JP3621729B2 - 浴室換気乾燥機 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は浴室の外壁面に設けられ、浴室を利用して洗濯物を乾燥するとともに浴室の換気および暖房を行う浴室換気乾燥機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、夫婦共働きの増加に伴い洗濯物を室内にて乾かしたいという要望が多くなり、浴室を洗濯物の乾燥の場所として利用する浴室換気乾燥機が普及している。
【０００３】
従来、この種の浴室換気乾燥機は、浴室の天井に埋め込み設置され、換気用と循環用の二つの送風機を使用して乾燥運転を行うタイプと、浴室に隣接する部屋の放熱機の吹出温風をダクトにより浴室に導き乾燥運転を行うタイプがあった。前記温風をダクトにより浴室に導き乾燥運転を行うタイプは実開昭５７−１３７４９６号公報に示すような構成が一般的であった。以下、その構成について図４〜図６を参照しながら説明する。
【０００４】
天井裏に設置されるタイプについては図に示すように、下面を開口し内部に温水コイルよりなる熱交換器１０１と循環用送風機１０２と換気用送風機１０３を設け、室外と連通するダクト１０４の接続される前記換気用送風機１０３の換気口１０５を側部に形成した換気乾燥機の本体１０６を浴室１０７の天井裏に設けていた。
【０００５】
そして、前記本体１０６の下面開口部を覆う形状でフィルター１０８を有した吸込口１０９および吹出口１１０を形成した化粧パネル１１１を前記本体１０６の下面に取り付ける。
【０００６】
また、運転時間をセットするタイマー１１２を備えたリモコンスイッチ１１３をケーブル１１４により前記本体１０６内の循環用送風機１０２および換気用送風機１０３に接続していた。
【０００７】
浴室１０７の隣室に設置されるタイプについては図に示すように、浴室１０７の壁部１１５の隣室側壁面に取り付けられた放熱機１１６は、吸込口１０９と隣室暖房用の第１吹出口１１７と浴室へ連通するダクト１１８に接続される第２吹出口１１９をもち、浴室１０７の外壁面１２０には排気口１２１を設けた構成となっていた。
【０００８】
上記構成において、天井裏に設置されるタイプでは、乾燥運転の場合、循環用送風機１０２により本体１０６の下面に設けられた、化粧パネル１１１の吸込口１０９よりフィルター１０８を介して、浴室１０７の空気が本体１０６に吸い込まれ、熱交換器１０１で熱交換され温められた温風を吹出口１１０より吹き出し、浴室１０７に吊り下げられた洗濯物１２２を乾燥していた。
【０００９】
そして、洗濯物１２２より除去された水分により浴室１０７内の空気の絶対湿度が上昇するため、換気用送風機１０３により、換気口１０５、ダクト１０４を介して浴室１０７内の湿った空気の一部を屋外に排出して浴室１０７内の絶対湿度の上昇を抑え、リモコンスイッチ１１３に設けられたタイマー１１２のセットされた時間だけ本体１０６が運転していた。
【００１０】
また、暖房運転の場合、前記乾燥運転に対して換気用送風機１０３の運転のみ行わず浴室内の温度を上げることとなる。
【００１１】
また、換気運転の場合、前記乾燥運転に対し換気用送風機１０３のみの運転であり浴室の空気の入れ換えを行うこととなる。
【００１２】
浴室の隣室に設置されるタイプについては、暖房運転時には放熱機１１６の吸込口１０９より吸い込まれた浴室１０７の隣室の空気を暖め第１吹出口１１７より温風として吹き出し、浴室１０７の隣室の暖房を行うこととなる。
【００１３】
また、乾燥運転時には放熱機１１６の吸込口１０９より吸い込まれた浴室１０７の隣室の空気を暖め、第２吹出口１１９より温風として浴室１０７に連通するダクト１１８を介して吹き出し、浴室１０７に吊り下げられている洗濯物１２２にあて乾燥させる。この時洗濯物１２２より発生した湿気は、浴室１０７の外壁１２０に設けられた排気口１２１より排出されることとなる。
【００１４】
また、換気運転時には放熱機１１６の吸込口１０９より吸い込まれた浴室１０７の隣室の空気を第２吹出口１１９より吹き出し、浴室外壁１２０に設けられた排気口１２１より排出することにより換気を行っていた。
