JP3621691B2 - 手摺ブラケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、手摺を建材部に固定するための手摺ブラケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
手摺を建材部に固定するための手摺ブラケットとしては、建材部に固定されるベースと、ベースに固定されるブラケット本体とを備えた形式のものが一般的であり、これらの手摺ブラケットは、ベースに設けられたベース側嵌合部と、ブラケット本体に設けられたブラケット側嵌合部とが、互いに嵌合した状態でベースに対してブラケット本体が固定されるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の手摺ブラケットの従来技術では、単にベースと、ブラケット本体とを製作する段階で精度に限界があるという理由だけでなく、ベースに対するブラケット本体の組み付けが容易でなければならないという理由から、ベースに設けられたベース側嵌合部の寸法と、ブラケット本体に設けられたブラケット側嵌合部の寸法との間に一定の余裕を設定せざるを得なかった。
【0004】
その結果、ベースに対するブラケット本体の遊びが生じることになり、手摺を建材に取り付けた後、しばらく手摺を使用すると、ベースに対してブラケット本体が、がたついたり、手摺が不安定になるという問題があった。
【0005】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、ベースに対するブラケット本体の組み付けが容易であるだけでなく、ベースに対するブラケット本体の遊びがなく、ベースに対してブラケット本体が、がたついたり、手摺が不安定になることを防止することができる手摺ブラケットを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、手摺と手摺が固定される建材部との間に設けられ、手摺を建材部に固定するための手摺ブラケットであって、建材部に固定されるベースと、ベースに固定されるブラケット本体とを備え、前記ベースは、ブラケット本体側に向かって突出するとともに先細りに形成されたベース側嵌合部を有し、かつ、前記ブラケット本体は、ベース側嵌合部の形状に対応してベース側に向かって拡がるように形成されてベース側嵌合部と嵌合するブラケット側嵌合部を有し、前記ベース側嵌合部は、側面にブラケット本体側に向かって拡がる形状に形成されたベース側嵌合溝を有し、このベース側嵌合溝が、ブラケット側嵌合部の側壁に設けられたブラケット側嵌合突起と嵌合するようにして、前記ベース側嵌合部と前記ブラケット側嵌合部とが互いに嵌合した状態でベースに対してブラケット本体が固定されることを特徴とする手摺ブラケットである。
【0007】
本発明によれば、ブラケット本体側に向かって突出するとともに先細りに形成されたベース側嵌合部と、ベース側嵌合部の形状に対応してベース側に向かって拡がるように形成されたブラケット側嵌合部とが互いに嵌合した状態でベースに対してブラケット本体が固定されるので、ベース側嵌合部に対するブラケット側嵌合部の導入が容易な結果、ベースに対するブラケット本体の組み付けが容易となる。
【0008】
また、ベース側嵌合部と、ブラケット側嵌合部とが互いに楔のように嵌合するので、ベースに対するブラケット本体の遊びがない結果、ベースに対してブラケット本体が、がたついたり、手摺が不安定になることを防止することができる。さらに、ベース側嵌合溝が、ブラケット側嵌合部の側壁に設けられたブラケット側嵌合突起と嵌合するようにして、ベース側嵌合部とブラケット側嵌合部とが互いに嵌合した状態でベースに対してブラケット本体が固定されるので、より堅固にブラケット側嵌合部とベース側嵌合部とが嵌め合うことができる。
【0009】
また、本発明において、一の上記ブラケット側嵌合部は、上記ブラケット本体に設けられた軽量化のための空洞をベース本体側に向かって拡がる形状に形成してなるものであり、ベース側嵌合部は、この一の上記ブラケット側嵌合部の形状に対応する形状に形成されていることが好ましい。
【0010】
この好ましい態様によれば、ブラケット本体に設けられた軽量化のための空洞を利用して一のブラケット側嵌合部が形成され、また、この一のブラケット側嵌合部の形状に対応する形状に、ベース側嵌合部が形成されているので、空洞のスペースを有効に利用して大きな嵌合部分を設けることができる結果、より堅固にブラケット本体をベースに対して組み付けることができる。
【0011】
また、上記ブラケット本体は、ブラケット本体固定ねじによりベースに固定され、少なくとも一の上記ベース側嵌合部は、このブラケット本体固定ねじに螺合するブラケット本体固定ねじ孔の開口部を囲繞するように設けられていることが好ましい。
