JPH07314463A - 加硫金型の清浄方法 - Google Patents

加硫金型の清浄方法

Info

Publication number
JPH07314463A
JPH07314463A JP10652494A JP10652494A JPH07314463A JP H07314463 A JPH07314463 A JP H07314463A JP 10652494 A JP10652494 A JP 10652494A JP 10652494 A JP10652494 A JP 10652494A JP H07314463 A JPH07314463 A JP H07314463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
mold
vulcanization
cleaning
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10652494A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Naka
淳 仲
Yoshio Nohara
義夫 野原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP10652494A priority Critical patent/JPH07314463A/ja
Publication of JPH07314463A publication Critical patent/JPH07314463A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、エラストマー物品に使用する加硫
金型の清浄方法に関するものであり、金型を傷めること
なく金型に付着したエラストマーの加硫残滓を除去す
る。 【構成】 プラズマ環境下の処理槽2内に加硫金型3を
装入することにより、加硫金型3に付着したエラストマ
ー加硫残滓の除去処理をした後、前記加硫金型3を液中
で高圧気液混合噴射による洗浄処理を行う。また、大気
中での高圧液体噴射法等による洗浄処理を併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エラストマー物品に使
用する加硫金型の清浄方法に関するものであり、金型を
傷めることなく金型に付着したエラストマーの加硫残滓
を除去する清浄方法に関するものである。なお、エラス
トマーとは、金型による加硫成形前のゴムまたはゴム状
弾性材料配合組成物をさし、加硫残滓とは、エラストマ
ーとこれに配合したカーボンブラック、亜鉛華などの配
合剤が加硫工程の反復によって加硫金型のキャビティー
表面などに堆積してこびりついた汚損物を意味する。
【0002】
【従来の技術】加硫金型の代表的なものにタイヤ加硫成
形用金型があり、この金型の一つにインサーターモール
ドがある。インサーターモールドは、例えば特開平4−
223108号公報に記載されているように、各分割モ
ールドは、さらに多数のピースからなっていて、結果と
して数百個程度のピースから構成されている。インサー
ターモールドは、ピース間に形成した2/100〜8/
100mm程度のスリットがエアーベントの機能を果た
すことができるため、エアーベントのないスピューレス
タイプの金型である。
【0003】加硫金型には、一般的に上述した加硫残滓
が金型のキャビティー表面やエアーベントおよびスリッ
ト内部等に付着したまま残留することが多く、この加硫
残滓の量は加硫工程の反復とともに増加する傾向にあ
る。この金型に付着した加硫残滓は、製品としてのエラ
ストマーの品質に悪影響を及ぼすため除去することが必
要であり、所定の加硫成形回数ごとに前記加硫残滓を除
去する清浄作業を行っている。
【0004】加硫金型の清浄方法としては、代表的なも
のとして、ショットブラスト法および液体清浄法があ
る。ショットブラスト法は、プラスチックビーズを高圧
ガスで金型に吹き付けることにより清浄する方法であ
り、液体清浄法は、塩酸、硫酸、および硝酸等の強酸、
あるいは苛性ソーダ等の強アルカリの溶液、または有機
アルカリのアミン系の溶液を用いて清浄する方法であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した金型
の清浄方法にはいずれも問題点がある。すなわち、ショ
ットブラスト法は、金型のキャビティー表面に加硫残滓
が付着している場合には、高圧ガスで吹き付けたプラス
チックビーズが直接当たった部分については清浄できる