【００１５】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の天井に埋込設置されるタイプの浴室換気乾燥機では、ダクト１０４の配管等設置工事に費用がかかると共に、既築住宅への取り付けは浴室１０７の天井を開口しダクト１０４の配管を行わなければならない等、取り付けが困難であるという問題があった。
【００１６】
また、浴室の隣室の壁に取り付けダクトで浴室に温風を送るタイプの浴室換気乾燥機では、乾燥運転時吹き出した温風と同量の空気が浴室外壁１２０の排気口１２１から排出されるため、浴室１０７内の温度が上がらず効果的に乾燥運転が行えないという問題があった。
【００１７】
本発明は上記課題を解決するもので、設置工事が簡単で、既設住宅にも取り付けできる浴室換気乾燥機を提供することを第１の目的とする。
【００１８】
また、第２の目的は騒音の低減や製品の薄形化を図ることにある。
また、第３の目的は換気乾燥機の制御をボイラーのリモコンで行えるようにすることにある。
【００１９】
【課題を解決するための手段】
本発明の浴室換気乾燥機は上記第１の目的を達成するために第１の手段は、側面を開口し、下部に排気口を形成した換気乾燥機の本体と、この本体の側面開口を覆う形状で浴室壁部を貫通する吸込口および吹出口を形成した前記本体の取付板と、前記吸込口および吹出口を覆う形状で前記吸込口に対応するフィルターおよび前記吹出口に対応して可動自在なルーバーを有した化粧パネルと、前記本体の内部に前記吸込口と連通し設けられる送風機と、この送風機の吹出空気を熱交換器を介して前記吹出口に導く循環風路または前記排気口に導く換気風路に切り換えるダンパーと、このダンパーおよび前記送風機を制御する制御部とを備え、前記浴室壁部の外壁面に、浴室内と前記吸込口と前記吹出口が連通するように前記取付板を固定し、この取付板に前記本体を固定し、前記浴室壁部の内壁面に前記化粧パネルを設けて、設置する構成とする。
【００２０】
また、第２の目的を達成するために第２の手段は、送風機に形成された送風機吸込口と取付板に形成された吸込口とを送風機吸込口側が径大となるラッパ状のダクトで接続する構成とする。
【００２１】
また、第３の目的を達成するために第３の手段は、温水を通して熱交換する熱交換器と、この熱交換器に温水を供給する温水配管に組み込まれた信号線と、この信号線の一端が接続される温水を供給するボイラーに設けた制御装置と、この制御装置を介して前記ボイラーの運転を制御するリモコンスイッチと、リモコン線を介し前記信号線の他端が接続される本体の制御部とを備え、前記ボイラーの運転を制御するリモコンスイッチにより本体の運転を制御できる構成とする。
【００２２】
【作用】
本発明は上記した第１手段の構成により、浴室内と吸込口および吹出口が連通するように浴室壁部の外壁面に取付板を固定し、取付板には本体を取り付け、浴室壁部の内壁面には化粧パネルを設け設置され、ダンパーの切り換えにより、乾燥、暖房および換気を行うことができることとなる。
【００２３】
また、第２手段の構成により、取付板の吸込口と送風機吸込口を送風機吸込口側が径大となるラッパ状のダクトでつないでいるので、取付板に設けた吸込口および送風機吸込口での圧力損失がなくなり、ファン回転数を低減させることができ、騒音の低減や取付板と送風機の距離を近づけても風量の低下や騒音の増大がないため、製品の薄形化を図ることができることとなる。
【００２４】
また、第３手段の構成により、ボイラーのリモコンスイッチにより換気乾燥機の制御を行うことができ、リモコンスイッチの数を減らせることとなる。
【００２５】
【実施例】
（実施例１）
以下、本発明の第１実施例について図１を参照しながら説明する。
【００２６】
