一端をアース電位とする。上下槽2−1、2−2が金属製の場合はシールド材17の上端部を上部槽2−1に直接固着し、処理槽2をアースすればよい。
【0022】
さらに加硫金型6の上側表面上方のシールド材19の外端縁から下方に延びて加硫金型6の外周面を包囲する筒状シールド材20を設ける。筒状シールド材20の内径はシールド材19の大きさに合わせれば良い。なお加硫金型の最大外径に合わせて絶縁体16及びシールド材19の大きさは変更自在とする構成をもつのが有効である。また電極4、電力供給管7、反応ガス導入管10、冷却媒体の供給管11及び排出管12を他の絶縁材13〜16及びシールド材17〜20と共に電極導入ポート部21を介し上部槽2−1に固着する。なおシールド材17〜20は一重に限定する必要はなく、各々アース電位のシールド板を互いに接触しないように絶縁スペーサを介して多重に設けるとより効果的である。また加硫金型6のアース接地を確実に行うため、アースコンタクタ24を設けてもよい。
【0023】
上述した清浄装置1の動作を以下説明する。
まず内周面及び外周面共に環状をなす加硫金型6を中央領域に貫通穴を有する金属製定盤22上に据え、図示を省略した昇降手段により上下槽2−1、2−2を互いに分離させた状態下で、下部槽2−2側に位置して金属製ホイールコンベヤ5aを備える支持体5上に定盤22と一緒に加硫金型6を搬入し、所定位置に固定する。そのとき支持体5をアース側にとる。
【0024】
次いで、上記昇降手段により上下槽2−1、2−2を合わせ、これらを互いに完全なシール状態で連結した後、図示しない真空ポンプを稼働させ、排気部3を介し処理槽2内部の圧力を1×10−2torr以下に減圧する。それから加圧反応ガス、例えば0とCFとの混合ガスを図1の矢印Aの向きに供給し、供給された混合ガスは反応ガス導入管10を経て電極4の外側中空部9に溜まると共に、電極4の小孔9hを通って加硫金型6の内周面6sに向け噴出する。真空ポンプとの連係動作により反応ガスの処理槽2内の圧力を約0.1〜10Torrに保持する。
【0025】
併せて高周波電源23を起動させ、周波数が1〜100MHzで、約5〜10Kwの高周波電力を電力供給管7を介し電極4に供給し、電極4とアース電位の加硫金型6の内周面との間にプラズマ放電を生ぜしめ、このプラズマにより金型6の内周面に形成された加硫残滓を灰化させる。適用する加硫金型6は割りモールドはもとより上下二つ合わせモールドを可とし、割りモールドの場合は隣り合う各セグメントの対向面(合わせ面)の加硫残滓も同時に灰化可能である。灰化後は簡単な高圧水洗浄や高圧エアーブロゥなどで灰分全てを容易に払拭することができ、その結果、金型の地肌が完全にあらわれる。この意味でこの明細書では上記のような灰化を清浄という。
【0026】
またプラズマ放電を生起させた後、図示を省略した給水ポンプを稼働させ、供給管11を通じて冷却媒体、例えば冷却水を電極4の内側中空部8に供給し、供給した冷却水は排出管12を経て処理槽2の外部に排水する。これにより電極4を冷却して高温度化を阻止し、最良の効率でのプラズマ放電を保持させることができる。
【0027】
以上述べたところから明らかなように、この清浄装置1はプラズマ放電領域を加硫残滓が形成された清浄対象領域にほぼ限定して生成させるので、余分なプラズマ領域が存在せず、またプラズマ放電を最良の効率で保持する結果、確実に短時間かつ、より低コストで残滓灰化が可能となる。
【0028】
さらに絶縁材13、14、16を介して設けたアース電位のシールド材17、18、19と、同じくアース電位の筒状シールド材20と、電極4の下表面に設けた絶縁材15とにより、中〜高真空下の反応ガス中に発生し勝ちな異常放電の発生を確実に阻止することができるので、高効率なプラズマ放電が可能となり、かつ異常放電に基づく加硫金型6及びそれ以外の各部材の損傷を共に有効に回避することができる。特に多重シールド材を用いた場合は、その効果がより顕著に現れる。また作業環境を損ねる要因は一切存在しないので安全な作業活動が可能である。
【0029】
円筒状電極4の他の好適実施例を図2、3に示す。図2は電極4の平面図であり、図3は図2に示す電極4のIII − III線に沿う断面図である。この電極4は外周側に多数個の縦配列金属フィン25を備え、隣り合うフィン相互間に形成される狭幅縦溝26の底部に1個以上のガス噴出用小孔9h(図3では直線で示す)を有する。この種の電極は各溝26内で放電が生じるホロー効果により、単純な円筒状電極に比しより高い効率でプラズマを発生させるので、清浄時間の一層の短縮及び使用電力の節減に寄与する。なおフィン25の配列間隔は5〜20mmが適当である。
【0030】
図4は先に述べた清浄装置の変形例を図1同様に示す要部断面図である。
図4に示す清浄装置1aは、上部槽2a−1と下部槽2a−2とを有する処理槽2aを備え、上下槽の高さを図1に示す上下槽より大幅に低くして処理槽2aの容積を小さくした例であり、電力供給管7aの高さも処理槽2aに合わせて大幅に低くした。
