JP3622939B2 - オイルフィルタ用濾紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空隙率と細孔分布をほぼ一定に保って、エンジンオイル中に生成されるサブミクロンオーダーのカーボン微粒子を高効率で捕捉し、長持ちさせるようにしたオイルフィルタ用濾紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
オイルフィルタ用濾紙は、高効率でサブミクロンオーダーのカーボン微粒子を捕捉すること、およびフィルタライフが長いことが要求される。特に、ディーゼルエンジンから発生するオイル中のカーボン粒子は、非常に微細で濾紙の材料として用いられる天然パルプ繊維を主体とする濾紙でロングライフ化を図ろうとする場合には、濾紙密度を小さくして空隙率を大きくすればよいが、濾層内での繊維比表面積が小さくなり、カーボンの捕捉率が低下する。
【0003】
一方、その逆に濾紙密度を大きくすれば、繊維比表面積が大きくなるので捕捉率は向上するが、密度の増加に伴い空隙が減少するため、通油抵抗が高くなり、また、カーボンの捕捉により目詰まりし易く短時間で圧力損失が増大するためフィルタライフが短くなる。
【0004】
したがって、フィルタライフと捕捉効率の関係は相反する課題となっており、いずれか一方の特性を犠牲にして他方の特性を向上させることしかできなかった。そこで、従来では、図2に示すように、太いパルプ繊維1の中に無機繊維などの微細繊維を混入させて空隙率を保ちながら繊維比表面積を向上させる濾紙、あるいは、図4に示すように、パルプ繊維2を主体としてレーヨンなどの合成繊維を混ぜて第一紙層1を構成し、太いパルプ繊維4の中に無機繊維などの微細繊維5を混入して第二紙層3を構成し、該第一紙層と第二紙層とを抄合わせにより一体にして形成することにより、オイルフィルタ用濾紙をエレメントの襞折の加工性を高める方法がとられていた。
【0005】
しかしながら、実際には以下に説明する技術課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、無機繊維などの微細繊維は吸湿性が悪く水中での分散性に欠け、無機繊維が固まる傾向があるので、細かい細孔となる部分Aと、大きな孔が残る部分Bとができてしまう。細かい細孔となる部分Aでは、カーボン微粒子の捕捉により目詰まりし易い反面、大きな孔が残る部分Bでは、サブミクロンオーダーのカーボン微粒子は捕捉されずに通過するとともに、一旦捕捉されたカーボン微粒子を確実に保持することができないため、フィルタライフを長くすることと、高い捕捉効率とを両立することができないという課題があった。
【0007】
この発明は、以上の課題を解決するものであって、紙層を構成するパルプ繊維の中に吸湿性に優れ水中での分散性のよい微細な表面被覆無機繊維を混入することにより、均一な細孔分布を有し、もってフィルタライフが長く、かつ捕捉効率が高いオイルフィルタ用濾紙を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、紙層を構成するパルプ繊維の中に微細な表面被覆無機繊維を混入したことを特徴とするものである。この発明によれば、太いパルプ繊維の中に表面被覆無機繊維が均一に分散して細孔分布が一定となるので、サブミクロンオーダーのカーボン微粒子が高効率で捕捉されるとともに、保持量が多くなってオイルフィルタ用濾紙のフィルタライフを長く保ことができる。
【0009】
本発明のうち請求項2に記載の発明は、第一紙層をパルプ繊維を主体とした繊維で構成し、第二紙層をパルプ繊維の中に微細な表面被覆無機繊維を混入して構成し、第一紙層と第二紙層を抄合わせにより一体にしてなることを特徴とするものである。この発明によれば、オイルフィルタ用濾紙のエレメントに加工する襞折の加工性が高められる。
【0010】
本発明のうち請求項3に記載の発明は、前記表面被覆無機繊維の混入量を、前記パルプ繊維に対して20〜60%としたことを特徴とするものである。この発明によれば、フィルタライフの向上及びカーボン粒子の捕捉効率の向上と、折り加工性とを両立することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかるオイルフィルタ用濾紙の一実施例にかかる摸式断面図を示し、図3は同オイルフィルタ用濾紙の他の実施例にかかる摸式断面図を示している。
【0012】
図1におけるオイルフィルタ用濾紙1は、天然繊維である比較的太いパルプ繊維2の中に、μm単位又はそれ以下の大きさの二酸化チタンなどの金属酸化物の超微粒子及び金属水酸化物の超微粒子から選ばれる少なくとも一種で表面が被覆された被覆無機繊維3を混入してなっている。
【0013】
パルプ繊維2への被覆無機繊維3の混入量は、表1に示すように、パルプ繊維2に対する被覆無機繊維3の量が20%以下では、濾紙1をオイルフィルタ用のエレメントに襞折りする折り加工性はよいが、カーボン粒子を捕捉する効率と使用時間とともに濾紙1が目詰りを起こして流量が低下し、フィルタライフの低下に効果的な影響を与えることができないこと、一方、パルプ繊維2に対する被覆無機繊維3の量が60%を超えると、カーボン粒子を捕捉する効率及びフィルタライフに効果的な影響を与えるが、被覆無機繊維3は柔軟性に欠けるので折り加工性が悪くなる。従って、パルプ繊維2に対して被覆無機繊維3の混入量を20%から60%の範囲とするのが望ましい。
【0014】
【表1】
【0015】
被覆無機繊維3の吸湿量は、図5に示すように、日数の経過に対する無機繊維の吸湿量を従来品と本件被覆無機繊維3とで比較したところ、経過日数が少ない時から本件被覆無機繊維3は従来品の約2.5倍の吸湿量があることが確認された。このことは、被覆無機繊維3は水に馴染みがよくて、水中での分散性がよいことを意味する。