図に示すように、側面を開口し、下部に排気口１を形成した換気乾燥機の本体２と、この本体２の側面を覆う形状で浴室壁部３を貫通する吸込口４および吹出口５を形成し、浴室壁部３の外壁面に固定される本体２の取付板６と、前記吸込口４、吹出口５を覆う形状で、浴室壁部３の内壁面に取り付けられ、吸込口４に対応する吸込口部分９ａ にフィルター７を有し、吹出口５に対応する吹出口部分９ｂ には風向を調節できると共に風を閉止できるルーバー８を有する化粧パネル９と、本体２の内部に吸込口４と連通し設けられる送風機１０と、この送風機１０の吹出空気１１を、熱交換器１２を介して吹出口５に導く浴室側の循環風路または排気口１に導く換気風路に切り換える切り換え用のダンパー１３と、このダンパー１３および送風機１０を制御する制御部１４とを設けている。
【００２７】
上記構成により、暖房運転時、送風機１０の運転により化粧パネル９の吸込口部分９ａ 、フィルター７、取付板６の吸込口４を介して浴室内の空気を吸い込み、吹出空気１１は熱交換器１２で熱交換し温風として浴室内に吹き出し浴室内を暖房する。このときダンパー１３は閉であり送風機１０の吹出空気１１は総て温風として浴室内に吹き出される循環風路を形成している。
【００２８】
一方、乾燥運転時には前記暖房運転時に対し、ダンパー１３は開であり吹出空気１１の一部を本体２下部に設けられた排気口１より屋外に排出し、浴室内に吊り下げられている洗濯物を乾燥させることとなる。
【００２９】
また、換気運転時にはダンパー１３を開き、化粧パネル９のルーバー８を閉じ、浴室内から吸い込んだ空気が吹出口５から浴室内に循環しないようにルーバー８で吹出空気路を閉鎖し、送風機１０の吹出空気をすべて排気口１より浴室外に排出して換気させることとなる。
【００３０】
このように本発明の第１実施例の浴室換気乾燥機によれば、浴室壁部３を貫通し、浴室内と連通する吸込口４および吹出口５を設けた取付板６を浴室壁部３の外壁面に固定して本体２を取り付け、浴室内に化粧パネル９を設け設置するので、設置工事が簡単で既築住宅にも容易に設置することができる。
【００３１】
（実施例２）
以下、本発明の第２実施例について図２を参照しながら説明する。
【００３２】
なお、第１実施例と同一部分には同一符号を付けて詳細な説明は省略する。
図に示すように、浴室壁部３に固定された取付板６の吸込口４と、取付板６に固定される本体２内の送風機１０の送風機吸込口１５との間を送風機吸込口１５側が径大となるラッパ状のダクト１６で接続する。
【００３３】
上記構成により、浴室内の空気は送風機１０の運転により浴室壁部３の内壁面に取り付けられた化粧パネル９の吸込口部分９ａ 、フィルター７、吸込口４、ダクト１６、送風機吸込口１５を介して送風機１０に吸い込まれ、送風される。
【００３４】
このように本発明の第２実施例の浴室換気乾燥機によれば、取付板６の吸込口４より送風機１０の送風機吸込口１５に至る間を送風機吸込口１５側が径大となるラッパ状のダクト１６で接続しているので、取付板６の吸込口４から送風機吸込口１５に向かう気流はスムーズに流れ、空気の渦の発生が防止され、騒音が低減すると共に製品の薄形化を図ることができることとなる。
【００３５】
（実施例３）
以下、本発明の第３実施例について図３を参照しながら説明する。
【００３６】
なお、第１実施例と同一部分には同一符号を付けて詳細な説明は省略する。
図に示すように、浴室の浴室壁部３の外壁面に取り付けられた本体２の下面には、熱交換器１２の配管接続口１７ａ 、１７ｂ と、本体２内部に設けられた制御部１４に接続される３本のリモコン線１８が設けられている。一方前記本体２の内部の熱交換器１２に温水を供給するボイラー１９も同様に配管接続口２０ａ 、２０ｂ と制御装置２１に接続される３本のリモコン線２２が設けられ、本体２とボイラー１９を接続するために３本の信号線２３を内部に組み込んだ温水配管２４が設けられている。
【００３７】
また、ボイラー１９には室内より運転停止の制御を行うためのリモコンスイッチ２５を備えている。
【００３８】
上記構成により、温水配管２４で本体２とボイラー１９をつなぎ、温水配管２４の信号線２３を配線接続する。これによりボイラー１９のリモコンスイッチ２５を操作することにより、ボイラー１９の運転と同時に本体２の運転も行うことができる。
【００３９】