ものの、例えばタイヤ用加硫金型のように、エアーベン
トやスリット内部のような部分についてはプラスチック
ビーズが直接当たらないため、この部分に加硫残滓が付
着していれば除去することができない。そのうえ、プラ
スチックビーズが粉砕しこの粉砕したビーズがエアーベ
ントに詰まることがあり、エアー抜き機能等を阻害する
恐れもあった。さらに、金型は通常アルミニュウムを主
体とした材質からできているため強度的に弱い面があ
り、ビーズの衝突による摩滅やエッジ部変形のような物
理的な損傷を生じやすく、金型の文字や刻印が不鮮明に
なったり、パターン形状のシャープさが失われるという
欠点を有していた。特に、インサーターモールドの場合
は、上述したようにピース間に形成したスリットが多数
あるため、このスリットに粉砕したプラスチックビーズ
が詰まったりはみ出しゴムが付着したりしやすく、また
エッジ部には変形バリが生じてスリットの隙間が狭くな
る等の傾向があり、ショットブラスト法ではこのスリッ
トに詰まったプラスチックビーズおよびはみ出しゴムを
除去できず、数百個のピースを分解清浄して再び組み立
てる作業を要し、またエッジ部の変形バリについてもバ
リ取り作業を要するため作業性を大きく悪化させてい
た。
【0006】一方、液体清浄法は、ショットブラスト法
では除去できなかったエアーベントやスリット内部のよ
うな部分に付着した加硫残滓等を除去することができ、
しかもプラスチックビーズによる金型の摩滅や粉砕した
ビーズの目詰まりを生じることがない点ではショットブ
ラスト法よりも優れているが、酸・アルカリ溶液を用い
た場合は、アルミニュウム材質ベースの金型が大きく腐
食するため好ましくなくまた有機アルカリのアミン系溶
液を用いた場合は、第4類第3石油類の危険物になるた
め、安全上の対策が必要な他、コストが高いなどの欠点
があった。
【0007】そこで本発明は、金型を傷めずに、しかも
安全性と作業性を低下させることなく金型の表面に付着
したエラストマーの加硫残滓を除去する清浄方法を開発
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラズマ環境
下の処理槽内に加硫金型を装入することにより、加硫金
型に付着したエラストマー加硫残滓の除去処理をした
後、前記加硫金型を液中で高圧気液混合噴射による洗浄
処理を行うことを特徴とする加硫金型の清浄方法であ
る。また、プラズマ環境下の処理槽内に加硫金型を装入
することにより、加硫金型に付着したエラストマー加硫
残滓の除去処理をした後、前記加硫金型を液中で高圧気
液混合噴射による洗浄処理を行う前後またはいずれか一
方で、前記加硫金型を大気中で高圧液体噴射による洗浄
処理を行うこと、また、プラズマ環境下の処理槽内に加
硫金型を装入することにより、加硫金型に付着したエラ
ストマー加硫残滓の除去処理をした後、前記加硫金型を
液中で高圧気液混合噴射による洗浄処理を行う前後また
はいずれか一方で、前記加硫金型を高圧気体噴射法、超
音波法、界面活性剤による方法、回転ブラシによる方
法、真空吸引法のいずれかの洗浄処理を行うこと、ま
た、プラズマ環境下の処理槽内に加硫金型を装入するこ
とにより、加硫金型に付着したエラストマー加硫残滓の
除去処理をした後、前記加硫金型を前記高圧気液混合噴
射による洗浄処理を行う前後またはいずれか一方で、前
記加硫金型を大気中で高圧液体噴射による洗浄処理を行
い、更に、前記高圧液体噴射による洗浄処理を行う前後
またはいずれか一方で、前記加硫金型を高圧気体噴射
法、超音波法、界面活性剤による方法、回転ブラシによ
る方法、真空吸引法のいずれかの洗浄処理を行うこと、
がより好ましい。また、プラズマ環境が、処理槽に反応
ガスを送り込み所定電源を用い電極間に電圧を印加する
ことにより生成した所定雰囲気であること、プラズマ環
境が、プラズマ発生炉に反応ガスを送り込み所定電源を
用い電極間に電圧を印加することにより生成した所定雰
囲気を処理槽内に導入することによるものであること、
所定雰囲気が、減圧雰囲気であること、反応ガスが、酸
素ガスであること、反応ガスが、ハロゲン族元素とB,
C,N,S,PおよびSi元素のいずれか一種と化学的
に結合したハロゲン化物の一種以上からなるハロゲン化
物ガスであること、反応ガスが、酸素ガスとハロゲン化
物ガスとの混合ガスであること、所定電源が、高周波電
源であること、がより好ましい。
【0009】図1に、本発明方法で使用した代表的なプ
ラズマ処理装置を加硫金型を装入した状態で示してい