【0012】
この好ましい態様によれば、一のベース側嵌合部が、ブラケット本体固定ねじに螺合するブラケット本体固定ねじ孔の開口部を囲繞するように設けられているので、ブラケット本体固定ねじ孔の周囲のスペースを有効に利用して嵌合部分を設けることができるだけでなく、ブラケット本体固定ねじ孔の螺合部分を長くすることができる結果、さらに堅固にブラケット本体をベースに対して組み付けることができる。
【0013】
また、上記ベースは、ベースを建材部に固定するためのベース固定ねじを受けるベース固定ねじ受け座と、上記ブラケット本体固定ねじに螺合するブラケット本体固定ねじ孔とを有し、かつ、上記ブラケット本体は、前記ベース固定ねじ受け座に臨んでベース固定ねじを挿通させるベース固定ねじ挿通孔と、前記ブラケット本体固定ねじを受けるブラケット本体固定ねじ受け座とを有していることが好ましい。
【0014】
この好ましい態様によれば、ベース固定ねじ受け座に臨んでベース固定ねじを挿通させるベース固定ねじ挿通孔をブラケット本体に有しているので、特にベースとブラケットとをブラケット本体固定ねじで固定した状態で、ベース固定ねじ挿通孔からベース固定ねじを挿通させて手摺ブラケットを建材部に固定することができる。
【0015】
また、一度手摺ブラケットを建材部に固定した後は、ベースを建材部から取り外すことなく、ブラケット本体固定ねじを緩めてベースからブラケット本体を取り外すことができるので、手摺ブラケットの交換に際してベース固定ねじを脱着する必要がない結果、ベース固定ねじの脱着にともなってねじ孔が大きくなったり、別のねじ孔が開けられたりして、建材部の下地が損なわれることがない。そのため手摺ブラケットが、がたついたり、手摺が不安定になることを防止することができる。
【0016】
また、本発明において、上記手摺ブラケットは、建材部に固定され、ベースを建材部に対して位置決めするための位置決め部材と、ベースの建材部側に設けられ、位置決め部材の形状に適合して位置決め部材と嵌合する位置決め溝部を有し、建材部に固定された位置決め部材とベースに設けられた位置決め溝部とが嵌合することにより、建材部に対する手摺ブラケットの位置決めがなされることが好ましい。
【0017】
この好ましい態様によれば、建材部に固定される位置決め部材と、ベースの建材部側に設けられる位置決め溝部とが嵌合することにより、建材部に対する手摺ブラケットの位置決めがなされるので、例えば、クロス等の内装材を建材部に貼着する前に、建材部に位置決め部材を設けておくことにより、クロス等の建材部が内装材で覆われて下地の取り付け位置が判然としなくなるような場合でも、容易にベースを建材部に対して位置決めすることができる。
【0018】
また、本発明において、上記位置決め部材は、位置決め部材を建材部に固定するためのピン部と、ベースに設けられた上記位置決め溝部に適合する形状を有するピン頭を備えていることが好ましい。
【0019】
この好ましい態様によれば、位置決め部材のピンにより、位置決め部材を容易に建材部に固定することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10をブラケット本体3側から見た分解斜視図であり、図2は本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10をベース2側から見た分解斜視図である。また、図3は本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10の構成を示す説明図であり、(a)は、手摺ブラケット10の側面、(b)は、手摺ブラケット10の正面をそれぞれ示している。
【0025】
これらの図を参照して、図示の本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10は、手摺1と手摺1が固定される図略の建材部との間に設けられ、手摺1を建材部に固定するためのものであって、建材部に固定されるベース2と、ベース2に固定されるブラケット本体3と、カバー4とを備えている。
【0026】
ベース2は、ベース固定ねじ7により建材部に固定され、ブラケット本体3は、ブラケット本体固定ねじ8によりベース2に固定され、カバー4は、嵌合によりベース2に固定され、手摺1は手摺固定ねじ9によりブラケット本体3に固定される。
【0027】
また、この手摺ブラケット10は、建材部に固定され、ベース2を建材部に対して位置決めするための位置決め部材5を備え、ベース2の建材部側には、位置決め部材5の形状に適合して位置決め部材5と嵌合する位置決め溝部6(図2)を有している。
【0028】