このように本発明の第３実施例の浴室換気乾燥機によれば、信号線２３を組み込んだ温水配管２４をボイラー１９と本体２間に設け、ボイラー１９と本体２を信号線２３およびリモコン線１８、２２で接続しているので、ボイラー１９の運転を制御するリモコンスイッチ２５の操作により本体２の運転制御を行うことができ、本体２の運転制御のために別個にリモコンスイッチを設ける必要がなく設置工事が容易となる。
【００４０】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば浴室壁部を貫通し、浴室内と連通する吸込口および吹出口を設けた取付板を浴室壁部の外壁面に固定し、浴室内側には化粧パネルを、浴室外側には本体を固定するため設置工事が簡単でダクト配管も必要なく、工事費も安く、既築住宅にも容易に取り付けできる浴室換気乾燥機を提供できる。
【００４１】
また、取付板の吸込口と送風機吸込口を送風機吸込口側が径大となるラッパ状のダクトでつないでいるので、取付板の吸込口出口および送風機吸込口の入口の圧力損失がなくなり、ファン回転数を低減し騒音を下げることができると共に、取付板と送風機の距離を近づけても風量の低下や騒音の増大がないため本体の厚さを薄くすることができる。
【００４２】
また、信号線を組み込んだ温水配管をボイラーと本体間に設け、ボイラーと本体を信号線およびリモコン線で接続しているので、ボイラーのリモコンスイッチで本体の制御を行うことができ、リモコンスイッチの数を減らせると共に、既築住宅に換気乾燥機の本体を取り付けた場合には、換気乾燥機用のリモコンスイッチを屋内に取り付けるため、外壁に孔をあけリモコン配線をする必要がなく、設置工事が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例の浴室換気乾燥機の構成を示す分解斜視図
【図２】同第２実施例の浴室換気乾燥機の取付状態を示す断面図
【図３】同第３実施例の浴室換気乾燥機の設置状態を示す斜視図
【図４】従来の浴室換気乾燥機の天井に埋込設置されるタイプの構成を示す断面図
【図５】同浴室換気乾燥機の天井に埋込設置されるタイプの設置状態を示す斜視図
【図６】同浴室換気乾燥機の浴室の隣室に壁掛け設置されるタイプの設置状態を示す断面図
【符号の説明】
１ 排気口
２ 本体
３ 浴室壁部
４ 吸込口
５ 吹出口
６ 取付板
７ フィルター
８ ルーバー
９ 化粧パネル
１０ 送風機
１１ 吹出空気
１２ 熱交換器
１３ ダンパー
１４ 制御部
１５ 送風機吸込口
１６ ダクト
１８ リモコン線
１９ ボイラー
２１ 制御装置
２２ リモコン線
２３ 信号線
２４ 温水配管
２５ リモコンスイッチ
【産業上の利用分野】
本発明は浴室の外壁面に設けられ、浴室を利用して洗濯物を乾燥するとともに浴室の換気および暖房を行う浴室換気乾燥機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、夫婦共働きの増加に伴い洗濯物を室内にて乾かしたいという要望が多くなり、浴室を洗濯物の乾燥の場所として利用する浴室換気乾燥機が普及している。
【０００３】
従来、この種の浴室換気乾燥機は、浴室の天井に埋め込み設置され、換気用と循環用の二つの送風機を使用して乾燥運転を行うタイプと、浴室に隣接する部屋の放熱機の吹出温風をダクトにより浴室に導き乾燥運転を行うタイプがあった。前記温風をダクトにより浴室に導き乾燥運転を行うタイプは実開昭５７−１３７４９６号公報に示すような構成が一般的であった。以下、その構成について図４〜図６を参照しながら説明する。
【０００４】
天井裏に設置されるタイプについては図に示すように、下面を開口し内部に温水コイルよりなる熱交換器１０１と循環用送風機１０２と換気用送風機１０３を設け、室外と連通するダクト１０４の接続される前記換気用送風機１０３の換気口１０５を側部に形成した換気乾燥機の本体１０６を浴室１０７の天井裏に設けていた。
【０００５】
そして、前記本体１０６の下面開口部を覆う形状でフィルター１０８を有した吸込口１０９および吹出口１１０を形成した化粧パネル１１１を前記本体１０６の下面に取り付ける。
【０００６】
また、運転時間をセットするタイマー１１２を備えたリモコンスイッチ１１３をケーブル１１４により前記本体１０６内の循環用送風機１０２および換気用送風機１０３に接続していた。