る。図中の符号2は処理槽、符号3は加硫金型、符号4
はガス流入口、符号5はオーディオ波電源、符号6は電
極、符号7はガス排出口、符号8は真空ポンプ、符号9
は複数のガスボンベであり、全体でプラズマ処理装置1
を構成している。本発明方法は、まず図1に示すプラズ
マ処理装置1を用いて、プラズマ環境下の処理槽2内に
加硫金型3を装入することにより、加硫金型3に付着し
たエラストマー加硫残滓を除去するための処理をする。
【0010】前記のプラズマ環境は、複数のガスボンベ
9から反応ガスをガス流入口4を経由して処理槽2に送
り込みオーディオ波電源5を用い電極6,6間に電圧を
印加することにより生成した減圧雰囲気である。この減
圧雰囲気は、処理槽2のガス排出口7を介して連結した
真空ポンプ8により維持され、10-1〜104 Paの範
囲とすることが好ましい。反応ガスは、酸素ガスとハロ
ゲン化物ガスの混合ガスであることが好ましく、加硫金
型3に付着した加硫残滓の量や付着程度などからエッチ
ング力とアッシング力の調整の必要性に応じて、混合ガ
ス中のハロゲン化物の割合を適宜変えることができる。
また、酸素ガスまたはハロゲン化物ガスの単一ガスある
いはこの単一ガスに不活性ガスをそれぞれ添加したガス
または前記混合ガスに不活性ガスを添加したガスを反応
ガスとして使用してもよい。
【0011】電極6,6間に電圧を印加するための電源
は、プラズマ雰囲気を生成できれば直流電源でもよいが
高周波電源の方が好ましく、特に図1で使用したオーデ
ィオ波電源5および図5で使用したマイクロ波電源12
がより好ましい。オーディオ波電源5は、20kHzや
13.56MHzの周波数が商業的に広く使用されてい
るため価格が安く性能が安定している点で有利である。
このオーディオ波電源5を用いたプラズマ処理装置1の
電極構造は、図1に示すように電極6,6間に加硫金型
3をセットする構造の他、図2に示すような加硫金型3
をアース電極10とし電極6との間でプラズマを発生さ
せる構造、図3に示すような電極6をアース電極10と
し加硫金型3との間でプラズマを発生させる構造、図4
に示すような処理槽11を絶縁体としその処理槽11の
外部にコンデンサー型(誘電型)またはコイル型(誘導
型)の電極6を備える構造が適している。またマイクロ
波電源12(2.45GHz)を用いた場合は、プラズ
マ環境を、処理槽2外で生成してから処理槽2内に導入
でき、加硫金型3はプラズマ放電中に直接曝されないた
め、加硫金型3の温度を前記のオーディオ波電源5を用
いて加硫残滓を除去するときの金型の温度(200℃程
度)に比べ低くすることができ、加硫金型3が熱的な影
響を受けやすい場合は有用である。
【0012】次に、本発明による加硫金型3の清浄方法
は、前記プラズマ環境で加硫金型3に付着した加硫残滓
を除去した後、望ましくは、図6に示すように加硫金型
3を洗浄槽20内の大気中で高圧液体噴射により洗浄処
理を行った後、洗浄槽20内に液22を導入しこの液2
2に加硫金型3が浸された状態で高圧気液混合噴射によ
り洗浄処理を行う。この洗浄処理を行うことで加硫金型
3を清浄する作用が高められる。なお、高圧液体噴射の
液体圧力は、液体が水の場合、15〜25MPaである
ことが好ましい。なお、液22は水、界面活性剤を含む
水、または弱酸液とすることが好ましく、高圧気液混合
噴射の圧力は液体を水とし気体を空気とした場合は15
〜20MPaであることが好ましい。
【0013】
【作用】加硫成形の反復により加硫金型に付着した加硫
残滓の構成成分は、例えば、タイヤ加硫成形用金型の場
合の一例を表1に示すが、ステアリン酸やパルミチン酸
などの有機成分、無機成分の硫化亜鉛、およびカーボン
ブラックである。発明者は、この加硫残滓の有機成分が
カーボンブラックおよび硫化亜鉛の粒状物の粘結剤とし
て作用して金型に強固にこびりつくこと、また加硫残滓
を金型から除去する方法としては酸化反応を利用した分
解法が有益であることを鋭意検討した結果、突き止め
た。以下に、各構成成分の酸化反応式を示す。 有機物:CXY +〔O〕→CO2 +H2 O(1) カーボンブラック:C+〔O〕→CO2 (2) 硫化亜鉛:ZnS+〔O〕→ZnSO4 (3) すなわち、前記の酸化反応により有機物は二酸化炭素と
水に、またカーボンブラックは二酸化炭素にそれぞれ分
解して除去し、硫化亜鉛は水溶性の硫酸亜鉛に変化する
ため容易に除去できる状態にすることにより、金型にこ
びりついた加硫残滓を容易に除去できると考えた。しか
し、通常の酸化反応では、700℃以上の高温で燃焼し
なければ前記の分解反応が生じないため融点が低いアル
