JP3623298B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の湾曲駒からなる湾曲部を有する内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡は、細長の挿入部の先端側に湾曲部を設け、この湾曲部を湾曲することにより、照明窓、観察窓および鉗子口等を有する先端部を任意の方向へ指向することが可能になっている。
【0003】
内視鏡の多くは、挿入部先端の先端構成部において、チューブ類の接続部やその他の内蔵物などの占める割合が大きく、かつレイアウト上、この先端構成部の外径が挿入部の最大径となる場合が多い。
【0004】
前記湾曲部を構成している湾曲駒部は、挿入部の可撓管部がループを形成している時に、湾曲をかけた時や、体壁に湾曲部を押し付けられても、湾曲駒が変形しないように、十分な肉厚を有している。
【0005】
また、湾曲部の最後端の湾曲駒は、可撓管部の先端側の接続口金の外周に嵌合させて接続させる為、外径を太くしなければならない。また、湾曲駒部の外周をほぼ全周にわたって被覆しているブレードをろう付けなどにより固着し、更に、その外周を湾曲ゴムで被覆しているため、湾曲部と可撓管部の接続部の外径が、挿入部の最大径となる場合があった。
【0006】
ところで、患者の苦痛や、挿入性を考慮する場合、細くできる部分であれば、なるべく挿入部を細くすることが望ましい。そこで実開昭55−143806号公報のように、湾曲駒の先端側より手元側の外径を小さくして、先端構成部付近は太いが、手元側を細くし、挿入性を向上させたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
患者の苦痛や、挿入性を考慮する場合、細くできる部分であれば、なるべく挿入部を細くすることが望ましい。また、外表面の凸凹もなるべく少なくすることが望ましい。
【0008】
ところが、前述したように、挿入部の最大径となる部分は、当然のことながら、挿入部の他の部分より凸状にでっぱっているため、挿入時あるいは、抜去時に体壁でひっかかったりする場合があった。
【0009】
また、実開昭55−143806号公報の場合、挿入部の最大径は変わらないため、上記問題点は改善されなかった。
【0010】
また、湾曲部の湾曲駒の肉厚を単に薄くすると、強度不足のため、挿入部の可撓管部がループを形成している時に湾曲をかけた時や、体壁に湾曲部が押し付けられた時に湾曲駒が変形する恐れがあった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、湾曲部および可撓管部の内径を変えることなく、挿入部の最大径になり得る部分をなるべく細径化することでき、同時に挿入部の軸方向の外表面の凸凹をなるべく少なくすることができ、湾曲駒が変形しない十分な強度がある湾曲部を有する内視鏡を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の内視鏡は、挿入部に湾曲部を有する内視鏡において、前記湾曲部を構成するための所定の内径を有する略円環形状の複数の湾曲駒と、前記複数の湾曲駒の基端部に連結し、前記挿入部に設けられた接続口金に外嵌する前記所定の内径よりも大きな内径の大径部を有する後端湾曲駒と、前記湾曲部の先端部に連結し、前記挿入部の先端硬質部を形成する接続口金に外嵌する先端湾曲駒と、前記先端湾曲駒と前記後端湾曲駒の外周に外嵌して固定され前記湾曲部を覆うブレードと、を有し前記後端湾曲駒もしくは先端湾曲駒の大径部は前記湾曲駒に対して肉厚が薄く形成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の内視鏡の実施の形態を説明する。
図1に示す電子内視鏡装置1は本発明の第1の実施の形態の電子内視鏡2と、この電子内視鏡2に照明光を供給する光源装置3と、この電子内視鏡2に対する信号処理を行うビデオプロセッサ4と、このビデオプロセッサ4から出力される映像信号を表示するモニタ5と、このビデオプロセッサ4と接続され、映像信号等を記録するVTRデッキ6及びビデオディスク7と、映像信号を映像としてプリントアウトするビデオプリンタ8等から構成されている。
【0014】
上記電子内視鏡2は細長の挿入部11を有し、この挿入部11の後端には太径の操作部12が形成され、この操作部12からユニバーサルコード13が延出されている。このユニバーサルコード13の先端のコネクタ14を光源装置3に接続することによりランプ15の白色光がコンデンサレンズ16で集光されてライトガイド17の入射端面に供給される。このコネクタ14には信号ケーブル18の一方のコネクタを接続可能であり、他端のコネクタ19をビデオプロセッサ4に接続することにより、電子内視鏡2で撮像した信号を信号処理して所定の映像信号に変換し、モニタ5等に出力する。
【0015】
上記挿入部11には先端側から順に硬質の先端部20と、湾曲自在の湾曲部21と、可撓性を有する可撓管部22とが連設されており、可撓管部22の後端に前記操作部12が連設されている。
【0016】
図2は、挿入部11の湾曲部21と可撓管部22との接続部の構造を示したものである。
可撓管部22は、内側から第1のフレックス23、第2のフレックス24、ブレード25、樹脂層26が順に積層されている。
【0017】
ここで、第1のフレックス23、第2のフレックス24は、例えばバネ鋼を巻層したものであり、第1のフレックス23は例えば右巻き、第2のフレックス24は第1のフレックス23とは逆の巻き方向、この場合には左巻きとなっている。第1のフレックス23の外径と第2のフレックス24の内径とは、両フレックス23と24とが密着するように設定されている。
【0018】
ブレード25は、例えば金属の細線を網組して形成されている。また、樹脂層26は、例えばポリエステル系の樹脂、あるいはポリウレタン系の樹脂で形成されている。また、樹脂層26とブレード25とは、例えばポリウレタン樹脂系の接着剤27で固着されている。
【0019】
一方、第1のフレックス23、第2のフレックス24、ブレード25の前後の端部は例えば半田などにより、ずれないように固着されている。
さらに、可撓管部22の先端側には、金属製等の接続口金28が、例えばエポキシ系の接着剤で固着されている。
【0020】
この接続口金28の4箇所の内周位置には、操作部12に設けられた図示しない操作ノブを回動させることにより軸方向に牽引され、湾曲部21を湾曲させるためのワイヤ29をガイドするための例えば密巻きしたコイルなどから形成されるガイドパイプ30が、例えば半田などで固着されている。
【0021】
このガイドパイプ30の端部は例えば45°になるように面取りしている。本実施の形態では、接続口金28の内径と可撓管部22の内径は、同じにしているが、異なる径にしてもかまわない。前記内径は、湾曲時の内蔵物の動きを束縛しない内径となっている。
【0022】
一方、湾曲部21は、例えば湾曲部21の最後端に配置された最後端湾曲駒31、この最後端湾曲駒31に隣接して配置された湾曲駒32、この湾曲駒32に隣接して配置された湾曲駒33、…を、前後に隣接する湾曲駒同志をそれぞれリベット34で回動自在に、かつ直列に(湾曲部21の長手方向に)連結している。
【0023】
例えば、最後端湾曲駒31はその前端がRIGHT、LEFT(右、左)の2箇所で湾曲駒32の後端とリベット34で回動自在に連結され、またこの湾曲駒32はその前端がUP、DOWN(上、下)の2箇所で湾曲駒33の後端とリベット34で回動自在に連結されている。
【0024】
湾曲駒32には、前記ワイヤ29をガイドするための円環形状のワイヤガイド35がUP、DOWN側に例えばろう付けなどで固着されている。同様に湾曲駒33は、RIGHT、LEFT側にワイヤガイドが固着している。
ここで、湾曲駒32と、湾曲駒33は、90°回転させると同形状になるようになっている。
【0025】
これらの湾曲駒群の外周は、金属からなる網目状のブレード36で被覆されている。また、最後端湾曲駒31は、前記接続口金28と嵌合する後端側の部分を大径にした大径部31aとしている。ここでブレード36は、大径部31aの外周面に例えば半田で固着されている。完全に大径部31aで半田されることが望ましいが、半田の流れ込みにより大径部31aの前側の小径の小径部31bにかかって良い。
【0026】
このようにすることで、最後端湾曲駒31と、この最後端湾曲駒31の前に隣接する湾曲駒32を連結しているリベット34からブレード36の固定部までの間で、湾曲時に発生するブレード36のシワを吸収することができるようになっている。ここで小径部31bは、その前後方向の長さが十分短く(つまり十分短尺)に形成されている。
【0027】
前記最後端湾曲駒31の大径部31a上でブレード36を半田で固着するため、半田の厚み分だけ外径が太くなる。ここで、最後端湾曲駒31の肉厚をtb、湾曲駒32の肉厚をta とすると、肉厚taは、所望する強度を有する肉厚である。本実施の形態ではta>tbとなるように最後端湾曲駒31の肉厚tbを他の湾曲駒の肉厚taより薄く設定して、湾曲部21の最後端湾曲駒31と可撓管部22との接続に用いる接続口金28との接続部が太くなるのを解消している。
つまり、ta−tb=tcとすると、2×tc分だけ接続部の外径を細径化することができる。
【0028】
前記湾曲駒群の外周のブレード36の更に外周には湾曲ゴム37が被覆されている。湾曲ゴム37の一端側は、上から糸38を樹脂層26にまたがって、巻きつけ、例えばエポキシ系の樹脂剤39でより強固に接着固定されている。湾曲ゴム37は、例えば、シリコンゴム、フッ素系のゴムなどでも良い。
【0029】
本実施の形態は、湾曲部21と可撓管部22の接続部について説明したが先端部20の後端と湾曲部21の前端の接続部についても同様である。また、本実施の形態では、4方向の湾曲部について説明したが、2方向のものにも適用できるい。
【0030】
本実施の形態における作用及び効果は以下のようになる。
このような構成にして、湾曲部21と可撓管部22を接続すれば、湾曲部21と可撓管部22の内径を変えることなく、湾曲部21と可撓管部22との接続部の外径を小さくすることができるため、このような構造にしない場合に比べて接続部の最大径を小さくすることができる。また、接続部の最大径を小さくすることによりこの部分が半径外側に突出することを解消でき、外表面の凸凹も少なくすることができることになる。
【0031】