【０００７】
浴室１０７の隣室に設置されるタイプについては図に示すように、浴室１０７の壁部１１５の隣室側壁面に取り付けられた放熱機１１６は、吸込口１０９と隣室暖房用の第１吹出口１１７と浴室へ連通するダクト１１８に接続される第２吹出口１１９をもち、浴室１０７の外壁面１２０には排気口１２１を設けた構成となっていた。
【０００８】
上記構成において、天井裏に設置されるタイプでは、乾燥運転の場合、循環用送風機１０２により本体１０６の下面に設けられた、化粧パネル１１１の吸込口１０９よりフィルター１０８を介して、浴室１０７の空気が本体１０６に吸い込まれ、熱交換器１０１で熱交換され温められた温風を吹出口１１０より吹き出し、浴室１０７に吊り下げられた洗濯物１２２を乾燥していた。
【０００９】
そして、洗濯物１２２より除去された水分により浴室１０７内の空気の絶対湿度が上昇するため、換気用送風機１０３により、換気口１０５、ダクト１０４を介して浴室１０７内の湿った空気の一部を屋外に排出して浴室１０７内の絶対湿度の上昇を抑え、リモコンスイッチ１１３に設けられたタイマー１１２のセットされた時間だけ本体１０６が運転していた。
【００１０】
また、暖房運転の場合、前記乾燥運転に対して換気用送風機１０３の運転のみ行わず浴室内の温度を上げることとなる。
【００１１】
また、換気運転の場合、前記乾燥運転に対し換気用送風機１０３のみの運転であり浴室の空気の入れ換えを行うこととなる。
【００１２】
浴室の隣室に設置されるタイプについては、暖房運転時には放熱機１１６の吸込口１０９より吸い込まれた浴室１０７の隣室の空気を暖め第１吹出口１１７より温風として吹き出し、浴室１０７の隣室の暖房を行うこととなる。
【００１３】
また、乾燥運転時には放熱機１１６の吸込口１０９より吸い込まれた浴室１０７の隣室の空気を暖め、第２吹出口１１９より温風として浴室１０７に連通するダクト１１８を介して吹き出し、浴室１０７に吊り下げられている洗濯物１２２にあて乾燥させる。この時洗濯物１２２より発生した湿気は、浴室１０７の外壁１２０に設けられた排気口１２１より排出されることとなる。
【００１４】
また、換気運転時には放熱機１１６の吸込口１０９より吸い込まれた浴室１０７の隣室の空気を第２吹出口１１９より吹き出し、浴室外壁１２０に設けられた排気口１２１より排出することにより換気を行っていた。
【００１５】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の天井に埋込設置されるタイプの浴室換気乾燥機では、ダクト１０４の配管等設置工事に費用がかかると共に、既築住宅への取り付けは浴室１０７の天井を開口しダクト１０４の配管を行わなければならない等、取り付けが困難であるという問題があった。
【００１６】
また、浴室の隣室の壁に取り付けダクトで浴室に温風を送るタイプの浴室換気乾燥機では、乾燥運転時吹き出した温風と同量の空気が浴室外壁１２０の排気口１２１から排出されるため、浴室１０７内の温度が上がらず効果的に乾燥運転が行えないという問題があった。
【００１７】
本発明は上記課題を解決するもので、設置工事が簡単で、既設住宅にも取り付けできる浴室換気乾燥機を提供することを第１の目的とする。
【００１８】
また、第２の目的は騒音の低減や製品の薄形化を図ることにある。
また、第３の目的は換気乾燥機の制御をボイラーのリモコンで行えるようにすることにある。
【００１９】
【課題を解決するための手段】
本発明の浴室換気乾燥機は上記第１の目的を達成するために第１の手段は、側面を開口し、下部に排気口を形成した換気乾燥機の本体と、この本体の側面開口を覆う形状で浴室壁部を貫通する吸込口および吹出口を形成した前記本体の取付板と、前記吸込口および吹出口を覆う形状で前記吸込口に対応するフィルターおよび前記吹出口に対応して可動自在なルーバーを有した化粧パネルと、前記本体の内部に前記吸込口と連通し設けられる送風機と、この送風機の吹出空気を熱交換器を介して前記吹出口に導く循環風路または前記排気口に導く換気風路に切り換えるダンパーと、このダンパーおよび前記送風機を制御する制御部とを備え、前記浴室壁部の外壁面に、浴室内と前記吸込口と前記吹出口が連通するように前記取付板を固定し、この取付板に前記本体を固定し、前記浴室壁部の内壁面に前記化粧パネルを設けて、設置する構成とする。