【0031】
この場合は、処理槽2aの上部槽2a−1と下部槽2a−2とのうち少なくとも上部槽2a−1は金属製である。図3に示す例は、上部槽2a−1内面に加硫金型6の絶縁体16を固着し、この絶縁体16に電極4及び電力供給管7aそれぞれの絶縁体14を合体させ、合体させた絶縁体14の外周面を上部槽2a−1の上部に固着した構成になる。従って図1に示す装置1のシールド17、18、19は上部槽2a−1が兼ねる。上記以外は図1の清浄装置1と同じ構成を有し、従って動作、作用効果も同じである。
【0032】
先に電極4及び電力供給管7を他の諸部材と共に電極導入ポート部21を介し上部槽2−1に固着し、これらを一緒に昇降させる例を述べたが、それ以外に電極4及び電力供給管7、7aのみを完全なシール状態下で昇降させることも可とする。また電極4の側は位置固定として、下部槽2−1、2a−1を加硫金型6と一緒に昇降させることもできる。
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば、外周面側に多数個の反応ガス噴出小孔を設けた電極を冷却しつつ、加硫残滓が厚く付着堆積した加硫金型の内周面と揃って対向させ、かつ帯電部分での異常放電を阻止する絶縁材及びシールドを適正に配置することにより、電極の外周面と清浄対象の加硫金型内周面との間に主として高い効率でプラズマを発生させることができるので、異常放電のうれいなく短時間かつ低コストで、しかも確実に残滓を灰化して水洗などで容易に灰分を払拭できることが可能な加硫金型の清浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による清浄装置の一実施例の要部縦断面図である。
【図2】この発明による電極の他の実施例の平面図である。
【図3】図2に示す電極のIII − III線に沿う断面図である。
【図4】この発明による清浄装置の他の実施例の要部縦断面図である。
【符号の説明】
1、1a 清浄装置
2、2a 真空処理槽
2−1、2a−1 上部槽
2−2、2a−2 下部槽
3 排気部
4 電極
5 支持体
5a 金属製ホイールコンベヤ
6 加硫金型
7、7a 電力供給管
8 電極の内側中空部
9 電極の外側中空部
9h 連通小孔
10 反応ガス導入管
11 冷却媒体供給管
12 冷却媒体排出管
13、14、15、16 絶縁材
17、18、19 シールド材
20 筒状シールド材
21 電極導入ポート
22 金属製定盤
23 高周波電源
24 アースコンタクタ
25 金属フィン
26 狭幅縦溝

Claims (5)

  1. 排気部をもつ真空処理槽と、該処理槽内部でプラズマを生成する少なくとも一方の電極と、プラズマ生成のための反応ガスを導入する導入部と、プラズマによる清浄対象の加硫金型を支持する支持体とを備える加硫金型の清浄装置において、
    上記一方の電極を先端に接続して処理槽内に突出させる、高周波電源からの電力供給管を備え、
    上記電極は電力供給管の縦軸線周りに二重に区画した中空部を有すると共に、上記支持体上の清浄位置にて他方の電極を形成する加硫金型の内周面と揃って対向する外周面を有し、二重中空部のうち内側中空部は密閉構成を有し、外側中空部は内側中空部と相互に密閉関係を保持する一方、電極外部に連通する多数個の小孔を備え、
    処理槽外部から延びて電極外側中空部に開口する反応ガス導入管と、同様に処理槽外部から延びて電極内側中空部に開口する冷却媒体の供給管及び排出管とを備え、
    かつ電力供給管の外側表面及び一方の電極の上下表面を掩う絶縁体及び清浄位置の加硫金型の上側表面近傍を覆う絶縁体と、
    電力供給管、一方の電極の上側及び加硫金型の上側それぞれの絶縁体の外側表面を掩うシールド材と、
    加硫金型のシールド材の外端縁から延びて加硫金型の外周面を包囲する筒状シールド材とを備えることを特徴とする加硫金型の清浄装置。
  2. 反応ガス導入管、冷却媒体の供給管及び排出管をそれぞれ上記電力供給管内部に収容して成る請求項1に記載した清浄装置。
  3. 上記処理槽は相互に分離自在で、かつ相互にシール可能な上部槽及び下部槽を有し、下部槽側に加硫金型の支持体を配置して成る請求項1又は2に記載した清浄装置。
  4. 上記一方の電極が、その外周側に多数個の縦配列フィンを備え、隣り合うフィンが形成する溝の底部に小孔を有する請求項1〜3に記載した清浄装置。
  5. 処理槽の少なくとも上部槽が金属から成り、該上部槽内面に加硫金型の上側絶縁体を固着し、この金型絶縁体に一方の電極及び電力供給管それぞれの絶縁体を合体させ、合体させた絶縁体の外周面を上部槽の上部に固着して成り、上記金型絶縁体の下側表面が清浄位置における加硫金型の上側表面近傍に位置する請求項3に記載した清浄装置。
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