具体的には、最後端湾曲駒31を薄肉にしているので、図2に示すように接続口金28との嵌合して固定する部分の外径がその後に隣接する部分より突出することを解消でき、最大径を小さくできる(このように最後端湾曲駒31を薄肉にしないと、嵌合して固定する部分がその後に隣接する部分よりさらに突出する最大径となり、かつ外表面に凹凸ができる)。
【0032】
最後端湾曲駒31以外の湾曲駒は十分な強度を有する肉厚ta であり、最後端湾曲駒31は肉厚を薄くしているが、可撓管部22の接続口金28と嵌合させて固定しているので、強度が不足することを解消でき、変形などに対して十分な強度を確保できる。なお、小径部31bは薄肉になるが、この部分を十分に短尺に形成しているため、強度不足を補うことができる。
【0033】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態の内視鏡はその湾曲部21の後端と可撓管部22の接続部の構造は図2と同様の構造であり、さらにこの湾曲部21では図3等に示すように湾曲駒の連結部を平面状にしたものであり、その他は第1の実施の形態と同様の構成である。
【0034】
図3のAーA線断面を示す図4のように、湾曲部21内には送気送水チャンネル51、処置具挿通チャンネル52、ユニバーサルコード13内で1本から2本に分岐するライトガイドファイバ53、撮像部54及び撮像部54に連設される像伝送ケーブル55が配置されている。
【0035】
また、図3に示すように湾曲部21は略円環形状の湾曲駒58、湾曲駒59、湾曲駒60、湾曲駒61、湾曲駒62が先端側から略直列に配置され、隣接する湾曲駒同志の連結部がそれぞれリベット34によって回動自在に連結されている。
【0036】
つまり、各湾曲駒の連結部には、一体の平面状連結部56が平行に設けられており、連設する各湾曲駒の一対の平面状連結部56を重合してリベット34にて回動自在に枢支している。前記平面状連結部56は前後の湾曲駒が互いに重合し回動できるように相手の平面状連結部56と干渉せずに回動できるだけの面積を持った平面部が設けられている。
【0037】
また、各湾曲駒の外周を、ブレード36が被覆している。先端から第1番目の湾曲駒58にリベット34を用いて枢支された第2番目の湾曲駒59の一対の平面状連結部59A、平面状連結部59Bは、この湾曲駒59の内径中心に対して非対称に設けてある。
【0038】
図4に示すようにこの湾曲駒59の平面状連結部59Aは撮像部54、像伝送ケーブル55とワイヤ29との干渉を避けるために内径中心よりLaの距離に設けてあり、内蔵物との干渉のない平面状連結部59Bは内径中心よりLb(La>Lb)の距離に非対称かつ水平方向に設けてある。
【0039】
また、この湾曲駒59の前端には、湾曲駒58の後端の平面状連結部56と回動自在に連結するために、水平方向側に形成した1対の平面状連結部56を有しそれぞれリベット34で回動自在に連結され、対向する1対のリベット34を結ぶ水平軸の回りで回動自在に連結している。
【0040】
また、この湾曲駒59の後端に形成した1対の平面状連結部56を、湾曲駒60の前端の1対の平面状連結部56とをそれぞれリベット34で回動自在に連結し、この湾曲駒60の後端の1対の平面状連結部56を湾曲駒61の前端の1対の平面状連結部56とをそれぞれリベット34で回動自在に連結することにより湾曲部21の回動軸を水平方向から垂直方向に変換している。
【0041】
湾曲駒60の後端は、この湾曲駒60を90度回転した湾曲駒61が垂直軸の回りで回動自在に連結される。つまり湾曲駒60と湾曲駒61は同じものである。
【0042】
さらに湾曲駒61の後端には平面状連結部56が先端側と後端側で回動軸が同一に形成された湾曲駒62が回動自在に連設されており、この湾曲駒62の後端には、再び前記湾曲駒60と同じものが連設される。
【0043】
湾曲部21は上述した湾曲駒60、61、62で構成される湾曲駒群を数セット、湾曲部21の長手方向に連結させることで、所望の湾曲部長、湾曲角度を得ることができるようになっている。
【0044】
湾曲駒59の先端側は湾曲駒58の外径と略同一の太径部63となっており、後端側は湾曲駒58の外形より細く、湾曲駒60の外径と略同一の細径部64となっている。太径部63から細径部64へは、連続した曲面を有する段差部65よりなる。前記段差部65はなめらかな傾斜部としても良い。本実施の形態の湾曲部21は湾曲駒58の内周面に4本のワイヤ29の先端部が、例えばろう付けなどで固定されている。
【0045】
このワイヤ29は湾曲部21内に設けられたワイヤガイド35を挿通し挿入部11内のガイドパイプ30を経て操作部12に設けられた図示しない湾曲操作機構に接続されるようになっている。操作部12の図示しない操作ノブを回動させることにより、上記ワイヤ29を牽引、弛緩させ上記湾曲部21をフレキシブルに湾曲するように各湾曲駒が構成されている。
【0046】
本実施の形態では、湾曲駒59の平面状連結部56つまり平面状連結部59A、平面状連結部59Bを水平方向に設けたが、内蔵物の配置により垂直方向に設けても良い。また、非対称な平面状連結部56を設けた湾曲駒は、第2番目の湾曲駒59に限定するものではなく、湾曲部21のどの湾曲駒で行うことも可能であり、全ての湾曲駒で行っても良い。
【0047】
また、湾曲駒58と湾曲駒59を連結する平面状連結部56は、図5に示すように湾曲駒58の平面状連結部58aと湾曲駒59の平面状連結59cをリベット34を用いて非対称に重合しても良い。平面状連結部58aの片側を平面状連結部59cの外側に設け、もう一方を内側に設ける。また、重合する組み合わせが内側と外側とで逆でも良い。
【0048】
また、湾曲部21は図6に示すように構成しても良い。湾曲部21内の湾曲駒58の長手方向中心線66に対して、操作部12側の湾曲部21内の湾曲駒59の長手方向中心線67は内蔵物の撮像部54やワイヤ29と干渉しないように距離dだけ水平方向に偏心している。
【0049】
なお、本実施の形態では先端側から1番目と2番目の湾曲駒において長手方向中心を偏心させているが、湾曲部21の全ての湾曲駒で偏心させることも可能であり、湾曲部21内において数回偏心させても良い。本実施の形態では、水平方向に偏心させているが、これに限るものではなく、どの方向に偏心させても良い。
【0050】
更に、湾曲部21の先端側に連設する先端部20は図7に示すように、先端部を構成する硬質の先端構成部70に設けた送気送水チャンネル用孔71、処置具挿通チャンネル用孔72、相対似する2個のライトガイドファイバ用孔73、撮像部用孔74に、それぞれ送気送水チャンネルパイプ75、処置具挿通チャンネルパイプ76、撮像部54を嵌挿し、例えばエポキシ系の接着剤により固着することにより構成されている。
【0051】
ライトガイドファイバ53はライトガイドパイプ80に挿入されており、このライトガイドファイバ53は1点鎖線で示すようにライトガイドパイプ80の中心方向に、その固定力が作用するように指向した固定用部材78で固定されている。
【0052】
より具体的には、ライトガイドファイバ53はライトガイドパイプ80の中心方向に、かつその延長線上から撮像用孔74を避け、かつ先端構成部70の厚肉部に設けられたネジ部を有する固定用孔77にネジ部を有する固定用部材78で締着することにより固定している。先端構成部70には、ライトガイドファイバ用孔73の前方に図示しない照明レンズを設けている。なお、79は先端部20及び湾曲部21の外皮を形成する被覆チューブである。
【0053】
本実施の形態では、内蔵物を固定するのにエポキシ系の接着剤を用いたが、シリコン系の接着剤を用いても良い。また、本実施の形態では固定用孔77と固定用部材78にネジ部を設けたが、設けずに貫通孔とピンを用いても良い。また、固定用部材78はビスでも良い。
【0054】
以下に本実施の形態の電子内視鏡2の洗滌具及び洗滌方法について説明する。
図8は、電子内視鏡2の鉗子口516(図10参照)を洗滌するときに使用する吸引洗滌アダプタ457を示す。この吸引洗滌アダプタ457は、電子内視鏡2の鉗子口516に取り付けられる取付ゴム部456a、この取付ゴム部456aとチューブ体456をつなぐ口金456b、チューブ体456のもう一端に設けられた錘458から構成される。
【0055】
また、チューブ体456と、錘458、口金456bとの接続部には保護チューブ456cを設けている。この保護チューブ456cはシリコンゴム、熱可塑性エラストマなどの弾性体によって構成される。
【0056】
また、保護チューブ456cは、チューブ体456と口金456bが接続される部分の全長にわたって設けられている。また、チューブ本体456は、シリコン、塩化ビニルなどの弾性チューブによって構成される。さらに、錘458は、SUS(ステンレススチール)などの金属によって構成されている。口金456bは、SUSなどの金属または、PSU、PEEKなどの硬質樹脂により構成される。
保護チューブ456cは、TFE、PTFE、FEPなどの樹脂からなる。また、錘458の底面459には溝部458bが設けられている。
【0057】
この溝部458bは図9(A)に示すように、底部に1ヶ所直線状の切り欠きとして設けられている。また、図9(B)に示すように、十字形の切り欠きで形成されたものでも良い。
【0058】
この溝部458bは、錘458に設けられた貫通穴である穴部458cと連通している。このような吸引洗滌アダプタ457は、内視鏡検査後に、ベッドサイドにおいて、電子内視鏡2を洗滌するときに使用される。
また、錘458と、チューブ456の接続部には、その外側に接続部全長にわたって保護チューブ456cが設けられている。
【0059】
次に、吸引洗滌アダプタ457の取付ゴム部456aを鉗子口516に装着し、吸引器の吸引用チューブを、コネクタ14の吸引口金611に接続し、電子内視鏡2の管路内の洗滌を行なう方法を説明する。
【0060】
図10に示すように吸引洗滌アダプタ457を構成するチューブ体456の一端部に設けられている取付ゴム部456aを鉗子口516に装着すると共に、錘458を配設したチューブ本体456の他端部と、少なくとも挿入部11の先端部20の吸引口84をバット434内に溜めた洗滌液やリンス用清浄水中に浸漬する。
【0061】