【００２０】
また、第２の目的を達成するために第２の手段は、送風機に形成された送風機吸込口と取付板に形成された吸込口とを送風機吸込口側が径大となるラッパ状のダクトで接続する構成とする。
【００２１】
また、第３の目的を達成するために第３の手段は、温水を通して熱交換する熱交換器と、この熱交換器に温水を供給する温水配管に組み込まれた信号線と、この信号線の一端が接続される温水を供給するボイラーに設けた制御装置と、この制御装置を介して前記ボイラーの運転を制御するリモコンスイッチと、リモコン線を介し前記信号線の他端が接続される本体の制御部とを備え、前記ボイラーの運転を制御するリモコンスイッチにより本体の運転を制御できる構成とする。
【００２２】
【作用】
本発明は上記した第１手段の構成により、浴室内と吸込口および吹出口が連通するように浴室壁部の外壁面に取付板を固定し、取付板には本体を取り付け、浴室壁部の内壁面には化粧パネルを設け設置され、ダンパーの切り換えにより、乾燥、暖房および換気を行うことができることとなる。
【００２３】
また、第２手段の構成により、取付板の吸込口と送風機吸込口を送風機吸込口側が径大となるラッパ状のダクトでつないでいるので、取付板に設けた吸込口および送風機吸込口での圧力損失がなくなり、ファン回転数を低減させることができ、騒音の低減や取付板と送風機の距離を近づけても風量の低下や騒音の増大がないため、製品の薄形化を図ることができることとなる。
【００２４】
また、第３手段の構成により、ボイラーのリモコンスイッチにより換気乾燥機の制御を行うことができ、リモコンスイッチの数を減らせることとなる。
【００２５】
【実施例】
（実施例１）
以下、本発明の第１実施例について図１を参照しながら説明する。
【００２６】
図に示すように、側面を開口し、下部に排気口１を形成した換気乾燥機の本体２と、この本体２の側面を覆う形状で浴室壁部３を貫通する吸込口４および吹出口５を形成し、浴室壁部３の外壁面に固定される本体２の取付板６と、前記吸込口４、吹出口５を覆う形状で、浴室壁部３の内壁面に取り付けられ、吸込口４に対応する吸込口部分９ａ にフィルター７を有し、吹出口５に対応する吹出口部分９ｂ には風向を調節できると共に風を閉止できるルーバー８を有する化粧パネル９と、本体２の内部に吸込口４と連通し設けられる送風機１０と、この送風機１０の吹出空気１１を、熱交換器１２を介して吹出口５に導く浴室側の循環風路または排気口１に導く換気風路に切り換える切り換え用のダンパー１３と、このダンパー１３および送風機１０を制御する制御部１４とを設けている。
【００２７】
上記構成により、暖房運転時、送風機１０の運転により化粧パネル９の吸込口部分９ａ 、フィルター７、取付板６の吸込口４を介して浴室内の空気を吸い込み、吹出空気１１は熱交換器１２で熱交換し温風として浴室内に吹き出し浴室内を暖房する。このときダンパー１３は閉であり送風機１０の吹出空気１１は総て温風として浴室内に吹き出される循環風路を形成している。
【００２８】
一方、乾燥運転時には前記暖房運転時に対し、ダンパー１３は開であり吹出空気１１の一部を本体２下部に設けられた排気口１より屋外に排出し、浴室内に吊り下げられている洗濯物を乾燥させることとなる。
【００２９】
また、換気運転時にはダンパー１３を開き、化粧パネル９のルーバー８を閉じ、浴室内から吸い込んだ空気が吹出口５から浴室内に循環しないようにルーバー８で吹出空気路を閉鎖し、送風機１０の吹出空気をすべて排気口１より浴室外に排出して換気させることとなる。
【００３０】
このように本発明の第１実施例の浴室換気乾燥機によれば、浴室壁部３を貫通し、浴室内と連通する吸込口４および吹出口５を設けた取付板６を浴室壁部３の外壁面に固定して本体２を取り付け、浴室内に化粧パネル９を設け設置するので、設置工事が簡単で既築住宅にも容易に設置することができる。