ミニユゥム材質を主体とした金型に使用することができ
なかった。
【0014】
【表1】
【0015】これに対し、本発明方法ではまずプラズマ
環境下の処理槽2内に加硫金型3を装入し、加硫金型3
に付着した加硫残滓をプラズマ中に曝すことにより前記
した酸化反応を生じ加硫残滓を比較的低温でアッシュ化
し、分解することができ、このときの酸化反応は、約2
00℃程度の低温で生じるため加硫金型3を高温に曝さ
なくてよい。また、加硫金型3のエアーベントやスリッ
ト内部等に付着した加硫残滓についてもアッシュ化し、
分解することができ、従来のように分解等の作業をする
ことなく除去することができる。また、加硫金型3が熱
的に影響を受けやすいため、より低温のプラズマ中で除
去作業を行う必要がある場合は、プラズマ発生炉13で
プラズマ環境を生成してから処理槽2内にプラズマ雰囲
気を導入することもできる。
【0016】次に、本発明方法では、加硫残滓がプラズ
マ環境下で除去された後、さらに望ましくは、加硫金型
3を大気中で高圧液体噴射ノズルによる洗浄処理を行う
ことでまず金型のキャビティー表面に付着している加硫
残滓を効率よく重点的に洗浄処理した後、金型を液に浸
した状態で高圧気液混合噴射ノズルにより洗浄処理を行
うことで加硫金型3のエアーベントやスリット内部等に
付着しているアッシュ化した加硫残滓は除去される。高
圧気液混合噴射ノズルからは15〜20MPaに加圧さ
れた高圧の例えば水と空気の混合体が噴射され、高圧下
の微細な気泡32は流動性が良く図7に示すように、イ
ンサーターモールドのピース30の表面側30aから裏
側30bの方向に向ってピース30,30間に形成して
いるスリット31に入り込む。噴射ノズルを出てスリッ
ト31に入り込んだ気泡32は、矢印方向に流れると同
時に周囲の圧力が低いので急激に体積が膨張して膨張し
た気泡33となり、さらに膨張して崩壊した気泡群34
となる。このように気泡33が崩壊し気泡群34となる
ときに発生する爆発的な衝撃力は、スリット31の内壁
面にアッシュ化しこびりついていた加硫残滓である灰化
物35を除去し、強力な洗浄作用を発揮する。このよう
に高圧気液混合噴射ノズルによる洗浄処理をすることで
加硫残滓を除去しやすくなり、更には、高圧液体噴射ノ
ズルによる洗浄処理を併用することで、加硫残滓をより
一層除去しやすくなる。
【0017】
【実施例】本発明方法にしたがう加硫金型の清浄方法を
図面を参照しながら説明する。実施例1は、図1に示す
プラズマ処理装置を用い、加硫金型3を処理槽2内にセ
ットし、その処理槽2と接続された真空ポンプ8により
133Paの減圧雰囲気に保持した後、複数のガスボン
ベ9内の酸素ガスを反応ガスとしてガス流入口4から処
理槽2に送り込む。そしてオーディオ波電源5を用い、
13.56MHz、500Wの条件で電極6,6間に電
圧を印加してプラズマを発生させ、30分間加硫金型3
をプラズマ中に暴露した。その後、図6に示す処理槽2
0内に加硫金型3を移して15MPaの水圧で高圧液体
噴射ノズル21による洗浄処理を大気中で10分間行っ
た。(この時点ではまだ処理槽20内に液22を導入し
ていない) なお、加硫金型3の内側全面をもれなく洗浄するために
前記高圧液体噴射ノズル21は上下およびおそい回転運
動をするようになっている。更にその後、前記高圧液体
噴射ノズル21を上側に退避させた後で、処理槽20内
に液22として例えば水を導入し、加硫金型3を水に浸
した状態で15MPaの水圧で高圧気液混合噴射ノズル
23による洗浄処理を水中で10分間行った。なお、前
記高圧気液混合噴射ノズル23も前記高圧液体噴射ノズ
ル21と同様に上下およびおそい回転運動をするように
なっている。前記高圧気液混合噴射ノズル23からはポ
ンプ24により加圧された例えば水と空気26との混合
体が噴射されるようになっている。そして、高圧気液混
合噴射ノズル23から噴射された前記混合体は液体再処
理装置27により水だけがポンプ24により循環し再利
用されるようになっている。符号25は補給水用のタン
クである。なお、前記加硫金型3は、アルミニュウムを
主材料とした金型を用いた。
【0018】実施例2は、図5に示すプラズマ処理装置
14を用い、プラズマ発生炉13にガスボンベ9から酸
素ガスを反応ガスとして送り込んでマイクロ波電源12
を用い、2.45GHz、1kwの条件で電圧を印加す
ることにより生成したプラズマ環境を処理槽2内に導入
し30分間、加硫金型3をプラズマ中に暴露し、その後
15MPaの水圧で図6に示す高圧液体噴射ノズル21