一方、前記コネクタ14の吸引口金611に吸引器455の吸引用チューブ455aを接続する。そして、操作部12に設けた吸引シリンダ574の開口部574aを指460で塞ぎ、吸引器455のスイッチをON状態にすることにより、吸引ポンプ471の吸引の動作により、矢印で示すように前記バット434内の洗滌液やリンス用清浄水が鉗子挿通管路516a内と、鉗子チャンネル516a′を経て吸引チャンネル607内とに流入し、さらに吸引用チューブ455aを経て吸引タンク472内に吸引した洗滌液やリンス用清浄水を貯めるようにすることにより電子内視鏡2の管路内の洗滌、リンス作業が行なわれる。
【0062】
このとき、図11に示すよう吸引洗滌アダプタ457を構成するチューブ456の端部に錘458を付けたことにより、錘458はバット434内に沈む為、吸引洗滌アダプタ457の錘458をバット434内の液体中に確実に浸漬することができる。
【0063】
このとき、バット434の底部に錘458の底面459がバット434にくつっいて洗滌液、消毒液等の液体を吸引洗滌アダプタ457内部へ吸入できないおそれがあるが、本実施の形態では図11に示すように錘458に溝部458bを設けているので、錘458の底面459が、バット434の底部に置かれても、溝部458bから、穴部458cへと確実に液体が流れる。
なお、図10に示すコネクタ14には送気管615、送水管614、加圧管616が設けてある。
【0064】
次に、電子内視鏡2の洗滌、消毒を洗滌・消毒槽にて行なう場合の方法を述べる。
まずはじめに、内視鏡洗滌装置600の詳細構造を述べる。図12は電子内視鏡2に内視鏡洗滌装置600を取付けた模式図を示し、図13は内視鏡洗滌装置600の外観を示す。
【0065】
内視鏡洗滌装置600には電子内視鏡2の吸引管路607へ洗滌液を送液する時に使用する吸引側洗滌管路617と、送気管路608、608′、送水管路613、613′へ洗滌液を送液する時に使用する送気送水側洗滌管路618が設けられている。吸引側洗滌管路617と送気送水側洗滌管路618は内視鏡洗滌装置600の流体(具体的には洗滌液)を電子内視鏡2の吸引管路607側及び送気管路608、608′、送水管路613、613′側に送液する機能を有する。
本実施の形態では吸引側洗滌管路617と送気送水側洗滌管路618は互いに独立した管路構成になっている。
【0066】
図14(A)に示すように吸引側洗滌管路617の上流側(図14(A)では右側)の端部には吸引側逆止弁619が設けられている。この吸引側逆止弁619は略T字状に2つに分岐し、流体を吸引(或いは吸入)する吸引側の口金622にはテーパ部671が設けられ、他方のシリンジ口金632にはシリンジ677(図12参照)が着脱自在に接続される。また、送液側(或いは排出側)の口金626にもテーパ部671が設けられている。
【0067】
一端が上記口金622に接続され、シリンジ677に洗滌液を吸入させるための吸引側吸引チューブ620の他端には、PP、PA、POM、PE、PBT、PPS、PS、SAN、ABS、PMMA、PC、変性PPO、PSU、PEEKなどの硬質樹脂でできた吸引部625がその口金624を介して接続されている。
【0068】
後述するように洗滌槽内に沈められ、洗滌液を吸引する吸引口621が設けられた吸引部625は、特にPSU、PEEKで作ることにより高圧蒸気滅菌に対する耐性をもたせることができる。吸引部625に設けた口金624と吸引側吸引側チューブ620の接続部は、弾性を有する固定チューブ623で覆い、固定している。
【0069】
また、吸引部625の内部には、図14(B)および図15(B)に示すように、吸引側吸引チューブ620へとつながる吸引側吸引口621だけでなく、送気送水側吸引チューブ644へと連通する送気送水側吸入口630が設けられている。なお、図14(B)は図14(A)のC方向矢視図、図15(B)は図15(A)の送気送水側洗滌管路618におけるB−B線断面図である。
【0070】
吸引側吸入口621の中には、網状部材541が接着固定されている。また、送気送水側吸入口630の中には、網状部材640、錘636が設けられ、これらは、固定部材641を吸引部625に接着することで固定されている。この錘636の底面側は例えばテーパ部639が形成されている。
【0071】
この網状部材541を設けたことにより、後述する送水作業時に吸引側洗滌管路617内部に、糸くず等の異物が吸入されることを防止できる。
【0072】
さらに吸引部625の下部には、複数の切欠96が設けられている。このため水中で吸引部625が洗滌槽の底に沈んでも切欠96と前記洗滌槽の底との間に隙間ができるので確実に洗滌液を吸引できる。
【0073】
また、送気送水側吸引口630内に錘636を固定する場合、送気送水側吸引口630内壁に突起99等を設けて洗滌液等が錘636で通路が塞がれることなく、通る隙間637を形成している。
【0074】
ここで、吸引側逆止弁619の構造を説明する。この吸引側逆止弁619にはルアー口金付きのシリンジ677(図12或いは図26等参照)を接続できるシリンジ口金632が設けられている。このシリンジ口金632の内面にはシリンジ677のルアー口金に対応して、注射器テーパ面98が設けられている。
【0075】
また、この吸引側逆止弁619の内部にはステンレスなどの金属、またはPP、PA、POM、PE、PBT、PPS、PS、SAN、ABS、PMMS、PC、変性PPO、PSU、PEEKなどの硬質樹脂でできたボール弁633及びボール弁634が設けられている。ボール弁633、634は、特にPEEK、PSUで作製することにより高圧蒸気滅菌に対する耐性を持たせることができる。
【0076】
ボール弁633の収納部は、口金622の端部側にボール弁633の球面と接するテーパ面716が形成され、このテーパ面716にボール弁633が接する状態では吸引側吸引チューブ620と連通路723とが連通することを気密及び水密的に遮断する。
【0077】
また、口金622と反対側の吸引側逆止弁619側にはテーパ面に複数の突起714を設けてボール弁633が接する状態でも、突起714に隣接する凹部で隙間715を形成し、この隙間715により吸引側吸引チューブ620と吸引側逆止弁619側とが連通する状態を維持する。
【0078】
吸引側逆止弁619の送液側には、口金626を介してシリコンゴムなどの柔らかい材質からなる吸引側送水チューブ627が接続されている。吸引側送水チューブ627の内径および肉厚は吸引側吸引チューブ620と等しい。口金626と吸引側送水チューブ627の一方の端部の接続部には固定チューブ623が設けられている。
【0079】
また、この吸引側送水チューブ627の他方の端部と口金との接続部も固定チューブ623で固定されている。さらに口金622と吸引側吸引チューブ620との接続部も固定チューブ623で固定されている。
吸引側送水チューブ627と吸引側吸引チューブ620は吸引側逆止弁619の内部で連通路723を介して連通している。
【0080】
また、ボール弁634の収納部も口金626の端部のテーパ面には複数の突起718が形成されており、ボール弁634が接する状態でも突起718に隣接する凹部で隙間719が形成され、この隙間719により吸引側送水チューブ627側と吸引側逆止弁619側とを連通する状態を維持する。また、この口金626の反対側の口金622側にはテーパ面713が形成されており、このテーパ面713にボール弁634が接する状態では吸引側送水チューブ627側と吸引側逆止弁619側とを気密及び水密的に遮断する。
【0081】
一端が口金626に接続された吸引側送水チューブ627の他端には、内部に管路670を設けたチューブ接続部材628を介して、吸引側送水チューブ627と同じ材質からなり、その内径が吸引側送水チューブ627よりも大きな吸引側送水チューブ629が接続されている。
【0082】
これは、図12のコネクタ14の吸引口金611の外形が吸引側送水チューブ627の内径よりも大きく、吸引側送水チューブ627の弾性変形だけでは吸引口金611に吸引側送水チューブ627を取り付けることができないため、吸引側送水チューブ627よりも内径の大きな吸引側送水チューブ629がチューブ接続部材628を介して接続するようにしている。このチューブ接続部材628の口金と吸引側送水チューブ629の接続部も固定チューブ623で固定されている。
【0083】
吸引側送水チューブ629は、弾性変形することで、吸引口金611に接続される。チューブ接続部材628の内部管路670は内部で内径が変化し、吸引側送水チューブ627と吸引側送水チューブ629とを連通する連通路635を形成している。
【0084】
また、チューブ接続部材628には、リング630を固定するためのリブ631が設けられ、このリング630にチェーン660、661の一端を固定し、他端には送水管614と加圧管616を連通するコネクタプラダ650やプレート662などが接続されており、チューブ以外の物も接続する手段として利用される。
【0085】
次に図15(A)の送気送水側洗滌管路618の断面構造を参照してその構成を説明する。送気送水側洗滌管路618は送気送水側逆止弁645と送気送水側送水チューブ643および送気送水側吸入チューブ644との接続方法が吸引側洗滌管路617の場合と同様であるのでこれらの構成の説明は省略する。
【0086】
送気送水側洗滌管路618はその送水側には、送気送水側送水チューブ643が設けられている。送気送水側送水チューブ643の先端には接続口金502を介して送気管ポート500が接続される。接続口金502はチューブ接続部材628と同様の材質で作られている。また、SUSなどの金属、PEEK、PSU等の樹脂で作ることにより高圧蒸気滅菌の耐性を持たせることができる。また、内部には送気送水側送水チューブ643とつながる接続通路504が設けられている。
【0087】
送気管ポート500の内部には送気管615(図12参照)の外径よりも小さな内径の連通穴503が設けられている。前記接続通路504と連通穴503は連通している。この連通穴503は端部にテーパ部505が設けられており、送気管ポート500を送気管615に取り付ける際に、取付が容易になるよう配慮されてある。
【0088】
送気管ポート500が送気管615に取り付いた時には送気管ポート500の弾性変形より、送気管ポート500は送気管615に対して固定される。また、この弾性変形により、送気管ポート500と送気管615の間の水密及び気密が保たれる。
【0089】
また、送気管ポート500に、接続口金502を接続するとき、図17(A)に示すように、送気管ポート側には、テーパ部507が設けられており、また、接続口金502には、テーパ部671が設けられているためテーパ部671をテーパ部507に導入することで容易に接続できる。
【0090】