上記ベース2は、略円盤状に形成されたアルミダイカストなどの金属製鋳造品であり、ベース固定ねじ7を受けるベース固定ねじ受け座7aと、ブラケット本体固定ねじ8に螺合するブラケット本体固定ねじ孔8bと、ブラケット本体3をベース2に固定するためのベース側嵌合部11とを有している。
【0029】
このベース固定ねじ受け座7aは、ベース固定ねじ7によりベース2を建材部に固定するための受け座であり、本実施の形態に係る手摺ブラケット10においては、ベース2を略3等分するように、ベース2に3箇所設けられている。
【0030】
また、ブラケット本体固定ねじ孔8bは、ブラケット本体3を、ブラケット本体固定ねじ8によりベース2に固定するためのものであり、ベース固定ねじ受け座7aの間に水平に2箇所設けられている。
【0031】
また、ベース側嵌合部11は、後述するブラケット側嵌合部12(図2)と嵌合させてブラケット本体3をベース2に対して位置決めするために設けられた部分である。このベース側嵌合部11は、ブラケット側嵌合部12に対してこのベース側嵌合部11を円滑に導入して、ベース2に対するブラケット本体3の組み付けを容易にすることができるように、ブラケット本体3側に向かって突出するとともに先細りに形成されている。
【0032】
このベース側嵌合部11のうち、一のベース側嵌合部11aは、ブラケット本体3に設けられた軽量化のための空洞13(図2)のスペースを有効に利用して、大きな嵌合部分を設けることができるようにしたものであり、空洞13をベース2本体側に向かって拡がる形状に形成するとともに、このブラケット側嵌合部12aの形状に対応する形状にベース側嵌合部11aを形成している。
【0033】
また、このベース側嵌合部11aの側面には、さらに、ブラケット本体3側に向かって拡がる形状に形成されたベース側嵌合溝11cが設けられている。このベース側嵌合溝11cが、ブラケット側嵌合部12の側壁に設けられたブラケット側嵌合突起12c(図2)と嵌合することにより、ベース側嵌合部11aが、より堅固にブラケット側嵌合部12aと嵌め合うことができるようになっている。
【0034】
一方、ベース側嵌合部11のうち、他のベース側嵌合部11bは、ブラケット本体固定ねじ孔8bの周囲のスペースを有効に利用して嵌合部分を設けることができるようにするために、また、ブラケット本体固定ねじ孔8bの螺合部分を長くして堅固にブラケット本体3をベース2に対して組み付けることができるようにするために、ベース2に設けられたブラケット本体固定ねじ孔8bの開口部を囲繞するように設けられている。
【0035】
次に、上記ブラケット本体3は、ブラケット本体固定ねじ8を受けるブラケット本体固定ねじ受け座8aと、ベース固定ねじ7を挿通させるベース固定ねじ挿通孔7cと、手摺1を手摺固定ねじ9によりブラケット本体3に固定するための手摺固定ねじ受け座9aと、前述のように、ベース側嵌合部11と嵌合するブラケット側嵌合部12とを有している。
【0036】
このブラケット本体固定ねじ受け座8aは、ブラケット本体固定ねじ8によりブラケット本体3を、ベース2に固定するためのものであり、また、ベース固定ねじ挿通孔7cは、ベース2とブラケット本体3とを固定した状態で、このベース固定ねじ挿通孔7cからベース固定ねじ7を挿通させて、ベース2を建材部に固定することができるようにするために、ベース固定ねじ受け座7aに臨むように、またベース固定ねじ7の全体が挿通可能になるように設けられている。
【0037】
これらにより、一度手摺ブラケット10を建材部に固定した後は、手摺ブラケット10の交換に際してベース2を建材部から取り外すことなく、ブラケット本体固定ねじ8を緩めるだけでベース2からブラケット本体3を取り外すことができるように構成されている。
【0038】
また、手摺固定ねじ受け座9aは、手摺1を手摺固定ねじ9によりブラケット本体3の上端に設けられた手摺支持部3aに水平に固定するための受け座であり、2個設けられている。
【0039】
ブラケット側嵌合部12(図2)は、前述のようにベース側嵌合部11と嵌合した状態で、ブラケット本体3を、ベース2に対して固定するためのものであり、このブラケット側嵌合部12とベース側嵌合部11とが、互いに楔のように嵌合することにより、ベース2に対するブラケット本体3の位置の遊びをなくし、ベース2に対してブラケット本体3が、がたつかないように構成されている。
【0040】
このブラケット側嵌合部12のうち、一のブラケット側嵌合部12aは、前述のベース側嵌合部11aの形状に対応する形状に形成されたものであり、ブラケット本体3に設けられた軽量化のための空洞13をベース2本体側に向かって拡がるようにして形成されている。
【0041】