【００３１】
（実施例２）
以下、本発明の第２実施例について図２を参照しながら説明する。
【００３２】
なお、第１実施例と同一部分には同一符号を付けて詳細な説明は省略する。
図に示すように、浴室壁部３に固定された取付板６の吸込口４と、取付板６に固定される本体２内の送風機１０の送風機吸込口１５との間を送風機吸込口１５側が径大となるラッパ状のダクト１６で接続する。
【００３３】
上記構成により、浴室内の空気は送風機１０の運転により浴室壁部３の内壁面に取り付けられた化粧パネル９の吸込口部分９ａ 、フィルター７、吸込口４、ダクト１６、送風機吸込口１５を介して送風機１０に吸い込まれ、送風される。
【００３４】
このように本発明の第２実施例の浴室換気乾燥機によれば、取付板６の吸込口４より送風機１０の送風機吸込口１５に至る間を送風機吸込口１５側が径大となるラッパ状のダクト１６で接続しているので、取付板６の吸込口４から送風機吸込口１５に向かう気流はスムーズに流れ、空気の渦の発生が防止され、騒音が低減すると共に製品の薄形化を図ることができることとなる。
【００３５】
（実施例３）
以下、本発明の第３実施例について図３を参照しながら説明する。
【００３６】
なお、第１実施例と同一部分には同一符号を付けて詳細な説明は省略する。
図に示すように、浴室の浴室壁部３の外壁面に取り付けられた本体２の下面には、熱交換器１２の配管接続口１７ａ 、１７ｂ と、本体２内部に設けられた制御部１４に接続される３本のリモコン線１８が設けられている。一方前記本体２の内部の熱交換器１２に温水を供給するボイラー１９も同様に配管接続口２０ａ 、２０ｂ と制御装置２１に接続される３本のリモコン線２２が設けられ、本体２とボイラー１９を接続するために３本の信号線２３を内部に組み込んだ温水配管２４が設けられている。
【００３７】
また、ボイラー１９には室内より運転停止の制御を行うためのリモコンスイッチ２５を備えている。
【００３８】
上記構成により、温水配管２４で本体２とボイラー１９をつなぎ、温水配管２４の信号線２３を配線接続する。これによりボイラー１９のリモコンスイッチ２５を操作することにより、ボイラー１９の運転と同時に本体２の運転も行うことができる。
【００３９】
このように本発明の第３実施例の浴室換気乾燥機によれば、信号線２３を組み込んだ温水配管２４をボイラー１９と本体２間に設け、ボイラー１９と本体２を信号線２３およびリモコン線１８、２２で接続しているので、ボイラー１９の運転を制御するリモコンスイッチ２５の操作により本体２の運転制御を行うことができ、本体２の運転制御のために別個にリモコンスイッチを設ける必要がなく設置工事が容易となる。
【００４０】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば浴室壁部を貫通し、浴室内と連通する吸込口および吹出口を設けた取付板を浴室壁部の外壁面に固定し、浴室内側には化粧パネルを、浴室外側には本体を固定するため設置工事が簡単でダクト配管も必要なく、工事費も安く、既築住宅にも容易に取り付けできる浴室換気乾燥機を提供できる。
【００４１】
また、取付板の吸込口と送風機吸込口を送風機吸込口側が径大となるラッパ状のダクトでつないでいるので、取付板の吸込口出口および送風機吸込口の入口の圧力損失がなくなり、ファン回転数を低減し騒音を下げることができると共に、取付板と送風機の距離を近づけても風量の低下や騒音の増大がないため本体の厚さを薄くすることができる。
【００４２】
また、信号線を組み込んだ温水配管をボイラーと本体間に設け、ボイラーと本体を信号線およびリモコン線で接続しているので、ボイラーのリモコンスイッチで本体の制御を行うことができ、リモコンスイッチの数を減らせると共に、既築住宅に換気乾燥機の本体を取り付けた場合には、換気乾燥機用のリモコンスイッチを屋内に取り付けるため、外壁に孔をあけリモコン配線をする必要がなく、設置工事が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例の浴室換気乾燥機の構成を示す分解斜視図