本実施の形態においては、テーパ部671の端部の径をD2 とし、送気管ポート500のテーパ部507の端部の径をD1 としたとき、D1 >D2 となっている。そのため、D2 <D1 の場合よりもテーパ部671をテーパ部507へ導入しやすくなっている。
【0091】
また、本実施の形態ではD1 >D2 を保ちながら、さらに、テーパ部671のテーパ角θ2 、テーパ部507のテーパ角θ1 の間にθ1 >θ2 の関係が成立している。θ1 >θ2 としたことによりθ1 ≦θ2 の場合にくらべてテーパ部671をテーパ部507へより導入しやすくしている。
【0092】
さらに径D1 が一定のときθ1 >θ2 とすると、θ1 ≦θ2 の場合と比べて連通孔503と、軸部506の嵌合長Lが図17(B)に示すように長くなり、両者の間の接続強度を大きくできる。
【0093】
なお、送気管ポート500の側面には図13および図16に示すように着脱時に把持する把持部501が2箇所設けられている。
【0094】
また、送気管ポート500を、送気管615から外すときは、図16に示すように面508に指を当接させたのち、把持部501を把持して、送気管ポート500を矢印の方向に引き抜く、このような動作を行なうことによって、送気管ポート500は、送気管15から、容易に取り外すことができる。
【0095】
また、面508を、指505が当接できるように大きく設けてあるので、取り外しが容易に行なえるようになっている。
【0096】
また、送気管ポート500と、接続口金502の接続強度、および、接続口金502と、送気送水側チューブ43の接続強度は、送気管ポート500と送気管615の接続強度よりも十分に大きくなっている。このため、送気管ポート500を送気管615に取付けた状態で送気送水側送水チューブ643を急激に引っぱっても、送気管ポート500と送気管615の接続部が外れるだけで、送気管ポート500と接続口金502の接続部、あるいは送気送水側送水チューブ643と接続口金502の接続部が外れてしまうことがない。
【0097】
また、図15(A)及びこの図15(A)のB−B線断面を示す図15(B)に示すように吸引側には送気送水側吸引チューブ644を介して吸引部625が接続されている。この吸引側625は、テーパ面671を設けた口金672が送気送水側吸引チューブ644と接続され、その外側は固定チューブ623で被覆固定されている。図14(B)、図15(B)に示すように、吸入部625には、吸引側吸入口621と送気送水側吸入口630の2つの吸入口が設けられている。
【0098】
次に図18ないし図25を参照して全管路洗滌アダプタ201を説明する。
図18に示す全管路洗滌アダプタ201は電子内視鏡2の操作部12に着脱可能な栓手段である。
【0099】
また、送気・送水シリンダ573と吸引シリンダ574は、電子内視鏡2の操作部12の本体部401に形成した開口部に配設され、金属製で略円筒形の部材で構成される。この吸引シリンダ574、前記送気・送水シリンダ573はそれぞれナット213、402を螺合させることによりナット213、402と座板407とで本体部401に挟持されている。
【0100】
なお、前記ナット213及び402と本体部401との間には水密確保のためそれぞれOリング404が配設されている。前記ナット402のフランジ402a下部とナット213のフランジ213aの下部にはそれぞれ直径がφd5(図19参照)の小径部246、247が形成されている。また、前記フランジ402aとフランジ213aの直径をφd6に形成している。なお、直径φd5とφd6との間にはφd5<φd6の関係が成り立っている。
【0101】
前記吸引シリンダ574の底部には金属製のコネクタ側吸引パイプ603が半田付けにて固定され、側周に金属製の吸引パイプ604が半田付けにて固定されている。前記コネクタ側吸引パイプ603は、コネクタ側の吸引管路607と連通しているので、前記図12に示したコネクタ部14に設けた金属製の吸引口金611に連通している。一方、吸引パイプ604は、先端側の吸引管路605を構成して操作部12の把持部先端側で前記図12に示した電子内視鏡2の挿入部11の吸引口84に連通する鉗子挿入管路516aに合流している。
【0102】
前記全管路洗滌アダプタ201は、固定部210、送気・送水プラグ211、吸引プラグ212及び鉗子口516に着脱自在な後述する栓体215から構成されている。
【0103】
図18及び図19などに示すように固定部210は、ステンレス等の金属製の平面板216と、曲げ加工した金属板製のハウジング部217と、金属製のストッパ218とからなり、前記平面板216には送気・送水シリンダ573及び吸引シリンダ574にそれぞれ対応する位置に貫通孔219、220が設けられている。そして、この平面板216からハウジング部217が脱落しないようにストッパ218を螺合後、接着剤にて固定している。
【0104】
図18から図21などに示すように前記ハウジング部217は、全長に渡って幅t1の切り欠き225を形成した上面部221と、ハウジング部217の側端面から距離L2まで幅t2の切り欠き226、ハウジング部217の側端面から距離L3まで幅t3の切り欠き228、ハウジング部217の側端面から中心位置までの距離L1に直径φd1の円弧部227及び切り欠き226と切り欠き228を繋ぐt2に等しい直径φd2の円弧部229を設けた底面部223と、前記上面部221と前記底面部223とを繋ぐ2つの側面部222、222と底面部223とを連結して上面部221との間に平面板216の板厚より若干大きな幅のクリアランス230を形成し、このクリアランス230により平面板216に挟持されるようになっている(なお、図21では簡単化の為、例えばφd1を単にd1と略記)。
【0105】
前記送気・送水プラグ211は、上方に位置するPSU等の硬い樹脂製のボタン231と、送気・送水シリンダ402内に挿通され、前記ボタン231同様PSU等の樹脂製のピストン232と、金属製のコイルバネ238とで構成されている。
【0106】
このコイルバネ238は、後述するコイルバネ338よりもバネの力量が大きくなっている。
また、送気・送水プラグ211を、ボタン231とピストン232に分けたことで送気・送水プラグ211の組立が容易に行なえるので組立作業性が向上する。
【0107】
前記ボタン231の直径は、貫通孔219の直径よりも大径で直径がφd8の頭部233と、貫通口219より小径で直径がφd7の胴部234とで構成されており、前記頭部233の上端部には怪我を防止するための面取りが施されている共に、機種名等を表示できる平面部を設け、胴部234には、ネジ部236を設け、ピストン232に螺合固定されるようになっている。
【0108】
前記ピストン232は、貫通孔219より大径の頭部248と、フランジ部237と、嵌合部239と、棒体部240とで構成されている。前記フランジ部237は平面板216と底面部223との間に設けられ、頭部248側から大径部241、小径部242を有し、大径部241と小径部242との直径φd3、直径φd4と円弧部227の直径φd1との間に、
d1<d3、d1≧d4
の関係が成り立っている。
【0109】
つまり、非装着時、小径部242が円弧部227に略嵌合して位置決めされるので、大径部241の下面が底面部223の上面に当接して送気・送水プラグ211の脱落を防止するようになっている。
【0110】
また、平面板216とフランジ部237との間に介在するコイルバネ238は、フランジ部237を底面部223の方向に押圧している。このため非装着時ではフランジ部237を底面部223の方向に押圧し、装着時にはフランジ部237かをナット402の上端面に押圧する。
【0111】
ピストン232の下部に設けられた嵌合部239は、フランジ部237の下部に設けられ、図22に示すように装着時には送気・送水シリンダ573に略嵌合している。このとき、送気・送水シリンダ573の内周と嵌合面外周との間には0.05mm以下の隙間704が設けられるようになっている(図22は図18に示したF部の拡大図である)。
【0112】
また、嵌合部239と棒体部240の径変化部にはピストン232の送気・送水シリンダ573への挿入を容易にするために上部側から鋭角のテーパ部249と、このテーパ部249より角度の大きいテーパ部250とを形成している。
【0113】
棒体部240は、嵌合部239の下部に設けられ、装着時、送気・送水シリンダ573の内周と棒体部240の外周との隙間600が0.4mmないし1mmになるように構成されている。また、図18に示すようにこの棒体部240には装着時に前記送気・送水シリンダ573の先端側送気管路608′の開口部近傍に位置する連通横孔243と、この連通横孔243と棒体部下端とを連通する連通縦孔244とが形成されている。
【0114】
図19に示すように前記吸引プラグ212は、前述の送気・送水プラグ211と同じくPSU等の硬い樹脂製のボタン251と、このボタン251同様にPSU等の樹脂製のピストン252と、送気・送水プラグ211と同じく金属製のコイルバネ338とで構成されている。
【0115】
前記ボタン251の外形は、貫通孔220の外形よりも大径で直径がφd8の頭部253と、小径で直径がφd7の胴部254とで形成されている。ボタン251と、ピストン252を別体にしたことで組立が容易に行なえるというメリットがある。胴部254に設けたネジ部256にピストン252を螺合固定している。
【0116】
このボタン251には、前述のボタン231に設けられた機種名等を表示する表示部235は設けられていない。しかし、表示部235を設けてあってもかまわない。
【0117】
このピストン252は、貫通孔220より大径な頭部257と、フランジ部258と、嵌合部259とで形成され、前記平面板216とフランジ部258との間にコイルバネ338を介在させている。このコイルバネ338は、フランジ部258を底面部223の方向に押圧し、非装着時、フランジ部258を底面部223に押圧して頭部253が平面板216に押圧されることで吸引プラグ212の脱落を防止している。一方、装着時にはフランジ部258をナット213の上端面に押圧する。
【0118】
嵌合部259は、ボタン251の下部に設けられ、前記図22に示したのと同様、装着時には吸引シリンダ574に略嵌合し、吸引シリンダ574の内周面と嵌合面外周との間に0.05mm以下の隙間705(図25参照)が設けられるようになっている。この嵌合部259の下端にはピストン252を吸引シリンダ574に挿入し易くするためのテーパ部260が設けられている。