なお、このブラケット側嵌合部12aの両側面には、さらに、ベース2側に向かって突出するとともに先細りに形成されたブラケット側嵌合突起12cが設けられており、ブラケット側嵌合部12の側壁に設けられたベース側嵌合溝11cと嵌合することにより、より堅固にブラケット側嵌合部12aとベース側嵌合部11aとが嵌め合うことができるように構成されている。
【0042】
また、他のブラケット側嵌合部12bは、前述のように、ブラケット本体固定ねじ孔8b(図2)の周囲のスペースを有効に利用するとともに、ブラケット本体固定ねじ孔8bの螺合部分を長くして、堅固にブラケット本体3をベース2に対して組み付けることができるようにするために、ブラケット本体固定ねじ8に螺合するブラケット本体固定ねじ孔8bの開口部を囲繞するように設けられている。
【0043】
次に上記カバー4は、ブラケット本体3の外面に現れた各ねじ7、8のねじ頭を覆うために設けられた外装材であり、略円形の中央部分を大きく切り欠いた形状の合成樹脂もしくは金属板の加工品から構成されている。
【0044】
また、上記位置決め部材5は、例えば、建材部が、クロス等の建材部が内装材で覆われて下地の取り付け位置が判然としなくなるような場合でも、容易にベース2を建材部に対して位置決めすることができるようにするために設けられたものであり、位置決め部材5を建材部に固定するためのピン部5aと、ベース2に設けられた位置決め溝部6(図2)に適合する略円錐形状を有するピン頭5bを備えている。
【0045】
そして、この位置決め部材5は、クロス等の内装材を建材部に貼着する前に、ピン部5aを建材部に刺すことにより建材部に固定され、この建材部がクロス等の内装材で覆われた後に、位置決め部材5のピン頭5bとベース2に設けられた位置決め溝部6(図2)とが内装材を挟んで嵌合することにより、建材部に対する手摺ブラケット10の位置決めが行われる。
【0046】
次に図1を参照して、本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10の作用について説明する。図1を参照して、本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10を建材部に対して固定する手順は以下の通りである。
【0047】
すなわち、あらかじめ、ブラケット本体3は、ベース側嵌合部11とブラケット側嵌合部12(図2)とを互いに嵌合する状態で、ブラケット本体固定ねじ8によりブラケット本体3をベース2に固定して手摺ブラケット10として一体に組み付けた状態になっている。
【0048】
そして、クロス等の内装材を図略の建材部に貼着する前に、建材部の下地の手摺ブラケット10の取り付け位置に位置決め部材5のピン部5aを固定する。
【0049】
次に、位置決め部材5のピン部5aの上から建材部の下地にクロス等の内装材を貼着すると、位置決め部材5は、内装材で覆われて目視できなくなるが、位置決め部材5のピン頭5bの分だけが、クロス等の内装材が突出した状態になる。
【0050】
この状態で、ベース2に設けられた位置決め溝部6(図2)をこのクロス等の内装材に覆われたピン頭5bが突出した位置に適合させて、手摺ブラケット10の位置決めを行なう。また、それとともに、ベース固定ねじ挿通孔7cから、ベース固定ねじ7を挿通させてベース固定ねじ受け座7aに締め込むことにより、手摺ブラケット10を内装材の貼着された建材部に固定する。
【0051】
なお、一度手摺ブラケット10を建材部に固定した後は、ベース2を建材部から取り外すことなく、ブラケット本体固定ねじ8を緩めてベース2からブラケット本体3を取り外すことができるようになる。
【0052】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10によれば、ブラケット本体3側に向かって突出するとともに先細りに形成されたベース側嵌合部11と、ベース側嵌合部11の形状に対応してベース2側に向かって拡がるように形成されたブラケット側嵌合部12とが互いに嵌合した状態でベース2に対してブラケット本体3が固定されるので、ベース側嵌合部11に対するブラケット側嵌合部12の導入が容易な結果、ベース2に対するブラケット本体3の組み付けが容易となる。
【0053】
また、ベース側嵌合部11と、ブラケット側嵌合部12とが互いに楔のように嵌合するので、ベース2に対するブラケット本体3の遊びがない結果、ベース2に対してブラケット本体3が、がたついたり、手摺1が不安定になることを防止することができる。
【0054】