による洗浄処理を大気中で10分間行った。(この時点
ではまだ処理槽20内に液22を導入していない) 更にその後、処理槽20内に液22として例えば水を導
入し加硫金型3を水に浸した状態で15MPaの水圧で
高圧気液混合噴射ノズル23による洗浄処理を水中で1
0分間行った。なお、前記加硫金型3は、アルミニュウ
ムを主材料とした金型を用いた。
【0019】実施例3は、反応ガスとしてCF4 ガスを
使用した以外は実施例1に記載した方法と同様である。
実施例4は、反応ガスとして90%の酸素ガスと10%
のCF4 ガスとの混合ガスを使用した以外は実施例1に
記載した方法と同様である。なお、この実施例1〜4で
は加硫金型3を処理槽2内でプラズマ処理後、別の処理
槽20内に加硫金型3を移してから、高圧液体噴射ノズ
ル21及び高圧気液混合噴射ノズル23による洗浄処理
を行ったが、プラズマ処理後同一の処理槽内で高圧液体
噴射ノズル及び高圧気液混合噴射ノズルによる洗浄処理
を行なうようにしてもよい。
【0020】従来例1は、ショットブラスト法により行
った。このときの条件は、プラスチックビーズを0.5
MPaの高圧空気噴射による洗浄処理である。なお、加
硫金型は、アルミニュウムを主材料とした金型を用い
た。従来例2は、液体清浄法により行った。このときの
条件は、アミン系溶液に浸漬膨潤後15MPaの高水圧
噴射による洗浄処理である。なお、加硫金型は、アルミ
ニュウムを主材料とした金型を用いた。
【0021】前記した方法で行った加硫金型の清浄状態
を評価するとともに、加硫金型の損傷状態および清浄方
法の安全性についても評価した。表2にこれらの評価結
果を示す。表2の結果から実施例1〜4は従来例1およ
び従来例2に比し、加硫金型の清浄性に優れている。ま
た、いずれの実施例とも、加硫金型の損傷が認められ
ず、清浄作業についても安全であった。
【0022】
【表2】
【0023】なお、プラズマ環境下で加硫残滓の除去処
理をした後、超音波による洗浄処理を行い、更にその後
液中で高圧気液混合噴射による洗浄処理を行うようにし
た、加硫金型清浄方法でもよい。また、プラズマ環境下
で加硫残滓の除去処理をした後、界面活性剤による洗浄
処理を行い、更にその後液中で高圧気液混合噴射による
洗浄処理を行うようにした、加硫金型清浄方法でもよ
い。さらに、プラズマ環境下で加硫残滓の除去処理をし
た後、高圧気体噴射による洗浄処理を行い、更にその後
液中で高圧気液混合噴射による洗浄処理を行うようにし
た、加硫金型清浄方法でもよい。さらに、プラズマ環境
下で加硫残滓の除去処理をした後、回転ブラシによる洗
浄処理を行い、更にその後液中で高圧気液混合噴射によ
る洗浄処理を行うようにした、加硫金型清浄方法でもよ
い。さらに、プラズマ環境下で加硫残滓の除去処理をし
た後、真空吸引による洗浄処理を行い、更にその後液中
で高圧気液混合噴射による洗浄処理を行うようにした、
加硫金型清浄方法でもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明方法は、まずプラズマ環境下の処
理槽内に加硫金型を装入し、加硫金型に付着した加硫残
滓をプラズマ中に曝すことにより前記した酸化反応を生
じさせて加硫残滓を比較的低温でアッシュ化し、分解す
ることができるため、加硫金型に付着した加硫残滓を容
易に除去することができる。また加硫金型は熱的損傷を
受けず、更に、従来の清浄方法であるショットブラスト
法や液体清浄法のような物理的または化学的な損傷も受
けないので金型の寿命が向上する。次に、本発明方法
は、加硫残滓をプラズマ環境下で除去した後に、加硫金
型を高圧気液混合噴射による洗浄処理をすることによ
り、加硫金型のエアーベントやスリット内部等に付着し
た加硫残滓についても従来のように分解・組み立てをす
ることなく除去することができる。これにより作業性に
有利であり、特に数百個のピースからなるインサーター
モールドを清浄するのに適している。更には、高圧液体
噴射法の他、高圧気体噴射法、超音波法、界面活性剤に
よる方法、回転ブラシによる方法、真空吸引法等の洗浄
処理を併用することで、加硫残滓をより一層容易に除去
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法にしたがう実施例で使用したプラズ
マ処理装置の該略図である。
【図2】本発明方法にしたがうプラズマ処理装置の該略
図である。
【図3】本発明方法にしたがうプラズマ処理装置の該略
図である。
【図4】本発明方法にしたがうプラズマ処理装置の該略