【0119】
前記フランジ部258の下面には少なくとも1つの切り欠き318を設けてある。また、図23(A)および(B)に示したように、切り欠き318の付け根部分には、球形の空間である球形部319が設けられている。
【0120】
また、図23(A)に示すようにフランジ部258の隅部はテーパ状に切り欠かれて面取りされた面取り部323が形成されている。なお、図23(A)はフランジ部258付近を拡大して示し、図23(B)は図23(A)の下側からみた底面図を示す。
【0121】
球形部319は、球形に限らず、例えば図24(A)に示すように、円柱形の円柱部320であったり、図24(B)に示すように半球部321であってもかまわない。
【0122】
これは、後述する送水作業時に、送水された水が、横方向にとび出すことを防止するために設けてある。
【0123】
図20(A)及びこの図20(A)のE−E線断面を示す図20(B)に示した栓体215は平面板216にチェーン263を介して接続され、この栓体215は電子内視鏡2の操作部12の鉗子口516に装着されて使用される。図20(A)に示すように、外表面には機種名等が表示できる表示部262が設けられている。
【0124】
また、図20(B)に示すように内部には小さな円形の孔であるリーク孔261が設けられている。リーク孔261からわずかに液体が漏れでることによって鉗子口516内に液体が充満されるようになっている。また、リーク孔261から出た液体は、開口部264を通って外部へと排出される。このとき、リーク孔261と開口部264は、開口位置がずれており、流体がリーク孔261から飛び出した時、防御壁601に当たり、勢いよく液体がとび出すのを防止している。
【0125】
ここで全管路洗滌アダプタ201の内視鏡装着時の装着方法を説明する。
まず、送気・送水プラグ211と吸引プラグ212とをそれぞれ送気・送水シリンダ573と吸引シリンダ574に挿入する。そして、固定部210を送気・送水プラグ211と吸引プラグ212との軸方向に押し込みながら送気・送水シリンダ573から吸引シリンダ574の方向に移動させていく。このとき、切り欠き226と小径部246、247とフランジ402a、213aとの寸法の間にd6>t2≧d5
の関係が成り立つ一方、
頭部233、胴部234及び切り欠き226の寸法の間には
d8>t1>d7
の関係が成り立つので、底面部223がナット402と吸引プラグ212との間の小径部246、247を移動する。
【0126】
また、前記d2とt2との間には
d2=t2
の関係があるので、底面部223は、円弧部229が小径部246に当接した位置で位置決め固定される。
【0127】
さらに、ハウジング部217の非装着時から装着時までの移動距離はL4であり、この移動距離L4は距離L2から距離L1を減らした値に等しい。なお、距離L2の値は、距離L4だけ移動したとき、頭部248が切り欠き228の端部に干渉しない値に設定されている。
【0128】
次に本実施の形態の作用を説明る。
次に図12を用いてこの内視鏡洗滌装置600および全管路洗滌アダプタ201を電子内視鏡2に接続した状態および使用方法を説明する。
【0129】
まずはじめに電子内視鏡2の吸引口金611に吸引側送水チューブ629を接続する。さらに、送気送水側チューブ643の端部に設けられた送気管ポート500を送気管615に接続する。また、コネクタプラグ650を送水管614と加圧管616に取り付ける。さらに、送気送水シリンダ573及び吸引シリンダ574に全管路洗滌アダプタ201を取り付けて各シリンダ573、574の開口部をほぼ塞ぎ、小さい隙間704、705にする。
【0130】
また鉗子口金516には栓体215を取り付ける。このような状態にした後、シリンジ口金632にルアー口金付きのシリンジ677を接続する。
ここで、実際に管路内部に洗滌液を送液する場合の送液方法を図26および図27を用いて説明する。なお、図26(B),(C)は図26(A)のG−G線及びH−H線断面を示す。
管路内に洗滌液を送液する場合、吸入部625は、洗滌液の中に沈められている。
【0131】
シリンジ677のピストン711を符号702で示す矢印方向に引く事で、シリンジ内部712に負圧が発生する。このときシリンジ内部712と連通状態の吸引側逆止弁619内部の連通路723内部も負圧の状態になる。すると、ボール弁633およびボール弁634はシリンジ内部712側へ移動する。このとき、ボール弁634はテーパ面713に当接し、連通路723と吸引側送水チューブ627の間は管路が遮断される。
【0132】
一方、ボール弁633は突起714に当接するものの、ボール弁633と突起714の間には隙間部715がある。また、ボール弁633はテーパ面716との間に隙間717をもつ。このためシリンジ内部712と吸引側吸引チューブ620の間は連通路723を介して連通状態になる。
【0133】
このため、シリンジ内部712で発生した、負圧により吸入部625の吸入口621から、吸引側吸入チューブ620および吸引側逆止弁619をへてシリンジ内部712に矢印82で示すように洗滌液が吸入される。
【0134】
次に図27が示すようにピストン711を符号703で示す矢印の方向に押し込むことでシリンジ内部712が加圧される。この圧力によってボール弁633はテーパ面716に押し付けられる。これにより吸引側吸入チューブ620と連通路723の間は管路が遮断される。
【0135】
一方、ボール弁634は突起718に当接する。このときボール弁634と突起718の間には隙間719がある。また、ボール弁634とテーパ面713の間には隙間720ができている。
【0136】
このような状態になると、シリンジ内部712の洗滌液は符号582で示すようにシリンジ内部712から連通路723および隙間720、隙間719を経て吸引側送水チューブ627へと送り込まれる。さらに洗滌液はチューブ接続部材628、吸引側送水チューブ629を経て、図12に示す吸引口金611へと到達する。
【0137】
さらに吸引口金611から吸引管路607を経由して、吸引シリンダ574と、ピストン252の間の隙間705、鉗子口金516に取り付けられた栓体215のリーク孔261、挿入部3の先端に設けられた吸引口84の3箇所から電子内視鏡2の外部へと排出される。
【0138】
このとき、図25に示すように隙間705から排出された洗滌液は吸引シリンダ574上部の開口部とテーパ部260との隙間705を通り上方向へ流れ出てくる。
【0139】
ここで、球形部319が設けてあるため、上方向へ流れ出た洗滌液は、球形部319の壁面にそって流れるため、この図25に示すように、流れの方向が下向きになる。そして、この下向きのまま、切り欠き318の外へと排出される。切り欠き318の外へと出て洗滌液は本体部401の上面401aに当たるため、洗滌液が直接、横方向にとび出すことが防止できる。
【0140】
また、図24(A)(B)に示すように、球形部319のかわりに、円柱部320、半球部321を設けたときにも同様の効果が得られる。
【0141】
また、コイルバネ338により、ピストン252は、下側に付勢されているため、洗滌液の水圧により、ピストン252が上方向へ浮くことがない。
この操作を数回にわたって繰り返すことで吸引管路607の内部にまんべんなく洗滌液を送り込むことができ、十分に洗滌することができる。
【0142】
これら一連の洗滌液の吸引および排出の動作は送気送水側洗滌管路618においても同様である。シリンジ内部712で発生した負圧は、図26の括弧で示す送気送水側吸引チューブ644を経て、吸入部625へと伝わる。
【0143】
すると吸入部625の網状部材640の網目、隙間638を通って送気送水側吸入チューブ644の内部に洗滌液82が吸入される。隙間637があるため、錘636は常に洗滌液82にさらされ、汚れが錘636のまわりにたまることがない。さらに、送気送水側逆止弁645を通って、シリンジ内部712に吸引される。
【0144】
次にピストン711を押し込むと、図27の括弧で示す送気送水側送水チューブ643及び図12に示す送気管ポート500を通って送気管615へ矢印582で示す洗滌液が送液される。送気管615に入った洗滌液582は、分岐部85で送気管路608と加圧管616へと分岐する。加圧管616と送水管614はコネクタプラグ650によって連通されているため、送水管路613にも洗滌液が送水される。
【0145】
送気管路608、送水管路613を通った洗滌液は、送気送水シリンダ573と棒体部240の間の隙間704及び挿入部11内部の送気管路608′、送水管路613′をへて先端ノズル189の2箇所から排出される。
【0146】
この場合、隙間704を通って排出された洗滌液は図22に示すように、横方向へとび出すが、側面部222へ当たるので、外側に飛び出すことはない。また、コイルバネ238が、ピストン232を下方向に付勢しているため、洗滌液の水圧によって、ピストン232が上方向にとび出すことはない。
【0147】
吸引管路607へ送水するときと、送気管路608、608′、送水管路613、613′へ送水するときを比べると、吸引管路607のほうが、管路抵抗が小さい。このため、送水時の圧力は、吸引側管路607の送水時のほうが小さくなる。コイルバネ238と、コイルバネ338は、同じバネ定数でもよいが、バネ定数は小さいほうが組立性が良い。
【0148】
したがって、本実施の形態においては、送水時の圧力が小さい吸引管路607側に取り付けられる吸引プラグ212を付勢するコイルバネ338のバネ定数を、コイルバネ238のバネ定数より小さくした。これにより、組立性が向上している。
【0149】
以上の動作を繰り返すことで内視鏡の送気管路608、608′、送水管路613、613′の内部を十分に洗滌することができる。
【0150】
洗滌作業時に洗滌液の内部にほこり575や糸屑576が混入していると、これらが管路内径の小さい送気管路608、608′や送水管路613、613′内部に詰まるおそれがある。しかし、本実施の形態では、図28に示すように、吸引部625内に網状部材540および541が設けられているので、洗滌槽734内に吸引部625を入れ、洗滌液を吸入する際に、ほこり575や糸屑576などは網状部材540、541によって濾し取られる。これにより、送気管路608、608′や送水管路613、613′の詰まりを防止できる。
【0151】