また、本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10によれば、ブラケット本体3に設けられた軽量化のための空洞13を利用して一のブラケット側嵌合部12aが形成され、また、この一のブラケット側嵌合部12aの形状に対応する形状にベース側嵌合部11aが、ベース2の概ね中央部分に形成されているので、空洞13のスペースを有効に利用して大きな嵌合部分を設けることができる結果、より堅固にブラケット本体3をベース2に対して組み付けることができる。
【0055】
また、本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10によれば、他のベース側嵌合部11bが、ブラケット本体固定ねじ8に螺合するブラケット本体固定ねじ孔8bの開口部を囲繞するように設けられているので、ブラケット本体固定ねじ孔8bの周囲のスペースを有効に利用して嵌合部分を設けることができるだけでなく、ブラケット本体固定ねじ孔8bの螺合部分を長くすることができる結果、さらに堅固にブラケット本体3をベース2に対して組み付けることができる。
【0056】
また、本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10によれば、ベース固定ねじ受け座7aに臨んでベース固定ねじ7を挿通させるベース固定ねじ挿通孔7cをブラケット本体3に有しているので、特にベース2とブラケットとをブラケット本体固定ねじ8で固定した状態で、ベース固定ねじ挿通孔7cからベース固定ねじ7を挿通させて手摺ブラケット10を建材部に固定することができる。
【0057】
また、一度手摺ブラケット10を建材部に固定した後は、ベース2を建材部から取り外すことなく、ブラケット本体固定ねじ8を緩めてベース2からブラケット本体3を取り外すことができるので、手摺ブラケット10の交換に際してベース固定ねじ7を脱着する必要がない結果、ベース固定ねじ7の脱着にともなってねじ孔が大きくなったり、別のねじ孔が開けられたりして、建材部の下地が損なわれることがない。そのため手摺ブラケット10が、がたついたり、手摺1が不安定になることを防止することができる。
【0058】
また、本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10によれば、建材部に固定される位置決め部材5と、ベース2の建材部側に設けられる位置決め溝部6とが嵌合することにより、建材部に対する手摺ブラケット10の位置決めがなされるので、例えば、クロス等の内装材を建材部に貼着する前に、建材部に位置決め部材5を設けておくことにより、建材部が内装材で覆われて下地の取り付け位置が判然としなくなるような場合でも、容易にベース2を建材部に対して位置決めすることができる。
【0059】
また、本発明の実施の形態に係る手摺ブラケット10によれば、位置決め部材5のピン部5aにより、位置決め部材5を容易に建材部に固定することができる。
【0060】
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
【0061】
例えば、手摺ブラケット10は、必ずしも図示の形状に限定されない。図4は本実施の形態の第一の変形例に係る手摺ブラケット20の構成を示す説明図であり、(a)は、第一の変形例に係る手摺ブラケット20の側面、(b)は、第一の変形例に係る手摺ブラケット20の正面をそれぞれ示している。また、図5は本実施の形態の第二の変形例に係る手摺ブラケット30の構成を示す説明図であり、(a)は、第二の変形例に係る手摺ブラケット30の側面、(b)は、第二の変形例に係る手摺ブラケット30の正面をそれぞれ示している。
【0062】
本実施の形態の第一の変形例に係る手摺ブラケット20においては、ブラケット本体3は、ベース2に対して垂直な方向に立設されるものである。また、本実施の形態の第二の変形例に係る手摺ブラケット30においては、ブラケット本体3は、ベース2に対して垂直な方向に立設され、互いに直角の方向に延びる二つの手摺1を支持するものである。このように、手摺ブラケット10は、手摺1を建材部に固定するためのものであって、建材部に固定されるベース2と、ベース2に固定されるブラケット本体3とを備えたものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0063】
また、位置決め部材5のピン頭5bも必ずしも図示のように略円錐の形状に限定されない。建材部に固定され、ベース2を建材部に対して位置決めするために適した形状であれば、種々の設計変更が可能である。
【0064】
さらに、ベース2は、必ずしも略円盤状に形成されたアルミダイカストなどの金属製鋳造品に限定されない。形状、材質ともに種々の設計変更が可能である。
【0065】
また、ベース固定ねじ7、ブラケット本体固定ねじ8の本数も、必ずしも図示の個数に限定されない。ベース2やブラケット本体3の形状、寸法に応じて変更は可能である。