図である。
【図5】本発明方法にしたがう実施例で使用したプラズ
マ処理装置の該略図である。
【図6】本発明方法にしたがう洗浄処理を行っている状
態の該略図である。
【図7】本発明方法にしたがう気泡による洗浄作用のメ
カニズム説明図である。
【符号の説明】
1:プラズマ処理装置 2:処理槽 3:加硫金型 4:ガス流入口 5:オーディオ波電源 6:電極 7:ガス排出口 8:真空ポンプ 9:ガスボンベ 10:アース電極 11:処理槽 12:マイクロ
波電源 13:プラズマ発生炉 14:プラズマ
処理装置 20:処理槽 21:高圧液体
噴射ノズル 22:液 23:高圧気液
噴射ノズル 24:ポンプ 25:タンク 26:空気 27:液体再処
理装置 30:(モールドの)ピース 30a:表面側 30b:裏側 31:スリット 32:気泡 33:膨張した
気泡 34:(崩壊した)気泡群 35:灰化物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ環境下の処理槽内に加硫金型を
    装入することにより、加硫金型に付着したエラストマー
    加硫残滓の除去処理をした後、前記加硫金型を液中で高
    圧気液混合噴射による洗浄処理を行うことを特徴とする
    加硫金型の清浄方法。
  2. 【請求項2】 前記高圧気液混合噴射による洗浄処理を
    行う前後またはいずれか一方で、前記加硫金型を大気中
    で高圧液体噴射による洗浄処理を行うことを特徴とする
    請求項1に記載の加硫金型の清浄方法。
  3. 【請求項3】 前記高圧気液混合噴射による洗浄処理を
    行う前後またはいずれか一方で、高圧気体噴射法、超音
    波法、界面活性剤による方法、回転ブラシによる方法、
    真空吸引法のいずれかの洗浄処理を行うことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の加硫金型の清浄方法。
  4. 【請求項4】 プラズマ環境が、処理槽に反応ガスを送
    り込み所定電源を用い電極間に電圧を印加することによ
    り生成した所定雰囲気であることを特徴とする請求項
    1、2又は3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 プラズマ環境が、プラズマ発生炉に反応
    ガスを送り込み所定電源を用い電極間に電圧を印加する
    ことにより生成した所定雰囲気を処理槽内に導入するこ
    とによるものであることを特徴とする請求項1、2又は
    3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 所定雰囲気が、減圧雰囲気であることを
    特徴とする請求項4又は請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 反応ガスが、酸素ガスであることを特徴
    とする請求項4〜6のいずれか一に記載の方法。
  8. 【請求項8】 反応ガスが、ハロゲン族元素とB,C,
    N,S,PおよびSi元素のいずれか一種と化学的に結
    合したハロゲン化物の一種以上からなるハロゲン化物ガ
    スであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 反応ガスが、酸素ガスとハロゲン化物ガ
    スとの混合ガスであることを特徴とする請求項4〜6の
    いずれか一に記載の方法。
  10. 【請求項10】 所定電源が、高周波電源であることを
    特徴とする請求項4〜9のいずれか一に記載の方法。
JP10652494A 1994-05-20 1994-05-20 加硫金型の清浄方法 Pending JPH07314463A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10652494A JPH07314463A (ja) 1994-05-20 1994-05-20 加硫金型の清浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10652494A JPH07314463A (ja) 1994-05-20 1994-05-20 加硫金型の清浄方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07314463A true JPH07314463A (ja) 1995-12-05

Family