【図２】同第２実施例の浴室換気乾燥機の取付状態を示す断面図
【図３】同第３実施例の浴室換気乾燥機の設置状態を示す斜視図
【図４】従来の浴室換気乾燥機の天井に埋込設置されるタイプの構成を示す断面図
【図５】同浴室換気乾燥機の天井に埋込設置されるタイプの設置状態を示す斜視図
【図６】同浴室換気乾燥機の浴室の隣室に壁掛け設置されるタイプの設置状態を示す断面図
【符号の説明】
１ 排気口
２ 本体
３ 浴室壁部
４ 吸込口
５ 吹出口
６ 取付板
７ フィルター
８ ルーバー
９ 化粧パネル
１０ 送風機
１１ 吹出空気
１２ 熱交換器
１３ ダンパー
１４ 制御部
１５ 送風機吸込口
１６ ダクト
１８ リモコン線
１９ ボイラー
２１ 制御装置
２２ リモコン線
２３ 信号線
２４ 温水配管
２５ リモコンスイッチ
Claims (3)
- 側面を開口し、下部に排気口を形成した換気乾燥機の本体と、この本体の側面開口を覆う形状で浴室壁部を貫通する吸込口および吹出口を形成した前記本体の取付板と、前記吸込口および吹出口を覆う形状で前記吸込口に対応するフィルターおよび前記吹出口に対応して可動自在なルーバーを有した化粧パネルと、前記本体の内部に前記吸込口と連通し設けられる送風機と、この送風機の吹出空気を熱交換器を介して前記吹出口に導く循環風路または前記排気口に導く換気風路に切り換えるダンパーと、このダンパーおよび前記送風機を制御する制御部とを備え、前記浴室壁部の外壁面に、浴室内と前記吸込口と前記吹出口が連通するように前記取付板を固定し、この取付板に前記本体を固定し、前記浴室壁部の内壁面に前記化粧パネルを設けて、設置する構成とした浴室換気乾燥機。
- 送風機に形成された送風機吸込口と、取付板に形成された吸込口とを前記送風機吸込口側が径大となるラッパ状のダクトで接続する構成とした請求項１記載の浴室換気乾燥機。
- 温水を通して熱交換する熱交換器と、この熱交換器に温水を供給する温水配管に組み込まれた信号線と、この信号線の一端が接続される制御装置を温水を供給するボイラーに設け、前記制御装置を介して前記ボイラーの運転を制御するリモコンスイッチと、リモコン線を介し前記信号線の他端が接続される本体の制御部とを備え、前記ボイラーの運転を制御するリモコンスイッチにより本体の運転を制御できる構成とした請求項１記載の浴室換気乾燥機
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP24531094A JP3621729B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 浴室換気乾燥機 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP24531094A JP3621729B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 浴室換気乾燥機 |
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| JPH08110159A JPH08110159A (ja) | 1996-04-30 |
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP24531094A Expired - Fee Related JP3621729B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 浴室換気乾燥機 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP3621729B2 (ja) |
-
1994
- 1994-10-11 JP JP24531094A patent/JP3621729B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH08110159A (ja) | 1996-04-30 |
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