【0066】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ベースに対するブラケット本体の組み付けが容易であるだけでなく、ベースに対するブラケット本体の遊びがなく、ベースに対してブラケット本体が、がたついたり、手摺が不安定になることを防止することができ、より堅固にブラケットとベースとが嵌め合うことができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る手摺ブラケットをブラケット本体側から見た分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る手摺ブラケットをベース側から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る手摺ブラケットの構成を示す説明図であり、(a)は、手摺ブラケットの側面、(b)は、手摺ブラケットの正面を示している。
【図4】本発明の実施の形態に係る第一の変形例の構成を示す説明図であり、(a)は、第一の変形例の手摺ブラケットの側面、(b)は、第一の変形例の手摺ブラケットの正面を示している。
【図5】本発明の実施の形態に係る第二の変形例の構成を示す説明図であり、(a)は、第二の変形例の手摺ブラケットの側面、(b)は、第二の変形例の手摺ブラケットの正面を示している。
【符号の説明】
1 手摺
2 ベース
3 ブラケット本体
5 位置決め部材
5a ピン部
5b ピン頭
6 位置決め溝部
7 ベース固定ねじ
7a ベース固定ねじ受け座
7c ベース固定ねじ挿通孔
8 ブラケット本体固定ねじ
8b ブラケット本体固定ねじ孔
10 手摺ブラケット
11 ベース側嵌合部
12 ブラケット側嵌合部
13 空洞
Claims (6)
- 手摺と手摺が固定される建材部との間に設けられ、手摺を建材部に固定するための手摺ブラケットであって、建材部に固定されるベースと、ベースに固定されるブラケット本体とを備え、前記ベースは、ブラケット本体側に向かって突出するとともに先細りに形成されたベース側嵌合部を有し、かつ、前記ブラケット本体は、ベース側嵌合部の形状に対応してベース側に向かって拡がるように形成されてベース側嵌合部と嵌合するブラケット側嵌合部を有し、前記ベース側嵌合部は、側面にブラケット本体側に向かって拡がる形状に形成されたベース側嵌合溝を有し、このベース側嵌合溝が、ブラケット側嵌合部の側壁に設けられたブラケット側嵌合突起と嵌合するようにして、前記ベース側嵌合部と前記ブラケット側嵌合部とが互いに嵌合した状態でベースに対してブラケット本体が固定されることを特徴とする手摺ブラケット。
- 一の上記ブラケット側嵌合部は、上記ブラケット本体に設けられた軽量化のための空洞をベース本体側に向かって拡がる形状に形成してなるものであり、ベース側嵌合部は、この一の上記ブラケット側嵌合部の形状に対応する形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の手摺ブラケット。
- 上記ブラケット本体は、ブラケット本体固定ねじによりベースに固定され、少なくとも一の上記ベース側嵌合部は、このブラケット本体固定ねじに螺合するブラケット本体固定ねじ孔の開口部を囲繞するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至2記載の手摺ブラケット。
- 上記ベースは、ベースを建材部に固定するためのベース固定ねじを受けるベース固定ねじ受け座と、上記ブラケット本体固定ねじに螺合するブラケット本体固定ねじ孔とを有し、かつ、上記ブラケット本体は、前記ベース固定ねじ受け座に臨んでベース固定ねじを挿通させるベース固定ねじ挿通孔と、前記ブラケット本体固定ねじを受けるブラケット本体固定ねじ受け座とを有していること特徴とする請求項1乃至3記載の手摺ブラケット。
- 上記手摺ブラケットは、建材部に固定され、ベースを建材部に対して位置決めするための位置決め部材と、ベースの建材部側に設けられ、位置決め部材の形状に適合して位置決め部材と嵌合する位置決め溝部を有し、建材部に固定された位置決め部材とベースに設けられた位置決め溝部とが嵌合することにより、建材部に対する手摺ブラケットの位置決めがなされることを特徴とする請求項1乃至4記載の手摺ブラケット。
- 上記位置決め部材は、位置決め部材を建材部に固定するためのピン部と、ベースに設けられた上記位置決め溝部に適合する形状を有するピン頭を備えていることを特徴とする請求項1乃至5記載の手摺ブラケット。
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