ところで、電子内視鏡2の、コネクタ14には内視鏡先端に設けられた図示しない固体撮像素子の信号を外部のビデオプロセッサ4へ出力するための電気接点が設けられている。この電気接点部に、水の浸入を防ぐためにコネクタ14には防水キャップ190が着脱自在に取付けられる。
【0152】
図29(A),(B)に電子内視鏡の洗滌時に、コネクタ14に取付けてコネクタ14の内部の電気接点へ水が浸入するのを防止する防水キャップ190を示す。また、図30にコネクタ14に防水キャップ190を取り付けた状態を示す。
【0153】
防水キャップ190には、コネクタ14の内部に空気に送り込んで漏水検知を行なう時に、図示しない漏水検知装置の検知口金193を取付けるための空気供給口金194が設けられている。
空気供給口金194には、検知口金193が取り付ける時に、検知口金193のガイド溝195をガイドするためのガイドピン196が設けられている。
【0154】
図31に示すように、検知口金193を空気供給口金194に取り付けると、空気供給口金194内部の図示しない弁が開いて、空気供給口金194を通じて、コネクタ14と検知口金193が連通状態になる。その後、供給チューブ197を通して空気を送り込むと、コネクタ14の内部を加圧することができる。
【0155】
コネクタ14内部が加圧された状態で、水中にコネクタ14を浸漬することでコネクタ14内部の気密性を検査することができる。
【0156】
ところで、このガイドピン196は、図29(A)示すように防水キャップ190の中心線198と同じ方向に設けられている。このような方向に設けることによって、ユーザが防水キャップ190の着脱を行なうとき、図中に点線で示すように、ガイドピン196に指を掛けることなく、空気供給口金194にのみ指を掛けて着脱を行なうことができる。
【0157】
このガイドピン196が例えば図31に示すように斜め方向を向いていると、点線で示すように取付時に、ガイドピン196に指が当たって、作業のじゃまになる。このため、図29(A)に示した方向にガイドピン196を設けたほうが着脱作業時にガイドピン196が指に当たらないので、着脱作業性が良い。
【0158】
次に本発明の第3の実施の形態における電子内視鏡2の先端側の構成を図32ないし図36を参照して説明する。
図32は挿入部先端側の縦断面図、図33は照明系を含む挿入部先端側の縦断面図、図34はノズルを含む図32の部分拡大断面図、図35は図34のI−I線断面図、図36(A)は係止部材の正面図、図36(B)は係止部材の側面図である。
【0159】
図32及び図33に示す挿入部11の先端部20の本体を構成するステンレス等の金属材からなる先端構成部101には、後述する各種の部材、例えば観察系、照明光伝達系及び送気又は送水の少なくとも一方がなされる管路等が組み込まれている。
【0160】
また、図32に示すように先端構成部101はその先端側に突出した先端構成部付き出し凸部(以下、単に凸部と略記)111を設けている。前記先端構成部101の先端面及び先端側外周面には、例えばポリサルフォン等の電気絶縁性の熱可塑性樹脂からなるキャップ状に形成された絶縁カバー106が被嵌されており、先端構成部101との当接面及び嵌合面は接着され固定されている。
【0161】
先端構成部101の先端側端面には凸部111が設けられているために段差があり、図33に示すように絶縁カバー106の先端側端面106aと先端構成部101の先端側端面101aとの間の肉厚はr3であるが、図32に示す先端側端面106aと凸部111の先端側端面111aとの間の肉厚r2は上記肉厚r3より薄くなっている。
また、図32に示すように、絶縁カバー106は後述する対物洗滌ノズル119を取り付けるためのノズル取付部110を設けている。
【0162】
図32及び図33に示すように先端部20には湾曲部21が隣接しており、湾曲部21はその内側から例えばステンレスパイプ等の金属材からなる複数の湾曲駒102、103を互いにリベット104で回転自在に連結し、その外周に金属細線を編み組して形成されるブレード144を被覆し、さらにその外周に例えばフッ素ゴムやEPT等の電気絶縁性の合成樹脂からなる外皮105を被覆している。
【0163】
前記最先端の湾曲駒102は先端構成部101に外嵌され、図示しないビスによって先端構成部101に固定されており、前記絶縁カバー106の先端側端面106aから前記リベット104の内、最も先端側のものの中心までの長さである先端硬質部長さはr1となっている。
【0164】
また、この湾曲駒102はバルジ部102aを境に手元側部102bにおいて径が細くなっている。前記手元側部102b内面には操作ワイヤ取付部145が軸方向に対し、ほぼ上下左右の4ヶ所に設けられており、この操作ワイヤ取付部145には操作ワイヤ146の先端側端部がろう付けにより固定されている。
【0165】
この操作ワイヤ146の手元側端部は挿入部11内を経て、内視鏡操作部まで通じており、操作部において操作ワイヤ操作手段に着脱自在に接続されている。
そしてこの操作ワイヤ操作手段を操作することで、操作ワイヤ146を通して先端部20及び湾曲部21を上下左右の所望の方向に湾曲させることができるようにしている。
【0166】
前記ブレード144の先端部は前記手元側部102b外周に半田付けにより固定されている。また、前記外皮105はその先端部105aが絶縁カバー106の手元側端面に突き当てられ、前記先端部105a外周を糸巻きにすることにより先端構成部101に密接し、さらに糸巻きの上から例えばエポキシ系の接着剤により接着され固定されている。
【0167】
図33に示すように、絶縁カバー106及び先端構成部101には照明伝達系を構成し、照明レンズ131を内設した照明レンズユニット128が配置されており、また、照明レンズユニット128の手元側には光学繊維束からなるライトガイド129の先端部が設けられている。このライトガイド129の先端は先端構成部101を貫通して設けられた照明系取付孔130の後端側から挿入され、図示しないビスにより先端構成部101に固定されている。
【0168】
また、前記照明レンズユニット128は前記照明系取付孔130の先端側から挿入され、例えばエポキシ系の接着剤により先端構成部101に固定されると共に、絶縁カバー106に照明系取付孔130と対応する位置に設けられた貫通孔132に緩く嵌合しており、その隙間133には例えばエポキシ系の接着剤が気密的に充填されている。ここで照明レンズユニット128の軸方向の位置決めは、照明レンズユニット128先端近傍に設けられた外枠フランジ部128aが先端側端面101aに突き当たることでなされている。
【0169】
図33に示す処置具チャンネルの先端を構成する処置具挿通パイプ134は、先端構成部101に貫通して設けられた処置具挿通パイプ取付孔136に嵌合し、先端構成部101手元側端部に半田付けにより固定されると共に、絶縁カバー106に処置具挿通パイプ取付孔136と対応する位置に貫通して設けられたチャンネル孔135に緩く嵌合しており、その隙間139には例えばエポキシ系の接着剤が気密的に充填されている。
処置具挿通パイプ134の手元側端の外周には、チャンネルチューブ137の先端側内面が接着され、さらにチャンネルチューブ137外周の糸巻き部138において糸巻きにより接着面を密着させている。
【0170】
図32に示すように、絶縁カバー106は前記ノズル取付部110部に挿入部11の軸方向に貫通したノズル用貫通孔118を設けており、このノズル用貫通孔118には撮像部107先端の対物レンズ108外表面を洗滌する対物洗滌ノズル119が嵌合している。
【0171】
この対物洗滌ノズル119は係止部材120のノズル係止部120aが対物洗滌ノズル119の円筒側部に形成された係止溝119aと係合することにより、絶縁カバー106内に係止されている。
【0172】
ノズル貫通用孔118の手元側には対物洗滌ノズル119に送気または送水の少なくとも一方を行なうための接続パイプ122が緩く嵌合しており、その隙間124には例えばエポキシ系の接着剤を気密的に充填している。また、前記接続パイプ122は、先端構成部101にノズル貫通用孔118と対応する位置に貫通して設けられた接続パイプ取付孔123に嵌合し、先端構成部101の手元側端部に半田付けにより固定されている。
【0173】
また、接続パイプ122後端部には内視鏡挿入部内を挿通される流体チューブ125の先端側内面が接着され、さらに接着面を密着させるために、流体チューブ125先端部に糸縛り部126を設けると共に、流体チューブ125外周に例えばFEP等の熱収縮チューブ127を密着させている。前記係止部材120は絶縁カバー106と同じく、例えばポリサルフォン等の電気絶縁性の熱可塑性樹脂からなっている。
【0174】
図36(B)に示すように、係止部材120はその先端側にノズル係止部120aが設けられ、側面から見てL字型に形成されており、図32に示すように、係止部材120の外表面の内視鏡長手方向の軸方向稜線120bは、組付時に絶縁カバー106外表面と滑らかに一致するよう、滑らかな曲線で形成されている。
なお、前記軸方向稜線120bは組付時に絶縁カバー106外表面と滑らかに一致するようであれば、図37に示すように曲線に限らず直線で形成しても良い。
【0175】
また、図36(A)に示す係止部材120の外表面の周方向稜線120cは、図35に示すように組付時に絶縁カバー106外周と段差が生じ患者の体腔内を傷つけないように、絶縁カバー106の外周と同じ曲率の円弧状に形成されている。前記ノズル係止部120aの先端は前記係止溝119aに係合するよう円弧状に形成されており、また、ノズル係止部120aの根元部には段部120dが設けられている。
【0176】
図34及び35に示すように、ノズル取付部110は係止部材取付溝140と、この係止部材取付溝140の先端部から前記ノズル貫通用孔118に向ってほぼ直角に貫通して設けられたノズル係止部取付溝140aとが設けられており、ノズル係止部取付溝140aは係止部材取付溝140よりも幅が狭いため段部140bが形成されている。
【0177】
前記係止部材120は係止部材取付溝140に、またノズル係止部120aはノズル係止部取付溝140aにそれぞれ嵌合しており、係止部材120は係止部材取付溝140との嵌合面及び図34に示す付き当て面109に、例えばシリコン系の接着剤を塗布し、絶縁カバー106に接着され固定されている。
【0178】
また、図35に示すように前記ノズル係止部120aは、段部140bと、前記段部120dが突き当たることで対物洗滌ノズル119に対する位置決めがなされ、ノズル係止部120aの先端部が係止溝119aに係合するようになっている。