【0016】
図6は、自動細孔径分析装置である米国PMI社製パームポロメーターを用いて測定した平均細孔径に対する細孔分布の結果を示している。同図によれば、従来の無機繊維を用いて抄紙した濾紙の細孔分布よりも本件被覆無機繊維3を用いて抄紙した濾紙の細孔分布の方が細かい細孔が均一に分布していることが明らかであり、図1のように濾紙1に均一な細孔4が形成されることを裏付けている。
【0017】
以上の構成のオイルフィルタ用濾紙1は、空隙率が高くしかも比表面積が大きく、しかも細孔4が均一に分布した細孔分布を示しているので、汚れたサブミクロンオーダーのカーボン微粒子が混入したオイルが濾紙を通過すると、繊維への接触率が高く捕捉効率が高い。また、数多くの細孔4にカーボン微粒子が保持されるので、多くのカーボン保持孔があることから、ロングライフを維持することができる。
【0018】
図3は他の実施例を示している。この実施例では、パルプ繊維20を主体としてレーヨンなどの合成繊維を混入して第一紙層10を構成するとともに、太いパルプ繊維40の中に微細繊維の被覆無機繊維5を20%から60%混入して第二紙層30を構成し、第一紙層10と第二紙層20とを抄合わせにより一体形成することができる。この場合、パルプ繊維20が柔軟性に富んでいることから、オイルフィルタ用濾紙のエレメントに加工する襞折の加工性が高められる。
【0019】
【発明の効果】
以上の実施例によって詳細に説明したように、この発明のオイルフィルタ用濾紙にあっては、空隙率が高くしかも比表面積が大きく、細かい細孔が均一に分布した細孔分布となるので、サブミクロンオーダーのカーボン微粒子が混入したオイルが濾紙を通過したときのカーボン微粒子の捕捉効率が高く、また、数多くの細孔にカーボン微粒子が保持されるのでロングライフを維持することができるといった優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるオイルフィルタ用濾紙の摸式的断面図である。
【図2】従来例によるオイルフィルタ用濾紙の摸式的断面図である。
【図3】本発明の他の実施例にかかるオイルフィルタ用濾紙の模式的断面図である。
【図4】他の従来例によるオイルフィルタ用濾紙の模式的断面図である。
【図5】経日に対する無機繊維の吸湿量を従来品と本発明とで比較したグラフである。
【図6】平均細孔径に対する細孔分布の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 オイルフィルタ用濾紙
2 パルプ繊維
3 被覆無機繊維
4 細孔
5 被覆無機繊維
10 第一紙層
20 パルプ繊維
30 第二紙層
40 パルプ繊維
Claims (3)
- 紙層を構成するパルプ繊維の中に微細な表面被覆無機繊維を混入したことを特徴とするオイルフィルタ用濾紙。
- 第一紙層をパルプ繊維を主体とした繊維で構成し、第二紙層をパルプ繊維の中に微細な表面被覆無機繊維を混入して構成し、第一紙層と第二紙層を抄合わせにより一体にしてなることを特徴とするオイルフィルタ用濾紙。
- 前記表面被覆無機繊維の混入量を、前記パルプ繊維に対して20〜60%としたことを特徴とする請求項1または2に記載のオイルフィルタ用濾紙。
Priority Applications (1)
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JP08654297A JP3622939B2 (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | オイルフィルタ用濾紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08654297A JP3622939B2 (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | オイルフィルタ用濾紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10277333A JPH10277333A (ja) | 1998-10-20 |
JP3622939B2 true JP3622939B2 (ja) | 2005-02-23 |
Family
ID=13889901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP08654297A Expired - Lifetime JP3622939B2 (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | オイルフィルタ用濾紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3622939B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102004009907A1 (de) * | 2004-02-26 | 2005-09-29 | Mann + Hummel Gmbh | Flüssigkeitsfilter, insbesondere Ölfilter für eine Brennkraftmaschine |
-
1997
- 1997-04-04 JP JP08654297A patent/JP3622939B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10277333A (ja) | 1998-10-20 |
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