ID=14435793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10652494A Pending JPH07314463A (ja) 1994-05-20 1994-05-20 加硫金型の清浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07314463A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09272129A (ja) * 1996-04-04 1997-10-21 Bridgestone Corp 加硫金型の清浄装置
JP2010274482A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Yokohama Rubber Co Ltd:The 加硫用モールドの洗浄方法
WO2019030701A1 (en) * 2017-08-10 2019-02-14 Avonisys Ag METHOD FOR REMOVING RUBBER FROM VULCANIZATION MOLDS

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09272129A (ja) * 1996-04-04 1997-10-21 Bridgestone Corp 加硫金型の清浄装置
JP2010274482A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Yokohama Rubber Co Ltd:The 加硫用モールドの洗浄方法
WO2019030701A1 (en) * 2017-08-10 2019-02-14 Avonisys Ag METHOD FOR REMOVING RUBBER FROM VULCANIZATION MOLDS

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06285868A (ja) 加硫金型の清浄方法
US8012264B2 (en) Method and apparatus for cleaning tire vulcanization mold
JPH07314463A (ja) 加硫金型の清浄方法
KR101791998B1 (ko) 저압 플라스마를 이용한 고무의 표면 처리
US20190047182A1 (en) Methods and systems for rubber removal from vulcanization molds
WO2003070443A1 (fr) Moule de vulcanisation d'article moule en caoutchouc, et procede de nettoyage dudit moule
JP2005246652A (ja) ゴム加硫金型のクリーニング方法
JPH11188742A (ja) 加硫金型の清浄化方法及び装置
JP3623590B2 (ja) 加硫金型の清浄装置
JP3277094B2 (ja) 加硫金型の清浄方法
JPH06507581A (ja) 加硫金型の洗浄・浄化に用いるための組成物
KR100359499B1 (ko) 초음파를이용한타이어몰드의세척방법
JPH08207056A (ja) 加硫金型を清浄するプラズマ生成装置及びその電極
JPH11188741A (ja) 加硫金型の清浄方法及び装置
JPH07227860A (ja) 加硫金型の清浄方法
JP2006062253A (ja) 金型の洗浄方法およびその装置
EP0451383A1 (en) Method for cleansing molds
JP2000280262A (ja) 金型の清浄方法、金型清浄装置及び加硫金型の清浄方法
JPH06170854A (ja) 金型再生法
JPH02160514A (ja) 金型の洗浄方法
JPH06262630A (ja) エラストマー物品の加硫金型におけるクリーニング方法
JP2005161150A (ja) タイヤ金型の洗浄方法および洗浄装置
JPH09223596A (ja) マイクロ波プラズマ発生装置
DE10259132A1 (de) Verfahren zur Strahlreinigung von Werkstoffoberflächen
KR100830897B1 (ko) 탈착에 의한 도료제거 및 이를 이용한 자동차 폐범퍼 및폐문짝의 효율적인 재활용 방법