【0179】
前記係止部材120の抜去は、係止部材120の外表面側から係止部材120に針状の治具を突き刺し、この治具先端部を係止部材120に引っかけて絶縁カバー106から引き出すことで行う。
【0180】
図32に示すように、先端構成部101には挿入部11の軸方向に撮像部107が補修交換のため着脱自在に取付けられており、撮像部107先端には対物レンズ108を内設したレンズ枠112を有している。
【0181】
レンズ枠112の外周には断面がV字形の外周溝113が設けられており、外周溝113には例えばシリコン系の接着剤121が気密的に充填される。さらに、レンズ枠112はその外周面112aにも接着剤121が塗布されて、前記凸部111の位置に先端構成部101を貫通して設けられたレンズ枠取付孔114に嵌合すると共に、絶縁カバー106にレンズ枠取付孔114と対応する位置に貫通して設けられた貫通孔147に緩く嵌合しており、その隙間117には例えばエポキシ系の接着剤が気密的に充填されている。
【0182】
この後、ビス形状の撮像部固定部材115が凸部111の位置で先端構成部101外周からレンズ枠取付孔114に向って貫通するよう設けられた、撮像部固定部材取付孔116内面に設けられたネジに螺合し、外周溝113の2つの斜面の内、先端側に配置された斜面に撮像部固定部材115の円錐部先端115aが突き当てられて、先端構成部101に撮像部107が固定される。
【0183】
本実施の形態では最先端の湾曲駒102は他の湾曲駒103等の肉厚よりも薄い肉厚に設定して、薄肉にしない場合よりもその外径を細くし、最大径の部分を細くなるようにしている。また、この最大径の部分を半径外側方向に突出しないようにして外表面に凹凸ができない或いは凹凸を少なくするようにしている。
【0184】
次に本実施の形態の作用及び効果を説明する。
本実施の形態によれば、撮像部107を固定するための外周溝113に接着剤121を気密的に充填することで、レンズ枠112とレンズ枠取付孔114の間の気密を保つことができる。
【0185】
この構成により、前記外周溝113とは別に気密用のパッキンを取付けるための溝をレンズ枠112外周に設ける必要がないため、レンズ枠112の軸方向長さを短くでき、結果的に撮像部107の軸方向長さを短くすることが出来る。
【0186】
撮像部107の軸方向長さを短くできるため、湾曲部21が撮像部107の位置する部位で湾曲し、全体が硬質の撮像部107を無理に曲げて破損することを防ぐために、撮像部107手元側端以降に設けいてたリベット104の位置を内視鏡先端側に移動させることができ、これにより先端硬質部長さr1を短くすることができる。
【0187】
また、レンズ枠112を細径化することにより、先端部20の先端径を細径化することができる。
【0188】
すなわち、本実施の形態によれば、内視鏡の先端径を細径化し、先端硬質部長さr1を短くすることで、患者の苦痛を低減し良好な挿入性を得ることができると共に、体腔内の様に狭い空間内においても良好な観察性を得ることができる効果がある。
【0189】
さらに、挿入部11の最大径となる部分、より具体的には先端部20と湾曲部21との接続部における最大径となる部分の径を小さくでき、第1の実施の形態と略同様の効果を有する。
【0190】
次に第3の実施の形態の変形例を図37を参照して説明する。
図37に示すものは、第3の実施の形態におけるレンズ枠112外周の外周溝113と、撮像部固定部材115および撮像固定部材取付孔116を変形した構成であり、その他は第3の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0191】
本変形例では、レンズ枠112の外周に矩形断面の外周溝141が設けられており、外周溝141には例えばシリコン系の接着剤121が気密的に充填されている。この後、撮像部固定部材142が撮像部固定部材取付孔143に先端構成部101外周部から挿入されて嵌合し、撮像部固定部材142の先端部が前記外周溝141の底面に突き当てられて、先端構成部101に撮像部107が固定される。
【0192】
なお、前記外周溝141の形状は矩形に限られたものでなく、円弧状であっても酔い。また外周溝141に突き当てられる撮像部固定部材142の先端形状も棒状に限らず、外周溝141に係合するよう球状であっても良い。
【0193】
この変形例は以下の作用及び効果を有する。
本変形例によれば、第3の実施の形態と同じ効果が得られると共に、撮像部固定部材142と撮像部固定部材取付孔143にネジを設けるための加工が必要ないため、部品加工が容易で製造原価を少なくすることができる。
【0194】
次に第4の実施の形態の先端部20を図38、図39に示す。
先端構成部70には、レンズ枠41を介して照明レンズ42が固定されている。このとき、先端構成部70とレンズ枠41、レンズ枠41と照明レンズ42は共に接着により、固定されている。前記レンズ枠41の後端側には、ライトガイドパイプ80が嵌入されていると共に、側面には、切り欠き部43が設けられている。
【0195】
この時、レンズ枠41とライトガイドパイプ80の間にはシリコン系接着剤が塗布されている。さらに、ライトガイド固定部44が外嵌されている。そして、ライトガイド固定部44は先端構成部70に接着、半田といった方法で固着されており、前記ライトガイドパイプ80は切り欠き部43を通してライトガイド固定ビス45によりライトガイド固定部44に着脱自在に固定されている。
結果としてライトガイドパイプ80はライトガイド固定部44を介して先端構成部70に固定される事となる。
【0196】
この先端構成部70内には図38、図39に示すように、送気送水チャンネル51、処置具挿通チャンネル52、ライトガイドファイバ53、撮像部54及び撮像部54に連設される像伝送ケーブル55が配置されている。
【0197】
この先端構成部70の外周面に、その先端側が嵌合する最先端の湾曲駒91は固定ピン46で固定されている。
この最先端の湾曲駒91は図38に示す下側の部分、つまり処置具挿通チャンネル52の外側部分が切り欠かれている。
【0198】
この湾曲駒91の後端はリベット34により、先端側から2番目の湾曲駒92により回動自在に連結され、この湾曲駒92はさらに先端側から3番目の湾曲駒(図示略)にリベット34で回動自在に連結されるという具合に複数の湾曲駒が回動自在かつ直列に連結されて湾曲部21を構成湾曲駒群が形成される。
【0199】
前記湾曲駒群の外周のブレード36の更に外周には湾曲ゴム37が被覆されている。湾曲ゴム37の先端側は、上から糸38を巻きつけ、例えばエポキシ系の樹脂剤39でより強固に接着固定されている。湾曲ゴム37は、例えば、シリコンゴム、フッ素系のゴムなどでも良い。
先端構成部70の先端面及び先端側外周面には絶縁カバー106が取付けられている。
また、処置具挿通チャンネルパイプ76の後端にはチャンネルチューブ47の先端が取り付けられ、糸48お巻き付けて固定されている。
【0200】
本実施の形態においても、最先端の湾曲駒91の肉厚は、その他の湾曲駒92等の肉厚より小さくして先端部20との接続部の径が大きくなることを解消或いは防止している。
【0201】
以上の様に構成された先端部20は以下の様に組み立てる。
まず、先端構成部70に対して処置具挿通チャンネルパイプ76を接着や半田付けといった方法で固定し、処置具挿通チャンネルパイプ76の外周にチャンネルチューブ47を接着し、さらに糸48で固定する。その後、レンズ枠41を送気送水チャンネル孔71の先端側より嵌入し、接着固定すると共に、前記レンズ枠41の後端部分に、ライトガイド固定部44を外嵌し、このライトガイド固定部44を先端構成部70の後端面に、半田、接着等で固定する。この時の接着に用いる接着剤は、エポキシ系接着剤でも良いし、あるいは、レンズ枠41とライトガイドパイプ80の間に塗布されている接着剤と同じシリコン系接着剤でも良い。
【0202】
本実施の形態は以下の作用及び効果を有する。
この様に構成した先端部にすれば、処置具挿通チャンネルパイプ76を半田で固着する際の半田ゴテとライトガイド固定部44との干渉や、チャンネルチューブ47の外周に糸を巻く際のライトガイド固定部44との干渉が生じる事がないので、先端硬質長が短く、外径の細い内視鏡先端部が可能となる。
【0203】
また、先端部20と湾曲部21との接続部が最大径となってしまうことに対し、接続部に用いる最先端の湾曲駒91の肉厚を薄くして最大径となる部分の外径を小さくでき、患者に挿入する際の苦痛を軽減できる。
【0204】
ところで、本実施の形態の撮像部54は図40に示す方法で固定される。
撮像部54の先端に設けられたレンズ枠49の外周側には、ネジ部49aが設けられている。撮像部54は先端構成部70後端側から、撮像部用孔50に挿入され、撮像部用孔50内に設けた、ツバ部50aとレンズ枠49の後端側に設けた、ツバ部49bが当接する。
【0205】
そして、前記ネジ部49aに、湾曲駒59に先端側から先端構成部70に挿入可能とで、かつ先端構成部70に当接するフランジ部57aを有するネジ部材57を先端側から螺合し、フランジ部57aとツバ部49bで、先端構成部70をはさみ込んで、レンズ枠49を先端構成部70に固定している。
【0206】
また、撮像部54の他の固定方法として以下に示す方法(図41、42参照)でも良い、撮像部54の先端に設けられたレンズ枠68の外周には溝68aが設けられ、さらに外周軸方向にも溝68bが設けられている。
【0207】
一方、固定リング69は図42に示す様に先端構成部70に当接する当接部69a、幅Sが前記溝68bの幅に、厚みtが前記溝68aの幅に、また高さUが、図41中に示す先端構成部70の先端面70aと68aの後端側の側壁との距離X(U=X)にそれぞれ等しい大きさの固定片69bからなる。
【0208】
また先端構成部70にも、幅が溝68bの幅よりも大きく(この幅は溝68bの幅より大きく、周方向に1周ない範囲(360°以下)にある。)深さが前記距離Xよりも大きい溝70bが設けられている。
【0209】
この様に構成した撮像部54を、後端側から撮像部用孔50に挿入し、レンズ枠68が先端構成部70のツバ部70cに突き当たった後、溝68bと溝70bの位置を合わせ、溝68b、溝70b部に固定片69bを挿入する様に固定リング69を先端側から挿入する。そして当接部69aが先端構成部70に突き当たった所で固定リング69を回転し、固定片69bの底部69cを溝68aに嵌入し固定してもよい。
【0210】
なお、上述の説明では内視鏡として固体撮像素子を先端部に内蔵した電子内視鏡で主に説明したが、イメージガイドを備えた光学式の内視鏡の場合にも適用できることは明らかである。
【0211】
また、上述の説明では薄肉にする湾曲駒は最先端或いは最後端の湾曲駒で説明したが、他の湾曲駒に適用しても良い。勿論、最大径となる部分に使用される湾曲駒お薄肉にすることが、最も有効効である。
【0212】
また、例えば第1の実施の形態において、接続口金28と嵌合して固定される嵌合部のみを薄肉にするようにしても良い。このようにすると、小径部31bを短くしないでも強度を確保できるので、短くすることは必ずしも必要でない。この構成を最先端の湾曲駒に適用しても良い。
【0213】
[付記]
1.略円環形状の複数の湾曲駒を互いに直列に、かつ、回動自在に連結した湾曲部を有する内視鏡において、
前記複数の湾曲の少なくとも1個の肉厚を他の湾曲駒の肉厚より薄くしたことを特徴とする内視鏡。
2.最先端湾曲駒、あるいは最後端湾曲駒の少なくともどちらか一方の肉厚を他の湾曲駒の肉厚より薄くしたことを特徴とする付記1記載の内視鏡。
3.最後端湾曲駒の肉厚を他の湾曲駒の肉厚より薄くすると共に、前記最後端湾曲駒に太径部と細径部を設け、前記太径部の内周に可撓管の接続口金を固定したことを特徴とする付記1又は2記載の内視鏡。
【0214】
4.対物レンズと固体撮像素子を有する撮像部の先端に位置し、単数または複数枚のレンズを内設したレンズ枠を、先端構成部に固定してなる内視鏡において、
前記レンズ枠外周に設けた溝と、この溝に係合する撮像部固定手段を有すると共に、前記溝に気密手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
5.前記固定手段がビスからなる付記4記載の内視鏡。
6.前記固定手段がピンからなる付記4記載の内視鏡。
7.前記気密手段が弾性接着剤からなる付記4〜6記載の内視鏡。
8.前記弾性接着剤がシリコン樹脂からなる付記7記載の内視鏡。
【0215】
(付記4〜8に対する従来技術)
従来技術としては、実公平6−42642公報があり、レンズ枠を先端構成部材にビスで固定すると共に、気密を保つためにレンズ枠外周にパッキンを設けていた。
【0216】
(上記従来技術の問題点)
レンズ枠にビスとパッキンが嵌合するための溝をそれぞれ別に設けていたため、レンズ枠の軸方向長さが長くなり、結果的に撮像部全体の軸方向長さも長くなっていた。
撮像部は全体が硬質であるため、内視鏡湾曲部が撮像部の位置する部位で湾曲し、撮像部を無理に曲げて破損することを防ぐため、前記先端構成部材に外嵌する第一の湾曲用駒と、この湾曲用駒に隣接する第二の湾曲用駒とを連結するリベットを、撮像部の手元側端以降の位置に設ける必要があった。
【0217】
この構成により、先端絶縁カバー(以下、絶縁カバーと呼ぶ。)先端側端面から前記リベットの中心までの長さ(以下、先端硬質部長さと呼ぶ。)が長くなるという問題点があった。
さらに、ビスとパッキンが嵌合する前記溝をそれぞれ別に設けるため、前記レンズ枠の肉厚が厚くなり、レンズ枠の径が太くなるために、内視鏡先端径が太くなるという問題があった。
【0218】
(付記4〜8の効果)
前記レンズ枠の軸方向長さを短くすることで、撮像部の軸方向長さを短くでき、先端硬質部長さを短くできる。また、レンズ枠の径を細径化することで、内視鏡先端径を細径化することができる。これにより、良好な挿入性と、体腔内の用に狭い空間内における良好な観察性を得ることができる。
【0219】
9.先端構成部に、ライトガイドと処置具挿通用チャンネルパイプを固定してなる先端部を有する内視鏡において、
前記ライトガイドの固定部を前記先端構成部とは別体に設けた事を特徴とする内視鏡。
10.前記固定部を前記先端構成部に固着した事を特徴とする付記9記載の内視鏡。
11.前記固定部を前記先端構成部の後端面に固着した事を特徴とする付記10記載の内視鏡。
【0220】
12.前記固定部と、前記先端構成部を半田付けにより固着した付記10又は11記載の内視鏡。
13.前記固定部と前記先端構成部を接着剤により固着した付記10又は11記載の内視鏡。
14.前記接着剤かエポキシ樹脂系である付記13記載の内視鏡。
15.前記接着剤がシリコン樹脂系である。付記13記載の内視鏡。
【0221】
(付記9〜15に対する従来技術と問題点)
従来の内視鏡においては、体内での観察性(主に胃内で胃角の正面視のしやすさの向上)を良くする為に、先端硬質長(先端面から第一リベットまでの距離で図43中rで示す。)を短くしていた。先端硬質長を短くする為に、図43の如く、先端構成部40の後端面に段着を設け、その低い(先端側寄り)の部分に、処置具挿通チャンネルパイプ76を接着や半田付けで固着し、その上にチャンネルチューブ47を固着し、チャンネルチューブ47の外周を糸巻きしていた。
【0222】
しかしながら、上述の様な構成では、処置具挿通チャンネルパイプ76を半田付けで固着する際に用いる半田ゴテの入る(図43中点線で示す)スペースや、糸48を巻く際の作業スペースを確保する為に処置具挿通チャンネルパイプ76とライトガイド固定部40aと間にスペースを設ける必要があった。そして、このスペースを設ける為に、内視鏡先端部の外径が太くなり、患者の苦痛が増してしまうといった問題があった。なお、図43中における符号は例えば図38参照。
【0223】
(付記9〜15の効果)
上述した構成にする事により先端硬質長が短く観察性が良好な上に、細径で患者の苦痛の少ない内視鏡が可能となる。
【0224】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、薄肉にしたことにより湾曲部の最大径部分などの外径を小さくできると共に、外表面の凹凸を少なくできる。
【0225】
また、挿入部の外表面の凸凹が少なくなった分、挿入時に体壁等に引っかかったりすることが少なくなり、挿入性向上にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を備えた電子内視鏡装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の電子内視鏡の湾曲部と可撓管部との接続部の構造を示す断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の電子内視鏡の湾曲部の先端側の構造を示す断面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】第1の変形例における湾曲駒の連結構造を示す図。
【図6】第2の変形例の構造を図3のA−A線断面に対応する図で示す断面図。
【図7】先端部の構造を示す断面図。
【図8】吸引洗滌アダプタの構造を示す断面図。
【図9】図8のA′矢視から見た溝部の一例及び変形例を示す図。
【図10】電子内視鏡2に吸引洗滌アダプタを接続して、吸引器で吸引して洗滌する様子を示す図。
【図11】図10において吸引洗滌アダプタの端部がバットの液体内に沈められた場合の溝部の作用を説明する図。
【図12】電子内視鏡2に内視鏡洗滌層を取付けた模式図。
【図13】内視鏡洗滌装置の外観を示す斜視図。
【図14】吸引側洗滌管路の内部構造等を示す断面図。
【図15】送気送水側洗滌管路の内部構造等を示す断面図。
【図16】送気管ポートを送気管から取り外す場合の操作を説明する図。
【図17】送気管ポートとこれに接続される接続口金とを接続前及び接続した状態で示す断面図。
【図18】操作部に装着された全管路洗滌アダプタの構造を示す断面図。
【図19】図18のD−D線断面図。
【図20】図18の上方から見た平面図等を示す図。
【図21】ハウジング部の切り欠き等を示す図。
【図22】図18のF部の拡大図。
【図23】吸引プラグを構成するピストンの下端付近の切り欠きを拡大して示す図。
【図24】図23(A)の変形例の構造を示す断面図。
【図25】吸引シリンダ内を洗滌する作用の説明図。
【図26】シリンジ内部に洗滌液を吸入する作用の説明図。
【図27】シリンジ内部に供給された洗滌液を内視鏡側に送液する説明図。
【図28】吸引口金内に設けた網状部材の作用の説明図。
【図29】防水キャップを示す正面及び平面図。
【図30】コネクタの電気接点部を覆うように防水キャップを取り付けた状態を示す図。
【図31】中心線方向から傾いた方向にガイドピンを突設した防水キャップを示す図。
【図32】本発明の第3の実施の形態における挿入部の先端側の構造を示す縦断面図。
【図33】挿入部の先端側の照明系を含む縦断面図。
【図34】図32のノズル付近の拡大断面図。
【図35】図34のI−I線断面図。
【図36】係止部材の正面及び側面図。
【図37】第3の実施の形態の変形例における挿入部の先端側の構造を示す縦断面図。
【図38】本発明の第4の実施の形態における挿入部の先端側の構造を示す縦断面図。
【図39】図38のZ−Z線断面を一部含むY−Y線断面図。
【図40】撮像部を固定する方法を示す説明図。
【図41】撮像部を固定する他の方法を示す説明図。
【図42】固定リングを示す正面及び断面図。
【図43】従来例の挿入部の先端側の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…電子内視鏡装置
2…電子内視鏡
3…光源装置
4…ビデオプロセッサ
5…モニタ
6…VTRデッキ
7…ビデオディスク
8…ビデオプリンタ
11…挿入部
12…操作部
20…先端部
21…湾曲部
23、24…フレックス
25、36…ブレード
26…樹脂層
27…接着剤
28…接続口金
31…最後端湾曲駒
31a…大径部
31b…小径部
32、33…湾曲駒
34…リベット
35…ワイヤガイド
ta,tb…肉厚
Claims (1)
- 挿入部に湾曲部を有する内視鏡において、
前記湾曲部を構成するための所定の内径を有する略円環形状の複数の湾曲駒と、
前記複数の湾曲駒の基端部に連結し、前記挿入部に設けられた接続口金に外嵌する前記所定の内径よりも大きな内径の大径部を有する後端湾曲駒と、
前記湾曲部の先端部に連結し、前記挿入部の先端硬質部を形成する接続口金に外嵌する先端湾曲駒と、
前記先端湾曲駒と前記後端湾曲駒の外周に外嵌して固定され前記湾曲部を覆うブレードと、
を有し、
前記後端湾曲駒もしくは先端湾曲駒の大径部は前記湾曲駒に対して肉厚が薄く形成されていることを特徴とする内視鏡。
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